JP2005300393A - 遠隔制御自動水質計測装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来の海洋等の水域の水質特定成分測定は、大変な時間と労力と費用がかかるものであった
【解決手段】水上浮遊本体に、重錘式計測端子と計測データ収集部を有する水中成分計測装置と、前記測定端子用の端子移動補助装置と、太陽電池装置と、水中成分計測装置と端子移動補助装置と太陽電池装置を制御する計測動作制御装置と、計測動作制御装置への指令信号を受信し水中成分計測装置からの測定データを送信する送受信機とを設け、遠隔基地局に、前記送受信機に計測動作設定指令信号をインターネット回線を介して発信する計測指令装置と、前記送受信機からの計測データ信号を受信するデータ解析装置と、水中異常状況判定装置とを設置した遠隔制御自動水質計測装置。
【選択図】図1

Description

本発明は、海水等の遠隔制御自動水質計測装置に関するものである。
現在、海洋環境汚染が大きな社会問題としてクローズアップされており人為的なゴミの投棄、タンカー事故による油の流出、植物プランクトンの異常発生による赤潮の発生などその原因は様々である。
これらの環境変化を監視し未然に災害を防止するためには、リアルタイムでの海洋のモニタリングが必要である。
現在最も期待されている技術の一つが人工衛星や航空機を利用した可視域リモートセンシングがある。リモートセンシングは略同時期に広範囲の情報が得られることから、従来の現場観測法に較べ膨大な情報量を持ち広大な海洋の時間的変動を監視するのに極めて有効である。
特に海洋の持つ潜在食料資源量の評価基準となる植物プランクトン量の時間的・空間的変動の把握やタンカー事故等による油量出の監視などいわゆる環境モニタリングにおいては、今後衛星リモートセンシングの利用が益々重要となってくるが後述の問題を有する。
一方近年、沿岸海域のレクレーションや水産業への利用に際し、特に大都市を後背地に持つ閉鎖性海域においては、水質の悪化による海域利用への悪影響が大きな問題となっている。
例えば高栄養化の進んだ海域では、植物プランクトンの大量増殖による透明度低下によって、本来海が持っている快適さが失なわれている。また. 海水温度や海水成分等の異状現象による水産生物への打撃は全国各地で継続的に発生している。
このような異状現象による影響に対処するためには、海域・海水環境の変化を掌握することにより前記異状現象の発生を予測し、更には適切な防止策を講じて水域の環境を保全することが重要である。
そのためには水質、海泉、生物層などのリアルタイムでのモニタリングが不可欠となる。
このようなモニタリングに最適な手段として上記衛星リモートセンシングが有力な方法であった。また海洋をモニタリングするにあたっては、モニタリングする対象が必要であり、例えば海洋の汚染を測定する指標として海洋の濁度を測定ことがある。
又、海洋における、上記高栄養化を測定するには、海域での植物プランクトンの分布や増減を把握するための指標の一つを特定しその定点観察を行うことは有効である。
ところで上記海洋のモニタリングには、以下ような条件を満足していることが望ましい。
a.対象海域に出来るだけ多数の定点観測点を設置し、モニタリングの対象となる指標の平面的、時間的な推移をきめ細かに把握できること。
b. 海水温度や海水成分等の異状現象に対して迅速に対応することを可能とするために、測定結果が略リアルタイムで得られること。
c.各地の港湾、漁港、海岸への普及のため、モニタリングシステムの設置及び運用コストが極力安価であること。
しかし、上記衛星リモートセンシングは、一般的に空間分解能が低く(高分解能センサーで20m程度、可視センサーでは数km程度のものが多い)海表面の細かい異常現象の検出やその過程の正確な検出等は極めて困難である。
従って、旧態依然として、目的測定地点までの海洋移動と全て人手による水質等の測定作業が大半で、大変な時間と労力と費用がかかるものであった。
本発明は上記問題を解決するためになされたものでありその特徴とするところは、水上浮遊本体に、計測端子と計測データ収集部を有する水中成分計測装置と、前記測定端子用の端子移動補助装置と、太陽電池装置と、前記水中成分計測装置と前記端子移動補助装置と前記太陽電池装置を制御する計測動作制御装置と、前記計測動作制御装置への指令信号を受信し前記水中成分計測装置からの測定データを送信する送受信機とを設け、遠隔基地局に、前記送受信機に計測動作設定指令信号をインターネット回線を介して発信する計測指令装置と、前記送受信機からの計測データ信号をインターネット回線を介して受信し解析するデータ解析装置と、前記データ解析装置からの解析情報を入力して各種水中異常状況の判定を行う異常状況判定装置とを設置したことを特徴とする遠隔制御自動水質計測装置。
である。
本発明は、上記構成にしたインターネットによる遠隔制御自動水質計測装置であり、船舶及び測定作業者を使用することなく、遠隔基地局にいなながらにして、 海水温度や海水中成分の変化を、何時でも希望する時に、簡単に容易に計測して、これと略同時に、必要なデータを遠隔基地局で得てその判定をすることができる便利な装置である。
つまり遠隔基地局の計測指令装置からインターネットを使用しての遠隔制御により、水上浮遊本体に設けた太陽電池装置から、端子移動補助装置、水中成分計測装置、計測動作制御装置、送受信機に電力を供給すると共にこれらを自動操作して、計測装置の計測端子を海中の任意位置に位置させ前記水中成分を自動計測し、そのデータを送受信機を介してインターネット経由で遠隔基地局のデータ解析装置に受信し、水中異常状況判定装置でその判定をするものである。
この本発明によって、前記した課題の全てを満足するものである。
即ち、対象海域に出来るだけ多数の定点観測点を設置し、モニタリングの対象となる指標の平面的、時間的な推移をきめ細かに把握でき、また測定結果が略リアルタイムで得られる。更に各地の港湾、漁港、海岸への普及のため、モニタリングシステムの設置及び運用コストが極力安価である。等の優れた産業上の効果を得ることができる。
本発明を実施するための最良の形態は、水上浮遊本体に、計測端子と計測データ収集部を有する前記水中成分計測装置と、モータとモータドライバーを有する前記測定端子用の端子移動補助装置と、太陽電池とバッテリーと充放電コントローラを有する太陽電池装置と、水中成分計測装置と端子移動補助装置と太陽電池装置を制御する計測動作制御装置と、計測動作制御装置への指令信号を受信し水中成分計測装置からの測定データを送信する送受信機とを設け、遠隔基地局には、計測動作設定指令信号をインターネット回線を介して前記送受信機に発信する計測指令装置と、前記送受信機からの計測データ信号をインターネット回線を介して受信し解析するデータ解析装置と、データ解析装置からの解析情報を入力して水中の各種異常状況の判定を行う水中異常状況判定装置とを設置したものである。
本発明において、遠隔基地局は、陸上、海洋構造物、基地船等に設置するものである。
また水上浮遊本体は、反転防止用の重錘などを有し、海上の所定位置に係留浮遊した無駆動式係留ブイ、或いは移動装置を付設しこれに太陽電池装置から動力給電し衛星ナビゲーションシステムなどを利用して無線操作可能にした駆動式ブイ、潜水・浮上式ブイ或いはこれらを適宜組み合わせたタイプ等にしてよく、他に防水カプセルタイプ、透明シールカバー付き筏タイプ、耐圧潜水タイプ等々のように海水防水・防食機能と、太陽電池への太陽光線受光機能、波による反転防止機能、荒波時潜水・凪時浮上機能等を備えたものにすることが好ましい。
又計測端子は、浮子式、重錘式、長竿式、投射式、スクリュー潜水式等の機構を付設して、計測端子を海水中の目的深さ位置に迅速に到達させたり、又は牽引浮遊連続・断続測定させたりすると便利である。
更に端子移動補助装置は、前記計測端子の付設機構のタイプに応じて機能と機構を任意に選択した装置にすればよい。例えば重錘式計測端子の場合は、重錘式計測端子用吊りワイヤーを有するワイヤー巻取・巻戻式の水中昇降装置等にすればよい。
次に本発明の1実施例を紹介する。
図1は、本発明の具体例(実施例)の全体を示す説明図である。
水上浮遊本体10は、下部に反転防止用の重錘11、上部に透明フード12、下端に錨式係留具13を有し、海上の所定位置に係留浮遊する係留浮遊式カプセルタイプの無駆動式ブイで海水防水・防食機能と、太陽電池への太陽光線受光機能、波による反転防止機能等を備えたものである。
該水上浮遊本体10に、海水特定成分を測定する水中成分計測装置20と水中昇降装置30と太陽電池装置40と計測動作制御装置50と送受信機60とを本体内に搭載設置する。
陸上の遠隔基地局70に計測指令装置80とデータ解析装置90と水中異常状況判定装置100とを設置する。
水中成分計測装置20は、重錘式計測端子201と計測データ収集部202を有し、任意の特定成分を測定しそのデータを収集する。重錘式計測端子201は、重錘型枠体211と特定成分測定センサー212からなり、計測データ収集部202は測定センサー212からの計測データを収集記憶する。
水中昇降装置30(端子移動補助装置の一例)は、重錘式計測端子201吊り下げ用のワイヤー301とワイヤー巻き上げ機302と巻き上げ機用モータ303とそのモータドライバー304とを有し、重錘式計測端子201を水中で昇降計測移動させる。太陽電池装置40は、太陽電池401とバッテリー402と充放電コントローラ403とを有し、水中昇降装置30、水中成分計測装置20、計測動作制御装置50、送受信機60に電力を供給する。
計測動作制御装置50は、水中成分計測装置20と水中昇降装置30と太陽電池装置40を制御する。これらの制御機能の詳細は追って後述する。
送受信機60は、遠隔基地局70からインターネットを介して計測動作制御装置50への指令信号を受信し且つ水中成分計測装置20からの測定データを送信する。
計測指令装置80は、前記送受信機60に計測動作設定指令信号をインターネット回線200を介して発信する。
データ解析装置90は、前記送受信機60からの計測データ信号をインターネット回線200を介して受信し解析する。
水中異常状況判定装置100は、データ解析装置90からの解析情報を入力して海水等の各種異常状況の判定を行う。
計測指令装置80の指令機能は次の通りである。
測定センサー212を指定した色々な速度や浮力に合わせた速度で降下し、水深を変えて水中の任意に特定した成分を測定する指令及び指定した水深に達したらそれを遠隔基地局70に知らせる等の指令を送受信機60に送受信する機能を有する。
計測動作制御装置50の制御機能は次の通りである。
送受信機60から計測制御指令に従いモータドライバ304へのモータ制御信号を生成して与え、色々な形のモータ駆動制御や速度制御を行い、測定センサー212の計測動作を制御する機能を有する。又水中成分計測装置20で計測した水質データを送受信機60から指定した時間間隔で遠隔基地局70に送信する等の計測動作を制御する機能を有する。
データ解析装置90の機能は次の通りである。
計測した特定成分等の水質データの作表、グラフ化、統計処理等を行う等のデータ解析機能を有する。
水中異常状況判定装置100の判定機能は次の通りである。
水深と特定成分の図表から特定成分のパターンに関する特徴量として、必要個数のモーメント不変量(普通7個)を計算し、その個数に等しい入力を持つ図2に示す2層の人工ニューラルネットワーク、及び、図3に示す3層(又は多層)の人工ニューラルネットワークを構成し、特定成分の起因現象パターン、起因現象発生前の経日パターン、その他の場合にわけ、過去のデータを用いて人工ニューラルネットワークでパターンの学習を行う。学習を終了した人工ニューラルネットワークは、起因現象の発生を予測判定する判定機能を有する。3層のニューラルネットワークは、逆誤差伝播法(バックプロパゲーション)で学習を行う。
2層のニューラルネットワークは適応共鳴理論(Adaptive Resonance Theory, ART)を用いて学習を行う。2層の人工ニューラルネットワークは、3層の人工ニューラルネットワークでは不可能な、学習してないパターンを新しいパターンとして登録できるという大きな利点を有する。
判定装置は誤判定を最小にし、出来るだけ正確な判定を行うため、この二種類の人工ニューラルネットワークを有し、それぞれのニューラルネットワークの結果が同じものを起因現象の発生予測判定機能に利用している。又、上記のパターン判定とは違った特定成分濃度の値がある起因現象発生にいたる閾値より大か小かによる判定機能や、その他起因現象種別等の判定機能等を有している。
本発明の遠隔制御自動水質計測装置は、船舶及び測定作業者を使用することなく、遠隔基地局にいなながらにして、海水、淡水中の特定成分等を、何時でも希望する時に、簡単に容易に計測して、これと略同時に、必要なデータを遠隔基地局で得てその判定をすることができる便利な装置である。
これにより、対象水域に出来るだけ多数の定点観測点を設置し、モニタリングの対象となる指標の平面的、時間的な推移をきめ細かに把握でき、又水域環境の変化に対して迅速に対応することを可能とするために、測定結果が略リアルタイムで正確に得られ、更にモニタリングシステムの設置及び運用コストが極力安価であるので容易に各地の港湾、漁港、海岸への普及が可能である等の優れた産業上の利用効果を得ることができその利用可能性は極めて高いものである。
本発明の具体例(実施例)の全体を示す説明図である。 本発明の具体例(実施例)における3層ニューアルネットワークの説明図。 本発明の具体例(実施例)における2層ニューラルネットワークの説明図。
符号の説明
10 水上浮遊本体
20 水中成分計測装置
30 水中昇降装置
40 太陽電池装置
50 計測動作制御装置
60 送受信機
70 遠隔基地局
80 計測指令装置
90 データ解析装置
100 水中異常状況判定装置
200 インターネット回線
201 重錘式計測端子
202 計測データ収集部
211 重錘型枠体
212 測定センサー
301 ワイヤー
302 ワイヤー巻き上げ機
303 巻き上げ機用モータ
304 モータドライバー
401 太陽電池
402 バッテリー
403 充放電コントローラ

Claims (1)

  1. 水上浮遊本体に、計測端子と計測データ収集部を有する水中成分計測装置と、前記測定端子用の端子移動補助装置と、太陽電池装置と、前記水中成分計測装置と前記端子移動補助装置と前記太陽電池装置を制御する計測動作制御装置と、前記計測動作制御装置への指令信号を受信し前記水中成分計測装置からの測定データを送信する送受信機とを設け、遠隔基地局に、前記送受信機に計測動作設定指令信号をインターネット回線を介して発信する計測指令装置と、前記送受信機からの計測データ信号をインターネット回線を介して受信し解析するデータ解析装置と、前記データ解析装置からの解析情報を入力して各種水中異常状況の判定を行う異常状況判定装置とを設置したことを特徴とする遠隔制御自動水質計測装置。
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