JP2005302704A - 電子線記録装置と電子線照射位置検出方法及び電子線照射位置制御方法 - Google Patents

電子線記録装置と電子線照射位置検出方法及び電子線照射位置制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 電子線記録装置では、装置周辺の磁場の変動や、装置の機械的振動、音響ノイズ、電気的なノイズなどの影響を大きく受け、原盤に対する電子線照射位置が変動する。この変動量を原盤記録中に検出することは非常に困難である。
【解決手段】 電子線記録装置は、情報記録媒体の原盤に電子線を照射する電子光学系と、前記電子線を遮蔽する遮蔽板と、前記遮蔽板上に設けられていると共に前記原盤への情報記録方向に沿って第1電子線検出部と第2電子線検出部に分割された電子線照射量検出器と、前記第1電子線検出部に照射された第1電子線照射量と前記第2電子線検出部に照射された第2電子線照射量の差分を算出する差分検出器とを備えて、前記情報記録方向に対して略垂直な方向の前記電子線の位置を前記差分から検出する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、一般に、電子線記録装置と電子線照射位置検出方法及び電子線照射位置制御方法に関し、特に光ディスクなどの情報記録媒体の原盤上に螺旋状に信号を精度良く記録する電子線記録装置と電子線位置検出方法及び電子線照射位置制御方法に関する。
一般的に、光ディスクの製造は、レーザや電子線などを光源とした光ディスク原盤記録装置を使用し、フォトレジストが塗布された原盤を露光し、現像することによって表面に情報ピットや溝などの凹凸パターンが形成された光ディスク原盤を作製する工程と、光ディスク原盤から凹凸パターンを転写したスタンパと呼ばれる金属金型を作製する工程と、スタンパを使用して樹脂製の成形基板を作製する工程と、成形基板に記録膜や反射膜などを成膜する工程を含む。
電子線を用いて光ディスク原盤を作製する時、露光に使用する電子線記録装置は一般的に次のように構成されている。図7は、従来の電子線記録装置の構成を示す。従来の電子線記録装置は、電子線614を発生させる電子線源601と、放出された電子線614をレジスト原盤609に収束させ、入力される情報信号に応じてレジスト原盤609上に情報パターンを記録するための電子光学系602とを備え、電子線源601と電子光学系602は真空槽613内に収納されている。
電子線源601は、電流を流すことで電子を放出させるフィラメントや、放出された電子を閉じ込める電極、電子線614を引き出し、加速する電極などから構成されており、電子を一点から放出する構造となっている。
また、電子光学系602は、電子線614を収束させるレンズ603、電子線614のビーム径を決定するアパーチャ604、入力される情報信号に応じて電子線614を、夫々、直交する方向に偏向させる1対の第1偏向電極605及び1対の第2偏向電極606、第1偏向電極605で曲げられた電子線614を遮蔽する遮蔽板607、レジスト原盤609の表面に電子線614を収束させるレンズ608を含む。
更に、レジスト原盤609は、回転ステージ610上に保持されており、水平移動ステージ611によって、回転ステージ610と共に矢印の方向に水平移動できるようになっている。原盤609を回転ステージ610で回転させながら、水平移動ステージ611で水平移動させると、電子線614を原盤609に螺旋状に照射することが可能となり、光ディスクの情報信号を原盤609に螺旋状に記録することができる。
その上、原盤609の表面と略同じ高さに焦点調整用グリッド612が配置されている。焦点調整用グリッド612は、レンズ608が原盤609の表面に電子線614を収束させるように、レンズ608の焦点位置を調整するために設けられているもので、電子線614を焦点調整用グリッド612上に照射し、焦点調整用グリッド612で反射される電子や、放出される2次電子などを検出器で検出することによって、グリッド像をモニタし、像の見え方によって、レンズ608の焦点位置を調整することができる。上記部材609〜612も真空槽613内に収納されている。
第1偏向電極605は、電子線614を水平移動ステージ611の移動方向と略垂直方向に曲げるように設けられており、電極605に入力される信号に応じて、電子線614を遮蔽板607側に曲げることによって、電子線614を原盤609に照射するか否かを選択することができ、情報ピットパターンなどを原盤609に記録することができるようになっている。
また、第2偏向電極606は、第1偏向電極605に対して略垂直方向に、即ち、水平移動ステージ611の移動方向と略同じ方向に電子線614を曲げるように設けられており、第2偏向電極606に入力される信号に応じて、電子線614を水平移動ステージ611の移動方向と略同じ方向に曲げることができる。水平移動ステージ611の移動方向は、記録される原盤609の半径方向に相当し、第2偏向電極606に入力する信号によって、光ディスクのトラックピッチの変動などを補正することが可能となる。
光ディスクなどでは、記録される情報信号ピットのトラックピッチを精度良く記録することが必要であり、水平移動ステージ611の移動量や、回転ステージ610の非同期振れ、又は電子線614の照射位置の変動などを精度良く制御することが必要となる。例えば、特許文献1に開示されているように、水平移動ステージ611の移動量などをレーザ測長などによってずれ量を検出すると共に解消するように第2偏向電極606を駆動させることでトラックピッチの変動を抑制することが可能である。
特開2002−141012号公報
従来の電子線記録装置の場合、水平移動ステージ611の移動量や、回転ステージ610の非同期振れなどの機械精度は補正できたとしても、電子線614そのものの位置が変動する可能性が非常に高く、その補正が非常に重要となる。電子線614の位置の変動は、電子線614が、装置周辺の磁場の変動と、装置の機械的振動、音響ノイズ及び電気的なノイズなどの影響を大きく受けることに起因している。
電子線源601や電子光学系602などは、一般的に真空槽613内に収納されているので、その真空槽613内で、加速、収束される電子線614の位置の変動を検出することは非常に困難である。また、記録に用いられる電子線614を、原盤609とは異なる検出対象(例えば、焦点調整用グリッド612)に照射し、その像の検出器の信号を用いて、電子線614の照射位置変動などを検出する方法が考えられるが、この方法は、信号を原盤609に対して記録を行っている時は使用することができない。よって、この方法でも、信号を原盤609に対して記録を行っている時の電子線614の位置変動を検出及び補正することは非常に困難である。
本発明は、従来技術の上記問題点を解決するためになされたもので、情報記録媒体の原盤に記録中の電子線照射位置の変動を検出し、補正することによって、情報記録媒体のトラックピッチ精度を高めることを目的とする。
この目的のために、本発明は、ピットなどの情報信号を電子線で原盤に記録する場合に、電子線が1対の第1偏向電極で曲げられ遮蔽板で遮蔽されることを利用し、遮蔽された時に遮蔽板上に設けられた電子線照射量検出器の2つの電子線検出部に、夫々、照射される第1電子線照射量と第2電子線照射量の差分信号により、原盤の半径方向(水平移動ステージの移動方向)の電子線の位置を決定し、電子線による原盤への記録中に、電子線の照射位置を検出することができるだけでなく、精度良く電子線の位置変動を補正することもできる電子線記録装置を提案する。
この目的を達成するために、本発明の電子線記録装置は、情報記録媒体の原盤に電子線を照射する電子光学系と、前記電子線を遮蔽する遮蔽板と、前記遮蔽板上に設けられていると共に前記原盤への情報記録方向に沿って第1電子線検出部と第2電子線検出部に分割された電子線照射量検出器と、前記第1電子線検出部に照射された第1電子線照射量と前記第2電子線検出部に照射された第2電子線照射量の差分を算出する差分検出器とを備えて、前記情報記録方向に対して略垂直な方向の前記電子線の位置を前記差分から検出する。
本発明によれば、ピットなどを原盤に電子線で記録する際、遮蔽板に遮蔽された電子線の照射位置変動を、遮蔽板上に設けられた電子線照射量検出器の2つの電子線検出部を用いて検出することによって、原盤にパターンを記録する電子線を原盤に照射しながら、電子線の照射位置変動を検出することが可能となる。よって、原盤記録時に、原盤に記録されたトラックピッチの変動が許容範囲内であるか否かを判断することが可能となる。また、電子線を原盤の半径方向に電子線を偏向する1対の第2偏向電極を、電子線照射量検出器の情報に基づいて駆動することで、原盤に記録されるトラックピッチの変動を抑制することができる。
以下に、本発明の各実施の形態を図面を参照して説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1にかかる、情報記録媒体、例えば、光ディスクの原盤109に電子線114により信号を記録する電子線記録装置の構成を示す。この電子線記録装置は、図7の従来の電子線記録装置と同様の以下の構造部分を有する。即ち、この電子線記録装置は、電子線114を発生させる電子線源101と、放出された電子線114をレジスト原盤109に収束させ、入力される情報信号に応じてレジスト原盤109上に情報パターンを記録するための電子光学系202とを備え、電子線源101と電子光学系102は真空槽113内に収納されている。
電子線源101は、電流を流すことで電子を放出させるフィラメントや、放出された電子を閉じ込める電極、電子線114を引き出し、加速する電極などから構成されており、電子を一点から放出する構造となっている。
また、電子光学系102は、電子線114を収束させるレンズ103、電子線114のビーム径を決定するアパーチャ104、入力される情報信号に応じて電子線114を、それぞれ直交する方向に偏向させる1対の第1偏向電極105および1対の第2偏向電極106、第1偏向電極105で曲げられた電子線114を遮蔽する遮蔽板107、レジスト原盤109の表面に電子線114を収束させるレンズ108を含む。1対の第1偏向電極105は、電子線114を遮蔽板107に偏向することにより、遮蔽用偏向器として働く一方、1対の第2偏向電極106は、後述するように電子線114をその照射位置補正のために偏向することにより、照射位置補正用偏向器として働く。
更に、レジスト原盤109は、回転ステージ110上に保持されており、水平移動ステージ111によって、回転ステージ110と共に矢印の方向に水平移動できるようになっている。原盤109を回転ステージ110で回転させながら、水平移動ステージ111で水平移動させると、電子線114を原盤109に螺旋状に照射することが可能となり、光ディスクの情報信号を原盤109に螺旋状に記録することができる。
その上、原盤109の表面と略同じ高さに焦点調整用グリッド112が配置されている。焦点調整用グリッド112は、レンズ108が原盤109の表面に電子線114を収束させるように、レンズ108の焦点位置を調整するために設けられているもので、電子線114を焦点調整用グリッド112上に照射し、焦点調整用グリッド112で反射される電子や、放出される2次電子などを検出器で検出することによって、グリッド像をモニタし、像の見え方によって、レンズ108の焦点位置を調整することができる。上記部材109〜112も真空槽113内に収納されている。
図7の従来の電子線記録装置と同様の上記構造部分に加えて、本発明の電子線記録装置は電子線照射位置検出ユニット130を備える。電子線照射位置検出ユニット130は、電子線照射位置検出ユニット130を通過する電子線の位置を検出するように設けられている。図2は電子線照射位置検出ユニット130の平面図である。電子線照射位置検出ユニット130は、第1偏向電極105と、遮蔽板107と、遮蔽板107上に設けた第1電子線検出部120a及び第2電子線検出部120bを有する電子線照射量検出器120と、電子線照射量検出器120に接続された差分検出器125とを含む。後で詳述するように、第1電子線検出部120aの出力信号aと第2電子線検出部120bの出力信号bを差分検出器125に入力し、信号aと信号bの間の差分信号(a−b)を差分検出器125から出力する構成となっている。
図2において、第1偏向電極105の間の略中心位置を通過する電子線101に遮蔽板107のエッジ107Aが略接するように、遮蔽板107を設置している。また、電子線照射量検出器120の第1電子線検出部120aと第2電子線検出部120bの間の境界線Lは、原盤109に対する情報記録方向Yと略平行であり、電子線114の中心と心合せされるように配置されている。原盤109に対する情報記録方向Yは、原盤109の半径方向Xに対して略垂直である。
原盤109にピットなどの情報信号を記録する場合、記録する情報信号に応じた電圧を第1偏向電極105に印加して、電子線114を位置114’に偏向させる。電子線114を原盤109に照射するときは第1偏向電極105に電圧を印加せず、照射しないときは第1偏向電極105に電圧を印加し、電子線114を位置114’に偏向させる。この時、偏向された電子線114’は、遮蔽板107で遮蔽されるから、原盤109に照射されない。これらの手順を繰り返すことによって、パターンが原盤109に記録される。
電子線114’が遮蔽板107によって遮蔽されているとき、遮蔽板107上に設けられた第1電子線検出部120aおよび第2電子線検出部120bの両方に電子線114’が照射され、電子線114’の照射量に応じた信号aとbが、夫々、第1電子線検出部120aと第2電子線検出部120bから出力される。第1電子線検出部120aと第2電子線検出部120bの出力信号aとbは差分検出器125に入力され、差分信号(a−b)が差分検出器125から出力される。
電子線114が外乱などによる位置変動を受けていない場合、第1偏向電極105によって偏向される電子線114の軌跡は、第1電子線検出部120aと第2電子線検出部120bの境界線L上にある。しかし周囲の磁場変動や、電子線記録装置の機械的な振動および電気的なノイズなどにより電子線114が振らされた時、電子線114の偏向時の軌跡は、第1電子線検出部120aと第2電子線検出部120bの境界線Lからずれることになる。
図3(A)、図3(B)と図3(C)は、電子線照射位置検出ユニット130の遮蔽板107上における電子線114の動きを示す模式図である。電子線114が外乱などにより振らされない場合、第1偏向電極105によって偏向された電子は、図3(A)に示す位置で遮蔽板107に照射される。しかし、磁場変動などの外乱により電子線114の位置が原盤109の半径方向Xに振らされたとき、電子線114は、遮蔽板107上を図3(B)に示すように矢印Pの方向や図3(C)に示すように矢印Qの方向に移動する。第1電子線検出部120aと第2電子線検出部120bに照射された電子線114の量に対応する信号aと信号bが、夫々、第1電子線検出部120aと第2電子線検出部120bから出力される。なお、第1電子線検出部120aと第2電子線検出部120bの検出感度は略同じとなるように調整されている。この検出感度調整は、電子線114が第1電子線検出部120aと第2電子線検出部120bの各々に全部照射されるように電子線114の位置を動かしたときに、第1電子線検出部120aと第2電子線検出部120bから出力される信号aとbが略同じ値を取るように行われる。第1電子線検出部120aと第2電子線検出部120bから出力される信号aとbは、差分検出器125に入力され、その差分(a−b)が計算される。
図4は、電子線114の照射位置が図3(A)乃至図3(C)に示すように変動した場合における差分検出器125の出力信号(a−b)の強度の変化を示す図である。
例えば、電子線114が外乱によって振らされることなく、正常に偏向された場合、電子線114は図3(A)の位置に照射される。このとき、第1電子線検出部120aの出力信号aと第2電子線検出部120bの出力信号bは互いに略同じとなるから、差分検出器125の出力信号(a−b)の強度は、図4の原点Oで示すように、略零となる。一方、図3(B)に示すように、電子線114が図3(A)の正常位置から第1電子線検出部120a側に矢印Pの方向に移動した場合、差分検出器125の出力信号(a−b)の強度は、図4のプラス領域内の曲線131に移動する。逆に、図3(C)に示すように、電子線114が図3(A)の正常位置から第2電子線検出部120b側に矢印Qの方向に移動した場合、差分検出器125の出力信号(a−b)の強度は、図4のマイナス領域内の曲線132に移動する。従って、電子線照射位置検出ユニット130では、差分検出器125の出力信号(a−b)の値から電子線114の位置を検出することができる。
情報信号に応じて電子線114は第1偏向電極105によって偏向されるので、電子線114が遮蔽板107に対して照射される瞬間と照射されない瞬間が生じうる。本発明の実施の形態1にかかる電子線記録装置の場合、電子線114の位置変動を検出できるのは、第1偏向電極105によって電子線114が偏向され遮蔽板104に照射されている瞬間だけであり、電子線114が原盤109に照射されている瞬間は、電子線114の位置変動を検出出来ないことになる。しかし、実際には電子線114が原盤109に照射されている瞬間、即ち、遮蔽板109に照射されていない瞬間であっても、電子線114の位置変動の検出には支障はきたさない。それは以下の理由による。電子線114の位置変動を生じさせる外乱としては、電子線記録装置周辺の電気的なノイズ、特に電源周波数などの数Hz〜数十Hz程度の振動や、緩やかな磁場変動、あるいは数百Hzから数kHz程度の周波数の機械的な振動などによるものが支配的である。それに対して情報信号による変調速度は非常に高速である。例えば、電子線を用いて記録を行う高密度型光ディスクなどにおいては、原盤を記録する速度と記録するピットの大きさなどによって決定されるが、その変調速度は数MHz〜数百MHzと非常に高速である。一例を挙げると、ピット長149nmのピットパターンを記録する次世代光ディスクを記録線速2m/sで記録するとその変調速度は約7MHz、線速5m/sで記録すると変調速度は約17MHzとなる。第1電子線検出部120aと第2電子線検出部120bの出力信号aとb又は差分検出器125の出力信号(a−b)の高域周波数を減衰させるローパスフィルタなどを設け、信号aとb又は信号(a−b)の応答速度を数kHzまでに制限すれば、情報信号に応じて電子線114が遮蔽板107に照射されない瞬間中でも、情報信号は補完され、電子線114の位置変動を検出することができる。
本発明の電子線記録装置の上記構成を用いることにより、電子線114を原盤109に照射し情報信号を記録しながら、原盤109の半径方向Xの電子線114の位置変動を検出することができる。そのため、光ディスクの原盤109に記録した信号のトラックピッチの変動をモニタすることができるので、原盤109に記録した信号のトラックピッチが許容範囲内であるか否かを原盤109への記録中に判断することが可能となる。
このために、例えば、まず電子線114を原盤109の半径方向X、即ち、原盤109に対する情報記録方向Yに略垂直な方向に偏向できる第2偏向電極106を用いて、電子線114を原盤109の半径方向X、即ち、水平移動ステージ111の送り方向に大きく変位させ、次に、差分検出器125の出力を確認しながら、テスト原盤などにサンプルを記録する。記録後のサンプルのトラックピッチの変動を電子顕微鏡などで検査することにより、原盤109上での電子線照射位置の変化量と、差分検出器125の出力信号との相関をあらかじめ把握しておく。ここでは、記録後のサンプルの形状から原盤109上での電子線照射位置の変化量を電子顕微鏡などで容易に測定することができるように、電子線114を前もって大きく変位させておく。その後に、原盤109への記録を行うと、差分検出器125の出力信号から直接的にトラックピッチ変動を検出することが出来る。
原盤109に記録される情報ピットのトラックピッチが320nmとし、光ディスクとして許容されるトラックピッチ変動が±5nmの範囲内と定められていた場合、テスト原盤の記録結果より、光ディスクのトラックピッチ変動が±5nmの許容範囲内に収まっている時の差分検出器125の出力信号はあらかじめ換算することが可能であるため、光ディスク原盤109に実際に記録している時に差分検出器125の出力信号をモニタしつづけていれば、この原盤109のトラックピッチ変動が許容範囲内であるか否かを見積もることが可能となる。
図5は、図1の電子線記録装置の変形例である電子線記録装置の構成を示す。この電子線記録装置は、電子線カラム140と真空槽113’を含み、電子線カラム140のケーシング135が真空槽113’の孔に気密に嵌入される。また、電子線カラム140のケーシング135には電子線源101と電子光学系102が収納される一方、真空槽113’には原盤109、回転ステージ110、水平移動ステージ111と焦点調整用グリッド112が収納される。
本発明の実施の形態1では、遮蔽板107は、電子光学系102内でレンズ108の上方に設けられているが、別の場所に設けてもよい。特に電子線114の原盤109への照射位置の変動をより正確に検出するためには、遮蔽板107はより原盤109に近いところに配置することが好ましい。
(実施の形態2)
図6は、本発明の実施の形態2にかかる電子線記録装置の構成を示す。この電子線記録装置は、電子線照射位置検出ユニット130の差分検出器125と第2偏向電極106の間に接続された電子線照射位置制御装置150を備える。実施の形態2の電子線記録装置の他の構成は実施の形態1と同様であるので、その説明を省略する。図6の電子線記録装置のこの構成では、検出した電子線照射位置の変動が電子線照射位置制御装置150で抑制されるので、原盤109に記録するパターンのトラックピッチムラを低減することができる。照射位置の変動がない状態では、差分検出器125は、出力信号(a−b)として、図4の原点Oに対応する零信号を出力する。また、電子線114が第1電子線検出部120a側に変位した場合と、逆に第2電子線検出部120b側に変位した場合は、差分検出器125は、出力信号(a−b)として、夫々、図4に示すように曲線131に対応するプラス信号と曲線132に対応するマイナス信号を出力する。
差分検出器125のこの出力信号(a−b)は、電子線照射位置制御装置150に入力される。電子線照射位置制御装置150は、ある一定の信号増幅あるいは減衰、そして位相調整などを行うことにより照射位置補正信号cを作成して、この照射位置補正信号cを第2偏向電極106にフィードバックする。第2偏向電極106は、第2偏向電極106に入力される照射位置補正信号cに応じて、電子線114を水平移動ステージ111の移動方向と略同じ方向、即ち、原盤109の半径方向Xに偏向させることができるため、電子線114の位置変動を減少させる方向に差分検出器125の出力信号(a−b)に応じて電子線114を曲げることによって、電子線114の照射位置を安定させることができる。図6の電子線記録装置のこの構成により、原盤109に記録される光ディスクのトラックピッチの変動などを補正することができる。
本発明の電子線記録装置と電子線照射位置検出方法及び電子線照射位置制御方法は、光ディスクなどの情報記録媒体の原盤に信号を精度良く記録するのに有用であり、情報記録媒体のトラックピッチの高精度化に利用することができる。
本発明の実施の形態1にかかる電子線記録装置の概略断面図である。 図1の電子線記録装置の電子線照射位置検出ユニットの構成を示す模式平面図である。 (A)、(B)と(C)は、図2の電子線照射位置検出ユニットの遮蔽板上における電子線の正常位置と振れを示す平面図である。 図1の電子線記録装置における電子線照射位置と差分検出器の出力との関係を示すグラフである。 図1の電子線記録装置の変形例である電子線記録装置の概略断面図である。 本発明の実施の形態2にかかる電子線記録装置の概略断面図である。 従来の電子線記録装置の一例を示す概略断面図である。
符号の説明
101 電子線源
102 電子光学系
103 レンズ
104 アパーチャ
105 第1偏向電極
106 第2偏向電極
107 遮蔽板
108 レンズ
109 原盤
110 回転ステージ
111 水平移動ステージ
112 焦点調整用グリッド
113 真空槽
114 電子線
120 電子線照射量検出器
125 差分検出器
130 電子線照射位置検出ユニット
135 ケーシング
140 電子線カラム
150 電子線照射位置制御装置

Claims (15)

  1. 情報記録媒体の原盤に電子線を照射する電子光学系と、前記電子線を遮蔽する遮蔽板と、前記遮蔽板上に設けられていると共に前記原盤への情報記録方向に沿って第1電子線検出部と第2電子線検出部に分割された電子線照射量検出器と、前記第1電子線検出部に照射された第1電子線照射量と前記第2電子線検出部に照射された第2電子線照射量の差分を算出する差分検出器とを備えて、前記情報記録方向に対して略垂直な方向の前記電子線の位置を前記差分から検出することを特徴とする電子線記録装置。
  2. 前記情報記録方向に対して略垂直な前記方向に前記電子線をその照射位置補正のために偏向する照射位置補正用偏向器と、前記電子線の前記位置に基づいて照射位置補正信号を作成して、前記照射位置補正信号を前記照射位置補正用偏向器に入力する電子線照射位置制御装置とを更に備えて、前記情報記録方向に対して略垂直な前記方向に前記電子線を前記照射位置補正信号に応じて前記照射位置補正用偏向器で偏向させる請求項1に記載の電子線記録装置。
  3. 前記情報記録方向に対して略平行な方向に前記電子線を前記遮蔽板に偏向する遮蔽用偏向器を更に備えて、前記電子線を、前記遮蔽用偏向器で前記遮蔽板に照射させることにより前記遮蔽板で遮蔽する請求項1又は2に記載の電子線記録装置。
  4. 前記照射位置補正用偏向器が1対の偏向電極からなる請求項2に記載の電子線記録装置。
  5. 前記遮蔽用偏向器が1対の偏向電極からなる請求項3に記載の電子線記録装置。
  6. 電子線源から出射され偏向を受ける電子線を遮ることによって、前記電子線の強度変調を行うための電子線遮蔽板であって、
    前記電子線の前記偏向の方向に略平行な直線に沿って少なくとも2個の部分に分割された電子線検出領域を有する電子線遮蔽板。
  7. 電子線源から出射され偏向を受ける電子線を遮ることによって、前記電子線の強度変調を行うための遮蔽板を有する電子線カラムであって、
    前記遮蔽板が、前記電子線の前記偏向の方向に略平行な直線に沿って少なくとも2個の部分に分割された電子線検出領域を有して、前記偏向中に前記電子線の中心が前記直線に沿って移動することを特徴とする電子線カラム。
  8. 情報記録媒体の原盤に電子線を照射する電子光学系と、前記電子線をその遮蔽のために偏向する遮蔽用偏向器と、前記遮蔽用偏向器により偏向された前記電子線を遮蔽する遮蔽板と、前記遮蔽板上に設けられていると共に前記原盤への情報記録方向に沿って第1電子線検出部と第2電子線検出部に分割された電子線照射量検出器とを含む電子線記録装置において、前記電子線の照射位置を検出する電子線照射位置検出方法であって、
    前記電子線を前記原盤に照射する工程と、前記電子線を前記遮蔽用偏向器で偏向させる工程と、前記遮蔽用偏向器で偏向された前記電子線を前記遮蔽板で遮蔽する工程と、前記第1電子線検出部に照射された第1電子線照射量と前記第2電子線検出部に照射された第2電子線照射量を検出する工程と、前記第1電子線照射量と前記第2電子線照射量の差分を求める工程と、前記情報記録方向に対して略垂直な方向の前記電子線の位置を前記差分より決定する工程とを備える電子線照射位置検出方法。
  9. 前記遮蔽用偏向器が、前記情報記録方向に略平行な方向に前記電子線を偏向する請求項8に記載の電子線照射位置検出方法。
  10. 前記遮蔽用偏向器が1対の偏向電極からなる請求項8又は9に記載の電子線照射位置検出方法。
  11. 情報記録媒体の原盤に電子線を照射する電子光学系と、前記電子線をその遮蔽のために偏向する遮蔽用偏向器と、前記原盤への情報記録方向に対して略垂直な方向に前記電子線をその照射位置補正のために偏向する照射位置補正用偏向器と、前記遮蔽用偏向器により偏向された前記電子線を遮蔽する遮蔽板と、前記遮蔽板上に設けられていると共に前記情報記録方向に沿って第1電子線検出部と第2電子線検出部に分割された電子線照射量検出器とを含む電子線記録装置において、前記電子線の照射位置を制御する電子線照射位置制御方法であって、
    前記電子線を前記原盤に照射する工程と、前記電子線を前記遮蔽用偏向器で偏向させる工程と、前記遮蔽用偏向器で偏向された前記電子線を前記遮蔽板で遮蔽する工程と、前記第1電子線検出部に照射された第1電子線照射量と前記第2電子線検出部に照射された第2電子線照射量を検出する工程と、前記第1電子線照射量と前記第2電子線照射量の差分を求める工程と、前記情報記録方向に対して略垂直な前記方向の前記電子線の位置を前記差分より決定する工程と、前記電子線の前記位置に基づいて照射位置補正信号を作成する工程と、前記照射位置補正信号を前記照射位置補正用偏向器に入力して、前記情報記録方向に対して略垂直な前記方向に前記電子線を前記照射位置補正信号に応じて前記照射位置補正用偏向器で偏向させる工程とを備える電子線照射位置制御方法。
  12. 前記遮蔽用偏向器が、前記情報記録方向に略平行な方向に前記電子線を偏向する請求項11に記載の電子線照射位置制御方法。
  13. 前記遮蔽用偏向器が1対の偏向電極からなる請求項11又は12に記載の電子線照射位置制御方法。
  14. 前記照射位置補正用偏向器が1対の偏向電極からなる請求項11に記載の電子線照射位置制御方法。
  15. 請求項11乃至14のいずれかに記載の電子線照射位置制御方法の工程で作製された前記原盤を用いて前記情報記録媒体を製造することを特徴とする情報記録媒体製造方法。
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