JP2005309162A - 画像投射装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 高強度光を用いた画像投射装置において、構成や制御の複雑化を伴うことなく安全性を高める。
【解決手段】 画像投射装置1は、照射光を用いて画像の投射表示を行う場合に、照射領域内への人や物体の侵入に対する安全機構を備えている。照射領域が、人や物体の侵入経路に沿って光強度の異なる複数の領域A1、A2に区分されており、該複数の領域のうち、人や物体の侵入開始の境界を含む低強度領域A2において、人体に無害な照射光を用いるとともに、該低強度領域への侵入状態を監視する。低強度領域A2への侵入が検出されたときには安全機構により画像投射光の強度を低減させるか又は該画像投射光を遮断することで人体に対して無害化する。高強度の照射領域を含む広い監視領域を設定する必要がなく、人や物体の侵入が予想される領域だけを低強度光で監視することができる。
【選択図】図1
【解決手段】 画像投射装置1は、照射光を用いて画像の投射表示を行う場合に、照射領域内への人や物体の侵入に対する安全機構を備えている。照射領域が、人や物体の侵入経路に沿って光強度の異なる複数の領域A1、A2に区分されており、該複数の領域のうち、人や物体の侵入開始の境界を含む低強度領域A2において、人体に無害な照射光を用いるとともに、該低強度領域への侵入状態を監視する。低強度領域A2への侵入が検出されたときには安全機構により画像投射光の強度を低減させるか又は該画像投射光を遮断することで人体に対して無害化する。高強度の照射領域を含む広い監視領域を設定する必要がなく、人や物体の侵入が予想される領域だけを低強度光で監視することができる。
【選択図】図1
Description
本発明は、レーザ光等の高強度の照射光を用いた画像投射装置について安全性を保証することを目的とし、例えば、レーザディスプレイ等への適用において、レーザ光等が直接眼底に結像して、眼底に対する障害が発生するといった事故を未然に防止するための技術に関する。
大画面表示が可能なプロジェクションシステムでは、レーザ光源からの照射光をスクリーン上に投射することによって映し出される映像を見ることができる。
レーザ及びLED(発光ダイオード)の光は非常に小さい発光点(ほぼ点光源)から発し、かつ発散角が小さいため、その光を直接覗き込んでしまった場合に眼の網膜上に小さな点として集中し、その照度が大きいと眼の網膜に熱傷をもたらす危険性がある。また、光強度が大きい場合に皮膚に熱傷をもたらす虞がある。そのため、レーザ光及びLED光を使用する機器については、国際レーザ安全規格IEC60825シリーズ、あるいは各国でのそれに準じた国内規格等、機器の製造者や使用者に対する厳しい安全規格が定められている(例えば、IEC60825−1では、照度の大きさによってクラス1乃至4までの分類を行い、それぞれのクラス毎に、製造者や使用者が守るべき指針を設けている。)。尚、レーザ安全に関しては、安全規格上LEDも同様に扱うこととなっているため、以下のレーザに関する説明にはLEDの場合も含まれる。また、近年高輝度化が進んでいる点光源ランプ等についても同様の危険性がある。
レーザを用いた映像表示の分野、例えば、色鮮やかなレーザビームを用いたレーザライトショー等の場合、機器製造者、使用者は、上記安全規格に基づいた取り扱いをしなければならない。例えば、より明るいレーザビームでのレーザライトショーを行うには、レーザ機器を熟知した管理者が必要である。
ところで、レーザビームをスクリーン上に照射して画像表示を行う装置の場合、スクリーンに当って拡散及び反射されたレーザ光は、四方八方に拡散されるため、かなりの強度のレーザ光(レーザクラス分類3B以下)でも安全であると確認されているが、万一誤って、スクリーンに照射される以前のレーザビームが直接眼に入ってしまうと、レーザビームの照度が大きい場合に網膜への熱傷の危険性がある。
このための安全対策として、下記に示す構成形態が挙げられる。
(1)レーザビームが眼に直接入射しても安全な照度(レーザビームを見る条件により異なるが、レーザクラス分類1〜2)にて動作するように構成した形態
(2)観客がレーザビームを直接見ることが不可能なように、例えば、レーザ照射空間に人が入れないように遮蔽物を設置する形態。
(2)観客がレーザビームを直接見ることが不可能なように、例えば、レーザ照射空間に人が入れないように遮蔽物を設置する形態。
(3)観客がレーザビームを直接見ることが不可能なように、レーザ照射空間への人の侵入を監視し、もしもレーザ照射空間に人体や物体の侵入がある場合において、レーザ光の出力を人に害のないレベルまで下げる形態。
尚、上記(1)では、光出力が小さく規制されるため、画像表示を明るくすることができないことが問題とされ、また、上記(2)では、遮蔽物が観客の目障りになる可能性が高いことや遮蔽物の配置スペースを確保する必要があること等が問題とされる。よって、上記(3)が画像表示品質への影響の最も少ない形態と考えられる(例えば、下記特許文献1では、レーザ光照射領域を含む広い外縁領域の空間を監視し、侵入物がレーザ光照射領域に達する前にレーザ光の出力を人体に害のない程度に低下させている。)。
上記したように、レーザ光やLED光を用いる場合には、その安全性の確保が重要課題とされ、例えば、視聴者が不用意にレーザ光の投射領域に侵入することを想定した対策を充分に講じる必要がある。
しかしながら、従来の装置にあっては、例えば、レーザ光の照射領域を含む、より広い外縁領域を監視する必要がある場合において、レーザ光の照射範囲への人体や物体の侵入検出を充分な精度をもって行うことができないか、あるいはそのための高価な装置、複雑な機構や制御を必要とする等の問題がある。例えば、スクリーン周辺部を照明するための光学系が必要であったり(画像表示への影響が問題とされる。)、あるいはスクリーンを含む広範囲の侵入検出を高い検出精度で実現することが困難である。また、スクリーン境界を通過する人体や侵入物を検出するために専用の光学系や装置が必要とされる場合において、人体や侵入物体の挙動を正確に判定することが困難である。
そこで、本発明は、高強度の光を用いた画像投射装置において、構成や制御の複雑化を伴うことなく安全性を高めることを課題とする。
本発明は、上記した課題を解決するために、照射光を用いて画像の投射表示を行う場合に、画像投射時の照射領域内への人や物体の侵入に対する安全機構を備えており、照射光の照射領域が、人や物体の侵入経路に沿って光強度の異なる複数の領域に区分されている。該複数の領域のうち、人や物体の侵入開始の境界を含む低強度領域において、人体に無害な照射光を用いるとともに、該低強度領域への侵入状態を監視し、該低強度領域への侵入が検出されたときに、上記安全機構により画像投射光の強度を低減させるか又は該画像投射光を遮断することで人体に対して無害化するように構成している。
従って、本発明では、高強度の照射領域を含む広い監視領域を設定する必要がないこと、即ち、人や物体の侵入が予想される領域だけを低強度光で監視すれば良いので、侵入検出の精度向上に有効である。人体や物体が仮に低強度領域に侵入したとしても該領域では人体に無害な照射光であるため、該領域への侵入を直ちに検出して安全上必要な措置(照射光の遮断や光強度の低減等)を講じることができる。
本発明によれば、スクリーンを含む広い監視領域を設定して人体や物体の侵入を監視する必要がなくなり、人体や物体の侵入が予測される低強度領域を監視して、精度良く侵入検出を行うことができる。しかも、そのために、大掛かりな装置や、複雑な構成及び制御を必要とせずに、安全性を高めることができる。
高強度の光を用いた画像投射用の第一の領域と、該第一の領域への侵入経路途中に位置され、人体に無害な光を用いた第二の領域とを有する形態では、該第二の領域への侵入を検出したときに安全機構が働いて第一の領域に係る光の強度を低減させるか又は該光を遮断することにより、光強度の低減や遮断(遮光)までの時間を充分に確保することができる。その場合に、第一の領域への人や物体の侵入時に想定される侵入速度「v」と、第二の領域への侵入が検出された時点から安全機構が働くまでの所要時間「t」と、第一の領域への侵入前における上記第二の領域内の侵入経路長「d」との関係が、「d>v・t」を満たすように規定することが望ましい。即ち、第二の領域内の侵入経路長を充分に確保することで高い安全性を保証できる。
第二の領域への人や物体の侵入を迅速にかつ精度良く検出できるようにするためには、該第二の領域への侵入検出に用いられる光源と、該光源から発した低強度光が第二の領域への人や物体の侵入によって遮られることを検出する検出手段を有するように構成する。尚、この光源については専用光源とするか、あるいは画像投射光源を共用して光の一部を侵入検出用光に用いることができる(後者は構成の簡素化に有効である。)。
また、赤外光又は赤外線の光源を用いた構成形態では、画像表示用光(可視光)への影響がない点で有利である。特に、赤外光又は赤外線のレーザ光源から出力される光を波長変換(例えば、SHG:第二高調波発生)して画像投射用の光を生成するとともに、該レーザ光源を上記赤外光又は赤外線の光源として共用する形態では、レーザ光源による出力光の一部を侵入検出に利用することができるので構成の簡素化に有効である(検出専用光源を追加する必要がない。)。そして、低強度光を用いて検出画像を取得したり、あるいは該低強度光に係る反射光の戻り時間を計測して、第二の領域への人や物体の侵入の有無を検知することが好ましい。
本発明では、赤外光又は赤外線以外の光源として、可視光の光源を用いることが可能であり、この場合には、眼の防御反応を利用して障害を未然に防止することができる。その際、可視光による画像表示範囲への影響を低減するには、可視光源からの光を選択的に吸収するための手段や光吸収率の高い素材を、スクリーン上の画像表示範囲の周囲に設けた構成が好ましい。
また、高強度光源及びその出射光を画像信号に応じて変調する光変調手段と、該光変調手段で変調された光をスクリーン上に投射する光投射手段と、上記第二の領域への侵入検出手段とを備えた構成では、侵入検出手段によって上記第二の領域への侵入が検出された場合に、侵入の状態に応じて高強度光源への供給電力を低減するか若しくは供給電力を遮断し又は上記光変調手段の駆動制御若しくは駆動停止を行うことにより、第一の領域に係る光を無害化する。つまり、高強度光による人体への影響について安全性を確保するには、光源パワーの低減又は光変調素子の駆動制御により第二の領域での光強度を迅速に下げることが必要である。
光変調手段として一次元光変調素子を使用し、該素子によって変調された一次元像を光走査手段によって走査して二次元像を形成する構成形態では、画像表示範囲を含む範囲に亘って光走査手段の過走査を行い、上記第二の領域として利用される範囲(画像表示範囲以外の範囲)で人体に無害な低強度光を用いることが好ましい。即ち、光走査手段の過走査によって画像表示範囲の隣接範囲を含む領域を上記第二の領域として利用できるので、監視用の別光源や光学系が不要である。その際には、光走査手段の過走査時にスクリーン上の画像表示範囲の外側領域に照射される光に対して、光吸収率の高い素材等を該画像表示範囲の周囲に配置し、過走査時に画像表示範囲の外側領域が照射されることに起因する影響(画像コントラストの低下等)を排除することが望ましい(画像表示に不必要な光を低減させる。)。
高強度光を用いて画像表示を行う場合には、いきなり画像投射を開始せずに、安全性について充分な確認を行った上で画像投射光の強度を上げることが好ましい。即ち、スクリーンへの画像表示を開始するために照射光の強度を上昇させる前段階において、先ずは上記第一の領域内の照射光を人体に無害な低強度光に設定する。そして、上記第二の領域への人や物体の侵入が無いことを検出によって確認した上で、上記第一の領域内の照射光強度を上昇させれば良い。
本発明は、画像投射装置(例えば、レーザ光源を用いるとともに、一次元画像を走査して2次元画像を生成する装置等)のように、高強度の光源を用いた画像表示装置への適用において、光照射が人体に及ぼす悪影響を未然に防止して安全性を保証することを目的とする。そして、高強度の照射範囲を含む、より広い外縁領域を監視するのではなく、低強度の照射範囲への人体や物体の侵入のみを監視すれば足りる。つまり、人体や物体の侵入が想定される領域については人体に無害な光強度であることが必須である。そこで、後述のように照射範囲(レーザの照射領域等)を、光強度の高い領域と無害な光強度領域とに2分するか、あるいは3以上の段階的な光強度を設定した装置設計とする。
図1は、本発明に係る概念的な説明図である。
画像投射装置1は、スクリーンへの光照射によって描画範囲に画像表示を行うための光源と光学系を備えている。例えば、レーザ光源や投射手段等を備えた装置(レーザディスプレイ装置)では、レーザ光源からスクリーン上の描画範囲に向かう照射光の通過領域への人体や物体の侵入に対して安全対策が講じられる。
画像投射装置1による照射光領域は、人や物体の侵入経路に沿って光強度の異なる複数の領域(3次元の空間領域)に区分されている(本例では、領域A1とA2との2区分とされている。)。
第一の領域「A1」は、高強度の光(レーザ光やLED光、放電ランプ光等を含む。)を用いた画像投射用の領域であり、描画光(可視光)の通過領域を含む。また、第二の領域「A2」は、領域A1への侵入経路途中に位置され、人体に無害な光(可視光又は赤外光若しくは赤外線)を用いた低強度領域とされる。
光照射領域のみを監視して、領域A2への人体等の侵入を検出したときには、安全機構を働かせて第一の領域A1に係る光の強度を低減させるか又は光を遮断する。
このように、本例では、照射光の存在する領域を、光強度の高い領域と無害な光強度領域とに2分した構成とし、強度の強い光で照射される空間領域(A1)に対して、人又は反射率の高い物体等が侵入する可能性のある経路には、人体に無害な光強度で照射される空間領域(A2)を侵入検出領域として配置している。
図1に一点鎖線の矢印で示す経路は、人や物体が光照射範囲内に侵入する可能性のある経路を例示しており、領域A1への人や物体の侵入時に想定される移動速度(侵入速度)を「v」と記し、領域A2への侵入が検出された時点から、安全機構が働くまでの所要時間を「t」と記し、領域A1への侵入前における領域A2内の侵入経路長を「d」と記すとき、「d>v・t」を満たす必要がある。つまり、人体に無害な低強度の領域A2において人体等の侵入が検出された場合に、領域A1の光強度を人体に無害なレベルまで下げる(強度がゼロの場合を含む。)までには有限の時間tがかかることを考慮する必要がある(そうしないと、領域A1の光強度を人体に無害なレベルにする前に人や物体が当該領域に侵入してしまうことになる。)。
「d>v・t」の不等式は、人や物体が第二の領域A2内に侵入する場合の侵入経路長を充分に確保して安全性を保証できるようにするための必要条件を与えるものである(換言すれば、「d≦v・t」では領域A1における光強度低下や遮断が間に合わなくなる。)。
このように、強い光で照射される空間領域(高強度光の通過領域)へ向かって移動する人や物体の侵入検出のためには、常時人体に無害な低強度光が照射される空間領域の大きさに関して、この領域内の移動予想経路長を所要時間(検知から安全回路作動完了までの時間)と侵入速度(移動する物体の速度)の積より大きくなるように設計する必要がある。
図2は、可視光による描画表示用の光学系(描画光学系)2_1と、検出用光を用いた光学系(侵入検出用光学系)2_2とを独立させて別個に設けた形態について例示したものである。
描画光学系2_1による高強度照射光が第一の領域B1を通過し、また、侵入検出用光学系2_2による低強度照射光が第二の領域B2を通過する。よって、本例では、両者の合成によって光照射領域が構成されることになるが、領域B1とB2とが重なった空間領域(図には両者の交わり「B1∩B2」で示す。)では高強度照射光が通過するので、B2のうち、「B1∩B2」を除外した領域が上記A2に相当する(他方、B1が上記A1に相当する。)。
尚、光学系2_1、2_2については、それらを同一の装置内に含む構成形態と、各光学系を別個に含む装置を用いた構成形態が挙げられる。また、人体等の侵入検出に関して、音波等を用いる方法が挙げられるが、調整や設定の作業が面倒であったり、侵入検出の正確性を期す上で困難性を伴うので、検出波としては、赤外光若しくは赤外線又は可視光の使用が望ましい。
以上のように、本発明では、照射領域を複数の空間領域に区分するとともに、該領域のうち、人や物体の侵入開始の境界を含む低強度領域において、人体に無害な照射光を用いる。そして、画像投射表示中には、この低強度領域への人や物体の侵入状態を常時監視して、該低強度領域への侵入が検出されたときに、安全機構を働かせることにより、画像投射光の強度を低減させるか又は該画像投射光を遮断し、人体に対して無害化することができる。また、さらには、照射領域を3以上の領域(低強度領域、中強度領域、高強度領域等)に区分する形態も可能であるが、徒らに区分数を増やすことに伴う構成等の複雑化を考慮した場合には、実用上での照射範囲等を考慮して極力少数の区分数が好ましい。
図3に示す例では、画像投射装置3が描画光学系と侵入検出用光学系を備えている。
描画光学系では、高強度の画像表示用レーザを光源とし、該レーザによる照射光の投射範囲が、スクリーン領域では「C1」の領域で示されている。そして、領域「C2」は領域C1の周辺領域において人体に無害なレーザ光の照射範囲を示しており、侵入検出用光学系において、例えば、赤外線レーザ光源や撮像手段等が用いられる。
領域C2への人や物体の侵入を監視し、領域C2を含む照射領域への人や物体の侵入が検知された場合に画像投射装置3による画像投射動作を停止させるか、あるいは領域C1の照射光強度を人体に無害なレベルまで低減させる。
尚、本例では、描画光学系と侵入検出用光学系のもつ機能を1つの装置内に有する形態としたが、例えば、描画光学系を含む装置と、侵入検出用光学系を含む検知装置とを別個に設けた形態でも構わない。また、画像投射時には、領域C1内の投射空間では高強度光が照射されており、該領域を包囲する領域C2内の投射空間では、人体に無害な低強度光が照射される例を示したが、これに限らず、侵入可能性のある経路が特定の範囲に限定されている場合には、その経路のみを人体に無害なレーザ出力を有する投射空間で覆うだけで良い。例えば、画像表示用の高強度光が照射されるスクリーン上部からの人や物体の侵入が考えられない場合において、領域C1の上部空間を除いた領域を領域C2に規定し、常時人体に無害な低強度光が照射される空間領域を配置することが可能である。
図4及び図5に示す構成では、画像表示領域の下方からのみ侵入の可能性がある場合について侵入検知領域の配置例を示している。
図4の側面図に示すように、本例では、画像投射手段4及び検知光出力手段5を含む投射系6と、CCDカメラ等の撮像手段7を用いた侵入検知系とで構成される。
図5に示すように、画像投射手段4の投射光がスクリーンSCN上の画像表示範囲8に照射されて画像表示が行われる。そして、赤外線レーザ等を用いた検知光出力手段5の出力光が、スクリーンSCN上で画像表示範囲8よりもやや下方に位置する線状の範囲9に向けて照射される。例えば、ビーム整形手段10(円筒形レンズ等)を用いて、人体に無害な強度の赤外線レーザ光を水平方向に拡大してスクリーン上に照射する形態、あるいは、ガルバノミラー等の光走査手段を用いて人体に無害な強度の赤外線レーザ光を一次元方向(水平方向)に走査してスクリーン上に照射する形態等が挙げられる。
撮像手段7は、例えば、スクリーンSCN上に焦点を合わせたカメラを用いてスクリーン上を常時監視するものである。つまり、検知光出力手段5を用いて線状の範囲9に向かう検知用照射光が人や物体の侵入によって遮られた場合に、撮像手段7による線状検出画像の光量変化(直線欠損あるいはブラックアウト)を直接的に検知することができる(例えば、光検出信号を予め決められた閾値と比較する形態等。)。そして、その検知信号を画像投射手段4に通知して画像投射を停止させ又は投射光強度を低減させるためのスイッチング信号として利用することができる。
尚、検知光出力手段5に赤外線レーザ等を用いる場合に、検知精度の観点からは、垂直方向(画面の縦方向)にコリメートされた、発散角の小さいレーザ光の使用が好ましい(人や物体の侵入によって、検知光であるレーザ光が遮られた時の直線欠損、ブラックアウトの陰影が鮮明であり、正確な侵入検知が可能である。)。また、検知用のレーザ光をパルス変調し、スクリーンからの反射光の戻り時間を計測することにより、装置とスクリーンとの間に人や物体が侵入したかどうかを検知することもできる。
撮像手段7を含む侵入検知系による検知信号に基づいて、画像投射を停止させる場合には、レーザ光の遮断方法として、例えば、投射レンズにシャッタを設けて侵入検知時に該シャッタで遮光する方法や、レーザへの電力供給を遮断する(電源をスイッチオフさせる)等、各種の形態を用いることができる。
次に、レーザ光源を用いた画像投射装置(レーザプロジェクタ装置)の一例として、レーザ光源、光モジュレータ(光変調手段)、スキャンミラーを含む光走査手段、投射光学系を備え、スクリーン上に画像表示を行うシステム例について図6を用いて説明する。
画像投射装置11には、人や物体の侵入検出手段12と、前方のスクリーンに向かうレーザ光の出力を制御する出力制御手段13とを含む安全機構14が設けられている。
侵入検出手段12は、上記第二の領域(低強度の投射領域)への侵入を検出するために設けられている。そして、出力制御部13は、該領域への侵入が検出された場合に、侵入の状態に応じて、高強度光源(本例ではレーザ光源)への供給電力を低減し又は該供給電力を遮断するか、あるいは、光変調手段の駆動制御若しくは駆動停止を行うことにより、上記第一の領域に係る照射光(描画光)を無害化して安全性を確保する。
光源部15からの出射光が、照明光学系16を経て光変調手段17に到達し、ここで変調された光が色合成部18、空間フィルタ19を経て光走査部20に到達する。そして、光拡散部21、投射光学系(投影光学系)22を経てスクリーンSCN上に画像表示が行われる。
光源部15において、赤色(R)レーザ、緑色(G)レーザ、青色(B)レーザの各色レーザを1組とした光源が用いられ、電源部23から電力が供給される。つまり、3原色の色毎に半導体レーザや固体レーザ等を用いたレーザ光源15R、15G、15Bが設けられるとともに、侵入検出用光学系を構成する赤外線レーザ光源15ROが設けられている。尚、レーザ光源15ROは、上記第二の領域への侵入検出に用いられる光源であり、その出力光は人体に無害である。赤外線レーザ光源の代わりに、赤外線発光のLED等、人体に無害な光強度に設定した各種の光源を用いることができる。
照明光学系16は、各レーザ光源から出力されるビームを一次元の線状ビームに変換する役目を有し、ビーム拡大光学系やラインジェネレータ等を用いて構成される。尚、各色に応じた光学系16R、16G、16Bがそれぞれに用いられる。また、照明光学系16には、赤外線レーザ光源15ROに対する光学系16RO(例えば、シリンドリカルレンズ等)が設けられ、赤外線又は赤外光のビームが光走査部20に送られるか又はスクリーンSCNに向けて直接照射される。
光変調手段17は、レーザ光源による光を画像信号に応じて変調する手段であり、R、G、Bの各色に対応した一次元光変調素子17R、17G、17Bを有する。上記光学系16R、16G、16Bを経て均一化された照明プロファイルの線状ビームが各素子に照射され、各色レーザ光がこれらの素子を用いて画像信号に応じて変調される。尚、本発明の適用において光変調素子の如何を問わないが、例えば、米国シリコン・ライト・マシン(SLM)社開発のグレーティング・ライト・バルブ(Grating Light Valve)を使った反射型回折格子の場合、複数の可動リボン及び固定リボンが所定の方向に沿って交互に配置されている(例えば、1画素を構成する6本のリボン素子が設けられていて、3本ずつの可動リボンと固定リボンとが1つおきにそれぞれ配置されている。)。レーザ光の照射面において、可動リボンの表面である第1面と、固定リボンの表面である第2面とが交互に配置されるとともに、後述する駆動部(29)からの駆動信号を受けて可動リボンが移動されてその第1面がレーザ光の照射方向に沿う方向に位置制御される。つまり、画像信号に応じた駆動電圧を印加すると、駆動電圧値に対応する変位量をもって可動リボンに移動し、この状態(所謂ピクセルオン時)では入射光に対する反射型回折格子が構成される(1次回折光の発生)。また、可動リボンを動かさずに固定リボンとの間で変位量を揃えた状態(所謂ピクセルオフ時)では、1次回折光が発生しない(入射光に対する正反射のみ)。尚、当該光変調素子の使用により、高速な動作制御が可能であることや、広い帯域幅で高い解像度の画像表示を行う場合に低い動作電圧でもって駆動可能なこと等の特長が得られる。
上記一次元光変調素子に照射された照明光の反射光や回折光が発生されて、色合成部18では、変調された各色光が合成された後、空間フィルタ19に送られる。
空間フィルタ19は、特定次数の回折光成分を選別する役目をもち、本例では、一次元光変調素子を用いて変調された光のうち、±1次回折光をとり出すためにシュリーレンフィルタを用いている(画像表示に用いない0次光が遮断される。)。
次段の光走査部20には、例えば、ガルバノメータが用いられ、一次元像の入射光を受けて二次元中間像を形成する。即ち、光走査部20は、一次元光変調素子によって変調された一次元像を走査する光走査手段を構成しており、一次元像の形成方向を「第一の方向」とするとき、該方向は一次元光変調素子の長軸方向に対応しており、該第一の方向に対して直交する「第二の方向」に沿った光走査により二次元中間像が形成される。尚、走査方式については、一方向性スキャン方式と双方向性スキャン方式が挙げられる。前者の方式では、例えば、表示画面の左端縁が走査開始位置とされ、右端縁が走査終了位置とされており、左端縁から光走査が開始されて上記第一の方向に延びる縦ラインが上記第二の方向に沿って走査された後、右端縁に達すると再び左端縁に戻って光走査が繰り返される。また、後者の方式では、表示画面の左端縁及び右端縁が走査開始位置及び走査終了位置とされ、例えば、左端縁から光走査が開始されて、上記第一の方向に延びる縦ラインが上記第二の方向に沿って走査された後、右端縁に達すると、今度は反対方向に光走査が行われ、元の左端縁に達すると左端縁から再び光走査を開始するという動作が繰り返される。
光走査により得られる二次元中間像が光拡散部21を経た後、投射光学系22によってスクリーン「SCN」上に投影されることで映像が表示される。
尚、光拡散部21は、スペックル(ノイズ)低減等のためにディフューザ(diffuser)を用いて拡散光を得るためのものである。また、投射光学系22は、スクリーンSCN上に画像を投射する光投射手段を構成し、投射レンズを含む二次元投射光学系である。本例では、光走査後に投射光学系22によってスクリーンに描画光が照射される形態を示しているが、これに限らず、投射光学系を経た一次元像を光走査手段によって二次元像としてスクリーンに向けて照射する形態でも構わない。
図1乃至図3に示したように、画像表示用の可視光(レーザ光)の投射領域が上記第一の領域に相当し、スクリーンSCN上の所定範囲内に画像が投影される。上記のようなレーザプロジェクタ装置においては、レーザ光源を用いているため、明るさや色再現性の点で優位な特性をもち、また映像信号に基づく光変調も容易である。
高強度の画像表示用レーザ光によって、不用意に侵入した視聴者が被爆の危険性に曝されないように、安全機構14が設けられている。
この安全機構14は、人体に無害な程度の光強度とされる赤外線レーザ光を検出波として利用したもので、侵入検出手段12は、赤外線の反射波検出用センサ又は撮像素子等を含む検出部24と、信号処理部25を用いて構成される。
上記のように、赤外線レーザ光源15ROは、各色のレーザ光源とともに並列して配され、ここから出射される赤外線又は赤外光は、各色レーザ光と同様に光走査系や投射光学系22を通してスクリーンに向けて照射される。つまり、画像投射装置11からスクリーンに向かう赤外線光の投射領域が上記第二の領域に相当し、例えば、図3の例では、赤外線レーザ光による領域C2が、画像表示用レーザ光の投射領域C1の周辺域に設定される(これは、画像投射時において、高強度の画像表示用レーザ光の照射領域に、視聴者等が侵入する前に検知する必要のためである。)。
尚、赤外線レーザ光の照射については、投射光学系22等を使わずに、図4に示す例のように、スクリーンSCN上の所定範囲に向けて照射する形態でも良い。また、赤外光又は赤外線の光源を用いることで、画像表示への影響をなくすことができるが、上記のように、赤外線レーザ光源を専用光源として装置内に設けない構成形態も可能である。例えば、赤外光又は赤外線のレーザ光源から出力される光を波長変換して画像投射用の光を生成する構成形態において、該レーザ光源を侵入検知用光源として共用することができる。
図7に示す例では、赤外線レーザ光源26の出力光が、SHG(第二高調波発生)素子27によって波長変換されて画像表示用光(緑色レーザ光や青色レーザ光)が得られる。
赤外線レーザ光源26の出力光の一部を、部分反射ミラー等の光学素子28でとり出して侵入検知用の赤外レーザ光として利用することが可能である。尚、波長変換素子には、非線形光学結晶や、周期分極反転構造を有する非線形光学素子等が使用される。
上記レーザ光源15G又は15Bにおいて、赤外線レーザ光源と波長変換素子を備えた構成では、赤外線レーザ光源(既存の光源)を使用できるので、構成の簡素化や低コスト化等に有効である。
尚、レーザ安全の国際規格(IEC60825−1)によると、波長範囲400〜700nm(ナノメートル)が可視光として扱われ、700〜1050nmの波長範囲のレーザ光については、可視光の許容値の「10(0.002・(λ−700))」倍(1050nm以上の波長の光については5倍が上限)に緩和される。例えば、800nm光で可視光の1.6倍、900nm光で2.5倍、1050nm光で5倍の許容値に緩和される。よって、SHG素子を用いて可視光を発生させて画像投射用レーザ光とする構成において、SHG光の発生に用いた基本波レーザの出力光の一部を検知波レーザ光に用いることができ、例えば、波長1064nmのYAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)レーザからSHGにより波長532nmの緑色光を生成する系等が挙げられる。
図6において、侵入検出手段12を構成する検出部24は、スクリーンSCNからの反射波(赤外線又は赤外光)を受光して電気信号に変換した上で後段の信号処理部25に送出する。
信号処理部25は、検出部24からの検出信号を受けて人や物体の侵入に関する判定処理を行う。つまり、上記第二の領域への人や物体の侵入によって検知用光が遮られることを検出するための検出手段を構成しており、赤外線レーザ光源による低強度光を用いた検出画像を取得して上記第二の領域への人や物体の侵入の有無を検知するか、あるいは、上記したように低強度光に係る反射光の戻り時間を計測して上記第二の領域への人や物体の侵入の有無を検知する。そして、信号処理部25による侵入検知の判定結果が出力制御部13に送出される。
出力制御部13は、上記第二の領域への人や物体の侵入が検知された場合に、例えば、電源部23に制御信号を送り、該電源部23から各レーザ光源15R、15G、15Bへの電源供給を遮断するか又は一次元光変調素子17R、17G、17Bの駆動部29に制御信号を送ってそれらの変調動作を停止させるか若しくは変調駆動制御により画像表示用レーザ光の強度を人体に無害なレベルまで低減させる。つまり、下記の形態が挙げられる。
(1)光源出力の制御
(2)光変調素子の駆動制御
(3)(1)及び(2)の併用。
(2)光変調素子の駆動制御
(3)(1)及び(2)の併用。
上記形態(1)では、レーザ光源の出力をゼロにし又は出力を低減させるか、あるいはシャッター等でレーザ光で遮断する方法が挙げられる。また、上記形態(2)では、光変調素子を制御することで描画光の強度を全体的に若しくは部分的に低減するか又は該強度をゼロにする。
上記形態(3)は、(1)と(2)を併用することで、さらに安全性を高めることが可能であり、いずれか一方が機能しなくなった場合等の事態に対処できる。
尚、一次元光変調素子を駆動するために設けられた駆動部29には素子駆動回路等が含まれ、図に「VIDEO」で示す画像信号に応じて各一次元光変調素子に送出される駆動信号により該素子がそれぞれ駆動される(映像信号は図示しない信号処理手段を経て、色差信号からRGBの色信号に変換される。そして、γ(ガンマ)特性等の非線形特性が付与されている場合には、逆補正を行うことで線形特性への変換が行われた後、照明光源の色再現範囲への対応のための色空間変換処理を受ける。)。
光走査制御部30は、光走査部20とともに光走査手段31を構成しており、一次元光変調素子を用いて光を変調することにより得られる一次元画像を走査するための制御を行う。つまり、図中に「SYNC」で示す同期信号に従って制御信号を光走査部20に送出し、その動作(ガルバノミラーの回転)を制御する。
本発明の適用においては、赤外光源に限らず、人体に無害な光強度に設定した可視光レーザ又は可視光LED等を用いることもできる。例えば、画像表示用レーザ光源の出力光を人に無害なレベルに低下させて、上記第二の領域への侵入検知に利用できるが、この場合、スクリーン上にて画像表示領域の外縁への可視光の照射によって、うっすらと光る部分生じる。つまり、当該部分に関して人の眼に認知されることが、用途によっては問題とになる場合において、侵入検知用の可視光を選択的に吸収する手段又は光吸収率の高い素材を、スクリーン上の画像表示範囲の周囲に設けることが好ましい。例えば、検知波である可視光が照射されるスクリーン領域において、全可視光を吸収したい場合は、ネル、ビロード素材等の黒布を用いる。また、単一スペクトル、若しくは非常に狭いスペクトル帯域の光を検知波に使う場合は、該検知波の波長に合わせて設計した無反射コートパネル(薄膜層厚を検知波光の波長に合わせて設計し波長選択吸収特性を持たせたパネル)を用いる。
可視光を検知波として用いる長所は、上記第二の領域に侵入した人が直接投射光を眼に入れた場合(この場合、眼には無害な程度の光強度であり、人体に害はない。)、瞬き等の生理的防御反応が起こり、従って、瞬間的に眼を閉じさせることができることである。即ち、可視光の検出手段(センサ)による侵入検知結果に基づく安全機構に加えて、眼の防御反応を利用した二重の安全対策が講じられ、レーザ光被爆からの防御を確実に行うことができる。
可視光の検出部24には、例えば、二次元検出波センサ(エリアイメージセンサ等)が用いられ、スクリーンSCNからの反射光を検出し得る位置に設置される。そして、検出部を含む侵入検出手段12によって該反射光の強度を常時監視する(モニタリング)。上記第二の領域への人等の侵入が検知された場合(反射波の強度に変化があったとき等)には、出力制御部13によって、例えば、上記各色レーザ光源の信号変調出力が遮断されて、映像表示が中断される。
以上のようなレーザプロジェクタ装置では、検出波の投射領域(例えば、検出波源からすスクリーン上の投射範囲に向かう四角錐内)に視聴者や障害物等が侵入すると、検出波が部分的に遮られることになり、検出部24に入力される反射波の強度が低下する。すると、該反射波の強度減少により人体や物体の侵入が検知され、直ちにその情報が出力制御部13に通知される結果、各色レーザ光源の光出力が遮断されてレーザ光の投射が停止される。従って、視聴者が不用意にレーザ光の投射領域に侵入したとしても、該視聴者が画像表示用レーザ光に爆されることはない。
可視光を検知波として用いる構成形態において、一次元光変調素子を用いて変調された一次元像を光走査手段31によって走査して二次元像を形成する場合には、該光走査手段の過走査(オーバースキャン)によって画像表示範囲の隣接範囲を上記第二の領域に利用できる(但し、第二の領域では変調制御等により可視光を無害化する。)。つまり、侵入検知用の専用光源が不要であるため、構成の簡素化に好適である。
図8はスクリーン上の表示例とともに、水平走査位置に対する光走査信号(ガルバノミラーの振り角に相当する。)及び光強度分布を概略的に示したものであり、「G1」に示す範囲が画像表示範囲を示し、その左右両脇に隣接する範囲「G2」、「G2」が上記した低強度領域に相当する。
「VL」で示す縦線は、ある時点で画面上に投影された一次元像を表しており、光走査手段31の過走査を行うことで形成される範囲G2、G2にて人体に無害な低強度光を用いる。
画像表示範囲G1以外の範囲を含む照射領域を上記第二の領域として利用することができ、人体に無害化された可視光を用いて該領域への侵入検知を行い、G1へ向かう照射光を遮断したり、無害化することで安全対策を講じることができる。
尚、過走査によって画像表示範囲の外側領域(本例ではG2)が照射されることによる画像表示への影響(画像コントラストの低下等)を排除するには、該外側領域に照射される光に対して、上記と同様に光吸収率の高い素材等を該画像表示範囲の周囲(該外側領域を含む。)に配置することが好ましい。
侵入検知用光の投射領域(G2を含む。)の設定幅については、侵入速度「v」と、画像表示用光の遮断や無害化にかかる処理時間「t」との積「v・t」を越える幅をとっておく必要があり、侵入検知時に人体や物体が危険領域内に立ち入る前にレーザ光の遮断又は無害化の実行が保証される。
尚、図8の例において、スクリーン下部からの侵入に対処するには、例えば、図4、図5に示した構成形態とを組み合わせる等の方法があり、1つの方法だけなく複数の方法を用いて安全性を高めることが可能である。
また、スクリーンへの画像表示を開始する場合には、上記第一の領域に向かう照射光の強度を上昇させる必要があるが、その前段階において上記第一の領域内の照射光を人体に無害な低強度光に設定する。そして、上記第二の領域への人や物体の侵入が無いことを検出によって確認した上で、上記第一の領域内の照射光強度を上昇させる。即ち、画像投射光の出力ゼロの状態からその出力をいきなり上げるのではなく、画像表示域での光強度を人体に無害な低強度に設定し、画像投射光の出射位置から画像表示用スクリーンまでの間に人や物体の侵入が無いことを確かめてから、画像表示用レーザの出力を上げる処理手順を、CPU(中央処理装置)及び制御プログラムにより実行される処理として装置に組み込むことが好ましい。
上記に説明した構成によれば、下記に示す各種の利点が得られる。
・レーザ光を走査して画像を表示する構成形態において、人体に安全なレーザ走査画像表示装置の構築が可能であること
・低強度レーザ光の投射領域に人等が侵入したことが検知されたときに、直ちにレーザ光を遮断したり無害化することができ、安全性の高い画像投射方法、画像投射装置を提供することが可能であること
・画像表示域を含む広範囲の監視領域を設定する必要がなく、人や物体の侵入が予想される空間領域内において人体に無害なレベルのレーザ光等を用いて侵入の有無を監視することができること(従来に比べて実質的に監視領域を限定された狭い領域に設定して該領域への侵入検知を行え、大掛かりな装置が不要であり、低コスト化等に寄与する。)
・画像表示用レーザ光を、画像表示域の外側において弱めて人体に無害な低強度光として照射することで侵入検知用レーザ光に利用できること(検知専用の光源が不要となる。)
・侵入検出波に可視光を用いた場合、人の眼の瞬き等の防御反応をレーザ安全対策に用いることができ、侵入検知回路による安全装置と相まって、より安全なレーザ画像表示装置が構築できること(人の眼の生理的な反射である瞬きを誘発して、安全性を高めることができる。)
・侵入検出波に赤外光や赤外線を用いた場合、視聴者等に視認されることがなく、投影される画像に影響を及ぼさないこと及びそれ自体が人体に危険を及ぼさないこと。
・低強度レーザ光の投射領域に人等が侵入したことが検知されたときに、直ちにレーザ光を遮断したり無害化することができ、安全性の高い画像投射方法、画像投射装置を提供することが可能であること
・画像表示域を含む広範囲の監視領域を設定する必要がなく、人や物体の侵入が予想される空間領域内において人体に無害なレベルのレーザ光等を用いて侵入の有無を監視することができること(従来に比べて実質的に監視領域を限定された狭い領域に設定して該領域への侵入検知を行え、大掛かりな装置が不要であり、低コスト化等に寄与する。)
・画像表示用レーザ光を、画像表示域の外側において弱めて人体に無害な低強度光として照射することで侵入検知用レーザ光に利用できること(検知専用の光源が不要となる。)
・侵入検出波に可視光を用いた場合、人の眼の瞬き等の防御反応をレーザ安全対策に用いることができ、侵入検知回路による安全装置と相まって、より安全なレーザ画像表示装置が構築できること(人の眼の生理的な反射である瞬きを誘発して、安全性を高めることができる。)
・侵入検出波に赤外光や赤外線を用いた場合、視聴者等に視認されることがなく、投影される画像に影響を及ぼさないこと及びそれ自体が人体に危険を及ぼさないこと。
1…画像投射装置、12…侵入検出手段、14…安全機構、17…光変調手段、17R、17G、17B…一次元光変調素子、31…光走査手段
Claims (13)
- 照射光を用いて画像の投射表示を行うとともに、画像投射時の照射領域内への人や物体の侵入に対する安全機構を備えた画像投射装置において、
上記照射光の照射領域が、人や物体の侵入経路に沿って光強度の異なる複数の領域に区分されており、
上記複数の領域のうち、人や物体の侵入開始の境界を含む低強度領域において、人体に無害な照射光を用いるとともに、該低強度領域への侵入状態を監視して、該低強度領域への侵入が検出されたときに、上記安全機構により画像投射光の強度を低減させるか又は該画像投射光を遮断することで人体に対して無害化する
ことを特徴とする画像投射装置。 - 請求項1に記載した画像投射装置において、
上記照射光の照射領域が、高強度の光を用いた画像投射用の第一の領域と、該第一の領域への侵入経路途中に位置され、人体に無害な光を用いた第二の領域とを有し、
上記第二の領域への侵入を検出したときに上記第一の領域に係る光の強度を低減させ又は該光を遮断する
ことを特徴とする画像投射装置。 - 請求項2に記載した画像投射装置において、
上記第一の領域への人や物体の侵入時に想定される侵入速度を「v」と記し、上記第二の領域への侵入が検出された時点から、上記安全機構が働くまでの所要時間を「t」と記し、上記第一の領域への侵入前における上記第二の領域内の侵入経路長を「d」と記すとき、「d>v・t」を満たす
ことを特徴とする画像投射装置。 - 請求項2に記載した画像投射装置において、
上記第二の領域への侵入検出に用いられる光源と、
上記光源から発した低強度光が上記第二の領域への人や物体の侵入によって遮られることを検出する検出手段を有する
ことを特徴とする画像投射装置。 - 請求項4に記載の画像投射装置において、
上記光源として赤外光又は赤外線の光源を用いる
ことを特徴とする画像投射装置。 - 請求項5に記載の画像投射装置において、
赤外光又は赤外線のレーザ光源から出力される光を波長変換して上記画像投射光を生成するとともに、該レーザ光源を上記赤外光又は赤外線の光源として共用する
ことを特徴とする画像投射装置。 - 請求項4に記載の画像投射装置において、
上記光源による低強度光を用いた検出画像を取得し又は該低強度光に係る反射光の戻り時間を計測して、上記第二の領域への人や物体の侵入の有無を検知する
ことを特徴とする画像投射装置。 - 請求項4に記載の画像投射装置において、
上記光源として可視光の光源を用いる
ことを特徴とする画像投射装置。 - 請求項8に記載の画像投射装置において、
上記可視光の光源からの光を選択的に吸収する手段又は光吸収率の高い素材を、スクリーン上の画像表示範囲の周囲に設けた
ことを特徴とする画像投射装置。 - 請求項2に記載の画像投射装置において、
高強度光源及びその出射光を画像信号に応じて変調する光変調手段と、該光変調手段により変調された光をスクリーン上に投射する光投射手段と、上記第二の領域への侵入検出手段とを備え、
上記侵入検出手段によって上記第二の領域への侵入が検出された場合に、侵入の状態に応じて、上記高強度光源への供給電力を低減するか若しくは供給電力を遮断し又は上記光変調手段の駆動制御若しくは駆動停止を行うことにより、上記第一の領域に係る光が無害化されるようにした
ことを特徴とする画像投射装置。 - 請求項10に記載した画像投射装置において、
上記光変調手段が一次元光変調素子を有し、該素子によって変調された一次元像を光走査手段によって走査して二次元像を形成するとともに、
画像表示範囲を含む範囲に亘って上記光走査手段の過走査を行い、上記第二の領域として利用される範囲で人体に無害な低強度光を用いる
ことを特徴とする画像投射装置。 - 請求項10に記載した画像投射装置において、
上記光走査手段の過走査時にスクリーン上の画像表示範囲の外側領域に照射される光に対して、該光を選択的に吸収する手段又は光吸収率の高い素材をスクリーンにおける該画像表示範囲の周囲に配置した
ことを特徴とする画像投射装置。 - 請求項2に記載した画像投射装置において、
スクリーンへの画像表示を開始するために照射光の強度を上昇させる前段階で、上記第一の領域内の照射光を人体に無害な低強度光に設定し、上記第二の領域への人や物体の侵入が無いことを検出によって確認した上で、上記第一の領域内の照射光強度を上昇させる
ことを特徴とする画像投射装置。
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