JP2005307655A - 壁パネル - Google Patents
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Abstract
【課題】 パネル枠本体を十分に補強でき、現場で簡単な作業を行うだけで壁パネル内の様々な箇所に配線器具を強固に取付けることができ、しかも製造コストの低い壁パネルを提供する。
【解決手段】 一対の左右の縦桟6と一対の上下の横桟7a、7bとを矩形枠状に枠組みしてなるパネル枠本体4と、該パネル枠本体4の上下の横桟7a、7b間に配設されて左右方向に摺動可能で且つ左右方向の任意の位置で固定手段にてパネル枠本体4に固定される摺動桟5とで、パネル枠2を構成する。配線器具取付け用の中縦桟材10の上下両端に前記上下の横桟7a、7bに摺動可能な摺動横片9a、9bを設けて前記摺動桟5を形成する。
【選択図】 図1
【解決手段】 一対の左右の縦桟6と一対の上下の横桟7a、7bとを矩形枠状に枠組みしてなるパネル枠本体4と、該パネル枠本体4の上下の横桟7a、7b間に配設されて左右方向に摺動可能で且つ左右方向の任意の位置で固定手段にてパネル枠本体4に固定される摺動桟5とで、パネル枠2を構成する。配線器具取付け用の中縦桟材10の上下両端に前記上下の横桟7a、7bに摺動可能な摺動横片9a、9bを設けて前記摺動桟5を形成する。
【選択図】 図1
Description
本発明は配線器具を取付け可能な壁パネルに関するものである。
従来から建物の間仕切り壁として、矩形枠状のパネル枠本体と、パネル枠本体の上下の横桟間に架設した中縦桟とを備えたパネル枠を有する壁パネルが用いられており、この壁パネルは中縦桟によりパネル枠本体の補強がなされている(例えば特許文献1)。
しかし上記壁パネルのパネル枠本体は中縦桟自体の構造上の強度が弱くパネル枠本体の補強が十分ではない。またこの種の壁パネルにあってはパネル枠内にインターホン親機等の壁埋め込み型の配線器具を配設するのだが、パネル枠本体の上下の横桟間に架設した中縦桟が邪魔になって、配線器具を任意の位置に取付けられないことがあり、このように配線器具の取付位置が制限されてしまうことは壁の様々な箇所に配線器具を取付けたいという顧客のニーズに対応できないといった問題がある。従って従来ではこのような場合には現場において壁パネルを施工することを諦め、在来軸組みにて壁を形成してこの壁に配線器具を取付けたり、また現場において壁パネルを上下の横桟間に架設した中縦桟を取り外し、この後中縦桟をパネル枠本体の縦桟と平行にして配線器具が当たらない位置に配置し、次いでこの中縦桟をパネル枠に固定し、この後壁パネルに配線器具を配設していたのだが、このような施工は多大な労力が必要で、特に後者の施工作業において中縦桟をパネル枠本体の縦桟と平行にして配線器具が当たらない位置に配置する作業は非常に面倒である。またこのような壁パネル内に取付けられる配線器具を強固に固定できないといった問題もある。
また従来では中縦桟の壁パネルの幅方向における位置を変更した多品種の壁パネルを製造し、この多品種の壁パネルのうち、配線器具の取付位置に対応した壁パネルを利用したものがあるが、このように多品種の壁パネルを製造した場合、壁パネルの製造コストが高くなるといった問題が生じる。
実開平10−190号公報
本発明は上記従来の問題点に鑑みて発明したものであって、パネル枠本体を十分に補強でき、現場で簡単な作業を行うだけで壁パネル内の様々な箇所に配線器具を強固に取付けることができ、しかも製造コストの低い壁パネルを提供することを課題とするものである。
上記課題を解決するために本発明に係る壁パネルは、一対の左右の縦桟6と一対の上下の横桟7a、7bとを矩形枠状に枠組みしてなるパネル枠本体4と、該パネル枠本体4の上下の横桟7a、7b間に配設されて左右方向に摺動可能で且つ左右方向の任意の位置で固定手段にてパネル枠本体4に固定される摺動桟5とで、パネル枠2を構成し、配線器具取付け用の中縦桟材10の上下両端に前記上下の横桟7a、7bに摺動可能な摺動横片9a、9bを設けて前記摺動桟5を形成して成ることを特徴とする。配線器具取付け用の中縦桟材10の上下両端に前記上下の横桟7a、7bに摺動可能な摺動横片9a、9bを設けて前記摺動桟5を形成することで、摺動桟5自体の構造上の強度を高めることができてパネル枠本体4を十分に補強できる。また施工現場において配線器具16の取付け位置を確認した後に、上下の横桟7a、7b間、即ちパネル枠本体4の内部空間である矩形枠状のパネル枠本体4によって囲まれた空間に配された摺動桟5を左右方向に摺動させて、摺動桟5を配線器具16の取付け箇所以外の箇所に配置して固定でき、これにより配線器具16の取付け位置が摺動桟5によって制限されることがなく、配線器具16を壁パネル1内における様々な位置に取付けることができる。また摺動桟5を摺動させる時には上下の摺動横片9a、9bを対応するパネル枠本体4の横桟7a、7bに沿って摺動させることで、中縦桟材10をパネル枠本体4の縦桟6と平行にしたまま摺動桟5を左右方向に摺動させることができ、これにより施工現場で簡単な作業を行うだけで壁パネル1内の様々な箇所に配線器具16を取付けられるようになる。またこのように現場にて摺動桟5を摺動させることで様々な配線器具16の取付位置に対応することができるため、壁パネル1の品種を少なくして壁パネル1の製造コストを削減できる。
また請求項2は請求項1において、上記摺動桟5を、上下の摺動横片9a、9bと、この上下の摺動横片9a、9bの中間部同士を連結する中縦桟材10と、で構成して横H字状に形成して成ることを特徴とする。これにより摺動桟5自体の強度を簡単な構成により高めることができ、壁パネル1の製造コストを一層削減できる。
また請求項3は請求項1において、上記摺動桟5を、上下の摺動横片9a、9bと、この上下の摺動横片9a、9bの左右両端同士を連結する中縦桟材10と、で構成してロ字状に形成してなることを特徴とする。これにより摺動桟5自体の強度をより一層高められる。
また請求項4は請求項1〜3のいずれかにおいて、上記パネル枠本体4に摺動桟5の左右方向の摺動範囲を規制する摺動範囲規制手段を設けて成ることを特徴とする。摺動範囲規制手段により作業者が設計者の設定した摺動範囲を越えて摺動桟5を摺動させることを防止でき、例えば摺動範囲規制手段で規制される摺動範囲を摺動桟5で矩形枠状のパネル枠本体4を十分に補強できる範囲に設定して、作業者が摺動桟5によってパネル枠本体4を十分に補強できない位置に摺動桟5を摺動させて固定することを防止できたり、また該摺動範囲を上の横桟7aに穿設される電線挿通用の通線孔13を摺動桟5の上の摺動横片9aにて塞ぐことがない範囲に設定して、作業者が通線孔13を塞ぐ位置に摺動桟5を摺動させて固定することを防止したりできる。
また請求項5は請求項1〜4のいずれかにおいて、上記パネル枠本体4の上下の横桟7a、7bのうち、上の横桟7aの左右両側に上の横桟7aの上方と矩形枠状のパネル枠本体4によって囲まれた空所8とを連通させる電線挿通用の通線孔13を穿設し、中縦桟材10に上記矩形枠状のパネル枠本体4により囲まれた空所8において摺動桟5の左右両側に形成された空間8a、8bを連通させる電線挿通用の配線挿通孔12を穿設して成ることを特徴とする。壁パネル1を建物に立設した際に、上の横桟7aの左右両側に設けた通線孔13のうち一方の通線孔13がパネル枠本体4の上の横桟7が取付けられる天井下地18等により塞がれた場合には、天井裏に配された電線15を上記パネル枠本体4の通線孔13のうち、天井下地18等によって塞がれていない通線孔13からパネル枠本体4の空所8に導入して、この電線15を配線器具16に接続できる。しかもこの場合、天井裏の電線15が接続される配線器具16が、上記空間8a、8bのうち天井下地18等により塞がれている通線孔13に連通する一方の空間8a(又は8b)に配設されている場合にも、天井下地18等により塞がれていない通線孔13から該通線孔13に連通する他方の空間8b(又は8a)に電線15を導入すると共に、この電線15を中縦桟材10に穿設した配線挿通孔12に通して配線器具16が配設されている一方の空間8a(又は8b)に導入して、天井裏の電線15を配線器具16に接続することができる。
本発明では、構造上の強度の高い摺動桟によりパネル枠本体を十分に補強でき、現場で簡単な作業を行うだけで壁パネル内の様々な箇所に配線器具を取付けることができ、しかも壁パネルの製造コストを削減できる。
以下本発明を添付図面に示す実施形態に基いて説明する。図1に示すように本実施形態の壁パネル1は、一対の左右の縦桟6と一対の上下の横桟7a、7bとを矩形枠状に枠組みしてなるパネル枠本体4と、上下の横桟7a、7b間に配設されて左右方向に摺動可能で且つ左右方向の任意の位置で固定手段にてパネル枠本体4に固定される摺動桟5と、で構成された木製のパネル枠2を有し、図示例のパネル枠本体4は上下に長い長方形枠状に形成されている。
上記パネル枠本体4を補強する役割を果たすパネル枠本体4とは別体の摺動桟5は配線器具取付け用の中縦桟材10の上下両端に摺動横片9a、9bを設けてなるものであって、上下の摺動横片9a、9bは対応する上下の横桟7a、7bに摺動可能となっている。具体的に摺動桟5は、左右方向の長さが同じ上下の摺動横片9a、9bと、この上下の摺動横片9a、9bの左右方向における中間部同士を連結する摺動横片9a、9bに対して垂直な中縦桟材10と、で構成されて前後方向から見て横H字状に形成されている。
摺動桟5はパネル枠本体4で囲まれた空所8における左右方向の任意の位置に配設され、この任意の位置で前述した固定手段となるねじや釘等の固着具11にて上下の摺動横片9a、9bを上下の横桟7a、7bに固着することでパネル枠本体4に固定されている。この任意の位置で固定された摺動桟5により矩形枠状のパネル枠本体4によって囲まれた空所8は摺動桟5の中縦桟材10によって左右に仕切られており、これにより空所8における摺動桟5の左右両側に配線器具配設用の空間8a、8bが形成されている。ここでパネル枠本体4の厚み寸法と摺動桟5の厚み寸法は同じであってパネル枠本体4の前面及び後面は夫々摺動桟5の前面及び後面と面一となっているものとする。
一方、パネル枠本体4の上下の横桟7a、7bのうち、上の横桟7aの左右両端部の夫々には上下方向に貫通して横桟7aの上方と矩形枠状のパネル枠本体4によって囲まれた空所8(詳しくは両空間8a、8bの夫々)とを連通させる通線孔13を穿設してあり、図示例では左右方向に間隔を介した二つで一組となる通線孔13を、上の横桟7aの左右方向の両端部の夫々に一組づつ計二組設けている。これにより壁パネル1を後述するように建物に施工した際にはパネル枠本体4の空所8が各通線孔13を介して天井裏に連通することとなる。また上記摺動桟5の中縦桟材10の上部には左右方向に貫通して前記空間8a、8bを連通させる配線挿通孔12を穿設してあり、図示例ではこの配線挿通孔12を中縦桟材10の上部に上下に間隔を介した複数箇所(2箇所)に穿設している。
また上下の横桟7には左右方向における摺動範囲を規制する摺動範囲規制手段として、摺動桟5の摺動範囲を表示して該摺動範囲を作業者に認識させる摺動範囲表示を設けている。この摺動範囲表示によって規制される摺動範囲は図1中イに示す範囲であって、この摺動範囲は摺動桟5が矩形枠状のパネル枠本体4を十分に補強でき、且つ中縦桟材10の上端に設けた摺動横片9aにて上の横桟7aに穿設した全ての通線孔13を塞ぐことがない範囲である。具体的に摺動範囲表示は、上下の横桟7の左右方向における中間を挟んだ両側に設けた上下に伸びる直線状の印14で構成されており、左右両側の印14が左右方向において前述した上の横桟7aの左右方向の両端部に穿設した二組の通線孔13の内側に位置するようにしている。なお上記印14は横桟7の前面及び後面のうち、後述する工場出荷時において面材3が貼着された側の面とは反対側の面に設けられているものとする。
そして上記パネル枠本体4の前面及び後面には石膏ボードよりなる面材3を貼着してあり、これにより壁パネル1が形成されている。上記したように本実施形態の壁パネル1の摺動桟5は横H字状に形成しているので、簡単な構成で強度の高い摺動桟5となっており、該摺動桟5でパネル枠本体4を十分に補強できる。
以上説明してきた壁パネル1はパネル枠本体4の前後両面のうち片面にのみ面材3を貼着し、且つパネル枠本体4によって囲まれた空所8に摺動桟5を前述した固着具11にてパネル枠本体4に固定しないで収納した状態、即ち摺動桟5が図1中矢印ロに示すように左右方向に摺動自在となった状態で工場より出荷される。この出荷時にはパネル枠本体4によって囲まれた空所8に配された摺動桟5は上下の摺動横片9a、9bが該摺動横片9a、9bと平行な横桟7a、7bに沿った状態となっているため、摺動桟5ががたつくことが抑えられ、これにより摺動横片9a、9bにより面材3を傷付けたり破損したりすることが防止される。
以下上記壁パネル1の施工例を示す。上記のように工場から出荷された壁パネル1はパネル枠本体4の下端部が建物に取付けられると共に平面視で上の横桟7aに直交する天井野縁等の天井下地18に上の横桟7aが取付けられて建物の適宜箇所に立設される。ここで図示は省略するが上記天井下地18には吊設されるか又は各天井下地18の下面に貼着されるかして天井板が取付けられ、これにより天井板の上方に例えば二重天井の天井懐のような天井裏が形成される。
上記のように立設される壁パネル1には施工現場にてインターホン親機や、コンセント、スイッチ、等の配線器具16が取付けられ、同時に天井裏に配されたVVFケーブルのような動力線や情報線等の電線15が壁パネル内1に配設される配線器具16に接続される。
壁パネル1に配線器具16を取付けるには、まず作業者はパネル枠本体4によって囲まれた空所8に配置された摺動桟5の上下の摺動横片9a、9bを夫々上下の横桟7a、7bに摺動させて、摺動桟5を配線器具16の取付け位置と摺動範囲規制手段(印14)により決定された摺動範囲を考慮した左右方向における中央の任意の位置に配置する。この摺動桟5の摺動時には上下の摺動横片9a、9bを該摺動横片9a、9bと平行な上下の横桟7a、7bに摺動させることができるので、両摺動横片9a、9bと上下の横桟7a、7bとが平行な状態を保ったまま摺動桟5を左右方向に摺動させることができ、摺動桟5を摺動した際に摺動桟5が倒れるといったことがなく摺動桟5を容易に摺動できるようになっている。また上記壁パネル1には摺動桟5の摺動範囲を表示する印14を設けているので、作業者はこの印14を見て摺動桟5を摺動させて、摺動桟5を該摺動桟5で矩形枠状のパネル枠本体4を十分に補強できて且つ摺動桟5の上の摺動横片9aで通線孔13を塞ぐことがない位置に配置できるようになっている。
そして上記ように摺動桟5をパネル枠本体4の任意の位置に配置した後、この任意の位置に配置された摺動桟5を前述したように固着具11にてパネル枠本体4に固定する。次いで配線器具16を空間8a、8bの少なくとも一方に配して、この配線器具16を中縦桟材10に該中縦桟材10の左右方向に直交する側面に沿うように任意の取付け手段にて取付ける。この場合、配線器具16は摺動桟5の中縦桟材10に取付けることができるので、配線器具16を強固に固定できる。
このように上記壁パネル1は、施工現場において配線器具16の取付け位置を確認した後に、パネル枠本体4の空所8に配された摺動桟5を左右方向において摺動させて、摺動桟5を配線器具16の取付け位置以外の箇所に配置できるため、配線器具16の取付け位置が摺動桟5によって制限されず配線器具16を壁パネル1内における様々な位置に取付けることができる。
また配線器具16に天井裏に配された電線15を接続するには、例えば上記のように空間8a、8bに配線器具16を配設した後、該配線器具16を配設した壁パネル1の任意の通線孔13から天井裏の電線15を空所8内に導入し、この導入した電線15を配線器具16に接続する。
ここで本実施形態の壁パネル1は、パネル枠2の上の横桟7aの左右方向における両側に通線孔13を穿設してあって、該通線孔13により天井裏とパネル枠本体4の空所8とを連通させており、また中縦桟材10に電線挿通用の配線挿通孔12を穿設してあって、該配線挿通孔12により空所8における摺動桟5を挟んだ左右両側に形成された空間8a、8bを連通させてあるので、図2に示す比較例のように、配線器具16を配設した空間8bに連通する通線孔13が、前述した天井下地18や、図示しない固着具等によって天井下地18が取付けられる上の横桟7aに載置固定したブロック状の木材19等により塞がれた場合には、図3に示すように天井下地18等により塞がれていない通線孔13に天井裏に配された電線15を挿通させて空間8aに導入し、この電線15を配線器具16に接続できるようになっている。しかもこの場合、図3に示すように配線器具16が、上記空間8a、8bのうち天井下地18等により塞がれている通線孔13に連通する一方の空間8aに配設されている場合にも、天井下地18等により塞がれていない通線孔13から該通線孔13に連通する他方の空間8bに電線15を導入すると共に、この電線15を中縦桟材10に穿設した配線挿通孔12に通して配線器具16が配設されている一方の空間8aに導入して、天井裏の電線15を配線器具16に接続することができる。即ち天井下地18等により塞がれていない通線孔13が一つでもあれば配線器具16の取付け箇所に関わらず天井裏に配された電線15を配線器具16に接続できるようになっている。
なお壁パネル1への配線器具16の取付け及び天井裏の電線15の配線器具16への接続の施工順序は上記に限定されるものではない。またパネル枠本体4の前面及び後面のうち、工場出荷時に面材3を設けていない側の面には上記壁パネル1への配線器具16の取付け及び天井裏の電線15の配線器具16への接続の後に必要があれば面材3が貼着されるものとする。
次に上記とは異なる実施形態について説明する。なお以下の説明では先の実施形態と同一の構成については同一の番号を付与してあり、重複する説明は省略する。
図4に示すように本実施形態では上記摺動桟5を、上下の摺動横片9a、9bと、この上下の摺動横片9a、9bの横桟7の左右両端同士を連結する前記摺動横片9a、9bに対して垂直な左右の中縦桟材10とで構成して、摺動桟5を前後方向から見てロ字状(即ち矩形枠状)に形成してあり、両中縦桟材10は左右方向において後述する施工にて両中縦桟材10間に取付けられる配線器具16(具体的にはインターホン親機)の幅寸法と略同じ間隔を介して配されている。両中縦桟材10の上部には配線挿通孔12を穿設してあり、図示例ではこの配線挿通孔12を各中縦桟材10の上部に上下に間隔を介した複数箇所(2箇所)に穿設している。
この摺動桟5によりパネル枠本体4の空所8は左右に仕切られ、空所8において摺動桟5の左右両側に空間8a、8bが形成され、またこの左右両側の空間8a、8bは両中縦桟材10の夫々に穿設した配線挿通孔12及び両中縦桟材10間の空間20を介して連通することとなる。このように本実施形態の摺動桟5はロ字状に形成されているので、摺動桟5によるパネル枠本体4の補強効果が増す。
上記壁パネル1に配線器具16を取付ける場合は、例えば図4に示すように摺動桟5の両中縦桟材10間に配線器具16を配置して配線器具16の左右の両側面を両中縦桟材10の対向側面に沿わせ、この状態で任意の取付け手段により配線器具16を中縦桟材10に取付ける。これにより本実施形態の壁パネル1にあっては先の実施形態と比して配線器具16を強固に取付けることができる。
またこのように配設される配線器具16に天井裏に配された電線15を接続するには、例えば上記のように両中縦桟材10間に配線器具16を配設した後、天井裏の電線15を任意の通線孔13から該通線孔13に連通する空間8a(又は8b)内に導入し、この導入した電線15を中縦桟材10に穿設した配線挿通孔12に挿通して両中縦桟材10間の空所に導入し、この電線を配線器具16に接続する。
ここで本実施形態の壁パネル1にあっては、先の実施形態同様上の横桟7aの左右方向における両端部に通線孔13を穿設してあって、該通線孔13により天井裏とパネル枠本体4によって囲まれた空所8とを連通させており、これに加えて両中縦桟材10の夫々には配線挿通孔12を穿設しているので、上の横桟7aの両端部に穿設した通線孔13のうち一方の通線孔13が天井下地18等により塞がれた場合にも、他方の天井下地18等により塞がれていない通線孔13から天井裏の電線15を空所8内に導入すると共にこの電線15を配線挿通孔12に挿通させて両中縦桟材10間の空所に導入して、天井裏の電線15を配線器具16に接続できるようになっている。なお上記では両中縦桟材10を配線器具16と略同じ間隔を介して配し、両中縦桟材10間に配線器具16を配設した例を示したが、これに限定されるものではなく、例えば摺動桟5の左右両側の空間8a、8bのうち一方に配線器具16を配設し、該配線器具16を中縦桟材10の左右方向に直交する側面に沿うように任意の取付け手段にて取付けても良いものとする。
ところで上記図1及び図4に示す実施形態における壁パネル1の施工は大工工事作業者と電気工事作業者とで別々に行われることが考えられるが、この場合大工工事作業者は天井裏の電線15を中縦桟材10に取付けた配線器具16に接続することを考えず、摺動範囲表示を越えて摺動桟5を摺動させ、これにより摺動桟5の上の摺動横片9aで上の横桟7aに設けた通線孔13を塞いでしまったり、また単に大工工事作業者が摺動範囲表示を視認できずに摺動範囲を越えて摺動桟5を摺動させてしまったりしてしまうことがある。またこのような場合には大工工事作業者が作業を終了した後に電気工事作業者が作業を開始するのだが、上記大工工事作業者のミスにより通線孔13が塞がれた場合、電気工事者は作業開始時に初めて通線孔13が塞がれていることに気付くこととなり、結果、大工工事作業者は電気工事作業者の作業の開始時に摺動桟5の取付け位置を変更するといった施工を行わなければならず二度手間となる。そこでこの問題を改善するため図5に示すように上記摺動範囲規制手段として、パネル枠2のパネル枠本体4にストッパー21a、21bを設けることも好ましい。以下この摺動範囲規制手段としてストッパー21a、21bを設けた実施形態について説明する。なお先の図1の実施形態と同一の構成については同一の番号を付与してあり、重複する説明については説明を省略する。
図5に示すように本実施形態のパネル枠本体4の上の横桟7aのその長手方向における中心を挟んだ両側には下方に突出するように木片からなる上ストッパー21aを設けてあり、またパネル枠本体4の下横桟7のその長手方向における中心を挟んだ両側には上方に向けて突出するように木片からなる下ストッパー21bを設けてあり、両上ストッパー21a、21a間の距離及び両下ストッパー21b、21b間の距離を適宜設定することで、上記摺動桟5の摺動範囲を規制している。ここで両上ストッパー21a、21a及び両下ストッパー21b、21bは左右方向において上の横桟7aの左右両端部に設けた二組の通線孔13よりも内側に設けてあり、また対応する上ストッパー21a、21a及び下ストッパー21b、21bは左右方向において同じ位置に配設されているものとする。そして上記両上ストッパー21a、21a間及び両下ストッパー21b、21b間に摺動桟5の上下の摺動横片9a、9bが配置されて、この状態で摺動桟5は上記図1に示す実施形態と同様固着具11によりパネル枠本体4に固定されている。
このように上記摺動範囲規制手段としてストッパー21a、21bを設けることで、施工現場において摺動桟5を摺動させる際に、摺動範囲を越えて摺動桟5を摺動させようとした場合にはストッパー21a、21bに上下の摺動横片9の左右方向における一端が当たることとなり、これにより大工工事作業者が摺動範囲を越えて摺動桟5を摺動させて、上の摺動横片9aで上の横桟7aに設けた通線孔13を塞いでしまったり、また摺動桟5でパネル枠本体4を十分に補強できない位置に摺動させてしまうことを確実に防止できる。また壁パネル1の搬送時には両上ストッパー21a、21a間及び両下ストッパー21b、21b間に摺動桟5の上下の摺動横片9を配した状態で摺動桟5を空所8内に収めることができ、ストッパー21a、21bにより摺動桟5の左右方向におけるがたつきが抑えらるといった効果も有している。
なお本実施形態では摺動桟5を横H字状とした図1に示す先の実施形態の壁パネル1にストッパー21a、21bを設けた例を示したが、図6に示すように摺動桟5をロ字状とした図4に示す先の実施形態の壁パネル1に本実施形態同様ストッパー21a、21bを設けても良いものとする。
1 壁パネル
2 パネル枠
4 パネル枠本体
5 摺動桟
6 縦桟
7a 上の横桟
7b 下の横桟
8 空所
9a 上の摺動横片
9b 下の摺動横片
10 中縦桟材
2 パネル枠
4 パネル枠本体
5 摺動桟
6 縦桟
7a 上の横桟
7b 下の横桟
8 空所
9a 上の摺動横片
9b 下の摺動横片
10 中縦桟材
Claims (5)
- 一対の左右の縦桟と一対の上下の横桟とを矩形枠状に枠組みしてなるパネル枠本体と、該パネル枠本体の上下の横桟間に配設されて左右方向に摺動可能で且つ左右方向の任意の位置で固定手段にてパネル枠本体に固定される摺動桟とで、パネル枠を構成し、配線器具取付け用の中縦桟材の上下両端に前記上下の横桟に摺動可能な摺動横片を設けて前記摺動桟を形成して成ることを特徴とする壁パネル。
- 上記摺動桟を、上下の摺動横片と、この上下の摺動横片の中間部同士を連結する中縦桟材と、で構成して横H字状に形成して成ることを特徴とする請求項1記載の壁パネル。
- 上記摺動桟を、上下の摺動横片と、この上下の摺動横片の左右両端同士を連結する中縦桟材と、で構成してロ字状に形成してなることを特徴とする請求項1記載の壁パネル。
- 上記パネル枠本体に摺動桟の左右方向の摺動範囲を規制する摺動範囲規制手段を設けて成ることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の壁パネル。
- 上記パネル枠本体の上下の横桟のうち、上の横桟の左右両側に上の横桟の上方と矩形枠状のパネル枠本体によって囲まれた空所とを連通させる電線挿通用の通線孔を穿設し、中縦桟材に上記矩形枠状のパネル枠本体により囲まれた空所において摺動桟の左右両側に形成された空間を連通させる電線挿通用の配線挿通孔を穿設して成ることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の壁パネル。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004128815A JP2005307655A (ja) | 2004-04-23 | 2004-04-23 | 壁パネル |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2004128815A JP2005307655A (ja) | 2004-04-23 | 2004-04-23 | 壁パネル |
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JP2005307655A true JP2005307655A (ja) | 2005-11-04 |
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ID=35436729
Family Applications (1)
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JP2004128815A Withdrawn JP2005307655A (ja) | 2004-04-23 | 2004-04-23 | 壁パネル |
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JP (1) | JP2005307655A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014177778A (ja) * | 2013-03-14 | 2014-09-25 | Toyota Home Kk | 壁の耐火構造 |
-
2004
- 2004-04-23 JP JP2004128815A patent/JP2005307655A/ja not_active Withdrawn
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