JP2005312407A - 底質泥土回収装置及びその方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 ケーシングパイプを地盤中に建て込むと共にケーシングパイプ内部の土砂を掘削して取り出し、シャッター孔を開状態として回収扇部をケーシングパイプと一体的に回転及び下降させつつ底質泥土を掻き寄せてシャッター孔からケーシングパイプ内部に落とし込んだ後回収扇部を上昇させ回収し、シャッター孔を閉状態としてケーシングパイプの上端から土砂を投入して落とし込まれた底質泥土の表面を被覆し、ケーシングパイプを引き上げ回収する。
【選択図】 図1
Description
1.底質泥土の掘削等の処理工程で浮泥の拡散等の汚染を引起こす。
2.陸上または台船上の装置等に送る過程で空気に触れ悪臭を発生する。
3.泥土の固化または脱水した処理後の泥水を浄化するために固化材や凝集剤等の化学物質を含む材料や薬品を投入することにより、環境ホルモンほか新たな環境問題の原因となるおそれがある。
4.回収した底質泥土を脱水した後の処理方法が確立されていない場合もあり、施工後に処理や廃棄を必要とする副産物を発生しない対策が望まれている。
5.限られた条件において有効な技術ではあっても、底質の地盤の土質変化がある海域や湖沼等において有効性を保持できないものがある。
(1)請求項1に係る発明は、水底の地盤表面上に堆積した底質泥土を回収する底質泥土回収装置であって「シャッター型回収口部」を具備するタイプであり、以下の構成を有する。
(a)水上における固定足場を形成する台船と、
(b)前記台船から前記地盤中に建て込み可能なケーシングパイプと、
(c)前記台船上に設置され前記ケーシングパイプを支持すると共に軸周りの回転及び軸方向移動を行わせるべく駆動可能なケーシング回転掘削機と、
(d)前記ケーシングパイプを貫通させた状態にて前記台船から吊下げ可能でありかつ該ケーシングパイプ外周面上に着脱可能な固定手段を具備すると共に該ケーシングパイプ外周面への固定状態にて該ケーシングパイプと共に回転及び軸方向移動しつつ地盤表面上の底質泥土を掻き寄せる回収扇部とを有し、
(b1)前記ケーシングパイプが、軸方向中間部分に回収口部を具備し、該回収口部には、前記ケーシングパイプを上下に分離した下部ケーシングパイプの上端部と上部ケーシングパイプの下端部とを回動自在に嵌合させた二重管構造部分が形成され、該上端部と該下端部の双方の対応する位置にて周方向に等間隔をもって同寸法の複数のシャッター孔がそれぞれ開口され、かつ前記ケーシング回転掘削機による回転駆動により該上端部と該下端部が相対的に回動して、対応する各シャッター孔がずれた位置となる閉状態と、対応する各シャッター孔が同位置となる開状態とを切り替え可能であり、かつ
(d1)前記回収扇部が、地盤表面上の底質泥土を掻き寄せるべく放射状に延びる複数の羽根板と、該複数の羽根板の上縁部を支持しかつ該ケーシングパイプのための貫通孔を設けた天板と、該天板の周縁から下方に延び該複数の羽根板の先端部を支持する円筒側板とを具備する。
(a)水上における固定足場を形成する台船と、
(b)前記台船から前記地盤中に建て込み可能なケーシングパイプと、
(c)前記台船上に設置され前記ケーシングパイプを支持すると共に軸周りの回転及び軸方向移動を行わせるべく駆動可能なケーシング回転掘削機と、
(d)前記ケーシングパイプを貫通させた状態にて前記台船から吊下げ可能でありかつ該ケーシングパイプ外周面上に着脱可能な固定手段を具備すると共に該ケーシングパイプ外周面への固定状態にて該ケーシングパイプと共に回転及び軸方向移動しつつ地盤表面上の底質泥土を掻き寄せる回収扇部とを有し、
(b'1)前記ケーシングパイプが、軸方向中間部分に回収口部を具備し、該回収口部には、周方向に等間隔をもって同寸法の複数のスリット孔がそれぞれ開口され、かつ
(d1)前記回収扇部が、地盤表面上の底質泥土を掻き寄せるべく放射状に延びる複数の羽根板と、該複数の羽根板の上縁部を支持しかつ該ケーシングパイプのための貫通孔を設けた天板と、該天板の周縁から下方に延び該複数の羽根板の先端部を支持する円筒側板とを具備する。
(d2)前記回収扇部の前記固定手段が、前記ケーシングパイプと同軸に前記天板上面に立設された円環壁の内側に等角度間隔で複数配置され、該固定手段の各々が、
(d2-1)前記ケーシングパイプ外周面を押圧可能な面を具備する挟持板と、
(d2-2)前記円環壁の内面に沿って上下移動可能な上下動くさびと、
(d2-3)前記上下動くさびの上下移動を制止すべく上下方向の所定位置にて固定可能な制止手段と、
(d2-4)前記上下動くさびと互いに傾斜面にて当接すると共に該上下動くさびの上下移動に伴って前記円環壁の径方向に水平移動可能な水平動くさびと、
(d2-5)前記水平動くさびと前記挟持板とを連結する連結手段と、
(d2-6)前記水平動くさびを前記円環壁の径方向外側へと付勢する弾性手段とを有し、
(d2-7)前記制止手段の上下方向の位置を前記弾性手段による弾性力に抗する方向に移動させたとき、前記上下動くさびが上下移動すると同時に前記水平動くさびが径方向内側へ移動することにより前記連結手段を介して前記挟持板が前記ケーシングパイプ外周面を押圧することを特徴とする。
(d2')前記回収扇部の前記固定手段が、前記ケーシングパイプと同軸に前記天板上面に立設された円環壁の内側に等角度間隔で複数配置され、該固定手段の各々が、
(d2'-1)前記ケーシングパイプ外周面を押圧可能な面を具備する挟持板と、
(d2'-2)前記円環壁の内面に固定されたエアシリンダであって該円環壁の径方向に伸縮可能な連結ロッドを具備しかつ該連結ロッドの先端が前記挟持板に連結される該エアシリンダとを有し、
(d2'-3)前記エアシリンダへ圧縮空気を供給するためのエア配管用の孔を、前記回収口部の前記シャッター孔の上方にて該ケーシングパイプに穿設し、かつ
(d2'-4)前記エアシリンダに圧縮空気を供給したとき、前記連結ロッドが径方向に伸びることにより前記挟持板が前記ケーシングパイプ外周面を押圧することを特徴とする。
(d2')前記回収扇部の前記固定手段が、前記ケーシングパイプと同軸に前記天板上面に立設された円環壁の内側に等角度間隔で複数配置され、該固定手段の各々が、
(d2'-1)前記ケーシングパイプ外周面を押圧可能な面を具備する挟持板と、
(d2'-2)前記円環壁の内面に固定されたエアシリンダであって該円環壁の径方向に伸縮可能な連結ロッドを具備しかつ該連結ロッドの先端が前記挟持板に連結される該エアシリンダとを有し、
(d2'-3)前記エアシリンダへ圧縮空気を供給するためのエア配管用の孔を、前記回収口部の前記スリット孔の上方にて該ケーシングパイプに穿設し、かつ
(d2'-4)前記エアシリンダに圧縮空気を供給したとき、前記連結ロッドが径方向に伸びることにより前記挟持板が前記ケーシングパイプ外周面を押圧することを特徴とする。
前記先端キャップ部が、下側の先端キャップと、上側の支持固定手段とから構成され、
前記下側の先端キャップは、円盤と、該円盤の下面に連設された円錐体と、該円錐体の表面に突設された複数の螺旋状の泥土掻き出し突条とを具備し、
前記上側の支持固定手段は、前記円盤の上面中心部から上方に延びる円柱状のシリンダ固定フレームと、該シリンダ固定フレームの外周上から径方向外側へ延びる複数の前進後退可能なシリンダと、該シリンダの各々の先端から突出するアームに取り付けられ該ケーシングパイプ内面に当接可能な固定脚とを具備することを特徴とする。
前記先端キャップ部を吊り下げる吊りワイヤーを接続するワイヤーフックを具備することを特徴とする。
軸方向中間部分に回収口部を具備するケーシングパイプであって該回収口部に設けたシャッター孔が閉状態と開状態とを該ケーシングパイプの軸周りの回動により切り替え可能である該ケーシングパイプと、前記ケーシングパイプを貫通させた状態にて台船から吊下げ可能でありかつ該ケーシングパイプ外周面への固定状態にて該ケーシングパイプと共に回転及び軸方向移動しつつ地盤表面上の底質泥土を掻き寄せる回収扇部とを有する底質泥土回収装置を用いて底質泥土を回収する底質泥土回収方法において、
前記シャッター孔を閉状態とした前記ケーシングパイプの下端に土砂侵入防止用の先端キャップ部を装着すると共に該ケーシングパイプを底質泥土表面まで鉛直方向に建て込む第1工程と、
前記ケーシングパイプを回転しつつ底質泥土表面から地盤表面まで建て込む第2工程と、
前記ケーシングパイプの下端から前記先端キャップ部を取り外し回収する第3工程と、
前記シャッター孔下辺が地盤表面に到達するまで前記シャッター孔を閉状態としたまま前記ケーシングパイプを回転させつつ地盤中に建て込むと共に該ケーシングパイプ内部の土砂を掘削し取り出した後、該シャッター孔下辺が底質泥土表面に到達するまで該ケーシングパイプを引き上げる第4工程と、
前記回収扇部を底質泥土表面まで吊り降ろし前記ケーシングパイプ外周面へ固定すると共に前記シャッター孔を開状態とした後、該回収扇部が地盤表面に到達するまで前記ケーシングパイプを回転させつつ降下させることにより底質泥土を掻き寄せて該シャッター孔から該ケーシングパイプ内部に落とし込む第5工程と、
前記回収扇部の固定状態を解除し吊り上げて回収する第6工程と、
前記シャッター孔を閉状態とした後に前記ケーシングパイプの上端から土砂を投入することにより該ケーシングパイプ内部に落とし込まれた底質泥土の表面を該土砂で被覆する第7工程と、
前記ケーシングパイプを引き上げ回収する第8工程とを有することを特徴とする。
軸方向中間部分にスリット孔を具備する回収口部を設けたケーシングパイプと、前記ケーシングパイプを貫通させた状態にて台船から吊下げ可能でありかつ該ケーシングパイプ外周面への固定状態にて該ケーシングパイプと共に回転及び軸方向移動しつつ地盤表面上の底質泥土を掻き寄せる回収扇部とを有する底質泥土回収装置を用いて底質泥土を回収する底質泥土回収方法において、
前記ケーシングパイプの下端に土砂侵入防止用の先端キャップ部を装着すると共に該ケーシングパイプを底質泥土表面まで鉛直方向に建て込む第1工程と、
前記ケーシングパイプを回転しつつ底質泥土表面から地盤表面まで建て込む第2工程と、
前記ケーシングパイプの下端から前記先端キャップ部を取り外し回収する第3工程と、
前記スリット孔下辺が底質泥土表面に到達するまで前記ケーシングパイプを回転させつつ地盤中に建て込むと共に該ケーシングパイプ内部の土砂を掘削し取り出す第4工程と、
前記回収扇部を底質泥土表面まで吊り降ろし前記ケーシングパイプ外周面へ固定した後、該回収扇部が地盤表面に到達するまで前記ケーシングパイプを回転させつつ降下させることにより底質泥土を掻き寄せて該スリット孔から該ケーシングパイプ内部に落とし込む第5工程と、
前記回収扇部の固定状態を解除し吊り上げて回収する第6工程と、
前記ケーシングパイプの上端から土砂を投入することにより該ケーシングパイプ内部に落とし込まれた底質泥土の表面を該土砂で被覆する第7工程と、
前記ケーシングパイプを引き上げ回収する第8工程とを有することを特徴とする。
(1-1)全体構成
先ず、第1発明である底質泥土回収装置の各実施例に共通する部分について説明する。尚、本底質泥土回収装置は、後述する第2発明である底質泥土回収方法に好適に用いられる。
図1は、水底の地盤表面上に堆積した底質泥土22を回収する底質泥土回収装置1の全体構成図である。主たる構成要素は、スパッド11と、台船2と、クレーン3と、作業台5と、ケーシングパイプ4と、ケーシング回転掘削機6である。
図1を参照する。台船2は、底質泥土回収装置1を水上に設置するための固定足場として用いられる。台船2の船体後部には、水底地盤に対する固定用支柱であるスパッド11が装備される。スパッド11は、必要な支持力に応じて2〜4基が用いられ、昇降装置により鉛直方向上下に移動可能である。主要な作業を行うための作業台5が、台船2の一部として連設され、作業台5には、中空管であるケーシングパイプ4が設置される。作業台5は、ケーシングパイプ4を建て込み可能とする強度を確保すべく形鋼等を組み合わせて張り出し形成されている。台船2上にはクレーン3が搭載されている。クレーン3は、ケーシングパイプ4の建て込みの際にケーシングパイプ4を吊り込んだり、建て込まれたケーシングパイプ4の内部の土砂を掘削し取り出し又は埋め戻す際にハンマーグラブ(図36及び図40の符号8参照)を取り付けて作業したりする能力を具備する。
図2は、本発明の主要な構成要素であるケーシングパイプ4及び回収扇部9の部分の概要を示す側面図である。ケーシングパイプ4の軸方向の中間部分には、底質泥土を回収するための回収口部40が設けられる。回収口部40の実施例として、後述する「シャッター型」と「スリット型」の2種があるが、図2ではシャッター型のものを示している。
(2-1)シャッター型回収口部(請求項1に関連)
シャッター型回収口部40には、後述する回収扇部9の2種類の固定手段(くさび固定式又はエア固定式)のいずれと組み合わせるかによって部分的に構成が異なる2つの変形態様がある。以下、各態様について説明する。
図3〜図6は、くさび固定式回収扇部と組み合わせる場合のシャッター型回収口部の一実施例を示す構成図である。図3は、回収口部40の展開図である。図3に示す通り、ケーシングパイプ4は、その軸方向中間部分(長さを二等分する中央部分の意味ではない)に回収口部40を具備する。この回収口部40は、中空管であるケーシングパイプ4の内部空間と外部空間を遮断する閉状態と、連通させる開状態とを、ケーシング回転掘削機6による軸周りの回転駆動により切り替え可能である。具体的構成は、次の通りである。
図7〜図9は、エア固定式回収扇部と組み合わせる場合のシャッター型回収口部の一実施例を示す構成図である。図7は、回収口部40の展開図である。図7の回収口部40は、図3の回収口部40と比較してエア配管孔4B5を具備する点以外は、共通する。すなわち、シャッター孔の開閉機構は共通である。
スリット型回収口部40についても、後述する回収扇部9の2種類の固定手段(くさび固定式又はエア固定式)のいずれと組み合わせるかによって部分的に構成が異なる2つの変形態様がある。以下、各態様について説明する。
図10及び図11は、くさび固定式回収扇部と組み合わせる場合のスリット型回収口部40の一実施例を示す斜視図である。図10に示すスリット型回収口部40を具備するケーシングパイプ4は、前述のシャッター型回収口部のものとは異なり回収口部で上下に分離された構造ではなく、1本のパイプである。図10の回収口部40には、ケーシングパイプ4の軸方向の中間部分において周方向に等間隔をもって複数のスリット孔42が開口される。従って、スリット型回収口部40は開閉機構をもたず、常時、開状態である。
図12〜図15は、エア固定式回収扇部と組み合わせる場合のスリット型回収口部の一実施例を示す構成図である。図12に示すスリット型回収口部40を具備するケーシングパイプ4は、図10の回収口部40と比較してエア配管孔45を具備する点以外は、共通する。
図16〜図19は、ケーシングパイプ4の下端に装着して用いる先端キャップ部7の構成図である。先端キャップ部7は、ケーシングパイプ4を底質泥土表面から地盤表面まで降下させる工程で使用され、主としてケーシングパイプ4の下端から内部への底質泥土の侵入防止用に取り付けられる。従って、先端キャップ部7は、ケーシングパイプ4の下端に着脱自在に装着される。
回収扇部9は、ケーシングパイプ4の外周面上に着脱可能な固定手段を具備すると共に、固定状態においてケーシングパイプ4が駆動されると、ケーシングパイプ4と共に回転及び軸方向移動しつつ地盤表面上の底質泥土を掻き寄せる作業を行う。回収扇部9をケーシングパイプ4の外周面に固定する固定手段として、くさび固定式と、エア固定式の2種がある。
図20Aは、くさび固定式回収扇部9をケーシングパイプ4の外周面に固定した状態を示す概略的な断面図である。図20Bは、くさび固定式回収扇部9の固定を解除した状態の概略的な部分断面図である。回収扇部9は、ケーシングパイプ4を貫通させた状態で台船2から吊りワイヤ−9A1により吊り下げられ、固定されていない状態ではケーシングパイプ4に対して昇降自在である。
図25は、エア固定式回収扇部9をケーシングパイプ4の外周面に固定した状態を示す概略的な断面図である。回収扇部9は、ケーシングパイプ4を貫通させた状態で台船2から吊りワイヤ−9A1により吊り下げられ、固定されていない状態ではケーシングパイプ4に対して昇降自在である。
次に、図32〜図47を参照しつつ、第2発明である底質泥土回収方法について説明する。底質泥土回収方法には前述の底質泥土回収装置を用いるが、ケーシングパイプがシャッター型回収口部を具備するかスリット型回収口部を具備するかにより、回収方法の好適態様が一部工程において相違するので、以下、それぞれの回収口部の場合について説明する。尚、回収扇部の固定手段がくさび固定式であるかエア固定式であるかについては、工程において本質的な相違は生じない。理解し易いように、図32にそれぞれの回収口部を用いた場合の底質泥土回収方法の各工程の流れを示す。第1〜3工程及び第8〜10工程は、内容が共通するのでまとめて示している。第4〜7工程においては相違点がある。また、各工程に対応する図番号を付している。
(6-1)第1工程
図33は、台船2及び底質泥土回収装置のセッティングを行う第1工程を模式的に示す図である。海上作業等で広く用いられる台船後部にスパッド(図1参照)を2〜4基装備した台船2を、底質泥土の除去対象領域の水面30上まで曳航する。対象領域の水底には、地盤20の表面20a上に底質泥土22が堆積している。底質泥土22の表面22aから水面30までは、水中または海中である。
図34は、ケーシングパイプ4の下端を底質泥土表面22aから地盤表面20aまで降下させる第2工程を模式的に示す図である。ケーシング回転掘削機6によりケーシングパイプ4をゆっくり回転させながら、ケーシングパイプ4の下端が地盤表面20aに到達するまで徐々に降下させる。このとき、先端キャップ部7が回転することにより、その円錐体に設けた泥土掻き出し突条が、堆積した底質泥土22をケーシングパイプ4の外周方向に掻き出す。これにより、底質泥土22を不用意に攪拌することなくケーシングパイプ4の周囲に排斥する。
図35は、先端キャップ部7を取り外し回収する第3工程を模式的に示す図である。図18で示したように、先端キャップ部7のシリンダを収縮させることにより固定脚をケーシングパイプ4から離脱させ、先端キャップ部7を解放する。その後、吊りワイヤを引き上げて先端キャップ部7をケーシングパイプ4の上端から取り出し、台船2上に回収する。
図36は、ケーシングパイプ4の貫入工程及びケーシングパイプ4の内部土砂の掘削工程を含む第4工程の前半を模式的に示す図である。ケーシング回転掘削機6によりケーシングパイプ4をシャッター孔4B2が閉状態となる方向に回転させつつ、ケーシング回転掘削機6の昇降動作の1ストローク分に相当する長さだけケーシングパイプ4を下降させ、地盤20中へ貫入させる。このとき図18に示したケーシングパイプ4の下端に設けた切削刃により地盤20を切削しつつ貫入することができる。貫入したケーシングパイプ4の内部には地盤20を形成する土砂が詰まっている。次に、ケーシングパイプ4の上端からクレーン3で吊り上げたハンマーグラブ8を管内に挿入下降させ、内部土砂を掘削し、掘削した土砂を把持したまま引き上げ、ケーシングパイプ4から取り出す。ハンマーグラブ8は、例えば、広く普及している公知技術または製品の中から、ケーシングパイプ4の内直径(例えば3m)と、搭載したクレーン3の能力に適合するものを選択する。
図38は、回収扇部9により底質泥土を回収する第5工程を模式的に示す図である。先ず、作業台5の下方に吊り上げていた回収扇部9を、ケーシングパイプ4に沿って吊り降ろす。回収扇部9の非作業時の状態は、回収扇部9がケーシングパイプ4に固定されておらず昇降自在である。回収扇部9に連結された吊りワイヤーを繰り出して降下させ、回収扇部9の下端が底質泥土表面22a近傍に到達した時点で停止させる。続いて、回収扇部9をケーシングパイプ4の外周面に対して固定する。くさび固定式であれば、水平動くさびを移動させ挟持板によりケーシングパイプ4の外周面を押圧する。くさび調節ねじの操作は潜水夫が行う。エア固定式であれば、圧縮空気を供給してエアシリンダを伸長させ挟持板によりケーシングパイプ4の外周面を押圧する。エア配管の連結操作は潜水夫が行う。回収扇部9の固定を完了したならば、回収扇部9の連結していた吊りワイヤーを取り外す。この作業も潜水夫が行う。
図39は、回収扇部9を引き上げ回収する第6工程を模式的に示した図である。1つの貫入箇所における底質泥土22の回収が終了したならば、再び回収扇部9に吊りワイヤーを連結する。この作業は潜水夫が行う。その後、吊りワイヤを巻き上げて回収扇部9を作業台5の下方近傍の初期位置まで引き上げる。
図40は、ケーシングパイプ4内の掘削孔に落とし込まれた底質泥土の表面を土砂で被覆する(すなわちキャッピングする)第7工程を模式的に示す図である。先ず、ケーシング回転掘削機6を再び逆に回転させることによりシャッター孔4A2、4B2で形成される回収口部を閉じる。その後の被覆作業を効率よく行うためにはトレミー管10を用いることが好適である。ケーシングパイプ4の内部にトレミー管10を挿入し、その下端を、掘削孔(図6、図9の符号21)に落し込まれた底質泥土(図6、図9の符号22b)の表面から例えば約1m上方付近に位置させる。次に、ハンマーグラブ8または別途用意したバケットを用いて、トレミー管10の上部から被覆材20b’である土砂を、例えば約1mの厚さになるまで投入して被覆層(図6、図9の符号20b)を形成した後トレミー管を引上げる。シャッター型ケーシングパイプの第7工程におけるケーシングパイプ4内部の状態は、前述の図6及び図9に示されている。
図41は、ケーシングパイプ4を引き上げ回収する第8工程を模式的に示す図である。ケーシングパイプ4をケーシング回転掘削機6を回転させながら、上方に引き上げて各ブロックに分割し、台船2上に回収する。ケーシングパイプ4の回収後の水底には、底質泥土が除去されて地盤表面20aが現れた円形領域とその中心の被覆層20bによりキャッピングされた掘削孔21が残される。被覆層20bの下層に回収された底質泥土22bが充填されている。
第8工程を終了したならば、図1に示したスパッド11及びアンカー等の固定装置を引上げ、台船2を曳航して水平方向に移動して次の底質泥土除去対象領域の水面30上まで曳航し、その後、その新たな対象領域にて上記の第1〜第8工程を繰り返す第9工程を行う。図42Aは、第9工程を繰り返し行った後の水底の状態を示す平面図である。本発明の1作業サイクルにおける底質泥土除去対象領域の形状は、底質泥土回収装置の回収扇部の形状及びその機能から図示のような円形領域となる。円形領域の直径は、回収扇部のそれに一致する。図42Bは、図42Aと同様の状態を示す断面図である。図示の例のように、複数の底質泥土除去対象領域全体を漏れなくカバーするように掘削孔21の位置を決定することが好ましい。すなわち、なるべく少ない繰り返し回数で最大面積をカバーできるように、隣接する円形領域との重複部分が最小面積となるようにする。
図43は、第9工程を繰り返し行うことにより全対象領域の底質泥土を除去した後、底質泥土除去後の地盤表面上に土砂を埋め戻す第10工程を模式的に示す図である。例えば、台船とは別の掘削土砂仮積用台船12にバックホウ等の掘削機械13と仮積みした土砂を搭載する。台船12は、仮積みした土砂を収納するブルワークを取付けた構造とする。台船12を、底質泥土除去後の地盤表面20a上の水上まで曳航してアンカーワイヤー等で位置を固定する。その後、仮積みしていた土砂をバックホウ等を用いて掘削孔とその周囲に埋め戻し、極端な凹凸ができない程度に土砂23を均す。これにより全作業を完了する。
(7-1)第1〜3工程
スリット型回収口部を具備するケーシングパイプを用いた底質泥土回収方法の第1〜3工程は、前述のシャッター型回収口部を具備するケーシングパイプのそれと共通するので、図33〜35及びそれらの説明(6-1)〜(6-3)を参照されたい。
図44は、ケーシングパイプ4の貫入工程及びケーシングパイプ4の内部土砂の掘削工程を含む第4工程を模式的に示す図である。ケーシング回転掘削機6によりケーシングパイプ4を回転させつつ、ケーシング回転掘削機6の昇降動作の1ストローク分に相当する長さだけケーシングパイプ4を下降させ、地盤20中へ貫入させる。このとき図18に示したケーシングパイプ4の下端に設けた切削刃により地盤20を切削しつつ貫入することができる。貫入したケーシングパイプ4の内部には地盤20を形成する土砂が詰まっている。次に、ケーシングパイプ4の上端からクレーン3で吊り上げたハンマーグラブ8を管内に挿入下降させ、内部土砂を掘削し、掘削した土砂を把持したまま引き上げ、ケーシングパイプ4から取り出す。ハンマーグラブ8は、例えば、広く普及している公知技術または製品の中から、ケーシングパイプ4の内直径(例えば3m)と、搭載したクレーン3の能力に適合するものを選択する。
図45は、回収扇部9により底質泥土を回収する第5工程を模式的に示す図である。先ず、作業台5の下方に吊り上げていた回収扇部9を、ケーシングパイプ4に沿って吊り降ろす。回収扇部9の非作業時の状態は、回収扇部9がケーシングパイプ4に固定されておらず昇降自在である。回収扇部9に連結された吊りワイヤーを繰り出して降下させ、回収扇部9の下端が底質泥土表面22a近傍に到達した時点で停止させる。続いて、回収扇部9をケーシングパイプ4の外周面に対して固定する。くさび固定式であれば、水平動くさびを移動させ挟持板によりケーシングパイプ4の外周面を押圧する。くさび調節ねじの操作は潜水夫が行う。エア固定式であれば、圧縮空気を供給してエアシリンダを伸長させ挟持板によりケーシングパイプ4の外周面を押圧する。エア配管の連結操作は潜水夫が行う。回収扇部9の固定を完了したならば、回収扇部9の連結していた吊りワイヤーを取り外す。この作業も潜水夫が行う。
図46は、回収扇部9を引き上げ回収する第6工程を模式的に示した図である。1つの貫入箇所における底質泥土22の回収が終了したならば、再び回収扇部9に吊りワイヤーを連結する。この作業は潜水夫が行う。その後、吊りワイヤを巻き上げて回収扇部9を作業台5の下方近傍の初期位置まで引き上げる。
図47は、ケーシングパイプ4内の掘削孔に落とし込まれた底質泥土の表面を土砂で被覆する(すなわちキャッピングする)第7工程を模式的に示す図である。被覆作業を効率よく行うためにはトレミー管10を用いることが好適である。ケーシングパイプ4の内部にトレミー管10を挿入し、その下端を、掘削孔(図11、図15の符号21)に落し込まれた底質泥土(図11、図15の符号22b)の表面から例えば約1m上方付近に位置させる。次に、ハンマーグラブ8または別途用意したバケットを用いて、トレミー管10の上部から被覆材20b’である土砂を、例えば約1mの厚さになるまで投入して被覆層(図11、図15の符号20b)を形成した後トレミー管を引上げる。スリット型ケーシングパイプの第7工程におけるケーシングパイプ4内部の状態は、前述の図11及び図15に示されている。
スリット型回収口部を具備するケーシングパイプを用いた底質泥土回収方法の第8〜10工程は、前述のシャッター型回収口部を具備するケーシングパイプのそれと共通するので、図41〜43及びそれらの説明(6-8)〜(6-10)を参照されたい。
2 台船
3 クレーン
4 ケーシングパイプ
40 回収口部
4A 下部ケーシングパイプ
4A1 上端部
4A2 シャッター孔
4A3 突起
4B 上部ケーシングパイプ
4B1 下端部
4B2 シャッター孔
4B3 切欠き
4B5 エア配管孔
4F カッター
42 スリット孔
45 エア配管孔
5 作業台
6 ケーシング回転掘削機
7 先端キャップ部
7A 先端キャップ
7A1 円盤
7A2 円錐体
7A3 泥土掻き出し突条
7B1 シリンダ固定フレーム
7B2 シリンダ
7B3 固定脚
7B4 ロータリージョイント
7B5 供給管
7B6 供給管
7C1 ガイドローラ
7C2 ガイドローラフレーム
7D1 ワイヤーフック
7D2 吊りワイヤー
7D3 スイベルジョイント
7D4 吊りワイヤー
8 ハンマーグラブ
9 回収扇部
9A1 吊りワイヤー
9A2 吊りワイヤーフック
9B2 連結ロッド(連結手段)
9B3 挟持板
9B4 解除スプリング(弾性手段)
9B5 くさび調節ねじ(制止手段)
9B6 水平動くさび
9B7 上下動くさび
9B10 固定部上板
9B11 固定部円環壁
9B12 固定部内壁
9C2 連結ロッド(連結手段)
9C3 挟持板
9C4 エアシリンダ
9C5 シリンダ固定具
9C6 エア配管
9C7 カプラ
9C8 エア配管
9C9 エアホース
9C10 ロータリージョイント
9D11 天板
9D12 円筒側板
9D2 羽根板
9D3 貫通孔
10 トレミー管
11 スパッド
12 掘削土砂仮積用台船
13 掘削機械
20 地盤
20a 地盤表面
20b 被覆層
20b’ (被覆層用)被覆材
21 掘削孔
22 底質泥土
22a 底質泥土表面
22b 掘削孔内の底質泥土
23 埋戻材
30 水面
Claims (17)
- 水底の地盤表面上に堆積した底質泥土を回収する底質泥土回収装置において、
(a)水上における固定足場を形成する台船と、
(b)前記台船から前記地盤中に建て込み可能なケーシングパイプと、
(c)前記台船上に設置され前記ケーシングパイプを支持すると共に軸周りの回転及び軸方向移動を行わせるべく駆動可能なケーシング回転掘削機と、
(d)前記ケーシングパイプを貫通させた状態にて前記台船から吊下げ可能でありかつ該ケーシングパイプ外周面上に着脱可能な固定手段を具備すると共に該ケーシングパイプ外周面への固定状態にて該ケーシングパイプと共に回転及び軸方向移動しつつ地盤表面上の底質泥土を掻き寄せる回収扇部とを有し、
(b1)前記ケーシングパイプが、軸方向中間部分に回収口部を具備し、該回収口部には、前記ケーシングパイプを上下に分離した下部ケーシングパイプの上端部と上部ケーシングパイプの下端部とを回動自在に嵌合させた二重管構造部分が形成され、該上端部と該下端部の双方の対応する位置にて周方向に等間隔をもって同寸法の複数のシャッター孔がそれぞれ開口され、かつ前記ケーシング回転掘削機による回転駆動により該上端部と該下端部が相対的に回動して、対応する各シャッター孔がずれた位置となる閉状態と、対応する各シャッター孔が同位置となる開状態とを切り替え可能であり、かつ
(d1)前記回収扇部が、地盤表面上の底質泥土を掻き寄せるべく放射状に延びる複数の羽根板と、該複数の羽根板の上縁部を支持しかつ該ケーシングパイプのための貫通孔を設けた天板と、該天板の周縁から下方に延び該複数の羽根板の先端部を支持する円筒側板とを具備することを特徴とする
底質泥土回収装置。 - 水底の地盤表面上に堆積した底質泥土を回収する底質泥土回収装置において、
(a)水上における固定足場を形成する台船と、
(b)前記台船から前記地盤中に建て込み可能なケーシングパイプと、
(c)前記台船上に設置され前記ケーシングパイプを支持すると共に軸周りの回転及び軸方向移動を行わせるべく駆動可能なケーシング回転掘削機と、
(d)前記ケーシングパイプを貫通させた状態にて前記台船から吊下げ可能でありかつ該ケーシングパイプ外周面上に着脱可能な固定手段を具備すると共に該ケーシングパイプ外周面への固定状態にて該ケーシングパイプと共に回転及び軸方向移動しつつ地盤表面上の底質泥土を掻き寄せる回収扇部とを有し、
(b'1)前記ケーシングパイプが、軸方向中間部分に回収口部を具備し、該回収口部には、周方向に等間隔をもって同寸法の複数のスリット孔がそれぞれ開口され、かつ
(d1)前記回収扇部が、地盤表面上の底質泥土を掻き寄せるべく放射状に延びる複数の羽根板と、該複数の羽根板の上縁部を支持しかつ該ケーシングパイプのための貫通孔を設けた天板と、該天板の周縁から下方に延び該複数の羽根板の先端部を支持する円筒側板とを具備することを特徴とする
底質泥土回収装置。 - (d2)前記回収扇部の前記固定手段が、前記ケーシングパイプと同軸に前記天板上面に立設された円環壁の内側に等角度間隔で複数配置され、該固定手段の各々が、
(d2-1)前記ケーシングパイプ外周面を押圧可能な面を具備する挟持板と、
(d2-2)前記円環壁の内面に沿って上下移動可能な上下動くさびと、
(d2-3)前記上下動くさびの上下移動を制止すべく上下方向の所定位置にて固定可能な制止手段と、
(d2-4)前記上下動くさびと互いに傾斜面にて当接すると共に該上下動くさびの上下移動に伴って前記円環壁の径方向に水平移動可能な水平動くさびと、
(d2-5)前記水平動くさびと前記挟持板とを連結する連結手段と、
(d2-6)前記水平動くさびを前記円環壁の径方向外側へと付勢する弾性手段とを有し、
(d2-7)前記制止手段の上下方向の位置を前記弾性手段による弾性力に抗する方向に移動させたとき、前記上下動くさびが上下移動すると同時に前記水平動くさびが径方向内側へ移動することにより前記連結手段を介して前記挟持板が前記ケーシングパイプ外周面を押圧することを特徴とする
請求項1または2に記載の底質泥土回収装置。 - (d2')前記回収扇部の前記固定手段が、前記ケーシングパイプと同軸に前記天板上面に立設された円環壁の内側に等角度間隔で複数配置され、該固定手段の各々が、
(d2'-1)前記ケーシングパイプ外周面を押圧可能な面を具備する挟持板と、
(d2'-2)前記円環壁の内面に固定されたエアシリンダであって該円環壁の径方向に伸縮可能な連結ロッドを具備しかつ該連結ロッドの先端が前記挟持板に連結される該エアシリンダとを有し、
(d2'-3)前記エアシリンダへ圧縮空気を供給するためのエア配管用の孔を、前記回収口部の前記シャッター孔の上方にて該ケーシングパイプに穿設し、かつ
(d2'-4)前記エアシリンダに圧縮空気を供給したとき、前記連結ロッドが径方向に伸びることにより前記挟持板が前記ケーシングパイプ外周面を押圧することを特徴とする
請求項1に記載の底質泥土回収装置。 - (d2')前記回収扇部の前記固定手段が、前記ケーシングパイプと同軸に前記天板上面に立設された円環壁の内側に等角度間隔で複数配置され、該固定手段の各々が、
(d2'-1)前記ケーシングパイプ外周面を押圧可能な面を具備する挟持板と、
(d2'-2)前記円環壁の内面に固定されたエアシリンダであって該円環壁の径方向に伸縮可能な連結ロッドを具備しかつ該連結ロッドの先端が前記挟持板に連結される該エアシリンダとを有し、
(d2'-3)前記エアシリンダへ圧縮空気を供給するためのエア配管用の孔を、前記回収口部の前記スリット孔の上方にて該ケーシングパイプに穿設し、かつ
(d2'-4)前記エアシリンダに圧縮空気を供給したとき、前記連結ロッドが径方向に伸びることにより前記挟持板が前記ケーシングパイプ外周面を押圧することを特徴とする
請求項1に記載の底質泥土回収装置。 - 前記羽根板が平面形状又は前記回収扇部の回転進行方向側の面が凹面となるべく湾曲した形状であることを特徴とする
請求項1〜5のいずれかに記載の底質泥土回収装置。 - 前記天板が径方向外側へ向かって漸次下降する傾斜を具備することを特徴とする
請求項1〜6のいずれかに記載の底質泥土回収装置。 - 前記ケーシングパイプの下端に着脱自在に装着されかつ該ケーシングパイプを底質泥土表面から地盤表面まで建て込む際に使用される先端キャップ部を具備し、
前記先端キャップ部が、下側の先端キャップと、上側の支持固定手段とから構成され、
前記下側の先端キャップは、円盤と、該円盤の下面に連設された円錐体と、該円錐体の表面に突設された複数の螺旋状の泥土掻き出し突条とを具備し、
前記上側の支持固定手段は、前記円盤の上面中心部から上方に延びる円柱状のシリンダ固定フレームと、該シリンダ固定フレームの外周上から径方向外側へ延びる複数の前進後退可能なシリンダと、該シリンダの各々の先端から突出するアームに取り付けられ該ケーシングパイプ内面に当接可能な固定脚とを具備することを特徴とする
請求項1〜7のいずれかに記載の底質泥土回収装置。 - 前記上側の支持固定手段がさらに、前記円盤の上面周縁から上方に延びる複数の支柱に支持された円環状のガイドローラフレームと、該ガイドローラフレーム上に等角度間隔で取り付けられた複数のガイドローラとを具備し、該ガイドローラの各々は、前記ケーシングパイプの内面に沿って鉛直方向に転動可能に軸支され、かつ
前記先端キャップ部を吊り下げる吊りワイヤーを接続するワイヤーフックを具備することを特徴とする
請求項8に記載の底質泥土回収装置。 - 軸方向中間部分に回収口部を具備するケーシングパイプであって該回収口部に設けたシャッター孔が閉状態と開状態とを該ケーシングパイプの軸周りの回動により切り替え可能である該ケーシングパイプと、前記ケーシングパイプを貫通させた状態にて台船から吊下げ可能でありかつ該ケーシングパイプ外周面への固定状態にて該ケーシングパイプと共に回転及び軸方向移動しつつ地盤表面上の底質泥土を掻き寄せる回収扇部とを有する底質泥土回収装置を用いて底質泥土を回収する底質泥土回収方法において、
前記シャッター孔を閉状態とした前記ケーシングパイプの下端に土砂侵入防止用の先端キャップ部を装着すると共に該ケーシングパイプを底質泥土表面まで鉛直方向に建て込む第1工程と、
前記ケーシングパイプを回転しつつ底質泥土表面から地盤表面まで建て込む第2工程と、
前記ケーシングパイプの下端から前記先端キャップ部を取り外し回収する第3工程と、
前記シャッター孔下辺が地盤表面に到達するまで前記シャッター孔を閉状態としたまま前記ケーシングパイプを回転させつつ地盤中に建て込むと共に該ケーシングパイプ内部の土砂を掘削し取り出した後、該シャッター孔下辺が底質泥土表面に到達するまで該ケーシングパイプを引き上げる第4工程と、
前記回収扇部を底質泥土表面まで吊り降ろし前記ケーシングパイプ外周面へ固定すると共に前記シャッター孔を開状態とした後、該回収扇部が地盤表面に到達するまで前記ケーシングパイプを回転させつつ降下させることにより底質泥土を掻き寄せて該シャッター孔から該ケーシングパイプ内部に落とし込む第5工程と、
前記回収扇部の固定状態を解除し吊り上げて回収する第6工程と、
前記シャッター孔を閉状態とした後に前記ケーシングパイプの上端から土砂を投入することにより該ケーシングパイプ内部に落とし込まれた底質泥土の表面を該土砂で被覆する第7工程と、
前記ケーシングパイプを引き上げ回収する第8工程とを有することを特徴とする
底質泥土回収方法。 - 一の底質泥土除去対象領域にて前記第1〜8工程を行った後、水平方向に移動し、移動した後に前記第1〜8工程を繰り返す第9工程を有することを特徴とする請求項10に記載の底質泥土回収方法。
- 前記第9工程の後、底質泥土が除去された地盤表面を土砂で埋める第10工程を有することを特徴とする請求項11に記載の底質泥土回収方法。
- 前記第7工程において投入する土砂として、前記第4工程において掘削され取り出されたケーシングパイプ内部の土砂を用いることを特徴とする請求項9〜12のいずれかに記載の底質泥土回収方法。
- 軸方向中間部分にスリット孔を具備する回収口部を設けたケーシングパイプと、前記ケーシングパイプを貫通させた状態にて台船から吊下げ可能でありかつ該ケーシングパイプ外周面への固定状態にて該ケーシングパイプと共に回転及び軸方向移動しつつ地盤表面上の底質泥土を掻き寄せる回収扇部とを有する底質泥土回収装置を用いて底質泥土を回収する底質泥土回収方法において、
前記ケーシングパイプの下端に土砂侵入防止用の先端キャップ部を装着すると共に該ケーシングパイプを底質泥土表面まで鉛直方向に建て込む第1工程と、
前記ケーシングパイプを回転しつつ底質泥土表面から地盤表面まで建て込む第2工程と、
前記ケーシングパイプの下端から前記先端キャップ部を取り外し回収する第3工程と、
前記スリット孔下辺が底質泥土表面に到達するまで前記ケーシングパイプを回転させつつ地盤中に建て込むと共に該ケーシングパイプ内部の土砂を掘削し取り出す第4工程と、
前記回収扇部を底質泥土表面まで吊り降ろし前記ケーシングパイプ外周面へ固定した後、該回収扇部が地盤表面に到達するまで前記ケーシングパイプを回転させつつ降下させることにより底質泥土を掻き寄せて該スリット孔から該ケーシングパイプ内部に落とし込む第5工程と、
前記回収扇部の固定状態を解除し吊り上げて回収する第6工程と、
前記ケーシングパイプの上端から土砂を投入することにより該ケーシングパイプ内部に落とし込まれた底質泥土の表面を該土砂で被覆する第7工程と、
前記ケーシングパイプを引き上げ回収する第8工程とを有することを特徴とする
底質泥土回収方法。 - 一の底質泥土除去対象領域にて前記第1〜8工程を行った後、水平方向に移動し、移動した後に前記第1〜8工程を繰り返す第9工程を有することを特徴とする請求項14に記載の底質泥土回収方法。
- 前記第9工程の後、底質泥土が除去された地盤表面を土砂で埋める第10工程を有することを特徴とする請求項15に記載の底質泥土回収方法。
- 前記第7工程において投入する土砂として、前記第4工程において掘削され取り出されたケーシングパイプ内部の土砂を用いることを特徴とする請求項14〜16のいずれかに記載の底質泥土回収方法。
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