JP2005311210A - Spiceパラメータの物理抽出方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】
高い物理性を持ち、高精度のパラメータの抽出が行えるSPICEパラメータの物理抽出方法を提供することを目的とする。
【解決手段】
トランジスタのドレイン電流Ids−ドレイン電圧Vds特性を測定することにより出力抵抗Rout−ドレイン電圧Vds特性を導き、出力抵抗Rout−ドレイン電圧Vds特性における特性データの傾き最大点に基づいて近似曲線を作成することにより速度飽和点でのドレイン電圧Vdsatを決定し、速度飽和点でのドレイン電圧Vdsatからチャネル中電子の飽和速度vsatを決定する。これにより、SPICEパラメータの抽出を行う際に、高精度で高い物理性を所有する飽和領域に関するSPICEパラメータを抽出することが出来る。
【選択図】 図6

Description

本発明は、半導体集積回路の回路シミュレーションに関し、特に高精度が要求される半導体集積回路の回路シミュレーション装置において使用するトランジスタのSPICEモデルパラメータの抽出方法に関する。
高精度な回路シミュレーションを実施するためには、その対象回路の構成因子であるトランジスタの実際の電気特性を、トランジスタモデルを用いて、シミュレーション上で高精度に再現する必要がある。
国際的な標準MOS型トランジスタ(以下、トランジスタと記す)モデルとして、カリフォルニア大学バークレー校の開発したBSIM3、BSIM4が挙げられる。これらは微細化プロセスにおける短チャネル効果や狭チャネル効果等の物理現象をモデル化しており、それらの物理現象に対して高精度なフィッティングを可能とするためにSPICEモデルパラメータ(以下、パラメータと記す)と呼ばれる変数が用意されていることにより、実測特性に良い一致を示すシミュレーションを実現可能とするモデルである。
従来、パラメータの抽出において、高精度のパラメータを必要とする場合、BSIM3ユーザーズマニュアルにも記載されているように、トランジスタの動作領域、またバイアス依存性、サイズ依存性を考慮したパラメータのグルーピングを行い、最小二乗法、改訂マルカート法といった数値計算法等を利用してパラメータ値を抽出しなければ、高精度の抽出結果を得ることは出来ず、またそれだけではモデル本来の物理性を破壊するパラメータ群が抽出される可能性が高く、それぞれのパラメータのフィッティング範囲を設定する等して、対策を取っていた。しかしながら、広いバイアス範囲で使用する場合等において、異常な電気特性を示す可能性も高くなり、そのような課題に対しては、様々な確認を行わなければ実用に耐えないものであった。
また、パラメータの値を電気特性から直接的に算出する方法もあり、これらは、その抽出対象となるトランジスタの電気特性を、物理的現象、もしくは構造から一意に決定可能とする特徴を有する方法である。IEEE EDL学会等で、線形領域の電流式に着目してパラメータVth0を決定する方法や、拡散領域のゲート下オーバーラップ長や寄生抵抗を求めるいくつかの方法(非特許文献1)等が提案されている。それらは、トランジスタの電気特性を基に、所望の物理現象を表現するパラメータを数式を用いて抽出可能な形にデータ変換を行い、その作成したデータを基に所望のパラメータの値を直接的に算出する方法であり、パラメータの物理抽出方法という括りで論じられている。これらの方法は、モデル所有の物理性を損なうことなくパラメータ群を抽出するため、特性異常要因を低減させる等、利点も多いが、高精度なパラメータ群を抽出することは出来ていなかった。特に、トランジスタの飽和領域で影響するパラメータの物理的な抽出方法は、これまでほとんど用意されておらず、その中でも本来固定値となるべきチャネル中電子の飽和速度vsatは、8万程度の値になることが、実験的確認により、学会等で報告されてきているが、市販のパラメータ抽出装置においては、vsatの値は50万程度の値が抽出されることもあった。
Yuan Taur 他、"MOSFET Channel Length: Extraction and Interpretation" IEEE TRANSACTIONS ON ELECTRON DEVICES. P160 Vol.47, NO.1,JANUARY 2000
従来、飽和領域に顕著に影響を与えるパラメータ、および線形領域と飽和領域の境界部分で影響の強いパラメータについては、いくつかのパラメータに対する直接的な算出による抽出方法が提案されてはいるものの、物理的に正当性が低く、抽出精度としても満足な方法が存在していなかった。
例えば、基板電荷効果を表すパラメータであるA,Agsは物理性を持たせて抽出する方法が知られている。尚、基板電荷効果とは、トランジスタのチャネル下空乏層の深さが、チャネルに沿って一定とはならない効果であり、トランジスタ電流に影響を与える。パラメータA,Agsは、基板電荷効果係数Abulkのゲート電圧依存性を実測した電気特性(図1(a))から作成し、その切片と傾きの値を使用することで直接的に算出することが可能である。具体的には、図1(b)におけるY軸の切片がAとなり、近似直線の傾きの値がAgsとなる。なお、基板電荷効果係数Abulkが(Vgs−Vth)に比例するのは、例えばBSIM3であれば式(数1)より明らかである。
Figure 2005311210
このようにして求めたパラメータA,Agsの値は、測定したトランジスタの電気特性に影響を与える物理現象を反映しており、回路シミュレーションに使用するパラメータ値としては望ましいものである。しかしながら、特に長チャネルのトランジスタでは精度の良い値が得られず、実用的ではなかった。
本発明は、飽和領域におけるトランジスタの電気特性をシミュレーション上で再現するBSIMモデルのパラメータ(vsat,A,Ags,Pclm,Pvag,Pdiblc1,Pdiblc2)に対し、上記従来方法だけでは不可能であった、電流に影響を与える物理現象を正確に表し、且つ高精度なパラメータ群を抽出する方法を提供するものであり、これによって従来課題となっていた物理性と高精度の両方を兼ね備えたパラメータ群を作成することを可能とする。
本発明は、実測した電気特性から、トランジスタの飽和領域の電気特性に影響を与える物理現象に対し、その効果が顕著に現れる電気特性の一部を取り出し、それぞれ個別に明示するデータ作成を行う方法に特徴を有する。また、その作成したデータから直接的にパラメータを算出する数式の作成方法に特徴を有し、モデル式に対しても、物理現象を明確に示す部分に着目して高い近似精度を持つモデル式と対比させることで、実測値から直接的にパラメータを得る。
従来のパラメータ抽出において、物理性を持たせて実施しても、低精度しか見込めなかったトランジスタの飽和領域に関するパラメータ群に対し、本発明は、BSIMモデルのパラメータvsat,A,Ags,Pclm,Pvag,Pdiblc1,Pdiblc2に対して物理性が高いだけではなく、高精度なパラメータ値の抽出を提供することができる。また、本発明を初期値計算法として使用し、最適化計算法を組み合わせることで、より高精度なパラメータの抽出を可能とすることができる。
以下、図、及び数式を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。なお、図、および数式は、この発明が理解できる程度に簡略化して記載する。また、説明は、Nチャネルトランジスタに限定して進めるが、Pチャネルトランジスタではキャリアを正孔に変更するだけで、手順としては同様である。
まず、トランジスタの電気的な実測特性から、速度飽和点を決定可能なデータの作成方法及び、決定方法について説明する。
MOSトランジスタは4端子を所有する電子デバイスであり、Nチャネルトランジスタであれば、ゲート端子にしきい値電圧以上の電圧を印加すると、チャネルと呼ばれる電子の通り道がドレイン・ソース間に形成される。その状態でチャネル中の電子の速度がドレイン端で飽和するだけの電界をチャネル中にかけるよう、ドレイン端子に電圧を印加する。この状態は速度飽和状態と称される。それ以上の電圧をドレイン端子に印加すると、線形領域の電流式が適用できる実効的なチャネル長が減少する。このような物理現象を、CLM(Channel Length Modulation(チャネル長変調))効果といい、チャネル中電子がドレイン端で速度飽和するドレインバイアス条件が、CLM効果が発生する直前のバイアス条件である。
トランジスタから実際に測定したドレイン電流Ids-ドレイン電圧Vds特性(以下、Ids-Vds特性と記す)(図2(a))から、
Figure 2005311210
により、図2(b)に示す出力抵抗Rout−ドレイン電圧Vds特性を導いて特性データを作成する。この特性は、通常のIds-Vds特性からは把握できないトランジスタの飽和領域の電流変動量を明確に示すデータであり、出力抵抗Routが低い領域の特性は線形領域を意味している。上記データを、モデル作成時の考慮されている物理現象に当てはめて取り扱うことにより、図2(b)に示すようにバイアス条件による現象の切り分けを行うことが出来る。具体的には、ドレイン電圧Vdsが大きくなるにつれ、線形領域、CLM領域、DIBL効果領域、SCBE領域の4つの領域に分けるものとする。
ドレイン電圧Vdsの増加により、図2(b)にも示す通り、トランジスタは線形領域から速度飽和点に移行し、更にCLM効果の顕著なCLM領域に変動している。ドレイン端で速度飽和点を与えるドレインバイアス点(速度飽和点でのドレイン電圧)Vdsatは、CLM効果によって大きく影響を受けるものであり、この特性において傾きが急になり始める位置となる。そのVdsatの値を決定するには、飽和領域の特性となる図2(b)において傾きの急となるCLM効果と記載した領域の特性より、傾き最大点を基に近似直線を作成したり、傾き最大点付近の数個のデータをもとに回帰直線を作成して近似直線を作成する等の方法により、CLM効果の始まる位置を決定することができ、CLM効果の始まる位置におけるドレイン電圧Vdsの値を求めることによりVdsatを一意に決定できる。また、より高精度なVdsatを必要とする際には、Vdsatのドレインバイアス印加時のアーリー電圧VAsatの影響を考慮して、シフトすれば良い。
このようにして決定したVdsatは、単位幅当たりの規制抵抗パラメータRDSW等の線形領域の電流特性において重要なパラメータの値に依らず、飽和領域の特性のみを参照しているため、以下で説明していく飽和領域のパラメータ抽出を順序立てて行うことにより、速度飽和点のみならず、飽和領域の広い範囲で高精度なパラメータ作成を行うことが出来る。
上記方法において決定したVdsatの値およびBSIM3で用いられている数式を使用することにより、チャネル中電子の飽和速度vsatを決定することが可能である。トランジスタの飽和領域での電流値Idsatは、端子への印加電圧Vdsat,Vgs及びパラメータvsat,A,Agsを用いて式(数3)で一定となると扱われている。
Figure 2005311210
しかし実際には、この電流値Idsatから飽和領域において、CLM効果等の現象により、電流はドレインバイアスに依存して増大する。そのことは、BSIM3,BSIM4モデル等においても同様に扱われており、Vdsat以上のドレインバイアス印加領域(飽和領域)において、CLM効果等の現象により、電流はドレインバイアスに依存して、増大するものとして扱われている。つまり、実デバイスにおいて、式(数3)は、速度飽和点でのトランジスタ電流(ドレイン電流)Idsを意味しており、決定したVdsatの時のトランジスタ電流をIdsatとして、式(数3)を用いることで、線形領域の終端となるドレインバイアスでチャネル中電子速度が飽和するという物理的現象を正確に捉えたパラメータ、すなわちチャネル中電子の飽和速度vsatを決定することが出来る。また、複数のゲートバイアスでのIds−Vds特性を用意しておけば、それぞれのゲートバイアス印加時にチャネル中電子の飽和速度vsatを一意に決定可能なため、平均的なチャネル中電子の飽和速度vsatを作成、もしくはガウス分布などにより重み付けを行って、値を一意に決定する方法等が可能である。
次に、基板電荷効果関連パラメータA,Ags及び、既に説明したチャネル中電子の飽和速度vsatの物理抽出方法によって得られるパラメータの高精度化方法について説明する。
チャネル中電子の飽和速度vsatと基板電荷効果係数Abulkは、互いにモデル式(数3)に含まれており、それぞれを独立に決定する際には、いずれかの値を仮想的にある値に固定する必要がある。しかし、そのようにパラメータを仮想的に固定して扱うと、パラメータの精度低下を招くことを避けられない。
そこで、従来より考えられている基板電荷効果関連パラメータA,Ags抽出方法に、先に述べたチャネル中電子の飽和速度vsatの決定方法を適用することで、高精度で高い物理性を所有する各パラメータvsat,A,Ags値の決定を可能とする抽出方法を提供する。
これより、上記パラメータvsat,A,Ags値の決定を可能とする抽出方法を、図4を参照して説明する。
(ステップ−41(第1工程))
まず、始めにモデル式(数1)の元々の定義式である
Figure 2005311210
を出発点とし、しきい値電圧Vthを基板バイアス電圧Vbsで微分することにより、横軸を基板バイアス電圧Vbs、縦軸をしきい値電圧Vthとする特性を、Ids−Vgs特性(図3(a))の実測値より作成し、回帰直線等を作成して基板電荷効果係数Abulk値を決定する(図3(b))。
(ステップ−42(第2工程))
第1工程で求められた上記基板電荷効果係数Abulk値に基づいて、チャネル中の飽和速度vsatの値を上記で説明した方法により算出し、この算出された値をチャネル中の飽和速度vsatの初期値として使用する。
(ステップ−43(第3工程))
既に図1を用いて説明した基板電荷効果関連パラメータA,Agsの算出方法を使用して、基板電荷効果関連パラメータA,Agsを算出する。
(ステップ−44(第4工程))
上記定義式(数4)より算出した基板電荷効果係数Abulkの値、すなわち第1工程により算出された基板電荷効果係数Abulkの値を初期値とし、チャネル中の飽和速度vsatの値、および基板電荷効果関連パラメータA,Agsの値が、収束判定の収束条件を満たしているか確認する。
ここで、収束条件を満たさなければ、チャネル中の飽和速度vsat算出方法および基板電荷効果関連パラメータA,Ags算出方法の反復計算が繰り返される。
この反復計算の方法としては、まず第3工程で算出された基板電荷効果関連パラメータA,Agsの値を式(数1)に代入することにより再度基板電荷効果係数Abulkを算出し、再度算出された基板電荷効果係数Abulkに基づいて、上述した第2工程および第3工程を経ることにより、再度、チャネル中の飽和速度vsatおよび基板電荷効果関連パラメータA,Agsを算出する。
なお、上記収束条件としては、第2の工程および第3の工程を繰返す回数が予め決められた回数に達する場合や、チャネル中電子の飽和速度vsat及び基板電荷効果関連パラメータA,Agsの値を、更新前の値と比較したときの変動値が、予め決められた値よりも小さくなる場合などがある。
(ステップ−45)
上記収束条件を満たすことにより、最終的に各パラメータvsat,A,Agsは一意に決定される。
このようにして求められた3種のパラメータvsat、A,Agsのうち、チャネル中電子の飽和速度vsatは式(数3)により、また基板電荷効果関連パラメータA,Agsは式(数1)により一意に決定することが可能で、近似による誤差が生じないため、非常に高い抽出精度と物理性を所有するパラメータ群の作成を実現することができる。
次に、パラメータPclm,Pvagの抽出方法について説明する。
clmはCLM効果の影響の強度を示すパラメータであり、Pvagは印加するゲートバイアス値の違いにより、飽和領域の物理現象がトランジスタ電流Idsに与える影響の差異を補正するパラメータである。
CLM効果は、飽和領域における抵抗Routの傾きに最も影響を与える効果である(図2(b))。そこで、図5のように複数のゲートバイアス印加時の測定データから、図2と同様の傾き最大点を使用する方法で近似直線を作成する。この作成したデータの傾きの急なCLM効果の影響が顕著な領域を、モデル式における表現に一致させるために、ドレイン電圧Vdsの一次関数として表現する。その一次関数の作成方法は、チャネル中電子の飽和速度vsat抽出方法において説明した近似直線作成と同様の方法である。
このようにして作成した近似直線は、実測したトランジスタのCLM効果のゲートバイアス依存性を、その傾きに含んでおり、異なるゲートバイアス印加時のRoutの傾きはそれぞれ異なる結果を示すことになる。各ゲートバイアス条件の下で、例えば飽和領域のBSIM3のモデル式である式(数5)より式(数6)を作成することで、連立方程式を作成することが可能であり、これを解いて各パラメータPclm,Pvagの値を一意に決定できる。
Figure 2005311210
Figure 2005311210
更に、多数のゲートバイアス時でデータを用意すれば、各ゲートバイアス印加時の各パラメータPclm,Pvagを算出し、それらを回帰直線等の使用等により、統計的に決定することも可能である。このようにして決定した各パラメータPclm,Pvagは、少なくとも二つのゲートバイアスでの実測した特性から、直接算出するために、非常に高い物理性を再現し、且つ高精度なパラメータ抽出を可能とする。
次に、パラメータPdiblc1,Pdiblc2の抽出方法について説明する。
これら2つのパラメータはDIBL効果と称される物理現象を表現する目的で、モデル式(数11)中で取り扱われている。この、DIBL効果は、ドレイン電圧の印加による影響で、ソース・チャネル間の電位障壁の高さが減少するためにしきい値電圧Vthが下がる効果を表しており、飽和領域の電流特性にも、多大な影響を与える物理現象の1つである。本発明においては、その影響をもっとも顕著に示すIds−Vds特性の飽和領域における傾きの比較的小さなバイアス範囲のデータを使用する。このことは、CLM効果やSCBE(Substrate Current induced Body Effect)といったDIBL効果以外の飽和領域における電流増加を招く物理現象の影響が最も小さいバイアス条件を選んでいることを意味している(各現象が支配的になるドレイン電圧範囲については、図2参照)。
BSIM3モデルを使用した場合、ドレイン電流Idsは、式(数7)のように表される。
Figure 2005311210
ここで、
Figure 2005311210
この式において、DIBL効果がドレイン電流に対し支配的なときを考え、アーリー電圧に着目すると、次のように書き換えることが出来る。
Figure 2005311210
また、BSIM3モデル中では、以下のような形でVAdiblを表現している。
Figure 2005311210
ここで、θrout(L)は、式(数10)である。
Figure 2005311210
上式のθrout(L)をLで微分し、式(数5)と関連付けることにより、θrout(L)を決定することができ、複数のゲートバイアスにおけるIds−Vds特性の実測値を用意し、それを参照することにより、θrout(L)の構成因子であるパラメータPdiblc1,Pdiblc2を算出することができる。このようにして決定したパラメータPdiblc1,Pdiblc2は非常に高い精度で電気特性をシミュレーション上で再現し、且つ高い物理性を所有する。
上述した実施の形態におけるトランジスタの各パラメータの抽出手順を、図6を参照して説明する。
まず、トランジスタのドレイン電流Ids−ドレイン電圧Vds特性を測定することにより(S61)、出力抵抗Rout−ドレイン電圧Vds特性(速度飽和特性)を導いて(S62)、出力抵抗Rout−ドレイン電圧Vds特性における特性データの傾き最大点に基づいて近似曲線を作成することにより速度飽和点でのドレイン電圧Vdsatを決定し、そして、Ids−Vgs特性から算出したパラメータAbulkの値(S63)を使用して、速度飽和点でのドレイン電圧Vdsatからチャネル中電子の飽和速度(パラメータ)vsatを算出(S64)し、次にパラメータA,Ags,vsatの高精度化(S65,S66)を行い、更にパラメータPclm,Pvagを(S67)、また、パラメータPdiblc1,Pdiblc2を(S68)算出する。これらを含む装置は、飽和領域の電流特性を高精度に、且つ高い物理性を持ってパラメータ値決定を行うことが出来ることを特徴とする。
このように、飽和領域の電流特性を高精度に、且つ高い物理性を持ってパラメータ値決定を行うことが出来るため、図7のドレイン電流Ids−ドレイン電圧Vds特性が示すように、シミュレーション値と実測値とがほぼ同一とすることができるパラメータ値の抽出を行うことができる。
本発明にかかるパラメータ抽出方法は、飽和領域のパラメータ値を決定する際に、パラメータの物理性、高抽出精度を必要とするSPICEパラメータ抽出ツール等において、プログラム言語等を用いて使用することが可能である。
従来の方法による基板電荷効果関連パラメータA,Agsの物理抽出方法を示すものであり、(a)はIds−Vgs特性図、(b)はAbulk−(Vgs-Vth)特性図である。 本発明の実施の形態におけるトランジスタの電気特性より作成したCLM効果を明示する特性の1つを示すものであり、(a)はIds−Vds特性図、(b)はRout−Vds特性図である。 同基板電荷効果係数Abulkの定義式を実測特性に適用し、算出するために作成した特性を示すものであり、(a)はLog(Ids)−Vgs特性図、(b)はVth−Vbs特性図である。 同SPICEパラメータvsatおよびA,Agsを高精度に抽出するための抽出フローチャートである。 同パラメータPvag算出のための、作成した特性の一例を示すRout−Vds特性図である。 同SPICEパラメータ抽出装置における各パラメータを抽出するための抽出フローチャートである。 同SPICEパラメータ抽出装置を使用したパラメータ抽出結果を示すIds−Vds特性図である。

Claims (5)

  1. 半導体集積回路の回路シミュレーション装置において使用するトランジスタのSPICEモデルパラメータの抽出方法であって、
    前記トランジスタのドレイン電流Ids−ドレイン電圧Vds特性を測定することにより出力抵抗Rout−ドレイン電圧Vds特性を導き、
    前記出力抵抗Rout−ドレイン電圧Vds特性における特性データの傾き最大点に基づいて近似曲線を作成することにより速度飽和点でのドレイン電圧Vdsatを決定し、
    前記速度飽和点でのドレイン電圧Vdsatからチャネル中電子の飽和速度vsatを決定することを特徴とするSPICEパラメータの物理抽出方法。
  2. 半導体集積回路の回路シミュレーション装置において使用するトランジスタのSPICEモデルパラメータの抽出方法であって、
    しきい値電圧Vthを基板バイアス電圧Vbsで微分することにより基板電荷効果係数Abulkを求める第1工程と、
    前記基板電荷効果係数Abulkに基づいてチャネル中電子の飽和速度vsatを求める第2工程と、
    前記基板電荷効果係数Abulkおよびチャネル中電子の飽和速度vsatに基づいて基板電荷効果関連パラメータA,Agsを求める第3工程と、
    前記チャネル中電子の飽和速度vsatおよび前記基板電荷効果関連パラメータA,Agsに対して収束判定を行う第4工程を有し、
    前記チャネル中電子の飽和速度vsatおよび前記基板電荷効果関連パラメータA,Agsが収束するまで、前記第2工程および前記第3工程を繰返すことにより、前記チャネル中電子の飽和速度vsatおよび前記基板電荷効果関連パラメータA,Agsを更新していくことを特徴とするSPICEパラメータの物理抽出方法。
  3. 前記収束判定の収束条件は、前記第2工程および前記第3工程を繰返す回数が予め決められた回数に達することにより満たされることを特徴とする請求項2記載のSPICEパラメータの物理抽出方法。
  4. 前記収束判定の収束条件は、前記チャネル中電子の飽和速度vsatおよび前記基板電荷効果関連パラメータA,Agsの値を、更新前の値と比較したときの変動値が、予め決められた値よりも小さくなることにより満たされることを特徴とする請求項2記載のSPICEパラメータの物理抽出方法。
  5. 半導体集積回路の回路シミュレーション装置において使用するトランジスタのSPICEモデルパラメータの抽出方法であって、
    複数のゲートバイアス印加時にチャネル中電子の飽和速度vsatが電流に与える影響を明確にするトランジスタの電気特性を複数のゲート電圧Vgsに対して測定し、
    トランジスタのドレイン電流Ids−ドレイン電圧Vds特性における前記複数のゲート電圧Vgsの曲線について、傾き最大点に基づいて近似曲線を作成し、

    Figure 2005311210
    の式を用いて、チャンネル長変調効果の影響の強度を示すパラメータPclm、および印加するゲートバイアス値の違いにより、飽和領域の物理現象がトランジスタ電流に与える影響の差異を補正するパラメータPvagを算出することを特徴とするSPICEパラメータの物理抽出方法。
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