JP2005311396A - 窒化ガリウム系化合物半導体発光素子 - Google Patents

窒化ガリウム系化合物半導体発光素子 Download PDF

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Abstract

【課題】
MOVPE、MBE法等の気相成長法により、格子整合していない基板の表面にn型窒化物半導体を成長させる際に、n型窒化物半導体層の格子欠陥を少なくして成長させる方法を提供することにより、n型窒化物半導体層の表面に成長させる他の窒化物半導体の結晶性を向上させて、発光素子の効率を向上させる。
【解決手段】
InaGa1-aN(0<a≦1)、もしくはAlbGa1-bN(0<b≦1)、または組成の異なるAlbGa1-bN(0≦b≦1)の薄膜を積層した多層膜の内のいずれか一種類を含む第2のn型窒化ガリウム系化合物半導体層を、第1のn型窒化ガリウム系化合物半導体層と、第3のn型窒化ガリウム系化合物半導体層とで挟んだ構造を有するn型窒化ガリウム系化合物半導体を、基板と活性層との間に有するダブルへテロ構造の窒化ガリウム系化合物半導体発光素子。
【選択図】 図3

Description

本発明は発光ダイオード、レーザダイオード等の電子デバイスに使用されるn型窒化ガリウム系化合物半導体(InXAlYGa1-X-YN、0≦X、0≦Y、X+Y≦1、以下窒化ガリウム系化合物半導体を窒化物半導体という。)の結晶を用いた窒化ガリウム系化合物半導体発光素子に関する。
青色、紫外に発光するレーザダイオード、発光ダイオードの材料として窒化物半導体(InX'AlY'Ga1-X'-Y'N、0≦X'、0≦Y'、X'+Y'≦1)が注目されており、最近この材料で光度1cdの青色発光ダイオードが実用化されたばかりである。この青色発光ダイオードは図1に示すように、サファイアよりなる基板1の表面に、GaNよりなるバッファ層2と、GaNよりなるn型層3と、AlGaNよりなるn型クラッド層4と、InGaNよりなる活性層5と、AlGaNよりなるp型クラッド層6と、GaNよりなるp型コンタクト層7とが順に積層された構造を有している。
窒化物半導体素子は、一般にMOVPE(有機金属気相エピタキシャル)法、MBE(分子線エピタキシャル)法、HDVPE(ハイドライド気相エピタキシャル)法等の気相成長法を用い、基板表面に窒化物半導体層を積層させることにより得られる。基板にはサファイア、ZnO、SiC、GaAs、MgO等の材料が使用される。基板の表面にはバッファ層を介してn型の窒化物半導体(InXAlYGa1-X-YN、0≦X、0≦Y、X+Y≦1、その中でも特にn型GaN、n型AlGaNが多い。)が成長される。また、SiC、ZnOのように窒化物半導体と格子定数の近い基板を用いる場合には、バッファ層を形成せず、基板に直接n型窒化物半導体が成長されることもある。基本的には、基板の表面にまずn型窒化物半導体層を成長させることにより、発光素子、受光素子等の窒化物半導体素子が作製される。
例えばMOVPE法によると、窒化物半導体は、原料ガスにGa源、Al源、In源となる有機金属化合物ガスと、N源となるアンモニアガスとが用いられる。これらの原料ガスを加熱した基板表面に接触させることにより原料ガスを分解して、基板上に窒化物半導体がエピタキシャル成長される。バッファ層には通常GaN、AlN、GaAlN等が選択され、300℃〜900℃の温度で10オングストローム〜0.1μmの厚さで成長される。バッファ層の上に成長するn型窒化物半導体層は900℃以上の温度で、通常1μm以上、4μm以下の膜厚で成長される。
窒化物半導体は、完全に格子整合する基板がないため、非常にエピタキシャル成長させにくい結晶であることが知られている。従って、従来ではSiC基板のように、成長させようする窒化物半導体の格子定数に近い基板を利用するか、または格子不整合を緩和するバッファ層を介して無理矢理エピタキシャル成長されてきた。
格子整合しない基板の表面に成長したn型窒化物半導体の結晶の模式断面図を一例として図2に示す。これはジャーナル オブ クリスタル グロウス{Jounal of Crystal Growth, 115, (1991) P628−633}より引用したものであり、サファイア基板の表面にAlNよりなるバッファ層を介してn型GaNをエピタキシャル成長させ、その断面をTEM(transmission electron microscopy)で測定して、そのTEM像から結晶の構造を模式的に示したものである。この図によると、基板上に配向性が整っていないバッファ層が柱状に成長されており、そのバッファ層の上にGaNをエピタキシャル成長させると、そのバッファ層の一部が種結晶のような役割を果たして、徐々にGaNの配向性が整うことにより、結晶性がよくなったGaN層が成長されることを示している。
しかしながら、完全に結晶欠陥の無いGaNを成長させることは難しく、図2の破線に示すような多数の結晶欠陥が、バッファ層とGaN層との界面から、GaN層表面に達するまで伸びている。この欠陥は結晶の内部で止まるものもあるが、GaN層表面にまで達するものは、表面で例えば107〜109個/cm2ある。同様に図1の発光ダイオード素子においても、n型層3の結晶中では同様の現象が発生している。
基板の表面に成長したn型窒化物半導体層の表面に多数の結晶欠陥があると、その欠陥がn型層の表面に成長するクラッド層、活性層等、全ての半導体層に受け継がれ、素子構造全体に悪影響を及ぼすという問題がある。結晶欠陥の多い素子は、例えば上記のような発光ダイオードとした場合に、発光出力、寿命等の素子性能に悪影響を及ぼすという欠点がある。
基板の表面にまずn型窒化物半導体層を成長させるにあたり、結晶欠陥の少ないn型結晶を成長させることが非常に重要であり、それを実現できれば、そのn型結晶の上に成長させるクラッド層、活性層等の結晶欠陥が少なくなるので、窒化物半導体より成るあらゆる素子の性能を向上させることができる。従って、本発明はこのような事情を鑑みなされたものであり、MOVPE、MBE法等の気相成長法により、完全に格子整合していない基板の表面にn型窒化物半導体層を成長させる際に、そのn型窒化物半導体層の格子欠陥を少なくして成長させたn型窒化物半導体を用いた発光素子を提供することを目的とする。
本発明は、InaGa1-aN(0<a≦1)、もしくはAlbGa1-bN(0<b≦1)、または組成の異なるAlbGa1-bN(0≦b≦1)の薄膜を積層した多層膜の内のいずれか一種類を含む第2のn型窒化ガリウム系化合物半導体層を、第1のn型窒化ガリウム系化合物半導体層と、第3のn型窒化ガリウム系化合物半導体層とで挟んだ構造を有するn型窒化ガリウム系化合物半導体を、基板と活性層との間に有するダブルへテロ構造の窒化ガリウム系化合物半導体発光素子が特徴である。
また請求項2の発光素子は、前記活性層がInGaNからなることを特徴とし、請求項3は、前記第1の窒化ガリウム系化合物半導体層と、第3の窒化ガリウム系化合物半導体層とが同一組成を有することを特徴とする。
以上説明したように、本発明の発光素子では、基板上に結晶欠陥の少ないn型窒化物半導体層を有している。従って本発明は、格子整合する基板を有していない窒化物半導体発光素子にとって、結晶欠陥の少ない結晶を積層しているので、受光素子等の電子デバイスにも応用でき、非常に有用である。
[作用]
n型窒化物半導体層の中に、組成の異なる第2の窒化物半導体層を形成すると、第2の窒化物半導体が緩衝層、即ちバッファ層として作用するので、バッファ層で結晶欠陥を緩和できると考えられる(以下本明細書において、第2の窒化物半導体層を第2のバッファ層という)。詳しく述べると、n型窒化物半導体層が基板上に成長される場合、基板と窒化物半導体とのミスマッチが大きいため、成長中に図2の破線に示すような結晶欠陥が結晶中に発生する。ところが、成長させようとするn型窒化物半導体層と組成の異なる第2のバッファ層を中間層として介在させることにより、n型窒化物半導体層の連続した結晶欠陥が、組成が異なる第2のバッファ層で一時的に止まる。次に、第2のバッファ層の表面にn型窒化物半導体を成長させる際は、その第2のバッファ層がミスマッチの少ない基板のような作用をするため、第2のバッファ層の上に成長させるn型窒化物半導体の結晶性がよくなると推察される。
第2のバッファ層は一層以上形成すればよく、その一層あたりの膜厚は10オングストローム(0.001μm)以上、1μm以下、さらに好ましくは0.001μm以上、0.1μm以下の範囲に調整することが望ましい。0.001μmよりも薄いと、結晶欠陥を第2のバッファ層で結晶欠陥を止めることが困難となる傾向にある。また1μmよりも厚いと第2のバッファ層から新たな結晶欠陥が発生しやすくなる傾向にあるからである。この第2のバッファ層はまた、一層の膜厚が数十オングストロームで、それを2層以上積層した多層膜とすることもできる。
第2のバッファ層はInaGa1-aN(0<a≦1)、もしくはAlbGa1-bN(0<b≦1)、または組成の異なるAlbGa1-bN(0≦b≦1)の薄膜を積層した多層膜であることが望ましい。さらに好ましくはa値が0.5以下のInaGa1-aNか、またはb値が0.5以下のAlbGa1-bNを成長させる。なぜなら、窒化物半導体では四元混晶の半導体層よりも、前記のような三元混晶の方が結晶性がよい。その中でも三元混晶のInaGa1-aN、AlbGa1-bNにおいて、a値、およびb値を前記範囲に調整したバッファ層が、さらに結晶性のよいものが得られるため、第2のバッファ層の結晶欠陥が少なくなり、第2のバッファ層の上に成長するn型窒化物半導体層の結晶欠陥が少なくなる。さらに、第2のバッファ層を多層膜とすると結晶欠陥を非常によく止めることができる。最も好ましい組み合わせは、n型窒化物半導体層がn型GaN(GaNが最も格子欠陥が少ない。)、第2のバッファ層がn型InaGa1-aN(0<a≦0.5)か、若しくはn型AlbGa1-bN(0<b≦0.5)か、または組成の異なるAlbGa1-bN(0≦b≦1)の薄膜を積層した多層膜(超格子)である。
さらに、第2のバッファ層の電子キャリア濃度は先に形成したn型窒化物半導体層とほぼ同一か、またはそれより大きく調整することが望ましい。図3および図4は本発明の方法により得られたn型窒化物半導体層3”の上に、nクラッド層4'、活性層5'、pクラッド層6'、pコンタクト層7'を積層して実際の発光素子として、その発光素子の構造を断面図でもって示した図である。図3は、第2のバッファ層33が、負電極形成用のn型層のエッチング面よりも活性層5'側にあるのに対し、図4は第2のバッファ層33がエッチング面よりも基板1'側に形成された点で異なっている。例えば、図3に示すような発光素子を実現した場合、つまり第2のバッファ層33の位置が、負電極を形成すべきエッチング面よりも活性層側に近い位置にあるような素子を実現した場合、第2のバッファ層33の電子キャリア濃度がn型層3'よりも小さいと、第2のバッファ層でnからpへ供給される電子が阻止されて、n型層からp層に電流が流れにくくなり、素子の性能が悪くなる。逆に、第2のバッファ層33の電子キャリア濃度がn型層3よりも大きいと、電子は第2のバッファ層33に均一に広がりやすくなるので、均一な発光を得ることができる。一方、図4のような素子であると、第2のバッファ層33の電子キャリア濃度は小さくても、電流は電子キャリア濃度の大きいn型層3”の方を流れるので、発光素子の特性にはほとんど影響がないが、逆に第2のバッファ層33の電子キャリア濃度が大きい場合は、電流は第2のバッファ層33の方に流れやすくなって、均一な発光が得られる。従って、第2のバッファ層33の電子キャリア濃度は先に形成したn型窒化物半導体層とほぼ同一か、またはそれより大きく調整することが好ましい。
n型窒化物半導体層を5μmよりも厚く成長させることにより、表面に到達する結晶欠陥を少なくすることもできる。図2において、破線がn型層の中間で止まっているのは、結晶欠陥が途中で止まっていることを示している。この途中で止まっている結晶欠陥について、さらによく研究してみると、n型窒化物半導体層が基板からおよそ4μmぐらいで止まるものが多いことを新たに見いだした。そこで、同一材料を連続して成長中であれば、結晶欠陥を成長中に次第に止めることが可能であるので、5μm以上でn層を成長させることにより、n層の表面にまで到達する結晶欠陥を少なくすることができる。さらに好ましいn型窒化物半導体層の厚さは7μm以上である。
本発明において、基板上に成長されているn型窒化物半導体(InXAlYGa1-X-YN、0≦X、0≦Y、X+Y≦1)は、Y値が0≦Y≦0.5の範囲のAlYGa1-YN、さらに好ましくは0.3以下のAlYGa1-YN、最も好ましくはY=0のGaNを成長させる。なぜなら、前記のように四元混晶の窒化物半導体より、三元混晶の窒化物半導体の方が結晶欠陥が少ないからである。さらに、発光素子、受光素子等の電子デバイスとしてn型窒化物半導体を利用する際には、まず基板上に成長させるn型窒化物半導体は、バンドギャップの小さいInGaNよりもバンドギャップの大きいAlGaN、GaNの方がシングルへテロ、ダブルへテロ等種々の構造を実現する上で好都合であるからである。その中でも、特にAlGaNはAlを含有させるほど結晶欠陥が多くなる傾向にあり、GaNが最も結晶欠陥の少ないn型窒化物半導体層を成長できる傾向にある。
基板にはサファイア、GaAs、Si、ZnO、SiC等の材料が使用できるが、一般的にはサファイアを用いる。サファイアを基板とする場合には、基板にはバッファ層を成長させることが好ましいが、サファイア基板の面方位によってはバッファ層無しでも成長可能である。好ましくバッファ層を成長させることにより、格子欠陥を計測できるような平滑で鏡面状のn型窒化物半導体の結晶を得ることができる。また、窒化物半導体をn型にするにはノンドープの状態で、またはSi、Ge、C等のドナー不純物を結晶成長中にドープすることにより実現可能である。
以下、MOVPE法による本発明の方法を詳説する。
(1)まず、よく洗浄したサファイア基板を反応容器内のサセプターの上に設置する。容器内を真空排気した後、水素ガスを容器内に流しながら、基板を1050℃で約20分間加熱し表面の酸化物を除去して、基板のクリーニングを行う。その後サセプターの温度を500℃に調整し、500℃においてGa源としてTMG(トリメチルガリウムガス)、N源としてアンモニアガスを基板の表面に流しながら、GaNよりなるバッファ層を0.02μmの膜厚で成長させる。
(2)次に、TMGガスを止め、温度を1050℃まで上昇させた後、TMGガス、SiH4ガスを流し、Siドープn型GaN層を2μmの膜厚で成長させる。
(3)次に、TMGガス、SiH4ガスを止め温度を800℃にする。800℃になったらキャリアガスを窒素に切り替え、TMGガス、TMI(トリメチルインジウム)、SiH4ガスを流し、第2のバッファ層としてSiドープn型In0.1Ga0.9N層を0.01μmの膜厚で成長させる。
(4)In0.1Ga0.9N層成長後、再度温度を1050℃まで上昇させ、キャリアガスを水素に戻してTMGガスおよびSiH4ガスを流し、同様にしてSiドープn型GaN層を2μmの膜厚で成長させる。なお第2のバッファ層のキャリア濃度とこのn型GaN層のキャリア濃度はほぼ同一とした。
成長後、基板を反応容器から取り出し、最上層のn型GaN層の表面をTEMで測定し、そのTEM像より、単位面積あたりの結晶欠陥の数を計測したところ、およそ1×104個/cm2であった。
(2)および(4)のn型窒化物半導体層の工程において、TMG、TMA(トリメチルアルミニウム)、SiH4ガスを用い、Siドープn型Al0.3Ga0.7N層をそれぞれ2μmの膜厚で成長させて第2のバッファ層を挟む構造とする他は、実施例1と同様に行う。その結果、同様にして計測したところ、Siドープn型Al0.3Ga0.7N層表面に達している結晶欠陥の数はおよそ5×105個/cm2であった。なお、Siドープn型Al0.3Ga0.7N層の電子キャリア濃度は第2のバッファ層とほぼ同一とした。
(2)のn型窒化物半導体層の工程と同様にしてSiドープn型GaN層を1μmの膜厚で成長させる。次に(3)の第2のバッファ層の工程と同様にして、第2のバッファ層としてSiドープn型In0.1Ga0.9N層を50オングストロームの膜厚で成長させる。さらに、(4)のn型窒化物半導体層の工程と同様にして同じくSiドープn型GaN層を1μmの膜厚で順に成長させる。
さらに、Siドープn型GaN層の上に(3)の工程と同様にして、第3のバッファ層としてSiドープn型In0.1Ga0.9N層を50オングストロームの膜厚でもう一度成長させた後、最後に(4)の工程と同様にしてSiドープGaN層を2μmの膜厚で成長させる。つまり実施例3では、サファイア基板の表面にGaNバッファ層200オングストローム、n型GaN層1μm、Siドープn型In0.1Ga0.9N第2バッファ層50オングストローム、n型GaN層1μm、Siドープn型In0.1Ga0.9N第3バッファ層50オングストローム、n型GaN層2μmを順に積層した。
その結果、最終層のSiドープn型GaN層の表面に達している結晶欠陥の数はおよそ1×104個/cm2であった。なお第2のバッファ層と第3のバッファ層とSiドープn型GaN層との電子キャリア濃度はほぼ同一とした。
(3)の第2のバッファ層の工程において、成長温度を変化させずTMG、TMA(トリメチルアルミニウム)、SiH4ガスを用い、Siドープn型Al0.3Ga0.7N層を0.01μmの膜厚で成長させて第2のバッファ層を形成する他は、実施例1と同様に行う。その結果、同様にして計測したところ、Siドープn型GaN層表面に達している結晶欠陥の数はおよそ1×104個/cm2であった。なお、第2のバッファ層の電子キャリア濃度はSiドープn型GaN層とほぼ同一とした。
(3)の第2のバッファ層の工程において、成長温度を変化させずTMG、TMA、SiH4ガスを用い、まずSiドープn型Al0.02Ga0.98N層を30オングストロームの膜厚で成長させる。次にTMAガスを止め、Siドープn型GaN層を30オングストロームの膜厚で成長させる。そして、この操作をそれぞれ5回繰り返し、30オングストロームのSiドープn型Al0.02Ga0.98N層と、30オングストロームのn型GaN層とをそれぞれ交互に5層づつ積層した多層膜を形成する。以上のようにして第2のバッファ層を形成する他は、実施例1と同様に行う。その結果、格子欠陥を同様にして計測したところ、Siドープn型GaN層表面に達している結晶欠陥の数はおよそ5×103個/cm2であった。なお、第2のバッファ層である多層膜の電子キャリア濃度は、Siドープn型GaN層とほぼ同一とした。
実施例2の工程において、第2のバッファ層としてSiドープn型Al0.1GaGa0.9Nを0.01μmの膜厚で成長させる他は同様にして、Siドープn型Al0.3Ga0.7N層を成長させた。その結果、最表面のn型Al0.3Ga0.7N層に達していた格子欠陥の数はおよそ1×105/cm2であった。なおこの実施例の電子キャリア濃度もほぼ同一とした。
[比較例1]
実施例1において、第2のバッファ層を成長させず、連続してSiドープn型GaN層を4μmの膜厚で成長させたところ、n型GaN層の表面に達した結晶欠陥の数はおよそ1×107個/cm2であった。
実際の発光素子の構造とした実施例を示す。実施例1の(4)の工程の後に以下の工程を加えた。
(5)Siドープn型GaN層成長後、新たにTMA(トリメチルアルミニウム)ガスを加え、同じく1050℃で、nクラッド層としてSiドープn型Al0.2Ga0.8N層を0.1μmの膜厚で成長させる。
(6)nクラッド層成長後、TMG、TMA、SiH4ガスを止め、再び温度を800℃に設定して、TMG、TMI、SiH4ガスに加えてDEZ(ジエチルジンク)を流し、活性層としてSiおよびZnドープIn0.05Ga0.95N層を0.1μmの膜厚で成長させる。
(7)活性層成長後、TMG、TMI、SiH4、DEZガスを止め、温度を1050℃にした後、TMG、TMA、Cp2Mg(シクロペンタジエニルマグネシウム)ガスを流し、pクラッド層としてMgドープp型Al0.1Ga0.9N層を0.1μmの膜厚で成長させる。
(8)p型Al0.1Ga0.9N層成長後、TMAガスを止め、同じく1050℃でpコンタクト層としてMgドープp型GaN層を0.3μmの膜厚で成長させる。
(9)以上のようにして得た素子のエッチングを行い、第2のバッファ層の次に成長したn型GaN層を露出させ、pコンタクト層と、露出したSiドープn型GaN層とに電極を形成した。つまり図4に示すような構造の発光ダイオード素子とした。さらにこの素子をリードフレームに取り付け、樹脂でモールドした。この発光ダイオードは20mAにおいてVf3.6V、発光波長450nmであり、光度3.0cd、発光出力は3.5mWであった。
[比較例2]
比較例1で成長させたSiドープGaN層の上に、実施例7と同一の工程を行い、図1に示すような構造の発光ダイオード素子としたところ、この発光ダイオードは20mAにおいてVf3.6V、発光波長450nmであったが、光度は1.0cdであり、発光出力は1.2mWしかなかった。
このように本発明の発光素子では、結晶欠陥の少ないn型層を有しているので、その上に積層するクラッド層、活性層等の結晶欠陥が少なくなる。特に活性層の膜厚は約0.2μm以下と薄いため、結晶欠陥の少ない結晶を成長させることは非常に重要である。従って、結晶欠陥の少ない結晶を成長できたことにより、従来の光度1cd以上の光度を有し、発光出力に優れた発光ダイオード素子を実現できる。
(1)実施例1の(1)の工程と同様にしてサファイア基板の表面にGaNよりなるバッファ層を0.02μmの膜厚で成長させる。
(2)実施例1の(2)の工程と同様にして、バッファ層の上に、Siドープn型GaN層を10μmの膜厚で成長させる。
成長後、基板を反応容器から取り出し、n型GaN層表面をTEMで測定し、そのTEM像より、単位面積あたりの結晶欠陥の数を計測したところ、およそ1×105個/cm2であった。
Siドープn型GaN層の膜厚を5μmとする他は実施例5と同様にして結晶成長を行ったところ、n型GaN層表面の結晶欠陥の数はおよそ5×106個であった。
実施例5の(2)の工程において、実施例2の(2)と同様にしてSiドープn型Al0.3Ga0.7N層を連続して10μmの厚さで成長させる他は同様にして結晶成長を行ったところ、n型Al0.3Ga0.7N層表面の結晶欠陥の数は、およそ3×106個/cm2であった。
実施例5で得られたSiドープGaN層の上に実施例7と同様にして、nクラッド層、活性層、pクラッド層、pコンタクト層を積層して、同様にして発光ダイオードとしたところ、その特性は実施例7のものとほぼ同等であった。
本発明は発光ダイオード、レーザダイオード等の電子デバイスに使用されるn型窒化ガリウム系化合物半導体(InXAlYGa1-X-YN、0≦X、0≦Y、X+Y≦1、以下窒化ガリウム系化合物半導体を窒化物半導体という。)の結晶を用いた窒化ガリウム系化合物半導体発光素子に関する。
従来の発光ダイオード素子の一構造を示す模式断面図。 基板の表面にAlNバッファ層を介してn型GaN層を成長した際の結晶の構造を示す模式断面図。 本発明のn型窒化物半導体層を有する発光ダイオード素子の一構造を示す模式断面図。 本発明のn型窒化物半導体層を有する発光ダイオード素子の一構造を示す模式断面図。
符号の説明
1、1’・・・基板 2、2'・・・バッファ層
3、3'、3”・・・n型窒化物半導体層 4、4'・・・n型クラッド層
5、5'・・・活性層 6、6'・・・pクラッド層
7、7'・・・pコンタクト層
33・・・第2のバッファ層(第2の窒化物半導体層)

Claims (3)

  1. InaGa1-aN(0<a≦1)、もしくはAlbGa1-bN(0<b≦1)、または組成の異なるAlbGa1-bN(0≦b≦1)の薄膜を積層した多層膜の内のいずれか一種類を含む第2のn型窒化ガリウム系化合物半導体層を、第1のn型窒化ガリウム系化合物半導体層と、第3のn型窒化ガリウム系化合物半導体層とで挟んだ構造を有するn型窒化ガリウム系化合物半導体を、基板と活性層との間に有するダブルへテロ構造の窒化ガリウム系化合物半導体発光素子。
  2. 前記活性層がInGaNからなることを特徴とする請求項1に記載の窒化ガリウム系化合物半導体発光素子。
  3. 前記第1の窒化ガリウム系化合物半導体層と、第3の窒化ガリウム系化合物半導体層とが同一組成を有することを特徴とする請求項1に記載の窒化ガリウム系化合物半導体発光素子。
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