JP2005296989A - アルミニウム合金異形ビレットのdc鋳造方法 - Google Patents
アルミニウム合金異形ビレットのdc鋳造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2005296989A JP2005296989A JP2004115565A JP2004115565A JP2005296989A JP 2005296989 A JP2005296989 A JP 2005296989A JP 2004115565 A JP2004115565 A JP 2004115565A JP 2004115565 A JP2004115565 A JP 2004115565A JP 2005296989 A JP2005296989 A JP 2005296989A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- cooling water
- casting
- arm
- billet
- secondary cooling
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Images
Landscapes
- Continuous Casting (AREA)
Abstract
【解決手段】 断面がY形,X形或いは放射かつ任意の方向に伸びる複数のアーム形状を有するアルミニウム合金異形ビレットをDC鋳造する際に、ビレット断面形状を複数のアーム部と中央部との分割し、各々について外周長さと断面積を求め、アーム部に二次冷却水が掛からない部分nを設け、アーム部の二次冷却水が掛かる部分の外周長さとアーム部断面積の比を中央部の二次冷却水が掛かる外周長さと中央部断面積の比の0.8〜1.2倍にして二次冷却水13を噴出させ、断面積の小さいアーム部を弱冷に、断面積の大きい中心部を強冷にしてビレット全体を断面方向から見て全周均一な凝固を行わせる。
【選択図】 図5
Description
断面形状が複数のアームを有するような複雑なビレットをDC鋳造しようとするとき、アーム形状に曲がりがある場合には、冷却時における熱収縮によってアーム形状の曲がり部が鋳型に抱きつき、鋳造が停止し、最悪の場合、鋳型を破壊する場合がある。抱きつきが発生しない場合でも、鋳造材の側面に割れやメタル漏れ等が生じ、スムーズにDC鋳造ができないことがある。このため、アームの形状を大きくし曲がりを小さい形状に鋳造したり、特許文献1で提案されているように、曲がり部のない放射線状に延びる複数のアームを有する形状のビレットにDC鋳造し、このビレットの放射状アームを曲げた後に所定形状に鍛造成形したりされている。
本発明は、このような問題を解消すべく案出されたものであり、断面がY形,X形或いは放射かつ任意の方向に伸びる複数のアーム形状を有するアルミニウム合金異形ビレットを、鋳造時における抱きつきによる鋳造停止、ビレットの割れ、メタル漏れの発生を発生させることなくDC鋳造する方法を提供することを目的とする。
さらに、アーム部の先端に二次冷却の冷却水が掛かる部分ができるように冷却することが好ましい。
一般にDC鋳造法と称せられる半連続鋳造法は、所望形状の断面を有し、上下が開放された筒状の水冷鋳型の上方に溶湯を供給し、鋳型によって冷却(一次冷却)され凝固したビレットを鋳型から下方に引き出しつつ、鋳型の直下において鋳型下部に設けたスリットから噴出する冷却水によりビレット表面を直接に冷却(二次冷却)してビレットを得ようとする方法である。
なお、ビレットを二次冷却した冷却水は、鋳造装置の下部に設けられた水槽等に貯水され、下降してきたビレットを常温近くまで冷却する。
その結果、鋳造時の異形ビレット各部の冷却強さが異なることが原因であることがわかった。異形ビレットの場合、中央部と比較して、アーム部の断面積は小さい。このため、中央部の冷却強さと同等の強さでアーム部を冷却すると、アーム部の冷却が強すぎ、アーム部が中央部方向に向かって大きく凝固・収縮する。その際、アーム部に曲がりがあると、アーム部が鋳型と接触し、抱きつきが起こって鋳造停止や、割れ、メタル漏れを引き起こすことに繋がる、と考えられる。
二次冷却水供給量を少なくする手段としては、アーム部に掛かる冷却水の流速を遅くしたり、冷却水を断続的に噴出させたりする手段が挙げられる。これらの手段は、中央部の冷却水供給回路と、アーム部の冷却水供給回路を別々の設け、それぞれ独自に制御できるように構成することで可能となる。
さらに、本発明者等は、鋳造過程における3次元凝固・熱変形解析のシミュレーションを行って、アーム部に掛ける二次冷却水の適切供給箇所と供給箇所の長さを解析した。
分割した部分の断面積/対応する外周長さ=K ・・・・(1)
KA=KB=KC=KD ・・・(2)
この関係から、各アーム部A,B及びCの二次冷却水の供給を必要とする外周長さLA′,LB′及びLC′は、各部の断面積を、KD、すなわち中央部部分の断面積と中央部外周長さの比で割った値とすればよいことがわかる。例えば、アーム部Aの場合、次の(3)式に示すような値に設定すれば良い。
LA′=A部断面積/KD ・・・・(3)
この数値から逆に二次冷却水が掛からない外周長さを算出し、図1(b)に示すように、この長さ分だけビレットに二次冷却水が掛からない部分nを設ければよいことになる。
解析ソフトには、汎用3次元鋳造解析コードCAPFLOWと汎用構造解析コードANSYSを用いた。素材の高温熱物性値である、熱伝導率,比熱,潜熱等は測定値に基づき、また素材の高温機械的特性値である、ヤング率,線熱膨張係数等は温度依存性を考慮し、測定値を採用して解析を行った。
併せて、確認のための鋳造実験を行った。
なお、アームの先端部分はメタル漏れが発生しやすい部位であるため、先端部には二次冷却水を掛けて積極的に冷却することが好ましい。
図2に、(a)最適な二次冷却水分布を採用したものと、(b)従来の均一冷却したものとの凝固解析結果の相違を示す。この図からもわかるように、二次冷却水を掛けない部分を設定して最適な二次冷却水分布とした場合、異形ビレット全体にわたって均一な凝固が進行している。一方、従来法では各アーム部が中心部と比べて凝固が早く進行し、全体として不均一な凝固となっている。
事実、従来法のDC鋳造法と本発明で提案したDC鋳造法で鋳造実験を行ってみると、従来法では、鋳型に抱きつきが発生して、割れやメタル漏れを生じさせることなく鋳造を進めることはできなかったのに対して、本発明で提案した方法では、割れも発生せずにスムーズな半連続鋳造が可能であることが確認できた。
そして、本発明方法を実施する際には、図5に示すように、3つのアーム部は、先端以外に二次冷却水13が掛からない部分nを設けるべく、鋳型1に設けたスリットを塞いでいる。
本発明方法を採用した実施例と従来法による比較例についての鋳造結果を纏めると、次に表2に見られるような結果となる。
比較例では、抱きつきが発生して割れやメタル漏れが認められるのに対して、本発明例では、割れやメタル漏れが認められずスムーズに鋳造できている。
Claims (6)
- 断面がY形,X形或いは放射かつ任意の方向に伸びる複数のアーム形状を有するアルミニウム合金異形ビレットをDC鋳造する方法であって、少なくとも一つのアーム部を二次冷却する冷却水量を、中央部を二次冷却する冷却水量より少なくなるように調整して冷却することを特徴とするアルミニウム合金異形ビレットのDC鋳造方法。
- アーム部を二次冷却する冷却水の流速を、中央部を二次冷却する冷却水の流速よりも遅くする請求項1に記載のアルミニウム合金異形ビレットのDC鋳造方法。
- アーム部を二次冷却する冷却水を断続的に噴出させる請求項1に記載のアルミニウム合金異形ビレットのDC鋳造方法。
- アーム部に二次冷却の冷却水が掛からない部分を設ける請求項1に記載のアルミニウム合金異形ビレットのDC鋳造方法。
- アーム部の二次冷却の冷却水が掛かる部分の外周長さとアーム部断面積の比を、中央部の二次冷却の冷却水が掛かる外周長さと中央部断面積の比の0.8〜1.2倍にする請求項4に記載のアルミニウム合金異形ビレットのDC鋳造方法。
- アーム部の先端に二次冷却の冷却水が掛かる部分を設ける請求項4又は5に記載のアルミニウム合金異形ビレットのDC鋳造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004115565A JP4432590B2 (ja) | 2004-04-09 | 2004-04-09 | アルミニウム合金異形ビレットのdc鋳造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004115565A JP4432590B2 (ja) | 2004-04-09 | 2004-04-09 | アルミニウム合金異形ビレットのdc鋳造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005296989A true JP2005296989A (ja) | 2005-10-27 |
JP4432590B2 JP4432590B2 (ja) | 2010-03-17 |
Family
ID=35329169
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2004115565A Expired - Fee Related JP4432590B2 (ja) | 2004-04-09 | 2004-04-09 | アルミニウム合金異形ビレットのdc鋳造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4432590B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009037212A (ja) * | 2007-07-10 | 2009-02-19 | Nec Lcd Technologies Ltd | 液晶表示装置 |
JP2020062678A (ja) * | 2018-10-19 | 2020-04-23 | 昭和電工株式会社 | 金属の連続鋳造装置および連続鋳造方法 |
-
2004
- 2004-04-09 JP JP2004115565A patent/JP4432590B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009037212A (ja) * | 2007-07-10 | 2009-02-19 | Nec Lcd Technologies Ltd | 液晶表示装置 |
JP2020062678A (ja) * | 2018-10-19 | 2020-04-23 | 昭和電工株式会社 | 金属の連続鋳造装置および連続鋳造方法 |
JP7190324B2 (ja) | 2018-10-19 | 2022-12-15 | 昭和電工株式会社 | 金属の連続鋳造装置および連続鋳造方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP4432590B2 (ja) | 2010-03-17 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
CN104999037A (zh) | 一种用于薄壁筒状零件的浇注系统及其精密铸造成型方法 | |
CN105705271A (zh) | 生产高性能轴对称部件的方法和设备 | |
JPH0847744A (ja) | 鍛造金属部品の製造方法及び装置 | |
CN112872261A (zh) | 一种钛合金法兰盘锻件的锻造方法 | |
Lee et al. | Effect of die geometry on the microstructure of indirect squeeze cast and gravity die cast 5083 wrought Al alloy and numerical analysis of the cooling behavior | |
JP2005074461A (ja) | 成形品の製造方法 | |
US7992419B2 (en) | High speed extrusion | |
CN107739877A (zh) | 一种铜合金辊套及其制备方法 | |
CN104039478B (zh) | 用于立式半连续铸造模具的双喷射冷却设备 | |
CN106756681A (zh) | 一种基于织构控制思想的半固态坯料快速制备方法 | |
JP4432590B2 (ja) | アルミニウム合金異形ビレットのdc鋳造方法 | |
JP2009255118A (ja) | 粗材冷却装置および方法 | |
JP2010029899A (ja) | ビレットの連続鋳造方法 | |
JP2007307574A (ja) | ビレットの連続鋳造方法 | |
JP2010201450A (ja) | 連続鋳造用鋳型 | |
CN107008882A (zh) | 合金锭的制造方法 | |
JPH07155897A (ja) | 鋳型構造及び鋳造方法 | |
KR100510841B1 (ko) | 연속주조기의 2차 냉각 최적패턴 설계방법 | |
CN104889349A (zh) | 低宏观偏析大型辊坯用钢锭的生产方法 | |
CN104139175A (zh) | 用于bridgman熔模铸造过程中的晶粒启动机的复合材料几何设计 | |
CN108103277A (zh) | 一种工模具钢电渣重熔连续定向凝固后的热处理工艺 | |
JP5594122B2 (ja) | 鋳型及び鋳型を用いた鋳造方法、並びに鋳型の設計方法 | |
BR0316249A (pt) | Coquilha de fundição contìnua para fundir metais lìquidos | |
JP5025153B2 (ja) | 鋳型装置、鋳造品、および鋳型製造方法 | |
JP2000301312A (ja) | 筒状成形品のダイカスト製法及び装置と円筒状フレーム |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20060628 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20061129 |
|
RD02 | Notification of acceptance of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422 Effective date: 20070213 |
|
RD04 | Notification of resignation of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424 Effective date: 20070220 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821 Effective date: 20070215 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20090203 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20090331 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20090421 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20090616 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20090728 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20090827 |
|
A911 | Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911 Effective date: 20091104 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20091201 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20091214 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 4432590 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130108 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130108 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140108 Year of fee payment: 4 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |