JP2005302542A - 燃料電池システム - Google Patents

燃料電池システム Download PDF

Info

Publication number
JP2005302542A
JP2005302542A JP2004117571A JP2004117571A JP2005302542A JP 2005302542 A JP2005302542 A JP 2005302542A JP 2004117571 A JP2004117571 A JP 2004117571A JP 2004117571 A JP2004117571 A JP 2004117571A JP 2005302542 A JP2005302542 A JP 2005302542A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fuel
fuel cell
pressure
liquid fuel
thin film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2004117571A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4826064B2 (ja
Inventor
Tsutomu Miyamoto
勉 宮本
Yuji Fujimori
裕司 藤森
Yukio Kasahara
幸雄 笠原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seiko Epson Corp filed Critical Seiko Epson Corp
Priority to JP2004117571A priority Critical patent/JP4826064B2/ja
Publication of JP2005302542A publication Critical patent/JP2005302542A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4826064B2 publication Critical patent/JP4826064B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells

Landscapes

  • Fuel Cell (AREA)

Abstract

【課題】 燃料電池を確実に起動できるとともに、コストを削減でき、かつシステム全体を小型化できる燃料電池システムを提供すること。
【解決手段】 燃料電池システム1では、液体燃料は、燃料供給室25と圧力作用室26との圧力差によって開かれる内部流路19を通して送出されるため、システム1の起動時において、従来のようなポンプを用いずに液体燃料を送出して燃料電池を確実に自起動させることができる。しかも、チューブポンプ5としては、従来のポンプのように緻密に制御されるものでなくともよく、コントローラ等も不要になってコストの削減を促進できる。そして、チューブポンプ5としては、液体燃料を圧送可能な簡易なものでよいから、システム1全体の小型化も図れる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、燃料電池システムに関する。
燃料電池は、外部から燃料と酸素とを連続的に供給し、電気化学的に反応させて電気エネルギを取り出すものであり、他の発電方式に比べて高効率で二酸化炭素の排出量が少ないため、環境問題が顕著になっている近年注目されている。
例えば高分子電解質型燃料電池(Polymer Electrolyte Fuel Cell, PEFC)は、低い温度で動作が可能で起動時間が短く、小型化も可能である。この高分子電解質型燃料電池は、高分子固体電解質膜を空気側電極と燃料側電極とで挟んだ構造のMEA(Membrane Electrode Assembly)を備え、空気側電極に空気(酸素)を供給し、燃料側電極にメタノール水溶液や改質した水素などの燃料を供給することにより、電気化学的反応が起こり、電力が発生する(例えば特許文献1)。
ところで、燃料電池で用いられる液体燃料は、当該液体燃料を改質して得られる水素を燃料側電極に供給する燃料電池の場合でも、また、液体燃料としてのメタノール水溶液を燃料側電極に供給する直接メタノール型燃料電池(DMFC)の場合でも、燃料貯留室からポンプ等によって送られる(例えば特許文献2)。
このようなポンプは、燃料電池が動作していない起動時には、2次電池等に充電された電気エネルギによって駆動が開始され、駆動に伴って燃料電池が起動すると、この燃料電池からの電気エネルギで駆動されるようになる。また、燃料電池のシステム内の水素圧力を検出することにより、検出結果に基づいてポンプのオンオフ等が制御され、系内の圧力に応じた適切な量の液体燃料が供給されるようになっている。
特開平8−162132号公報 特開2003−346836号公報
しかし、従来用いられていたポンプは、充電された電気エネルギで駆動が開始されるため、電気エネルギの充電量によっては駆動できないという問題がある。特に、燃料電池を小型電子機器や携帯機器等に搭載する場合、機器が小型であることから、充電できる電気エネルギの容量にも限界があり、思うようにポンプを駆動できず、この結果、燃料電池を確実に起動できない可能性がある。従って、そのような電気エネルギに頼らずに、燃料電池を確実に起動させることが望まれている。
しかも、従来のポンプは、水素圧力に応じて緻密に制御されているため、応答性に優れた高価なものであるうえ、制御するためのコントローラも必要であり、システム全体が非常に高価なものになっていた。
本発明の目的は、燃料電池を確実に起動できるとともに、コストを削減でき、かつシステム全体を小型化できる燃料電池システムを提供することにある。
本発明の燃料電池システムは、液体燃料が貯留される燃料貯留室と、この燃料貯留室に対して燃料連通孔を介して仕切られた燃料供給室と、この燃料供給室に対して薄膜弁によって仕切られた圧力作用室と、前記燃料供給室から燃料電池側または液体燃料の改質器側に当該液体燃料を送出する燃料流路と、液体燃料が前記燃料電池または前記改質器で消費されることで生じる圧力変動を前記圧力作用室に導く圧力導入路とを備え、前記薄膜弁は、前記燃料供給室と前記圧力作用室との圧力差により前記燃料流路を開閉可能に設けられ、前記燃料流路の途中には、前記液体燃料を圧送する圧送手段と、液体燃料の逆流を防止する逆流防止手段とが設けられ、これら圧送手段および/または逆流防止手段は、前記燃料供給室から前記燃料電池側または前記改質器側への前記燃料流量の流れを常時許可するように設けられていることを特徴とする。
この発明によれば、液体燃料カートリッジの燃料貯留室内に貯留されている液体燃料は、燃料供給室と圧力作用室との圧力差によって開かれる燃料流路を介して送出された後、常時流れを許可する圧送手段および/または逆流防止手段を通して燃料電池あるいは改質器に送られる。このため、燃料電池の起動時に液体燃料を送出するのには、従来のような二次電池等で駆動されるポンプ等が不要であり、燃料電池が確実に起動する。
加えて、燃料電池システムが起動してからは、燃料供給室と圧力作用室との圧力差に応じて行われる薄膜弁の開閉により、液体燃料の供給量がある程度制御されるので、圧送手段としては、従来のポンプのように緻密に制御されるものでなくともよく、コントローラ等も不要になってコストの削減が促進される。
そして、圧送手段としては、液体燃料を圧送可能な簡易なものでよいから、システム全体の小型化も図れる。
本発明の燃料電池システムでは、前記圧送手段は、チューブポンプであることを特徴とする。
チューブポンプとしては、チューブ状の燃料流路をボールでしごいて液体燃料を圧送するボール押圧タイプや、蠕動運動によってしごいて圧送する鍵盤押圧タイプなど、任意のタイプを適用できる。そして、このようなチューブポンプを用いることで、液体燃料の圧送が確実に行われるようになる。
本発明の燃料電池システムでは、前記圧送手段の駆動は、前記改質器で改質された水素の運動エネルギ、あるいはぜんまいに貯蓄された機械的エネルギで行われてもよい。
このような本発明では、圧送手段を駆動するエネルギとして、本システム中の燃料電池によって得られる電気的エネルギを多分に使用しないので、発電した電力が効率よく使用されるようになる。
本発明の燃料電池システムでは、前記燃料供給室および前記薄膜弁は少なくとも一対設けられ、これらの薄膜弁の開閉圧力が異なっていることを特徴とする。
このような本発明では、圧力作用室の圧力が小さいほど、多くの薄膜弁が開くようにすれば、圧力の低い度合いが大きく、比較的多量の液体燃料が必要とされる場合には、多数の薄膜弁を開くことで対応可能であり、必要最小限の少量の液体燃料でよい場合には、小数の薄膜弁を開くことで対応可能であるから、より適量の液体燃料が送出されるようになる。
本発明の燃料電池システムでは、前記燃料流路は、前記一対の薄膜弁側に対応して分岐して設けられ、分岐したそれぞれの部分では流路抵抗が異なることを特徴とする。
そして、本発明によれば、分岐した燃料流路の流路抵抗を異ならせるので、多量の液体燃料が必要な場合には、流路抵抗の小さい流路を流すように薄膜弁を開き、少量の液体燃料が必要な場合には、流路抵抗の大きい流路を流すように薄膜弁を開くようにすれば、開閉圧力のみを異ならせて適量の液体燃料を送出する場合に比し、送出量の制御がより緻密に行えるようになる。
本発明の燃料電池システムでは、前記燃料路での前記圧送手段の下流側には、それぞれ前記とは別の燃料貯留室、燃料供給室と、圧力作用室、および薄膜弁とが少なくとも設けられ、これらを介して液体燃料が前記燃料電池側または前記改質器側に供給されることを特徴とする。
このような本発明によれば、差圧を利用した液体燃料の供給部分が圧送手段の下流側に設けられることになり、下流側の燃料貯留室には圧力の高い状態で液体燃料を貯留することが可能である。従って、この下流側での薄膜弁の開閉は、圧力作用室に作用する圧力がより高い側で行われることになり、供給される液体燃料が微量で、かつ頻繁に行われるようになり、供給量のむらがなくなる。
本発明によれば、燃料電池を確実に起動できるとともに、コストを削減でき、かつシステム全体を小型化できるという効果がある。
以下、本発明の各実施形態を図面に基づいて説明する。なお、後述する第2実施形態以降において、次説する第1実施形態と同じ構成部材および同じ機能部材には同一符合を付し、第2実施形態以降でのそれらの説明を簡略化または省略する。
〔第1実施形態〕
図1は、本実施形態に係る燃料電池システム1の要部を示す模式図である。
図1において、燃料電池システム1は、PDAや携帯電話などの携帯機器、あるいはパーソナルコンピュータ等、小型端末機器などに採用されるシステムであって、高分子電解質型燃料電池を備えている。また、高分子電解質型燃料電池が直接メタノール型燃料電池の場合には、改質器50が不要であるが、本実施形態のように、液体燃料を改質するタイプでは、内部に改質触媒が配置された改質器50が用いられる。
液体燃料としては、直接メタノール型燃料電池では、メタノール水溶液であるが、改質器50を用いる場合では、例えば水素化ホウ素ナトリウム水溶液、水素化ホウ素カリウム水溶液、水素化ホウ素リチウム水溶液等のボロハイドライド燃料や、デカリン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の有機ハイドライド燃料、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール系燃料が採用できる。なお、燃料として水素化ホウ素ナトリウム水溶液を用いる場合では、水酸化ナトリウム3g、純水27g、水素化ホウ素ナトリウム5.5gの燃料組成のものが採用できる。
このような燃料電池システム1では、液体燃料貯留部10から送出された液体燃料を改質器50に送るためのチューブ状の燃料流路2と、液体燃料が燃料電池や改質器で消費されることで生じる圧力変動を液体燃料貯留部10(の圧力作用室26)に導く圧力導入路3とが独立して設けられている。そして、これらのうち、燃料流路2の途中には、電気信号によって切り換わる切換弁4が設けられており、機器が停止している場合など、電力が必要とされない場合には、切換弁4によって燃料流路2が閉じられ、液体燃料が改質器50に送出されないようになっている。また、そのような電気信号は、図示しない制御部から出力されるのであるが、出力される条件としては、例えば機器の電源が落とされた時などが考えられる。
さらに、燃料流路2は分岐され、一方には簡易な圧送手段としてのボール押圧タイプのチューブポンプ5が、他方には逆流防止手段としての逆止弁6が設けられている。このチューブポンプ5の駆動は、燃料電池で発電された電力で駆動されてもよいが、本実施形態では、香箱車5A内に収容された図示しないぜんまいの機械的エネルギによって駆動される。つまり、その機械的エネルギは、香箱車5Aから伝え車5Bを介してチューブポンプ5に伝達される。なお、本実施形態でのチューブポンプ5は、静止している状態では、燃料流路2を常時押圧しており、液体燃料が送出されないようになっている。これに対して逆止弁6は、液体燃料貯留部10側から液体燃料が送出された場合には常に、改質器50側への流入を許可する構成である。
一方、液体燃料貯留部10は、ケース11を備え、ケース11の内部には液体燃料が貯留される燃料貯留室12が設けられている。この燃料貯留室12内には、全体蛇腹状で図中の上部側が剛性を有した板状になっている封止体13が設けられ、この内部に液体燃料が貯留されている。また、封止体13とケース11の端面との間にはコイルばね14が配置され、その端面から離間する方向に封止体13を付勢し、内部の液体燃料を加圧している。また、コイルばね14で封止体13を押圧することで、液体燃料が送出されるに従って燃料貯留室12の容積を縮小させることが可能である。この際、ケース11には大気連通孔11Aが設けられ、封止体13の収縮が妨げられないようになっている。
また、ケース11内には、燃料貯留室12を仕切るようにして弁組立体16が設けられている。弁組立体16は、燃料連通孔17Aを有する弁座本体17を備えている。弁座本体17の燃料貯留室12とは反対側(図1中の下方側)の面には、弁座18が突設されており、この弁座18部分には弁座本体17内を通るように内部流路19が設けられ、この内部流路19が燃料流路2の一部を形成している。
さらに、弁座本体17の弁座18が設けられた側(同じく図1中の下方側)には、弾性を有する薄膜弁23が設けられている。薄膜弁23の材質としては、合成ゴム、天然ゴム、高分子エラストマ等が採用できる。この薄膜弁23は、弁座18回りに配置されたコイルばね24によって弁座18から離間する方向に付勢されている。そして、弁座本体17と薄膜弁23との間には空間が形成されており、この空間が燃料供給室25となっている。つまり、コイルばね24は、この燃料供給室25内に配置されているのである。この燃料供給室25には、前記燃料連通孔17Aを介して燃料貯留室12から液体燃料が流入する。
燃料供給室25のさらに図1中下方には、薄膜弁23で仕切られるようにして圧力作用室26が設けられている。圧力作用室26は、ケース11に設けられた開口状の圧力導入部27によって圧力導入路3と連通するようになっている。この構成により、改質器50側の圧力(図1に「P」と表示)は、燃料流路2や内部流路19とは別に設けられた圧力導入部27を通して圧力作用室26に導入されるようになっている。
ここで、コイルばね24としては、圧力作用室26に作用する圧力が低下し、燃料供給室25内の圧力との差が所定値以下になると、その圧力差によって伸びるようなばね力を有しており、この圧力差によって薄膜弁23を弁座18から離間させ、燃料供給室25内の液体燃料を内部流路19に送出する。
また、圧力作用室26内の圧力が低下するとは、それまで改質器50に供給されていた液体燃料が消費された場合であり、この場合に液体燃料が内部流路19に送出される。そして、液体燃料が送出されて反応が生じ、圧力が回復すると、前述の差圧がより大きくなるため、コイルばね24のばね力に抗して再び、薄膜弁23が弁座18と密着し、液体燃料の送出を止める。燃料電池システム1の稼働中は、この動作が繰り返される。
以上に説明した燃料電池システム1では、システム1の起動によって先ず、切換弁4を開放する。開放する以前の状態では、改質器50に液体燃料が供給されていないため、改質器50側の圧力Pは、略1気圧と低くい。この際、コイルばね24のばね力を圧力換算にてPvとし、燃料貯留室12内の圧力をPcとし(実際には、コイルばね14のばね力を設定する)、P(1気圧)<Pv+Pcとなるように設定しておけば、起動時にはコイルばね24が伸び、すなわちPとPv+Pcとの差圧によって薄膜弁23が開き、液体燃料がPcの圧力で逆止弁6側を通って自動的に送出される。このことにより、燃料電池が自起動し、発電が行われる。発電が行われると、図示しない電磁クラッチ等が作動し、チューブポンプ5がぜんまいからの機械的エネルギを受けて駆動され、より高い圧力で液体燃料を送ることになる。この際、逆止弁6の作用により、既に送られた液体燃料や発生した水素が逆止弁6側を戻ってチューブポンプ5に入り込むことはない。
従って、本実施形態によれば、以下の効果がある。
(1)燃料電池システム1では、燃料貯留室12内に貯留されている液体燃料は、燃料供給室25と圧力作用室26との圧力差によって開かれる内部流路19を通して送出され、燃料流路2に送出されて改質器50に送られるため、システム1の起動時において、従来のようなポンプを用いずに液体燃料を送出して燃料電池を自起動させることができ、燃料電池システム1を小型の機器に搭載した場合でも、確実に起動させることができる。
(2)しかも、燃料電池システム1が起動してからは、燃料供給室25と圧力作用室26との圧力差に応じて行われる薄膜弁23の開閉により、液体燃料の供給量がある程度制御されるので、チューブポンプ5としては、従来のポンプのように緻密に制御されるものでなくともよく、コントローラ等も不要になってコストの削減を促進できる。
そして、チューブポンプ5としては、液体燃料を圧送可能な簡易なものでよいから、システム1全体の小型化も図れる。
(3)チューブポンプ5としては、チューブ状の燃料流路2をボールでしごいて液体燃料を圧送するタイプであるため、液体燃料の圧送を確実に行える。
(4)チューブポンプ5を駆動するエネルギは、システム1中の燃料電池によって得られる電気的エネルギではなく、ぜんまいの機械的エネルギであるから、そのような電気エネルギとしては、ぜんまいを巻き解くための電磁クラッチを作動させる信号を生成し、送信するために消費されるだけであり、多分に消費されないので、発電した電力を本来の目的に効率よく使用できる。
(5)燃料貯留室12内の燃料は、コイルばね14により加圧されているので、その加圧力で液体燃料をより確実に送出できる。また、燃料貯留室12内には殆ど液体燃料が残留しないから、液体燃料を有効に消費できる。
また、このコイルばね14により、機器の天地を逆さにしたり、様々な姿勢で用いたとしても、液体燃料を燃料貯留室12から燃料供給室25に確実に送出できる。さらに、燃料貯留室12内には空気が入り込む心配がなく、姿勢が一定しない携帯機器に液体燃料貯留部10を好適に用いることができる。
(6)燃料電池システム1では、燃料流路2の途中に切換弁4が設けられているため、機器の電源が落とされている場合など、電力が不要な時には切換弁4で燃料流路2を閉じることができ、液体燃料の供給を確実に停止して液体燃料が無駄に消費されるのを防止できる。
〔第2実施形態〕
図2には、本発明の第2実施形態が示されている。本実施形態では、燃料流路2が分岐しておらず、液体燃料貯留部10から改質器50までを一本の流路で連通させている。また、本実施形態で用いられる圧送手段としては、蛇腹状の伸縮部分を有する往復動ポンプ7が用いられている。そして、往復動ポンプ7の上流側および下流側にはそれぞれ、逆止弁6が設けられている。このような往復動ポンプ7は、燃料電池からの電気的エネルギで駆動されるアクチュエータ8によって往復動する。アクチュエータ8としては各種のものが採用でき、例えば、圧電アクチュエータ、静電ゲルアクチュエータ、形状記憶合金アクチュエータ等が挙げられる。
このような本実施形態でも、システム1の起動時に切換弁4を開放すれば、液体燃料は圧力Pcによって送出され、一対の逆止弁6を通して改質器50に送られる。改質器50で水素が発生し、この水素によって燃料電池が自起動して発電が行われると、この電気的エネルギで往復動ポンプ7が駆動され、より高圧で液体燃料を送ることができる。
従って、このような本実施形態でも、本発明の目的を達成できる。また、その特有な構成により、以下の効果がある。
(7)すなわち、本実施形態では、燃料流路2が分岐していないので、流路構成をより簡略化でき、システム1の一層の小型化を促進できる。
〔第3実施形態〕
図3には、本発明の第3実施形態が示されている。本実施形態では、圧送手段として、円弧部材9Aをカム9Bの回転によって往復動させることにより、円弧部材9Aで燃料流路2を押圧する往復動ポンプ9が用いられている。この往復動ポンプ9の動力源は、発生した水素の流れによる運動エネルギである。つまり、水素の流れによってインペラ9Cが回転し、この回転力でカム9Bを回転させている。また、本実施形態では、逆止弁6は一つ上流側にのみ設けられている。これは、燃料流路2の下流端での液体燃料の表面張力により、逆止効果を期待しているためである。他の構成は、第2実施形態と同じである。
このような本実施形態でも、圧送手段である往復動ポンプ9を燃料電池からの電気的エネルギではなく、水素の運動エネルギで駆動しているので、構成は異なるが、前述した(4)の効果を同様に得ることができる。
〔第4実施形態〕
図4には、本発明の第4実施形態として、液体燃料貯留部10側の別実施形態が示されている。本実施形態において、液体燃料貯留部10には、それぞれ複数(本実施形態では三つ)の薄膜弁23A,23B,23C、コイルばね24A,24B,24C、燃料供給室25A,25B,25C、および内部流路19A,19B,19Cが設けられており、各内部流路19A〜19Cを含んで燃料流路2の一部が形成されている。
ここで、コイルばね24A,24Bのばね力は、コイルばね24Aの方が大きく(PvA)、コイルばね24Bの方が小さい(PvB)。そして、コイルばね24Cは、圧力作用室26内に設けられており、薄膜弁23Cを常時弁座18側に付勢している。従って、薄膜弁23Cは、Pc<PvC+Pの場合に閉じるようになっており、コイルばね24Cのばね力(PvC)は、水素の発生に伴って徐々に圧力Pが上昇すると、薄膜弁23Cが先ず初めに閉じる用に設定されている。このため、圧力Pがさらに上昇すると、順次コイルばね24B,24Aに抗して薄膜弁23B,23Aの順で閉じる。反対に、液体燃料の改質が終了し、圧力Pが徐々に低下してくると、薄膜弁23A,23B,23Cの順で開く。
さらに、本実施形態では、内部流路19A,19B,19Cの順で流路長が長く、また、流路径が大きい。こため、内部流路19A,19B,19Cの順で流路抵抗が大きく設定されているのである。
本実施形態によれば、その特有な構成により、以下の効果がある。
(8)すなわち、液体燃料貯留部10には3つの薄膜弁23A〜23Cが設けられ、圧力作用室26内の圧力が小さいほど、多くの薄膜弁23A〜23Cが開くようになっているため、圧力の低い度合いが大きく、比較的多量の液体燃料が必要とされる場合には、全ての薄膜弁23A〜23Cを開くことで対応でき、必要最小限の少量の液体燃料でよい場合には、薄膜弁23Aのみを開くことで対応でき、より適量の液体燃料を送出できる。
(9)また、本発明の燃料電池システム1では、分岐した内部流路19A〜19Cはそれぞれ流路抵抗が異なるので、多量の液体燃料が必要な場合には、先ず流路抵抗の小さい内部流路19Cから先ず流すように薄膜弁23Aを開き、少量の液体燃料が必要な場合には、流路抵抗の大きい内部流路19Aのみを流すように薄膜弁を開くようにすれば、開閉圧力のみを異ならせて適量の液体燃料を送出する場合に比し、送出量の大小差を明確にでき、制御をより緻密にできる。
〔第5実施形態〕
図5に示す第5実施形態では、往復動ポンプ7の下流側にも圧力差によって作動する部分を設けた点で、前記第2実施形態とは異なる。他の構成は第2実施形態と略同じである。このため、本実施形態では、燃料流路2と連通した高圧の別の燃料貯留室31、コイルばね32、燃料供給室33、および圧力作用室34(本実施形態では、改質器50の内部空間が兼用)、薄膜弁35等が設けられている。この場合の燃料貯留室31の液体燃料の圧力は比較的高圧であり、コイルばね32のばね力は比較的弱い。このため、改質器50での水素改質が行われ、圧力Pが高い状態で薄膜弁35が閉じた状態とされ、僅かに低くなると開いて微量の液体燃料が供給され、さらに圧力Pが上がって即座に閉じる。そして、これを繰り返す。
さらに、燃料貯留室31内の液体燃料が少なくなり、改質器50に供給される量も少なくなって圧力Pが低下すると、もとの薄膜弁23が開き、液体燃料を燃料貯留室31に送り込む。このため、この場合にだけ往復動ポンプ7を作動させればよく、これを作動させるアクチュエータ8は、リミットスイッチ36からの信号によるオン−オフの切換によって駆動状態と非駆動状態とが切り換わるようになっている。
本実施形態によれば、その特有な構成により、以下の効果がある。
(10)すなわち、差圧を利用した液体燃料の供給部分が往復動ポンプ7の下流側にも設けられているので、下流側の燃料貯留室31には圧力の高い状態で液体燃料を貯留することができる。従って、この下流側での薄膜弁35の開閉を、圧力作用室34に作用する圧力Pがより高い側で行うことができ、液体燃料を微量で、かつ頻繁に供給できて供給量のむらをなくすことができ、さらに緻密に供給量を制御できる。
(11)しかも、往復動ポンプ7は、燃料貯留室31内の液体燃料が少なくなった段階でもとの燃料貯留室12から送り込むように作動すればよいから、その量を厳密にコントロールする必要がなく、さらに簡易なものを利用できる。
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、前記第1実施形態では、チューブポンプ5がボール押圧式であったが、これに限らず、図6に示す鍵盤押圧式であってもよい。つまり、図6でのチューブポンプ60は、位相を異ならせてスライドする複数の鍵盤61を備え、各鍵盤61で燃料流路2をしごいて蠕動運動させ、液体燃料を圧送する構成である。
また、前記各実施形態ではそれぞれ、液体燃料は改質燃料とされ、改質器50が必須であったが、本発明を改質器が不要な直接メタノール型燃料電池等のシステムに適用してもよい。
その他、本発明を実施するための最良の構成、方法などは、以上の記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、かつ、説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、形状、材質、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。
従って、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
本発明の第1実施形態に係る燃料電池システムを示す模式図。 本発明の第2実施形態に係る燃料電池システムを示す模式図。 本発明の第3実施形態に係る燃料電池システムを示す模式図。 本発明の第4実施形態に係る燃料電池システムを示す模式図。 本発明の第5実施形態に係る燃料電池システムを示す模式図。 本発明の変形例を示す模式図。
符号の説明
1…燃料電池システム、2…燃料流路、3…圧力導入路、5,60…圧送手段であるチューブポンプ、6…逆流防止手段である逆止弁、7,9…圧送手段である往復動ポンプ、12,31…燃料貯留室、19…内部流路、23,23A,23B,23C,35…薄膜弁、25,33…燃料供給室、26,34…圧力作用室、50…改質器。

Claims (6)

  1. 液体燃料が貯留される燃料貯留室と、この燃料貯留室に対して燃料連通孔を介して仕切られた燃料供給室と、この燃料供給室に対して薄膜弁によって仕切られた圧力作用室と、前記燃料供給室から燃料電池側または液体燃料の改質器側に当該液体燃料を送出する燃料流路と、液体燃料が前記燃料電池または前記改質器で消費されることで生じる圧力変動を前記圧力作用室に導く圧力導入路とを備え、前記薄膜弁は、前記燃料供給室と前記圧力作用室との圧力差により前記燃料流路を開閉可能に設けられ、前記燃料流路の途中には、前記液体燃料を圧送する圧送手段と、液体燃料の逆流を防止する逆流防止手段とが設けられ、これら圧送手段および/または逆流防止手段は、前記燃料供給室から前記燃料電池側または前記改質器側への前記燃料流量の流れを常時許可するように設けられていることを特徴とする燃料電池システム。
  2. 請求項1に記載の燃料電池システムにおいて、前記圧送手段は、チューブポンプであることを特徴とする燃料電池システム。
  3. 請求項1または請求項2に記載の燃料電池システムにおいて、前記圧送手段の駆動は、前記改質器で改質された水素の運動エネルギ、あるいはぜんまいに貯蓄された機械的エネルギで行われることを特徴とする燃料電池システム。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の燃料電池システムにおいて、前記燃料供給室および前記薄膜弁は少なくとも一対設けられ、これらの薄膜弁の開閉圧力が異なっていることを特徴とする燃料電池システム。
  5. 請求項4に記載の燃料電池システムにおいて、前記燃料流路は、前記一対の薄膜弁側に対応して分岐して設けられ、分岐したそれぞれの部分では流路抵抗が異なることを特徴とする燃料電池システム。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の燃料電池システムにおいて、前記燃料路での前記圧送手段の下流側には、それぞれ前記とは別の燃料貯留室、燃料供給室と、圧力作用室、および薄膜弁とが少なくとも設けられ、これらを介して液体燃料が前記燃料電池側または前記改質器側に供給されることを特徴とする燃料電池システム。
JP2004117571A 2004-04-13 2004-04-13 燃料電池システム Expired - Fee Related JP4826064B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004117571A JP4826064B2 (ja) 2004-04-13 2004-04-13 燃料電池システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004117571A JP4826064B2 (ja) 2004-04-13 2004-04-13 燃料電池システム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005302542A true JP2005302542A (ja) 2005-10-27
JP4826064B2 JP4826064B2 (ja) 2011-11-30

Family

ID=35333774

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004117571A Expired - Fee Related JP4826064B2 (ja) 2004-04-13 2004-04-13 燃料電池システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4826064B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8883359B2 (en) 2010-06-30 2014-11-11 Samsung Sdi Co., Ltd. Fuel cell system and driving method of the same

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000314376A (ja) * 1999-03-18 2000-11-14 Mannesmann Ag 燃料容器
JP2003142135A (ja) * 2001-10-29 2003-05-16 Hewlett Packard Co <Hp> 燃料電池用燃料供給源
JP2003323911A (ja) * 2002-02-28 2003-11-14 Casio Comput Co Ltd 発電型電源及び電子機器
JP2005510018A (ja) * 2001-11-13 2005-04-14 エスエフツェー スマート フュエル セル アーゲー 燃料電池へ燃料を供給する装置

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000314376A (ja) * 1999-03-18 2000-11-14 Mannesmann Ag 燃料容器
JP2003142135A (ja) * 2001-10-29 2003-05-16 Hewlett Packard Co <Hp> 燃料電池用燃料供給源
JP2005510018A (ja) * 2001-11-13 2005-04-14 エスエフツェー スマート フュエル セル アーゲー 燃料電池へ燃料を供給する装置
JP2003323911A (ja) * 2002-02-28 2003-11-14 Casio Comput Co Ltd 発電型電源及び電子機器

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8883359B2 (en) 2010-06-30 2014-11-11 Samsung Sdi Co., Ltd. Fuel cell system and driving method of the same

Also Published As

Publication number Publication date
JP4826064B2 (ja) 2011-11-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4627997B2 (ja) 燃料電池システム
JP5779570B2 (ja) 圧力調整バルブ
JP5883056B2 (ja) バルブ
JP5503964B2 (ja) 燃料カートリッジ用のバルブ
KR20040089538A (ko) 조절되는 수소 생성 시스템
JP2005209653A (ja) 燃料電池システム及びこれに用いられる燃料供給装置
US20120138172A1 (en) Hydrogen-Generating Fuel Cell Cartridges
JP4852823B2 (ja) 燃料電池用の液体燃料カートリッジ
JP2006147525A (ja) 燃料電池システム
JP4826064B2 (ja) 燃料電池システム
JP2005332687A (ja) 燃料電池システム及び電子機器
JP4914079B2 (ja) 燃料電池の燃料補給装置、電子機器、及び燃料電池システム
JP2009289535A (ja) 燃料電池
JP2006040641A (ja) 燃料電池装置
JP5061434B2 (ja) 燃料電池用燃料タンク
JP2005251428A (ja) 燃料電池システム、およびこれを備えた機器
KR20060135140A (ko) 연료 공급장치 및 이를 포함하는 연료 전지 시스템
KR20060135141A (ko) 연료 전지 시스템용 연료 공급장치
JP2011165518A (ja) 燃料電池及び気体移動方法
JP2008103090A (ja) 燃料供給容器及び燃料電池システム
JP2004220857A (ja) 燃料電池
KR20060106370A (ko) 연료 공급장치 및 이를 포함하는 연료 전지 시스템
JP2008243797A (ja) 燃料電池
JP2006120528A (ja) 燃料電池の燃料供給方法、燃料容器、電源システム及び該電源システムを備えた携帯機器

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070305

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20070704

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20070813

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100930

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20101109

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110111

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110531

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110729

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110816

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110829

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140922

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees