JP2005296041A - 細径ファイバスコープおよびその製造方法 - Google Patents

細径ファイバスコープおよびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 対物レンズ等の光学部品およびイメージファイバの接合面に対する剥がれ等のダメージの発生を防止する。
【解決手段】 ライトガイドファイバ一端部と、イメージファイバ一端部とが中空状外装部に固着されて成る細径ファイバスコープ。少なくとも対物レンズ5およびイメージファイバ4の対物レンズ接合部4a1の周囲を被覆する熱ストレス吸収用バッファ層12を備えている。
【選択図】 図1

Description

この発明は、医療分野や工業用途の狭隘部などの観察に用いられる細経ファイバスコープおよびその製造方法に関する。
ファイバスコープ(内視鏡)は、生体内の部位を直接観察できる医療機器として広く利用されており、特に、最近では、φ(直径)3〜4mmのファイバスコープに加えて、例えばφを2mm以下にできる細径ファイバスコープも開発されている。この細径ファイバスコープは、従前の消化器、呼吸器、泌尿器等の部位に加えて、血管、乳腺、膵管等の細い管腔等の極小部位に対する直接観察を可能にして、その適用範囲を大幅に拡大している。
この種の細径ファイバスコープは、例えば「極細径医療用ファイバスコープ」(非特許文献1参照)や「医療用極細径イメージファイバとその応用」(非特許文献2参照)等に開示されているように、細経化が可能なクラッドを共有する溶融一体型のイメージファイバと観察対象に対する照射光ガイド用のライトガイドファイバとをφ2mm以下の例えばステンレス鋼(SUS)等の金属製のチューブ内に挿入し、接着剤により固着一体化した挿入部構造を有している。
ここで、一体型挿入部構造を有する細径ファイバスコープの製造方法として、特に一体型挿入部の製造方法について、図6(a)〜(c)を参照して説明する。
すなわち、従来の細径ファイバスコープ100(挿入部)の製造方法によれば、ライトガイドファイバ101の一端部101a、イメージファイバ103の一端部103a、およびチューブ104の対応する一端部それぞれに熱硬化性を有する接着剤110を塗布し、接着剤塗布直後の一端部101aおよび一端部103aをチューブ104内に一体に挿入する。
この挿入工程において、ライトガイドファイバ101の一端部101aとイメージファイバ103の一端部103aとを、その一端部先端がチューブ104の一端部104a先端から所定長外向へ露出するようにチューブ104内に挿入する。なお、ファイバスコープ100における対物レンズ102の対物レンズ102aを基準としてさらに先端側へ露出している部分を余長部111とする。
そして、挿入工程後、チューブ104を加熱して接着剤110を硬化させ、ライトガイドファイバ一端部101およびイメージファイバ一端部103aをチューブ104内に固着させる。
次いで、接着剤硬化後、余長部111を研磨していき、最終的に、対物レンズ102の対物面102aに沿った境界線C−Cまで研磨することで、対物レンズ102の対物面102aを研磨することなく、表面に覆われている接着剤110を剥離するようにしている。
三菱電線工業株式会社、"細径医用ファイバスコープの開発"、三菱電線工業時報別冊No.75(1988.4)P.1〜P.10 妻沼孝司、真田和夫、"医療用極細径イメージファイバとその応用"、株式会社フジクラ、フジクラ技法第84号別刷1993
しかしながら、従来の細径ファイバスコープ100の製造方法においては、チューブ104の加熱による接着剤110の硬化収縮やファイバスコープ一端部を構成する各部材間の熱膨張差{特に、金属製チューブ104(熱膨張大)と他の部材との熱膨張差}により、各部材間に熱ストレス(応力)が発生する。
特に、イメージファイバ一端部103aに対してその長手方向に沿って引っ張りストレス、すなわち、対物レンズ102とイメージファイバ103とを引き離す方向にストレスがかかり、対物レンズ102およびイメージファイバ103間の接合面間に剥がれ等のダメージが生じる恐れが生じていた(図7参照)。
この対物レンズ102およびイメージファイバ103間の接合面の剥がれ等のダメージにより、イメージファイバ103を経由して得られた観察対象物の画像に対してノイズ成分が含まれることになり、得られた観察対象の画像の視認性を悪化させる可能性があった。
また、対物レンズ102およびイメージファイバ103間の接合面に剥がれが生じた場合、対物レンズ102およびイメージファイバ103間の接合不良により、不具合が生じる可能性も生じていた。
上記対物レンズ102およびイメージファイバ103間の接合面の剥がれは、特にチューブ104内に、イメージファイバ103と並列にSUS等の金属製の媒体通路用チューブが同様に固着されている場合において、この媒体通路用チューブに起因した熱ストレスがさらに印加されるため特に生じやすく、金属製媒体通路用チューブ一体型の細径ファイバスコープ100の場合には特に注意が必要であった。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたもので、対物レンズ等の光学部品およびイメージファイバの接合面間における剥がれ等のダメージの発生を防止することができる細径ファイバスコープおよびその製造方法を提供することをその目的とする。
第1の発明は、上記課題を解決するため、照射光を伝播して対象物に照射するライトガイドファイバの該照射光照射側一端部と、光学部品が接合され前記対象物からの反射光を受光して伝播するイメージファイバの該光学部品を含む一端部とが中空状外装部における中空内に挿入された状態で、熱硬化性接着剤により該中空状外装部に固着されて成る細径ファイバスコープの製造方法であって、少なくとも前記イメージファイバにおける前記光学部品接合部の周囲を第1の熱ストレス吸収用バッファ層で被覆する工程を備えたことを要旨とする。
請求項2記載の発明は、上記課題を解決するため、前記熱ストレス吸収用バッファ層は、弾性樹脂により形成されており、前記被覆工程は、前記光学部品を含むイメージファイバ一端部を弾性樹脂の槽にディップして該一端部の周囲に前記弾性樹脂を付着させ、該イメージファイバ一端部周囲に付着された弾性樹脂を硬化させて前記第1の熱ストレス吸収用バッファ層を形成する工程を含むことを要旨とする。
請求項3記載の発明は、上記課題を解決するため、前記細径ファイバスコープは、前記中空状外装部内に一端部が挿入固着された媒体通路用チューブを含み、前記媒体通路用チューブの周囲を第2の熱ストレス吸収用バッファ層により被覆する工程を含むことを要旨とする。
請求項4記載の発明は、上記課題を解決するため、照射光を伝播して対象物に照射するライトガイドファイバの該照射光照射側一端部と、光学部品が接合され前記対象物からの反射光を受光して伝播するイメージファイバの該光学部品を含む一端部とが中空状外装部における中空内に挿入された状態で、熱硬化性接着剤により該中空状外装部に固着されて成る細径ファイバスコープであって、少なくとも前記イメージファイバの光学部品接合部の周囲を被覆する第1の熱ストレス吸収用バッファ層を備えたことを要旨とする。
請求項5記載の発明は、上記課題を解決するため、前記第1の熱ストレス吸収用バッファ層は、前記光学部品を含むイメージファイバ一端部全体の周囲を被覆することを要旨とする。
請求項6記載の発明は、上記課題を解決するため、前記中空状外装部内に挿入固着された一端部を有する媒体通路用チューブと、前記媒体通路用チューブの周囲を被覆する第2の熱ストレス吸収用バッファ層と、を備えたことを要旨とする。
請求項1および請求項4記載の発明によれば、中空状外装部を加熱した際に、その中空状外装部から発生し光学部品接合部へ作用しようとする熱ストレスを、その接合部周囲に形成された第1の熱ストレス吸収用バッファ層により吸収することができるため、熱ストレスに起因してイメージファイバ一端部および光学部品間の接合面に剥がれ等のダメージが発生することを防止することができる。
請求項2記載の発明によれば、光学部品を含むイメージファイバ一端部を弾性樹脂の槽にディップして該一端部の周囲に前記弾性樹脂を付着させることにより第1の熱ストレス吸収用バッファ層を形成しているため、イメージファイバ一端部が細径であっても、容易に第1の熱ストレス吸収用バッファ層を形成することができる。
請求項3および6記載の発明によれば、中空状外装部を加熱した際に、媒体通路用チューブから発生し光学部品接合部へ作用しようとする熱ストレスを、その媒体通路用チューブ周囲に形成された第2の熱ストレス吸収用バッファ層により吸収することができるため、媒体通路用チューブから発生する熱ストレスに起因してイメージファイバ一端部および光学部品間の接合面に剥がれ等のダメージが発生することを防止することができる。
請求項5記載の発明によれば、第1の熱ストレス吸収用バッファ層によりイメージファイバ一端部全体の周囲を被覆することができるため、中空状外装部から発生する熱ストレスのイメージファイバ一端部に対する影響をさらに低減することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を参照して説明する。
本発明の実施の形態に係わる細径ファイバスコープ1は、図1(a)〜(c)に示すように、例えば外径が約0.5mm〜0.9mm前後の薄径であり、SUS等の金属製の中空状外装部であるチューブ2と、外径が20μm〜50μm程度の多数のファイバから構成されたバンドル型のライトガイドファイバ3と、画像伝送媒体としてのイメージファイバ4とを備えている。
イメージファイバ4は、複数のコア部を共有クラッド部により一体化した溶融一体型構造を有している。クラッド部共有構造によりイメージファイバ4の外径(コーティング径)が例えば約200〜500μmと非常に細径化されている。
イメージファイバ4は、その観察対象に面する側の一端部4aに例えば接着剤等で接合された対物レンズ5を有している。
ライトガイドファイバ3の照射光照射側の一端部3aとイメージファイバ4の対物レンズ接合側一端部4aとは、チューブ2内に挿入・一体化されており、ファイバスコープ1における一体型挿入部10を構成している。
そして本実施形態において、イメージファイバ一端部4aにおける対物レンズ5が接合された先端部4a1は、他の部分と比べてファイバ径が若干短くなっており、この先端部4a1(以下、接合部4a1ともいう)の周囲には、イメージファイバ4の熱膨張率と他の部材、特にチューブ2の熱膨張率との差(熱膨張差)を吸収するためのバッファ層12が形成されており、対物レンズ接合部4a1の周囲はバッファ層12により被覆されている。
一方、ライトガイドファイバ3の他端側とイメージファイバ4の他端側は、分岐部12を介して分岐され、分岐されたライトガイドファイバ3の他端部3bが照明光導入口として光源に対峙され、イメージファイバ4の他端部4bは、接眼レンズ系およびTVカメラを介して観察画像表示用TVモニタに接続されている。
このように構成された細径ファイバスコープ1によれば、観察対象である例えば生体内の所望の臓器の前に一体型挿入部10の先端が面した状態において、光源から照射された光がライトガイドファイバ3を介して案内されて観察対象臓器に照射されている。
このとき、観察対象臓器の画像を構成する観察対象臓器からの反射光は、対物レンズ5により集光され、イメージファイバ4を介して伝送されて接眼レンズ系およびTVカメラを介して画像としてTVモニタに送信され、そのTVモニタにより表示される。
この結果、観察者は、TVカメラを介して撮像されTVモニタを介して表示された観察対象臓器の画像を観察することができる。
このように構成される細径ファイバスコープ1の製造方法について、図2および図3を参照して説明する。
図2(a)に示すように、対物レンズ5が予め接合部4a1に接合されたイメージファイバ4における接合部4a1の周囲に対して、例えばポリイミド樹脂やウレタン樹脂等の高弾性を有する弾性樹脂を例えば厚さが数μm〜数百μmとなるように塗布して弾性樹脂層、すなわち、熱ストレス吸収用バッファ層12を形成する(図2の(a)および図3のステップS1参照)。
次いで、図2(b)に示すように、ライトガイドファイバ3を構成するファイバ群の隙間に、接合部4a1にバッファ層12が形成されたイメージファイバ4を、その対物レンズ5の対物面5aがライトガイドファイバ一端部3aの先端から長手方向に沿って所定長内側の位置に達するまで挿入する。
続いて、ライトガイドファイバ一端部3a、対物レンズ5・バッファ層12を含むイメージファイバ一端部4a、およびチューブ2の中空部における対応する一端部2aの内面に対してそれぞれ熱硬化性接着剤15を塗布する(図3のステップS2参照)
接着剤塗布に続いてライトガイドファイバ3およびイメージファイバ4をその一端部3aおよび4a側から一体にチューブ2内に挿入し、その一端部先端をチューブ一端部2aの先端2bから所定長外向へ露出させる(図2(b)〜(c)およびステップS3参照)。このとき、ファイバスコープ1における対物レンズ5の対物レンズ5aを基準としてさらに先端側へ露出している部分を余長部20とする。
次いで、ライトガイドファイバ一端部3aおよびイメージファイバ一端部4aがそれぞれ挿入されたチューブ2を加熱して接着剤15を硬化させ、ライトガイドファイバ一端部3aおよびイメージファイバ4の一端部4aをチューブ2内に一体に固着する(図2(c)およびステップS4参照)。
このとき、チューブ2の加熱による接着剤15の硬化収縮やファイバスコープ一端部を構成する各部材間の熱膨張差{特に、金属製チューブ2(熱膨張大)と他の部材との熱膨張差}により、各部材間に熱ストレス(応力)が発生し、この熱ストレスがイメージファイバ4における対物レンズ5が接合された接合部4a1に対しても作用することになる。
しかしながら、本実施形態によれば、イメージファイバ接合部4a1の周囲に、弾性樹脂から成る熱ストレス吸収用のバッファ層12を形成しているため、イメージファイバ接合部4a1に作用した熱ストレスがバッファ層12により吸収される。
したがって、チューブ2の加熱に起因して発生する熱ストレスのイメージファイバ接合部4a1に対する作用を弱めることができる。
最後に、余長部20を例えば研磨機により除々に研磨していき、最終的に、対物レンズ5の対物面5aに沿った境界線まで研磨することで(図2(d)参照)、対物レンズ5の対物面5aを研磨することなく、表面に覆われている接着剤15を剥離して、ファイバスコープ1の製造を終了する。
以上述べたように、本実施形態によれば、対物レンズ5が接合されたイメージファイバ接合部4a1の周囲を、弾性樹脂から成る熱ストレス吸収用のバッファ層12で被覆しているため、イメージファイバ接合部4a1に作用した熱ストレスをバッファ層12により吸収することができる。
この結果、チューブ2の加熱に起因して発生する熱ストレスのイメージファイバ接合部4a1に対する悪影響を低減することができ、ライトガイドファイバ一端部3aおよび対物レンズ5を含むイメージファイバ一端部4aをチューブ2内に安定した状態で固着することができ、対物レンズ5およびイメージファイバ4接合面の剥がれ等のダメージの発生を防止することができる。
この結果、観察対象の画像の視認性を高く維持することができる。
また、イメージファイバ接合部4a1をバッファ層12で被覆しているため、対物レンズ5およびイメージファイバ4の接合関係を強固にすることができ、対物レンズ5およびイメージファイバ4間の接合不良を防止することができる。
なお、本実施形態では、イメージファイバ接合部4a1の周囲に弾性樹脂を塗布してバッファ層12を形成したが、本発明はこの構成に限定されるものではなく、弾性樹脂により形成された薄肉のチューブを接合部4a1の周囲に接着してもよい。
また、上記塗布工程ではなく、図4に示すように、予めポリイミド樹脂やウレタン樹脂等の弾性樹脂の原液が入った槽30におけるその弾性樹脂原液に対してイメージファイバ4の一端部4a(対物レンズ5および接合部4a1を含む)を浸して(ディップして)イメージファイバ一端部4aの周囲に弾性樹脂を付着させ、付着された弾性樹脂を硬化させてバッファ層12を形成することもできる。このディップによるバッファ層12の形成工程によれば、イメージファイバ一端部4aが細径であっても容易に弾性樹脂を一端部4aに付着させることができる。なお、弾性樹脂として黒色の樹脂を用いることにより、外部からの光を遮る機能を持たせてもよい。
また、1回のディッピングで所望の層厚が得られない場合には、ディッピング工程を繰り返し行うことにより、図4に示すように、イメージファイバ一端部4a全体にバッファ層12aを形成することができる。
この変形例によれば、バッファ層12によりイメージファイバ一端部4a全体を被覆することができるため、チューブ2から発生する熱ストレスのイメージファイバ一端部4aに対する影響をさらに低減することができる。なお、対物レンズ5の対物面5a側にもバッファ層12aが形成されるが、上述した研磨工程により研磨されるため、対物レンズ5の機能に影響を与える恐れはない。
また、引っ張りや曲げなどの力を軽減するために、イメージファイバ先端部4a1を無電解でニッケル等によりメッキしてもよく、所望の層厚を出すために、さらに電解でメッキすることも可能である。
一方、本実施形態では、ライトガイドファイバ3およびイメージファイバ4をその一端部3aおよび4a側から一体にチューブ2内に挿入してチューブ2内に固着したが、本発明はこの構成に限定されるものではなく、例えば少なくとも1本の金属製の媒体通路用チューブ40をライトガイドファイバ3およびイメージファイバ4と共にチューブ2内に挿入・固着する場合についても適用可能である。
媒体通路用チューブ40は、細径ファイバスコープ1Aによる対象物撮影時において、各種媒体を投入して対象物および/またはその周囲に外的作用を加えるために設けられているものである。
例えば、対象物が生体などの場合、血液などで視野が確保できない時、媒体通路用チューブ40を介して媒体としての生理食塩水などを対象物に環流させて血液などを押し流し視野を確保することができる。また、対象物が生体の管などでつぶれていて視野が確保できない場合、媒体通路用チューブ40を介して媒体としての空気(エア)を対象物に供給して管を膨らませて視野を確保することができる。
さらに、必要に応じて、媒体としての鉗子やファイバを、媒体通路用チューブ40を介して投入し、対象物の一部を切断したり、その周囲を把持したりすることができる。
この媒体通路用チューブ40を含む細径ファイバスコープ1Aを製造する場合についても、基本的に図2および図3に示した細径ファイバスコープ1の製造方法と同様の製造方法が適用できる。
すなわち、図5(a)に示すように、媒体通路用チューブ40の周囲に対して、例えばポリイミド樹脂やウレタン樹脂等の高弾性を有する弾性樹脂を例えば厚さが数μm〜数百μmとなるように塗布(あるいはディッピングにより形成)して弾性樹脂層、すなわち、熱ストレス吸収用バッファ層41を形成する(図5の(a)および図3のステップS1参照)。
次いで、上述した接合部4a1にバッファ層12が形成されたイメージファイバ4の挿入に加えて、バッファ層41が形成された媒体通路用チューブ40を、ライトガイドファイバ3を構成するファイバ群の隙間に挿入し、ライトガイドファイバ3の一端部3aの先端から露出させる。
次いで、ステップS1に示したように、ライトガイドファイバ一端部3a、イメージファイバ一端部4a、媒体通路用チューブ40の挿入側一端部40a、およびチューブ一端部2aの内面に対してそれぞれ熱硬化性接着剤15を塗布した状態で、ライトガイドファイバ3、イメージファイバ4、および媒体通路用チューブ40をその一端部3a、4aおよび40a側から一体にチューブ2内に挿入し、その一端部先端をチューブ一端部先端2bから所定長外向へ露出させる(図5(b)〜(c)および図3のステップS2〜S3参照)。なお、ファイバスコープ1における対物レンズ5の対物レンズ5aを基準としてさらに先端側へ露出している部分を余長部20Aとする。
次いで、ライトガイドファイバ一端部3a、イメージファイバ一端部4aおよび媒体通路用チューブ一端部40aがそれぞれ挿入されたチューブ2を加熱して接着剤15を硬化させ、ライトガイドファイバ一端部3a、イメージファイバ一端部4aおよび媒体通路用チューブ一端部40aをチューブ2内に一体に固着する(図5(c)およびステップS4参照)。
このとき、チューブ2の加熱による接着剤15の硬化収縮やファイバスコープ一端部を構成する各部材間の熱膨張差{特に、金属製チューブ2および媒体通路用チューブ40(熱膨張大)と他の部材との熱膨張差}により、各部材間に熱ストレス(応力)が発生し、この熱ストレスがイメージファイバ4における対物レンズ5が接合された接合部4a1に対しても作用することになる。
しかしながら、本変形例によれば、イメージファイバ接合部4a1の周囲に、弾性樹脂から成る熱膨張差吸収用のバッファ層12を形成しているため、イメージファイバ接合部4a1に作用した熱ストレスがバッファ層12により吸収される。また、媒体通路用チューブ40の周囲に弾性樹脂から成る熱膨張差吸収用のバッファ層41を形成しているため、媒体通路用チューブ40から発生した熱ストレスがバッファ層41により吸収される。
したがって、チューブ2の加熱に起因して発生する熱ストレスのイメージファイバ接合部4a1に対する作用を弱めることができる。
最後に余長部20Aを研磨することにより(図5(d)参照)、媒体通路用チューブ40を含む細径ファイバスコープ1Aを製造することができる。
以上述べたように、本変形例においては、細径ファイバスコープ1Aは金属製のチューブ2および媒体通路用チューブ40をそれぞれ含んでいるため、そのチューブ2および40部分(金属部分)を加熱すると、その金属部分から発生する熱ストレスも大きいことが予想される。
しかしながら、本変形例によれば、金属製チューブ2および媒体通路用チューブ30に起因して生じた熱ストレスをバッファ層12および41により吸収することができるため、対物レンズ5およびイメージファイバ4接合面の剥がれ等のダメージの発生を防止することができ、さらに、対物レンズ5およびイメージファイバ4の接合関係を強固にして対物レンズ5およびイメージファイバ4間の接合不良を防止することができる。
なお、本実施形態およびその変形例では、チューブおよび媒体通路用チューブとして熱膨張率の高い金属製のチューブとして説明したが、本発明はこの構成に限定されるものではなく、他の材料で製造されたチューブを用いた細径ファイバスコープに対しても本発明の製造方法を適用可能である。金属等の熱膨張率の高い材料で製造されたチューブを用いた細径ファイバスコープに対して本発明の製造方法を適用することが特に好ましい。
また、本実施形態およびその変形例では、光学部品としてイメージファイバに接合された対物レンズを例にとったが、本発明はこの構成に限定されるものではなく、イメージファイバに接合されてチューブ内に固着される光学部品であれば、どんな光学部品であってもよい。
さらに、媒体通路用チューブ以外の金属製の部品がライトガイドファイバおよびイメージファイバと共にチューブ内に挿入・固着される場合についても、本発明の製造方法は適用可能である。
(a)は、本発明の実施の形態に係わる細径ファイバスコープの全体構成を示す図、(b)は、図1(a)におけるA−A矢視断面図、(c)は図1(b)におけるB−B矢視断面図である。 (a)は、本発明の実施の形態に係わるバッファ層形成工程を示す概略断面図、(b)は、本発明の実施の形態に係わるライトガイドファイバおよびイメージファイバをチューブ内に一体に挿入する工程および接着剤塗布工程を示す概略断面図であり、(c)は、チューブの加熱工程を示す概略断面図、(d)は、余長部研磨後の状態を示す概略断面図である。 本発明の実施の形態に係わる細径ファイバスコープの製造工程を示す概略フローチャートである。 本発明の実施の形態におけるバッファ層形成工程の変形例を示す図である。 (a)は、本発明の実施の形態の変形例に係わる媒体通路用チューブへのバッファ層形成工程を示す概略断面図、(b)は、本発明の実施の形態の変形例に係わるライトガイドファイバ、イメージファイバおよび媒体通路用チューブをチューブ内に一体に挿入する工程および接着剤塗布工程を示す概略断面図であり、(c)は、チューブの加熱工程を示す概略断面図、(d)は、余長部研磨後の状態を示す概略断面図である。 (a)は細径ファイバスコープのチューブ内への挿入工程を示す図であり、(b)は、ライトガイドファイバ一端部およびイメージファイバ一端部それぞれの先端側がチューブから露出された状態を示す概略断面図、(c)は、細径ファイバスコープの余長部の研磨後の状態を示す図である。 従来の細径ファイバスコープにおける対物レンズおよびイメージファイバ接合面に生じた剥がれを示す図。
符号の説明
1 細径ファイバスコープ
2 チューブ
3 ライトガイドファイバ
3a、4a 一端部
4 イメージファイバ
4a1 接合部
5 対物レンズ
12、41 バッファ層
15 接着剤
40 媒体通路用チューブ

Claims (6)

  1. 照射光を伝播して対象物に照射するライトガイドファイバの該照射光照射側一端部と、光学部品が接合され前記対象物からの反射光を受光して伝播するイメージファイバの該光学部品を含む一端部とが中空状外装部における中空内に挿入された状態で、熱硬化性接着剤により該中空状外装部に固着されて成る細径ファイバスコープの製造方法であって、
    少なくとも前記イメージファイバにおける前記光学部品接合部の周囲を第1の熱ストレス吸収用バッファ層で被覆する工程を備えたことを特徴とする細径ファイバスコープの製造方法。
  2. 前記熱ストレス吸収用バッファ層は、弾性樹脂により形成されており、
    前記被覆工程は、前記光学部品を含むイメージファイバ一端部を弾性樹脂の槽にディップして該一端部の周囲に前記弾性樹脂を付着させ、該イメージファイバ一端部周囲に付着された弾性樹脂を硬化させて前記第1の熱ストレス吸収用バッファ層を形成する工程を含むことを特徴とする請求項1記載の細径ファイバスコープの製造方法。
  3. 前記細径ファイバスコープは、前記中空状外装部内に一端部が挿入固着された媒体通路用チューブを含み、
    前記媒体通路用チューブの周囲を第2の熱ストレス吸収用バッファ層により被覆する工程を含むことを特徴とする請求項1または2記載の細径ファイバスコープの製造方法。
  4. 照射光を伝播して対象物に照射するライトガイドファイバの該照射光照射側一端部と、光学部品が接合され前記対象物からの反射光を受光して伝播するイメージファイバの該光学部品を含む一端部とが中空状外装部における中空内に挿入された状態で、熱硬化性接着剤により該中空状外装部に固着されて成る細径ファイバスコープであって、
    少なくとも前記イメージファイバの光学部品接合部の周囲を被覆する第1の熱ストレス吸収用バッファ層を備えたことを特徴とする細径ファイバスコープ。
  5. 前記第1の熱ストレス吸収用バッファ層は、前記光学部品を含むイメージファイバ一端部全体の周囲を被覆することを特徴とする請求項4記載の細径ファイバスコープ。
  6. 前記中空状外装部内に挿入固着された一端部を有する媒体通路用チューブと、
    前記媒体通路用チューブの周囲を被覆する第2の熱ストレス吸収用バッファ層と、
    を備えたことを特徴とする請求項4または5記載の細径ファイバスコープ。

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