JP2005300398A - マイクロ流体デバイス - Google Patents

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Abstract

【課題】従来のマイクロ流体デバイスには、分離や分析の時間が長く、生体物質に与えるダメージが大きく、試料を適度の乾燥状態で扱うことができず、流路の壁への付着や汚染が防止できないという課題がある。また生体物質や細胞などの試料をガス中で自由に操作し、運搬する方法が無い。
【解決手段】マイクロ流路内にガスを流すマイクロ流体デバイスを用い、ガスからの摩擦抵抗を利用して試料を含む液滴をガス流路内に放出し、ガス流路内での位置や速度を電界で制御できる構成とした。これにより、生体物質などの試料へダメージを与えることなく、ガス中に浮かしたままの状態で、乾燥状態の制御や高速での成分分析、デバイス外部への自由な運搬が実現できる。
【選択図】 図1

Description

本発明の技術分野は、ガラス基板やプラスティック基板にマイクロサイズの流路を掘り、わずかな量の試料を扱うマイクロ流体デバイスに係わり、特に、キャリヤーガスを用いて蛋白質などの生体物質あるいは蛋白質サイズの微小物質の成分が混在する試料を各成分に分離する分析や、特定の蛋白質や細胞を選り分けて分種するマイクロ流体デバイス、および試料や試料が含まれる液滴を放出して目標媒体の所定位置に着弾させるインクジェットヘッドの形態を備えたマイクロ流体デバイスに係わる。
従来より、ガスクロマトグラフィーや液体クロマトグラフィーなどの分析方法が知られている。ガスクロマトグラフィーは加熱などにより試料をガス化する必要であり、蛋白質などの生体物質の中には分析に向かない材料も多い。マイクロチップのキャピラリーを用いて試料を分離するガスクロマトグラフィー、例えば、非特許文献1や、非特許文献2なども知られている。しかしガス化に向いた試料しか使えない本質は変わらない。
キャリヤー媒体を圧力で流す圧力流れは、非特許文献3にも述べられているように、壁面で速度ゼロとなる放物線状の速度分布となるため、試料成分の分離が難しい。そこで従来方式では、放物線流れの影響が現れないように拡散速度よりも充分に遅い流れを用い、充填剤やキャピラリー壁との相互作用などを利用している。そのためクロマトグラフィーには分離に長い時間がかかるという問題がある。
蛋白質などの生体物質の分析には、2次元電気泳動法などの液体クロマトグラフィーとエレクトロスプレー法やマトリクス支援レーザー脱離イオン化法などのマススペクトロメトリーなどが使われており、石英ガラス管を用いるキャピラリー電気泳動法やマイクロ流体デバイスを用いるマイクロキャピラリー電気泳動法も広く使用されている。
しかしマススペクトロメトリーはイオン化した試料と真空を使うために装置も大きく高価であり、いくつかの問題がある。例えばマススペクトログラフィーの一種類であるエレクトロスプレー法は、試料を含む液体から帯電した粒子を生成し、真空中に導入して、その帯電量と速度から試料に含まれる成分の質量/電荷比のスペクトルを得る方法である。エレクトロスプレー法は、試料に対するダメージが少ない方式と言われている。それでも放電によるフラグメント化などのダメージはあり、特に、真空中へ導入して測定するための乾燥段階で音速にも達する速度のガス流れを使用しているため大きなずり応力を受ける。高電圧の印加や放電、大きなずり応力負荷、真空中への導入などは、例えば蛋白質や細胞などの生体物質には不向きなものも多い。また生成した液滴のうち測定に使われるのはほんの一部であるため無駄も多い。
大気中へ帯電した液滴を低電圧で放出するよう工夫された、空気流を補助利用する静電インクジェット(例えば、特許文献1)が知られている。しかしパイプ状ノズルを使用するため液体を引き出すための力が効率よく働かず、放出電圧が低下する効果はわずかしかない。
スリット状のノズルを用いて大気中へ数マイクロメーターの小さな径の帯電した液滴を放出する静電インクジェット(例えば、特許文献2)が知られている。しかし液滴を放出する電圧が大幅に低下するような効果はない。
大気中に放出した帯電液滴の速度や誘導方向などを制御する方法として、リング状の電極を用いて進行波電圧を印加する方法(例えば、特許文献3)も考えられているが、放出のための電圧は高く、課題は解決されていない。また、マイクロチップ内で電極アレイを使って進行波電圧を印加することにより質量分析に必要な分離を行う方法(例えば、非特許文献4)も報告されているが、真空が必要である。
一方、マイクロキャピラリーを用いる分析法では、充填材の交換やキャピラリー壁面などに付着した蛋白質などの洗浄が難しいなどの問題があり、さらに電気浸透流や電気泳動現象を用いるために、液体中を流れる大電流による発熱や印加される高電圧による水素イオン濃度(pH)の変動などの電気的ダメージが大きく、生体物質として自然な状態での測定ではないことに対する懸念もある。
マイクロ流体デバイスのマイクロキャピラリーの電気浸透流を用いる分析法も広く用いられるようになり、ダウンサイズ効果により、分離時間は数十秒から数分の時間程度にまで短くなった。しかし、これ以上速くなる可能性は無い。また付着物質の除去が困難で混入や汚染の防止が面倒なため、使い捨てにすることが多く、環境汚染、省資源の面で問題がある。
またフローサイトメトリーなどの細胞の分種を目的にして、試料を含む液体を細い流れとするように両側から空気流れを補助流れとしてはさむ方法(例えば、非特許文献5)も知られている。しかしこの方法は、液体をチャネルの上下の壁に付着させたまま流すため、壁からの大きなずり応力を受ける点が解決されてない。
また遺伝子解析に使われるDNAチップあるいはDNAプローブアレイの作成にインクジェットを用いたプリンティングなどが使われている。今後は蛋白質の同定などでさらに膨大な量のプローブアレイが必要になると予想されるが、扱う生体物質の分子量が大きくなるほど電流や電圧、圧力、ずり応力などに敏感になることが予想される。しかし従来のインクジェットには、試料を含む液滴を飛翔させるために瞬間的に100気圧にも及ぶ大きな圧力や摩擦力が加わるという問題があり、方式によっては高電圧が加わるという問題もある。
特開昭57−120452号公報 特開平10−138493号公報 特開平11−268277号公報 S.C. Terry et al., IEEE Trans. Electron Devices, ED-26, 1880(1979) G.C. Frye-Mason, et al., Proc. Micro Total Analysis Systems'98, p.477(1998) 津田孝雄:(化学セミナー)クロマトグラフィー 第2版,丸善(1995), p.39-54 A. Feustel, et al., SENSOR95 Kongreβ brand, p.465(1995) Dongeun Huh et al., Biomedical Microdevices 4:2, pp.141-149(2002) C.C. Smith et al., Solar Energy, vol.53, no.1, pp.3-7(1994)
以上の背景技術で述べたように、マイクロキャピラリー電気泳動などの手法を用いる従来のマイクロ流体デバイスには、分離や分析にかかる時間が長く、生体物質にダメージを与える可能性がある大電流や高電界を使用しており、試料を適度の乾燥状態で扱うことができず、圧力流れ(中空キャピラリー)で高精度高感度の分離や分析をするのは難しく、キャピラリーの壁への付着や汚染が防止できない、などの課題がある。また微小な生体物質などをガス中に浮かせたまま、速度や乾燥状態を自由に操作し、所望のターゲットに精度良く運搬するマニピュレーション方法が無い。
本発明は、マイクロ流路内にガスを流すマイクロ流体デバイスを用い、試料を液体中に分散あるいは浮遊させた状態のままガスからの摩擦抵抗が有効に働くノズルを用いてガスが流れるマイクロ流路内に液滴として導入する手段と、帯電した液滴や試料に電界力を作用させて流路断面内の中心付近に保持し、かつ、ガス流れとの相対速度を制御する手段により前述の課題を解決する。
本発明は上記の手段により、従来のマイクロ流体デバイスの課題であった長い分析時間を短くし、キャピラリーの壁への付着や汚染を防止し、生体物質などの電流や高電圧やずり応力に敏感で弱い物質も扱えるようにし、試料の乾燥状態の自由な制御を可能にし、試料の移動速度の制御を可能とし、目標とする媒体までの正確な運搬を可能にする。また、断面内に大きな速度分布ができる圧力流れ内での質量分析を可能にする。
以下、本発明に基づくマイクロ流体デバイスのいくつかの例を、図面を用いて詳細に説明する。
図1に、本発明の請求項1に基づくマイクロ流体デバイスの概略平面図を示す。
その構成と作用を述べる。マイクロ流体デバイスの主要部は、後に、より具体的に述べる試料導入部110、乾燥移動制御部120およびそれらの周囲部分からなる。試料導入部110は、液体リザーバー105から供給される蛋白質や細胞などの試料104を含む液体101がスリット112内で毛管液体を形成するノズル111と、キャリヤーガス102が二方のガス流路113から流入するY字状の流路と、ノズル前方に、Y字状の流路の残りの1つであるメイン流路114と重なるように位置する誘導電極115からなる。これらの構成から、後に実施例2で述べる原理により、蛋白質などの試料104を含有する帯電した液滴103が生成される。
乾燥移動制御部120は、後に実施例3で述べる原理によりキャリヤーガス102中に浮遊する液滴103、あるいは液滴の液体蒸発後に残留する試料104を、電界力の作用によりメイン流路114の断面内のほぼ中央に集中させ、移動する速度とタイミングを制御し、試料を完全に乾燥した状態あるいは適度の液体を含有した状態となるよう液体の蒸発量を制御する働きを担う。電子回路部124は、上流側電極122と下流側電極123の印加電圧と印加タイミングを電極ごとに個別に制御し、121電極アレイ全体の組み合わせによりガス中を移動する試料を含む液滴103あるいは試料104に働く電界力を制御する。
(効果)
その効果は、以下のようにして数量的に見積もることができる。半径0.4μmの球形粒子を考えると、相対速度差が10m/s以下であればレイノルズ数(Re=ρLV/η)がストークスの近似領域(Re<0.5)になる。したがってマイクロ流体デバイスが扱う範囲であれば、ほとんどストークス近似領域内にあると考えてよい。流体から受ける抗力(Fuとする)はストークスの式から Fu=6πηvr (η:流体の粘性係数、v:流体との相対速度差、r:粒子の半径)であり、一方、電界力(Feとする)は Fe=QE (Q:粒子の帯電量、E:外部電界強度)であるから QE=6πηvr の関係で理論を考えることができる。空気の粘性係数1.862×10−6[Pas]と水の粘性係数0.8544×10−3[Pas]を比較すると、空気の粘性は水の約1/46であるから、粘性抗力が小さくなり、ずり応力が少なくなる。キャリヤーを水からガスに代えることにより他のパラメーターに変化が無いとすれば、例えば分析のためのプロセス速度は46倍速くすることができる。つまり、従来の通常のキャピラリー電気泳動法で数分から数十分、マイクロ流体デバイスによる電気泳動法で数秒から数十秒かかる分析を一秒以内に終えることが可能になる。
(効果)
本発明によれば、さらに次のようなシステムとしての効果が得られる。必要な量の試料が無駄なく流路内に閉じ込めることができ、試料の導入と乾燥と運搬が時間に制限を受けることなく自由に制御できる。また前段としてノズル111に直結した上流に電気泳動部分を備えるデバイス設計も容易に行える。また下流側の後段では、試料を含む液滴あるいは試料はガス中に浮いた状態であるため、他のデバイスや機器との接続が容易に行える。一例として後に請求項4に述べるような試料成分の分離や質量分析などの機能部分を付加することも可能であり、高精度のマススペクトロメトリーなど、他の分析機器との接続あるいは他の分析デバイスへ導くことも可能である。また後に請求項5に述べるように下流側の流路の終端をそのまま開口とし、試料と逆の極性に帯電した、あるいは試料の帯電電荷に対して媒体側へ引力として作用する電圧を印加した電極を対向して設置すれば、静電インクジェットと同様の作用により、制御された正確なタイミングで所望の位置に試料を運搬し着弾させることができる。つまり細胞などの生体物質にダメージを与えずにマニピュレートできる(後述の実施例2を参照)従来にないプリンティングヘッドが実現する。
図2に、本発明の請求項2に基づく試料導入部110の一部を拡大した平面図を示す。また図3には、本発明の請求項2に基づく試料導入部110の一部を斜め上方から眺めた立体図を示す。
その構成と作用を述べる。外部の液体リザーバー105から、蛋白質などの試料104を含む液体101が、試料導入部110のノズル111へ供給され、スリット112の中に毛管液体として保持される。Y字状の二方に相当するガス流路113から流入するキャリヤーガス102は、スリット側面で流路が狭くなりさらに速度が速い状態となって流れる。このガス流れに挟まれながら接するスリット内の液体は、ガスから働く摩擦抗力によりスリット状のノズル前方向へ押し出され、ついにはスリット状のノズル先端から液滴103となってキャリヤーガス102の流れの中に放出される。
このとき、Y字状の残りの流路であるメイン流路114と重なるようにノズル前方に位置する誘導電極115にマイナス電圧が印加されると、液体はアース電位を保持しているため、スリット先端にプラス電荷が誘導され、プラスに帯電した液滴103が放出される。逆に、誘導電極115にプラス電圧が印加された場合には液滴103はマイナス電荷に帯電する。誘導電極115がアース電位の場合には、放出される液滴103の中に含まれる蛋白質などの試料104に固有の極性と量の電荷を保有する。
また、誘導電極115からスリット状ノズル111の先端の、試料104を含む液体101に静電引力を作用させることができる。この作用を利用すると、キャリヤーガスの流れだけでは液滴が放出されず、誘導電極115に電圧が印加されたときに液滴101が放出される動作も可能になる。
図2、図3で示したスリット状のノズル111は、先端部分で幅の変化しない形であるが、本発明の主旨によれば、必ずしもこのような形状である必要はない。例えば図4に示すように先端に向かって徐々に幅の狭まる形状であっても構わない。この図4の形状とすることにより、丈夫な構造のスリット状のノズルが実現する。
(効果)
以上の動作説明から分かるように、本発明の実施例2によれば低電界中で帯電液滴の放出ができ、条件によっては無電界での放出もできるので、蛋白質や生体物質などの電界や電流、圧力、ずり応力に敏感で弱い性質の物質を扱うことが可能になる。
図5は、本発明の請求項3に基づく乾燥移動制御部120の実施例の動作を示す図である。図6は、本発明の請求項3に基づく乾燥移動制御部120の他の実施例を示す概略図である。図7は、本発明の請求項3に基づく乾燥移動制御部120の電極電圧の操作と効果の関係を説明するタイミング図である。図8は、本発明の請求項3に基づく乾燥移動制御部120が、3つ以上の電極で構成する電極アレイを用いる他の実施例である。図9は、デジタル的に速度やタイミングを制御する他の実施例について、構成と動作を説明するための概略図である。
キャリヤーガスを用いて試料あるいは試料を含む液滴を流路内で運搬するには、流路壁面に接触しないようにする工夫が必要になる。また、下流側の後段へ他のデバイスあるいは機器へ接続するためにはインターフェースの仕様に合わせ、速度やタイミングを制御して送り込むことが必要になる。また、液体含有量についても所望の値にすることが必要になる。本発明の請求項3は、これらの要求を実現する。以下にその構成と作用を述べる。
図5の実施例は、上流側電極122と下流側電極123からなる制御電極アレイ121、それぞれにデジタル2値の電圧を印加する電子回路部124で乾燥移動制御部120を構成する。試料104あるいは試料を含む液滴103(プラスに帯電しているとする)は、左から右に流路内を流れるガスに運ばれて左側(上流側)から上流側電極122と下流側電極123の間の領域に入り、そして右側(下流側)の電極側から出て行く。電子回路部124は、図5(a)が示すように左側から試料が流入したタイミングで上流側電極122をHレベル(プラス)、下流側電極123をLレベル(アース)にし、図5(b)が示すように試料が二つの電極の真ん中の位置を通過した直後のタイミングで、今度は上流側電極122をLレベル(アース)、下流側電極123をHレベルに切り替え、右側から試料が出てゆくまでこの電圧を維持する。電気力線は、試料が上流側の半分の領域にある図5(a)のとき、上流側電極122から下流側電極123に向かい、試料が下流側の半分の領域にある図5(b)のとき、下流側電極123から上流側電極122に向かう鼓状の母線の流線を描く。プラスに帯電した試料に働く電界力は、このようにして前半では流れの方向への加速力、後半では減速力として作用するが、流れの断面方向への電界成分は常に中心へと向かう求心力として作用する。したがって試料104あるいは試料を含む液滴103を流れの中心に集中させることができる。
図6に示した他の実施例は、電極が流路と立体交差せず、2側面に分けられている点で図1〜図5の電極とは異なる。この実施例では、上流側電極122、下流側電極123ともに流路の上面下面に、それぞれ二つの側面分に分かれた合計4枚の電極パターンで電極を構成している。このような形状の電極で構成される電極アレイを使えば、流路中の試料に断面上下方向から中心線へ向かっての集束、集中だけでなく、断面の二次元的中心点に向かって集束、集中させる電界力を与えることができる。
本発明の実施例3によれば、試料の集中の効果だけでなく、試料が二つの電極間を通過する速度を制御できることを述べる。図7は、電子回路部124が上流側電極122と下流側電極123を制御するタイミングチャートの例である。上流側電極122がHレベルとなる期間は試料が上流側半分の領域にある期間であり、下流側電極123がHレベルとなる期間は試料が下流側半分の領域にある期間である。上流側電極と下流側電極のHレベル電圧印加時間の長さに差があり非対称となるのは、上流側領域では加速電界となるため試料の通過時間が短く、下流側領域では減速電界となるため試料の通過時間が長くなることに対応している。このことから試料を中心に集中させる電圧印加操作を加えると、試料が2電極間を通過する合計時間に遅延が生じることが分かる。その遅延時間はガスの流れの速度が遅いほど、電極に印加する電圧が高い(電界が強い)ほど長く(遅く)なる。また、それぞれの電極に印加する電圧パルスのパルス幅を変化させることにより、遅延時間を制御することが可能になる。したがって本発明により、試料の速度の比較的自由な制御を実現することができる。
本発明の実施例3によれば、試料の集中、試料の遅延の効果だけでなく、試料の乾燥にも及ぶことを述べる。風と蒸発速度の関係の研究(非特許文献6)によれば、水面にあたる風の速度と水の蒸発速度(水面降下速度)の関係は、ある単調増加の関数で表せることが分かっている。したがって試料を含む液滴の移動する速度の制御により移動を遅くすればするほど、キャリヤーガスの速度との速度差は大きくなり、液滴から液体が蒸発する速度は速くなる。したがって、電極に印加する電圧パルスのパルス幅制御は試料を含む液滴の移動速度の調節を可能にするだけでなく、液滴が乾燥する速さの調節も可能にし、適度の液体含有量で蒸発を止めて、生体物質や細胞にとって自然に近い湿り気の状態を保つこともできる。
以上において、本実施例における作用を二つの電極からなる電極アレイとそれらを制御する電子回路部で説明したが、本実施例の趣旨によれば電極アレイは図8に示すように、三つ以上の電極であっても構わない。この様に多くの電極数の電極アレイを使えば、より強い集中、より細かい遅延時間の設定、乾燥プロセスの多段化などができるため、試料の取り扱い方に自由度を与えるだけでなく、速度やタイミング、乾燥状態の分散が狭まるので測定精度の向上にも有効である。
さらに前述した速度を制御できる特性を応用して、試料に対して減速電界となる二つの電極間の中心位置より下流側半分の領域にある状態で、ちょうど QE=6πηvr の関係となる電界Eと、後の実施例4で述べる原理により流速勾配を生じる流路構造を組み合せると、流れてきた試料あるいは液滴は図9(a)に示すような位置に、ガスの流れの中心に集中したまま静止する。そこで、電極アレイ121に印加されているHレベル、Lレベルが交互に並ぶ電圧を流れの方向に向かって空間的な位相が逆になるように切り替えると、試料あるいは液滴は図9(a)の位置から図9(b)の位置へ移動して止まる。この電圧位相を交互に切り替えると、試料あるいは液滴は、切り替えクロックに同期して電極一つ分の距離づつ下流側へシフトする。このようにして、流速勾配と三つ以上の電極アレイを用いると任意の周期とタイミングで試料を搬送するパイプライン処理が可能になる。
本発明の実施例3によれば、試料の集中、試料の遅延、試料の乾燥の効果だけでなく、それに付随して以下の効果も実現可能とする。中空キャピラリー内を流れるガスは、壁面で速度ゼロとなる放物線状の速度分布となるため、クロマトグラフィーなどの分析では不都合となることは既に述べた。しかし本発明の請求項3によれば試料は流れの中心に集めることができる。この流れの中心の位置は、放物線状の速度分布の最も速いピーク部分であり、また断面方向での位置ゆらぎに対して速度変化が最も小さくなる部分でもある。したがって本発明で得られる試料の速度スペクトルは非常に狭い分散、鋭いピークを示す。
一方、後から請求項4の実施例の説明で述べるように、流れの中の物質には、その表面積や形状に応じた固有の抗力が働く。そこで試料に対して流れの方向に電界力を作用させると、試料の表面積や形状と試料が保持する電荷量との組み合わせにより、試料を構成する物質固有の速度変移を示す。すなわちガス流れ方向に分離することができる。この特性を利用すれば分離時間の非常に速いクロマトグラフィーを実現できる。
(効果)
本発明の請求項3により、試料をガス流れの中心位置に集中することができ、壁への付着が無く洗浄が不要のマイクロ流体デバイスが実現できる。また、試料の移動速度をキャリヤーであるガスより遅い速度とする制御ができる。また、液滴が乾燥する速さも調節でき、さらには適度の液体含有量で蒸発を止めて生体物質や細胞にとって自然に近い湿り気の状態を保つこともできる。また、速度分散の狭い試料の流れが得られるので、次の実施例で述べるような、中空キャピラリー内を流れるキャリヤーガスの中での試料の質量分離、分析が可能になる。
図10に、本発明の請求項4に基づく質量分離手段の実施例を概略図で示す。図11に、本発明の請求項4に基づく質量分離手段の他の実施例を概略図で示す。
図10の実施例についてその構成と作用を述べる。図1の試料導入部110から始まるY字状の三流路の一つであるメイン流路114は、乾燥移動制御部120を経て、図10の質量分離部130左方の流入口に通じている。このメイン流路114から、キャリヤーのガス102と試料104が、流速勾配による質量分離部130に流入する。質量分離部130は下流に向かって徐々に流路の断面積が大きくなるように作られており、右方の流出口で断面積は最大となる。したがって質量分離部130内のガスの流れは左方の流入口で速度最大、右方の流出口で速度最小となる流速勾配が生じる。また左方流入口の分離用対向電極132はアース電位、右方の流出口の分離用電極131にはプラスの電圧が加えられている。
このような状況で、例えば大中小3種類の大きさの物質成分を含み、それらは全て同じ帯電量のプラスの電荷を持っているとすると、3種類の物質成分にはそれぞれ QE=6πηvr のバランス関係が成り立つ位置が一つづつ存在する。流入した試料が流れに乗ってこのバランス位置より下流側の位置に到達すると、速度vが小さいため電界力が勝る QE>6πηvr の関係となるので上流側に押し戻される。逆にバランス位置に到達する前の上流側の位置では、速度vは大きく流体からの抗力が勝る QE<6πηvr の関係にあるので、下流側へ流される。したがって、二つの力がバランスするこの位置は試料の成分固有の安定点となる。つまり小サイズ物質133は半径rが小さいので流れ速度vが速い上流側の固有の位置に集まり、大サイズ物質135は半径rが大きいので流れ速度vが遅い下流側の固有の位置に集まり、中間サイズ物質134はそれらの中間にある固有の位置に集まり、空間的に濃縮される。ただし複数の帯電電荷量が発生する場合には、必ず上流側からサイズの小さい順に並ぶわけではなく、半径/電荷比に応じた位置関係が現れる。
次に図11の実施例についてその構成と作用を述べる。この実施例ではメイン流路114は、電界勾配による質量分離部140を通じてその断面面積は変わらない。その代わりメイン流路114に沿って並ぶ電極アレイには上流側から下流側に向かって徐々に電界強度が増大するように電圧が印加されている。このような状況で、例えば大中小3種類の大きさの物質成分を含み、それらは全て同じ帯電量のプラスの電荷を持っている試料が流入すると、3種類の物質成分はそれぞれ QE=6πηvr のバランス関係にあり、物質固有の安定点でもある位置に集まり濃縮される。この実施例の場合には、小サイズ物質133は半径rが小さいので電界Eが弱い上流側に集まり、大サイズ物質135は半径rが大きいので電界Eが強い下流側に集まり、中間サイズ物質134はそれらの中間にある位置に集まる。ただしこの実施例でも、複数の帯電電荷量が発生する場合には、必ず上流側からサイズの小さい順に並ぶわけではなく、半径/電荷比に応じた位置関係が現れる。
本発明の請求項4に基づく実施例を二つ示したが、本発明の請求項4の主旨は流れの速度と電界強度のいずれかに勾配を生成する構成であるから、上記どちらの方法であっても構わない。さらには、ここでは示さないが、流れの速度と電界強度の両方とも勾配を生成する構成であってもよく、その場合には測定可能な試料サイズ(半径/電荷比)の範囲が広がり、分析レンジが拡大する。
(効果)
本請求項4により速度勾配あるいは電界勾配が容易に得られ、流路断面方向内の速度分布に影響されること無く、精度の良い分析手法であるグラディエント濃縮がマイクロ流体デバイスの中で実現でき、分離と分析が可能になる。さらに本請求項4による方法は、必要な感度が得られるまで試料をキャリヤーガスの流れに乗せて投入することができるので、感度の良い分析が可能になる。したがって高精度高感度の分析をマイクロ流体デバイスで実現できる。
図12に、本発明の請求項5に基づくマイクロ流体デバイス150の概略図を示す。
その構成と作用を述べる。試料導入部110で生成された試料を含む液滴103は、乾燥移動制御部120に入り、実施例3で述べた作用により、ガス中に浮遊したまま適度の液体含有率になるまで乾燥される。それと同時に液滴は、試料導入部110で放出される際に発生した周波数のゆらぎやタイミングのずれを、乾燥移動制御部120で速度の制御により補正され、所望のタイミングで下流へ送り出される。
乾燥移動制御部120の下流の位置にはメイン流路114の終端であり、かつインクジェットノズルのオリフィスに相当する端面151が形成されている。この端面から放出された液滴あるいは試料(プラスに帯電しているとする)は、端面に設置された放出用電極152とプリンティング媒体153の背面に設置された対向電極154で形成される電界(電位は放出用電極152より対向電極154の方が低いとする)における静電力によりプリンティング媒体に向かって飛翔し、プリンティング媒体の所望の位置に着弾する。このプリンティング媒体153は紙などの印刷用に供される媒体に限定される必要は無く、どのような媒体であっても良い。このように試料放出部150を付加したマイクロ流体デバイスは、静電力で駆動される静電インクジェットのヘッドと同様の機能を発揮する。
本実施例では、マイクロ流体デバイスから放出された試料あるいは試料を含む液体を、プリンティング媒体上に運搬する例を示したが、本発明の請求項5によれば、この目標物はプリンティング媒体に限られるものではなく、例えばマススペクトロメトリーなどの分析装置や他のデバイスへの導入口であっても構わない。
(効果)
請求項5からなる本発明により、低い電圧で液滴を生成し、液滴生成の周波数やタイミングのゆらぎを補正と制御を施し、乾燥状態を制御してノズルから放出し、かつ静電インクジェットの飛翔運搬機能を有するマイクロ流体デバイスが実現する。これにより、従来のインクジェットヘッドでは避けられなかった大きな圧力やずり応力、高い電圧などを印加することなく、蛋白質や細胞などの生体物質を扱うことが可能になり、例えば生体物質分析用プローブアレイ上への試料プロッティング、あるいは精度の良い分析測定装置やデバイスなどへの試料導入を容易に行うことが可能になる。
本発明によるマイクロ流体デバイスの俯瞰図 本発明の請求項2に関わる試料導入部の部分平面図 本発明の請求項2に関わる試料導入部の部分立体図 本発明の請求項2に関わる試料導入部の他のノズル形状例 本発明の請求項3に関わる乾燥移動制御部の縦断面図 本発明の請求項3に関わる他の実施例の部分立体図 本発明の請求項3に関わる電極電圧印加のタイミング図 本発明の請求項3に関わる他の実施例の俯瞰図 本発明の請求項3に関わるクロック同期動作中の平面図 本発明の請求項4に関わる速度勾配分離部の部分平面図 本発明の請求項4に関わる電界勾配分離部の部分平面図 本発明の請求項5に関わる構成の簡略立体図
符号の説明
101 試料を含む液体
102 キャリヤーガス
103 試料を含む液滴
104 試料
105 液体リザーバー
106 ガス流入口
107 流出口
110 試料導入部
111 ノズル
112 スリット
113 ガス流路
114 メイン流路
115 誘導電極
120 乾燥移動制御部
121 電極アレイ
122 上流側電極
123 下流側電極
124 電子回路部
130 流速勾配による質量分離部
131 分離用電極
132 分離用対向電極
133 小サイズ物質
134 中間サイズ物質
135 大サイズ物質
140 電界勾配による質量分離部
141 電界勾配形成用電極アレイ
150 試料放出部
151 端面
152 放出用電極
153 プリンティング媒体
154 対向電極

Claims (5)

  1. 流路内部をガスが流れるマイクロ流体デバイスであって、試料を含む帯電した液滴を概流路内に放出する試料導入手段と、帯電した液滴あるいは概液滴から液体が蒸発して残された帯電した試料の流路断面内における位置およびガスの流れる方向に移動する速度を制御する乾燥移動制御手段を具備したマイクロ流体デバイス
  2. 請求項1における試料導入手段は、先端部に向かうスリット状毛管を形成したノズルと、ガスが概スリット状毛管内の液体を挟んで流れ、ノズル先端部にて合流する流路構造と、概ノズル前方に配置した電極とからなる。
  3. 請求項1における乾燥移動制御手段は、同じ流路位置を挟む位置関係にある電極を単位として流路に沿って並ぶ電極アレイと、試料の位置に応じたタイミングで概電極アレイに印加する電圧を制御する電子回路部からなる。
  4. 請求項1、あるいは請求項2、あるいは請求項3のマイクロ流体デバイスであって、ガスが流れる方向へ断面面積が変化する流路構造、あるいは概ガスが流れる方向へ電界強度が変化する電極アレイ、あるいは概流路構造と概電極アレイの両方とも兼ね備えた構成の、いずれかの質量分離手段を付加したマイクロ流体デバイス。
  5. 請求項1、あるいは請求項2、あるいは請求項3のマイクロ流体デバイスであって、流路の終端を、液滴あるいは概液滴から液体が蒸発して残された試料をデバイス外の空間に放出する開口部としたマイクロ流体デバイス
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