図1は本発明の一実施例である洗濯乾燥機の縦断面図である。洗濯乾燥機は、外枠1の内側に四本の吊棒5によって、外枠1の上部の4隅にあるコーナープレート21より外槽2が支持されている。吊棒5には、洗濯および脱水時の振動を吸収するオシバネ4が備えられている。
外槽2の内部には、洗濯兼脱水槽3が略鉛直の回動軸に回動自在に備えられている。洗濯兼脱水槽3の底面には、攪拌翼8が備えられている。
攪拌翼8及び洗濯兼脱水槽3の回動は、駆動部20の内部に収納されているDCブラシレスモータ(図示せず)、減速ギヤ(図示せず)、洗濯・脱水切換クラッチ(図示せず)により行われ、洗濯時は攪拌翼8が回動し、脱水時は洗濯兼脱水槽3及び攪拌翼8が一緒に回転するように制御される。脱水により衣類から分離された脱水液や洗濯終了後の洗濯水やすすぎ終了後のすすぎ水は、排水電磁弁9の操作により排水ホース10から機外へ排水される。また、脱水時、洗濯兼脱水槽3が高速回転することによる振動低減を図るために洗濯兼脱水槽3の上部に合成樹脂などで構成されたバランサー12が設けられている。
洗濯機の外槽2の底部には、厚さが1.6〜3.2mm程度の金属製のベース27が設けられており、この金属製のベース27に排水電磁弁9や駆動部(DCブラシレスモータも含む)20a、送風ファン13等が取り付けられている。これらの動作は前述した制御部22の指令によりリード線28を介して通電されて動作する。また、このベース27にはアース線26が取付けられている。
洗濯時には、使用者は、洗濯乾燥機の上面に設けられた外蓋18を開け、次に外槽2の上面に設けられた内蓋19を開けて、洗濯物6および洗剤(図示せず)を洗濯兼脱水槽3内へ投入する。そして、使用者が操作部(図示せず)から、洗濯開始の指令を入力すると、制御部22の指令より、洗濯用給水電磁弁7に通電し、洗濯槽3内に洗濯に必要な水を水道から給水する。給水終了後、洗濯兼脱水槽3の中央底部に位置している攪拌翼8を制御部22の指令により、休止をおいて左右に正逆回転させ、洗濯水を介して洗濯物6を攪拌し洗濯を行う。その後、洗濯水を洗濯乾燥機の外に排水する。洗濯行程終了後、すすぎ行程に入る。すすぎ行程では、新たに水道水を給水し、洗濯行程同様に攪拌翼ですすぎ水を介して洗濯物6攪拌する。そして、すすぎ水を排水し、洗濯兼脱水槽3が高速回転し、洗濯物6に含まれた水分を遠心力により洗濯槽兼脱水槽3の側面の脱水穴11から脱水する。そして、すすぎ水を再び給水して洗濯物6を攪拌し、すすぎ水を排水してすすぎ行程を終了する。すすぎ行程の後は、脱水行程を行う。脱水行程では、すすぎ行程中の脱水と同じ脱水動作を行うが、脱水時間はより長く設定されている。脱水によって洗濯物6に含まれる水分を少なくして、洗濯物が速く乾くようにするためである。脱水行程が終了すると、洗濯は終了する。
洗濯が終了すると、乾燥が選択されている場合には、自動的に乾燥行程へ移行する。乾燥行程では、洗濯物6の水分を洗濯兼脱水槽3の高速回転により十分に除去した後、洗濯槽3を約40rpm前後の低速で回転させながら、洗濯兼脱水槽3内を乾燥した温風を流して洗濯物6を乾燥させる。送風ファン13の運転により外槽2内の空気が循環通路14内を矢印に示すように流れ、外槽2から洗濯槽3内に送風循環される。循環通路14の途中であり且つ吐き出し口近傍にはヒータ15が設けられており、送風ファン13により送り出された空気は、ヒータ15により温められて温風となって洗濯兼脱水槽3内に送られて洗濯物6を乾燥させる。
また、洗濯物6を乾燥させた温風は湿度が高くなり、湿度の高い温風を長い時間循環しても洗濯物6は乾燥できないため、循環通路14内に湿度を取り除くための手段を設けてある。循環通路14に設けられた湿度センサ16の情報をもとに凝縮用給水電磁弁17を開放し、フレキシブルホース23を介して循環通路14に注水する。この時の注水量は、約3L/分である。注水された冷水は、循環通路14の内部の金属製のプレート24の表面に当たる。高湿の温風中の水蒸気は、この金属製プレート24の表面を通過することにより熱交換がおこなわれ、凝縮されて水分となり下方に落下し、同時に循環温風は含有水分の少ない空気となり、ヒータ15部を通して乾燥した温風となって温風吐き出し口25から洗濯兼脱水槽3内の洗濯物6に送風され、再び洗濯物6を乾燥する。
乾燥時には、前述したように洗濯兼脱水槽3を約40rpm前後で低速回転し乾燥しているが、洗濯兼脱水槽3の回転のみでは洗濯物6に乾燥むらが発生するため、時々洗濯兼脱水槽3の回転を停止し、攪拌翼8を左右に正逆回転させて温風を送り乾燥する。
次に、DCブラシレスモータ20aのステータ20bについて、図2を基に説明する。図2はインナーロータタイプのDCブラシレスモータ20aのステータ20bを上面部から見た図である。ロータ(図示せず)はその外周に極数分の磁石が設けられ、ステータ20bの中央部に位置して取付けられる。本実施例のDCブレシレスモータ20aは10極のものであり、ロータの外周には10個の磁石が設けられている。ステータ20bの内側には12ティースに分割されたブロックで巻線32が巻かれており、その巻線は、U端子29u、V端子29v、W端子29wに接続されている。巻線32は、絶縁材20dを介在して固定子鉄心20cのティースの周りに巻かれている。U−V−W相は、順番に左回りにV−V−U−U−W−W−V−V−U−U−W−Wの順にとなっている。また、V相の巻線は、V端子29vを起点とし、巻線32v1を巻き、そして隣のティースの巻線32v2を巻線32v1と逆回りで巻く。さらに、ステータ20bの周上を通って、巻線32v3、32v4を互いに逆回りで巻き、中性点端子33に到る。同様に、U相、W相の巻線も、それぞれU端子29u、W端子29wから、4つの巻線32u1〜4、巻線32w1〜4を形成して、中性点端子33まで引かれている。
次に、図3、図4によりDCブラシレスモータ20aの巻線32に流れる電流の通電状態を説明する。
図3は、DCブラシレスモータ20aの巻線32に電気角で120度の通電方式でU−V−W相巻線に通電した時の電流の流れる状態を示している。電気角120度通電方式では、運転時にDCブラシレスモータ20aのU端子29u、V端子29v、W端子29wにそれぞれに矢印で示したような通電が行われる。具体的には、a:U→V、b:U→W、c:V→W、d:V→U、e:W→U、f:W→Vの順序で通電される。過負荷時も、aからfまで順番に繰返し通電される。また、モータ20aの回転子の回転が停止する拘束が起こることがある。拘束は、モータ20aが回転させている攪拌翼8や洗濯兼脱水槽3の回転が外部からの力で止められたり、インバータ駆動回路38の不調などにより起こる。拘束時には、電流は各相の線間のみに流れる。具体的には、U−V、V−W、W−U間のいずれかの巻線に電流が流れる。
図4は、DCブラシレスモータ20aの巻線32に、電気角で180度の通電方式で通電した時の電流の流れる状態を示している。電気角180度通電方式は、DCブラシレスモータ20aのU相端子29u、V相端子29v、W相端子29wそれぞれに矢印で示すような通電方式である。まず、U相端子29uに接続されたU相巻線32uからV相巻線32v及びW相巻線32wに通電される(g、h)。次にW端子29wに接続されたW相巻線32wからU相巻線32u及びV相巻線32vに通電され(i、j)、次にV端子29vに接続されたV相巻線32vからU相巻線32u及びW相巻線32wの方向へ通電する制御がなされる(k、l)。180度通電の場合、U相巻線32uからV相巻線32v、W相巻線32wに通電される場合、電流の大きさはV相巻線32v、W相巻線32w共、U相巻線32uに流れる電流の半分となる。また、W相巻線32wからU相巻線32u、V相巻線32vに通電される場合の電流の割合はU相巻線32u、V相巻線32v共、W相巻線32wに流れる電流の半分となる。同じように、V相巻線32vからU相巻線32u、W相巻線32wに通電される場合、電流の割合はU相巻線32u、W相巻線32w共、V相巻線32vに流れる電流の半分となる。過負荷時にも、電流は増加するが通常時と同様の順番で電流が流れる。DCブラシレスモータ20aの運転中に何らかの異常で拘束が起こった場合、過電流が巻線32に流れ過熱状態となるが、どの巻線32を主にして通電されている状態で拘束されたかにより、各巻線に流れる電流の比率が異なる。
120度通電、180度通電のいずれの場合でも、過負荷の場合には回転子の回転数が小さくなるので、回転子が回転することにより発生する巻線32への逆起電力の発生が少なくなるため、各巻線32に流れる電流が通常時よりも大きくなり、ステータ28の温度が上昇する。また拘束時にも、同様の理由から電流が大きくなってステータ28の温度が上昇する。そこで、過負荷または拘束が起こった場合には、これを検知してモータ20aを停止させ、モータ20aを高熱による故障を防止する必要がある。
本実施例では、過負荷及び拘束を、温度を検知することにより行う。温度検知手段しては、温度が上昇すると回路に流れる電流を遮断する温度プロテクタ51を用いる。
図5は、DCブラシレスモータのステータ28の部分断面図である。巻線32は絶縁材33を介在して各相ごとに巻き込まれている。インナータイプの巻線32では巻くときの隙間が狭く整列巻とすることは困難なので、巻線32の上部表面は凹凸となる。仮に温度プロテクタ51をこの凹凸が激しい巻線32上部表面部に取付けた場合、温度プロテクタ51と巻線32上面との間にギャップができ、巻線32表面の温度が凹凸が作り出す空間の空気断熱作用により温度プロテクタに迅速に伝熱されず、巻線32表面温度と温度プロテクタ51の検知温度に大きな誤差を発生してしまう。そのため、DCブラシレスモータ20aの巻線32に温度過昇防止として温度プロテクタ51を取付けて巻線32の温度過昇防止を図ることは困難である。
図6は、本実施例のDCブラシレスモータ20aのステータ28の部分断面図である。本実施例では、温度プロテクタ51をステータ20bの外周側に取付ける。巻線32で発生した熱が固定子鉄心20cを介して温度プロテクタ51に伝わることにより、温度プロテクタ51は過負荷や拘束を感知して、モータ20aに流れる電流をシャットダウンする。固定子鉄心20cは、金属製であり熱伝導率がよく、また、外周は平坦であり温度プロテクタ51を密着させることができるため、巻線32の温度が温度プロテクタ51まで、よく伝導する。
図7は、図1に示した駆動部20に温度プロテクタ51を取付けたときの断面図を示す。金属製のベース27には減速ギヤユニット83やDCブラシレスモータ20aが取付けられている。DCブラシレスモータ20aは、その内側中心部に回転するロータ20eがあり、DCブラシレスモータ20aの巻線32にインバータ駆動回路38からU相、V相、W相に電源が供給され回転する。DCブラシレスモータ20の下部には巻線32やロータ20eをカバー20fにより保護されている。巻線32はステータ28aに絶縁材20dを介在して取付けられている。ロータ20eの回転は、洗濯時にはクラッチレバー80の操作によりクラッチ84が解除されて、ギヤユニット内のギヤにのみ伝達されて減速された回転を攪拌翼8に伝達するPシャフト82を回動させる。脱水時には、クラッチレバー80の操作によりクラッチが係合し、ギヤユニット83全体を回転させて主軸81に伝達される。この主軸81は、洗濯兼脱水槽3に接続されており、洗濯兼脱水槽3を高速回転させて脱水を行う。温度プロテクタ51は、DCブラシレスモータ20aのステータ20bの側壁にカバー20fを介して設けられており、異常温度上昇から巻線32を保護する機能を有する。なお、固定子鉄心20cは巻線32からの熱伝導性が他の部分と比較して良いのでその上に鋼板製のカバー20fがあっても検知感度はあまり問題とならない。温度プロテクタ51は、固定子鉄心20b側以外を断熱手段である樹脂カバー55で覆って固定することにより、放熱が少なくして動作を素早くしている。また、ステータ20bの外周はケース20fで囲まれているが、鉄心の接触部分は熱伝導がよいので直接外周でなくてもよい。
本発明の一実施例は、洗濯兼脱水槽3と、洗濯兼脱水槽3を駆動させるDCブラシレスモータ20aと、DCブラシレスモータ20aを制御する制御装置22とを備え、DCブラシレスモータ20aは、固定子鉄心20cと、固定子鉄心20cの内側に設けられた回転子(図示せず)を備えた洗濯機において、固定子鉄心20cの外周に、温度プロテクタ51を設けたことを特徴とする。
この構成により、巻線32の温度を固定子鉄心20cを伝導させ、温度プロテクタ51に導いて温度検知を行うことができる。固定子鉄心20cは、巻線32とも温度プロテクタ51とも密着しているため、巻線32の温度が温度プロテクタ51までよく伝わる。また、制御装置22ではなくハードでDCブラシレスモータの保護を行うため、制御装置22が誤動作や暴走を起こしたときでも保護を行うことができる。
図8は、本実施例において、温度プロテクタ51を備えたステータ20bを上面側から見た図である。120度通電時には、前述のとおり、U相巻線32u、V相巻線32v、W相巻線32wを時間で積分すると、それぞれにほぼ同じ量の電流が流れる。そのため、それぞれの巻線32が一様に温度上昇する。また、過負荷時には、電流の流れる量が増えるが、電流が流れる順番が同じであるため、U相巻線32u、V相巻線32v、W相巻線32wとも一様に温度上昇する。また、拘束時には、U−V、V−W、W−Uのいずれかの巻線に電流が流れる。そのため、U相巻線32u、V相巻線32v、W相巻線32wのうち、二つの巻線の温度を監視しなければならない。U相巻線32uとV相巻線32vの中間の外周に温度プロテクタ51aを設置すれば、一つの温度プロテクタ51aで二つの相の巻線32の温度を監視することができるので、温度プロテクタ51が一つでよい。
また、180度通電時には、前述のとおり、通常時及び過負荷時には、U相巻線32u、V相巻線32v、W相巻線32wにそれぞれにほぼ同じ量の電流が流れる。しかし、拘束時には、どの巻線32を主にして通電されている状態で拘束されたかにより各巻線32に流れる電流値の比率が異なる。例えば、U相巻線32uからV相巻線32v及びW相巻線32wに通電されているときに制御装置の誤動作により拘束が起きた場合には、U相巻線uを流れる電流は、V相巻線32v、W相巻線32wを流れる電流の約2倍となり、U相巻線32uの発熱が大きくなる。また、V相巻線32vからU相巻線32u及びW相巻線32wに通電されているときに拘束が起きた場合には、V相巻線32vが最も発熱が大きくなる。このようにどの巻線32が最も発熱が大きくなるか判らないため、三つの相の巻線32の温度を監視しなければならない。本実施例では、U相巻線32uとV相巻線32vの中間の外周の温度プロテクタ51aと、V相巻線32vとW相巻線32wの中間の外周の温度プロテクタ51bを設けている。これによって、二つの温度プロテクタ51でU相巻線32u、V相巻線32v、W相巻線32wの三つの巻線32の温度を監視し、温度上昇を検知することができる。なお、二つのうち少なくとも一つの温度プロテクタ51が二つの相の巻線の中間の外周にあればよい。例えば、温度プロテクタ51bをW相巻線32wの外周に設けても、三つの相の巻線32の温度を検知することができる。
本発明の一実施例は、温度プロテクタ51を二個備え、少なくとも一個は固定子20bのU相巻線32u、V相巻線32v、W相巻線32wのうち、いずれか二つの相の巻線32の間の外周に設けられたことを特徴とする。
この構成により、二つの温度プロテクタ51で三つの相の巻線32の温度を監視することができる。
図9は、本発明の温度過昇防止のための温度プロテクタ51を設けたDCブラシレスモータ20aの基本駆動回路ブロック図である。電源34はAC100Vに接続し、電源スイッチ35をONにすると、駆動回路に電源電流を供給する。供給された電源電流は、電源ラインノイズや空中電波ノイズをカットするフィルタ回路36を通過し、整流回路37で交流から直流に変換され、インバータ駆動回路38に供給される。インバータ駆動回路38は、IGBT素子回路を有しており、直流電流をDCブラシレスモータ20aの各巻線32に供給する波形電流に変換する。マイコン40はインバータ駆動回路38を制御することでDCブラシレスモータ20aの運転制御を行っている。また、DCブラシレスモータ20aの回転制御に際しては、ロータ20eの回転数をホールIC39からの信号によりマイコン40に取り込み、回転数の制御を行う。
また、洗濯乾燥機の運転駆動に必要な洗濯用給水電磁弁7や凝縮用給水電磁弁17 排水電磁弁9、乾燥運転時の送風ファン13などの電気部品の駆動電流としては、フィルタ回路36を通してノイズがカットされた交流電流が駆動回路41に取り込まれて用いられる。この駆動電流は、マイコン40の指令により駆動回路41から各電気部品に供給され、各電気部品は制御される。
温度プロテクタ51は、図11(a)に示すように、スイッチとしてバイメタル52を用いている。バイメタル52は、二枚の金属板52a、52bを張り合わせており、金属板52a、52bを構成する金属の熱膨張係数は、金属板52aのほうが金属板52bよりも大きくなっている。温度プロテクタ51が温度上昇すると、バイメタル52を構成する二つの金属52a、52bが熱膨張係数の差により曲がり、スイッチが開いて電流が遮断される。
図9に示すように、温度プロテクタ51を回路中に挿入する位置は、フィルタ回路36と整流回路の間としている。インバータ駆動回路38の配線は動作時に発生する内部ノイズを多く含むため、フィルタ回路36の後に接続して遮断することによりインバータ駆動回路38の内部ノイズを電源ラインに戻りにくくしている。
また、高電圧が流れている回路では、バイメタル52がスイッチ端子53と離れる距離が小さいと電流が空気中を伝わって流れてしまう。これを防ぐには、バイメタル52の動作が大きくなるようにする、バイメタル52とスイッチ端子53の接触面積を大きくする等の対策があるが、温度プロテクタ51を大型化し、コストが上がってしまうという問題がある。本実施例では、温度プロテクタ51をフィルタ回路と整流回路の間の交流電源が流れている位置に配置している。交流は電圧が常に変化しており、電圧が0Vになるゼロクロス点で電流を遮断しやすいからである。そのため、同じ電流を遮断するには、交流電源の方が直流電源よりも温度プロテクタ51を小型化することができて信頼性も上がる。また、電流の遮断はマイコン40を介さずに行っているので、電源ノイズまたは静電気等によりマイコン40が誤動作または暴走しても、電流を遮断してDCブラシレスモータ20aを保護することが出来る。
本発明の一実施例は、ノイズをカットするフィルタ回路36と、交流を直流に変換する整流回路37とを備え、温度プロテクタ51は、フィルタ回路36と整流回路37との間に接続されていることを特徴とする。
この構成により、温度プロテクタ51を交流回路に接続しているので、電流遮断がしやすく、小型で安価な温度プロテクタ51を用いることができる。また、電流を遮断したときに、インバータ駆動回路38の内部ノイズを電源ラインに戻りにくくしている。
図10は、他の本発明の温度過昇防止のための温度プロテクタ51を設けたDCブラシレスモータ20aの基本駆動回路ブロック図である。この駆動回路では、温度プロテクタ51aをV相に、温度プロテクタ51bをU相に接続している。120度通電時に拘束が起き、U−V相間またはV−M相間に過電流が流れた場合には、V相巻線32v2が発熱し、温度プロテクタ51aが発熱を感知してV相を流れる電流を遮断することにより、DCブラシレスモータ20aを停止させる。U−W相間に過電流が流れた場合には、U相巻線32u2及びW相巻線32w1が発熱し、温度プロテクタ51bが発熱を感知してU相を流れる電流を遮断する。また、180度通電時に拘束が起きた場合には、V相が発熱量が大きい場合には、温度プロテクタ51aがV相巻線32v2の発熱を感知してV相を流れる電流を遮断する。U相が発熱量が大きい場合には、温度プロテクタ51bがU相巻線32u2の発熱を感知してU相を流れる電流を遮断する。V相が発熱量が大きい場合には、まず、温度プロテクタ51bがW相巻線32w1の発熱を感知してU相を流れる電流を遮断する。その後は、V−W相間に電流が流れるため、温度プロテクタ51aがV相巻線32v2の発熱を感知してV相を流れる電流を遮断することによって、DCブラシレスモータ20aが停止する。
温度プロテクタ51を自己発熱タイプとすると、温度プロテクタ51の反応が敏感になる。自己発熱タイプの温度プロテクタ51とは、図11(a)に示す温度プロテクタ51において、バイメタル52の金属板52a、52bに高抵抗材を使用して加熱手段としたり、図11(b)に示すように、加熱用ヒータ54を温度プロテクタ51に内蔵させたものである。
従来の温度プロテクタでは、損失を低減させるために電気抵抗を小さくし、発熱も小さくしている。そして、温度プロテクタが高温になったときに電流を遮断するが、装置の熱がよく伝わるように備えないと、反応が遅くなってしまう。また、過電流に対して電流を遮断する機能も有している温度プロテクタもある。この温度プロテクタでは、大電流が流れたときにバイメタルが短時間で発熱し、その発熱によってバイメタルのスイッチを開いて電流を遮断している。遮断が起きる電流は、通常流れる電流の5〜10倍程度に設定してある。
洗濯機で過負荷や拘束が起こったときの電流値は、通常の電流値の二倍程度である。DCブラシレスモータ20aの回転の始動時に通常の二倍程度の電流が流れてしまうことがある。洗濯機は、洗濯時にはDCブラシレスモータ20aを正逆回転させ、正逆回転では、正回転、逆回転の各々を始めるときに大きな電流が流れることがある。通常の二倍の電流値で電流を遮断するようにした場合、過負荷や拘束が起きていないのに誤作動で遮断してしまう恐れがある。また、バイメタル52の作動温度も低く設定するため、気温が高いときに誤作動を起こす恐れがある。
そこで、本発明では、温度プロテクタ51に加熱手段と電流遮断手段を備え、過負荷や拘束が起きた場合には、増加した電流で加熱手段を作動させ、徐々に温度を上昇させて電流遮断手段を作動させる。徐々に温度を上昇させるとは、電流遮断手段が作動するまでに少なくとも1分はかかるように温度上昇させることである。電流遮断手段としては、バイメタル52が望ましい。温度によって電流を遮断するのは、低コストであり、信頼性も高いからである。また、加熱手段としては、バイメタル52の材料に高抵抗材を使用したもの、またはヒータ54が望ましい。手軽に備えることができるからである。
本発明の一実施例は、洗濯兼脱水槽3と、洗濯兼脱水槽3を駆動させるDCブラシレスモータ20aと、DCブラシレスモータ20aを制御する制御装置22とを備えた洗濯機において、異常状態を検知して電流を遮断する温度プロテクタ51を備え、温度プロテクタ51は、温度を感知して電流を遮断する電流遮断手段と発熱手段とを備え、発熱手段によって徐々に温度を上昇させて電流遮断手段を作動させることを特徴とする。
この構成により、比較的小さな過電流でも、温度プロテクタ51で検知して遮断することができる。また、一時的に過電流になっても、電流遮断を行わなず、洗濯機の運転を続けることができる。
また、本発明の一実施例は、電流遮断手段はバイメタル52であり、発熱手段はバイメタル52またはヒータ54であることを特徴とする。
この構成により、低コストで信頼性の高い本発明の温度プロテクタ51とすることができる。
温度プロテクタ51は、DCブラシレスモータ20aの固定子鉄心20cの外周に設けてある。温度プロテクタ51をDCブラシレスモータ20aと熱的に接触させておくことで、電流とモータ温度の二つによって、温度プロテクタ51の温度を上昇させて、過負荷や拘束等の検知を行えるからである。また、温度プロテクタ51のDCブラシレスモータ20aと接する個所以外に断熱手段として樹脂カバー55を設け、熱をためやすいようにしている。
本発明の一実施例は、温度プロテクタ51は、DCブラシレスモータ20aに熱的に接続されていることを特徴とする。
この構成によって、電流による熱と固定子鉄心を伝わってくる巻線32の温度とを合わせて、モータ20aの過負荷または拘束を検知することにより、温度プロテクタ51の反応性を敏感にすることができる。
また、本発明の一実施例は、温度プロテクタ51は、断熱手段55を有していることを特徴とする。
この構成により、温度プロテクタ51は、発熱手段が発した熱を温度プロテクタ51内にためることができ、異常検知を行いやすくすることができる。
図12は、本実施例のDCブラシレスモータ20aに流れる電流値と通電時間の関係による巻線32の温度上昇値を測定したものである。
通常、巻線には3〜4A程度の電流が流れる。洗濯乾燥機の場合は、布負荷が偏って過負荷になることがある。また、攪拌翼8と洗濯槽3の間に異物が入って回転が拘束されたりすることもある。DCブラシレスモータ20aは、回転している時は巻線32に逆起電力が発生するので流れる電流は小さくなるが、過負荷や拘束、すなわち攪拌翼8の回転が少なくなったり停止したりしたときは逆起電力が小さくなったり発生しなくなったりするため、大きな電流が流れる。このとき、電流を抑えるため電流検知回路48により電流を検知して電流リミッタにより電流を制限している。
図12の60は巻線32の温度、63はステータの外周の温度プロテクタ51の温度、61は自己発熱タイプの温度プロテクタ51の温度である。巻線32に通常運転時の約二倍の6アンペアの電流が流れると巻線32の表面温度は約8分で200℃に達する。しかし、ステータ28の側面の温度44は、巻線32には絶縁材20dが介在されており発熱した熱の熱伝導が悪いため、巻線32が200℃を越えても温度プロテクタは50℃程度にしか上昇していない。このため、従来の温度プロテクタで温度上昇を検知する場合、巻線32への通電を遮断するように設定する温度が低くなる。このような低い温度で動作する温度プロテクタ51とした場合には、バイメタル52の温度変化に対する動作量を大きくするために大型でコストの高いものとなってしまう。また、動作温度が低いく外気温に近いため、気温が高い日には誤作動を起こし、DCブラシレスモータ20aが正常に運転しているにも関わらず電流を遮断してしまう恐れがある。
自己発熱タイプの温度プロテクタ51を使用した場合には、巻線32の表面温度が200℃に達したときには、温度プロテクタ51の温度は自己発熱の影響により180℃に上昇している。また、巻線32の表面温度が100℃のときには、温度プロテクタ51の温度は90℃になっている。
絶縁材20dとしてE種絶縁を用いた場合には、巻線32表面の許容温度は115℃までとなる。過負荷分Tは巻線の絶縁材料にポリエステルを使用した場合は通常35℃くらいとるので、温度プロテクタ51の動作温度は、巻線が120℃となる約110℃に設定すれば良いことなる。このような温度プロテクタでは、バイメタル52を小型のものとしても、十分に電流を遮断することができる。また、外気温との動作温度の差が大きいので、気温が高いことを原因には誤作動は起こしにくい。
本実施例では、モータに流れる電流値により過負荷または拘束を検知する。
図13は、本実施例の電流検知手段42によりDCブラシレスモータ20aのU相、V相、W相に流れる電流値を検知する基本駆動回路ブロック図である。電源34はAC100Vに接続し、電源スイッチ35をONにすると、回路に電源電流を供給する。供給された電源電流は、電源ラインノイズや空中電波ノイズをカットするフィルタ回路36を通過し、整流回路37で交流から直流に変換され、インバータ駆動回路38に供給される。インバータ駆動回路38は、IGBT素子回路(図示せず)を有しており、直流電流をDCブラシレスモータ20aの各巻線32に供給する波形電流に変換する。マイコン40はインバータ駆動回路38を制御することでDCブラシレスモータ20aに電気角120度もしくは180度で通電制御された電源を供給して運転制御を行っている。また、DCブラシレスモータ20aの回転制御に際しては、ロータ20eの回転数をホールIC39からの信号によりマイコン40に取り込み、回転数の制御を行う。
また、洗濯乾燥機の運転駆動に必要な洗濯用給水電磁弁7や凝縮用給水電磁弁17、排水電磁弁9、乾燥時の送風ファン13などの駆動制御はフィルタ回路36から駆動回路41に接続され、マイコン40の指令により適宜、運転行程に基づいて制御される。DCブラシレスモータ20にはインバータ駆動回路38からU相29u、V相29v、W相29wにそれぞれ供給される。また、U相、V相、W相には各々電流検知回路30u、30v、30wが付いており、これらの電流検知回路30による各相の電流値は電流入力取込み回路43に入り、DCブラシレスモータ20aに通電されている電流値を所定の時間繰返し取込み、次の積分回路44へ入力する。積分回路44では、通電時間に対し電流値が入力されて積分される。
閾値を設け、電流値のピークが閾値を越えたときに電流を遮断する方式は、短時間の電流の増加があっても正常に運転しなければならない機器には使用しにくい。本実施例の積分回路44は電流値を平均化する低周波フィルタの役割をしており、短時間の拘束に対して正常に運転を続けられるようにしている。比較回路45は、積分回路44の出力値と所定の閾値の比較を行う。前述した通り、DCブラシレスモータ20aに過負荷または拘束が起こると、DCブラシレスモータ20aを流れる電流が増加するので、積分回路44の出力値が増加する。出力値が閾値を超えた場合には、トライアック46に信号を送る。信号を受けたトライアック46は、オープン状態となり、DCブラシレスモータ20aへの電源供給を停止させる。本発明ではトライアック46を使用しているが、電流遮断方法としてはリレーにより駆動側を遮断した時に接点をOFFになるように構成しても良い。また、電流容量が小さい機器では直接トランジスタで遮断しても良い。また、電流を遮断する位置を、フィルタ回路36と整流回路の間としている。インバータ駆動回路38の配線は動作時に発生する内部ノイズを多く含むため、フィルタ回路36の後に接続して遮断することによりインバータ駆動回路38の内部ノイズを電源ラインに戻りにくくしている。
本発明の一実施例は、洗濯兼脱水槽3と、洗濯兼脱水槽3を駆動させるモータ20aと、モータ20aを制御する制御装置22とを備え、モータ20aを交互に正回転、逆回転させて洗濯を行う洗濯機において、モータ20aに流れる電流値により異常検知を行う異常検知手段42を制御手段40とは別に備え、異常検知手段42は、取り込んだ電流を積分する積分回路44と、積分回路44の出力を閾値と比較する比較回路45とを備えたことを特徴とする。
この構成により、制御手段40ではなくハードでDCブラシレスモータ20aの保護を行うため、制御手段40が誤動作や暴走を起こしたときでも保護を行うことができる。また、短時間の電流の増加には反応せず、正常に運転を続けることができる。
また、本発明の一実施例は、ノイズをカットするフィルタ回路36と、交流を直流に変換する整流回路37とを備え、モータ20aはDCブラシレスモータ20aであり、異常検知手段42は、異常を検知したときにフィルタ回路36と整流回路37との間で電流を遮断することを特徴とする。
この構成により、電流を遮断したときに、インバータ駆動回路38の内部ノイズを電源ラインに戻りにくくしている。
また、本発明の一実施例は、フィルタ回路36と整流回路37の間に電流を遮断するためのトライアック46を設けたことを特徴とする。
この構成により、大電流が流れていても電流を遮断できる。
電流がどの程度の時間、どの程度の量、増加したときに、運転を停止させるかは、積分値の時定数と比較回路45の閾値に依存する。例えば、積分回路44の時定数を大きくすれば、出力値の増加が入力値の増加に対して反応が遅くなるので、短時間に電流が増加した場合の出力値の増加は小さくなり、短時間の電流増加では、電流を遮断しなくなる。また、閾値を大きくすれば、積分回路44の出力が大きくならなければ、電流を遮断しなくなる。
図14は通常の運転時におけるU相、V相、W相の巻線32に流れる通電時間と電流値及び通電時間と電流値の積分値の関係を示している。図14(a)では、一時的に電流値65が大きくなっているが、すぐに電流値65は減少している。そして、積分回路44の出力66は増加するが、電流値65が増加していた時間が短いため、積分回路44の出力66は少ししか増加せず、あらかじめ設定された閾値67より低いため、駆動電源を遮断せず通常の通電運転がなされる。このような電流値65の変化は、例えばDCブラシレスモータ20aの起動時等にみられる。一時的に大きな電流が流れるが、積分回路44で積分されるが電流の積分値66はあらかじめ設定された閾値67よりも低い値となるので、駆動電源を遮断せず支障なくモータ20aが運転される。
図14(b)の場合は、モータが何らかの障害により拘束状態となった場合、各相に流れる電流68が増加し、積分回路の出力値69が閾値70を越えてしまう。このような場合には、U相、V相、W相のいずれかの巻線32に過電流が流れ、巻線32の表面温度が急激に上昇し、巻線32が異常過熱するので、DCブラシレスモータ20aが故障する恐れがある。そのため、出力値69が閾値70を越えたことを比較回路45が検知すると、トライアック46に信号を送って、DCブラシレスモータ20aへの電力供給を止める。
洗濯乾燥機は、洗濯運転中の洗濯行程やすすぎ行程のすすぎ動作において、攪拌翼8を正回転、休止、逆回転というように正逆回転を行っており、DCブラシレスモータ20aも一緒に正逆回転を行っている。そのため、過負荷や拘束が起きた場合でも、回転の方向が反転したときに過負荷や拘束が解消されてしまうことがしばしばある。例えば、過負荷は、洗濯物6の重心の偏りによって起こることがあるが、攪拌翼8の回転が反転したときに、洗濯物6の重心が変わって、過負荷が解消されることがある。拘束は、攪拌翼8と洗濯兼脱水槽3の間に洗濯物6が挟まって起きることがあるが、攪拌翼6の反転により洗濯物6が攪拌翼8と洗濯兼脱水槽3の間から抜け出して、拘束が解消されることがある。また、拘束は、電流が正常に流れなことが原因でおこることがあるが、DCブラシレスモータ20aを反転させるときに通電休止になるので、通電を休止した拍子に電流が正常に流れるようになり、拘束が解消されることがある。そのため、過負荷や拘束が起きた場合に、洗濯乾燥機の動作を止めないでも、解消されることがある。
図15は上記の課題を受けて、積分回路44の時定数を長くした実施例である。洗濯時において、攪拌翼は、正回転→休止→逆回転→休止を一サイクルとして動作するが、本実施例では積分回路の時定数を大きくし、異常検知時間を一回の正回転または逆回転時間よりも長くしたものである。
図15(a)では、洗濯物6が攪拌翼8と洗濯兼脱水槽3の間に挟まって拘束が起き、攪拌翼8が反転して洗濯物が外れて正常運転に戻った場合の、電流値71の時間変化を示している。正回転時に拘束が起こっているため、正回転時の電流値71aは上昇しており、積算回路44の出力値72も上昇している。しかし、逆回転をしたときに拘束が解消されたため、逆回転時の電流値71bは低くなっており、積算回路44の出力値72は減少して閾値73に達していないため、DCブラシレスモータ20aへの給電は停止されない。
これを、図16に示す積分回路44の時定数を小さくした場合と比較する。この実施例では、電流値71は前述の図15(a)と同じとしている。正回転中に拘束が起き、電流値71aが上昇し、積算回路44の出力値75も上昇する。時定数が小さいため、出力値75は急激に上昇するため、出力値75は閾値73を越え、DCブラシレスモータ20aを停止させてしまう。もしDCブラシレスモータ20aを停止させなければ、回転の反転によって拘束の解消し、電流値71bが流れて正常に運転するはずであった。積分回路44の時定数を小さくすると、過負荷や拘束が起きてから回転が反転する前に止めてしまうので、回転の反転による過負荷や拘束の解消を行わないことになり、DCブラシレスモータ20aの停止の回数が多くなる。
また、図16(b)は、積分回路44の時定数を大きく取った場合において、洗濯物6が攪拌翼8と洗濯兼脱水槽3の間に挟まって拘束が起き、攪拌翼8が反転しても拘束が解消されなかったときの例である。正回転時に拘束が起こっているため、正回転時の電流値74aは上昇しており、積算回路44の出力値75も上昇している。そして、休止及び反転をしても拘束が解消されなかった場合には、DCブラシレスモータ20aが逆回転しようとしているときも拘束状態であり電流値74bが高いため、積算回路44の出力値75がさらに上昇し、閾値77を越える。そして、DCブラシレスモータ20aを停止させる。
このように、本発明は、積分回路44の時定数を大きくすることによって、DCブラシレスモータ20aや攪拌翼8の反転によって過負荷や拘束が解消することを期待できるようにすることができるので、DCブラシレスモータ20aを停止させる回数が減少する。拘束時に巻線の温度が発煙の起きる180〜220℃に到るまで約1〜2分程度かかるので、拘束が起きてから一分以内に駆動電源を遮断するように時定数や閾値を設定しておけばよい。
本発明の一実施例は、洗濯兼脱水槽3と、洗濯兼脱水槽3を駆動させるモータ20aと、モータ20aを制御する制御手段40とを備え、モータ20aを交互に正回転、逆回転させて洗濯を行う洗濯機において、モータ20aに流れる電流値により異常検知を行う異常検知手段42を制御手段40とは別に備え、異常検知手段42は、取り込んだ電流を積分する積分回路44と、積分回路44の出力を閾値と比較する比較回路45とを備え、異常検知手段42が異常が起きてから異常を検知するまでの時間は、モータ20aの一回の正回転または逆回転の時間よりも長いことを特徴とする。
この構成により、過負荷や拘束が起きた場合でも、すぐには運転を止めずに、回転の反転による解消をしばらく待つので、モータ20aを停止させる回数が減少する。
なお、以上の二つの実施例では、洗濯乾燥機を用いて説明を行ったが、乾燥機能を持たない洗濯機に用いても良い。また、洗濯兼脱水槽内に攪拌翼を備えたいわゆる縦型洗濯機を用いて説明したが、攪拌翼を持たずに洗濯兼脱水槽を正逆回転させて洗濯を行ういわゆるドラム式洗濯機に用いても良い。