JP2005309410A - フォトクロミック性光学物品及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明のフォトクロミック性光学物品は、表面にフォトクロミック化合物が樹脂中に分散されたフォトクロミック層が形成されている光学基板と、該フォトクロミック層上に形成された金属酸化物薄膜とからなり、前記フォトクロミック化合物としてインデノナフトピラン化合物が使用され、且つ前記フォトクロミック層は、30〜50μmの厚みを有しているとともに、前記金属酸化物薄膜は、0.01〜10μmの厚みを有していることを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
(i)モノマーにフォトクロミック化合物を溶解させそれを重合させることにより直接フォトクロミックレンズを得る方法(練り混み法);
(ii)フォトクロミック化合物を含む組成物中にレンズ基材を含浸させることにより、その表面にフォトクロミック層を形成する方法(含浸法);
(iii)フォトクロミック化合物が分散されている組成物(フォトクロミックコーティング剤)をレンズ基材の表面にコーティングすることにより、その表面にフォトクロミック層を形成する方法(コーティング法);
上記の方法の中で、練り込み法は、良好なフォトクロミック性を発現させるためには特殊なモノマー組成物を使用する必要があるという制約がある。また、含浸法においてはレンズ基材としてフォトクロミック化合物を拡散し易い柔らかい基材を用いる必要がある。これに対して、コーティング法は、原理的にはどのようなレンズ基材に対してもフォトクロミック性を付与できるという利点を有しており、最近、特に注目されている。
前記フォトクロミック化合物としてインデノナフトピラン化合物が使用され、且つ前記フォトクロミック層は、30〜50μmの厚みを有しているとともに、
前記金属酸化物薄膜は、0.01〜10μmの厚みを有しており、且つ単層または3層以下の積層構造を有していることを特徴とするフォトクロミック性光学物品が提供される。
前記フォトクロミック層上に、ポリシラザンを含有する塗布液またはポリシラザンを塗布してポリシラザン薄層を形成し、
前記薄層を形成しているポリシラザンを酸化珪素に転化させることにより、厚みが0.01〜10μmの酸化珪素薄膜を形成することを特徴とする前記フォトクロミック性光学物品の製造方法が提供される。
光学基板201は、透明な板状体であり、表裏1対の主表面を有しており、該板状体は湾曲していてもよく、その厚さも必ずしも一定である必要は無い。例えば、本発明のフォトクロミック性光学物品をフォトクロミックレンズとして使用する場合には、この光学基板201は、レンズ形状を有するものとなる。尚、この光学基板201自体はフォトクロミック性を有していない。
光学基板201の表面に形成されているフォトクロミック層202は、フォトクロミック化合物が分散した樹脂で構成される。このフォトクロミック層202の存在により、所定のフォトクロミック反応による色の可逆変化を有するものである。図1の例では、光学基板201の一方の面にのみフォトクロミック層202が形成されているが、用途に応じて、所定形状の光学基板201の全表面に形成されていてもよいし、一方の表面の全面に形成されていてもよいし、或いは一方の表面に部分的に形成されていてもよい。
p及びqは、0〜3の整数であり;
R1およびR2は、それぞれ、水酸基、アルキル基、トリフルオロメチル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、カルボキシル基、アルコキシメチル基、ヒドロキシメチル基、アラルコキシ基、アミノ基、置換アミノ基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、アラルキル基、置換もしくは非置換のアリール基、置換若しくは非置換のヘテロアリール基、窒素原子をヘテロ原子として有し且つ該窒素原子が上記インデノナフト環に結合している置換もしくは非置換の複素環基、又は前記複素環基に芳香族炭化水素環もしくは芳香族複素環が縮合した縮合複素環基であり;
R3およびR4は、それぞれ、置換もしくは非置換のアリール基、置換もしくは非置換のヘテロアリール基、アルキル基、下記式(2)または(3):
R7は、置換もしくは非置換のアリール基、または置換もしくは非置換のヘテロアリール基であり、;
R8は、水素原子、アルキル基、またはハロゲン原子であり;
nは1〜3の整数であり;
R9は、置換もしくは非置換のアリール基、または置換もしくは非置換のヘテロアリール基であり;
mは1〜3の整数である。)
で示される基であるか、或いはR3とR4とが一緒になって、脂肪族炭化水素環基もしくは芳香族炭化水素環基を構成していてもよく;
R5及びR6は、それぞれ、水素原子、水酸基、アルキル基、トリフルオロメチル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、カルボキシル基、アルコキシメチル基、ヒドロキシメチル基、アラルコキシ基、アミノ基、置換アミノ基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、アラルキル基、置換もしくは非置換のアリール基、置換若しくは非置換のヘテロアリール基であるか、或いはR5とR6が一緒になって、置換もしくは非置換の脂肪族炭化水素環基、またはヘテロ原子を環中に1又は2個含む置換もしくは非置換のヘテロ環基を形成しても良く、該脂肪族炭化水素環基又はヘテロ環基は、置換若しくは非置換のアリール基又は置換若しくは非置換ヘテロアリールが縮合してもよい。〕
本発明において、上記式(1)で示されるインデノナフトピラン化合物は、1種単独で使用することもできるし、2種以上を組み合わせて使用することもできる。また、これらのインデノナフトピラン化合物のなかでも、発色濃度、退色速度等のフォトクロミック特性および耐久性の点から、次の式(4)〜(7)で示されるインデノナフトピランA〜Dが好ましい。
インデノナフトピランA:
R9、R10は、それぞれ、前記式(1)におけるR3およびR4と同義であり、
R11、R12は、前記式(1)におけるR1と同義であり、
lおよびl’はそれぞれ0〜2の整数である。〕
インデノナフトピランB:
rおよびr’は、各々、0〜2の整数であり、
R13、R14は、前記式(1)におけるR3およびR4と同義であり、
R15、R16は、前記式(1)におけるR1と同義であり、
Lは下記式、
で示されるいずれかの基である。〕
インデノナフトピランC:
R18、R19は、前記式(1)におけるR3およびR4と同義であり、
R20、R21は、それぞれ、アルキル基、水酸基或いはアルコキシル基であり、
R22およびR23は、前記式(1)におけるR1と同義であり、
xおよびx’は、各々、0〜2の整数である。〕
インデノナフトピランD:
R24、R25は、前記式(1)におけるR3およびR4と同義であり、
R26、R27およびR28は、前記式(1)におけるR1と同義であり、
環Qは、脂肪族炭化水素環基であり、
y、y’およびy”は、各々、0〜2の整数である。〕
本発明において最も好適に使用されるインデノナフトピラン化合物は、上記のA〜Dのインデノナフトピランの中でも、式(1)中の基R3或いはR4に相当する基が、置換或いは非置換のアミノ基を含有しているものであり、例えば下記式で表されるインデノナフトピラン(8)が最も好適である。
フォトクロミック層202におけるインデノナフトピラン化合物の含有量は、良好な発色濃度及び耐久性が得られるという観点から0.1〜20質量%の範囲であるのが好適である。また、より耐久性を良く且つ初期着色を低減させるためには、この含有量は1〜10質量%の範囲であるのが特に好ましい。
前記ラジカル重合性単量体として、特に本発明の耐久性向上効果が顕著に現れること及びフォトクロミック特性及びフォトクロミック樹脂層の密着性が良好であるとの観点から好適に用いられる配合例を例示すると、
全ラジカル重合性単量体100重量部に対して、
A)エポキシ系モノマーまたは/及びシリル系モノマーが、0.1〜30重量部
B)ラジカル重合性基を3つ以上有する単量体を少なくとも5重量部含んでなる、中硬度又は高硬度モノマーが5〜65重量部、
C)低硬度モノマーが5〜90重量部配合されていることが特に好ましい。
金属酸化物薄膜300は、フォトクロミック層202への酸素透過を遮断するために形成するものであり、その厚みは0.01〜10μmの範囲にある。この範囲よりも小さい膜厚のときには酸素に対するバリアー性が低下し、フォトクロミック耐久性を向上させることが困難となり、膜厚がこの範囲よりも大きいときには、この薄膜300にクラックなどの外観不良が生じやすくなる。
Si−NR−Si
(式中、Rは、水素原子又は有機基である。)
で表される構成単位を複数有する化合物(ポリマーを含む)であり、分子内に複数存在する上記の基Rは、互いに異なっていてもよい。本発明において好適に使用されるポリシラザンとしては、ペルヒドロポリシラザン(前記の基Rがすべて水素原子であり、且つ有機基を含有していないタイプのポリシラザン);ケイ素原子に、アルキル基、アルケニル基、アリール基、シクロアルキル基などの炭化水素基が結合しているタイプのポリシラザン;アルコキシ基などの加水分解性基がケイ素原子に結合しているタイプのポリシラザン;窒素原子に結合している前記の基Rがアルキル基などの有機基であるタイプのポリシラザン;などを例示することができる。尚、ケイ素原子に結合している上記の炭化水素基は、その水素原子の少なくとも一部が、ハロゲン原子、水酸基、アルキル基、アミノ基などの置換基で置換されていてもよい。本発明において、最も好適なポリシラザンは、ポリシロキサン(シリカ)への転化が容易であること、および転化後の被膜の緻密さの点で、ペルヒドロポリシラザンである。
200〜5万であるものが好ましい。数平均分子量が200未満では、酸化珪素(ポリシロキサン)への転化により形成される被膜が不均一となりやすく、また数平均分子量が5万以上では、溶剤に溶解しにくくなったり、或いは塗布液の粘度が高くなりすぎるため、好ましくない。
本発明において、好適にな転化処理は、用いる触媒によっても異なるが、一般的には、110〜120℃で1時間〜2時間、大気中で加熱処理を行うか、或いは温度50〜95℃及び湿度80%〜100%の加湿雰囲気に1〜48時間、ポリシラザン薄層を保持することにより行われる。また、上記のような加熱処理に続いて、加湿処理を行うこともできる。
本発明においては、上述した金属酸化物薄膜300を直接フォトクロミック層202上に設けることもできるが、図1に示すように緩衝層600を介して設けることもできる。特に金属酸化物薄膜300を蒸着法により形成するときに、この緩衝層600を設けることが好ましい。即ち、前述したインデノナフトピラン化合物は、優れたフォトクロミック性を有するフォトクロミック化合物であるが、このようなフォトクロミック化合物を分散させたフォトクロミック層202の上に、直接、金属酸化物薄膜300を蒸着法により形成すると、フォトクロミック性の応答速度が低下するという現象が生じる。
インデノナフトピラン(a):
(1)最大吸収波長(λmax):
浜松ホトニクス製キセノンランプL−2380(300mW)を用い、エアロマスフィルター(コーニング社製)を介して、下記の照射条件で試料のフォトクロミック性光学物品に、120秒間光照射して発色させた。
温度:20±1℃
表面でのビーム強度
365nm=2.4mW/cm2
254nm=24μm/cm2
この時の最大吸収波長(λmax)を(株)大塚電子工業製の分光光度計(瞬間マルチチャンネルフォトディテクターMCPD1000)により求めた。なお、最大吸収波長は、発色時の色調に関係する。
(2)発色濃度(Abs.):
前記と同様に試料のフォトクロミック性光学物品に120秒間光照射し、その最大吸収波長(λmax)における吸光度(ε120)を測定し、さらに、光照射していない状態の該光学物品の該波長における吸光度(ε0)を測定し、両者の差(ε120−ε0)を求めこれを発色濃度Aとした。この値が高いほどフォトクロミック性が優れているといえる。
(3)耐久性:
得られたフォトクロミック性光学物品を、スガ試験器(株)製キセノンウェザーメーターX25(フェードメーター)により50時間促進劣化させた。この促進劣化前後で、発色濃度を測定し、下記式により、残存率を求め、発色の耐久性の指標とした。
A0:促進劣化前の発色濃度
A50:促進劣化後の発色濃度
この残存率が高いほど発色の耐久性が高い。
(4)黄色度(イエローインデックス;YI):
上記と同様に50時間の劣化促進試験を行ない、劣化促進前後でのフォトクロミック性光学物品の発色前(フォトクロミック化合物が未発色の状態)での黄色度の変化(ΔYI)を、下記式により求めた。
YI0;劣化促進前の黄色度
YI50;劣化促進後の黄色度
なお、黄色度は、スガ試験機(株)製の色差計(SM−4)を用いて測定した。YI値が高いほど、黄色度が強く、△YI値が大きいほど、劣化前後での黄変度が大きいことを示す。
(5)退色速度:
前記と同様に試料のフォトクロミック性光学物品に120秒間光照射し、光照射を止めた時点から、該光学物品の最大吸収波長(λmax)における吸光度が先に測定された発色濃度Aの半分の値になるまでの時間(t1/2;分)を測定し、この時間(t1/2)を退色速度として評価した。この時間(t1/2)が短い程、フォトクロミック性が優れている。
実施例1
ビスエチレングリコールジアリルカーボネート硬化体からなる2mm厚みのレンズ基材(屈折率=1.50)を用意し、さらにプライマーとして竹林化学工業株式会社製プライマーPFR4(湿気硬化型ウレタンプライマー)を用意した。
2,2−ビス(4−メタクリロイルオキシペンタエトキシフェニル)プロパン; 50重量部
ポリエチレングリコールジアクリレート(平均分子量532); 15重量部
トリメチロールプロパントリメタクリレート; 15重量部
ポリエステルオリゴマーヘキサアクリレート(ダイセルユーシービー社、EB−1830); 10重量部
グリシジルメタクリレート; 10重量部
のラジカル重合性単量体の混合物を調製した。このラジカル重合性単量体の混合物と、前述したフォトクロミック化合物を用い、下記処方により、フォトクロミック重合性組成物(フォトクロミックコート液)を調製した。
インデノナフトピラン(a); 2.35重量部
クロメン(A); 0.2重量部
クロメン(B); 1.6重量部
重合開始剤; 0.5重量部
ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート (安定剤); 5重量部
γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン(シランカップリング剤); 7重量部
尚、上記の重合開始剤としては、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンとビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフォスフィンオキサイドとの混合物(重量比3:1)を用いた。
実施例2
酸化珪素薄膜の代わりに、酸化チタン薄膜(厚み;0.02μm)を蒸着により形成した以外は実施例1と同様にしてフォトクロミック性光学物品を製造し、そのフォトクロミック特性を測定した。その結果を表1に示した。
実施例3
フォトクロミック化合物として、クロメン(A),(B)を使用せず、インデノナフトピラン(a)を1.5重量部用いた以外は実施例1と同様にして表面にフォトクロミック層を有する光学基材を作製した。このフォトクロミック光学基材を使用し、酸化珪素薄膜の厚みを0.1μmに変更した以外は、実施例1と同様にしてフォトクロミック性光学物品を製造し、そのフォトクロミック特性を測定した。その結果を表1に示した。
実施例4
無機粒子分散層を形成せず、フォトクロミック層上に直接酸化珪素薄膜を形成した以外は実施例3と同様にしてフォトクロミック性光学物品を製造し、そのフォトクロミック特性を測定した。その結果を表1に示した。
実施例5
フォトクロミック化合物として、インデノナフトピラン(a)に変えてインデノナフトピラン(b)を1.5重量部用いた以外は実施例3と同様にしてフォトクロミック性光学物品を製造し、そのフォトクロミック特性を測定した。その結果を表1に示した。
実施例6
無機粒子分散層を形成せず、フォトクロミック層上に直接酸化珪素薄膜を形成した以外は実施例5と同様にしてフォトクロミック性光学物品を製造し、そのフォトクロミック特性を測定した。その結果を表1に示した。
比較例1
酸化珪素薄膜を設けなかった以外は実施例1と同様にしてフォトクロミック性光学物品を製造し、そのフォトクロミック特性を測定した。その結果を表1に示した。
比較例2
フォトクロミック化合物として、インデノナフトピラン(a)及びクロメン(B)を使用せず、クロメン(A)を1.5重量部用いた以外は実施例1と同様にして表面にフォトクロミック層を有する光学基材を作製した。このフォトクロミック光学基材を使用し、酸化珪素薄膜の厚みを0.1μmに変更した以外は、実施例1と同様にしてフォトクロミック性光学物品を製造し、そのフォトクロミック特性を測定した。その結果を表1に示した。
比較例3
フォトクロミック層の厚みを19μmに変更した以外は、比較例2と同様にしてフォトクロミック性光学物品を製造し、そのフォトクロミック特性を測定した。その結果を表1に示した。
比較例4
フォトクロミック層の厚みを19μmに変更した以外は、実施例1と同様にしてフォトクロミック性光学物品を製造し、そのフォトクロミック特性を測定した。その結果を表1に示した。
比較例5
実施例1で作製された表面にフォトクロミック層を有する光学基材について、フォトクロミック層上に無機微粒子分散層及び金属酸化物薄層を形成せず、そのままの状態でフォトクロミック特性を測定し、その結果を表1に示した。
比較例6
実施例5で作製された表面にフォトクロミック層を有する光学基材について、フォトクロミック層上に無機微粒子分散層及び金属酸化物薄層を形成せず、そのままの状態でフォトクロミック特性を測定し、その結果を表1に示した。
比較例7
フォトクロミック化合物としてクロメンCを1.5重量部用いた以外は、実施例3と同様にしてフォトクロミック性光学物品を製造し、そのフォトクロミック特性を測定した。その結果を表1に示した。
レンズ基材として、厚み2mmの市販のチオウレタン系プラスチックレンズ(屈折率=1.60)を用意した。このレンズ基材をアセトンで十分に脱脂し、60℃の10重量%の水酸化ナトリウム水溶液に10分浸漬して、アルカリエッチングを行った。
実施例8
実施例1と同様にして、表面にフォトクロミック層(厚み;40μm)を有する光学基材を得た。
実施例9
フォトクロミック層の厚みを31μmに変更した以外は、実施例1と同様にして、表面にフォトクロミック層を有する光学基材を得た。
実施例10
フォトクロミック層の厚みを30μmに変更した以外は、実施例1と同様にして、表面にフォトクロミック層を有する光学基材を得た。
実施例11
フォトクロミック層の厚みを30μmに変更した以外は、実施例1と同様にして、表面にフォトクロミック層を有する光学基材を得た。
Claims (8)
- 少なくとも一方の表面にフォトクロミック化合物が樹脂中に分散されたフォトクロミック層が形成されている光学基板と、該フォトクロミック層上に形成された金属酸化物薄膜とからなるフォトクロミック性光学物品において、
前記フォトクロミック化合物としてインデノナフトピラン化合物が使用され、且つ前記フォトクロミック層は、30〜50μmの厚みを有しているとともに、
前記金属酸化物薄膜は、0.01〜10μmの厚みを有しており、且つ単層または3層以下の多層構造を有していることを特徴とするフォトクロミック性光学物品。 - 前記金属酸化物薄膜が、厚さ0.1〜20μmの緩衝層を介してフォトクロミック層上に形成されている請求項1記載のフォトクロミック性光学物品。
- インデノナフトピラン化合物が、下記一般式(1):
p及びqは、0〜3の整数であり;
R1およびR2は、それぞれ、水酸基、アルキル基、トリフルオロメチル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、カルボキシル基、アルコキシメチル基、ヒドロキシメチル基、アラルコキシ基、アミノ基、置換アミノ基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、アラルキル基、置換もしくは非置換のアリール基、置換若しくは非置換のヘテロアリール基、窒素原子をヘテロ原子として有し且つ該窒素原子が上記インデノナフト環に結合している置換もしくは非置換の複素環基、又は前記複素環基に芳香族炭化水素環もしくは芳香族複素環が縮合した縮合複素環基であり;
R3およびR4は、それぞれ、置換もしくは非置換のアリール基、置換もしくは非置換のヘテロアリール基、アルキル基、下記式(2)または(3):
R7は、置換もしくは非置換のアリール基、または置換もしくは非置換のヘテロアリール基であり、;
R8は、水素原子、アルキル基、またはハロゲン原子であり;
nは1〜3の整数であり;
R9は、置換もしくは非置換のアリール基、または置換もしくは非置換のヘテロアリール基であり;
mは1〜3の整数である。)
で示される基であるか、或いはR3とR4とが一緒になって、脂肪族炭化水素環基もしくは芳香族炭化水素環基を構成していてもよく;
R5及びR6は、それぞれ、水素原子、水酸基、アルキル基、トリフルオロメチル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、カルボキシル基、アルコキシメチル基、ヒドロキシメチル基、アラルコキシ基、アミノ基、置換アミノ基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、アラルキル基、置換もしくは非置換のアリール基、置換若しくは非置換のヘテロアリール基であるか、或いはR5とR6が一緒になって、置換もしくは非置換の脂肪族炭化水素環基、またはヘテロ原子を環中に1又は2個含む置換もしくは非置換のヘテロ環基を形成しても良く、該脂肪族炭化水素環基又はヘテロ環基は、置換若しくは非置換のアリール基又は置換若しくは非置換ヘテロアリールが縮合してもよい。〕
で表される請求項1又は請求項2記載のフォトクロミック性光学物品。 - 前記金属酸化物が、酸化珪素、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化鉄、またはこれらの酸化物成分を含む複合酸化物である請求項1〜3のいずれか一項に記載のフォトクロミック性光学物品。
- 前記金属酸化物薄膜が、蒸着により形成されたものである請求項1〜4のいずれか一項に記載のフォトクロミック性光学物品。
- 前記金属酸化物が酸化珪素である請求項1〜5のいずれか一項に記載のフォトクロミック性光学物品。
- 前記金属酸化物薄膜が、酸化珪素膜であり、フォトクロミック層上に設けられたポリシラザン薄層中のポリシラザンを酸化珪素に転化することにより形成されたものである請求項1〜6のいずれか一項に記載のフォトクロミック性光学物品。
- 少なくとも一方の表面に、インデノナフトピラン化合物が樹脂中に分散され且つ30〜50μmの厚みを有するフォトクロミック層が形成された光学基板を用意し、
前記フォトクロミック層上に、少なくともポリシラザンを含有する塗布液を塗布し、必要により乾燥してポリシラザン薄層を形成し、
前記薄層を形成しているポリシラザンを酸化珪素に転化させることにより、厚みが0.01〜10μmの酸化珪素薄膜を形成することを特徴とする請求項7記載のフォトクロミック性光学物品の製造方法。
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