JP2005307264A - 塗料データの生成方法およびこの生成方法を実行するコンピュータが実行可能なプログラム - Google Patents

塗料データの生成方法およびこの生成方法を実行するコンピュータが実行可能なプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】電着塗装解析において再現性に優れた塗料データを生成することである。
【解決手段】それぞれが塗膜形成に関連したパラメータ群で構成される基準塗料データに基づいて、被塗装物を解析対象とした電着塗装解析が行われ、予め設定された対象点N1〜Nn(n:自然数)に形成される塗膜の膜厚が、解析膜厚Xbとして算出される。塗料データの生成対象となる塗料を用いて被塗装物に電着塗装を行った塗膜の実膜厚Xaと、解析膜厚Xbとが対応するか否かが判断される。これにより、実膜厚Xaと解析膜厚Xbとが対応しないと判断した場合には、解析膜厚が実膜厚に近づくように、最適化手法を用いてパラメータ値が調整される。一方、実膜厚Xaと解析膜厚Xbとが対応すると判断した場合には、パラメータ群が、塗料データとして生成される。
【選択図】図4

Description

本発明は、塗料データの生成方法およびこの生成方法を実行する、コンピュータが実行可能なプログラムに関し、特に、電着塗装における塗料の塗料データの生成手法に関する。
電着塗装は、高分子電解質の電気泳動現象や電気透析現象等を利用した塗装法である。この塗装は、被塗装物の表面に塗膜が均一に付着し、防食性にも優れているため、車両ボディや部品といった各種部材の下塗り塗装として広く用いられている。電着塗装において、部材表面に形成される塗料の膜厚を一定の範囲に収めることは、防錆対策、塗料消費量の減少、或いは部材軽量化等の観点から重要な設計課題である。そのため、実際の電着塗装ラインを用いて被塗装物への電着塗装を行う前に、例えば、特許文献1〜3に開示されているような電着塗装解析手法により、塗膜形成状態の解析・検討を行うことが重要となる。
特開2003−41395号公報 特開2003−277993号公報 特開2003−49298号公報
電着塗装解析は、塗料メーカ等から提供された塗料データに基づいて進められるものの、この塗料データを用いた場合には、実際の電着塗装ラインにおける塗膜形成状態を再現性よく解析することが難しいという問題がある。なぜならば、既存の塗料データには、実際の電着塗装環境が詳細に反映されていないからである。例えば、電着塗料の流速、車体の移動速度、車体部品内における電着塗料の流れにくい部位によって、電着塗料に接触するタイミングの差、電着塗料の温度、電着塗料の粘度等の条件が異なるといった如くである。これにより、解析による塗膜形成状態が電着塗装ラインにおけるそれと相違してしまう。そのため、塗膜形成状態の再現性に優れた塗料データの生成手法の確立が望まれていた。
そこで、本発明の目的は、電着塗装解析で再現性に優れた塗料データを生成することである。
かかる課題を解決するために、第1の発明は、塗料データの生成方法を提供する。この塗料データの生成方法は、それぞれが塗膜形成に関連したパラメータ群で構成される基準塗料データに基づいて、被塗装物を解析対象とした電着塗装解析を行い、予め設定された少なくとも一つ以上の対象点に形成される塗膜の膜厚を、解析膜厚として算出する第1のステップと、塗料データの生成対象となる塗料を用いて被塗装物に電着塗装を行うことにより対象点に形成される塗膜の実膜厚と、解析膜厚とが対応するか否かを判断する第2のステップと、実膜厚と解析膜厚とが対応しないと判断した場合には、解析膜厚が実膜厚に近づくように、最適化手法を用いてパラメータ群のパラメータ値を調整し、実膜厚と解析膜厚とが対応すると判断した場合には、パラメータ群を、塗料の塗料データとして生成する第3のステップとを有する。
ここで、第1の発明において、パラメータ群は、塗料の特性に起因したパラメータと、被塗装物を塗装対象として電着塗装を行う電着塗装ラインの特性に起因したパラメータとを含むことが好ましい。
また、第1の発明において、第2のステップは、解析膜厚が、実膜厚を基準に設定された所定の許容膜厚範囲内の値である場合には、実膜厚と解析膜厚とが対応すると判断し、解析膜厚が、許容膜厚範囲外の値である場合には、実膜厚と解析膜厚とが対応しないと判断するステップであることが好ましい。
第2の発明は、塗料データの生成方法を実行する、コンピュータが実行可能なコンピュータプログラムを提供する。このコンピュータが実行可能なプログラムは、それぞれが塗膜形成に関連したパラメータ群で構成される基準塗料データに基づいて、被塗装物を解析対象とした電着塗装解析を行い、予め設定された少なくとも一つ以上の対象点に形成される塗膜の膜厚を、解析膜厚として算出する第1のステップと、塗料データの生成対象となる塗料を用いて被塗装物に電着塗装を行うことにより対象点に形成される塗膜の実膜厚と、解析膜厚とが対応するか否かを判断する第2のステップと、実膜厚と解析膜厚とが対応しない(その誤差(実膜厚―解析膜厚)が基準値(たとえば設定値Exp±2μm))より大きいと判断した場合には、解析膜厚が実膜厚に近づくように、最適化手法を用いてパラメータ群のパラメータ値を調整し、実膜厚と解析膜厚とが対応すると判断した場合には、パラメータ群を、塗料の塗料データとして生成する第3のステップとを有する塗料データの生成方法を実行する。
ここで、第2の発明において、パラメータ群は、塗料の特性に起因したパラメータと、被塗装物を塗装対象として電着塗装を行う電着塗装ラインの特性に起因したパラメータとを含むことが好ましい。
また、第2の発明において、第2のステップは、解析膜厚が、実膜厚を基準に設定された所定の許容膜厚範囲内の値である場合には、実膜厚と解析膜厚とが対応すると判断し、解析膜厚が、許容膜厚範囲外の値である場合には、実膜厚と解析膜厚とが対応しないと判断するステップであることが好ましい。
本発明によれば、実膜厚と、解析膜厚とが比較され、両者が膜厚的に対応しているか否かが判断される。解析膜厚は、基準塗料データを構成するパラメータ群のパラメータ値により調整可能な値であり、電着塗装解析における塗膜形成状態に起因する。すなわち、実膜厚と解析膜厚とが対応している場合には、パラメータ値をベースに解析した塗膜形成状態が、実際の電着塗装ラインにおける塗膜形成状態を忠実に再現していると考えることができる。そのため、両者の膜厚が対応していない場合には、解析膜厚が実膜厚に近づくように、基準塗料データのパラメータ値が調整される。これにより、実膜厚と、解析膜厚とが対応することを条件として、基準塗料データを構成するパラメータ群を、解析塗料の塗料データとして生成することができる。
図1は、本実施形態にかかる塗料データ生成システムの構成図である。このシステムは、コンピュータ10、キーボードやマウス等の入力装置11、CRTや液晶ディスプレイ等の表示装置12および磁気ディスク等の記憶装置13で構成されている。コンピュータ10は、CPU、RAM、ROM、入出力インターフェースを主体に構成されており、塗料(電着塗料)の塗料データを生成する。オペレータは、表示装置12に表示された情報に基づき、入力装置11を操作して、塗料データの生成対象となる塗料(以下「解析塗料」という)の指定や数値の入力等を行う。記憶装置13には、塗料データを生成するのに必要な各種データベースが格納されている。
ここで、塗料データは、それぞれが塗膜形成に関連するパラメータ群で構成されており、このパラメータ群は、少なくとも一つ以上の塗料パラメータと、少なくとも一つ以上のラインパラメータとを有する。塗料パラメータは、解析塗料の特性に起因したパラメータであり、解析塗料の物性値、解析塗料から陰極電極への電気伝導を表す係数、塗膜成長の条件を規定するパラメータなどがこれに該当する。一方、ラインパラメータは、電着塗装により、被塗装物(例えば、車両ボディ)に塗装を行う電着塗装ラインの特性に起因したパラメータであり、陽極電極から解析塗料への電気伝導を表す係数、被塗装物が全没するまでの時間、電圧値などこれに該当する。後述するように、この塗料データは、コンピュータ10によって電着塗装解析を行う際に、塗膜形成状態を解析するための演算用データとして用いることができる。
コンピュータ10の具体的な機能説明に先立ち、記憶装置13に格納されているデータベースについて説明する。本実施形態との関係では、基準塗料データベース13aと、生成塗料データベース13bと、実膜厚データベース13cとが重要である。
基準塗料データベース13aは、塗料データを生成する際に、この塗料データを構成するパラメータ群の初期的な基準値として参照されるデータベースであり、塗料の属性毎に設けられた基準塗料レコード群で構成される。個々の基準塗料レコードには、塗料パラメータのそれぞれと、ラインパラメータのそれぞれとに関する基準値が記述されている。図2は、基準塗料レコードの説明図であり、塗料データを構成する各パラメータP1〜Pnの記述例を示す。パラメータP4には、例えば、塗料から陰極電極への電気抵抗(塗料パラメータ)の基準値が記述され、パラメータP3には、例えば、陽極電極における一定電位(ラインパラメータ)の基準値が記述されている。なお、この基準塗料レコードが、単に基準値として参照される点に鑑みれば、必ずしも基準塗料レコードが複数用意されている必要はない。すなわち、基準塗料データベース13aは、種々の塗料に対して汎用的に使用可能な一種類の基準塗料レコードのみで構成してもよい。しかしながら、本実施形態では、塗料の種別、製造メーカーといった解析塗料の属性に応じて基準塗料レコードが複数個用意され(基準塗料レコード群)、個々のレコードは、その属性に応じて基準値の傾向が変更されている。これにより、後述する最適化演算を、塗料データの初期値が最適解側にオフセットされた状態で開始することができるので、生成される塗料データの信頼性の向上に寄与することができる。
生成塗料データベース13bは、生成した塗料データを管理するためのデータベースであり、処理対象となる解析塗料毎に個別の識別番号が付された生成塗料レコード群で構成される。個々の生成塗料レコードには、基準塗料データをベースに作成された塗料データが記述されており、その具体的な記述項目は、基準塗料レコードのそれに対応するので、その詳細については、説明を省略する。
実膜厚データベース13cは、解析塗料を用いて電着塗装を行うことにより、被塗装物に実際に形成された塗膜の実膜厚が格納されるデータベースである。このデータベース13cは、処理対象となる解析塗料毎に個別の識別番号が付された実膜厚レコード群で構成される。個々の膜厚レコードには、それぞれが被塗装物の表面に予め設定された複数の測定点N1〜Nnに関する実膜厚Xaが記述されている。
図3は、コンピュータ10の機能的な構成を示すブロック図である。コンピュータ10の基本的な動作を機能的に捉えた場合、コンピュータ10は、解析部10aと、比較部10bと、最適化部10cとを有する。解析部10aは、基準塗料データに基づいて、被塗装物を解析対象とした電着塗装解析を行い、対象点N1〜Nnに形成される塗膜の膜厚を、解析膜厚Xbとして算出する。比較部10bは、塗膜の実膜厚Xaと、解析膜厚Xbとが対応するか否かを判断する。比較部10bにより、実膜厚Xaと解析膜厚Xbとが対応しないと判断された場合には、最適化部10cは、解析膜厚Xbが実膜厚Xaに近づくように、最適化手法を用いて基準塗料データを構成するパラメータ群のパラメータ値を調整する。一方、比較部10bにより、実膜厚Xaと解析膜厚Xbとが対応すると判断された場合には、基準塗料データを構成するパラメータ群が、解析塗料の塗料データとして生成される。これにより、解析塗料の塗料データが生成される。
図4は、本実施形態にかかる塗料データ生成処理の手順を示すフローチャートである。まず、オペレータは、入力装置11を操作して、解析塗料の塗料情報(名称、製造番号など)を入力する。コンピュータ10は、この塗料情報が入力されると、この解析塗料の属性に関する情報の入力をオペレータに促し、解析塗料の属性を取得する。例えば、属性に応じた項目(製造メーカー、種別など)が設定されたチェックボックスを表示し、オペレータに解析塗料の属性を入力させるといった如くである。ただし、基準塗料データベース13aが単一の基準塗料レコードのみで構成されている場合には、このステップ1に示す処理は省略することができる。
ステップ2において、電着塗装解析が行われる。具体的には、まず、被塗装物をモデルで表現した被塗装物モデルが用意され、この被塗装物モデルがメッシュで表現される。解析の初期段階では、基準塗料データが参照される。このため、基準塗料データベース13aにおいて、解析塗料の属性に関連付けられた基準塗料レコードを検索し、抽出された基準塗料レコードに記述されたパラメータ群(基準塗料データ)が取得される。そして、取得されたパラメータ群に基づいて、被塗装物モデルを用いて電着塗装解析が行われる。
図5は、被塗装物への電着塗装解析の一例を示すフローチャートである。この解析手順自体は周知なものであるので、概略的に説明する。まず、ステップ21では初期設定が行われる。このステップでは、被塗装物において注目する部位(計測点N1〜Nn)の解析メッシュを入力し、境界条件や計算条件を設定する。ステップ22では、計算のタイムステップをΔtだけ進め、続くステップ23では、現在の時刻tにおける電極電圧等の電位境界条件を更新する。そして、有限体積法、有限要素法、或いは有限差分法等により、電位拡散方程式を解いて、電着液槽内の電位分布を計算する(ステップ24)。これにより得られた電位分布に基づいて、部材表面に吸着している塗料の膜厚抵抗を考慮して部材表面の電流密度を求める(ステップ25)。つぎに、予め基礎実験等によって確認しておいた電流密度と塗料の膜厚との予測式より、電流密度から、部材表面における塗膜析出量ΔXを算出する(ステップ26)。続くステップ27において、従前の塗膜厚X(1タイムステップ前の塗膜厚)に今回算出された塗膜析出量ΔXを加えることで塗膜厚Xを更新する(現在の時刻tにおける塗膜厚に相当)。そして、ステップ28において、現在の時刻tと解析終了時刻tendとを比較して、解析終了であるか否かを判断する。解析終了時刻tendに到達していない場合にはステップ22に戻り、解析終了時刻tendに到達するまでステップ22〜28の手順を繰返し実行する。やがて解析終了時刻tendに到達すると、ステップ28からステップ29に進んで塗膜厚Xを出力し、電着塗装解析を終了する。
このような電着塗装解析により、その解析結果として、計測点N1〜Nnにおける塗膜の膜厚(塗膜厚X)が、解析膜厚Xbとして算出される。そして、解析塗料にユニークな識別番号IDxを採番した上で、基準塗料データを構成するパラメータ群を記述した生成塗料レコードが、生成塗料データベース13bに新規に追加される。
再び図2を参照し、ステップ3では、実膜厚Xaと、解析膜厚Xbとが対応しているか否かが判断される。両者の対応を判断する前提として、この被塗装物に対して、実際の電着塗装ラインを用いて電着塗装を行っておく。電着塗装自体は周知の技術であり、その詳細については説明を省略するが、電着塗装の工程は、前処理、電着、後処理の順に進行する。前処理工程では、脱脂、水洗、化成といった被塗装物に対する前処理が行われる。電着工程では、解析塗料を電着対象とした電着槽に被塗装物が浸漬され、電着槽内での電気的な作用により、被塗装物に塗膜が形成される。そして、電着槽から引き上げられた被塗装物は、後処理工程において被塗装物の表面に付着している余分な解析塗料が洗い流され、必要に応じて、焼付け乾燥処理が施される。
このような電着工程により、塗膜が形成された被塗装物が得られると、対象点点N1〜Nnに形成される塗膜の実膜厚Xaが測定される。実膜厚Xaが計測される対象点N1〜Nnと、解析膜厚Xbが算出される対象点N1〜Nnとは、当然ながら被塗装物の表面において位置的に対応していることが重要である。実膜厚Xaの計測は、周知の膜厚計を用いて計測したり、或いは、測定点N1〜Nnにおける被塗装物を試験体として切出し、その切断面をマイクロスコープ等により計測するにより可能となる。これらの計測点N1〜Nnにおける実膜厚Xaは、コンピュータ10の指示に従い、オペレータによってリアルタイムで入力される、或いは、オペレータによって事前に入力される。この実膜厚Xaの入力にともない、先に採番された識別番号IDxを付した上で、対象点N1〜Nnにおける実膜厚Xaを記述した実膜厚レコードが、実膜厚データベース13cに新規に追加される。
コンピュータ10は、まず、実膜厚データベース13cにおいて、識別番号IDxの実膜厚レコードを検索し、抽出された実膜厚レコードに記述された実膜厚Xaを取得する。そして、取得された実膜厚Xaと、算出された解析膜厚Xbとが比較され、両者の膜厚Xa,Xbが対応しているか否か判断される。この判断は、解析膜厚Xbが、所定の許容膜厚範囲内の値であるか否かにより判断される。この許容膜厚範囲は、解析膜厚Xbが実膜厚Xaと実質的に同一と見なせる程度の誤差の許容範囲として、予め実験やシミュレーションを通じて決定されており、本実施形態では、計測された実膜厚Xaを基準に設定される。この許容膜厚範囲は、一例として、実膜厚Xaの70〜100%の間の範囲で設定されている(たとえば設定値(実膜厚)Exp±2μm)。複数の対象点N1〜Nnにおける実膜厚Xaと解析膜厚Xbとの対応関係の評価は、対象点N1〜Nnにおける実膜厚Xaの平均値Xaaveと、対象点N1〜Nnにおける解析膜厚Xbの平均値Xbaveとを比較することにより、行うことができる。また、それぞれの対象点N1〜Nn毎に実膜厚Xaと解析膜厚Xbとを比較し、対応すると判断した対象点Nの数が、例えば、全対象点N1〜Nnの過半数を上回った場合に、両者の膜厚Xa,Xbが対応すると判断する。
このステップ3において否定判定された場合、すなわち、実膜厚Xaと解析膜厚Xbとが対応していない場合、ステップ4に進む。一方、ステップ3において肯定判定された場合、すなわち、実膜厚Xaと解析膜厚Xbとが対応している場合、ステップ5に進む。
ステップ4では、解析膜厚Xbが実膜厚Xaに近づくように、周知の最適化手法を用いて基準塗料データのパラメータ値が調整される。この最適化手法としては、実験計画法、非線形計画法と呼ばれる数理的手法(例えば、MMFDなど)、応答局面法などの近似的手法などが挙げられるが、本実施形態では、実験計画法を用いる。この実験計画法は、いくつかの因子(パラメータ)を調整することによって、どの因子が結果に影響を及ぼすのか、また、因子同士の交互作用について分析を行い、因子をどのように調整すれば最適解が得られるのかを、実験より導き出す方法である。例えば、図4に示すパラメータP4は、そのパラメータ値を大きくした場合、解析膜厚Xbが小さくなる傾向となり、パラメータP6は、そのパラメータ値を大きくした場合、解析膜厚Xbが大きくなる傾向となるといった如くである。本実施形態では、実験計画法の1試行を60時間程度に設定し、3回程度の試行により、解析膜厚Xbが実膜厚Xaに近づくように、基準塗料データを構成するパラメータ値を調整する。
そして、再度、ステップ2に進み、その値が更新されたパラメータ群で構成された基準塗料データをベースに、電着塗装解析が行われ、再度、対象点N1〜Nnにおける解析膜厚Xbが算出される。これとともに、生成塗料データベース13bにおいて、識別番号IDxの生成塗料レコードが検索され、抽出された生成塗料レコードに記述された従前の基準塗料データが、調整された基準塗料データにより更新される。そして、解析膜厚Xbが許容膜厚範囲内に収まらない限り、ステップ3において否定判定され続けるので、最適化・解析処理が繰り返し実行される。一方、解析膜厚Xbが許容膜厚範囲内となると、ステップ3の判定結果が否定から肯定に切り替わり、ステップ5に進む。そして、ステップ5では、生成塗料データベース13bにおいて、識別番号IDxの生成塗料レコードが検索され、抽出された生成塗料レコードに記述されたパラメータ群が、塗料データとして生成される。
このように本実施形態によれば、実測ベースの実膜厚Xaと、解析ベースの解析膜厚Xbとが比較され、両者が膜厚的に対応しているか否かが判断される。塗膜形成に起因した解析膜厚Xbの傾向は、基準塗料データを構成するパラメータ群のパラメータ値に大きく作用される。すなわち、実膜厚Xaと解析膜厚Xbとが対応した場合には、パラメータ値をベースに解析した塗膜形成状態が、実際の電着塗装ラインにおける塗膜形成状態を忠実に再現していると考えることができる。そこで、本実施形態では、両者の膜厚Xa,Xbが対応していない場合には、解析膜厚Xbが実膜厚Xaに近づくように、基準塗料データのパラメータ値が調整される。これにより、両者の膜厚Xa,Xbが対応することを条件として、基準塗料データを構成するパラメータ群を、解析塗料の塗料データとして生成することができる。
また、本実施形態では、塗料データとして、解析塗料の特性に起因したパラメータや、実際に電着塗装が行われる電着塗装ラインの特性に起因したパラメータが含まれる。すなわち、この塗料データは、実際の電着塗装ラインにおいて塗膜形成に起因するパラメータ群により構成されている。そのため、被塗装物に対して実際に行われる電着塗装ラインをベースとしたレベルでの塗料データを生成することができる。この結果、この生成された塗料データを用いて電着塗装解析を行うことにより、電着塗装ラインにおける塗膜形成状態の再現よく解析することが可能となる。
なお、本実施形態では、実膜厚Xaと解析膜厚Xbとの対応を判断する際に、複数の計測点N1〜Nnの膜厚を比較したが、両者の対比は少なくとも一点のみで行ってもよい。しかしながら、複数点における膜厚の比較を行うことで、各測定点N1〜Nnにおける塗膜形成の特性が反映さすることができるので、より精度よく塗料データを生成することができる。
また、上述した実施形態の塗料データ生成方法を実行するコンピュータが実行可能なプログラム自体も本発明の一部として機能する。当然ながらこのコンピュータプログラムを記録した記録媒体を、図1のような構成を有するシステムに対して供給してもよい。この場合、このシステム中のコンピュータ10が、記録媒体に格納されたコンピュータプログラムを読み取り実行することによって、本発明の目的を達成することができる。コンピュータプログラム自体が本発明の新規な機能を実現するため、そのプログラムを記録した記録媒体も本発明を構成する。コンピュータプログラムを記録した記録媒体としては、例えば、CD−ROM、フレキシブルディスク、ハードディスク、メモリカード、光ディスク、DVDROM、DVD−RAM等が挙げられる。
塗料データ生成システムの構成図 基準塗料レコードの説明図 コンピュータの機能的な構成を示すブロック図 塗料データ生成処理の手順を示すフローチャート 被塗装物への電着塗装解析の一例を示すフローチャート
符号の説明
10 コンピュータ
10a 解析部
10b 比較部
10c 最適化部
11 入力装置
12 表示装置
13 記憶装置
13a 基準塗料データベース
13b 生成塗料データベース
13c 実膜厚データベース

Claims (6)

  1. 塗料データの生成方法において、
    それぞれが塗膜形成に関連したパラメータ群で構成される基準塗料データに基づいて、被塗装物を解析対象とした電着塗装解析を行い、予め設定された少なくとも一つ以上の対象点に形成される塗膜の膜厚を、解析膜厚として算出する第1のステップと、
    前記塗料データの生成対象となる塗料を用いて前記被塗装物に電着塗装を行うことにより前記対象点に形成される前記塗膜の実膜厚と、前記解析膜厚とが対応するか否かを判断する第2のステップと、
    前記実膜厚と前記解析膜厚とが対応しないと判断した場合には、前記解析膜厚が前記実膜厚に近づくように、最適化手法を用いて前記パラメータ群のパラメータ値を調整し、前記実膜厚と前記解析膜厚とが対応すると判断した場合には、前記パラメータ群を、前記塗料の塗料データとして生成する第3のステップと
    を有することを特徴とする塗料データの生成方法。
  2. 前記パラメータ群は、前記塗料の特性に起因したパラメータと、前記被塗装物を塗装対象として前記電着塗装を行う電着塗装ラインの特性に起因したパラメータとを含むことを特徴とする請求項1に記載された塗料データの生成方法。
  3. 前記第2のステップは、前記解析膜厚が、前記実膜厚を基準に設定された所定の許容膜厚範囲内の値である場合には、前記実膜厚と前記解析膜厚とが対応すると判断し、前記解析膜厚が、前記許容膜厚範囲外の値である場合には、前記実膜厚と前記解析膜厚とが対応しないと判断するステップであることを特徴とする請求項1または2に記載された塗料データの生成方法。
  4. 塗料データの生成方法を実行する、コンピュータが実行可能なコンピュータプログラムにおいて、
    それぞれが塗膜形成に関連したパラメータ群で構成される基準塗料データに基づいて、被塗装物を解析対象とした電着塗装解析を行い、予め設定された少なくとも一つ以上の対象点に形成される塗膜の膜厚を、解析膜厚として算出する第1のステップと、
    前記塗料データの生成対象となる塗料を用いて前記被塗装物に電着塗装を行うことにより前記対象点に形成される前記塗膜の実膜厚と、前記解析膜厚とが対応するか否かを判断する第2のステップと、
    前記実膜厚と前記解析膜厚とが対応しないと判断した場合には、前記解析膜厚が前記実膜厚に近づくように、最適化手法を用いて前記パラメータ群のパラメータ値を調整し、前記実膜厚と前記解析膜厚とが対応すると判断した場合には、前記パラメータ群を、前記塗料の塗料データとして生成する第3のステップと
    を有する塗料データの生成方法を実行する、コンピュータが実行可能なプログラム。
  5. 前記パラメータ群は、前記塗料の特性に起因したパラメータと、前記被塗装物を塗装対象として前記電着塗装を行う電着塗装ラインの特性に起因したパラメータとを含むことを特徴とする請求項4に記載されたコンピュータが実行可能なプログラム。
  6. 前記第2のステップは、前記解析膜厚が、前記実膜厚を基準に設定された所定の許容膜厚範囲内の値である場合には、前記実膜厚と前記解析膜厚とが対応すると判断し、前記解析膜厚が、前記許容膜厚範囲外の値である場合には、前記実膜厚と前記解析膜厚とが対応しないと判断するステップであることを特徴とする請求項4または5に記載されたコンピュータが実行可能なプログラム。
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