JP2005312084A - モバイルノード - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 通信しているアクセスルータの識別子を保持するルータ識別子保持部42bと、パケットを受信する受信部40aと、受信されたパケットに含まれるネットワーク識別情報とルータ識別子保持部42bに保持されたアクセスルータの識別子とに基づいて、通信相手側が第1のアクセスルータから第2のアクセスルータに変更したことを検出する検出部42aと、当該変更を検出すると、モバイルノード自身の第1の気付アドレスが保持されている部分に対して、モバイルノードの第1の気付アドレスを第2の気付アドレスに変更するよう変更登録要求を送信する送信部40hとをそなえる。
【選択図】 図2
Description
このIPプロトコルが開発されたときは、IPネットワークに接続されたワークステーション,パーソナルコンピュータ(パソコン)などの端末は、すべて固定物であり、各端末は移動しないことが前提とされていた。ところが、最近の移動通信技術の向上とともに、IPネットワークに接続された端末に移動性(モビリティ)を与える通信サービスが主流になってきている。この通信サービスを提供するためには、その管理は、IPネットワークに、移動端末(Mobility Node:以下、モバイルノードMNと称する。)のIPアドレスを動的に割り当てる必要がある。
このため、種々のモバイル用(移動通信用)のIPプロトコルが標準化されている。このモバイル用のプロトコルとしてモバイルIPv4プロトコル(Mobile
Internet Protocol Version 4 protocol:例えばhttp://www.ietf.org/rfc/rfc2002.txtに掲載された内容。以下、公知文献1と称する。)は、IPネットワークにおいて、端末がそのIPネットワークにおける接続位置を変更した後においても通信を可能とするものであり、米国の標準化団体IETF(Internet Engineering Task Force)によって標準化されている。
また、近年、IPネットワークに存在する端末の数が急増し、IPアドレス枯渇の問題が深刻化している。この問題を解決して、より多くのIPアドレスが使用できるように、IPv6プロトコル(Internet Protocol Version 6 protocol:例えばhttp://www.ietf.org/rfc/rfc2460.txtに掲載された内容。以下、公知文献2と称する。)が検討されている。このIPv6は、多くのIPアドレスを確保するために、階層化アドレスを用いており、これにより、効率的なネットワーク管理およびネットワーク負荷を軽減できるようになっている。従って、既存のネットワークは、IPv6ネットワークへの移行が本格化している。
ここで、ネットワークプレフィクスはネットワークを識別するためのID(又はネットワークアドレス)を表し、また、ホストIDはホストコンピュータ,端末,ルータ,ポート又はインターフェースを表す。そして、ネットワークプレフィクスは、「アドレス/ネットマスク長」と表示し、上記の(W1)は例えば、(W2)に示すようになる。
ここで、先頭の「0」および連続する「0」はいずれも省略でき、かつコロンを介して0が連続する部分は「::」と表示できる。従って、上記の(W2)は、(W3)に示すようになる。
1040:A23:C10:800:0:0:0:0/64 (W3)
さらに、コロンが存在する部分を省略すると、(W4)に示すようになる。
送信元のホストコンピュータは、送信先のホストコンピュータの完全なIPアドレスを知っている必要があり、ネットワークの中継ルータは、パケットのプレフィクスのみを見てパケットを転送する。
これにより、IPv6(以下、特に断らない限り、IPv6プロトコルを意味する。)は、3.4×1028個のIPアドレスを確保できる(なお、32ビットで表示すると、IPアドレス数は4.3×109個である。)。従って、携帯電話、カーナビゲーション又はインターネット家電などの用途のために多くのIPアドレスを付与することができる。
次に、モバイルIPv6は、IPv6プロトコルの有する機能に加えて、移動端末が移動しても継続して通信できるようにしたプロトコルである。IPv6ネットワークにおいて、モバイルノードMNがネットワーク内を移動すると、そのモバイルノードMNのIPアドレスが変更され、従って、送信者からのデータは変更される前のアドレスに到達する。このため、モバイルIPv6プロトコルは、以下に述べるモバイルノードMNの移動管理機能を有する。
なお、以下の説明において、特に断らない限り、階層化モバイルIPv6プロトコルおよび階層化モバイルIPv4プロトコルを、それぞれ、階層化モバイルIPv6および階層化モバイルIPv4と略称する。
特開2002-64544号公報(以下、公知文献6と称する。)に開示された分散型ルート設定方法は、大規模ネットワーク環境下でも、ネットワークリソースを効率的に利用できるIPモビリティ制御技術を提供し、さらに、従来のIPモビリティ制御技術では困難であった、高速ハンドオーバ(高速ハンドオフ)を可能とすることを目的とする。
一方、特許第2894443号公報(以下、公知文献7と称する。)に開示された移動パケットルーチングシステムは、ルータが介在する現実のネットワークにおいても、ATM(Asynchronous Transfer Mode:非同期転送モード)ホストの移動をサポートするとともに、ATM特有のQOS(Quality Of Service:ネットワークが提供するサービスの品質)の保証もアプリケーションから制御可能な移動パケットルーチングシステムを実現することを目的とし、また、ATM特有のQoSの保証を生かしたままで、ルータおよびホームエージェントをショートカットして冗長パスの発生を防ぎ、処理遅延を最小にできる移動パケットルーチングシステムを実現することを目的としている。そして、この公知文献7記載の技術は、モバイルIPv4をATM−LAN(Asynchronous Transfer Mode-Local Area Network)において動作させるために、ホームエージェントHAとATMアドレス解決サーバとを連携させるようになっている。
図31は階層化モバイルIPv6における位置登録動作を説明するための図である。この図31に示すモバイル通信システム500は、階層化モバイルIPv6をサポートしているものであって、インターネット50と、ネットワーク101,102および103とを有する。インターネット50は、通常のインターネットであってIPv6に対応している。また、ネットワーク101は、モバイルノードMNが通常接続するホームリンクであり、ネットワーク102,103は、インターネット50に接続されたものである。これらのネットワーク101〜103は、それぞれ、異なる通信キャリア(通信事業者)A〜Cによって、あるいは同一の通信キャリアによってサポートされているものであって、ルータ、モバイルノードMN、ホームエージェントHAをそなえて構成されている。
モバイルノードMNは、通信キャリアAの加入者端末である。このモバイルノードMNは、階層化モバイルIPv6をサポートする(以下、階層化モバイルIPv6のモバイルノードMNと称する。)ものであり、通常時に接続するネットワーク101にて使用するホームアドレス(例えば、「100::10」)を有する。モバイルノードMNと他の端末との通信は、このホームアドレスを用いて行なわれる。そして、モバイルノードMNは、自分自身が属するホームネットワークとしてネットワーク101を決定するようになっている。換言すれば、モバイルノードMNのホームリンクは、ネットワーク101なのである。
さらに、ネットワーク103は、階層化モバイルIPv6をサポートするネットワークであって、ルータ3〜9をそなえて構成されている。ここで、ルータ4は、階層化モバイルIPv6を用いてアドレスの階層化をするとともに、通常のルータ機能をも有する。このルータ4は、アクセスルータ(ルータ)6,7に接続する端末をサポートする。さらに、ルータ5(MAP2)は、階層化モバイルIPv6を用いてアドレスの階層化をするとともに、通常のルータ機能をも有する。このルータ5はアクセスルータ8およびアクセスルータ9に接続する端末をサポートする。なお、アクセスルータ6〜9は、通常のIPv6ルータであり、また、モバイルノードMNが無線接続するための無線アンテナ部(図示省略)がルータ本体と一体に構成されてもよく、あるいは、ルータ本体とは別に設けてもよい。
(2)モバイルノードMNは、アクセスルータ6が、例えば周期的又はモバイルノードMNからの要求の応答として送信するルータ広告メッセージ(ルータ広告)を受信する。このルータ広告メッセージは、モバイルノードMNの接続リンクにおけるネットワークプレフィクス(例えば、「311::/64」)と、ルータ4のアドレス(例えば、「310::1」)とを含む。このルータ4のアドレスは、階層化モバイルIPv6により新たに定義されたMAPオプションとして付与されている。なお、接続リンクとは、無線区間において生成された物理的な状態である。
(4)モバイルノードMNは、受信したルータ広告メッセージの内容のうちのルータ4のアドレスの上位64ビットに基づいて、「RCoA1」(例えば、「310::10」)を生成する。このRCoAとは、階層化モバイルIPv6により定義されるRegional Care-of Addressを意味する。
(6)モバイルノードMNは、ネットワーク101のホームエージェントHAに対して位置登録メッセージBUを送信し、モバイルノードMNが生成した「RCoA1」とホームアドレスとを登録する。
(8)ホームエージェントHAは、前記(6)の位置登録メッセージBUを受信すると、位置登録メッセージBUの内容に基づいて、バインディングキャッシュを生成する。このバインディングキャッシュは、ホームアドレスと「RCoA1」との対応関係を保持している。
(10)ホームエージェントHAは、モバイルノードMNに対して登録応答メッセージBAを送信し、登録を受理したことを通知する。
このように、モバイルノードMN以外の他者がモバイルノードMNに対して送信したデータは、ネットワーク101に到達する。ここで、ネットワーク101には、そのデータを受信すべき端末が存在していないので、ホームエージェントHAは、ネットワーク101に宛先の端末がないことを検索し、その端末がないときは、気付アドレスを有する端末に対してデータを転送する。これにより、モバイルノードMNの相手は、ネットワーク101に、宛先端末の存在の有無にかかわらず自動的に通信できる。
(11)ネットワーク102の送信元ノードCN(例えば、アドレスは「200::20」)は、モバイルノードMN宛てのパケットを送信する。このパケットの宛先アドレスはモバイルノードMNのホームアドレスである。
(14)ルータ4は、前記(13)にて転送されたパケットをインターセプトする。そして、バインディングキャッシュに記録された情報に基づいて、インターセプトしたパケットの宛先アドレスを「LCoA1」とするヘッダを付与し、データと付与したヘッダとをカプセル化する。
次に、図33を用いて、図31に示す位置登録動作後の状態からのハンドオーバ動作を説明する。
(21)モバイルノードMNは、移動先のネットワーク103において、アクセスルータ6の無線エリアからアクセスルータ7の無線エリアに移動する。ここで、モバイルノードMNは、アクセスルータ7からの無線信号レベルがアクセスルータ6からの無線信号レベルよりも高くなったことを検出すると、モバイルノードMNは接続先のルータをアクセスルータ7に切り替える。
(26)ルータ4は、モバイルノードMNに対して登録応答メッセージBAを送信し、更新を受理したことを通知する。
図34は階層化モバイルIPv6におけるハンドオーバを説明するための図であり、MAPが変わる場合のものである。この図34に示す符号で上述したものと同一のものは同一のものを表す。
(34)モバイルノードMNは、ルータ5のアドレスが図33の(22)の場合と異なるので、アクセスルータ8がルータ5(アクセスルータ7とは異なるルータ5)によってサポートされていることを認識する。そして、モバイルノードMNは、受信したルータ広告メッセージの内容のうち、ルータ5のアドレスの上位64ビットに基づいて、「RCoA2」(例えば、「320::10」)を生成する。
(36)モバイルノードMNは、ホームエージェントHAに登録した「RCoA1」を「RCoA2」に変更する必要が生じたため、ホームエージェントHAに対して位置登録メッセージBUを送信し、モバイルノードMNが生成した「RCoA2」とホームアドレスとを登録する。
(38)ホームエージェントHAは、前記(36)の位置登録メッセージBUを受信すると、位置登録メッセージBUの内容に基づいてバインディングキャッシュを更新する。更新後のバインディングキャッシュは、ホームアドレスと「RCoA2」との対応関係が保持される。
(40)ホームエージェントHAは、登録応答メッセージBAを送信し、更新を受理したことを通知する。
そして、モバイルノードMNのハンドオーバ終了後は、パケットは図33と同様にホームエージェントHAにてインターセプトされる。ホームエージェントHAはインターセプトしたパケットを、モバイルノードMNのハンドオーバ後の新しいアドレス「RCoA2」宛てにカプセル化し転送される。転送されたパケットはルータ5によって再度インターセプトされ、モバイルノードMNのハンドオーバ後の新しいアドレス「LCoA3」宛てにカプセル化し転送され、アクセスルータ8を通ってモバイルノードMNに到達する。
図35は階層化モバイルIPv6における非効率性を説明するための図である。図35に示す符号で上述したものと同一のものは同一のものを表す。この図35に示すモバイル通信システム500は、図31に示すネットワークと同様に、ネットワーク103が階層化モバイルIPv6をサポートしている。ここで、n台(nは2以上の自然数を表す。)のモバイルノードMNがアクセスルータ6の無線エリアに移動すると、各モバイルノードMNは、ルータ4に対して位置登録メッセージBUを送信し、ルータ4は、n台全てのモバイルノードMNについてのバインディングキャッシュを生成する。また、各モバイルノードMN宛てのパケットは、各モバイルノードMNが登録したホームエージェントHA(図示省略)によりインターセプトされ、カプセル化されてRCoAに対して転送される。各モバイルノードMNのRCoAはルータ4のアドレスを元にして生成されているため、各ホームエージェントHAから転送されたパケットは、全てルータ4に到達し、ルータ4にてインターセプトされた後に、各モバイルノードMNのLCoA(アクセスルータ6配下でのアドレス)宛てに再度カプセル化され、アクセスルータ6を通じてモバイルノードMNに転送される。
(Y1)通信サービスのうちの継続性,双方向性,リアルタイム性を有しかつ高速なハンドオーバが必要とされるものは、音声通話,テレビ電話などに限られ、一無線リンクを占める保留時間は短い(約3〜5分程度)。
これらの(Y1)および(Y2)から、ユーザが、特定エリアにおいて通信サービスの利用を開始し、その通信が終了するまでに、モバイルノードMNのハンドオーバが一度も発生しないケースが多い。つまり、図35におけるn台のモバイルノードMNのうち、通信中にアクセスルータ6からアクセスルータ7に対するハンドオーバするモバイルノードMNの数は少ないのである。
さらに、例えばルータ4が保持できるバインディングキャッシュの数、すなわち、サポート可能なモバイルノードMNの数がnである場合、実際には1台のモバイルノードMNについてのリソースしか有効に使われていないのにも関わらず、n+1台目のモバイルノードMNがアクセスルータ6(又はアクセスルータ7)のエリアに移動してきた場合に、ルータ4はそのモバイルノードMNについてのリソースを確保できない。このため、そのモバイルノードMNは登録を拒否され、アクセスルータ6(又はアクセスルータ7)のエリアにおいて通信サービスの利用を開始できないという課題が生じる。
また、従来、実際には使用効率が非常に低いにも関わらず、処理性能が高いMAPをネットワークに数多く設置する必要があり、加えて、事業者は、ネットワークの運営,サポートおよび維持するために設備コストが増大していた。
(1)本発明のモバイルノードは、ネットワーク識別情報を保持するモバイルノードと、該モバイルノードと通信可能な複数のアクセスルータを含む多段に接続された複数のルータとをそなえたモバイル通信システムにおける該モバイルノードであって、該モバイルノード自身と通信しているアクセスルータの識別子を保持するルータ識別子保持部と、該パケットを受信する受信部と、該受信部にて受信されたパケットに含まれるネットワーク識別情報と該ルータ識別子保持部に保持された該アクセスルータの識別子とに基づいて、通信相手側が該第1のアクセスルータから第2のアクセスルータに変更したことを検出する検出部と、該検出部が変更を検出すると、該モバイルノード自身の第1の気付アドレスが保持されている部分に対して、該モバイルノードの第1の気付アドレスを第2の気付アドレスに変更するよう変更登録要求を送信する送信部とをそなえて構成されたことを特徴としている。
(4)また、該送信部は、該変更登録要求のヘッダを、IPv6ホップバイホップオプションヘッダ又はIPv6宛先オプションヘッダのうちの少なくとも一方を用いて送信するように構成されてもよい。
(1)モバイルノード自身と通信しているアクセスルータの識別子を保持するルータ識別子保持部と、パケットを受信する受信部と、受信部にて受信されたパケットに含まれるネットワーク識別情報とルータ識別子保持部に保持されたアクセスルータの識別子とに基づいて、通信相手側が第1のアクセスルータから第2のアクセスルータに変更したことを検出する検出部と、検出部が変更を検出すると第2のアクセスルータに対して、モバイルノードの第1の気付アドレスを第2の気付アドレスに変更するよう変更登録要求を送信する送信部とをそなえて構成されているので、モバイルノードが実際に移動が発生したときにのみ、第1の仮アドレスを用いた場合における品質と同等な効果を出せる。
図1は本発明の第1実施形態に係るモバイル通信システムの構成図である。この図1に示すモバイル通信システム200は、モバイルIPv4およびモバイルIPv6を用いてIPパケットを転送可能なネットワークであって、ネットワーク(ホームネットワーク又はホームリンクとも称する。)11,ネットワーク12,13とインターネット50とをそなえて構成されている。
(1)モバイル通信システム200に属する各ノードの説明
(1−1)モバイルノードMN
モバイルノードMNの一例は、通信キャリアAに加入している携帯電話又は携帯端末である。モバイルノードMNは、ネットワーク11によってホームアドレス(固定アドレス)を付与されており、そして、ネットワーク13に移動すると、ネットワーク13によって仮の気付アドレスを付与され、以後、この気付アドレスを用いて、ネットワーク12にいる送信元ノードCN(送信元モバイルノード又は送信元モバイル端末)と通信するようになっている。
(1−2−1)通常の転送機能
分岐ルータ4,5は、それぞれ、通常のパケット転送処理をするとともに、本発明に係る分岐処理(パケットの振り分け処理)をするものである。
分岐ルータ4は、アップリンクのルータ3から受信したパケットを、ダウンリンクのルータ(アクセスルータ)6又はルータ(アクセスルータ)7のいずれかに対して振り分け可能となっている。
また、ダウンリンクとは、下流側を意味し、モバイルノードMNにより近い側の次ルータヘの接続リンクを意味する。すなわち、ダウンリンクは、モバイルノードMNにより近い方向に設けられた次ルータヘの転送リンクを表す。
これらの分岐ルータ4,5は、いずれも、キャッシュ生成機能と、分岐ルータ4,5が自ら生成したキャッシュに基づいて受信パケットの新CoAへの転送機能とを有する。これらの分岐ルータ4,5は、ほぼ同一なので、分岐ルータ4について説明し、分岐ルータ5については重複した説明を省略する。
分岐ルータ4は、モバイルノードMNからの登録要求メッセージを検出し、その登録要求メッセージがインターセプトするための条件(以下、インターセプト条件)に合致する場合は、その登録要求メッセージをインターセプトし、メッセージの内容を解析して、旧CoA宛てパケットを新CoAに対して転送するためのキャッシュを生成する。ここで、インターセプト条件に合致しない場合はメッセージをインターセプトしないで、メッセージの宛先(旧CoAを表す。)に対して通常のルーティングにより転送する。
モバイル通信システム200において、メッセージ識別子は、モバイルIPv6にて用いられるメッセージに加えて、登録要求メッセージ,登録更新および登録応答の各メッセージを有する。
生成されたキャッシュが存在する間に分岐ルータ4がモバイルノードMNの旧CoA宛てパケットを受信すると、その生成したキャッシュに基づいて、その受信パケットを新CoAに対して転送する。
そして、分岐ルータ4が、予め登録した移動前の気付アドレスと登録要求メッセージに含まれる移動後の気付アドレスとをバインディングして保持するキャッシュを生成する。
従って、アクセスルータ6に接続された複数のモバイルノードMNのうちの実際に移動が生じたものに対してのみ、ハンドオーバのためのネットワークリソースが動的に確保されてハンドオーバが行なわれる。
なお、分岐する機能を有するルータ(例えば分岐ルータ4,5)を設置するためのモバイル通信システム200におけるノードの位置は、モバイルノードMNが移動するときに、移動前CoAから移動後CoAに至るモバイル通信システム200におけるパケット転送パスにおいて、少なくとも1台以上設けられていればよい。これらの分岐機能を有するルータは、アクセスルータ6〜9のアップリンク側に設けられたルータ4,5により実施されることができる。あるいは、図30を用いて後述するように、アクセスルータ6〜9自身が分岐機能を有するルータとして機能するようにもできる。
(2)ネットワーク11
ネットワーク11は、モバイルノードMNのホームリンク(ホームネットワーク)であって、ルータ1,モバイルノードMN(モバイル端末),ホームエージェントHAをそなえるとともに、モバイルノードMNおよびホームエージェントHA間を接続する態様の一例として、無線基地局(Base Station:以下、(BSと表記する。)をそなえて構成されている。
一方、ネットワーク11,13がいずれも同一の通信キャリアAによって、運営されている場合には、モバイルノードMNは、自分自身が加入契約するネットワークに接続することになる。一例として、通信キャリアAが、ネットワーク11,13を運営し、また、ホームエージェントHAを設置しているネットワーク11の部分と、実際モバイルノードMNが接続されるネットワーク13の部分とがインターネット50を用いて接続されて、モバイル通信システム200が構築されている。この場合、モバイルノードMNは、ホームリンクであるネットワーク11に接続することはなく、常時、ホームリンクの外部に移動中と認識される。
ルータ1はIPv6によりパケットを転送するものであり、受信したパケットの宛先に応じて、ルータ1自身が有するルーティングテーブルを参照してそのパケットを転送する。
(2−2)無線基地局BS
無線基地局BSは、モバイルノードMNからの無線信号を受信して復号して、その無線信号に含まれるパケットを抽出しそのパケットのヘッダにある宛先に対してパケットを送信するとともに、インターネット50を介して受信したパケットのヘッダにある宛先がモバイルノードMN宛ての場合にはそのパケットを無線信号に変換して送信する。なお、この無線方式は、既存の変復調方式およびアクセス方式を用いることができる。
(2−3)モバイルノードMN
ホームアドレスは、モバイルノードMNの現在位置を示すものではないので、他のネットワーク13の送信元ノードCNが、このモバイルノードMNの現在位置を知らないときは、直接には、モバイルノードMNに対してパケットを送信できない。これを回避するため、ネットワーク11に設けられたホームエージェントHAは、モバイルノードMNのホームアドレス「100::10」と気付アドレス(例えば「CoA1」)との対応(結合)関係を管理している。
受信処理部40aは、ネットワーク13において移動したモバイルノードMNからのパケット(第1パケット)と、送信元ノードCNからのパケット(第2パケット)とを受信するものであり、例えば無線送受信部41からのデータの誤り訂正してパケットを出力する。
そして、登録応答メッセージとは、後述するバインディングキャッシュを生成した分岐ルータがモバイルノードMNに対してキャッシュを生成した旨を通知するものである。
ここで、モバイルノードMNが登録要求メッセージを送信するタイミングは、モバイルノードMNの移動が生じ、かつその時点において他のモバイルノードMN又はサーバなどとの通信が発生しているときである。
すなわち、モバイルノードMNが移動を生じた場合、更にその時点で他のモバイルノードやサーバ等との通信が発生していた場合にのみ、登録要求メッセージを送信するのである。ここで、通信が発生していた場合とは、例えば具体的には起動中の通信アプリケーションの有無や、TCPセッションの有無などでわかる。図2では、アプリケーション状態監視部40eでこの監視を行なうことも想定している。
(Z1)ハンドオーバが発生した場合、必ず登録要件を行なう。
(Z2)ハンドオーバが発生し、かつ実際に通信を実行中の場合だけ登録要件を行なう。
デカプセル化処理部40cは、パケット識別部40bから入力されたカプセル化パケットのヘッダを取り除き受信データをアプリケーションプログラム通信部40dに対して出力するものである。
アプリケーションプログラム通信部40dは、音声通信又はデータ通信をするものである。アプリケーション状態監視部40eは、現在通信中で動作しているアプリケーションプログラム(以下、アプリケーションと略称する。)を制御又は管理するものであって、例えばモバイルノードMNが現在使用している物理的又は論理的な接続状態などを制御又は管理するものである。
また、アプリケーションプログラム通信部40dの通信相手は送信元ノードCNであり、位置登録メッセージの宛先は前のCoAである。
送信処理部40hは、位置登録要求メッセージを、分岐ルータ4,5が決定していない場合はモバイルノードMNの移動前の気付アドレス宛てに送信するとともに、分岐ルータ4が決定している場合は分岐ルータ4宛てに送信する。従って、モバイル通信システム200は、モバイルノードMNの移動場所にかかわらず、通信サービスを提供できる。
これにより、パケットロスを少なくでき、確実な通信が可能となる。また、既存のパケットフォーマットの変更を要せずに、リソース確保のための処理が可能となる。
そして、ネットワーク13に移動したモバイルノードMNが、ネットワーク13においてモバイルノードMN自身と通信しているアクセスルータ6と異なる第2のアクセスルータ7〜9に対して、モバイルノードMNの移動前の気付アドレスを移動後の気付アドレスに変更するよう登録要求メッセージを送信する。
次に、分岐ルータ4が、アクセスルータ6およびアクセスルータ6〜9の接続位置に基づいて決定される。具体的には、分岐ルータ4は、アクセスルータ6〜9のアップリンクに設けられた通信ノードであってアクセスルータ6〜9および他のアクセスルータ6〜9の両方をダウンリンクに有するもの(分岐通信ノード)が決定されるのである。
従って、例えば分岐ノード4に着目すると、従来のノード4(図31〜図35参照)は、階層化モバイルIPv6を用いてアドレスの階層化をする処理が必要である。さらに、従来のノード4は、アクセスルータ6,7の無線ゾーンに在圏する多くのモバイルノードMNについてアドレスを階層化していたので、処理負担が大きかった。
さらに、実際にアクセスルータ6からアクセスルータ7にハンドオーバしたモバイルノードMNだけについて、分岐ノード4は処理するので、処理負担が大幅に減少する。さらに、モバイルノードMNが通信実行中のアプリケーションがあるときに、ハンドオーバをした場合のみ登録すれば更に効率が上昇する。
(2−4)ホームエージェントHA(図1参照)
ホームエージェントHAは、モバイルノードMNに対して送信元ノードCNから送信されたパケットを代理受信しモバイルノードMNの移動先を示す気付アドレス(仮アドレス)宛に転送するものであり、ホームエージェントHAはホームアドレスとして、100::1を有する。
ネットワーク12は、インターネット50に接続されたものであって、ルータ2,送信元ノードCN(送信元端末,相手ノード又は相手端末とも称する。)をそなえて構成されている。このルータ2は、IPv6によりパケットを転送するものであり、受信したパケットの宛先に応じて、予め用意されたルーティングテーブルを参照して、そのパケットを転送する。
(4)ネットワーク13
ネットワーク13は、インターネット50を介してネットワーク11およびネットワーク12と通信できるものであって、ルータ3と、分岐ルータ(分岐通信ノード)4,5と、ルータ(アクセスルータ又はアクセス通信ノード)6〜9とをそなえて構成されている。これらのルータ3〜9はいずれも通信ノードとして機能している。
アクセスルータ6〜9は、いずれも移動したモバイルノードMNと通信可能なものである。第1実施形態および第2実施形態において、アクセスルータ6〜9とモバイルノードMNとの間は、無線接続されるようになっており、図示を省略するが、無線基地局が接続されている。この無線基地局は、無線信号を送受信するためのアンテナ,無線信号の送受信およびデータ変復調の各機能を有する。この無線方式は、既存の変復調方式およびアクセス方式を用いることができる。
ルータ3は、IPv6によりパケットを転送するものであり、受信したパケットの宛先に応じて、予め用意されたルーティングテーブルを参照して、そのパケットを転送する。ルータ3は、また、インターネット50とネットワーク13とのゲートウェイ機能を付加するようにもできる。
分岐ルータ4,5は、いずれも、アクセスルータ6〜9(他のアクセスルータ6〜9)のアップリンクに設けられたルータであってアクセスルータ6〜9の両方をダウンリンクに有する。このダウンリンクに関する情報(ダウンリンク情報)は、モバイル通信システム200の構成に基づいて、ネットワーク管理者などによって設定されるが、自動的にルーティング情報を交換することによって設定するように構成してもよい。
(4−4)分岐ルータ4,5の構成
これらの分岐ルータ4,5について図3を用いて更に詳述する。
(4−4−1)受信処理部20a
受信処理部20aは、ネットワーク13において移動したモバイルノードMNからのパケット(第1パケット)と送信元ノードCNからのパケット(第2パケット)とを受信するものである。
パケット識別部20bは、受信処理部20aにて受信されたパケットに含まれる複数のメッセージ内容を抽出するものであって、そのメッセージの識別子が単に転送することを表すものであるときはそのパケットをカプセル化処理部20eに出力するとともに、そのメッセージ識別子が、変更登録要求(登録要求メッセージ)であるときは、登録要求メッセージ処理部20cに対してそのパケットを出力する。
なお、アクセスルータ6〜9の位置に分岐ルータを設けることもできる。
(1)モバイルノードMNは、アクセスルータ6の無線エリアからアクセスルータ7の無線エリアに移動し、無線信号レベルに基づいて、接続先のルータをアクセスルータ7に切り替える。
(3)この登録要求メッセージは、アクセスルータ6において終端される。
(4)アクセスルータ6は、移動前のCoA1宛てのパケットを移動後のCoA2宛に転送するよう設定したキャッシュを生成する。
次に、キャッシュテーブル20d(図3参照)は、モバイルノードMNの移動前の気付アドレスを保持するメモリである。キャッシュテーブル20dは、パケット識別部20bが登録要求メッセージを受信したときに、その登録要求メッセージに含まれる移動前のモバイルノードMNの気付アドレスと移動後のモバイルノードMNの気付アドレスとが対応付けられて登録要求メッセージ処理部20cによって書き込まれるようになっている。このキャッシュテーブル20dは、例えばRAM(Random Access Memory)によって実現される。
(4−4−4−1)気付アドレスの変更機能
登録要求メッセージ処理部20cは、受信処理部20aにて受信されたパケットがモバイルノードMNの移動前の気付アドレスから移動後の気付アドレスへの登録要求メッセージを含む場合はキャッシュテーブル20dに保持された移動前の気付アドレスを移動後の気付アドレスに変更するものである。また、キャッシュがない場合は、キャッシュを新規に生成する。
(4−4−4−2)アドレス変更の決定論理
この登録要求メッセージ処理部20cは、登録要求メッセージについて、予め以下の(L1)〜(L5)に示す各決定論理に基づいてアドレスの変更を決定するようになっており、各決定論理を判断する決定論理判断部22と、所定時間を計測可能なタイマ23とを有する。
すなわち、登録要求メッセージ処理部20cは、登録要求メッセージの宛先アドレスに対する出力インターフェースが、分岐ルータ4が有するインターフェースのうちの予め分岐ルータ4自身が設定した出力インターフェース41〜43のいずれかと一致した場合は設定をし、また、一致しない場合は登録要求メッセージを通常のパケットと同様に転送する。
すなわち、登録要求メッセージ処理部20cは、更に新規に設定するのに必要なリソースが確保できるときはアドレスを設定(又は変更)し、また、リソースを確保できないときは、登録要求メッセージを通常のパケットと同様に転送する。ここで、設定を新規に行なうのに必要なリソースとは、例えばメモリ容量である。
登録要求メッセージ処理部20cは、タイマ23を用いて予め設定した時間が経過するか否かを監視し続ける。なお、このタイマ23は例えばCPUに設けられたタイマである。このタイマが設定されると、所定時間が経過した時点で自動的に設定が解除される。
(L4)変更されたアドレスに関する削除要求メッセージを受信した場合に、キャッシュを削除し、変更されたアドレスが削除される。
(L5)変更されたアドレスに関する削除要求メッセージを受信した場合は変更されたアドレスを削除するとともに、変更されたアドレスに関する削除要求メッセージを受信しない場合はアドレスの変更後所定時間が経過後したときに変更を解除する。
従って、タイマ23を併用することによって、キャッシュテーブル20dに保持されたデータは所定時間ごとに自然消去される。これと同時に、登録要求メッセージ処理部20cは、キャッシュテーブル20dの容量を監視し続けており、自然消去されるデータよりも、登録要求メッセージの受信のほうが多い場合(例えば、登録要求メッセージが例えば1000個を超える場合)は、モバイルノードMNに対してリソースを確保できない旨を通知する。
このように、リソースを確実に確保でき、かつ、リソースを効率的に利用できる。
(4−4−5)カプセル化処理部20e
カプセル化処理部20e(図3参照)は、キャッシュテーブル20dを参照することによって、パケット識別部20bから出力されるパケットの宛先アドレスを変更して新たなヘッダを作成しこのヘッダとデータとをカプセル化してそのカプセル化したパケットを出力するものである。すなわち、このヘッダを付与することが、カプセル化なのである。
送信処理部20gは、受信処理部20aにて受信されたパケットを転送すべき次ホップルータのアドレスと、パケットに含まれる宛先のネットワークプレフィクスと、次ホップルータの位置がアップリンク又はダウンリンクかを示すリンク情報とを対応付けたルーティング情報に基づいて、変更処理部にて変更された移動後の気付アドレス宛に送信元ノードCNからのパケットを送信するものである。また、送信処理部20gは、カプセル化処理部20eからのパケットを、ルーティングテーブル20fを参照することにより、送信するようになっている。
ルーティングテーブル20fは、パケットの宛先と出力するルータとの対応を示すデータを保持したメモリである。このルーティングテーブル20fは、受信処理部20aにて受信されたパケットを転送すべき次ホップルータのアドレスと、パケットに含まれる宛先のネットワークプレフィクスと、次ホップルータの位置がアップリンク又はダウンリンクかを示すリンク情報とを対応付けたルーティング情報を保持するようにしている。
これにより、分岐ルータ4がモバイルノードMNの移動後の気付アドレスを認識するので、分岐ルータ4が、例えばホームエージェントHAが移動前の気付アドレスに宛てたパケットのヘッダを受信すると、その受信したパケットのヘッダを移動後の気付アドレスに変更し、正確なパケット転送が行なえる。
ルーティングテーブル20fと同様に、図1に示す分岐ルータ5が保持するルーティングテーブル20f′は、例えば図12に示すように、通常のルータが有するルーティングテーブル情報に、各出力インターフェースに対するダウンリンク情報が追加されている。また、インターフェース52および出力インターフェース53がダウンリンク側のインターフェースである。
(4−4−8)変更処理部(20b,20c,20d,20e)
変更処理部(20b,20c,20d,20e)は、受信処理部20aにて受信されたパケットが、モバイルノードMNの移動前の気付アドレスから移動後の気付アドレスへの変更登録要求を含む場合はキャッシュテーブル20dに保持された移動前の気付アドレスを移動後の気付アドレスに変更するものである。また、変更処理部(20b,20c,20d,20e)は、キャッシュテーブル20dに入っていない場合には、このキャッシュテーブル20dにすぐこの内容を通知した。
(4−5)分岐ルータの決定方法
図6は本発明の第1実施形態に係る分岐ルータの決定方法を説明するための図であり、この図6に示すネットワーク13eは、アクセスルータ10〜17からルータ3まで3段の配置である。また、図6において、色が濃い分岐ルータは本発明を用いたものである。
モバイルノードMNの移動前の接続先はアクセスルータ10であり、また、移動後の接続先はアクセスルータ14とする。ここで、モバイルノードMNが移動してアクセスルータ14と接続を開始するに当たり、モバイルノードMNはアクセスルータ14を介して登録要求メッセージを送信する。アクセスルータ14は、その登録要求メッセージに含まれる移動前と移動後との双方のルータのアドレスを配下に有していないことを認識し、その登録要求メッセージをアップリンクのアクセスルータ8に対して送信する。アクセスルータ8も同様にして、転送されたパケットに含まれる登録要求メッセージの内容を解析して、2種類のルータのアドレスを配下に有するか否かをチェックする。アクセスルータ8は、同様にして、その転送されたパケットを分岐ルータ5に宛てて転送し、分岐ルータ5においても、そのパケットが検査されて、転送パケットをルータ3に転送する。そして、ルータ3は、移動前のアクセスルータ10と、移動後のアクセスルータ14とが自分の配下であることを認識して、自分自身が分岐ルータであることを知るのである。
パケットの振り分け機能を有する分岐ルータは、アクセスルータ6〜9のアップリンクに設けられている。具体的には、図1に示すアクセスルータ6,7間およびアクセスルータ8,9間に、それぞれ、分岐ルータ4,5が設けられている。また、アクセスルータ6,8間およびアクセスルータ6,9間に、ともに、分岐ルータ4,5が設けられている。これらの分岐ルータ4,5は、アクセスルータ6〜9よりもアップリンクに設けられ、アクセスルータ6〜9のうちの所望の2台のルータを接続するパスに、必ず、分岐ルータ4又は分岐ルータ5若しくは分岐ルータ4および分岐ルータ5の両方が存在するようになっている。
また、モバイル通信システム200(図1参照)の構成例は、ツリー構造のトポロジを有するが、モバイル通信システム200のトポロジはツリー構造に限定されない。モバイル通信システム200は、例えばインターネット50と接続するためのゲートウェイが複数設けられてもよい。
図13(a)は本発明の第1実施形態に係る登録要求メッセージの一例を示す図である。この図13(a)に示す登録要求メッセージのヘッダは、IPv6ヘッダと、ホップバイホップオプションヘッダとからなる。ここで、IPv6ヘッダは全てのパケットが有する基本領域である。また、ホップバイホップオプションヘッダは、転送ルートに設けられた全ルータにおける処理に用いられるデータが書き込まれる領域であり、このホップバイホップオプションが、登録要求メッセージであることを識別するためのタイプ値およびキャッシュを生成するときの有効時間が含まれる。また、ホップバイホップオプションヘッダのIPv6の宛先アドレスは移動前のCoA1を表し、送信元アドレス(送信元ノードCNのアドレス)は移動後のCoA2を表す。
また、図5は本発明の第1実施形態に係る分岐ルータ4の処理を説明するためのフローチャートである。分岐ルータ5の処理もこの分岐ルータ4の処理とほぼ同様であるので重複した説明を省略する。なお、分岐ルータ5および他のルータ3であって分岐又は振り分け機能を有するものも、この図4に示すフローチャートとほぼ同一の処理を行なう。
このように、アクセスルータ6〜9のいずれかにおいて受信された登録要求メッセージが各ルータにおいて読み込まれ、そして、各ルータのうちの移動前と移動後との両方のルータを配下に有するルータは、自分自身が分岐ルータであることを認識してその登録要求メッセージに含まれる情報により自分のキャッシュテーブル20dの内容を書き替える。
これにより、図1において、最初、アクセスルータ6にいたモバイルノードMNがアクセスルータ7に移動し、アクセスルータ7がモバイルノードMNからの登録要求メッセージをインターネット50のアップリンクに設けられている分岐ルータ4に対してホップ(転送)する。そのホップされた分岐ルータ4において登録要求メッセージに含まれる移動前および移動後の両方のアクセスルータ6,7を配下に有するか否かがチェックされる。このチェックにより分岐ルータ4自身が両方のアクセスルータ6,7を有するものであると知ると、その分岐ルータ4は、移動前の気付アドレス「CoA1」を移動後の気付アドレス「CoA2」に設定する。さらに、モバイル通信システム200の全体から見ると、気付アドレスの動的設定は、モバイルノードMNが登録要求メッセージを送信することと、モバイル通信システム200に設けられたルータがその登録要求メッセージを処理することとの双方によって実現されるのである。
このように、分岐ルータ4は、全てのモバイルノードMNから送信された登録メッセージの全てについて、バインディングキャッシュおよびカプセル化する処理が不要となる。このため、特定エリアにおいて、実際にハンドオーバしたモバイルノードMNについてのみ、バインディングキャッシュおよびカプセル化の処理をすればよい。また、分岐ルータ4は、ハンドオーバしたモバイルノードMNについてのみ、リソースを確保するので、従来必要とされていた階層化エージェント又はバインディングキャッシュが不要となり、リソース不足を理由にモバイルノードMNに対してアクセスを拒否することがなくなる。
また、これにより、モバイルノードMNの高速移動に追従でき、かつ、パケットロスを抑制できるとともに、モバイル通信システム200を運営,維持する事業者の設備コストを低減させることができる。
上述したとおり、キャッシュテーブル20dと、受信処理部20aと、変更処理部(20b,20c,20d,20e)と、送信処理部20gとをそなえている。さらに、モバイルノードMNは、ルータ識別子保持部42bと、受信処理部40aと、移動検出部42aと、送信処理部50hとをそなえて構成されたことになる。
(5)動作説明
以下、モバイル通信システム200におけるモバイル通信方法の動作の例について説明する。まず、図14,図15を用いて、アクセスルータ6からアクセスルータ7へのハンドオーバを説明する。
(1)モバイルノードMNは、ネットワーク11から移動先のネットワーク13に移動し(点線部分参照)、アクセスルータ6の無線エリアに移動する。
(3)モバイルノードMNは、受信したルータ広告メッセージに含まれる接続リンクのネットワークプレフィクスに基づいて、CoA1(例えば、「311::10」)を生成する。
(5)ホームエージェントHAは、前記(4)の位置登録メッセージBUを受信すると、位置登録メッセージBUの内容に基づいてバインディングキャッシュを生成する。このバインディングキャッシュはホームアドレスとCoA1との対応関係を保持している。
この(6)以降、送信元ノードCNからモバイルノードMNのホームアドレス宛てに送信されたパケットは、ホームエージェントHAによりインターセプトされ、モバイルノードMNのCoA1宛てにカプセル化されて転送される(図示省略)。
図15は本発明の第1実施形態に係るハンドオーバ前の位置登録およびパケット転送シーケンスを示す図であり、アクセスルータ6配下でのモバイルノードMNの位置登録および送信元ノードCNからモバイルノードMNに対してのパケット転送例が示されている。なお、これら以外の符号であって上述したものと同一符号を有するものは同一のもの又は同様の機能を有するものなので、更なる説明を省略する。
このようにして、各ルータの配下が変更した後においても、位置登録およびパケット転送が確実に行なえる。
(1)モバイルノードMNは、移動先のネットワーク13において、アクセスルータ6の無線エリアからアクセスルータ7の無線エリアに移動する(点線部分参照)。モバイルノードMNは、アクセスルータ7からの無線信号レベルがアクセスルータ6からの無線信号レベルよりも高くなったことを検出すると、モバイルノードMNは接続先のルータをアクセスルータ7に切り替える。
(3)モバイルノードMNは、受信したルータ広告メッセージの内容の接続リンクのネットワークプレフィクスに基づいて、CoA2(例えば、312::10)を生成する。このとき、モバイルノードMNは、移動前にアクセスルータ6配下にて使用していたCoA1を削除しない。
すなわち、モバイルノードMNが、アクセスルータ6と異なる第2のアクセスルータ7に対し変化に基づくモバイルノードMNの移動先を示す移動前の気付アドレスの登録要求メッセージを送信する。
(5)前記(4)の登録要求メッセージの宛先はCoA1なので、アクセスルータ6配下のルータに対してルーティングされる。この途中、分岐ルータ4を通過するときに以下の処理が行なわれる。
(5−2)ホップバイホップオプションに示されるタイプ値により、このパケットが本発明の登録要求メッセージであることを検出する。
(5−3)分岐ルータ4は登録要求メッセージの宛先アドレス「CoA1」を確認し、ルーティングテーブル(図11又は図12参照)を検索する。
(5−5)この登録要求メッセージを出力するインターフェースとしてインターフェース42が決定されるが、ダウンリンク情報が「Yes」なので、次の出力はダウンリンク側への出力となり、分岐ルータ4はこの登録要求メッセージを転送しないで、インターセプトしてキャッシュ生成処理を開始する。
(5−6)分岐ルータ4は、モバイルノードMNから送信されたメッセージの宛先が分岐ルータ4よりもダウンリンク側であることを認識する。
(5−7)分岐ルータ4は、登録応答メッセージを送信し、登録要求メッセージを受理したことを通知する。
(7)分岐ルータ4が、送信元ノードCNから送信された移動前の気付アドレス宛のパケットを代理受信し、移動後の気付アドレス宛に転送する。
また、このように、モバイル通信システム200においては、モバイルノードMNがハンドオーバのためのリソースを予め確保していなくても、ハンドオーバが発生した時のみ、その時点で動的にキャッシュを生成する。
図17は本発明の第1実施形態に係るハンドオーバ後のパケット転送を説明するための図であり、モバイルノードMNがアクセスルータ7にハンドオーバした後のパケット転送例が表示されている。この図17に示すもので、上述したものと同一符号を有するものは同一のものを表す。
(2)ネットワーク1のホームエージェントHAは、モバイルノードMNの代わりにモバイルノードMN宛てのパケットをインターセプトし、そして、バインディングキャッシュに記録された情報に基づいて、インターセプトしたパケットに対して宛先アドレスをCoA1とするヘッダを付与してカプセル化する。
(4)分岐ルータ4は、前記(3)で転送されたパケットの宛先「CoA1」についてのキャッシュが存在するので、キャッシュに記録された情報を元にパケットに対して宛先アドレスをCoA2とするヘッダを付与してカプセル化する。
また、図18は本発明の第1実施形態に係るアクセスルータ変更後のハンドオーバおよびパケット転送シーケンスを説明するための図であり、モバイルノードMNがアクセスルータ6からアクセスルータ7配下にてハンドオーバおよびアクセスルータ7配下でのパケット転送例が表示されている。この図18に示す各ネットワーク、各ルータおよび端末,ルータであって、上述したものと同一符号を有するものは同一のもの又は同様の機能を有するものなので、更なる説明を省略する。
また、この状態において、ネットワーク2の送信元ノードCNがモバイルノードMNに対してパケットを送信すると(ステップB9)、ネットワーク1にてホームエージェントHAがそのパケットを受信して、ステップB10において、そのパケットをカプセル化してCoA1に対して送信する。なお、この処理をトンネリングするという。すなわち、IPv6パケットが、IPv4パケット又はIPv6パケットを用いてカプセル化され、これにより、途中経路にIPv4パケットのみをサポートするネットワークが存在しても送信できる。
このように、モバイルノードMNがハンドオーバをした後において、送信元ノードCNが送信したパケットはホームエージェントHAを経由し、折り返し機能を有する分岐ルータ4にてキャッシュ検索されて、モバイルノードMN宛てに正確に送信されるのである。従って、ハンドオーバとパケット転送とが両方、確実に進行できるのである。
図17,図18と続いた後、モバイルノードMNがさらに、アクセスルータ8にハンドオーバした場合について、図19,図20を用いて説明する。なお、図19,図20に示す符号で上述したものと同一のものは同一のものを表す。以下、分岐ルータ4と分岐ルータ5とのコンビネーションにより、パケットの振り分けが可能となる態様について説明する。
(1)モバイルノードMNは、移動先のネットワーク13において、アクセスルータ7の無線エリアからアクセスルータ8の無線エリアに移動する(点線部分参照)。ここで、モバイルノードMNは、アクセスルータ8からの無線信号レベルがアクセスルータ7からの無線信号レベルよりも高くなったことを検出すると、モバイルノードMNは接続先のアクセスルータ7をアクセスルータ8に切り替える。
また、モバイルノードMNは、CoA2を削除してもよい。CoA2は、モバイルノードMNが1回ハンドオーバしたときに、アクセスルータ7配下において使用されていたものであって不要だからである。
これにより、分岐ルータ4が、アドレス設定した場合に、その設定の契機となった登録要求メッセージのモバイルノードMNに登録応答メッセージを返信する。従って、図13(c)に示すIPv6ヘッダの宛先アドレスの欄に、「ルータ(分岐ルータ)4」が記録又は設定されるのである。
(5−1)宛先オプションヘッダに書き込まれたタイプ値により、本メッセージか登録更新メッセージであることを認識する。
(5−2)宛先オプションヘッダ内のキャッシュ更新アドレスにより、更新対象となるキャッシュがCoA1についてのキャッシュであることを認識し、CoA1についてのキャッシュの有無を検索する。
(5−4)宛先オプションヘッダに示される登録有効時間を参考にして、更新したキャッシュの有効時間を決定する。
従って、本発明のモバイル通信方法は、モバイルノードMNが、アクセスルータ6およびアクセスルータ7の双方と異なるアクセスルータ8又は9の属するネットワークプレフィクスに基づいて、アクセスルータ8又は9の気付アドレス(第3の仮アドレス)を生成し、分岐ルータ5に対して、CoA1およびアクセスルータ8又は9を含む登録更新依頼メッセージを送信する。
図20は本発明の第1実施形態に係るアクセスルータ8にハンドオーバ後のパケット転送動作を示す図である。
(2)モバイルノードMNのネットワーク11のホームエージェントHAは、モバイルノードMNの代わりにモバイルノードMN宛てのパケットをインターセプトする。そして、バインディングキャッシュに記録された情報に基づいて、インターセプトしたパケットに対して宛先アドレスをCoA1とするヘッダを付与してカプセル化する。
(4)分岐ルータ4は、前記(3)で転送されたパケットの宛先「CoA1」についてのキャッシュが存在するので、キャッシュに記録された情報を元にパケットに対して宛先アドレスをCoA3とするヘッダを付与してカプセル化する。
また、このように、移動端末のうちの移動が生じたものに対してのみ動的にハンドオーバのためのネットワークリソースが確保されるので、ネットワークリソースが高効率で利用され、また、パケットロスの少ないデータ送受信が可能となり、これにより、移動通信をサポートできる。
まず、モバイルノードMNがアクセスルータ8配下に移動すると(ステップC1)、モバイルノードMNはアクセスルータ7に対してルータ要請メッセージを送信する(ステップC2)。アクセスルータ7は、このメッセージを受信すると、モバイルノードMNに対してルータ広告メッセージを送信する(ステップC3)。モバイルノードMNは、このルータ広告メッセージを受信すると、モバイルノードMNが他のエリアに移動したことを検出し、CoA3を生成し(ステップC4)、分岐ルータ4に対して更新要求メッセージを送信する(ステップC5)。一方、分岐ルータ4は、この更新要求を受信するとバインディングキャッシュ(キャッシュ)を更新し(ステップC6)、モバイルノードMNに対して登録応答メッセージを送信する(ステップC7)。このように、モバイルノードMNはハンドオーバを実行する。
また、例えば、モバイルノードMNがアクセスルータ6の配下において通信を開始し、アクセスルータ6から外に移動しないで通信を続ける状態においては、新規なキャッシュは生成されない。すなわち、本発明は、モバイルノードMNが移動したときのみ、動的にキャッシュが生成されるので、既存の階層化モバイルIPv6に比べて、リソースの使用効率を高くできる。
(2)モバイルノードMNは、アクセスルータ7が周期的又はモバイルノードMNからの要求の応答として送信するルータ広告メッセージを受信する。このルータ広告メッセージは、モバイルノードMNの接続リンクにおけるネットワークプレフィクス(例えば、312::/64)を含む。なお、階層化モバイルIPv6とは異なり、このルータ広告メッセージには、分岐ルータ4(図31のMAP1)のアドレスは含まれていない。
(4)モバイルノードMNは、ホームエージェントHAに対して位置登録メッセージBUを送信し、モバイルノードMNが生成したCoA2とホームアドレスとを登録する。
(5)ホームエージェントHAは、前記(4)の位置登録メッセージBUを受信すると、位置登録メッセージBUの内容に基づいてバインディングキャッシュを生成する。このインディングキャッシュはホームアドレスとCoA2の対応関係とを保持している。
以降、送信元ノードCNからモバイルノードMNのホームアドレス宛てに送信されたパケットは、ホームエージェントHAによりインターセプトされ、モバイルノードMNのCoA2宛てにカプセル化されて転送される(図示省略)。階層化モバイルIPv6とは異なり、このカプセル化されたパケットは分岐ルータ4(図31のMAP1)によって再度カプセル化されない。
図23は本発明の第1実施形態に係る位置登録の他のパケット転送シーケンスを説明するための図であり、アクセスルータ7配下でのモバイルノードMNの位置登録および送信元ノードCNからモバイルノードMNに対してのパケット転送のシーケンス例を示す図である。この図23に示す符号などで、上述したものと同一符号を有するものは同一のもの又は同様の機能を有する。
このようにして、各ルータの配下が変更した後においても、位置登録およびパケット転送が確実に行なえる。
(1)モバイルノードMNは、移動先のネットワーク13において、アクセスルータ7の無線エリアからアクセスルータ8の無線エリアに移動する(点線部分参照)。ここで、モバイルノードMNは、アクセスルータ8からの無線信号レベルがアクセスルータ7からの無線信号レベルよりも、高くなったことを検出すると、モバイルノードMNは接続先のアクセスルータ7をアクセスルータ8に切り替える。
(4)モバイルノードMNは、ネットワーク13に対して、移動前のCoA2宛てのパケットを移動後のCoA3宛てへの転送設定を依頼するための登録要求メッセージをアクセスルータ8に対して送信する。
(4−2)分岐ルータ5は、ホップバイホップオプションのタイプ値により、このパケットが本発明の登録要求メッセージであることを検出する。
(4−3)分岐ルータ5は、登録要求メッセージの宛先アドレス「CoA2」を確認し、ルーティングテーブル(図13(b)参照)を検索する。
(4−5)この登録要求メッセージを出力するインターフェースとしてインターフェース51が決定されるが、ダウンリンク情報が「No」なので、次の出力はダウンリンク側への出力ではない。従って、分岐ルータ5は、この登録要求メッセージをインターセプトしないで、通常のルーティングにより登録メッセージを転送する。換言すれば、分岐ルータ5は、このメッセージを単に通過させているのである。
(5−1)分岐ルータ4は登録要求メッセージのホップバイホップオプションを解析する。
(5−2)分岐ルータ4は、ホップバイホップオプションに示されるタイプ値により、このパケットが本発明の登録要求メッセージであることを検出する。
(5−4)分岐ルータ4は、検索の結果、CoA1が312::10であり、また、これにマッチする宛先プレフィクスが312::/64のエントリがヒットする。
(5−5)この登録要求メッセージを出力するインターフェース43であることが決定するが、ダウンリンク情報が「Yes」なので、次の出力はダウンリンク側への出力となり、分岐ルータ4はこの登録要求メッセージを転送しないで、インターセプトしてキャッシュ生成処理を開始する。
従って、本変形例においては、インターネット50に接続された各ルータが全て折り返し機能を発揮するのではなく、パケットの折り返し機能を発揮するルータ(分岐ルータ4)と、パケットの通過機能を発揮する機能を発揮するルータ(分岐ルータ5)とが協働することにより、効率のよいパケット転送が実現できるのである。
続いて、図25は本発明の第1実施形態に係るアクセスルータ8にハンドオーバ後のパケット転送動作を示す図である。
(2)ホームエージェントHAは、モバイルノードMNの代わりにモバイルノードMN宛てのパケットをインターセプトする。そして、バインディングキャッシュに記録された情報に基づいて、インターセプトしたパケットに対して宛先アドレスをCoA2とするヘッダを付与してカプセル化する。
(4)分岐ルータ4は、前記(3)で転送されたパケットの宛先「CoA2」についてのキャッシュが存在するので、キャッシュに記録された情報を元にパケットに対して宛先アドレスをCoA3とするヘッダを付与してカプセル化する。
図26は本発明の第1実施形態に係るアクセスルータ7からアクセスルータ8配下へのハンドオーバおよびアクセスルータ8配下でのパケット転送の他のシーケンス例を示す図である。この図26に示す符号であって、上述したものと同一のものは同一のもの又は同様の機能を有する。
また、この状態において、ネットワーク12の送信元ノードCNがモバイルノードMNに対してパケットを送信すると(ステップE10)、ネットワーク11にてホームエージェントHAがそのパケットを受信して、ステップE11において、そのパケットをカプセル化してCoA2に対して送信する。そして、このトンネリングされたデータは、分岐ルータ4において、キャッシュを検索される(ステップE12)。さらに、分岐ルータ4はCoA3宛てにカプセル化してモバイルノードMNに送信する(ステップE13)。
第2実施形態においては、使用態様は2種類ある。まず、モバイルノードMNが第1実施形態にて説明した機能をそなえるとともに、ネットワーク11に設けられたDNSを用いてパケットの代理転送を可能とする(第1の態様)。この第1の態様においては、モバイルノードMNが、DNSを分岐ルータ4と併用し、分岐ルータ4を用いた移動サポート方法を用いる場合には、モバイルノードMNは、DNSにおけるモバイルノードMNのホスト名とアドレスとの対応関係を更新しない。
第1実施形態においては、ネットワーク12の送信元ノードCNが送信したパケットは、ネットワーク11のホームエージェントHAを経由してモバイルノードMNに転送されていた。
図27は本発明の第2実施形態に係るモバイル通信システム200の構成例を示す図である。この図27に示すモバイル通信システム200構成例は、図1に示したモバイル通信システム200の構成例と基本的に同一であり、上述したものと同一符号を有するものは同一のもの又は同様の機能を有するものなので、更なる説明を省略する。
DNSは、モバイルノードMNのホスト名(例えば、MN.home.net)とそのIPv6アドレスとの対応関係をレコードとして保持し、そのホスト名に対応するIPv6アドレスの問い合わせに応答する。また、モバイルノードMNは、モバイルIPv6を使用する場合のようにホームエージェントHAに位置登録を行なわない。その代わりに、モバイルノードMNは、使用するIPv6アドレスを変更した場合にはDNSにそれを通知し、DNSが保持するモバイルノードMNについてのレコードを更新する。
本発明のモバイル通信方法は、パケットを用いた通信が、インターネットプロトコルネットワークにおける物理的接続位置を変更した状態において通信可能なモバイルプロトコルを用いる場合、モバイルノードMNは、モバイルノードMN自身のホスト名とホームアドレス(IPv6アドレス)とを対応付けて保持するDNSの保持内容を変更しないように構成されている。
また、第2実施形態における通信は、モバイル通信システム200における物理的接続位置を変更した状態において通信可能なモバイルプロトコルを用いる場合、モバイルノードMNは、ホームエージェントHAヘの位置更新によらずに通信できるようにもなっている。
図29は本発明の第2実施形態に係るハンドオーバおよびパケット転送を説明するための図であり、図28のDNS更新動作以降のアクセスルータ7配下へのハンドオーバおよびアクセスルータ7配下でのパケット転送シーケンス例が表示されている。この図29に示す符号で上述したものと同一のものは同一のものを表す。
このように、モバイルノードMNが移動後において、気付アドレスを有していれば、送信元ノードCNは、DNSにアクセスすることにより、モバイルノードMNの位置を知ることができ、ホームエージェントHAを用いずに、パケット転送が可能となる。
また、第1実施形態におけるモバイル通信システム200と同様の効果が得られる。すなわち、モバイルノードMNが実際に移動が発生したときにのみ、階層化アドレスを用いた場合における品質と同等な効果を出せる。また、モバイルノードMNが移動しないときには、何もメッセージが発生しないようにできる。
また、これにより、MAPを用いて処理すべきメッセージとして、全てのモバイルノードMNをサポートする必要がなくなる。従来技術を用いた場合は、サポートするエリアのモバイルノードMNが停止した状態で通話しているときにも、その停止しているモバイルノードMNについてまで周期的にその記録データをリフレッシュ(更新)していたので、モバイル通信システム200への負荷が大きかった。その負担が大幅に軽減される。
モバイルノードMNが、さらに、モバイルIPv4又はモバイルIPv6を併用し、移動においてモバイル通信のサポート方法を用いる場合にはホームエージェントへの位置更新を行なわない。
以上詳述したように、上述した実施形態によれば、以下に述べるような効果ないしは利点がある。
(1)上述したモバイル通信方法によれば、ネットワーク識別情報を保持するモバイルノードと、モバイルノードと通信可能な複数のアクセスルータを含む多段に接続された複数のルータとをそなえたモバイル通信システムにおけるモバイル通信方法であって、モバイルノードが、複数のアクセスルータのうちの第1のアクセスルータと通信し、モバイルノードが、ネットワーク識別情報の変化に基づいて、モバイルノード自身の移動前の第1の仮アドレスを、第2のアクセスルータの移動後の第2の仮アドレスにするように複数のルータ側に対して変更登録要求を送信し、多段に接続された複数のルータのうちの分岐ルータが、第1の仮アドレスと第2の仮アドレスとを対応付けて保持するキャッシュを生成し、分岐ルータが、キャッシュに基づいて、第1の仮アドレス宛のパケットを第2の仮アドレス宛に転送するように構成されているので、モバイルノードが高速に移動したときに追従するとともに、既存のネットワーク構成の変更を伴わずに、ネットワークリソースの使用効率を向上させ、かつパケットロスの少ないデータ送受信効率を改善できる。
従って、このようにすれば、ネットワークにおいてモバイル通信のためのネットワークリソースの常時確保が不要となる。
(8)パケットを用いた通信が、インターネットプロトコルネットワークにおける物理的接続位置を変更した状態において通信可能なモバイルプロトコルを用いる場合、モバイル端末は、モバイル端末自身のホスト名とモバイルノードの移動前の第1の仮アドレスとを対応付けて保持するドメイン・ネーム・システムの保持内容を変更しないように構成されてもよく、このようにすれば、処理性能が高いMAPをネットワークに数多く設置する必要がなくなる。
(14)前記変更処理部が、論理として、変更登録要求について所定の論理によってアドレスの変更を決定するように構成されてもよく、その論理として次の(14)〜(18)を用いることができる。
(16)前記変更処理部が、論理として、新規アドレスの登録に要するリソース容量に基づいてアドレスの変更を決定する。
(18)前記変更処理部が、論理として、変更されたアドレスに関する削除要求を受信した場合に、変更されたアドレスを削除する。
(19)前記変更処理部が、論理として、変更されたアドレスに関する削除要求を受信した場合は変更されたアドレスを削除するとともに、変更されたアドレスに関する削除要求を受信しない場合はアドレスの変更後所定時間が経過後したときに変更を解除する。
(20)前記第1送信部が、登録応答のヘッダを、IPv6宛先オプションヘッダを用いて送信するように構成されてもよく、このようにすれば、既存のパケットフォーマットの変更を要せずに、リソース確保のための処理が可能となる。
(25)本発明のモバイル通信システムによれば、少なくとも一台のルータが、キャッシュテーブルと、第1受信部,変更処理部,第1送信部をそなえ、モバイルノードが、ルータ識別子保持部,第2受信部,検出部,第2送信部をそなえて構成されているので、階層化処理が実際に移動したモバイルノードについてのみ行なわれ、ネットワークへの負荷が軽減する。
(27)本発明のモバイル通信システムによれば、複数のルータのうちのパケットを転送する少なくとも一台のルータが、キャッシュテーブルと、第1受信部と、変更処理部と、第1送信部とをそなえ、さらに、モバイルノードが、ルータ識別子保持部と、第2受信部と、検出部と、第2送信部とをそなえて構成されているので、ルータがサポートできるモバイルノードの数が向上する。
(D)その他
本発明は、上述した実施形態又は変形例に限定されずに種々変形することができる。
ここで、可搬型パソコン及びアクセスルータ6〜9のいずれもが、LANケーブルのコネクタを設け、そして、これらの間が有線ケーブルを用いて接続するのである。
この場合、可搬型パソコンは、電源を立ち上げ直すなどの操作をすることによって、自分自身が最初に接続していたネットワークとは異なる他のネットワークに接続していることを知る。
そして、他のネットワークにおける送信元ノードCNが、その可搬型パソコンに対してデータを送信すると、そのデータは、可搬型パソコンが以前いた場所とは異なる他の場所に転送されるのである。
(E)付記
(付記1) ネットワーク識別情報を保持するモバイルノードと、該モバイルノードと通信可能な複数のアクセスルータを含む多段に接続された複数のルータとをそなえたモバイル通信システムにおけるモバイル通信方法であって、
該モバイルノードが、該複数のアクセスルータのうちの第1のアクセスルータと通信し、
該モバイルノードが、該ネットワーク識別情報の変化に基づいて、該モバイルノード自身の移動前の第1の仮アドレスを、第2のアクセスルータの移動後の第2の仮アドレスにするように該複数のルータ側に対して変更登録要求を送信し、
該多段に接続された複数のルータのうちの分岐ルータが、該第1の仮アドレスと該第2の仮アドレスとを対応付けて保持するキャッシュを生成し、
該分岐ルータが、該キャッシュに基づいて、該第1の仮アドレス宛のパケットを該第2の仮アドレス宛に転送するように構成されたことを特徴とする、モバイル通信方法。
該分岐ルータが、予め登録した該第1の仮アドレスと該変更登録要求に含まれる該第2の仮アドレスとをバインディングして保持するキャッシュを生成し、
該分岐ルータが、送信元ノードから送信された該第1の仮アドレス宛のパケットを代理受信しそのパケットを該第2の仮アドレス宛に転送するように構成されたことを特徴とする、付記1記載のモバイル通信方法。
該モバイルノードが、該分岐ルータに対して、該第1の仮アドレスおよび該第3の仮アドレスを含む登録更新依頼を送信し、
該分岐ルータが、該登録更新依頼に含まれる該第1の仮アドレスについて該キャッシュを検索し、
該分岐ルータが、該第1の仮アドレスについての該キャッシュを生成している場合は該登録更新依頼に含まれる第3の仮アドレスを抽出し、
該分岐ルータが、抽出した該第3の仮アドレスと該第1の仮アドレスとを対応付けて該キャッシュを更新し、
該分岐ルータが、送信元ノードから送信された該第1の仮アドレス宛のパケットを代理受信しそのパケットを該キャッシュの該第3の仮アドレス宛に転送するように構成されたことを特徴とする、付記1記載のモバイル通信方法。
該モバイルノード自身の移動が生じ、かつその時点において該モバイルノードが他のモバイルノード又はサーバとの通信が発生しているときに、該変更登録要求を送信するように構成されたことを特徴とする、付記1記載のモバイル通信方法。
(付記5) 該モバイルノードがモバイル端末として構成されるとともに、該仮アドレスが気付アドレスとして構成され、
ネットワークに移動したモバイル端末が、ハンドオーバするときに、該第2のアクセスルータに対して、該モバイル端末の第1の気付アドレスを該第2の気付アドレスに変更するよう変更登録要求を送信し、
該分岐ルータが、該第1のアクセスルータおよび該第2のアクセスルータの接続位置に基づいて決定され、
該分岐ルータが、該第1の気付アドレスと該変更登録要求に含まれる該第2の気付アドレスとの対応関係を保持するキャッシュを生成し、
該分岐ルータが、送信元ノードから送信された該第1の気付アドレスの宛パケットを、該キャッシュに基づいて、該第2の気付アドレス宛に転送するように構成されたことを特徴とする、付記1記載のモバイル通信方法。
ネットワークにおける該複数のアクセスルータのうちの少なくとも1台のアクセスルータが、該アクセスルータ自身の属するネットワーク識別情報を含む広告メッセージを報知し、
該モバイル端末が、該広告メッセージに含まれるネットワーク識別情報に基づいて該第3の気付アドレスを生成し、
該モバイル端末が、ホームエージェントに対して該第3の気付アドレスを含む位置登録要求を送信し、
該ホームエージェントが、該ホームアドレスと該第3の気付アドレスとの対応関係を保持するキャッシュを生成し、
該ホームエージェントが、該送信元ノードから送信されたパケットであって該モバイル端末の第3の気付アドレスを有するパケットを、該キャッシュに基づいて該モバイル端末に対して転送するように構成されたことを特徴とする、付記3記載のモバイル通信方法。
(付記8) 該パケットを用いた通信が、インターネットプロトコルネットワークにおける物理的接続位置を変更した状態において通信可能なモバイルプロトコルを用いる場合、該モバイル端末は、該モバイル端末自身のホスト名と該モバイルノードの移動前の第1の仮アドレスとを対応付けて保持するドメイン・ネーム・システムの保持内容を変更しないように構成されたことを特徴とする、付記6記載のモバイル通信方法。
該複数のアクセスルータのうちの第1のアクセスルータと通信している該モバイルノードが、該ネットワーク識別情報の変化を検出し、
該モバイルノードが、該モバイルノードのホスト名と該モバイルノードの移動前の第1の仮アドレスとを対応づけて保持するドメイン・ネーム・システムに対して、該ネットワーク識別情報の変化に基づいて、該モバイルノードの移動先を示す第1の仮アドレスの変更登録要求を送信し、
該ドメイン・ネーム・システムが、該ドメイン・ネーム・システムの保持内容を更新し、
送信元ノードが、該ドメイン・ネーム・システムに対して該ホスト名に対応する第1の仮アドレスを問い合わせ、
該送信元ノードが、該第1の仮アドレス宛にパケットを送信するように構成されたことを特徴とする、モバイル通信方法。
該モバイルノードの第1の仮アドレスを保持するキャッシュテーブルと、
該複数のアクセスルータを有するネットワークにおいて移動した該モバイルノードからの第1パケットと送信元ノードからの第2パケットとを受信する第1受信部と、
該第1受信部にて受信された第1パケットが、該モバイルノードの第1の仮アドレスから第2の仮アドレスへの変更登録要求を含む場合は該キャッシュテーブルに保持された該第1の仮アドレスを該第2の仮アドレスに変更する変更処理部と、
該第1受信部にて受信された第2パケットを転送すべき次ホップノードのアドレスと、該第2パケットに含まれる宛先ネットワーク識別情報とを対応付けたルーティング情報に基づいて、該変更処理部にて変更された該第2の仮アドレス宛に該第2パケットを送信する第1送信部とをそなえて構成されたことを特徴とする、ルータ。
該モバイル端末の第1の気付アドレスを保持するキャッシュテーブルと、
該複数のアクセスルータを有するネットワークにおいて移動した該モバイル端末からの第1パケットと該送信元ノードからの第2パケットとを受信する第1受信部と、
該第1受信部にて受信された第2パケットが、該モバイル端末の第1の気付アドレスから第2の気付アドレスへの変更登録要求を含む場合は該キャッシュテーブルに保持された該第1の気付アドレスを該第2の気付アドレスに変更する変更処理部と、
該第1受信部にて受信された第1パケットを転送すべき次ホップルータのアドレスと、該第2パケットに含まれる宛先ネットワーク識別情報と、該次ホップルータの位置が上流側又は下流側かを示すリンク情報とを対応付けたルーティング情報に基づいて、該変更処理部にて変更された該第2の気付アドレス宛に該第2パケットを送信する第1送信部とをそなえて構成されたことを特徴とする、付記9記載のルータ。
該モバイル端末の第1の気付アドレスを保持するキャッシュテーブルと、
該移動したモバイル端末からの第1パケットと該送信元ノードからの第2パケットとを受信する第1受信部と、
該第1受信部にて受信された第2パケットが、該モバイル端末の第1の気付アドレスから第2の気付アドレスへの変更登録要求を含む場合は該キャッシュテーブルに保持された該第1の気付アドレスを該第2の気付アドレスに変更する変更処理部と、
該第1受信部にて受信された第1パケットを転送すべき次ホップルータのアドレスと、該第2パケットに含まれる宛先ネットワーク識別情報と、該次ホップルータの位置が上流側又は下流側かを示すリンク情報とを対応付けたルーティング情報を保持するルーティングテーブルと、
該ルーティング情報に基づいて該変更処理部にて変更された該第2の気付アドレス宛に該第2パケットを送信する第1送信部とをそなえて構成されたことを特徴とする、付記10記載のルータ。
該次ホップルータのアドレスおよび該宛先ネットワーク識別情報を対応付けた情報と、該宛先ネットワーク識別情報および該リンク情報を対応付けた情報とを関連付けて保持するように構成されたことを特徴とする、付記12記載のルータ。
(付記14) 該変更処理部が、
該変更登録要求について所定の論理に基づいてアドレスの変更を決定するように構成されたことを特徴とする、付記10〜付記13のいずれか一に記載のルータ。
該論理として、該変更登録要求の宛先を示す第1の気付アドレスに対応する出力ポートと該ルーティングテーブルに保持された1又は複数の出力ポートとの一致/不一致に基づいて、該アドレスの変更を決定するように構成されたことを特徴とする、付記14記載のルータ。
該論理として、新規アドレスの登録に要するリソース容量に基づいて該アドレスの変更を決定するように構成されたことを特徴とする、付記14記載のルータ。
(付記17) 該変更処理部が、
該論理として、該アドレスの変更後所定時間が経過したときに該変更を解除するように構成されたことを特徴とする、付記14記載のルータ。
該論理として、変更されたアドレスに関する削除要求を受信した場合に、該変更されたアドレスを削除するように構成されたことを特徴とする、付記14記載のルータ。
(付記19) 該変更処理部が、
該論理として、変更されたアドレスに関する削除要求を受信した場合は該変更されたアドレスを削除するとともに、該変更されたアドレスに関する削除要求を受信しない場合は該アドレスの変更後所定時間が経過後したときに該変更を解除するように構成されたことを特徴とする、付記14記載のルータ。
該登録応答のヘッダを、インターネットプロトコルバージョン6(以下、IPv6と表記する。)宛先オプションヘッダを用いて送信するように構成されたことを特徴とする、付記10〜付記13のいずれか一に記載のルータ。
(付記21) ネットワーク識別情報を保持するモバイルノードと、該モバイルノードと通信可能な複数のアクセスルータを含む多段に接続された複数のルータとをそなえたモバイル通信システムにおける該モバイルノードであって、
該モバイルノード自身と通信しているアクセスルータの識別子を保持するルータ識別子保持部と、
該パケットを受信する第2受信部と、
該第2受信部にて受信されたパケットに含まれるネットワーク識別情報と該ルータ識別子保持部に保持された該アクセスルータの識別子とに基づいて、通信相手側が該第1のアクセスルータから第2のアクセスルータに変更したことを検出する検出部と、
該検出部が変更を検出すると、該モバイルノード自身の第1の気付アドレスが保持されている部分に対して、該モバイルノードの第1の気付アドレスを第2の気付アドレスに変更するよう変更登録要求を送信する第2送信部とをそなえて構成されたことを特徴とする、モバイルノード。
該モバイルノード自身と通信しているアクセスルータの識別子を保持するルータ識別子保持部と、
該パケットを受信する第2受信部と、
該第2受信部にて受信されたパケットに含まれるネットワーク識別情報と、該ルータ識別子保持部に保持された該アクセスルータの識別子と、受信した信号品質とに基づいて、通信相手側が該第1アクセスルータから第2のアクセスルータに変更したことを検出する検出部と、
該検出部が変更を検出すると該第2のアクセスルータに対して、該モバイルノードの第1の気付アドレスを第2の仮アドレスに変更するよう変更登録要求を送信する第2送信部とをそなえて構成されたことを特徴とする、モバイルノード。
該変更登録要求を、該複数のルータのうちの分岐ルータが決定していない場合は該モバイルノードの第1の気付アドレス宛てに送信するとともに、該分岐ルータが決定している場合は該分岐ルータ宛てに送信するように構成されたことを特徴とする、付記22記載のモバイルノード。
該変更登録要求のヘッダを、IPv6ホップバイホップオプションヘッダ又はIPv6宛先オプションヘッダのうちの少なくとも一方を用いて送信するように構成されたことを特徴とする、付記22記載のモバイルノード。
(付記25) ネットワーク識別情報を保持するモバイルノードと、該モバイルノードと通信可能な複数のアクセスルータを含む多段に接続された複数のルータとをそなえたモバイル通信システムであって、
該複数のルータのうちの該パケットを転送する少なくとも一台のルータが、
該モバイルノードの第1の気付アドレスを保持するキャッシュテーブルと、
該複数のアクセスルータを有するネットワークにおいて移動した該モバイルノードからの第1パケットと該送信元ノードからの第2パケットとを受信する第1受信部と、
該第1受信部にて受信された第2パケットが、該モバイルノードの第1の仮アドレスから第2の仮アドレスへの変更登録要求を含む場合は該キャッシュテーブルに保持された該第1の気付アドレスを該第2の気付アドレスに変更する変更処理部と、
該第1受信部にて受信された第1パケットを転送すべき次ホップルータのアドレスと、該第2パケットに含まれる宛先ネットワーク識別情報とを対応付けたルーティング情報に基づいて、該変更処理部にて変更された該第2の気付アドレス宛に該第2パケットを送信する第1送信部とをそなえ、
さらに、
該モバイルノードが、
該モバイルノード自身と通信しているアクセスルータの識別子を保持するルータ識別子保持部と、
該パケットを受信する第2受信部と、
該第2受信部にて受信されたパケットに含まれるネットワーク識別情報と該ルータ識別子保持部に保持された該第1のアクセスルータの識別子とに基づいて、通信相手側が該第1のアクセスルータから第2のアクセスルータに変更したことを検出する検出部と、
該検出部が変更を検出すると該第2のアクセスルータに対して、モバイルノードの第1の気付アドレスを第2の気付アドレスに変更するよう変更登録要求を送信する第2送信部とをそなえて構成されたことを特徴とする、モバイル通信システム。
該モバイルノードの第1の気付アドレスと該モバイルノードの第2の気付アドレスとの間における転送ルートのノードに設けられるように構成されたことを特徴とする、付記25記載のモバイル通信システム。
(付記27) ネットワーク識別情報を保持するモバイルノードと、該モバイルノードと通信可能な複数のアクセスルータを含む多段に接続された複数のルータとをそなえたモバイル通信システムであって、
該複数のルータのうちの該パケットを転送する少なくとも一台のルータが、
該モバイルノードの第1の気付アドレスを保持するキャッシュテーブルと、
該複数のアクセスルータを有するネットワークにおいて移動した該モバイルノードからの第1パケットと該送信元ノードからの第2パケットとを受信する第1受信部と、
該第1受信部にて受信された第2パケットが、該モバイルノードの第1の気付アドレスから第2の気付アドレスへの変更登録要求を含む場合は該キャッシュテーブルを該第2の気付アドレスに変更する変更処理部と、
該第1受信部にて受信された第1パケットを転送すべき次ホップルータのアドレスと、該第2パケットに含まれる宛先ネットワーク識別情報とを対応付けたルーティング情報に基づいて、該変更処理部にて変更された該第2の仮アドレス宛に該第2パケットを送信する第1送信部とをそなえ、
さらに、
該モバイルノードが、
該モバイルノード自身と通信しているアクセスルータの識別子を保持するルータ識別子保持部と、
該パケットを受信する第2受信部と、
該第2受信部にて受信されたパケットに含まれるネットワーク識別情報と該ルータ識別子保持部に保持された該アクセスルータの識別子とに基づいて、通信相手側が該第1のアクセスルータから第2のアクセスルータに変更したことを検出する検出部と、
該検出部が変更を検出すると該第2のアクセスルータに対して、該モバイルノードの第1の気付アドレスを第2の仮アドレスに変更するよう変更登録要求を送信する第2送信部とをそなえて構成されたことを特徴とする、モバイル通信システム。
該モバイルノードが送信した該変更登録要求に対する確認応答を該モバイルノードに対して送信するように構成されたことを特徴とする、付記25又は付記27記載のモバイル通信システム。
4,5 分岐ルータ
6〜9 アクセスルータ
11 ネットワーク(ホームネットワーク又はホームリンク)
12 ネットワーク
13,13a〜13e ネットワーク
20a,40a 受信処理部
20b,40b パケット識別部
20c 登録要求メッセージ処理部
20d キャッシュテーブル
20e カプセル化処理部
20f,20f′ ルーティングテーブル
20g,40h 送信処理部
21a リソース監視部
21b リソース確保判断部
22 決定論理判断部
23 タイマ
40c デカプセル化処理部
40d アプリケーションプログラム通信部
40e アプリケーション状態監視部
40f 位置登録処理部
40g 移動検出部
41 無線送受信部
50 インターネット
200 モバイル通信システム
Claims (4)
- ネットワーク識別情報を保持するモバイルノードと、該モバイルノードと通信可能な複数のアクセスルータを含む多段に接続された複数のルータとをそなえたモバイル通信システムにおける該モバイルノードであって、
該モバイルノード自身と通信しているアクセスルータの識別子を保持するルータ識別子保持部と、
該パケットを受信する受信部と、
該受信部にて受信されたパケットに含まれるネットワーク識別情報と該ルータ識別子保持部に保持された該アクセスルータの識別子とに基づいて、通信相手側が該第1のアクセスルータから第2のアクセスルータに変更したことを検出する検出部と、
該検出部が変更を検出すると、該モバイルノード自身の第1の気付アドレスが保持されている部分に対して、該モバイルノードの第1の気付アドレスを第2の気付アドレスに変更するよう変更登録要求を送信する送信部とをそなえて構成されたことを特徴とする、モバイルノード。 - ネットワーク識別情報を保持するモバイルノードと、該モバイルノードと通信可能な複数のアクセスルータを含む多段に接続された複数のルータとをそなえたモバイル通信システムにおける該モバイルノードであって、
該モバイルノード自身と通信しているアクセスルータの識別子を保持するルータ識別子保持部と、
該パケットを受信する受信部と、
該受信部にて受信されたパケットに含まれるネットワーク識別情報と、該ルータ識別子保持部に保持された該アクセスルータの識別子と、受信した信号品質とに基づいて、通信相手側が該第1アクセスルータから第2のアクセスルータに変更したことを検出する検出部と、
該検出部が変更を検出すると該第2のアクセスルータに対して、該モバイルノードの第1の気付アドレスを第2の仮アドレスに変更するよう変更登録要求を送信する送信部とをそなえて構成されたことを特徴とする、モバイルノード。 - 該送信部が、
該変更登録要求を、該複数のルータのうちの分岐ルータが決定していない場合は該モバイルノードの第1の気付アドレス宛てに送信するとともに、該分岐ルータが決定している場合は該分岐ルータ宛てに送信するように構成されたことを特徴とする、請求項2記載のモバイルノード。 - 該送信部が、
該変更登録要求のヘッダを、IPv6ホップバイホップオプションヘッダ又はIPv6宛先オプションヘッダのうちの少なくとも一方を用いて送信するように構成されたことを特徴とする、請求項2記載のモバイルノード。
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