JP2005307763A - 可変容量型斜板式圧縮機及び可変容量型斜板式圧縮機の吐出容量制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】吐出容量の可変時において高い応答性を示すとともに、給気通路及び通気通路の途中に備えられる電磁弁に対し、比較的簡単であって同時に適切な開閉制御を行なうことができる可変容量型斜板式圧縮機及び可変容量型圧縮機の吐出容量制御方法の提供にある。
【解決手段】低圧の圧縮性流体を吸入する吸入室14aと、圧縮性流体を圧縮する作動室31と、高圧の圧縮性流体を吐出する吐出室14bと、回転軸18とともに回転可能とする斜板23を収容するクランク室17と、クランク室17と吐出室14bを連絡する給気通路41と、吸入室14aとクランク室17を連絡する抽気通路43とを備えるとともに、給気通路41の途中に備えられる給気側電磁弁40と、抽気通路43の途中に備えられる抽気側電磁弁42と、共通のデューティ制御により給気側電磁弁40及び抽気側電磁弁42の開閉を同時に行なう駆動回路44とを備えた。
【選択図】 図1
【解決手段】低圧の圧縮性流体を吸入する吸入室14aと、圧縮性流体を圧縮する作動室31と、高圧の圧縮性流体を吐出する吐出室14bと、回転軸18とともに回転可能とする斜板23を収容するクランク室17と、クランク室17と吐出室14bを連絡する給気通路41と、吸入室14aとクランク室17を連絡する抽気通路43とを備えるとともに、給気通路41の途中に備えられる給気側電磁弁40と、抽気通路43の途中に備えられる抽気側電磁弁42と、共通のデューティ制御により給気側電磁弁40及び抽気側電磁弁42の開閉を同時に行なう駆動回路44とを備えた。
【選択図】 図1
Description
この発明は、吐出容量を可変制御することができる可変容量型斜板式圧縮機及び可変容量型斜板式圧縮機の吐出容量制御方法に関する。
一般的に、車両用空調装置等に用いられる圧縮機として、吐出容量を可変制御することができる可変容量型斜板式圧縮機(以下、単に「圧縮機」と呼ぶ)が知られている。
例えば、特開平2−70984号公報に記載された圧縮機では、外部から低圧の圧縮性流体を吸入する吸入室(吸込室21)と、圧縮性流体を圧縮する作動室(圧縮室24)と、圧縮された高圧の圧縮性流体を吐出する吐出室(排出室22)と、回転軸とともに回転可能とする斜板を収容するクランク室(斜板室17)と、クランク室を吐出室を連絡する給気通路(接続通路36)と、吸入室とクランク室とを連絡する抽気通路(接続通路37)とを備えており、給気通路の途中には給気側電磁弁(電磁弁38)が、また。抽気通路の途中には抽気側電磁弁(電磁弁39)が備えられ、両電磁弁の開閉を制御する駆動回路(調整器42)が備えられている。
例えば、特開平2−70984号公報に記載された圧縮機では、外部から低圧の圧縮性流体を吸入する吸入室(吸込室21)と、圧縮性流体を圧縮する作動室(圧縮室24)と、圧縮された高圧の圧縮性流体を吐出する吐出室(排出室22)と、回転軸とともに回転可能とする斜板を収容するクランク室(斜板室17)と、クランク室を吐出室を連絡する給気通路(接続通路36)と、吸入室とクランク室とを連絡する抽気通路(接続通路37)とを備えており、給気通路の途中には給気側電磁弁(電磁弁38)が、また。抽気通路の途中には抽気側電磁弁(電磁弁39)が備えられ、両電磁弁の開閉を制御する駆動回路(調整器42)が備えられている。
そして、例えば、車両の室内温度が上がると抽気側電磁弁に通電されて抽気通路が連通され、クランク室から吸入室への圧縮性流体が導出され、これによりクランク室内の圧力が低下し、回転軸の軸芯と直交する面に対する斜板の傾斜角度が大きくなり圧縮機の吐出容量が増大する。
一方、室内温度が十分に下がると給気側電磁弁に通電されて給気通路が連通され、吐出室からクランク室へ圧縮性流体が導入され、これによりクランク室内の圧力が上昇し、斜板の傾斜角度が小さくなり圧縮機の吐出容量は減少する。
なお、この圧縮機における両電磁弁はいずれも通電を受けない場合には、各通路を閉鎖する電磁弁となっており、これらの電磁弁を開閉制御することによりクランク室の圧力を変動させ、圧縮機の吐出容量を可変制御するとしている。
特開平2−70984号公報(第2−3頁、図1−図2)
一方、室内温度が十分に下がると給気側電磁弁に通電されて給気通路が連通され、吐出室からクランク室へ圧縮性流体が導入され、これによりクランク室内の圧力が上昇し、斜板の傾斜角度が小さくなり圧縮機の吐出容量は減少する。
なお、この圧縮機における両電磁弁はいずれも通電を受けない場合には、各通路を閉鎖する電磁弁となっており、これらの電磁弁を開閉制御することによりクランク室の圧力を変動させ、圧縮機の吐出容量を可変制御するとしている。
しかしながら、従来の圧縮機では、給気側電磁弁及び抽気側電磁弁を駆動回路により制御するものの、駆動回路は各電磁弁を独立して開閉制御している。
吐出容量の可変時における圧縮機の応答性を高めるためには、給気側電磁弁に対する開閉制御と、抽気側電磁弁に対する開閉制御という複数の開閉制御を実施することになるが、両電磁弁の適切な開閉制御を図る場合、複数の開閉制御の間での調整が必要となる。
ところが、こうした複数の制御の間での調整は困難であり、また、駆動回路により複数の開閉制御を適切に行なうことは駆動回路の複雑化を招くおそれがある。
吐出容量の可変時における圧縮機の応答性を高めるためには、給気側電磁弁に対する開閉制御と、抽気側電磁弁に対する開閉制御という複数の開閉制御を実施することになるが、両電磁弁の適切な開閉制御を図る場合、複数の開閉制御の間での調整が必要となる。
ところが、こうした複数の制御の間での調整は困難であり、また、駆動回路により複数の開閉制御を適切に行なうことは駆動回路の複雑化を招くおそれがある。
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたもので、本発明の目的は、吐出容量の可変時において高い応答性を示すとともに、給気通路及び通気通路の途中に備えられる電磁弁に対し、比較的簡単であって同時に適切な開閉制御を行なうことができる可変容量型斜板式圧縮機及び可変容量型圧縮機の吐出容量制御方法の提供にある。
上記課題を達成するため、請求項1記載の発明は、外部から低圧の圧縮性流体を吸入する吸入室と、前記圧縮性流体を圧縮する作動室と、圧縮された高圧の前記圧縮性流体を吐出する吐出室と、回転軸とともに回転可能とする斜板を収容するクランク室と、前記クランク室と前記吐出室を連絡する給気通路と、前記吸入室と前記クランク室を連絡する抽気通路とを備え、前記クランク室の圧力変動に基づき吐出容量を可変とする可変容量型斜板式圧縮機において、前記給気通路の途中に備えられる給気側電磁弁と、前記抽気通路の途中に備えられる抽気側電磁弁と、共通のデューティ制御により前記給気側電磁弁及び前記抽気側電磁弁を同時に開閉制御する駆動回路とを備えたことを特徴とする。
請求項1記載の発明によれば、吐出容量の可変時において給気側電磁弁と抽気側電磁弁は、駆動回路からの共通のデューティー制御により同時に開閉制御されるが、共通のデューティー制御により一方の電磁弁の開閉の条件が決定されることにより他方の開閉の条件が直ちに決定される。
従って、圧縮機は吐出容量の可変時において高い応答性を示すとともに、給気通路及び通気通路の途中に備えられる電磁弁に対し、比較的簡単であって同時に適切な開閉制御を行なうことができる。
従って、圧縮機は吐出容量の可変時において高い応答性を示すとともに、給気通路及び通気通路の途中に備えられる電磁弁に対し、比較的簡単であって同時に適切な開閉制御を行なうことができる。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の可変容量型斜板式圧縮機において、前記給気側電磁弁は通電時において閉弁するノーマルオープン型の電磁弁であり、前記抽気側電磁弁は通電時において開弁するノーマルクローズ型の電磁弁であることを特徴とする。
請求項2記載の発明によれば、両電磁弁に対する通電の有無により、各電磁弁の開弁又は閉弁が決定されることから、一つのデューティー比に基づくデューティー制御により両電磁弁の開閉制御が行なわれ、吐出容量の増大又は減少を簡単に実施することができる。
請求項2記載の発明によれば、両電磁弁に対する通電の有無により、各電磁弁の開弁又は閉弁が決定されることから、一つのデューティー比に基づくデューティー制御により両電磁弁の開閉制御が行なわれ、吐出容量の増大又は減少を簡単に実施することができる。
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の可変容量型斜板式圧縮機において、前記抽気側電磁弁は固定絞り又は閉弁時に前記抽気通路を連通する閉弁時連通路を有することを特徴とする。
請求項3記載の発明によれば、抽気側電磁弁が固定絞り又は閉弁時連通路を有することから、圧縮機を吐出容量を最小で運転する場合であっても固定絞り又は閉弁時連通路により圧縮性流体の圧縮機における内部循環が可能となり、圧縮性流体に含まれる潤滑油を圧縮機の各部に供給することができる。
請求項3記載の発明によれば、抽気側電磁弁が固定絞り又は閉弁時連通路を有することから、圧縮機を吐出容量を最小で運転する場合であっても固定絞り又は閉弁時連通路により圧縮性流体の圧縮機における内部循環が可能となり、圧縮性流体に含まれる潤滑油を圧縮機の各部に供給することができる。
請求項4記載の発明は、請求項1又は2記載の可変容量型斜板式圧縮機において、前記吸入室と前記クランク室を直通する抽気直通路が形成されることを特徴とする。
請求項4記載の発明によれば、圧縮機を吐出容量を最小で運転する場合であっても、吸入室とクランク室を直通する抽気直通路を通じて圧縮性流体の圧縮機における内部循環が可能となり、圧縮性流体に含まれる潤滑油を圧縮機の各部に供給することができる。
請求項4記載の発明によれば、圧縮機を吐出容量を最小で運転する場合であっても、吸入室とクランク室を直通する抽気直通路を通じて圧縮性流体の圧縮機における内部循環が可能となり、圧縮性流体に含まれる潤滑油を圧縮機の各部に供給することができる。
請求項5記載の発明は、外部から低圧の圧縮性流体を吸入する吸入室と、前記圧縮性流体を圧縮する作動室と、圧縮された高圧の前記圧縮性流体を吐出する吐出室と、回転軸とともに回転可能とする斜板を収容するクランク室と、前記クランク室と前記吐出室を連絡する給気通路と、前記吸入室と前記クランク室を連絡する抽気通路とを備え、前記クランク室の圧力変動に基づき吐出容量を可変とする可変容量型斜板式圧縮機の吐出容量制御方法において、共通のデューティ制御により、前記給気通路の途中に備えられた給気側電磁弁の開閉制御と、前記抽気通路の途中に備えられた抽気側電磁弁の開閉制御とを同時に行うことにより、前記給気通路又は前記抽気通路の圧縮性流体を通過又は遮断し、前記クランク室の圧力を変動させることを特徴とする。
請求項5記載の発明によれば、圧縮機は吐出容量の可変時において高い応答性を示すとともに、給気通路及び通気通路の途中に備えられる電磁弁に対し、比較的簡単であって同時に適切な開閉制御を行なうことができる。
この発明によれば、圧縮機は吐出容量の可変時において高い応答性を示すとともに、給気通路及び通気通路の途中に備えられる電磁弁に対し、比較的簡単であって同時に適切な開閉制御を行なうことができる。
(第1の実施形態)
以下、第1の実施形態に係る可変容量型斜板式圧縮機(以下、単に「圧縮機」と呼ぶ)を図1〜図4に基づいて説明する。
この実施形態の圧縮機は、圧縮性流体として冷媒を用いる圧縮機であり、図1においてその一例を示している。
図1に示される圧縮機10は、圧縮機10の外殻であるハウジング11が形成されているが、このハウジング11は、複数のシリンダボア12aが形成されたシリンダブロック12と、そのシリンダブロック12の前部側に接合されるフロントハウジング13と、シリンダブロック12の後部側に接合されるリヤハウジング14とから構成されている。
以下、第1の実施形態に係る可変容量型斜板式圧縮機(以下、単に「圧縮機」と呼ぶ)を図1〜図4に基づいて説明する。
この実施形態の圧縮機は、圧縮性流体として冷媒を用いる圧縮機であり、図1においてその一例を示している。
図1に示される圧縮機10は、圧縮機10の外殻であるハウジング11が形成されているが、このハウジング11は、複数のシリンダボア12aが形成されたシリンダブロック12と、そのシリンダブロック12の前部側に接合されるフロントハウジング13と、シリンダブロック12の後部側に接合されるリヤハウジング14とから構成されている。
この実施形態では、ハウジング11を構成するフロントハウジング13、シリンダブロック12及びリヤハウジング14は、軽量化を図るためにアルミ系金属材料により形成されている。
そして、フロントハウジング13からリヤハウジング14まで通される通しボルト16の前後方向の締め付けにより、フロントハウジング13、シリンダブロック12及びリヤハウジング14が一体的に固定され、ハウジング11が形成される。
そして、フロントハウジング13からリヤハウジング14まで通される通しボルト16の前後方向の締め付けにより、フロントハウジング13、シリンダブロック12及びリヤハウジング14が一体的に固定され、ハウジング11が形成される。
フロントハウジング13には、クランク室17が後部側をシリンダブロック12により閉鎖した状態にて形成されている。
そして、回転自在の駆動軸18がそのクランク室17を中央付近を貫通するように備えられており、この駆動軸18はフロントハウジング13に設けられるラジアル軸受19と、シリンダブロック12に設けられる別のラジアル軸受20により支持されている。
この駆動軸18の前部を支持するラジアル軸受19の前方に、駆動軸18の周面に亘って摺接する軸封機構33が備えられている。
この軸封機構33は、リップシール部材及びリップシール部材を保持する保持金具とから構成され、クランク室17内の冷媒がフロントハウジング13と駆動軸18の間から漏れ出すことを防止するものとなっている。
そして、回転自在の駆動軸18がそのクランク室17を中央付近を貫通するように備えられており、この駆動軸18はフロントハウジング13に設けられるラジアル軸受19と、シリンダブロック12に設けられる別のラジアル軸受20により支持されている。
この駆動軸18の前部を支持するラジアル軸受19の前方に、駆動軸18の周面に亘って摺接する軸封機構33が備えられている。
この軸封機構33は、リップシール部材及びリップシール部材を保持する保持金具とから構成され、クランク室17内の冷媒がフロントハウジング13と駆動軸18の間から漏れ出すことを防止するものとなっている。
この実施形態における駆動軸18の前端には、図示しない動力伝達機構を介して外部駆動源に連結されており、動力伝達機構は外部からの電気制御により動力の伝達又は遮断を選択することができる電磁クラッチ等のクラッチ機構としている。
なお、動力伝達機構はクラッチ機構に限らず、動力を常に伝達することが可能なベルトとプーリーとの組み合わせによるクラッチレス機構を採用してもよい。
なお、動力伝達機構はクラッチ機構に限らず、動力を常に伝達することが可能なベルトとプーリーとの組み合わせによるクラッチレス機構を採用してもよい。
前記クランク室17における駆動軸18には、ラグプレート21が一体回転可能に固着されている。ラグプレート21の後方における駆動軸18には、容量変更機構22を構成する斜板23が、駆動軸18の軸線方向へスライド可能及び傾動可能に支持されている。
斜板23とラグプレート21との間にはヒンジ機構24が介在され、このヒンジ機構24を介して斜板23がラグプレート21および駆動軸18に対して、同期回転可能及び傾動可能に連結されている。
斜板23とラグプレート21との間にはヒンジ機構24が介在され、このヒンジ機構24を介して斜板23がラグプレート21および駆動軸18に対して、同期回転可能及び傾動可能に連結されている。
駆動軸18におけるラグプレート21と斜板23との間にはコイルスプリング25が巻装されているほか、コイルスプリング25の押圧により後方へ付勢される摺動自在の筒状体26が駆動軸18に嵌挿されている。
斜板23は、コイルスプリング25の付勢力を受けた筒状体26により常に後方、すなわち、斜板23の傾斜角度が減少する方向へ向けて押圧される。なお、斜板23の傾斜角度とは、ここでは駆動軸18と直交する面と斜板22の面により成す角度を意味している。
斜板23の前部にはストッパ部23aが突設され、図1に示すように、このストッパ部23aがラグプレート21に当接することにより、斜板23の最大傾斜位置が規制されるようになっている。斜板23の後方における駆動軸18には止め輪27が取り付けられ、この止め輪27の前方においてコイルスプリング28が駆動軸18に巻装されている。
このコイルスプリング28の前部に当接することにより斜板23の最小傾斜位置が規制されるようになっている。
斜板23は、コイルスプリング25の付勢力を受けた筒状体26により常に後方、すなわち、斜板23の傾斜角度が減少する方向へ向けて押圧される。なお、斜板23の傾斜角度とは、ここでは駆動軸18と直交する面と斜板22の面により成す角度を意味している。
斜板23の前部にはストッパ部23aが突設され、図1に示すように、このストッパ部23aがラグプレート21に当接することにより、斜板23の最大傾斜位置が規制されるようになっている。斜板23の後方における駆動軸18には止め輪27が取り付けられ、この止め輪27の前方においてコイルスプリング28が駆動軸18に巻装されている。
このコイルスプリング28の前部に当接することにより斜板23の最小傾斜位置が規制されるようになっている。
前記シリンダブロック12の各シリンダボア12aには、片頭型のピストン29が夫々往復移動可能に収容され、これらのピストン29の首部がシュー30を介して斜板23の外周に係留されている。
そして、駆動軸18の回転に伴って斜板23が回転運動されるとき、シュー30を介して各ピストン29が往復移動される。
一方、図1に示されるように、リヤハウジング14の前部側とシリンダブロック12の後部側は接合されているが、両者14、12との間には弁板34と、弁体形成板35、36と、リテーナ37が介装されている。
リヤハウジング14は、シリンダブロック12に接合される後部側のハウジングであるが、このリヤハウジング14内の中心側には、吸入室14aが形成されており、吸入室14aは弁板34に設けられる吸入通路38によりシリンダボア12a内の作動室31と連通されている。
また、リヤハウジング14の外周側には、吐出室14bが形成されており、この吐出室14bと吸入室14aは隔絶されている。
そして、駆動軸18の回転に伴って斜板23が回転運動されるとき、シュー30を介して各ピストン29が往復移動される。
一方、図1に示されるように、リヤハウジング14の前部側とシリンダブロック12の後部側は接合されているが、両者14、12との間には弁板34と、弁体形成板35、36と、リテーナ37が介装されている。
リヤハウジング14は、シリンダブロック12に接合される後部側のハウジングであるが、このリヤハウジング14内の中心側には、吸入室14aが形成されており、吸入室14aは弁板34に設けられる吸入通路38によりシリンダボア12a内の作動室31と連通されている。
また、リヤハウジング14の外周側には、吐出室14bが形成されており、この吐出室14bと吸入室14aは隔絶されている。
弁板34はシリンダボア12aにおいてピストン29とともに作動室31を形成するためのものであるが、リヤハウジング14側の吸入室14aと連通する吸入通路38と、吐出室14bと連通する吐出通路39を有している。
弁体形成板35は、作動室31及び吸入通路38との間に介在される吸入弁(図示せず)を形成する吸入弁形成板であり、一方、弁体形成板36は、吐出通路39及び吐出室14bとの間に介在されるリード式の吐出弁36aを形成する吐出弁形成板である。
また、リテーナ37は吐出弁36aの最大開度を規制するためのものである。
弁体形成板35は、作動室31及び吸入通路38との間に介在される吸入弁(図示せず)を形成する吸入弁形成板であり、一方、弁体形成板36は、吐出通路39及び吐出室14bとの間に介在されるリード式の吐出弁36aを形成する吐出弁形成板である。
また、リテーナ37は吐出弁36aの最大開度を規制するためのものである。
ところで、吸入室14aの冷媒はピストン29の上死点位置から下死点位置への移動により、吸入通路38を及び吸入弁を介して作動室31内に吸入されることになる。
作動室31内に吸入された冷媒はピストン29の下死点位置から上死点位置への移動により所定の圧力にまで圧縮され、吐出通路39及び吐出弁36aを介して吐出室14bへ吐出される。
斜板23の傾斜角度は、斜板23の遠心力に起因する回転運動のモーメント、ピストン29の往復慣性力によるモーメント、冷媒の圧力によるモーメント等の各モーメントとの相互バランスに基づき決定される。
冷媒の圧力によるモーメントとは作動室31内の圧力と、ピストン29の背面に作用するクランク室17内の圧力との相関に基づいて発生するモーメントであり、クランク室17の圧力変動に応じて傾斜角度の増大方向又は減少方向に作用する。
作動室31内に吸入された冷媒はピストン29の下死点位置から上死点位置への移動により所定の圧力にまで圧縮され、吐出通路39及び吐出弁36aを介して吐出室14bへ吐出される。
斜板23の傾斜角度は、斜板23の遠心力に起因する回転運動のモーメント、ピストン29の往復慣性力によるモーメント、冷媒の圧力によるモーメント等の各モーメントとの相互バランスに基づき決定される。
冷媒の圧力によるモーメントとは作動室31内の圧力と、ピストン29の背面に作用するクランク室17内の圧力との相関に基づいて発生するモーメントであり、クランク室17の圧力変動に応じて傾斜角度の増大方向又は減少方向に作用する。
この実施形態の圧縮機10では、次に説明する給気側電磁弁40と抽気側電磁弁42を用いてクランク室17内の圧力を調節し、冷媒の圧力によるモーメントを適宜変更することで、斜板23の傾斜角度を最小傾斜角度から最大傾斜角度との間の任意の角度に設定することを可能としている。
図1に示されるように、リヤハウジング14a内には2個の2ポート2位置型の電磁弁が備えられている。
一方の電磁弁(図1において上方の電磁弁)は、吐出室14bとクランク室17を連絡する給気通路41の途中に備えられる給気側電磁弁40である。
この給気側電磁弁40は、往復移動可能な作動ロッド40aと、作動ロッド40aを開弁方向へ付勢するコイルバネ(図示せず)と、コイルバネの付勢方向と逆向き(閉弁方向)の電磁付勢力を作動ロッド40aに作用させるコイル40bを備えるほか、給気通路を連通させる連通路40cを備えている。
このため、この給気側電磁弁40は、通電を受けると閉弁する所謂ノーマルオープン型の電磁弁であり、通電を受けない状態では作動ロッド40aがコイル40bに位置して給気通路41を連通する。
給気通路41は、吐出室14bから給気側電磁弁40を通じてクランク室17へ至る通路であり、高圧領域である吐出室14bにおける冷媒の一部をクランク室17へ導入することができる。
一方の電磁弁(図1において上方の電磁弁)は、吐出室14bとクランク室17を連絡する給気通路41の途中に備えられる給気側電磁弁40である。
この給気側電磁弁40は、往復移動可能な作動ロッド40aと、作動ロッド40aを開弁方向へ付勢するコイルバネ(図示せず)と、コイルバネの付勢方向と逆向き(閉弁方向)の電磁付勢力を作動ロッド40aに作用させるコイル40bを備えるほか、給気通路を連通させる連通路40cを備えている。
このため、この給気側電磁弁40は、通電を受けると閉弁する所謂ノーマルオープン型の電磁弁であり、通電を受けない状態では作動ロッド40aがコイル40bに位置して給気通路41を連通する。
給気通路41は、吐出室14bから給気側電磁弁40を通じてクランク室17へ至る通路であり、高圧領域である吐出室14bにおける冷媒の一部をクランク室17へ導入することができる。
また、他方の電磁弁(図1において下方の電磁弁)は、吸入室14aとクランク室17とを連絡する抽気通路43の途中に備えられる抽気側電磁弁42である。
この抽気側電磁弁42は、往復移動可能な作動ロッド42aと、作動ロッド42aを閉弁方向へ付勢するコイルバネ(図示せず)と、コイルバネの付勢方向と逆向き(開弁方向)の電磁付勢力を作動ロッド42aに作用させるコイル42bを備えるほか、抽気通路を連通させる連通路42cを備えている。
この抽気側電磁弁42は、通電を受けると開弁する所謂ノーマルクローズ型の電磁弁であり、通電を受けない状態では、作動ロッド42aがコイル42bから離れる位置にあり抽気通路43を完全に遮断する。
抽気通路43は、クランク室17から抽気側電磁弁42を通じて吸入室14aへ至る通路であり、クランク室17内の冷媒を低圧領域である吸入室14aへ導出させることができる。
この抽気側電磁弁42は、往復移動可能な作動ロッド42aと、作動ロッド42aを閉弁方向へ付勢するコイルバネ(図示せず)と、コイルバネの付勢方向と逆向き(開弁方向)の電磁付勢力を作動ロッド42aに作用させるコイル42bを備えるほか、抽気通路を連通させる連通路42cを備えている。
この抽気側電磁弁42は、通電を受けると開弁する所謂ノーマルクローズ型の電磁弁であり、通電を受けない状態では、作動ロッド42aがコイル42bから離れる位置にあり抽気通路43を完全に遮断する。
抽気通路43は、クランク室17から抽気側電磁弁42を通じて吸入室14aへ至る通路であり、クランク室17内の冷媒を低圧領域である吸入室14aへ導出させることができる。
給気側電磁弁40と抽気側電磁弁42はいずれも駆動回路44に接続されている。
この駆動回路44は、図示しない制御装置からの指令を受けて、両電磁弁40、42に対して通電制御を行なう回路であり、共通のデューティー制御により両電磁弁40、42を同時に開閉制御する機能を有している。
すなわち、駆動回路44から電磁弁40、42に対して出力される駆動信号は、制御装置からの各種の外部情報に基づいて適切なデューティー比が設定される。
ここでいうデューティー比とは、図2に示されるように、一定の周期(f)において通電する時間(t1)の割合(t1/f)を指している。
また、外部情報とは、例えば、空調装置のA/CスイッチのON・OFF、あるいは、車両の室内温度を測定する温度センサの測定値等としている。
この実施形態では、両電磁弁40、42を同時に開閉制御する共通のデューティー制御であるから、一定の周期(f)において、給気側電磁弁40に対して通電する時間(t1)と、抽気側電磁弁42に対して通電する時間(t1)は一致し、給気側電磁弁40に対して通電しない時間(t2)と、抽気側電磁弁42に対して通電しない時間(t2)が一致することになる。
デューティー比は、外部情報に対応して大きく設定(例えば、図2において2点破線に示される)、あるいは小さく設定される。
この駆動回路44は、図示しない制御装置からの指令を受けて、両電磁弁40、42に対して通電制御を行なう回路であり、共通のデューティー制御により両電磁弁40、42を同時に開閉制御する機能を有している。
すなわち、駆動回路44から電磁弁40、42に対して出力される駆動信号は、制御装置からの各種の外部情報に基づいて適切なデューティー比が設定される。
ここでいうデューティー比とは、図2に示されるように、一定の周期(f)において通電する時間(t1)の割合(t1/f)を指している。
また、外部情報とは、例えば、空調装置のA/CスイッチのON・OFF、あるいは、車両の室内温度を測定する温度センサの測定値等としている。
この実施形態では、両電磁弁40、42を同時に開閉制御する共通のデューティー制御であるから、一定の周期(f)において、給気側電磁弁40に対して通電する時間(t1)と、抽気側電磁弁42に対して通電する時間(t1)は一致し、給気側電磁弁40に対して通電しない時間(t2)と、抽気側電磁弁42に対して通電しない時間(t2)が一致することになる。
デューティー比は、外部情報に対応して大きく設定(例えば、図2において2点破線に示される)、あるいは小さく設定される。
従って、例えば、給気側電磁弁40が通電を受けて閉弁状態にあるとき、抽気側電磁弁42は通電を受けて開弁状態となり、クランク室17の冷媒が吸入室14aへ導出される。
このため、クランク室17の圧力が低下し、斜板23の傾斜角度が増大して吐出容量を増大させることになる。
一方、給気側電磁弁40が通電されず開弁状態にあるとき、抽気側電磁弁42は閉弁状態にあり、クランク室17には吐出室14bの高圧の冷媒が導入される。
このため、クランク室17の圧力が上昇し、斜板23の傾斜角度が減少して吐出容量を減少させることになる。
このため、クランク室17の圧力が低下し、斜板23の傾斜角度が増大して吐出容量を増大させることになる。
一方、給気側電磁弁40が通電されず開弁状態にあるとき、抽気側電磁弁42は閉弁状態にあり、クランク室17には吐出室14bの高圧の冷媒が導入される。
このため、クランク室17の圧力が上昇し、斜板23の傾斜角度が減少して吐出容量を減少させることになる。
なお、駆動信号におけるデューティー比を変更することにより、両電磁弁40、42の連通時間又は遮断時間が変動するから、吐出容量の可変時における給気通路41を通過する冷媒の導入量、あるいは、抽気通路43を通過する冷媒の導出量を制御することができる。
次に、この実施形態に係る圧縮機10の作用について説明する。
駆動軸18の回転に伴って斜板23が回転運動されるとき、シュー30を介して各ピストン29が往復移動される。
これにより、各ピストン29が上死点位置から下死点位置へ移動されるときには、吸入室14a内の冷媒が吸入弁を介してシリンダボア12a内の作動室31に吸入される。
その後に、各ピストン29が下死点位置から上死点位置へ移動されるときには、作動室31内の冷媒が所定の圧力まで圧縮される。
このとき、高圧状態にある冷媒は作動室31から吐出通路39へ導入され、リヤハウジング14の吐出室14bに吐出された冷媒は外部冷媒回路等に接続される吐出配管(図示せず)へ吐出される。
駆動軸18の回転に伴って斜板23が回転運動されるとき、シュー30を介して各ピストン29が往復移動される。
これにより、各ピストン29が上死点位置から下死点位置へ移動されるときには、吸入室14a内の冷媒が吸入弁を介してシリンダボア12a内の作動室31に吸入される。
その後に、各ピストン29が下死点位置から上死点位置へ移動されるときには、作動室31内の冷媒が所定の圧力まで圧縮される。
このとき、高圧状態にある冷媒は作動室31から吐出通路39へ導入され、リヤハウジング14の吐出室14bに吐出された冷媒は外部冷媒回路等に接続される吐出配管(図示せず)へ吐出される。
そして、例えば、車両の室内温度が高いときには、制御装置が駆動信号のデューティー比を大きくするように駆動回路へ指令し、駆動回路から大きく設定されたデューティー比の駆動信号が両電磁弁40、42に対して出力する。
駆動信号においてデューティー比が大きく設定されていることから、一定の周期において抽気側電磁弁42の開弁状態が大部分を占めることになり、クランク室17内の冷媒が吸入室14aへ導出され、圧縮機10は斜板23の傾斜角度を速やかに増大させ、吐出容量が増大する。
このとき、デューティー比が大きく設定されていることから給気側電磁弁40は殆ど閉弁状態にある。
駆動信号においてデューティー比が大きく設定されていることから、一定の周期において抽気側電磁弁42の開弁状態が大部分を占めることになり、クランク室17内の冷媒が吸入室14aへ導出され、圧縮機10は斜板23の傾斜角度を速やかに増大させ、吐出容量が増大する。
このとき、デューティー比が大きく設定されていることから給気側電磁弁40は殆ど閉弁状態にある。
その後、車両の室内温度が低下すると、駆動信号のデューティー比を小さくするように駆動回路へ指令し、駆動回路からデューティー比が小さく設定された駆動信号が両電磁弁40、42に対して出力される。
駆動信号においてデューティー比が小さく設定されることから、一定の周期において給気側電磁弁40の開弁状態が占める割合と、抽気側電磁弁42の開弁状態が占める割合が接近することで、吐出室14bからクランク室17内へ高圧の冷媒が導入され、圧縮機10は斜板の傾斜角度を徐々に減少させ、吐出容量を減少させることになる。
駆動信号においてデューティー比が小さく設定されることから、一定の周期において給気側電磁弁40の開弁状態が占める割合と、抽気側電磁弁42の開弁状態が占める割合が接近することで、吐出室14bからクランク室17内へ高圧の冷媒が導入され、圧縮機10は斜板の傾斜角度を徐々に減少させ、吐出容量を減少させることになる。
さらに、デューティー比が最小となると、一定の周期において、給気側電磁弁40の開弁状態が大部分を占めることになり、吐出室14bの冷媒がクランク室17へ導入される。
一方、抽気側電磁弁42は殆ど閉弁状態にあることから、クランク室17の圧力が上昇する。
このとき、圧縮機10の斜板23の傾斜角度は最小となり、冷媒は殆ど圧縮することがない状態で運転される。
このように、給気側電磁弁40と抽気側電磁弁42は、駆動回路44からの共通するデューティー比の駆動信号により同時に制御され、圧縮機10の吐出容量を可変制御することになる。
一方、抽気側電磁弁42は殆ど閉弁状態にあることから、クランク室17の圧力が上昇する。
このとき、圧縮機10の斜板23の傾斜角度は最小となり、冷媒は殆ど圧縮することがない状態で運転される。
このように、給気側電磁弁40と抽気側電磁弁42は、駆動回路44からの共通するデューティー比の駆動信号により同時に制御され、圧縮機10の吐出容量を可変制御することになる。
この実施形態に係る圧縮機10によれば以下の効果を奏する。
(1)吐出容量の可変時において共通のデューティー比が設定される駆動信号により、給気側電磁弁40及び抽気側電磁弁42のいずれか一方の電磁弁の開閉の条件が決定されると、残る他方の電磁弁の開閉の条件を直ちに決定されるから、吐出容量の可変時において高い応答性を示すとともに、比較的簡単であって同時に適切な両電磁弁40、42の開閉制御を行なうことができる。
(2)給気側電磁弁40は通電時において閉弁するノーマルオープン型の電磁弁であり、抽気側電磁弁42は通電時において開弁するノーマルクローズ型の電磁弁であることから、両電磁弁40、42に対する通電の有無により、各電磁弁40、42の開弁又は閉弁が決定される。このため、共通のデューティー比に基づく両電磁弁40、42に対するデューティー制御により吐出容量の増大又は減少を簡単に実施することができる。
(3)共通のデューティー比が設定される駆動信号により両電磁弁40、42を同時にデューティー制御するから、駆動回路による両電磁弁40、42に対する制御は基本的に一つだけになり、複数の開閉制御の間での調整が不要となるほか、駆動回路を簡単な構造とすることが可能となる。
(1)吐出容量の可変時において共通のデューティー比が設定される駆動信号により、給気側電磁弁40及び抽気側電磁弁42のいずれか一方の電磁弁の開閉の条件が決定されると、残る他方の電磁弁の開閉の条件を直ちに決定されるから、吐出容量の可変時において高い応答性を示すとともに、比較的簡単であって同時に適切な両電磁弁40、42の開閉制御を行なうことができる。
(2)給気側電磁弁40は通電時において閉弁するノーマルオープン型の電磁弁であり、抽気側電磁弁42は通電時において開弁するノーマルクローズ型の電磁弁であることから、両電磁弁40、42に対する通電の有無により、各電磁弁40、42の開弁又は閉弁が決定される。このため、共通のデューティー比に基づく両電磁弁40、42に対するデューティー制御により吐出容量の増大又は減少を簡単に実施することができる。
(3)共通のデューティー比が設定される駆動信号により両電磁弁40、42を同時にデューティー制御するから、駆動回路による両電磁弁40、42に対する制御は基本的に一つだけになり、複数の開閉制御の間での調整が不要となるほか、駆動回路を簡単な構造とすることが可能となる。
(第2の実施形態)
次に第2の実施形態に係る圧縮機について図3に基づき説明する。
この実施形態に係る圧縮機50は、第1の実施形態に係る圧縮機10と大部分は共通するが、吸入室14aとクランク室17を直通する抽気直通路51が備えられ、抽気直通路51に固定絞り52が形成されている点で、第1の実施形態と異なる。
従って、この実施形態では、第1の実施形態と共通又は類似する要素については符号を共通して用い、第1の実施形態の説明を援用する。
次に第2の実施形態に係る圧縮機について図3に基づき説明する。
この実施形態に係る圧縮機50は、第1の実施形態に係る圧縮機10と大部分は共通するが、吸入室14aとクランク室17を直通する抽気直通路51が備えられ、抽気直通路51に固定絞り52が形成されている点で、第1の実施形態と異なる。
従って、この実施形態では、第1の実施形態と共通又は類似する要素については符号を共通して用い、第1の実施形態の説明を援用する。
図3に示される圧縮機50は、図示しないクラッチレス機構を備える圧縮機50であるが、先の実施形態と同様に、給気側電磁弁40を途中に設けた給気通路41と、抽気側電磁弁42を途中に設けた抽気通路43とを備えている。
この圧縮機50には、クランク室17とリヤハウジング14の吸入室14aを直通する抽気直通路51がシリンダブロック12に形成されており、抽気直通路51における吸入室14a側には通路の径が小さく設定されている固定絞り52が形成されている。
これは、図4に示されるように、圧縮機50における冷媒の内部循環を促進させ、冷媒の内部循環とともに潤滑油の内部循環を意図しており、圧縮機50における斜板23や軸封機構33等の摺動部に潤滑油を供給して摺動部の信頼性を維持する目的がある。
図4には、圧縮機50における内部循環を説明するための概念図であるが、ここでは、吐出室14bが外部冷媒回路53に接続され、外部冷媒回路53と吸入室14aが接続されている。
外部冷媒回路53は、凝縮器54と、温度式膨張弁55と、蒸発器56と、感温筒57とから主に構成されている。
この圧縮機50には、クランク室17とリヤハウジング14の吸入室14aを直通する抽気直通路51がシリンダブロック12に形成されており、抽気直通路51における吸入室14a側には通路の径が小さく設定されている固定絞り52が形成されている。
これは、図4に示されるように、圧縮機50における冷媒の内部循環を促進させ、冷媒の内部循環とともに潤滑油の内部循環を意図しており、圧縮機50における斜板23や軸封機構33等の摺動部に潤滑油を供給して摺動部の信頼性を維持する目的がある。
図4には、圧縮機50における内部循環を説明するための概念図であるが、ここでは、吐出室14bが外部冷媒回路53に接続され、外部冷媒回路53と吸入室14aが接続されている。
外部冷媒回路53は、凝縮器54と、温度式膨張弁55と、蒸発器56と、感温筒57とから主に構成されている。
この実施形態の圧縮機50はクラッチレス機構を備えていることから、吐出容量を最小とする場合でも斜板23の傾斜角度が完全な0度ではなく、斜板23は僅かに傾斜した状態で回転する。
このため、作動室31では冷媒を僅かに圧縮することになり、このようにして圧縮された冷媒は、通電を受けず開弁されている給気側電磁弁40を通じてクランク室17へ導入される。
しかしながら、吐出容量が最小の場合には、抽気側電磁弁42は閉弁状態にあることから、抽気通路43を用いて冷媒を内部循環させることができない。
この実施形態では、固定絞り52を有する抽気直通路51を通じて冷媒を吸入室14aへ導出することにより、吐出容量が最小時のときでも、吐出室14bからクランク室17を経て吸入室14aへ向かう冷媒の内部循環が給気通路41及び抽気直通路51を介して図られている。
このように、固定絞り52を含む抽気直通路51が設けられることにより、圧縮機50における冷媒の内部循環を実現することができる。
このため、作動室31では冷媒を僅かに圧縮することになり、このようにして圧縮された冷媒は、通電を受けず開弁されている給気側電磁弁40を通じてクランク室17へ導入される。
しかしながら、吐出容量が最小の場合には、抽気側電磁弁42は閉弁状態にあることから、抽気通路43を用いて冷媒を内部循環させることができない。
この実施形態では、固定絞り52を有する抽気直通路51を通じて冷媒を吸入室14aへ導出することにより、吐出容量が最小時のときでも、吐出室14bからクランク室17を経て吸入室14aへ向かう冷媒の内部循環が給気通路41及び抽気直通路51を介して図られている。
このように、固定絞り52を含む抽気直通路51が設けられることにより、圧縮機50における冷媒の内部循環を実現することができる。
なお、本発明は、上記した実施形態に限定されるものではなく発明の趣旨の範囲内で種々の変更が可能であり、例えば、次のように変更してもよい。
○ 上記の第1、第2の実施形態では、リヤハウジングの中心側に吐出室が備えられるとしたが、リヤハウジングの外周側に吐出室を備え、中心側に吸入室を備えるとしてもよい。
○ 上記の第2の実施形態では、シリンダブロックに抽気直通路を設けて、冷媒の内部循環を図るようにしたが、例えば、作動ロッドの移動量を調整し、抽気側電磁弁の閉弁時において、第2の実施形態における固定絞りに相当する僅かな隙間(閉弁時連通部)を設定して冷媒の内部循環を図るようにしてもよく、あるいは、抽気側電磁弁に固定絞りを設けるようにしてもよい。いずれも、シリンダブロックに抽気直通路を形成する必要がなく、シリンダブロックの加工作業が軽減され、製作コストを低減することが可能となる。
○ 上記の実施形態では、圧縮性流体を冷媒としたが、圧縮機に用いられる圧縮性流体はフロン系ガスや二酸化炭素等の冷媒に限定されず、空調装置に適した圧縮性流体であればよく、圧縮性流体の種類は問われない。
○ 上記の第1、第2の実施形態では、リヤハウジングの中心側に吐出室が備えられるとしたが、リヤハウジングの外周側に吐出室を備え、中心側に吸入室を備えるとしてもよい。
○ 上記の第2の実施形態では、シリンダブロックに抽気直通路を設けて、冷媒の内部循環を図るようにしたが、例えば、作動ロッドの移動量を調整し、抽気側電磁弁の閉弁時において、第2の実施形態における固定絞りに相当する僅かな隙間(閉弁時連通部)を設定して冷媒の内部循環を図るようにしてもよく、あるいは、抽気側電磁弁に固定絞りを設けるようにしてもよい。いずれも、シリンダブロックに抽気直通路を形成する必要がなく、シリンダブロックの加工作業が軽減され、製作コストを低減することが可能となる。
○ 上記の実施形態では、圧縮性流体を冷媒としたが、圧縮機に用いられる圧縮性流体はフロン系ガスや二酸化炭素等の冷媒に限定されず、空調装置に適した圧縮性流体であればよく、圧縮性流体の種類は問われない。
10、50 圧縮機
12 シリンダブロック
14a 吸入室
14b 吐出室
17 クランク室
18 駆動軸
23 斜板
29 ピストン
31 作動室
40 給気側電磁弁
41 給気通路
42 抽気側電磁弁
43 抽気通路
51 抽気直通路
52 固定絞り
12 シリンダブロック
14a 吸入室
14b 吐出室
17 クランク室
18 駆動軸
23 斜板
29 ピストン
31 作動室
40 給気側電磁弁
41 給気通路
42 抽気側電磁弁
43 抽気通路
51 抽気直通路
52 固定絞り
Claims (5)
- 外部から低圧の圧縮性流体を吸入する吸入室と、前記圧縮性流体を圧縮する作動室と、圧縮された高圧の前記圧縮性流体を吐出する吐出室と、回転軸とともに回転可能とする斜板を収容するクランク室と、前記クランク室と前記吐出室を連絡する給気通路と、前記吸入室と前記クランク室を連絡する抽気通路とを備え、前記クランク室の圧力変動に基づき吐出容量を可変とする可変容量型斜板式圧縮機において、
前記給気通路の途中に備えられる給気側電磁弁と、前記抽気通路の途中に備えられる抽気側電磁弁と、共通のデューティ制御により前記給気側電磁弁及び前記抽気側電磁弁を同時に開閉制御する駆動回路とを備えたことを特徴とする可変容量型斜板式圧縮機。 - 前記給気側電磁弁は通電時において閉弁するノーマルオープン型の電磁弁であり、前記抽気側電磁弁は通電時において開弁するノーマルクローズ型の電磁弁であることを特徴とする請求項1記載の可変容量型斜板式圧縮機。
- 前記抽気側電磁弁は固定絞り又は閉弁時に前記抽気通路を連通する閉弁時連通路を有することを特徴とする請求項1又は2記載の可変容量型斜板式圧縮機。
- 前記吸入室と前記クランク室を直通する抽気直通路が形成されることを特徴とする請求項1又は2記載の可変容量型斜板式圧縮機。
- 外部から低圧の圧縮性流体を吸入する吸入室と、前記圧縮性流体を圧縮する作動室と、圧縮された高圧の前記圧縮性流体を吐出する吐出室と、回転軸とともに回転可能とする斜板を収容するクランク室と、前記クランク室と前記吐出室を連絡する給気通路と、前記吸入室と前記クランク室を連絡する抽気通路とを備え、前記クランク室の圧力変動に基づき吐出容量を可変とする可変容量型斜板式圧縮機の吐出容量制御方法において、
共通のデューティ制御により、前記給気通路の途中に備えられた給気側電磁弁の開閉制御と、前記抽気通路の途中に備えられた抽気側電磁弁の開閉制御とを同時に行うことにより、前記給気通路又は前記抽気通路の圧縮性流体を通過又は遮断し、前記クランク室の圧力を変動させることを特徴とする可変容量型斜板式圧縮機の吐出容量制御方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2004122366A JP2005307763A (ja) | 2004-04-19 | 2004-04-19 | 可変容量型斜板式圧縮機及び可変容量型斜板式圧縮機の吐出容量制御方法 |
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Publications (1)
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR101079117B1 (ko) * | 2009-05-11 | 2011-11-02 | 주식회사 두원전자 | 용량가변형 압축기 |
KR20160013333A (ko) * | 2014-07-24 | 2016-02-04 | 학교법인 두원학원 | 용량 가변형 사판식 압축기 |
-
2004
- 2004-04-19 JP JP2004122366A patent/JP2005307763A/ja active Pending
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KR20160013333A (ko) * | 2014-07-24 | 2016-02-04 | 학교법인 두원학원 | 용량 가변형 사판식 압축기 |
KR102193602B1 (ko) | 2014-07-24 | 2020-12-22 | 학교법인 두원학원 | 용량 가변형 사판식 압축기 |
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