JP2005306670A - セメントの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】木屑をセメント焼成用燃料として使用する際に、建設廃材からの破砕が容易であって、かつ、得られた木屑を安定してキルンに供給でき、セメントの品質を低下させることのないセメンントの製造方法を提供する。
【解決手段】最大長さ(L)が10〜100mm、最大幅(W)が1〜20mmであって、かつ、最大幅(W)と最大厚み(T)の積(W×T)が1〜200mm2の寸法のものを主とする木屑100質量部、直線距離で測定される最大の長さが1〜50mmの寸法の木屑以外の可燃性廃棄物0〜200質量部とを含んでなる木屑含有可燃性廃棄物を、セメント焼成用ロータリーキルンの窯前に設けた投入ノズルへ空気輸送配管を経由して空気輸送し、該投入ノズルより該ロータリーキルンへ供給することを特徴とするセメントの製造方法。
【選択図】 なし
【解決手段】最大長さ(L)が10〜100mm、最大幅(W)が1〜20mmであって、かつ、最大幅(W)と最大厚み(T)の積(W×T)が1〜200mm2の寸法のものを主とする木屑100質量部、直線距離で測定される最大の長さが1〜50mmの寸法の木屑以外の可燃性廃棄物0〜200質量部とを含んでなる木屑含有可燃性廃棄物を、セメント焼成用ロータリーキルンの窯前に設けた投入ノズルへ空気輸送配管を経由して空気輸送し、該投入ノズルより該ロータリーキルンへ供給することを特徴とするセメントの製造方法。
【選択図】 なし
Description
本発明は、木屑を燃料の一部として有効利用する新規なセメントの製造方法に関する。詳しくは、木屑をロータリーキルン(以下、単にキルンともいう)の窯前に設けた投入ノズルから供給することにより、セメントの品質を維持しながら、安定的かつ大量に木屑を燃料として使用することが可能なセメントの製造方法である。
従来、建設廃材等で大量に発生する木屑は、加工することで原料として再利用が可能な一部の良質なものを除いて、有効に再利用することが困難であった。その中で、セメント製造工程へ供給することにより燃料化する処理方法が、今後期待される再利用方法として検討が進められている。
例えば、セメント製造工程において木屑を含む可燃性廃棄物を処理する方法として、窯前に設けた投入ノズルから、該可燃性廃棄物を供給し、燃料として再利用する方法が提案されている(特許文献1参照)。この方法は、直線距離で測定される最大の大きさが1〜50mmの可燃性廃棄物を窯前から設けた投入ノズルよりキルンに供給し、燃料として使用するものであり、セメントの品質を低下させることなく、大量の可燃性廃棄物を処理できるものである。
しかしながら、建設廃材等で大量に発生する木屑を上記1〜50mmの大きさに破砕するためには、破砕時の粉塵発生や、破砕装置の処理効率が極端に低下するといった点で改善の余地があった。また、木屑においては、1〜50mmの大きさに粉砕したものであっても、その形状によっては排出量が安定しなかったり、空気輸送配管を閉塞させるおそれがあった。更に、木屑は比重が軽いため、あまり細かく破砕してしまうとホッパーや貯留・計量槽内で滞留が生じる問題があった。
従って、本発明の目的は、木屑をセメント製造の燃料として使用する際に、破砕時の粉塵を少なくし、破砕にかかる労力を低減した簡便な破砕をした場合においても、安定に空気輸送が可能であって、キルン内での燃焼も問題なく行え、セメントの品質を低下させることのないセメントの製造方法を提供することにある。
本発明者等は、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、特定の形状の木屑をセメントの燃料としてキルンで燃焼させることにより、上記目的を達成することを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、最大長さ(L)が10〜100mm、最大幅(W)が1〜20mmであって、かつ、最大幅(W)と最大厚み(T)の積(W×T)が1〜200mm2の寸法のものを主とする木屑100質量部、直線距離で測定される最大の長さが1〜50mmの寸法の木屑以外の可燃性廃棄物0〜200質量部とを含んでなる木屑含有可燃性廃棄物を、セメント焼成用ロータリーキルンの窯前に設けた投入ノズルへ空気輸送配管を経由して空気輸送し、該投入ノズルより該ロータリーキルンへ供給することを特徴とするセメントの製造方法である。
また、本発明は、前記空気輸送配管が、直管であるか、又は曲管部の曲げ角度が120°以内であって、かつ、曲率が配管内径の4倍以上であることを特徴とするセメントの製造方法、更には、前記木屑含有可燃性廃棄物が、前記空気輸送配管中を20〜70m/秒の速度で空気輸送されることを特徴とするセメントの製造方法である。
本発明は、比較的大きな木屑をセメントの燃料として使用できるため、建設廃材等から木屑への破砕にかかる労力が少なく、かつ、破砕時の粉塵の問題も解消される。また、比較的大きな木屑であっても、特定の細長い形状に破砕処理が行なわれたものであれば、輸送空気との質量混合比が比較的高い条件であっても、輸送量の変動および配管内での閉塞を生じることなく空気輸送が可能となるため、安定してセメントを製造することができる。具体的には、輸送空気に対する質量比3以上の効率的な条件で安定してキルンに供給することができるため、大量の木屑をセメントの燃料として使用することが可能となり、セメントの燃料原単位の向上に大きく寄与する。更に、特定の寸法の木屑とすることにより、該木屑の燃焼を十分に行うことができるため、品質の安定したセメントを製造することができる。
以下に、本発明にかかるセメントの製造方法を、図1、2を用いて説明するが、本発明は、該図面に何ら限定されるものではない。
まず、本発明に使用するセメント製造設備の概要を、図1を用いて説明する。
セメント製造設備は、セメント原料を予熱、更には仮焼するための予熱装置2と、かかる予熱されたセメント原料の焼成を行うためのキルン3とよりなる。
上記、予熱装置2は、複数のサイクロン4をダクト5により連接し、その上部より供給されたセメント原料1が順次予熱されながら下方に移動し、最下段サイクロンの原料シュート9よりキルン3に供給されるように構成される。また、予熱装置の下部には仮焼室6が設けられ、キルン排ガスの熱と共に、予熱或いは仮焼に必要な熱をバーナーによって補充して該予熱装置に供給するよう構成されている。
一方、キルン3には、その窯前に主バーナー7が取り付けられる。この主バーナー7は、重油、微粉炭等の主燃料を供給する管、燃焼用の空気を供給する管などを有する多重管或いは複合管よりなる公知の構造が特に制限なく採用される。セメント原料は、それら主燃料の燃焼熱により焼成されて、クリンカーとしてグレートクーラー8に取り出され、冷却された後、石膏等の添加成分の配合、破砕処理等を経てセメントとなる。
尚、通常のキルン3は、内径が4〜6m、長さが70〜110mのものである。木屑含有可燃性廃棄物を安定して燃焼処理するためには、キルン3の大きさによって若干異なるが、キルン3におけるクリンカー取出側の下流端より20〜50mの位置で該木屑含有可燃性廃棄物を燃焼処理することが好ましい。
本発明において、木屑含有可燃性廃棄物をキルン3に投入する投入ノズル10は、主バーナー7と同じく、キルン3の窯前に取り付けるものである。投入ノズル10の位置は、特に制限されるものではないが、主バーナー7の上部に併設するように設けることが好ましく、投入ノズル10の先端と主バーナーとの先端を同一面上とすることが好ましい。
本発明において、投入ノズル10の構造も、特に制限されるものではなく、公知のものを使用することができる。例えば、木屑含有廃棄物を排出する際に十分な空気量を確保するため、先端からの長さが5〜15mの直管で、内径が50〜120mmであるものを使用することが好ましい。また、投入ノズル10の先端から木屑含有可燃性廃棄物を排出する速度も、特に制限されるものではないが、安定して木屑含有可燃性廃棄物をキルン3で燃焼処理するためには、該木屑含有可燃性廃棄物を40〜70m/秒の速度で排出することが好ましい。
尚、投入ノズルの先端から木屑含有可燃性廃棄物を40〜70m/秒の速度で排出するに際し、木屑含有可燃性廃棄物が、空気輸送配管中を40〜70m/秒の速度で空気輸送される場合には、そのままの速度で投入ノズルから排出することもできる。また、木屑含有可燃性廃棄物の空気輸送配管中の輸送速度をそのまま排出速度とするには不十分な場合には、投入ノズルの内径を空気輸送配管の内径より小さく絞るなどの方法により、排出速度を調整することができる。
また、投入ノズル10は、単管、多重管の構造であってもよく、材質は、鉄、ステンレス等の材質により作成することができる。
次に、木屑含有可燃性廃棄物を投入ノズル10へ空気輸送する迄の工程の概要を、図2を用いて説明する。
図2に示すように、置場11より建設廃材等から受け入れた木屑廃材を取出し、破砕機12により所定の大きさの木屑に破砕して、ホッパー13に投入する。
尚、本発明において、前記木屑は、公知のものが特に制限なく、セメントの燃料に使用できる。具体的には、建設現場の解体材、森林の間伐材、製材所の切屑、使用済みの梱包材等を破砕したものである。
また、本発明においては、破砕機12を設置せずに、所定の大きさに破砕された木屑をホッパー13へ直接投入することも可能である。
前記特定の大きさに破砕した木屑を含む木屑含有可燃性廃棄物は、ホッパー13より空気輸送配管14を経由して、投入ノズル10へ空気輸送し、投入ノズル10からキルン3へ供給される。尚、木屑含有可燃性廃棄物を、空気輸送配管14を経由して投入ノズル10へ空気輸送する際には、前記ホッパー13からの空気輸送配管14の途中に貯留・計量槽15を設け、該貯留・計量槽15にて木屑含有可燃性廃棄物を貯留・計量した後、更に空気輸送配管14’を経由して、投入ノズル10へ空気輸送することもできる。
本発明の最大の特徴は、前記セメント製造設備において、空気輸送配管14を経由して窯前に設けた投入ノズル10より、特定の大きさに調整した木屑を含む木屑含有可燃性廃棄物をキルン3へ供給し、セメントを製造することである。
即ち、本発明は、最大長さ(L)が10〜100mm、最大幅(W)が1〜20mmであって、かつ、最大幅(W)と最大厚み(T)の積(W×T)が1〜200mm2の寸法のものを主とする木屑を含む木屑含有可燃性廃棄物を、キルン3へ供給し、セメントを製造するものである。
尚、本発明において、木屑の最大長さ(L)は、対象となる木屑について、直線距離で測定できる最大の寸法を示すものであり、また、最大幅(W)は、この長さ方向に対して垂直に切断した任意の面のうち、最大の面積を有する面において、最も大きな寸法を示すものであり、更に、最大厚み(T)は、この幅方向に垂直な方向の寸法を示すものである。
本発明において、前記木屑の長さ(L)は、10mm以上100mm以下である。前記最大長さ(L)が、10mm未満である場合には、破砕時の粉塵発生や、破砕装置の処理効率が極端に低下する等の問題が発生するため好ましくない。更に、ホッパーや貯留・計量槽で滞留を生じる場合があるため好ましくない。一方、前記最大長さ(L)が100mmを超える場合には、空気輸送の際、輸送(排出)量の変動および配管内での閉塞が生じやすくなり、安定的にキルン3に供給できない等の問題が生じるため好ましくない。更に、前記最大長さ(L)が100mmを超える場合には、木屑の燃焼所用時間がより長くなるため、キルン3内で木屑の燃焼が完全に行われない可能性があり、セメントの品質等に悪影響を及ぼすおそれがあるので好ましくない。また、破砕時の問題と燃焼、輸送の際の問題を考慮すると、前記木屑含有可燃性廃棄物の長さ(L)は、好ましくは10〜75mm、更に好ましくは20mm〜50mmである。
本発明において、前記木屑の最大幅(W)は、1mm以上20mm以下である。前記最大幅(W)が1mm未満である場合には、破砕時の粉塵発生や、破砕装置の処理効率が極端に低下する等の問題が発生するため好ましくない。更に、ホッパーや貯留・計量槽で滞留を生じる場合があるため好ましくない。一方、前記木屑の最大幅(W)が20mmを超える場合には、空気輸送の際、排出量が変動する問題や、処理装置内および空気輸送の際の配管内で閉塞が生じるおそれがあり、セメント製造の燃料として安定に供給することができないため好ましくない。更に、前記木屑の最大幅(W)が20mmを超える場合には、前記最大長さ(L)との関連から、キルン3内で木屑の燃焼が完全に行われない可能性があり、セメントの品質を低下させるおそれがあるため好ましくない。
本発明において、前記木屑の最大幅(W)は、1〜20mmであって、かつ、最大幅(W)と最大厚み(T)の積(W×T)が1〜200mm2の寸法のものであることが重要である。
即ち、最大幅(W)と最大厚み(T)の積(W×T)が1mm2未満の場合には、破砕時の粉塵発生や、破砕装置の処理効率の極端な低下等の問題が発生するため好ましくない。更に、前記積が1mm2未満の場合には、木屑は比重が軽いため、ホッパーや貯留・計量槽等で滞留する恐れがあるため好ましくない。一方、前記積(W×T)が200mm2を超える場合には、排出量が変動する問題や、処理装置内および空気輸送の際の配管内で閉塞が生じるおそれがあり、セメント製造の燃料として安定に供給することができないため好ましくない。また、キルン3内で木屑の燃焼が完全に行われない可能性があり、セメントの品質を低下させるおそれがあるため好ましくない。
本発明は、セメントの製造に使用する木屑について、最大長さ(L)、前記最大幅(W)、および最大幅(W)と最大厚み(T)との積(W×T)が、前記範囲を満足することにより優れた効果を発揮するものである。尚、本発明の木屑は、全てが前記範囲内の寸法のものであることが好ましいが、木屑の95質量%以上が前記範囲内の寸法であれば、十分な効果を発揮することができる。
また、本発明の範囲を満足する寸法の木屑が、輸送(排出)量の変動および配管内で閉塞を生じることなく安定して空気輸送できる原因は明らかではないが、前記木屑の形状が細長いものであり、また、木屑は比重が軽いため、空気輸送配管中において、前記木屑は、流れ方向に対して、木屑の長さ方向が平行な向きとなり輸送されるからであると考えられる。
本発明において、建設廃材等を破砕して木屑を得る方法は、特に制限されるものではなく、公知の破砕機を使用することができるが、中でも、ハンマーミル式の破砕機を使用することにより、前記範囲の木屑を容易に得ることができる。建設廃材等の木材は、繊維質が含まれるため、前記ハンマーミル式破砕機を使用して衝撃を与え、必要に応じてふるい上分を循環して再破砕を行うことにより、前記範囲の細長い形状の木屑を得ることができる。本発明者等がハンマーミル式破砕機を使用して建設廃材の木屑を破砕し、ふるいにロータリースクリーンを選択して、例えば、ふるいの目開きを75mmとして、ふるい上分を循環して再破砕を行うことにより、ふるい下通過分の95質量%以上の木屑について、最大長さ(L)が10mm〜100mm、最大幅(W)が1〜20mm、最大幅(W)と最大厚み(T)との積(W×T)が1〜200mm2の寸法範囲に収まることを確認した。
更に、本発明の木屑含有可燃性廃棄物は、前記木屑を100質量部に対して、最大長さが1〜50mmの木屑以外の可燃性廃棄物を200質量部まで含むこともできる。木屑以外の可燃性廃棄物としては、廃プラスチックが好ましく、中でも、ポリエチレン、ポリプロピレンを主成分とする燃焼カロリーが安定しているものが好ましい。
本発明の木屑含有可燃性廃棄物において、木屑以外の可燃性廃棄物を前記の割合で混合させることにより、木屑の燃焼を効率良く行うことができる。木屑以外の可燃性廃棄物200質量部を超える場合には、セメントの製造における木屑の処理効率が低下するため好ましくない。木屑の燃焼を効率よく行い、かつ大量の木屑を処理するためには、木屑含有可燃性廃棄物の発熱量が6000kcal/kg以上になるように調整することが好ましく、この場合、木屑100質量部に対して、木屑以外の可燃性廃棄物、好ましくは、前記廃プラスチック100質量部〜200質量部を混合することが好ましい。
本発明において、木屑以外の可燃性廃棄物は、直線距離で測定される最大の長さが1〜50mmである。前記木屑以外の可燃性廃棄物の最大長さが50mmを超える場合には、木屑と混合した木屑含有可燃性廃棄物が、空気輸送する際に輸送量の変動および配管内での閉塞を生じるため好ましくない。また、1mm未満の場合には、破砕装置の処理効率が低下するため好ましくない。
尚、前記木屑以外の可燃性廃棄物の形状は、粒状であればよく、不定形、球形、卵形、直方形、タブレット形、フレーク形等、任意の形状を採り得る。ただし、該可燃性廃棄物について、前記の破砕処理が行われた木屑と同様に細長い形状であれば問題がないものの、形状を問わない場合には、直線距離で測定される最大の長さを1〜30mmとすることで、より安全で効率的な空気輸送を行うことができる。
本発明において、木屑と木屑以外の可燃性廃棄物と混合して、木屑含有可燃性廃棄物とする場合には、混合手段は、特に制限されるものではないが、スクリュー式の混合機、攪拌式の混合機等の公知のものが使用可能であり、不均一な混合を防止するため、キルン3の窯前に設けた投入ノズル10へ供給する直前にも混合操作を行うことが好ましい。
本発明において、空気輸送配管は、特に制限されるものではないが、空気輸送配管を直管とするか、又は曲管部の曲率の曲げ角度が120°以内、この好ましくは90°以内であって、かつ、曲率が配管内径の4倍以上、好ましくは9倍以上とすることが、より安全で効率的な該木屑含有可燃性廃棄物の空気輸送を行うことができるため好ましい。
尚、空気輸送配管を直管にする場合には、図2に示すような貯留・計量槽をホッパー13から投入ノズル10の間に設け、該貯留・計量槽から投入ノズル10までの空気輸送配管14’を直管とすることもできる。また、空気輸送配管14の内径は、木屑含有可燃性廃棄物の量、キルンでの処理能力等によって適宜決定してやればよいが、木屑の輸送効率等を考慮すると、内径が50〜120mmの範囲であることが好ましい。
また、本発明において、前記木屑含有可燃性廃棄物を空気輸送する際には、空気輸送配管中を20〜70m/秒の速度で空気輸送することが好ましい。つまり、空気輸送配管中の速度を20〜70m/秒とすることにより、寸法の大きな木屑を含有した木屑可燃性廃棄物でも、より安全で効率的な空気輸送を行うことができる。
尚、これらの速度に調整する方法は、特に制限されるものではなく、公知の送風機を使用することにより調整することが可能であり、送風量は、キルン3へ投入する木屑の量、空気輸送配管の形状等により、適宜決定してやればよい。
以上の構成をとることにより、前記木屑含有可燃性廃棄物の空気輸送およびキルン3への供給について、輸送空気に対する質量比3以上の効率的な条件で安定して行うことができる。
以下、本発明を更に具体的に説明するため、実施例を示すが、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。
尚、予備実験として、以下の方法により、木屑含有可燃性廃棄物の空気輸送配管中の安定排出、木屑含有可燃性廃棄物の燃焼速度を確認した。
(1)空気輸送配管中の安定排出の確認
セメントの製造を止めた状態で、木屑含有可燃性廃棄物を貯留・計量槽から空気輸送配管を経由して投入ノズルまでの排出状態を確認した。空気輸送配管の内径80.7mm、木屑の排出量5t/Hr、空気輸送速度60m/秒、空気輸送配管の曲管部の曲げ角度 90°、曲率を配管内径の5倍で実験を行った。
(2)燃焼速度の確認
一辺25cmの箱型電気炉(エヤー供給:6リットル/分、1500℃)内へ木屑含有可燃性廃棄物を白金皿に載せて投入し、燃焼に要する時間の測定を行った。この方法により、セメント焼成用ロータリーキルンで、通常、処理している可燃性廃棄物の燃焼速度が180秒以内であるため、この秒数を目安とした。
(1)空気輸送配管中の安定排出の確認
セメントの製造を止めた状態で、木屑含有可燃性廃棄物を貯留・計量槽から空気輸送配管を経由して投入ノズルまでの排出状態を確認した。空気輸送配管の内径80.7mm、木屑の排出量5t/Hr、空気輸送速度60m/秒、空気輸送配管の曲管部の曲げ角度 90°、曲率を配管内径の5倍で実験を行った。
(2)燃焼速度の確認
一辺25cmの箱型電気炉(エヤー供給:6リットル/分、1500℃)内へ木屑含有可燃性廃棄物を白金皿に載せて投入し、燃焼に要する時間の測定を行った。この方法により、セメント焼成用ロータリーキルンで、通常、処理している可燃性廃棄物の燃焼速度が180秒以内であるため、この秒数を目安とした。
実施例1
木屑をハンマーミル式破砕機により破砕した後に、目開き63mmのふるいを設置したロータリースクリーンを通して、ふるい上分を循環して再破砕を行うことにより、最大長さ(L)が10〜75mm、最大幅(W)が1〜20mmであって、かつ、最大幅(W)と最大厚み(T)の積(W×T)が1〜200mm2の寸法のものが95質量%以上を占める木屑含有可燃性廃棄物を得た。
木屑をハンマーミル式破砕機により破砕した後に、目開き63mmのふるいを設置したロータリースクリーンを通して、ふるい上分を循環して再破砕を行うことにより、最大長さ(L)が10〜75mm、最大幅(W)が1〜20mmであって、かつ、最大幅(W)と最大厚み(T)の積(W×T)が1〜200mm2の寸法のものが95質量%以上を占める木屑含有可燃性廃棄物を得た。
この木屑含有可燃性廃棄物を前記(1)空気輸送配管中の安定排出の確認をしたところ、問題なく排出することができた。また、前記(2)燃焼速度の確認をしたところ、150秒以内で燃焼が終了し、通常の問題なくセメントの燃料としている可燃性廃棄物と燃焼速度が変わらないことを確認した。
この結果から、セメントの製造を通常に行っている状態にて、空気輸送配管内径80.7mm、木屑含有可燃性廃棄物の排出量5t/Hr、空気輸送速度60m/秒、空気輸送配管の曲管部の曲げ角度が90°であって、かつ、曲率が配管内径の5倍の条件で投入ノズルへ前記木屑含有可燃性廃棄物を空気輸送し、投入ノズルから排出速度が60m/秒となるようにキルンへ投入した。前記木屑含有可燃性廃棄物の供給を継続しても、問題なくセメントを製造することができた。
実施例2
実施例1と同じ寸法の木屑100質量部に対して、直線距離で測定される最大の長さが15〜25mmの寸法のポリプロピレンを主成分とする粒状廃プラスチックを100質量部含む木屑含有可燃性廃棄物を前記(1)空気輸送配管中の安定排出の確認をしたところ、問題なく排出することができた。また、前記(2)燃焼速度の確認をしたところ、150秒以内で燃焼が終了し、通常の問題なくセメントの燃料としている可燃性廃棄物と燃焼速度が変わらないことを確認した。
実施例1と同じ寸法の木屑100質量部に対して、直線距離で測定される最大の長さが15〜25mmの寸法のポリプロピレンを主成分とする粒状廃プラスチックを100質量部含む木屑含有可燃性廃棄物を前記(1)空気輸送配管中の安定排出の確認をしたところ、問題なく排出することができた。また、前記(2)燃焼速度の確認をしたところ、150秒以内で燃焼が終了し、通常の問題なくセメントの燃料としている可燃性廃棄物と燃焼速度が変わらないことを確認した。
この結果から、実施例1と同じ条件で前記木屑含有可燃性廃棄物をキルンへ供給したが、供給を継続しても、問題なくセメントを製造することができた。
比較例1
木屑をチッパー式切削器により切削した後に、目開き53mmのふるいを設置したにロータリースクリーンを通して、ふるい上分を循環して再破砕を行うことにより、最大長さ(L)が30〜60mm、最大幅(W)が25〜50mmであって、かつ、最大幅(W)と最大厚み(T)の積(W×T)が100〜400mm2の寸法のものが95質量%以上を占める薄片状の木屑含有可燃性廃棄物を得た。前記木屑含有可燃性廃棄物を前記(1)空気輸送配管中の安定排出の確認をしたところ、空気輸送配管の曲管部にて閉塞が生じたので、セメントの製造には使用しなかった。
木屑をチッパー式切削器により切削した後に、目開き53mmのふるいを設置したにロータリースクリーンを通して、ふるい上分を循環して再破砕を行うことにより、最大長さ(L)が30〜60mm、最大幅(W)が25〜50mmであって、かつ、最大幅(W)と最大厚み(T)の積(W×T)が100〜400mm2の寸法のものが95質量%以上を占める薄片状の木屑含有可燃性廃棄物を得た。前記木屑含有可燃性廃棄物を前記(1)空気輸送配管中の安定排出の確認をしたところ、空気輸送配管の曲管部にて閉塞が生じたので、セメントの製造には使用しなかった。
比較例2
木屑をハンマーミル式破砕機により破砕した後に、上側に目開き125mmのふるい、下側に目開き90mmのふるいを設置したにロータリースクリーンを通して、ふるい上分を循環して再破砕を行うことにより、ふるい中間分として最大長さ(L)が100mmを超え150mm以下、最大幅(W)が5mmを超え25mm以下であって、かつ、最大幅(W)と最大厚み(T)の積(W×T)が10mm2を超え300mm2以下の寸法のものが95質量%以上を占める木屑含有可燃性廃棄物を得た。前記木屑含有可燃性廃棄物を前記(1)空気輸送配管中の安定排出の確認をしたところ、空気輸送配管の曲管部にて閉塞が生じたので、セメントの製造には使用しなかった。
木屑をハンマーミル式破砕機により破砕した後に、上側に目開き125mmのふるい、下側に目開き90mmのふるいを設置したにロータリースクリーンを通して、ふるい上分を循環して再破砕を行うことにより、ふるい中間分として最大長さ(L)が100mmを超え150mm以下、最大幅(W)が5mmを超え25mm以下であって、かつ、最大幅(W)と最大厚み(T)の積(W×T)が10mm2を超え300mm2以下の寸法のものが95質量%以上を占める木屑含有可燃性廃棄物を得た。前記木屑含有可燃性廃棄物を前記(1)空気輸送配管中の安定排出の確認をしたところ、空気輸送配管の曲管部にて閉塞が生じたので、セメントの製造には使用しなかった。
比較例3
ロータリースクリーンのふるいの目開きを22.4mmに変更して、実施例1と同様の処理を行うことにより、最大長さ(L)が1〜30mm、最大幅(W)が1〜10mmであって、かつ、最大幅(W)と最大厚み(T)の積(W×T)が1〜50mm2の寸法のものが95質量%以上を占める木屑破砕片を得た。この時、破砕機の処理能力が、実施例1の木屑と比較して25%に低下した。更に、破砕時に粉塵の発生が顕著であった。
前記木屑含有可燃性廃棄物を前記(1)空気輸送配管中の安定排出の確認をしたところ、空気輸送配管の手前のホッパーや貯留・計量槽にて時折、滞留が生じたので、ホッパーや貯留・計量槽への投入量の調整、ホッパーや貯留・計量層に振動を与える等しないと、安定に排出することはできなかった。
ロータリースクリーンのふるいの目開きを22.4mmに変更して、実施例1と同様の処理を行うことにより、最大長さ(L)が1〜30mm、最大幅(W)が1〜10mmであって、かつ、最大幅(W)と最大厚み(T)の積(W×T)が1〜50mm2の寸法のものが95質量%以上を占める木屑破砕片を得た。この時、破砕機の処理能力が、実施例1の木屑と比較して25%に低下した。更に、破砕時に粉塵の発生が顕著であった。
前記木屑含有可燃性廃棄物を前記(1)空気輸送配管中の安定排出の確認をしたところ、空気輸送配管の手前のホッパーや貯留・計量槽にて時折、滞留が生じたので、ホッパーや貯留・計量槽への投入量の調整、ホッパーや貯留・計量層に振動を与える等しないと、安定に排出することはできなかった。
1 セメント原料
2 予熱装置
3 キルン
4 サイクロン
5 ダクト
6 仮焼室
7 主バーナー
8 グレートクーラー
9 原料シュート
10 投入ノズル
11 置場
12 破砕機
13 ホッパー
14 空気輸送配管
14’空気輸送配管
15 貯留・計量槽
2 予熱装置
3 キルン
4 サイクロン
5 ダクト
6 仮焼室
7 主バーナー
8 グレートクーラー
9 原料シュート
10 投入ノズル
11 置場
12 破砕機
13 ホッパー
14 空気輸送配管
14’空気輸送配管
15 貯留・計量槽
Claims (3)
- 最大長さ(L)が10〜100mm、最大幅(W)が1〜20mmであって、かつ、最大幅(W)と最大厚み(T)の積(W×T)が1〜200mm2の寸法のものを主とする木屑100質量部、直線距離で測定される最大の長さが1〜50mmの寸法の木屑以外の可燃性廃棄物0〜200質量部とを含んでなる木屑含有可燃性廃棄物を、セメント焼成用ロータリーキルンの窯前に設けた投入ノズルへ空気輸送配管を経由して空気輸送し、該投入ノズルより該ロータリーキルンへ供給することを特徴とするセメントの製造方法。
- 前記空気輸送配管が、直管であるか、又は曲管部の曲げ角度が120°以内であって、かつ、曲率が配管内径の4倍以上であることを特徴とする請求項1に記載のセメントの製造方法。
- 前記木屑含有可燃性廃棄物が、前記空気輸送配管中を20〜70m/秒の速度で空気輸送されることを特徴とする請求項1又は2に記載のセメントの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004126333A JP2005306670A (ja) | 2004-04-22 | 2004-04-22 | セメントの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2004126333A JP2005306670A (ja) | 2004-04-22 | 2004-04-22 | セメントの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005306670A true JP2005306670A (ja) | 2005-11-04 |
Family
ID=35435847
Family Applications (1)
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JP2004126333A Withdrawn JP2005306670A (ja) | 2004-04-22 | 2004-04-22 | セメントの製造方法 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2005306670A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008014524A (ja) * | 2006-07-04 | 2008-01-24 | Ube Ind Ltd | 仮焼炉での廃棄物処理方法とその装置 |
JP2012041542A (ja) * | 2011-09-22 | 2012-03-01 | Jfe Steel Corp | 廃プラスチックを用いた焼成品の製造方法 |
-
2004
- 2004-04-22 JP JP2004126333A patent/JP2005306670A/ja not_active Withdrawn
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JP2008014524A (ja) * | 2006-07-04 | 2008-01-24 | Ube Ind Ltd | 仮焼炉での廃棄物処理方法とその装置 |
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