JP2005310806A - 木材による筐体 - Google Patents

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Abstract

【課題】電子部品用の導通路を配置する際のスペース効率や自由度を高めること等のできる、木材による筐体を提供すること。
【解決手段】前部パネル12及び後部パネル13にて囲繞された空間部に電子部品を保持するための筐体10であって、後部パネル13における空間部11に対向する内面13a’に、当該内面13a’を炭化して形成されたグランドライン30及び電流ライン31を設けた。このため、筐体10を全体的に小型化でき、あるいは、電子部品の配置の自由度を高めること等ができる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、木材を用いた筐体及びその製造方法に関し、特に、木材にて囲繞された空間部に電子部品を保持するための保持空間を形成する、木材による筐体及びその製造方法に関する。
従来、電子機器(例えば、デジタルカメラ、携帯電話機、ICレコーダ)の筐体の材料としては、軽金属(例えば、アルミニウム、ステンレス、チタン、マグネシウム)や合成樹脂(例えば、ABS、ポリカーボネイト、アクリル)が主に用いられていた。しかしながら、この様な筐体を外装材として評価した場合、個体差がほとんどないために個性がなく、また長期使用時に傷や色落ちを生じさせて意匠性を損ねるという欠点があった。
そこで、本願発明者は、木材を用いて筐体を構成することに着目した。これは、木材は、様々な木目を有しているので適度な個体差を出すことができ、また長期間使用した場合でもその表面の色合いが変化して意匠性を向上させ得るという利点を有するからである。このように木材を筐体として利用する場合、軽金属や合成樹脂を利用する場合に比べて筐体剛性が低下することが考えられる。この剛性低下を補うために筐体の肉厚を増すことも考えられるが、特に小型化が求められる電子機器の筐体には不適になる。
ここで、従来から、木材を圧縮加工することにより、その強度を高める加工方法が提案されている。この方法では、木材を、吸水軟化させ、所定形状に固定した状態で圧縮し、その圧縮方向にスライスして板状の一次固定品を得る。そして、この一次固定品を加熱吸水させつつ所定の三次元形状を有する成形品に成形し、この成形品の形状を固定して最終品とする(例えば、特許文献1参照)。あるいは、木材を、軟化処理した状態で圧縮及び固定する方法が知られている(例えば、特許文献2参照)。したがって、これらの方法を用いれば、肉厚増の問題を生じさせることなく、木材強度を向上できる可能性がある。
特許第3078452号公報 特開平11−77619号公報
しかしながら、このように木材を用いて電子機器の筐体を構成した場合においても、軽金属等から構成される筐体と同様の問題点が依然として残り得る。例えば、電子機器に必須の導通路(例えば、グランドラインやその他の電流線)は、一般的に、絶縁基板上に、銅箔等で配線(回路パターン)を形成することで構成されていた。したがって、回路パターンに応じて基板の大きさが制約され、電子機器の小型化を妨げる一因になっていた。また、導通路が基板上にのみ形成されていたので、全ての電子部品を基板上の導通路に電気的に接続する必要があり、電子部品の配置が制約されていた。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、筐体全体を小型化でき、あるいは、電子部品の配置の自由度を高めること等のできる、木材による筐体及びその製造方法を提供することを目的としている。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1に記載の本発明は、木材にて囲繞された空間部に電子部品を保持するための筐体であって、前記木材における前記空間部に対向する内面に、当該内面を炭化して形成された導電パターンを設けたことを特徴とする。
また、請求項2に記載の本発明は、請求項1に記載の本発明において、前記導電パターンに前記電子部品を接続したことを特徴とする。
また、請求項3に記載の本発明は、請求項1又は2に記載の本発明において、前記木材には、当該木材の外面から前記内面に至る貫通状の孔部を設け、前記外面に設けた所定の電子部品と、前記導電パターンとを、前記孔部を介して導通可能としたことを特徴とする。
また、請求項4に記載の本発明は、請求項1〜3のいずれか一つに記載の本発明において、前記木材は、圧縮木材であることを特徴とする。
また、請求項5に記載の本発明は、木材にて囲繞された空間部に所定の保持対象を保持するための筐体の製造方法であって、型枠にて木材を圧縮することにより圧縮木材を形成する圧縮工程と、前記圧縮工程と同時に、又は、前記圧縮工程の後に、前記木材における前記空間部に対向する内面を加熱して炭化させることによって導電パターンを形成する炭化工程とを備えることを特徴とする。
本発明に係る木材による筐体によれば、木材内面に形成された導電パターンを介して電子部品の導通を行うことができるため、プリント基板を小型化等でき、筐体全体を小型化できるという効果を奏する。また、プリント基板から離れた位置にも導通路を形成でき、電子部品の配置の自由度を高めることができるという効果を奏する。また、筐体を導通路として利用するためには、金属や金属含有樹脂にて筐体を形成することや、樹脂にて形成した筐体の一部に金属片を貼付することも考えられるが、前者の場合には筐体全体が導通性を有するために絶縁が困難になり、また、後者の場合には筐体製造に手間を要するために好ましくない。これに対して本願発明では、絶縁体である木材の一部に導電パターンを形成でき、絶縁を容易に行うことができる。また、木材に一体に導電パターンを形成でき、筐体製造を容易に行うことができる。
また、本発明に係る木材による筐体によれば、導電パターンと電子部品とを電気的に導通させることができる。
また、本発明に係る木材による筐体によれば、筐体の外部の電子部品についても筐体の内部の導電パターンに接続でき、電子部品の配置の自由度を一層向上できる。
また、本発明に係る木材による筐体によれば、圧縮木材を用いることで筐体の剛性を高めることができる。
また、本発明に係る木材による筐体の製造方法よれば、木材内面に形成された導電パターンを介して電子部品の導通を行うことができるため、プリント基板を小型化等でき、電子部品用の導通路を配置する際のスペース効率を高めることができるという効果を奏する。また、プリント基板から離れた位置にも導通路を形成でき、電子部品の配置の自由度を高めることができるという効果を奏する。特に、木材に一体に導電パターンを形成でき、筐体製造を容易に行うことができる。
以下、本発明に係る木材による筐体及びその製造方法を実施するための最良の形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。まず、〔I〕本発明の基本的概念を説明した後、〔II〕本発明の実施例について説明し、〔III〕最後に、本発明の実施例に対する変形例について説明する。
〔I〕本発明の基本的概念
最初に、本発明の基本的概念について説明する。本発明は、木材にて囲繞された空間部に電子部品を保持するための筐体の構造と、そのような筐体の製造方法に関するものである。ここで、筐体を構成する木材の数や形状は任意であり、また、筐体の内部に配置される電子部品の具体的内容も任意である。以下の実施例では、2枚の木材によってデジタルカメラ用の電子部品を保持する筐体を構成した例について説明する。また、木材の形成方法も任意であり、非圧縮木材や圧縮木材を使用できる。以下の実施例では、圧縮木材を用いて筐体を構成した例について説明する。
そして、本発明は、このような木材の内面に、当該内面を炭化して形成された導電パターンを設けたことを特徴の一つとする。すなわち、木材は絶縁体であるが、炭化された場合には導電性を有するため、この炭化部分を導電パターンとして利用する。このことにより、基板上に形成していた回路パターンの全部又は一部を木材の内面に形成でき、基板を小型化できるため、電子機器全体を小型化できる。また、基板上の導通路に電気的に接続していた電子部品を筐体側に接続できるため、電子部品の配置の自由度を高めることができる。
〔II〕本発明の実施例
次に、本発明に係る木材による筐体及びその製造方法の実施例について説明する。ただし、この実施例により本発明が限定されるものではない。
〔電子機器の概要〕
図1は、本実施例に係る木材による筐体を用いた電子機器の斜視図である。この図1において、電子機器1はデジタルカメラであり、筐体10と電子部20とを備える。筐体10は、その内部の空間部11に電子部20を収容するもので、この電子部20を、一体に保持すると共に筐体10の外部から保護する。さらに筐体10は、その外面を外部に露出させることで、電子機器1の外装材として機能する。
また、電子部20は、電子機器1に所要の電子的機能を達成するもので、例えば、撮像レンズ21、シャッターボタン22、ストロボ23、液晶モニタ、撮像素子、各種デバイスの駆動回路、外部機器への接続端子等を備えて構成される(なお、図1には、電子部20のうち、撮像レンズ21、シャッターボタン22、及び、ストロボ23のみを示す)。
なお、以下の説明においては、図1に矢示するように、電子機器1の長手に沿う方向Xを長手方向、電子機器1の短手に沿う方向であって長手方向に直交する方向Yを短手方向、長手方向と短手方向とに直交する方向Zを厚み方向とする。また、長手方向の寸法を長手寸法、短手方向の寸法を短手寸法、厚み方向の寸法を厚みとする。
〔筐体の構成〕
次に、筐体10の具体的構成について説明する。図2は、図1の電子機器の分解斜視図(電子部を省略して示す)、図3は、図1の電子機器のA−A矢視断面図である。これら図2、3に例示するように、筐体10は、複数の圧縮木材を相互に組合わせることによって構成される。具体的には、筐体10は、一対の圧縮木材である前部パネル12及び後部パネル13を組合わせて構成される。これら前部パネル12及び後部パネル13の各々は、平板状の主面部12a、13aと、この主面部12a、13aの周縁に形成された側面部12b〜12e、13b〜13eとを一体に備える。
これら前部パネル12及び後部パネル13は、その内部に保持する保持対象に応じた形状に形成及び加工されている。すなわち、前部パネル12は、撮像レンズ21を外部に表出するためのレンズ孔14と、ストロボ23を外部に表出するためのストロボ孔15とを有し、後部パネル13は、液晶モニタを表出するためのモニタ孔16を有する。またこれら前部パネル12及び後部パネル13は、シャッターボタン22を表出するためのシャッター孔17と、接続端子への外部機器の接続を許容するための端子孔18とを、それぞれ有する。
〔導電パターンの概要〕
ここで、図2、3に例示するように、後部パネル13の主面部13aの内面13a’(空間部11に対向する面)には、グランドライン30及び複数の電流ライン31(特許請求の範囲における「導電パターン」に対応する)が形成されている。これらグランドライン30及び電流ライン31は、概略的には、内面13a’を加熱することで炭化させて形成されたものであり、炭化の結果として導電性を有する。そして、図3に示すように、電子部20を構成する各種の電子部品24が、これらグランドライン30や電流ライン31に電気的に接続されており、これらグランドライン30や電流ライン31を介して導通することで電子部品24の所定機能が発揮される。
このようなグランドライン30及び電流ライン31の形成位置は任意であるが、例えば、電子部品24に対応した位置にグランドライン30及び電流ライン31を配置でき、あるいは、グランドライン30や電流ライン31に対応した位置に電子部品24を配置できる。また、グランドライン30及び電流ライン31の形状や厚みは任意であるが、少なくとも、所要の導通性を確保できる形状及び厚みにて形成される。例えば、従来のプリント基板の銅箔の単位断面積当りの導通抵抗に対して、グランドライン30や電流ライン31の単位断面積当りの導通抵抗が高い場合には、この抵抗比の分だけグランドライン30や電流ライン31の線幅や厚みを増すことによって、グランドライン30や各電流ライン31の全体としての導通抵抗を、従来の銅箔全体の導通抵抗と同等にできる。
〔グランドラインの詳細〕
次に、グランドライン30についてより詳細に説明する。図4は、グランドライン及び電流ラインが形成された主面部の内面の正面図である(この図4においては、説明のため、これらグランドライン30及び電流ライン31に接続される各電子部品24の、主面部の内面への投影像を想像線にて例示する)。グランドライン30は、電子部品24に対する共通の電位基準点を提供するための導通路である。このグランドライン30は、本実施例においては、多数の電子部品24に対して容易に接続可能になるよう、主面部の長手方向に沿って長手状かつ広幅状(グランドライン30の線幅WG>電流ライン31の線幅WC)に形成されている。
〔電流ラインの詳細〕
次に、電流ライン31についてより詳細に説明する。この電流ライン31は、電子部品24を相互に導通可能にするための導通路であり、特に、電子部品24の駆動電流等の比較的大きな電流を導通するための大電流ラインである。この電流ライン31は、本実施例においては、複数の電子部品24に対応する位置に、かつ、これら複数の電子部品24の導通パターンに対応するパターンで、複数形成されている。
〔導電パターンの絶縁性〕
次に、グランドライン30及び電流ライン31における絶縁性について説明する。これらグランドライン30及び電流ライン31は、電子部品24から所定の絶縁距離を隔てて配置され、このことによって所要の絶縁性能が確保される。例えば、ストロボ23は、図示しない放電管内のクセノンガスをイオン化放電させるため、図示しないトリガー電極へ高圧電流を流す。そして、このようにトリガー電極に高電圧を印加した場合においても、グランドライン30や電流ライン31に電流漏れが生じないよう、グランドライン30は絶縁距離L1、電流ライン31は絶縁距離L2を、それぞれストロボ23から隔てて配置されている。これら絶縁距離L1、L2の具体的長さは、高電圧部の電圧やグランドライン30及び電流ライン31の導通抵抗を考慮して決定できる。また、必要に応じて、グランドライン30や電流ライン31と高電圧部との間に任意の絶縁体を配置して絶縁を確保しても良い。
〔導電パターンと電子部品との接続構造〕
次に、グランドライン30及び電流ライン31と電子部品24との接続構造について説明する。図5は、グランドラインと電子部品との接続構造を示す縦断面図、図6は、電流ラインと電子部品との接続構造を示す縦断面図である。図5に例示するように、電子部品24A、24Bは、リード線32A、32Bを介してグランドライン30に接続されている。このうち、電子部品24Aから延出したリード線32Aは、グランドライン30に半田付け等にて接続されており、これによって安定的な導通が確保されている。一方、電子部品24Bから延出したリード線32Bは、グランドライン30に向けて突設され、このグランドライン30に非固定的に接触することで接続されており、この場合には、半田付け等が不要になるため、筐体10の組立てや分解を一層容易に行うことができる。
また、図6に例示するように、電子部品24Cは、主面部13aの外面に設けられており、リード線32Cを介して電流ライン31に接続されている。より具体的には、主面部13aには、外面から内面13a’に至る貫通状の孔部19(特許請求の範囲における「孔部」に対応する)が形成されており、この孔部19にリード線32Cが挿通されている。そして、このリード線32Cを電子部品24C及び電流ライン31に半田付け等にて固定することで、電子部品24Cが電流ライン31に接続されている。この場合には、筐体10の外部の電子部品24Cについても筐体10の内部の電流ライン31に接続でき、電子部品24Cの配置の自由度を一層向上できる。なお、グランドライン30に適用した接続構造を電流ライン31に適用しても良く、あるいは、電流ライン31に適用した接続構造をグランドライン30に適用しても良い。
〔後部パネルの成形方法〕
次に、後部パネル13の成形方法について説明する(なお、前部パネル12についても後述する炭化工程を省略することで同様に成形できる)。図7は、実施例に係る木材の形取りを示す斜視図である。この図7に例示するように、まず、無圧縮状態の原木40から木材41を形取る。この木材41は、主面部13a及び側面部13b〜13eを一体に備え、主面部13aと側面部13b〜13eとの間は滑らかな曲面を介して連接されている。
図8は、実施例に係る木材の圧縮工程を示す斜視図、図9〜12は、実施例に係る木材の各圧縮工程を順次示す縦断面図である。概略的には、図8に例示するように、木材41が下型枠50と上型枠51(特許請求の範囲における「型枠」に対応する)との間でプレスされることで、主面部13a及び側面部13b〜13eを一体に備えた後部パネル13が形成される。
まず、木材41の形状について説明する。この木材41は、圧縮によって減少する容積を予め加えた形態で形取られている。具体的には、図9に例示するように、主面部13aは圧縮によって減少する容積を予め加えた厚さW1を有し、側面部13b〜13e(図9には側面部13c、13eのみを示す)は、圧縮によって減少する容積を予め加えた厚さW2および高さT1を有して、それぞれ形取られている。そして、木材41は、全体で幅H1を有して形取られている。また、主面部13aの厚さW1は、側面部13b〜13eの厚さW2よりも厚く形成してある。
また、木材41の外側面の曲面ROの曲率半径と、この曲面ROに対面する下型枠50の凹部50aの曲面RAの曲率半径とは、RO>RAの関係にある。一方、木材41の曲面RIの曲率半径と、上型枠51の凸部51aの曲面RBの曲率半径とは、RI>RBの関係にある。また、図10に例示するように、下型枠50と上型枠51とが組合わされた状態におけるこれら相互の空間は、木材41の圧縮後の後部パネル13の形状をなす。
ここで、図8〜11に例示するように、上型枠51の凸部51aの内部には、加熱部52が設けられている。この加熱部52は、凸部51aを介して木材41の内面13a’を加熱して炭化することで、グランドライン30及び電流ライン31を形成するための加熱手段である。この加熱部52は、図8に例示するように、グランドライン30及び電流ライン31に対応した位置及び形状で形成されている。
〔前部パネル及び後部パネルの成形方法の具体例〕
次に、具体的な成形方法の一例について説明する。まず、図9に例示するように、木材41を下型枠50と上型枠51との間に配置する。また同時に、木材41を高温高圧の水蒸気雰囲気中に所定時間置くことによって、過剰に水分を吸収させて軟化させる。次いで、図10に例示するように、上型枠51を下型枠50に嵌入させて木材41を圧縮する(特許請求の範囲における「圧縮工程」に対応する)。そして、木材41に圧縮力を加えた状態のまま所定時間放置する。そして、高温高圧の水蒸気雰囲気を解く。
その後、図11に例示するように、加熱部52によって木材41を加熱することで、この木材41の内面13a’を炭化させてグランドライン30及び電流ライン31を形成する(特許請求の範囲における「炭化工程」に対応する)。この際の加熱温度は任意であるが、炭化の程度に応じて炭化部の導通抵抗が変化することが知られているため、所要の導通抵抗が得られるような温度で加熱することが好ましい。
このようにグランドライン30及び電流ライン31を形成した後、下型枠50から上型枠51を離間して、図12に例示するように、形成された後部パネル13を取り出す。これにて後部パネル13の形成が終了する。このように取り出された後部パネル13は、主面部13aから側面部13b〜13eまでがほぼ均等な厚さW1’,W2’に圧縮され、側面部13b〜13eが高さT1’に圧縮される。そして、後部パネル13は、全体として幅H1’に圧縮される。このように圧縮成形された後部パネル13は、木材繊維密度を増すことになるので全体に高強度になる。これまで説明したような製造方法によれば、一組の型を用いた1回の成形によって木材圧縮とグランドライン30及び電流ライン31の形成を行うことができる。
〔III〕本発明の実施例に対する変形例
以上、本発明の実施例について説明したが、本発明の具体的な構成及び方法は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
(解決しようとする課題や発明の効果について)
まず、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、上記した内容に限定されるものではなく、本発明によって、上記に記載されていない課題を解決したり、上記に記載されていない効果を奏することもでき、また、記載されている課題の一部のみを解決したり、記載されている効果の一部のみを奏することがある。例えば、筐体を従来よりも小型化していない場合においても、木材に導電パターンが形成されている限りにおいて、プリント基板の一部又は全部を簡易化でき、あるいは、電子部品24の配置の自由度を高めることができ、本発明の課題が解決されている。
(電子機器について)
また、電子機器1は、上記デジタルカメラに限らず、携帯電話、ICレコーダ、PDA、携帯テレビ、携帯ラジオ、各種家電製品のリモコン等として構成されてもよい。
(木材について)
また、筐体10を構成する木材の数は任意であり、例えば、1枚の木材の内部に電子部品24を納めても良く、あるいは、2〜4枚の木材を相互に組合わせることができる。また、木材の形状、および、木材を組合わせて構成された筐体10の形状は任意であり、例えば、筐体10を円筒状や卵状に構成してもよい。また、圧縮木材の成形方法は、上記説明した方法に限定されず、例えば、平板状に切り取った木材41を型枠でプレスすることで側面部12b〜12e、13b〜13eを立ち上げると同時に圧縮を行ってもよい。あるいは、木材41に対する圧縮方向も、説明した以外の方向にすることができ、また複数の圧縮方向から圧縮を行うこともできる。
(導電パターンについて)
また、実施例においては、グランドライン30や電流ライン31を主面部13の内面13a’の一部にのみ形成したが、内面13a’の全面、前部パネル12の主面部12、前部パネル12及び後部パネル13の側面部12b〜12e、13b〜13e、あるいは、筐体10の外面に形成しても良い。また、グランドライン30を複数設けることもでき、あるいは、複数の電流ライン31を1本に集約することもできる。また、実施例においては、グランドライン30や電流ライン31を直線状に形成したが、曲線状、点状、面状等の任意の形状に形成できる。また、導電パターンには、グランドライン30や電流ライン31以外の機能を持たせることもでき、例えば、各種の信号を通信するための信号ラインとして用いても良い。ただし、炭化による導通抵抗が十分に均一にならず、微弱電流を所要精度で導通できない可能性がある場合には、実施例のようにグランドライン30や電流ライン31としてのみ用いることが好ましい。
(製造方法について)
また、炭化工程のタイミングは、圧縮工程の後に限られず、圧縮工程と同時に行うこともできる。例えば、上型枠51にて木材41をプレスすると同時に、上型枠51に設けた加熱部52にて加熱を行っても良い。この場合には、圧縮工程の終了後に炭化工程を行う場合に比べて、製造時間を短縮できる。ただし、炭化が開始すると、木材41の表面が硬くなって圧縮力に耐えられずに破損する可能性があるため、このような可能性がある場合には、実施例で説明したように、圧縮工程の終了後に炭化工程を行うことが好ましい。
あるいは、炭化工程は、上型枠51に設けた加熱部52以外にも種々の手段を用いて行うことができる。例えば、上型枠51にて木材41をプレスし、この上型枠51を圧縮木材から離間させた後、上型枠51とは独立して構成した加熱部52を内面13a’に押し当てて炭化させても良い。あるいは、上型枠51を圧縮木材から離間させた後、パルスレーザの如きレーザ装置にて内面13a’にレーザ照射しても良い。特に、このようにレーザを用いた炭化によれば、導電パターンの形状や厚みを一層正確に制御できる点で好ましい。
以上のように、本発明に係る木材による筐体及びその製造方法は、電子部品用の導通路を木材に形成することに有用であり、特に、導通路を配置する際のスペース効率や自由度を高めることに適している。
実施例に係る木材による筐体を用いた電子機器の斜視図である。 図1の電子機器の分解斜視図である。 図1の電子機器のA−A矢視断面図である。 グランドライン及び電流ラインが形成された主面部の内面の正面図である。 グランドラインと電子部品との接続構造を示す縦断面図である。 電流ラインと電子部品との接続構造を示す縦断面図である。 実施例に係る木材の形取りを示す斜視図である。 実施例に係る木材の圧縮工程を示す斜視図である。 実施例に係る木材の各圧縮工程を順次示す縦断面図である。 実施例に係る木材の各圧縮工程を順次示す縦断面図である。 実施例に係る木材の各圧縮工程を順次示す縦断面図である。 実施例に係る木材の各圧縮工程を順次示す縦断面図である。
符号の説明
1 電子機器
10 筐体
11 空間部
12 前部パネル
12a、13a 主面部
13a’ 内面
12b〜12e、13b〜13e 側面部
13 後部パネル
14 レンズ孔
15 ストロボ孔
16 モニタ孔
17 シャッター孔
18 端子孔
19 孔部
20 電子部
21 撮像レンズ
22 シャッターボタン
23 ストロボ
24、24A〜24C 電子部品
30 グランドライン
31 電流ライン
32A〜32C リード線
40 原木
41 木材
50 下型枠
50a 凹部
51 上型枠
51a 凸部
52 加熱部

Claims (5)

  1. 木材にて囲繞された空間部に電子部品を保持するための筐体であって、
    前記木材における前記空間部に対向する内面に、当該内面を炭化して形成された導電パターンを設けたこと、
    を特徴とする木材による筐体。
  2. 前記導電パターンに前記電子部品を接続したこと、
    を特徴とする請求項1に記載の木材による筐体。
  3. 前記木材には、当該木材の外面から前記内面に至る貫通状の孔部を設け、
    前記外面に設けた所定の電子部品と、前記導電パターンとを、前記孔部を介して導通可能としたこと、
    を特徴とする請求項1又は2に記載の木材による筐体。
  4. 前記木材は、圧縮木材であること、
    を特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の木材による筐体。
  5. 木材にて囲繞された空間部に所定の保持対象を保持するための筐体の製造方法であって、
    型枠にて木材を圧縮することにより圧縮木材を形成する圧縮工程と、
    前記圧縮工程と同時に、又は、前記圧縮工程の後に、前記木材における前記空間部に対向する内面を加熱して炭化させることによって導電パターンを形成する炭化工程と、
    を備えることを特徴とする木材による筐体の製造方法。
JP2004121427A 2004-04-16 2004-04-16 木材による筐体 Pending JP2005310806A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN102229166A (zh) * 2011-04-29 2011-11-02 江西铜鼓江桥竹木业有限责任公司 电子设备的竹质机壳及其制作方法
US8191589B2 (en) 2005-09-29 2012-06-05 Olympus Corporation Method of processing wood and compressed wood product

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