JP2005296705A - スピンコータ用チャック、蒸着マスクの製造方法、及び有機el装置の製造方法 - Google Patents

スピンコータ用チャック、蒸着マスクの製造方法、及び有機el装置の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 特に裏面側にもレジスト層が形成された被処理体を保持するのに良好なスピンコータ用チャックと、これを用いた蒸着マスクの製造方法、及び有機EL装置の製造方法を提供する。
【解決手段】 スピンコータに用いられて、被処理体Wを保持するスピンコータ用チャック1である。スピンコータに接続されるチャック本体2と、被処理体Wの外周部のみを、少なくともその底面側を支持した状態で保持する保持部3とを備えている。保持部3が、チャック本体2の上面側に突出した状態で設けられている。
【選択図】 図2

Description

本発明は、レジスト等をスピンコートする際に用いられるスピンコータ用チャックと、これを用いた蒸着マスクの製造方法、及び有機EL装置の製造方法に関する。
近年、有機EL素子を用いた有機EL表示パネル(有機EL装置)が、CRTやLCDに代わる表示装置として注目されている。このような有機EL表示パネルを製造する場合、特に発光材料として低分子系のものを用いた場合では、非常に高精度の蒸着マスクが必要となる。そこで、このような要求に応えるものとして、シリコンウエハを用いた蒸着マスクが提供されている(例えば、特許文献1参照)。
この蒸着マスクでは、シリコンウエハに対し、半導体プロセスであるフォトリソグラフィー技術やウエットエッチング等のエッチング技術を用いることで、微細なパターニングにも対応可能な高精度の開口パターンなどを形成している。
ところで、従来のフォトリソグラフィー技術では、スピンコータでウエハ上にレジストを塗布し、レジスト層を形成している。その際、予めウエハの裏面を真空チャックで吸着保持しておき、その状態でウエハ表面にレジスト液を滴下し、スピン回転でレジストを均一に塗布している。ここで、ウエハの裏面を保持する真空チャックとしては、ウエハ裏面のほぼ全面に当接してこれを支持(保持)する保持部を有し、この保持部のほぼ全域に、多数の吸着孔をほぼ均等に分散させた状態で形成されたものが一般的である。
また、このようなスピンコート法等に用いられるチャック機構としては、接触方式である前記の真空チャック以外に、非接触方式のものとしてベルヌーイ法を用いたものも提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2001−185350号公報 特開平8−264626号公報
しかしながら、前記の真空チャックを用いた蒸着マスクの製造方法では、以下に述べる課題がある。
シリコンウエハの表面側をウエットエッチングでパターニングする場合、パターニング面となる表面側だけでなく、裏面側にもレジスト層を形成しておかないと、裏面側まで無用にエッチングされてしまうことがある。このように裏面側までエッチングされてしまうと、目的とするパターニング形状が得られなくなってしまう。そこで、特に表裏両面が同じ材質であり、一方の面のみをウエットエッチングで選択的にパターニングしたい場合、パターニング用のレジストマスクとは別に、他方の面にも保護用のレジスト層を設けるのが普通である。
ところが、このように例えば他方の面(裏面)に保護用のレジスト層を形成したシリコンウエハに対し、一方の面(表面)側にパターニング用のレジストマスクを形成するべく、レジスト液をスピンコートする場合、前記の真空チャックを用いた製造方法では、真空チャックの保持部がシリコンウエハを吸着保持することで、シリコンウエハの裏面側に形成されたレジスト層にクラック等のキズが形成されてしまうことがある。このようにキズが形成されてしまうと、ウエットエッチング時、このキズからエッチング液が浸透し、シリコンウエハにもエッチビットと呼ばれるキズが形成されてしまう。
ここで、レジスト層に形成されるキズは、真空チャックの保持部がシリコンウエハの裏面側のほぼ全面に当接することから、この当接する全ての箇所で生じ易くなっており、したがって前記のエッチビットも、シリコンウエハの裏面側のほぼ全面に生じ易くなっている。しかし、このようにシリコンウエハのほぼ全面にエッチビットが形成されてしまうと、特に製品の形成領域となるシリコンウエハの中央部分にもエッチビットが形成されてしまうことになり、したがって得られる製品、すなわち蒸着マスクにエッチビットに起因する製造不良が生じてしまう。
また、前記のベルヌーイ法を用いたものにあっても、シリコウエハの裏面にレジスト層による凹凸が形成されていると、ベルヌーイ効果が十分に得られず、チャックが良好に行えないことが多い。
本発明は前記事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、特に裏面側にもレジスト層が形成された被処理体を保持するのに良好なスピンコータ用チャックと、これを用いた蒸着マスクの製造方法、及び有機EL装置の製造方法を提供することにある。
本発明のスピンコータ用チャックは、スピンコータに用いられて、被処理体を保持するチャックであって、スピンコータに接続されるチャック本体と、前記被処理体の外周部のみを、少なくともその底面側を支持した状態で保持する保持部とを備えてなり、前記保持部が、前記チャック本体の上面側に突出した状態で設けられていることを特徴としている。
このスピンコータ用チャックによれば、被処理体を保持する保持部を、被処理体の外周部のみを保持するようにするとともに、この保持部を、チャック本体の上面側に突出させたことで該保持部以外の箇所が被処理体の底面に接触しないようにしたので、被処理体の裏面側にレジスト層が形成されている場合に、このレジスト層は、チャック時、チャックに直接接触する箇所、すなわち被処理体の外周部のみにしかキズが入らないようになる。したがって、ウエットエッチング時、このレジスト層のキズからエッチング液が浸透しても、これによってエッチビットは被処理体の外周部のみ、すなわち製品の形成領域となる中央部分を避けた位置にのみにしか形成されないようになる。よって、このスピンコータ用チャックを用いて形成された製品、すなわち蒸着マスクは、エッチビットに起因する製造不良が防止されたものとなる。
また、前記スピンコータ用チャックにおいては、前記保持部は、前記被処理体の周方向に沿って環状に形成されてなり、その少なくとも一部に、該保持部の内側と外側とを連通させる溝が設けられているのが好ましい。
このようにすれば、スピンコータ用チャックから被処理体を取り外す際、前記溝を利用して例えばここにピンセット等を差し入れることにより、被処理体の取り外しを容易に行うことが可能になる。
また、前記スピンコータ用チャックにおいては、前記保持部は、少なくともその表層部がフッ素樹脂からなっているのが好ましい。
このようにすれば、フッ素樹脂は発塵性が極めて少ないことから被処理体に異物による悪影響を及ぼすおそれがなく、また、その硬度(例えばビッカース硬度)も比較的低く柔らかいことから、接触する部位(例えばレジスト層)に対する機械的な応力も小となる。
また、前記スピンコータ用チャックにおいては、前記保持部は、前記被処理体の底面側を真空吸着法で保持するよう構成されているのが好ましい。
このように、真空吸着法によるチャック、すなわち真空チャックとすれば、特に被処理体に対してその底面側のみを吸着保持することから、スピンコート面となる被処理体の上面に何等影響を与えることなく、したがってスピンコート処理が良好に行えるようになる。
また、前記スピンコータ用チャックにおいては、前記保持部は、その真空吸着法による真空吸着力を、前記チャック本体の中心側から外周側に向かうように発生させるよう、構成されてなるのが好ましい。
このようにすれば、真空吸着力、すなわち真空引きによる吸着力が、チャック本体の中心側から外周側に向かうように発生させられるので、スピンコート時、被処理体上に滴下された処理液が前記の吸着力に引っ張られ、真空装置側に吸引されてしまうことが防止される。
本発明の蒸着マスクの製造方法は、半導体基板からなる蒸着マスクの製造方法において、前記半導体基板の裏面側にレジストを設けた状態で、その表面側にもレジストを塗布する際、前記のスピンコータ用チャックを用い、スピンコート法で前記半導体基板の表面側にレジストを塗布することを特徴としている。
この蒸着マスクの製造方法によれば、被処理体を保持する保持部を、被処理体の外周部のみを保持するようにするとともに、この保持部を、チャック本体の上面側に突出させたことで該保持部以外の箇所が被処理体の底面に接触しないようにしたスピンコータ用チャックを用い、レジストを塗布するようにしているので、このスピンコータ用チャックを用いて形成された蒸着マスクは、前述したようにエッチビットに起因する製造不良が防止されたものとなる。
本発明の有機EL装置の製造方法は、前記の製造方法で得られた蒸着マスクを用い、蒸着パターンを形成するようにしたので、特にこの蒸着マスクがエッチビットに起因する製造不良が防止されているので、蒸着パターンの形成についてもこれを良好に行うことができるようになる。
以下、本発明を詳しく説明する。
図1、図2は本発明のスピンコータ用チャックの一実施形態を示す図であり、これらの図において符号1は、スピンコータ用チャックとしての真空チャックである。この真空チャック1は、特に被処理体としてシリコン基板(シリコンウエハ)を用い、これから蒸着マスクを作製する際に、好適に用いられるものである。
すなわち、この真空チャック1は、シリコン基板(被処理体)に対してスピンコート処理を行う際、スピンコータにセットされて用いられるもので、図1、図2に示すようにスピンコータ(図示せず)に接続されるチャック本体2と、前記シリコン基板Wを保持する保持部3とを備えてなるものである。
チャック本体2は、略円盤状の円盤部4と、この円盤部4の底面側に設けられた円筒状の円筒部5とからなるもので、円筒部5がスピンコータ(図示せず)の取付軸(図示せず)に取り付けられることにより、真空チャック1はスピンコータに取り付けられるようになっている。円盤部4は、図2に示したように上円盤6と下円盤7とが螺子止めにより一体化されてなるもので、これら上円盤6と下円盤7との間には、真空引きを行うための空間からなる吸引路8が形成されている。
上円盤6は、その上面側に前記保持部3を一体に形成したもので、フッ素樹脂等からなるものである。ここで、特に保持部3の少なくとも表層部、すなわち、後述するようにシリコン基板に当接する部位については、比較的軟質のもの、例えばビッカース硬度が50以下のものが好適とされる。具体的には、前記フッ素樹脂を用いた場合、特にポリテトラフルオロエチレン(テフロン(登録商標))を用いるのが好ましい。なお、本実施形態では、前述したように保持部3は、ビッカース硬度が50以下に調整されたポリテトラフルオロエチレンにより、上円盤6と一体に形成されたものとする。
この上円盤6は、保持部3を形成した上板部6aと、この上板部6aの外周部底面側に円環状に形成された下板部6bとが一体に形成されたものである。
保持部3は、本実施形態では図1に示したように、シリコン基板Wの底面側の、外周部のみを支持した状態で保持するよう、平面視して円環状に形成されたものである。ただし、この保持部3は、本実施形態ではその周方向において3分割されて形成されている。すなわち、この保持部3には、その内側と外側とを連通させる溝9が3本形成されており、これによって後述するようにシリコン基板Wを保持状態から取り外す際、これら溝9を利用することで、取り外しが容易になっている。
なお、保持部3としては、本実施形態では前述したようにシリコン基板Wの外周部のみ、すなわち、シリコン基板Wにおける非製品形成領域となる位置にのみ当接するよう、この非製品形成領域に対応した位置に配設され、またその寸法・形状も非製品形成領域にのみ当接するように設計されている。
また、この保持部3には、その表面に円形に開口し、かつ、図2に示したように前記の吸引路8に連通する吸着孔10が多数形成されている。これら吸着孔10は、本実施形態では図1に示したように、円環状の保持部3の長さ方向(周方向)に沿って1列にほぼ等間隔で形成配置されている。なお、これら吸着孔10の開口径としては、特に限定されることなく任意の径とされる。また、図1では吸着孔10の開口径を円形としたが、この形状についても特に限定されることなく、長円形や楕円形、さらには角形など種々の形状が採用可能である。
また、このような開口を有する吸着孔10についても、保持部3の表層部における開口部のみがそれぞれの吸着孔10毎に独立し、保持部3の内部(上円盤6の内部)においては互いに連通する共通空間となっていてもよい。同様に、吸引路8についても、特に吸着孔10がそれぞれ独立した空間路となっている場合、これら空間路(吸着孔10)にそれぞれ連通する複数の空間路からなっていてもよく、また、平面視円形状の一つの空間からなっていてもよい。
下円盤7は、図2に示したように上円盤6の下板部6b内に嵌め込まれ、その状態で螺子11により固定された円盤状のもので、前記のフッ素樹脂等によって形成された上円盤6に比べ、比較的硬質の樹脂等から形成されたものである。この下円盤7は、上板部6aに対し所定の間隔をあけて下板部6b内に取り付けられたとにより、上板部6aとの間に空間からなる前記吸引路8を形成したものとなっている。
また、この下円盤7には、その底面側の中心部に吸引孔12が形成されており、該下円盤7の底面側には、吸引孔12に連通して前記円筒部5が取り付けられている。この円筒部5は、前述したようにスピンコータ(図示せず)の取付軸(図示せず)に取り付けられるもので、下円盤7に一体に形成された外筒5aと、この外筒5a内に挿通された内筒5bとからなるものである。内筒5bは、本実施形態ではステンレス等の金属によって形成されたもので、前記スピンコータの取付軸を内挿させることで該取付軸に直接取り付けられる部位となるものである。
ここで、スピンコータの取付軸は、真空ポンプ等の負圧源に取り付けられるようになっており、これによって真空チャック1は、保持部3の表面に形成された吸着孔10の開口から吸着孔10、吸引路8、吸引孔12を介して負圧源に真空引きされるようになっている。このような構成のもとに真空チャック1は、スピンコータの取付軸に取り付けられた状態で、保持部3表面の吸着孔10より真空吸着力を発揮し、シリコン基板Wを吸着保持するようになっている。
また、このように吸着孔10の開口から吸着孔10、吸引路8、吸引孔12を介して真空引きされることにより、この真空チャック1は、その真空吸着力を、チャック本体2の中心側から外周側に向かうように発生させるようになっている。すなわち、真空吸着力の経路が、外側から内側に向かうようになっていることにより、保持部3の外側において発生する真空吸着力は、その方向性が円盤部4の厚さ方向に沿う吸着孔10の外周面で反射され、チャック本体2の中心側から外周側に向かうようになっているのである。
次に、このような構成からなる真空チャック1を用いた蒸着マスクの製造方法の一実施形態を説明する。
本実施形態では、蒸着マスクとして、特に有機EL装置における発光層等の機能層を形成するためのマスクを製造するものとする。
まず、蒸着マスクの製造方法の説明に先立ち、形成する蒸着マスクについて説明する。
図3は蒸着マスクの概略構成を示す斜視図であり、図3中符号20は蒸着マスクである。この蒸着マスク20は、平面視正方形状のもので、後述するように有機EL装置の各画素部に対応した位置に開口21が形成されている。また、その外周部には、マスクとしての機械的強度を持たすため、開口21を形成したマスク部22よりも十分に厚さが厚い枠部23が形成されている。
このような構成からなる蒸着マスク20は、図4に示すシリコン基板(シリコンウエハ)Wにおいて、例えば二点鎖線で示す正方形状に形成される。すなわち、このシリコン基板Wにおいては、その中央部が製品形成領域となり、外周部が非製品形成領域となっているのである。なお、蒸着マスク20は、図4中二点鎖線で示した正方形状をさらに4分割した正方形状でもよく、あるいは、中央部を適宜な個数に分割した矩形状のものであってもよい。
このような蒸着マスク20を製造するには、まず、図3に示したシリコン基板Wを例えばウエットエッチングおよびドライエッチングし、その表面に形成された酸化膜を除去して形成する。図5は図3における蒸着マスクの製造方法を具体的に示したものである。この図に沿ってスピンコーターの前記の真空チャック1の使用形態を説明して行く。
まず、シリコン基板Wを洗浄しウェット熱酸化法により1μmのSiO膜25を付与する。この時、SiO膜25はシリコン基板(シリコンウエハ)Wの両面に成膜され図5(a)のごとくなる。次に、シリコン基板Wの両面にスピンコーターにてポジレジスト24(東京応化製;OFPR−800LB-34cP)を塗付する。この時、図1に示す真空チャック1を使用する事により、シリコン基板Wの裏面の製品を製造する部分にキズが付かなくなる。両面へのスピンコートは、基板片面をレジストスピンコートした後、クリーンオーブンにて90℃で15分間のプレベークを行なった後、もう一方の面にレジストスピンコートし、クリーンオーブンにて90℃で15分間のプレベークを行なう。
その後、図3のマスク部22となる薄板部を作るべき部位にパターン26を形成する(図5(b)参照)。この後、クリーンオーブンを用いて120℃で20分間のポストベークを行ないレジストのシリコン基板Wとの密着性を強化した。そして、SiO膜25にパターン26を転写するために緩衝ふっ酸溶液を使用したウェットエッチングを行なう(5(c)参照)。さらにレジストをレジスト剥離液で除去し、図5(d)の形態になる。図5(d)では、図3のマスク部22になるべき薄板部のSiOパターン25aが形成されている。このシリコン基板Wを80℃に加熱した20重量%水酸化カリウム水溶液にて薄板部を形成し、図5(e)の形態になる。
なお、エッチング後のシリコン基板Wの厚みとしては、その周辺部の枠部23においてはほぼエッチング前の厚みであり、枠部23内のマスク部22となる領域では、100μm以下、好ましくは50μm以下、更に好ましくは30μm以下とされる。これは、厚みが薄いほど、厚みの影響による蒸着ずれが少なくなるからである。ただし、薄すぎると破損してしまう可能性もあるため、下限値としては10μm程度までが限度とされる。なお、エッチング後のシリコン基板Wの厚みについては、エッチャントの温度及びエッチング時間によって制御することができる。
続いて、シリコン基板Wの裏面に図3の開口21を形成するべきレジストパターン24aを形成するために、前記真空チャック1を用いてレジストをスピンコートする。この時、基板中央部はマスク部22があり通常のコーターチャックではシリコン基板を保持できないが、前記真空チャック1は基板外周部のみチャックするので可能である。そして、一連のフォトリソグラフィによりレジストパターン24aが、図5(f)のごとく完成する。このレジストパターン24aにおける開口部の大きさ、すなわち形成する開口パターンの大きさとしては、後述する有機EL装置における画素領域の大きさにほぼ一致する大きさとする。
その後、レジストパターン24aをマスクとし、例えばエッチングガスとしてCHFを用いてSiO膜25のドライエッチングを行い、さらにSTS社製ICPを使用する事によってSiのトレンチエッチングを行い、図5(g)のごとくシリコン基板Wに多数の開口21を形成する。続いて、図5(h)のごとくレジストパターン24aを除去する。
そして、不用になったSiO膜を除去するためにシリコン基板Wを緩衝ふっ酸溶液に浸漬させ、図5(i)のごとく除去する。
さらに、このようにして処理を行ったシリコン基板Wに対し、図4に示した二点鎖線の位置で切断し、図3に示した形状の蒸着マスク20を得る。
前記構成の真空チャック1にあっては、保持部3を、シリコン基板Wの外周部のみ、すなわち非製品形成領域のみを保持するようにするとともに、この保持部3を、チャック本体2の上面側に突出させたことで該保持部3以外の箇所がシリコン基板Wの底面に接触しないようにしたので、特にシリコン基板Wの裏面側にレジスト層24が形成されている場合に、このレジスト層24に対し、チャック時、チャックに直接接触する箇所、すなわちその外周部のみにしかキズが入らないようにすることができる。したがって、ウエットエッチング時、このレジスト層24のキズからエッチング液が浸透しても、これによってエッチビットはシリコン基板Wの外周部のみ、すなわち製品の形成領域となる中央部分を避けた位置にのみにしか形成されないようになる。よって、このスピンコータ用チャックにあっては、これを用いて形成された製品、すなわち蒸着マスクの、エッチビットに起因する製造不良を防止することができる。
また、このような真空チャック1を用いた蒸着マスクの製造方法にあっては、前述したようにエッチビットに起因する製造不良を防止することができる。
次に、このようにして得られた蒸着マスクを用いた有機EL装置の製造方法を説明する。
図6は、前記蒸着マスク20を用いて一部の構成要素が製造された有機EL装置の側断面図であり、まず、この有機EL装置の概略構成を説明する。
図6に示すようにこの有機EL装置301は、基板311、回路素子部321、画素電極331、バンク部341、発光素子351、陰極361(対向電極)、および封止基板371から構成された有機EL素子302に、フレキシブル基板(図示略)の配線および駆動IC(図示略)を接続したものである。回路素子部321は、TFT等からなるアクティブ素子が基板311上に形成され、複数の画素電極331が回路素子部321上に整列して構成されたものである。そして、各画素電極331間にはバンク部341が格子状に形成されており、バンク部341により生じた凹部開口344に、発光素子351が形成されている。なお、発光素子351は、赤色の発光をなす素子と緑色の発光をなす素子と青色の発光をなす素子とからなっており、これによって有機EL装置301は、フルカラー表示を実現するものとなっている。陰極361は、バンク部341および発光素子351の上部全面に形成され、陰極361の上には封止用基板371が積層されている。
有機EL素子を含む有機EL装置301の製造プロセスは、バンク部341を形成するバンク部形成工程と、発光素子351を形成する発光素子形成工程と、陰極361を形成する対向電極形成工程と、封止用基板371を陰極361上に積層して封止する封止工程とを備えている。
発光素子形成工程は、凹部開口344、すなわち画素電極331上に正孔注入層352および発光層353を形成することにより発光素子351を形成するもので、正孔注入層形成工程と発光層形成工程とを具備している。そして、発光層形成工程では、特に発光層形成材料として低分子系の有機発光材料を用いる場合に、前記の蒸着マスク20が用いられる。すなわち、前記の開口21をバンク部341に囲まれた凹部開口344に位置合わせし、その状態で発光材料を蒸着する。なお、発光層353は、前述したように赤、緑、青の3色に対応する材料によって3種類のものが形成されるようになっており、したがって前記の蒸着工程は、3種類の材料をそれぞれに蒸着するために3つの工程からなっている。
この発光素子形成工程において、発光層353を前記の製造方法で得られた蒸着マスク20を用いて形成するようにしたので、特にこの蒸着マスク20がエッチビットに起因する製造不良が防止されているので、発光層353の形成についてもこれを精度良く良好に行うことができる。
なお、前記の蒸着マスクについては、発光層の形成以外にも、例えば陰極を素子ごとに形成し分ける場合などに、好適に利用することができる。
(実験例)
8インチのシリコン基板Wを用意し、図1、図2に示した真空チャック1を用いて図5に示した蒸着マスクの製造方法により、これらシリコン基板Wから蒸着マスクを形成した。なお、真空チャック1としては、その円環状の保持部3の外径が199mm、保持部3の幅が4.0mm、吸着孔10の開口径がΦ0.6mm、3分割されたうちの一つの保持部3に対して吸着孔10の数が18個であるものを用いた。
また、比較のため、従来の真空チャック、すなわち、シリコン基板Wの裏面のほぼ全面に当接してこれを支持(保持)する保持部を有し、この保持部のほぼ全域に、多数の吸着孔をほぼ均等に分散させた状態で形成された真空チャックを用い、前記真空チャック1を用いた場合と同様にして、蒸着マスクを形成した。
本発明の真空チャック1と従来の真空チャックとを用い、それぞれ25枚ずつのシリコン基板W(8インチ)を処理した結果、本発明の真空チャック1を用いた場合には、25枚中で24枚の良品が得られた。これに対し、従来の真空チャックとを用いた場合には、25枚中で2枚しか良品が得られなかった。これより、本発明の真空チャック1は、特にエッチビットに起因する不良を著しく低減し、歩留まりを向上できることが確認された。
なお、本発明は前記実施形態に限定されることなく、本発明の要旨を逸脱しない限り種々の変更が可能である。例えば、チャック機構についても真空吸着法による保持機構に代えて、機械的なチャック機構、すなわち、被処理体の表裏面を挟持することによるチャック機構を採用するようにしてもよい。
本発明の一実施形態である真空チャックの概略構成を示す斜視図である。 本発明の一実施形態である真空チャックの概略構成を示す側断面図である。 蒸着マスクの概略構成を示す斜視図である。 シリコン基板の平面図である。 (a)〜(i)は蒸着マスクの製造方法を説明するための工程図である。 有機EL装置の側断面図である。
符号の説明
1…真空チャック(スピンコータ用チャック)、2…チャック本体、3…保持部、
4…円盤部、10…吸着孔、20…蒸着マスク、21…開口、22…マスク部、
24…レジスト層、W…シリコン基板(被処理体)

Claims (7)

  1. スピンコータに用いられて、被処理体を保持するチャックであって、
    スピンコータに接続されるチャック本体と、前記被処理体の外周部のみを、少なくともその底面側を支持した状態で保持する保持部とを備えてなり、
    前記保持部が、前記チャック本体の上面側に突出した状態で設けられていることを特徴とするスピンコータ用チャック。
  2. 前記保持部は、前記被処理体の周方向に沿って環状に形成されてなり、その少なくとも一部に、該保持部の内側と外側とを連通させる溝が設けられていることを特徴とする請求項1記載のスピンコータ用チャック。
  3. 前記保持部は、少なくともその表層部がフッ素樹脂からなっていることを特徴とする請求項1又は2記載のスピンコータ用チャック。
  4. 前記保持部は、前記被処理体の底面側を真空吸着法で保持するよう構成されてなることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のスピンコータ用チャック。
  5. 前記保持部は、その真空吸着法による真空吸着力を、前記チャック本体の中心側から外周側に向かうように発生させるよう構成されてなることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のスピンコータ用チャック。
  6. 半導体基板からなる蒸着マスクの製造方法において、
    前記半導体基板の裏面側にレジストを設けた状態で、その表面側にもレジストを塗布する際、請求項1〜5のいずれか一項に記載のスピンコータ用チャックを用い、スピンコート法で前記半導体基板の表面側にレジストを塗布することを特徴とする蒸着マスクの製造方法。
  7. 請求項6記載の製造方法で得られた蒸着マスクを用い、蒸着パターンを形成することを特徴とする有機EL装置の製造方法。
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