JP2005308602A - 板厚測定装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 簡易な構成により一度に多数カ所(異なる周回位置での設定の径方向の測定箇所)の被測定物1の板厚を精度良く且つスピィーディに測定して効率良く前記被測定物1の板厚の均一化を判断することができ、これにより、秀れた作業性を発揮することができる簡易に製作可能で量産性に秀れた画期的な板厚測定装置を提供することを目的としている。
【解決手段】 板状の被測定物1を回転自在に保持する回転保持部2と、前記被測定物1を挟んで両側から非接触状態にして測定プローブ3Aを近接して夫々の測定プローブ3Aによる静電容量からこの被測定物1の板厚を測定する非接触静電容量センサ3と、前記被測定物1に非接触状態で近接せしめるアース用端部5とを備え、少なくとも前記非接触静電容量センサ3を前記被測定物1の周端側から回転中心方向に移動自在に設け、前記被測定物1を回転しながら若しくは所定角度回転させつつ前記非接触静電容量センサ3を移動させて前記被測定物1の異なる複数の位置での板厚を測定し得るように構成した板厚測定装置。
【選択図】 図5
【解決手段】 板状の被測定物1を回転自在に保持する回転保持部2と、前記被測定物1を挟んで両側から非接触状態にして測定プローブ3Aを近接して夫々の測定プローブ3Aによる静電容量からこの被測定物1の板厚を測定する非接触静電容量センサ3と、前記被測定物1に非接触状態で近接せしめるアース用端部5とを備え、少なくとも前記非接触静電容量センサ3を前記被測定物1の周端側から回転中心方向に移動自在に設け、前記被測定物1を回転しながら若しくは所定角度回転させつつ前記非接触静電容量センサ3を移動させて前記被測定物1の異なる複数の位置での板厚を測定し得るように構成した板厚測定装置。
【選択図】 図5
Description
本発明は、例えばシリコンウェハーなどの板状の被測定物を測定する板厚測定装置に関するものである。
例えば、シリコンウェハーなどの半導体板や金属板などの導体板の板厚を測定する場合は、比較的安価で非接触にして精度良く測定できることから、非接触静電容量センサが用いられている。
この静電容量センサの測定原理は、図1に示すように測定プローブ20と導体21との間の静電容量Cは、ε・S/Dであって、誘電率と対向面積に比例すると共に、間隙Dに反比例することから、εとSとを一定とすれば、静電容量を測定することで間隙Dを測定できることになる。
具体的には例えばDに比例する電圧を求め、それをデジタル変換し内蔵マイコンによりDとして表示するように構成する。
この原理を用い、図2に示すように、被測定物22を挟んでその両側に測定プローブ20を配置すると、被測定物22の板厚tは、Gs−(Ga+Gb)となる。
即ち、二つの測定プローブ20を予め校正された間隙Gsに平行に設定し、この測定プローブ20間に被測定物22を配置して各測定プローブ20によって前記原理に基づいて被測定物22とのギャップGa,Gbを測定することで前記式に基づいて板厚tを測定することができる。
しかし、このような非接触静電容量センサを用いる場合、測定プローブと被測定物とを同電位とする必要があることから、被測定物をアースするためのアース用端部を被測定物に接触させる(アースする)必要がある。
そのため、従来例えば、シリコンウェハーの板厚を測定する場合、ウェハーを傷つけないようにアース用端部を導電性のゴムとしこれを圧接して接触させてアースすると共に、非接触静電容量センサを移動させて数ヵ所の板厚を測定した後、異なる方向(異なるヵ所)の板厚を更に測定する場合、一旦被測定物と導電性ゴムとの圧着を解除して被測定物を移動させて再び圧着させてアースさせた後、非接触静電容量センサを移動させて更に異なる方向での数ヵ所の板厚を測定し、板厚の均一度を測定していた。
従って、非接触静電容量センサを用いることで安価にして精度良く板厚を測定できるものの、被測定物を常にアースしなければならず、特に被測定物が加工済のシリコンウェハーのような場合には、表面を傷付けてはならないことから、アース用端部を導電性ゴムとし、しかもアース用端部を確実に接触させなければならないことから、導電性ゴムの接触面を大きくし、しかも被測定物の両面又は片面からバキューム構造によって挟持圧着させる必要がある。そのため、均一性を知るために多数ヵ所の板厚を測定する場合は、いちいちこのバキュームを解除してスライドさせてアース用端部から逃した後向きを変えて再びこのアース用端部間にスライド挿入して再びバキュームに圧着してアースしなければならず、作業効率が極めて劣るという問題があった。
また、バキューム圧着のため被測定物とアース用端部の導電性ゴムとの密着不良等により測定誤差の問題も生じ得る。
また、前述のようにたとえアース接触をできる限り小さくしてできたとしても被測定物は固定し非接触静電容量センサを被測定物に対して径方向のみならず周回方向に精度良く移動制御できるように構成することは非常に困難であり、コスト高となる。
一方、被測定物をアースせず測定した場合、被測定物の測定誤差は極め大きく実用化は難しい。
そこで、本発明は、被測定物を回動自在に保持して被測定物を回転させながら若しくは割り出し回転させつつ非接触静電容量センサを径方向に移動させて多数ヵ所の板厚を精度良く測定でき、効率良く被測定物の板厚の均一化を判断でき、しかも接触アースはしないものの、近接させることで測定誤差はほとんど生じず測定することができる。従って前述のように被測定物を回転しながら若しくは遂次割り出し回転させつつセット変えを行なうことなく一度に多数ヵ所(異なる周回位置での設定の径方向の測定箇所)での板厚を極めて効率良く十分な制度で測定可能となり簡易に製作可能で量産性に秀れた画期的な板厚測定装置を提供することを目的としている。
添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。
板状の被測定物1を回転自在に保持する回転保持部2と、前記被測定物1を挟んで両側から非接触状態にして測定プローブ3Aを近接して夫々の測定プローブ3Aによる静電容量からこの被測定物1の板厚を測定する非接触静電容量センサ3と、前記被測定物1に非接触状態で近接せしめるアース用端部5とを備え、少なくとも前記非接触静電容量センサ3を前記被測定物1の周端側から回転中心方向に移動自在に設け、前記被測定物1を回転しながら若しくは所定角度回転させつつ前記非接触静電容量センサ3を移動させて前記被測定物1の異なる複数の位置での板厚を測定し得るように構成したことを特徴とする板厚測定装置に係るものである。
また、前記被測定物1に接触することでアースする前記アース用端部5を、前記被測定物1に接触させず測定可能となる距離まで近接させた状態に配設して、前記被測定物1が測定時においても回転自在となるように構成したことを特徴とする請求項1記載の板厚測定装置に係るものである。
また、前記回転保持部2を複数備え、この複数の回転保持部2には円形板状の被測定物1の周縁に係合してこの被測定物1を回転自在に保持するローラ体10を設け、この複数の回転保持部2に設けたローラ体10のうち少なくとも一のローラ体10を前記被測定物1に対して接離可能に設けると共に、前記被測定物1に対して弾圧当接したことを特徴とする請求項1,2のいずれか1項に記載の板厚測定装置に係るものある。
本発明は上述のように構成したから、簡易な構成により一度に多数カ所(異なる周回位置での設定の径方向の測定箇所)の被測定物の板厚を精度良く且つスピィーディに測定して効率良く前記被測定物の板厚の均一化を判断することができ、これにより、秀れた作業性を発揮することができる簡易に製作可能で量産性に秀れた画期的な板厚測定装置となる。
即ち、アース用端部を接触させずとも近接させることで測定誤差をほとんど生じずに板厚の測定を行うことができ、これにより、回転保持部により板状の被測定物を回転しながら若しくは所定角度回転させつつ、被測定物の周端側から回転中心方向に前記非接触静電容量センサを移動させて異なる複数の位置で前記被測定物の板厚を測定することができる画期的な板厚測定装置となる。
また、請求項3記載の発明においては、例えば被測定物の径自体に誤差があったとしても、被測定物に対して接離可能なローラ体によって前記被測定物を適度な弾圧当接によって係合保持してローラ体によって被測定物を安定して回転させて精度良く板厚を測定することができる画期的な板厚測定装置となる。
好適と考える本発明の実施形態(発明をどのように実施するか)を、図面に基づいて本発明の作用を示して簡単に説明する。
本発明は、被測定物1にアース用端部5を接触させず非接触状態で近接せしめ、この状態で非接触静電容量センサ3により被測定物1の板厚を精度良く測定することができる。
即ち、被測定物1を挟んで両側から非接触状態にして測定プローブ3Aを取り付けた非接触静電容量センサ3により、被測定物1を回転させつつ若しくは所定角度回転させつつこの被測定物1の板厚を測定できることとなる。
即ち、本発明は、アース用端部5を接触させずとも近接させることで誤差をほとんど生じずに板厚の測定を行うことができることで、回転保持部2により板状の被測定物1を回転しながら若しくは所定角度回転させつつ、被測定物1の周端側から回転中心方向に前記非接触静電容量センサ3を移動させて異なる複数の位置で前記被測定物1の板厚を測定できることとなる。
例えば、回転保持部2により一方向に回転する板状の被測定物1に対し、この被測定物1の周端から回転中心方向に非接触静電容量センサ3を徐々に移動させつつ測定プローブ3Aを介して被測定物1の板厚を測定することで、この被測定物1の回転方向且つ径方向の複数の部位の板厚を測定でき、これにより、被測定物1の板厚を満遍なく精度良く測定できることとなる。
これにより、本発明は、例えば被測定物にアース用端部を圧着接触させてアースしつつ板厚を測定する場合のような、異なる方向(異なるカ所)の板厚を更に測定するために、一旦被測定物と導電性ゴムとの圧着を解除して被測定物を移動させて再び圧着させてアースさせるといった手間をかけずに効率良く被測定物の板厚の均一化を判断できることとなる。
また、本発明は、前述のように、被測定物1にアース用端部5を接触させずに板厚を測定できることで、例えば従来のような導電性ゴムのアース用端部を設ける必要がなく、また、前記アース用端部にこのアース用端部を被測定物に圧着させるための機構(例えば挟持機構やバキューム機構等)を設ける必要もないことから、アース用端部5を簡易な構成で容易且つコスト安に形成できることとなる。
従って、本発明は、簡易な構成により一度に多数カ所(異なる周回位置での設定の径方向の測定箇所)の被測定物1の板厚を精度良く且つスピィーディに測定して効率良く前記被測定物1の板厚の均一化を判断することができ、これにより、秀れた作業性を発揮することができる簡易に製作可能で量産性に秀れた画期的な板厚測定装置となる。
また、例えば、前記回転保持部2を複数備え、この複数の回転保持部2には円形板状の被測定物1の周縁に係合してこの被測定物1を回転自在に保持するローラ体10を設け、この複数の回転保持部2に設けたローラ体10のうち少なくとも一のローラ体10を前記被測定物1に対して接離可能に設けると共に、前記被測定物1に対して弾圧当接すれば、前記被測定物1の径自体に誤差があったとしても、被測定物1に対して接離可能のローラ体10によって前記被測定物1を適度な弾圧当接によって係合保持してローラ体10によって被測定物1を回転できることとなるなど、一層実用的となる。
本発明の具体的な実施例について図面に基づいて説明する。
本実施例は、被測定物1である円形状のウェハー1を回転自在に保持する回転保持部2と、前記ウェハー1を挟んで両側から非接触状態にして測定プローブ3Aを近接して夫々の測定プローブ3Aによる静電容量からこのウェハー1の板厚を測定する非接触静電容量センサ3と、前記ウェハー1に非接触状態で近接せしめるアース用端部5とを備え、少なくとも前記非接触静電容量センサ3を前記ウェハー1の周端側から回転中心方向に移動自在に設け、前記ウェハー1を回転しながら若しくは所定角度回転させつつ前記非接触静電容量センサ3を移動させて前記ウェハー1の異なる複数の位置での板厚を測定し得るように構成した板厚測定装置に関するものである。
本実施例の板厚測定装置は、図3,図4に示すように、基体6に載置したマシンベース7上に回転保持部2を設け、この基体6のマシンベース7近傍にはウェハー1を複数枚多段状態で収納配設したウェハー収納体8を設け、このウェハー収納体8からウェハー1を回転保持部2に取り出し搬出及び回転保持部2からウェハー1をウェハー収納体8に差し込み搬入する搬出入アーム9を設け、前記マシンベース7上に非接触静電容量センサ3を前記回転保持部2に保持したウェハー1の周端部から回転中心方向にスライド移動自在に設けた構成としている。
回転保持部2は、ウェハー1を回転自在に支承保持するローラ体10,30を設けて成る構成としている。
具体的には、図5に示すように、マシンベース7に付設されるガイド部11にローラ支持体12をスライド移動自在に設け、このローラ支持体12に前記ローラ体10,30を設け、このローラ体10,30にウェハー1を回転自在に支承する構成としている。
更に具体的には、図4,図5に示すように、マシンベース7上にガイド部11を三箇所、各々の一端部を回転中心方向に向けて、周方向に略等間隔に配設し、これら各々のガイド部11に前記ローラ支持体12を配設することで、前記回転保持部2を三箇所配設した構成としている。
また、ローラ体10,30は、ローラ支持体12に複数配設された構成としている。
即ち、図5に示すように、ローラ支持体12の巾方向中央位置に中央ローラ体10を設け、この中央ローラ体10の左右に左右ローラ体30を設けた構成としている。
このうち左右ローラ体30は、係合するウェハー1に対して接離可能に設けると共に、このウェハー1の周縁に弾圧当接するように回転中心方向に向けて付勢された構成としている。
左右ローラ30をウェハー1に対して弾圧状態で係合当接し得るように設けたのは、ウェハー1をガタつくことなく安定して回転保持してウェハー1の板厚をより精度良く測定できるようにするためである。
また、三箇所の回転保持部2のうち一カ所の回転保持部2の中央ローラ体10を前記ウェハー1に対して接離可能に設けると共に、前記ローラ体10をウェハー1に対して弾圧当接する構成としている。即ち、残り二箇所の回転保持部2の中央ローラ体10をローラ支持体12に固定状態で設けた構成としている。
尚、中央ローラ体10をローラ支持体12に固定状態で設けたとは、ローラ支持体12にローラ体を回転自在に設けた状態をいう。
三箇所ある中央ローラ体10のうち、一箇所の中央ローラ10を接離可能とし、残り二箇所の中央ローラ10を固定状態としたのは、ウェハー1の径に誤差があった場合に、この誤差を許容してウェハー1の中心を回転中心位置に容易に位置決めできるようにするためである。
即ち、例えば、三箇所全ての中央ローラ体10をローラ支持体12に固定状態で設けると、ローラ支持体12を、測定毎にローラ体10,30をウェハー1の周縁に係合し得るように予め設定した位置で停止した際、ウェハー1自体の径に誤差があった場合にこの誤差によってウェハー1がガタついたり、ローラ体10によって強く押圧されて破損してしまうなどの懸念が生じる。
一方、例えば、二箇所以上の中央ローラ体10をウェハー1に対して接離可能とすると、ローラ支持体12に対して固定状態のローラ体10が一箇所のみとなり、これにより、三箇所の回転保持部2によってウェハー1を保持してもウェハー1が位置ズレし易く、即ち、ウェハー1の中心と回転中心位置とに位置ズレが生じ易くなって、板厚の測定に誤差が生じ易くなってしまうなどの懸念が生じる。
この点、本実施例は、三箇所の中央ローラ10のうち二箇所を固定状態として一箇所のみをウェハー1に対して接離可能とすることで、ウェハー1の径自体に誤差のある場合でも、接離可能な中央ローラ10によりウェハー1の周縁に良好に弾圧当接することができ、また、固定状態の二箇所の中央ローラ10によってウェハー1を安定して保持できるため、容易に位置決めでき、且つ板厚の測定を精度良く行えることとなる。
例えば、ウェハー1の径に誤差があるためウェハー1の中心と回転中心位置とにズレが生じた場合に、固定状態の二箇所の中央ローラ体10でウェハー1を安定して支持して適宜移動させることが可能となり(この際、残りの中央ローラ体も当然ながらウェハー1を支承している。)、これにより、容易且つ安定して前記位置ズレを修正することができる。尚、この場合に固定状態のローラが一箇所の場合には残りの接離可能の中央ローラ体10によってウェハー1が位置ズレを起こし易くなり、回転時には一層位置ズレが生じ易くなる。
前記接離可能の中央ローラ体10は、ローラ支持体12に付勢スライド機構25を設け、この付勢スライド機構25に中央ローラ体10を設けた構成としている。
具体的には、図7に示すように、ローラ支持体12に弾性体26(例えばスプリング26)の一端部を係止し、この弾性体26の他端部をローラ支持体12に対してスライド自在に設けたスライド基台27に係止し、これにより、このスライド基台27をローラ支承体12に対して回転中心方向に付勢するように係止し、このスライド基台27に突設した軸部28に中央ローラ体10を回転自在に設けた構成としている。
これにより、ウェハー1の径自体に誤差がある場合であっても、スライド基台27と共にスライド自在な中央ローラ体10によってウェハー1の周縁に良好に弾圧当接できることとなる。
また、ローラ体10,30は、図6に示すように、側方から見て下部の径大部10A,30Aと上部の径小部10B,30Bとの間にくびれ部10C,30Cを設けた形状に形成している。
即ち、くびれ部10C,30Cにウェハー1の縁を係合させた状態でローラ体10,30を回転させることでウェハー1を回転し得る構成としている。
尚、本実施例では、三箇所ある中央ローラ体10のうち一箇所をウェハー1に対して接離自在に設けることでウェハー1の径の誤差に対応し得る構成としたが、三箇所ある中央ローラ体10を全てローラ支持体12に固定状態とし、うち一箇所の中央ローラ体10を弾性を有する素材で形成することで、前述の接離自在の中央ローラ体10を設けた場合と同様の作用効果を発揮し得るように構成しても良い。
非接触静電容量センサ3は、前記回転保持部2により回転保持するウェハー1の周端部から回転中心方向に移動可能に設けた非接触静電容量センサテーブル4と、この非接触静電容量センサテーブル4の先端部に上下方向に所定間隔を置いて対向配設した測定プローブ3Aとにより構成している。
具体的には、非接触静電容量センサテーブル4には側方から見て長さ方向にウェハー1を挿入可能な挿入溝(図示省略)を形成し、この挿入溝にウェハー1を挿入させつつ非接触静電容量センサ3(測定プローブ3A)を前記ウェハー1の周端部から回転中心方向に移動し得る構成としている。
前記回転保持部2の先端部には、この回転保持部2により回転保持するウェハー1に非接触状態で近接せしめるアース用端部5を設けた構成としている。
即ち、このアース用端部5は、ウェハー1に接触させず測定可能となる距離まで近接させた状態に配設して、前記ウェハー1が測定時においても回転自在となるように構成している。
具体的には、このアース用端部5は、ローラ体10に回転保持されるウェハー1の下面に非接触状態にして近接するように前記回転保持部2に突設した構成としている。
更に具体的には、アース用端部5は、図6に示すように、回転保持部2を構成するローラ支持体12の先端部に、ウェハー1の回転中心方向に向けて突設した構成としている。
本実施例では、アース用端部5は、図5に示すように、所定の面積を有する板状に形成した構成としている。尚、本実施例では、アース用端部5を板状に形成したが、アースを取ることができれば、例えば棒状でも線状でも良い。
また、このアース用端部5は、アルミニウム製若しくはステンレス製としている。
尚、アルミニウム若しくはステンレス以外であっても、アースを良好にとることができる素材であれば適宜採用しても良い。
また、板状のアース用端部5の表面とウェハー1の下面との近接距離について更に述べれば、前記近接距離は、ウェハー1の材質(導電率),厚さ,面積によって適宜設定する。
例えば、ウェハー1の面積が大きい場合には前記近接距離を大きく設定し、ウェハー1の面積が小さい場合には前記近接距離を小さく設定することで、ウェハー1の板厚を精度良く測定することができる。
また、この近接距離の調整は、回転保持部2に対して突設するアース用端部5の突設度合いを調整することで行う。
即ち、回転保持部2に対して異なる突出度合いのアース用端部5を取り替え可能に構成することで、測定するウェハー1に応じた適宜位置にアース用端部5を近接し得る構成としている。
尚、前記近接距離の調整は、異なる突出度合い、即ち、異なる長さのアース用端部5をローラ支持体12に適宜付設する以外にも、ローラ体10をローラ支持体12に対して高さ調整可能に構成し、このローラ支持体12に対するローラ体10の配設位置を調整することで行っても良い。
前記搬出入アーム9は、図3,図4に示すように、水平方向及び上下方向に移動自在に基体6に設けて前記ウェハー収納体8から適宜ウェハー1を取り出して回転保持部2に載置し、測定後、このウェハー1をウェハー収納体8に収納できるように構成している。
具体的には、この搬出入アーム9はウェハー1の下面を支持してこのウェハー1を持ち上げ移動し得る構成とし、更にこの移動の際にウェハー1が位置ずれを起こしたり搬出入アーム9から落下してしまうことを阻止するために、搬出入アーム9の表面に吸入孔(図示省略)を複数設け、この吸入孔から吸引路14を介してウェハー1を吸引支持固定できる構成としている。
尚、符号16は操作盤,符号17はディスプレイ,符号18はシグナルタワーである。
次に、ウェハー1の板厚の測定手順について説明する。
先ず、ウェハー収納体8からウェハー1を搬出入アーム9により取り出し搬出し、このウェハー1を所定の回転位置で静止する。
次いで、ローラ支持体12をガイド部11に沿って回転中心方向にスライドさせてローラ体10,30のくびれ部10C,30Cにウェハー1の縁を係合させ、ウェハー1から搬出入アーム9を離反する。
次いで、ローラ体10,30を回転させてウェハー1を回転させる。
次いで、非接触静電容量センサ3の測定プローブ3Aをウェハー1の周端部から回転中心方向にスライド移動させつつ、ウェハー1の板厚の測定を行う(図8,図9参照)。
次いで、板厚測定後、ローラ体10,30の回転を停止してウェハー1を静止し、ウェハー1の下面を搬出入アーム9で支持した状態で、ローラ支持体12を外方へ離反して前記搬出入アーム9により、ウェハー1をウェハー収納体8に収納する。
尚、板厚の測定は、ウェハー1を割り出し回転させながら行っても良い。この場合には、例えばウェハー1の周端部から回転中心方向に一直線状で板厚を測定することが可能となる。
尚、本実施例の測定において、仮に測定数値に誤差が生じた場合、適宜な補正手段により前記測定数値を補正しても良い。例えば非接触静電容量センサの数値を自動補正する補正機構(補正プログラム等)を本実施例の板厚測定装置に備え、この補正機構によって誤差を補正しても良い。
以上、本実施例は、ウェハー1を回動自在に保持してウェハー1を回転させながら若しくは割り出し回転させつつ非接触静電容量センサ3を径方向に移動させて多数ヵ所の板厚を精度良く測定でき、効率良くウェハー1の板厚の均一化を判断でき、しかも接触アースはしないものの、近接させることで測定誤差はほとんど生じず、従って前述のようにウェハー1を回転しながら若しくは遂次割り出し回転させつつセット変えを行なうことなく一度に多数ヵ所(異なる周回位置での設定の径方向の測定箇所)での板厚を極めて効率良く十分な制度で測定可能となり簡易に製作可能で量産性に秀れた画期的な板厚測定装置となる。
尚、本発明は、本実施例に限られるものではなく、各構成要件の具体的構成は適宜設計し得るものである。
1 被測定物(ウェハー)
2 回転保持部
3 非接触静電容量センサ
3A 測定プローブ
5 アース用端部
10 ローラ体
2 回転保持部
3 非接触静電容量センサ
3A 測定プローブ
5 アース用端部
10 ローラ体
Claims (3)
- 板状の被測定物を回転自在に保持する回転保持部と、前記被測定物を挟んで両側から非接触状態にして測定プローブを近接して夫々の測定プローブによる静電容量からこの被測定物の板厚を測定する非接触静電容量センサと、前記被測定物に非接触状態で近接せしめるアース用端部とを備え、少なくとも前記非接触静電容量センサを前記被測定物の周端側から回転中心方向に移動自在に設け、前記被測定物を回転しながら若しくは所定角度回転させつつ前記非接触静電容量センサを移動させて前記被測定物の異なる複数の位置での板厚を測定し得るように構成したことを特徴とする板厚測定装置。
- 前記被測定物に接触することでアースする前記アース用端部を、前記被測定物に接触させず測定可能となる距離まで近接させた状態に配設して、前記被測定物が測定時においても回転自在となるように構成したことを特徴とする請求項1記載の板厚測定装置。
- 前記回転保持部を複数備え、この複数の回転保持部には円形板状の被測定物の周縁に係合してこの被測定物を回転自在に保持するローラ体を設け、この複数の回転保持部に設けたローラ体のうち少なくとも一のローラ体を前記被測定物に対して接離可能に設けると共に、前記被測定物に対して弾圧当接したことを特徴とする請求項1,2のいずれか1項に記載の板厚測定装置。
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2004
- 2004-04-23 JP JP2004127627A patent/JP2005308602A/ja active Pending
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