JP2005295352A - 周波数制御特性の調整方法、周波数選択型発振器およびこれを備えた電子機器 - Google Patents
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Abstract
【課題】 圧電素子毎に周波数制御特性を調整して、各圧電素子の前記周波数制御特性を同様にする周波数制御特性の調整方法、周波数選択型発振器およびこれを備えた電子機器を提供する。
【解決手段】 周波数選択型発振器10aに複数搭載された圧電素子に印加される制御電圧に対する前記圧電素子の周波数変化量を調整する周波数制御特性の調整方法であって、前記制御電圧に対する前記周波数変化量を前記圧電素子間で比較し、前記各圧電素子の前記周波数変化量が基準周波数変化量の許容範囲より大きければ、前記制御電圧に対する前記周波数変化量の変化量に応じて、前記圧電素子毎に接続されたコンデンサC1のキャパシタンスを変化させ、前記圧電素子間の前記制御電圧に対する前記周波数変化量を前記許容範囲以内に調整する構成とした。
【選択図】 図1
【解決手段】 周波数選択型発振器10aに複数搭載された圧電素子に印加される制御電圧に対する前記圧電素子の周波数変化量を調整する周波数制御特性の調整方法であって、前記制御電圧に対する前記周波数変化量を前記圧電素子間で比較し、前記各圧電素子の前記周波数変化量が基準周波数変化量の許容範囲より大きければ、前記制御電圧に対する前記周波数変化量の変化量に応じて、前記圧電素子毎に接続されたコンデンサC1のキャパシタンスを変化させ、前記圧電素子間の前記制御電圧に対する前記周波数変化量を前記許容範囲以内に調整する構成とした。
【選択図】 図1
Description
本発明は周波数選択型発振器に係り、特に複数の圧電素子の中から1つを選択して、選択された前記圧電素子に基づいた周波数信号を出力する周波数選択型発振器における周波数制御特性の調整方法、周波数選択型発振器およびこれを備えた電子機器に関する。
携帯電話や光ファイバ通信システム等の通信機器では、発振器からのクロック信号に基づいて通信データの送受信が行われている。そして光ファイバ通信システムでは、送受信されるデータ構造等の違いから複数の周波数が使用されるものがある。例えば米国のSONET方式の光ファイバ通信システムでは、600MHzの帯域において4つの周波数、具体的には622.08MHz、644.53125MHz、666.51429MHzおよび669.32658MHzが使用されているので、それぞれの周波数に対応した高周波発振器が必要となっている。このため複数の圧電素子を設け、複数の異なる周波数の中からいずれか1つの周波数の信号を出力する電圧制御型発振器が発明されている。
この発振周波数の異なる信号を出力する発振器については、特許文献1および2に開示されている。特許文献1に開示された発振器は、発振周波数の異なる複数の水晶発振器を選択的に動作させ、当該動作中の水晶発振器の高調波成分を表面波フィルタで選択し、前記高調波成分を増幅して相補出力させるものである。また特許文献2に開示された発振器は、複数の共振回路、発振用トランジスタおよび複数のバイアス回路から構成され、必要とされる発振周波数に応じて一方のバイアス回路が選択され、この選択されたバイアス回路を介して一方の共振回路に電源が接続されて、この共振回路を発振させるものである。
特開2002−335127号公報
特開2002−359521号公報
ところで発振器に複数の圧電素子を設けて電圧制御型発振器を構成して、複数の異なる周波数の中からいずれか1つの周波数の信号を出力する場合、圧電素子が印加される制御電圧に対する圧電素子の周波数変化量(周波数制御特性)が各圧電素子で同じであることが好ましい。
しかしながら発振器に複数の圧電素子を設けた場合、1つの圧電素子と他の圧電素子とが常に接続していると、圧電素子間のアイソレーションが確保されず、周波数制御特性に影響を及ぼしあう問題点がある。また複数の圧電素子を設けて、これらを1つの発振回路により発振させる場合、発振回路が共用されているので圧電素子毎に周波数制御特性を調整するにも限界がある問題点がある。そして各圧電素子の周波数制御特性が異なる場合、これらが用いられる発振器の後段に接続される回路において、圧電素子毎に異なる周波数制御特性を調整しなければならない問題点があった。
また特許文献1では複数の圧電発振器、すなわち圧電振動子毎に発振用増幅器が設けられているので、発振器全体の回路構成が大きくなるとともに、圧電発振器が高価となる問題点がある。また特許文献2では圧電振動子を発振させる回路、すなわち発振用トランジスタや分割コンデンサ等が共用され、また圧電振動子間のアイソレーションが確保されてないので、圧電振動子毎に周波数制御特性を正確に調整できない問題点がある。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたもので、圧電素子毎に周波数制御特性を調整して、各圧電素子の前記周波数制御特性を同様にする周波数制御特性の調整方法および周波数選択型発振器を提供することを目的とする。
また周波数選択型発振器を備えた電子機器を提供することを目的とする。
また周波数選択型発振器を備えた電子機器を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る周波数制御特性の調整方法は、周波数選択型発振器に複数搭載された圧電素子が印加される制御電圧に対する前記圧電素子の周波数変化量を調整する周波数制御特性の調整方法であって、前記制御電圧に対する前記周波数変化量を前記圧電素子間で比較し、前記各圧電素子の前記周波数変化量が基準周波数変化量の許容範囲より大きければ、前記制御電圧に対する前記周波数変化量の変化量に応じて、前記圧電素子毎に接続されたコンデンサのキャパシタンスを変化させ、前記圧電素子間の前記制御電圧に対する前記周波数変化量を前記許容範囲以内に調整することを特徴としている。これにより各圧電素子の制御電圧に対する周波数変化量(周波数制御特性)の変化量を調整できるので、周波数選択型発振器に搭載される各圧電素子の周波数制御特性を調整して、周波数変化量の差を許容範囲以内にすることができる。
また本発明に係る周波数選択型発振器は、発振周波数の異なる複数の圧電素子と、前記圧電素子の入力側と出力側とに、複数の前記圧電素子の中からいずれか1つを選択する切換部と、前記切換部で選択された前記圧電素子を発振させる正帰還発振ループと、前記圧電素子毎に設けられ、前記圧電素子の制御電圧に対する前記圧電素子の周波数変化量を調整するコンデンサと、を備えたことを特徴としている。なお前記正帰還発振ループは、前記タンク回路から出力された信号を入力して増幅する発振用増幅器と、前記発振用増幅器の出力信号を入力するバッファ機能を備えた帰還バッファ用差動増幅器と、外部からの制御電圧に基づいて、前記帰還バッファ用差動増幅器の出力信号の位相を所定量ずらして前記圧電素子へ出力する電圧制御移相回路と、を備え、前記正帰還発振ループの外側に、前記発振用増幅器の出力信号を入力して外部へ出力する出力用増幅器を備えた構成である。コンデンサのキャパシタンスを調整することにより、圧電素子が印加される制御電圧に対する圧電素子の周波数変化量の変化量(制御感度)を調整できる。したがって圧電素子毎に制御感度を調整して、周波数選択型発振器に搭載される圧電素子の周波数制御特性を同様にできる。また周波数選択型発振器の後段の回路において、圧電素子毎に異なる周波数制御特性を調整する必要がないので、前記回路を簡略化できる。
また前記正帰還発振ループはタンク回路を備え、前記圧電素子の出力側に設けられた前記切換部と前記タンク回路との間に、前記周波数変化量を調整するコンデンサを前記タンク回路と並列に接続した、ことを特徴としている。このコンデンサと、各圧電素子に接続されたコンデンサとを組み合わせてキャパシタンスを変化させることにより、周波数制御特性を幅広い範囲で、かつ細かく調整できる。
また前記圧電素子は弾性表面波共振子であることを特徴としている。これにより低いジッタ特性の信号を得ることができる。
また前記圧電素子は弾性表面波共振子であることを特徴としている。これにより低いジッタ特性の信号を得ることができる。
また本発明に係る電子機器は、上述した周波数選択型発振器を備えたことを特徴としている。これにより電子機器は複数の異なる周波数の信号を得ることができる。
以下に、本発明に係る周波数制御特性の調整方法、周波数選択型発振器およびこれを備えた電子機器の好ましい実施の形態について説明する。まず第1の実施形態について説明する。図1に第1の実施形態に係る周波数選択型発振器の説明図を示す。なお図1では、圧電素子として弾性表面波(SAW)共振子を用いた形態について説明する。第1の実施形態に係る周波数選択型発振器10aはSAW共振子12、コンデンサC1,C2、切換部14、タンク回路16、発振用差動増幅器18、出力用差動増幅器20、帰還バッファ用差動増幅器22および電圧制御移相回路24から構成され、電圧制御型発振器を構成している。そしてSAW共振子12、タンク回路16、発振用差動増幅器18、帰還バッファ用差動増幅器22および電圧制御移相回路24により正帰還発振ループが形成されている。
前記SAW共振子12は複数設けられ、それぞれ発振周波数が異なるものである。SAW共振子12は主振動以外に不要な振動が存在しないため、ジッタの発生要因とはならないという特徴を有する。各SAW共振子12にはコンデンサC1(C1a,C1b)の一端が接続され、コンデンサC1の他端は接地されている。またSAW共振子12の入力側、およびSAW共振子12とコンデンサC1との間には切換部14(14a,14b)が設けられている。この切換部14は切換端子Tcを介して入力される制御信号CONTにより連動し、複数のSAW共振子12の中からいずれか1つを選択する構成である。
なお図1ではSAW共振子12を2つ用いた形態で記載しているが、この形態に限定されることはなく、発振周波数の異なるSAW共振子12を3つ以上設けてもよい。そしてSAW共振子12を3つ以上設ける場合でも、各SAW共振子12にコンデンサが接続される。
前記タンク回路16は抵抗R、インダクタLおよびコンデンサCの並列共振回路により構成され、一端がSAW共振子12と発振用差動増幅器18の非反転入力端子D1との間に接続されている。またタンク回路16の他端は発振用差動増幅器18の反転入力端子D2に接続されている。このタンク回路16と一方の切換部14aとの間にコンデンサC2の一端が接続され、コンデンサC2の他端が接地されている。そしてコンデンサC2と、切換部14で選択されたSAW共振子12に接続するコンデンサC1とがタンク回路16と並列接続して、SAW共振子12の制御電圧に対する周波数変化量(周波数制御特性)の変化量(制御感度)調整に用いられる。またタンク回路16はコンデンサC1,C2と並列接続して、定められた周波数で共振するようになる。
また発振用差動増幅器18、出力用差動増幅器20および帰還バッファ用差動増幅器22は集積化され、1つの集積回路(IC)チップ26として形成されている。またこれらの差動増幅器18,20,22はECLラインレシーバ(エミッタ結合理論)を用いた差動増幅回路から構成されているので、集積回路化が容易であり、周波数選択型発振器10aの小型化が容易となっている。
前記発振用差動増幅器18の非反転入力端子D1は切換部14に接続され、非反転入力端子D1にSAW共振子12の出力信号が入力される。また発振用差動増幅器18の反転入力端子D2はタンク回路16を介して切換部14に接続されている。さらに反転入力端子D2には、ICチップ26から出力された基準バイアス電圧VBBが印加される。なおSAW共振子12からの出力信号を発振用差動増幅器18の反転入力端子D2に入力し、バイアス電圧VBBを非反転入力端子D1に入力する構成としてもよい。そして発振用差動増幅器18は、相互の位相差が180度である出力信号を、非反転出力端子Q+と反転出力端子Q−から出力する構成である。
また出力用差動増幅器20の非反転入力端子は発振用差動増幅器18の非反転出力端子Q+に接続され、反転入力端子は発振用差動増幅器18の反転出力端子Q−に接続されている。そして出力用差動増幅器20は発振用差動増幅器18からの出力信号を波形整形し、クロック信号として出力端子T+,T−を介して出力するものである。
さらに帰還バッファ用差動増幅器22はバッファ機能を有する差動増幅器である。帰還バッファ用差動増幅器22の反転入力端子は発振用差動増幅器18の反転出力端子Q−に接続され、非反転入力端子は発振用差動増幅器18の非反転出力端子Q+に接続されている。そして帰還バッファ用差動増幅器22の非反転出力端子Q1から出力される信号SQ1は、周波数選択型発振器10aの外部へ出力される。また反転出力端子Q2から出力される信号SQ2は、正帰還発振ループ用の出力信号として電圧制御移相回路24に入力される。なお非反転出力端子Q1の出力信号SQ1を正帰還発振ループ用出力信号として、反転出力端子Q2の出力信号SQ2を周波数選択型発振器10aの外部へ出力してもよい。
図2に電圧制御移相回路24の回路図を示す。前記電圧制御移相回路24は可変容量ダイオードCvを用いた電圧制御型のリアクタンス制御回路からなり、周波数選択型発振器10aの位相条件を満足させるため、電圧制御端子Tvを介して入力される制御電圧Vcに基づいて帰還バッファ用差動増幅器22からの出力信号SQ1またはSQ2のいずれかの位相を所定量進ませ、または遅らせて、所定の位相量に調整するものである。
次に、コンデンサC1,C2を用いた周波数制御特性の調整について説明する。図3にSAW共振子12の周波数制御特性における制御感度の調整についての説明図を示す。図3(a)は前記特性の制御感度が変わるときの説明図であり、同図(b)は各SAW共振子12の前記特性を同じにするときの説明図である。SAW共振子12に接続されたコンデンサC1,C2のキャパシタンスを変化させると、SAW共振子12の周波数制御特性の変化量(制御感度)が変化する。
ところで各SAW共振子にコンデンサC1,C2を接続しないと、各SAW共振子の制御電圧に対する周波数変化量は互いに異なるものとなり、基準周波数変化量の許容範囲から外れるものとなる。しかしコンデンサC1,C2のキャパシタンスを変化させることにより前記特性の制御感度が変化して、図3(a)に示す実線が、点線のように変化する。このためコンデンサC1,C2を用いなければ各SAW共振子12(SAW共振子1,2)の制御感度は図3(b)の実線で示すように異なるものになるが、各SAW共振子12にコンデンサC1を接続し、コンデンサC2とともにキャパシタンスを変化させると、各SAW共振子12の周波数制御特性の制御感度が調整されて同様になり、図3(b)の点線で示すようになる。したがって各SAW共振子の制御電圧に対する周波数変化量が互いに同様なものとなり、基準周波数変化量の許容範囲以内となる。
なおコンデンサC1,C2を用いる場合、コンデンサC2に大きなキャパシタンスのものを用い、コンデンサC1に小さなキャパシタンスのものを用いると、キャパシタンスの振れ幅が大きく、かつ細かく変化させることができる。したがって周波数制御特性の制御感度も振れ幅が大きく、かつ細かく調整することができる。また実施の形態によっては、コンデンサC2を設けない構成としてもよい。
次に、周波数選択型発振器10aの作用について説明する。まず切換部14は切換端子Tcを介して入力される制御信号CONTにより、複数のSAW共振子12の中からいずれか1つのSAW共振子12を選択している。この選択されたSAW共振子12はタンク回路16、ICチップ26および電圧制御移相回路24とともに正帰還発振ループを形成している。選択されたSAW共振子12は、電圧制御移相回路24から出力された信号を入力し、このSAW共振子12の所定の周波数で発振して信号を出力している。そしてSAW共振子12から出力された信号は、タンク回路16を介して発振用差動増幅器18に入力される。この発振用差動増幅器18からの出力信号は相互の位相差が180度であり、この出力信号は出力用差動増幅器20および帰還バッファ用差動増幅器22に入力される。出力用差動増幅器20は発振用差動増幅器18からの出力信号を波形整形し、クロック信号として出力端子T+,T−を介して周波数選択型発振器10aの外部へ出力する。また前記出力信号は、帰還バッファ用差動増幅器22を介して非反転出力端子Q1および反転出力端子Q2に出力される。そして電圧制御移相回路24は、電圧制御端子Tvを介して入力された制御電圧Vcに基づいて、帰還バッファ用差動増幅器22の反転出力端子Q2から出力された出力信号SQ2の位相を適切にずらして調整する。また非反転出力端子Q1から出力される信号SQ1は、周波数選択型発振器10aの外部へ出力される。
このような周波数選択型発振器10aは、SAW共振子12毎にコンデンサC1を接続したので、SAW共振子12毎に周波数制御特性の制御感度を調整することができる。またコンデンサC2を設けたので、コンデンサC1とコンデンサC2とを組み合わせてキャパシタンスを変化させることにより、キャパシタンスの振れ幅を大きく、かつ細かく変化させることができ、前記特性の制御感度を細かく調整することができる。したがってSAW共振子12毎に前記特性を調整することにより、周波数選択型発振器10aに設けられた全てのSAW共振子12の制御感度を同様にすることができる。そして周波数選択型発振器10aの出力側に接続される回路へ、制御電圧に対して一定の周波数変化量を有する信号を出力することができる。また周波数選択型発振器10aの出力側に接続される回路において、各SAW共振子12に対応して周波数制御特性を調整する必要がないので、この回路を簡略化することができる。
またSAW共振子12の入力側と出力側とに切換部14を設け、切換端子Tcから切換部14へ入力される制御信号CONTに基づいて複数のSAW共振子12の中からいずれか1つを選択できるようにしたので、正帰還発振ループには1つのSAW共振子12のみが接続される。したがって切換部14で選択されたSAW共振子12と選択されていない他のSAW共振子12とのアイソレーションを確保することができ、周波数制御特性に影響を及ぼしあうことがない。また1つの周波数選択型発振器10aから複数の異なる周波数の信号を出力できるので、電子機器の仕様に応じた所定の発振周波数を得ることができる。そして1種類の周波数選択型発振器10aで 光ファイバ通信システムにおける個々のシステム仕様に応じることができる。
またコンデンサC1,C2がタンク回路16と並列接続しているので、各SAW共振子12に対応してタンク回路16単位で切り換える必要がなく、複数個のインダクタ部品を削減することができ、電圧制御型発振器の大型化を抑制できる。
また本実施の形態では、圧電素子としてSAW共振子12を用いた形態で説明したが、圧電素子としてATカット等の圧電振動子を用いることができる。なおSAW共振子12は圧電振動子のように副振動がないので、主振動と副振動とが結合することがなく、不要なスプリアスも存在しない。また高い周波数をえるための逓倍回路を必要としないので、高調波も発生することがない。したがってSAW共振子12はこれらに起因するジッタを発生することがないので、高品質な信号を得ることができる。
次に、第2の実施形態について説明する。第2の実施形態では、第1の実施形態と構成が同じ部分に同番号を付してその説明を簡略または省略する。図4に第2の実施形態に係る周波数選択型発振器10の説明図を示す。第2の実施形態に係る周波数選択型発振器10bは、第1の実施形態に係る周波数選択型発振器10aを構成する各SAW共振子12に、直列にインダクタL1(L1a,L1b)を接続した構成である。すなわちインダクタL1とSAW共振子12が直列に接続した回路の入力側に切換部14bを設け、前記回路の出力側に切換部14aを介してコンデンサC1を接続した構成である。また電圧制御移相回路24と切換部14bとの間にインダクタL2が接続されている。
次に、インダクタL1,L2を用いた周波数制御特性の調整について説明する。図5にSAW共振子12の周波数制御特性における周波数変化量の調整についての説明図を示す。図5(a)は周波数変化量が上下に移動するときの説明図であり、同図(b)は各SAW共振子12の前記特性を同じにするときの説明図である。前記インダクタL1,L2のインダクタンスを変化させると、SAW共振子12の周波数制御特性は上下に移動して、前記特性の周波数変化量が調整される。すなわち図5(a)に示す実線がインダクタンスを変化させることにより、実線の上または下に示した点線のように変化する。このため各SAW共振子12にインダクタL1,L2を設けないと、各SAW共振子12(SAW共振子1,2)の周波数制御特性は図5(b)の実線のようになるが、各SAW共振子12にインダクタL1を設けてインダクタL2とともにインダクタンスを変化させると、各SAW共振子12の周波数制御特性の周波数変化量が調整されて同様になり図5(b)の点線のようになる。
なおインダクタL1,L2を用いる場合、インダクタL2で全てのSAW共振子12の発振周波数を調整し、インダクタL1で各SAW共振子12の発振周波数を調整している。すなわちインダクタL2に大きなインダクタンスのものを用い、インダクタL1に小さなインダクタンスのものを用いると、インダクタンスの振れ幅が大きく、かつ細かく変化させることができる。したがって周波数制御特性も振れ幅が大きく、かつ細かく周波数変化量を調整できる。また実施の形態によっては、インダクタL2を設けない構成としてもよい。さらに本実施の形態ではインピーダンス素子としてインダクタL1,L2を用いた形態で説明しているが、インダクタのかわりにコンデンサを用いてもよい。
また各SAW共振子12の周波数制御特性が周波数変化量の調整と制御感度調整のいずれも必要な場合は、コンデンサC1,C2のキャパシタンスを変化させるとともにインダクタL1,L2のインダクタンスを変化させることにより、各SAW共振子12の前記特性を同様にできる。
このような周波数選択型発振器10bは、SAW共振子12毎にインダクタL1を接続したので、SAW共振子12毎に周波数制御特性の周波数変化量を調整することができる。そしてSAW共振子12毎に周波数変化量を調整することにより、周波数選択型発振器10bに設けられた全てのSAW共振子12の前記特性を同様にすることができる。また電圧制御移相回路24と切換部14との間にインダクタL2を設けたので、インダクタL2とインダクタL1とを組み合わせてインダクタンスを調整することにより、インダクタンスの振れ幅が大きく、かつ細かく変化させることができ、前記特性を細かく調整することができる。
またインダクタL1,L2のインダクタンスを変化させて周波数変化量を調整するとともに、コンデンサC1,C2のキャパシタンスを変化させて前記特性の制御感度を調整することにより、周波数選択型発振器10bに設けられた全てのSAW共振子12の前記特性を同様にすることができる。
次に、第3の実施形態について説明する。第3の実施形態では、第1または第2の実施形態で説明した周波数選択型発振器10a,10bを電子機器に搭載した一例について説明する。図6に光インターフェースモジュールの概要構成の説明図を示す。光インターフェースモジュール30は、光ネットワークを介してデータ送受信等を実行するために、光信号と電気信号との信号変換を行うものである。例えば、10.3125Gbit/sの光信号と、3.125Gbit/sの電気信号(4系統)との信号変換を行う。電気/光変換部32は、パラレル/シリアル(P/S)変換部34から出力された電気信号を光信号に変換し、光ネットワーク側に出力する。光/電気変換部36は、光ネットワーク側から入力された光信号を電気信号に変換しシリアル/パラレル(S/P)変換部38に出力する。電圧制御型発振器40は上述した周波数選択型発振器10a,10bであり、この発振器にSAW共振子12は4つ設けられている。そして電圧制御型発振器40から出力されたクロック信号は基準信号として、ビット符号変換部42を介して接続された3.125Gbit/sのS/P変換部44およびP/S変換部46、10.3125Gbit/sのP/S変換部34およびS/P変換部38の各部に用いられる。
このように、光インターフェースモジュール30に電圧制御型発振器40として周波数選択型発振器10a,10bを設けたので、光インターフェースモジュール30は1つの周波数選択型発振器10a,10bで異なる複数の周波数の信号を得ることができる。そして前記発振器10a,10bに搭載された各SAW共振子12の周波数制御特性は同様な制御電圧に対する周波数変化量となっているので、周波数選択型発振器10a,10bの後段の回路側に前記周波数変化量を調整する回路を設ける必要がなく、光インターフェースモジュール30の構成を簡略化することができる。
また光インターフェースモジュール30は、選択されるSAW共振子12毎に簡易にタンク回路16を形成して不要なジッタを大幅に削減し、高安定化された電圧制御型発振器40を使用している。これにより送受信データとクロック信号間におけるタイミングマージンが確保されるので、誤動作することなく光ネットワークを介して安定したデータ送受信を行うことができる。さらに動画像のような大量のデータが伝送できる10Gbit/sの高速ネットワークシステムにおいて、安定した動作を容易に確保することができる。
なお周波数選択型発振器10a,10bは電圧制御型発振器なので、位相比較器、ループフィルタおよび電圧制御発振器からなる位相同期回路に適用することができる。したがって前記位相同期回路を搭載する電子機器に、周波数選択型発振器10a,10bを搭載することができる。
10………周波数選択型発振器、12………弾性表面波(SAW)共振子、14………切換部、16………タンク回路、24………電圧制御移相回路、30………光インターフェースモジュール。
Claims (5)
- 周波数選択型発振器に複数搭載された圧電素子が印加される制御電圧に対する前記圧電素子の周波数変化量を調整する周波数制御特性の調整方法であって、
前記制御電圧に対する前記周波数変化量を前記圧電素子間で比較し、前記各圧電素子の前記周波数変化量が基準周波数変化量の許容範囲より大きければ、前記制御電圧に対する前記周波数変化量の変化量に応じて、前記圧電素子毎に接続されたコンデンサのキャパシタンスを変化させ、前記圧電素子間の前記制御電圧に対する前記周波数変化量を前記許容範囲以内に調整することを特徴とする周波数制御特性の調整方法。 - 発振周波数の異なる複数の圧電素子と、
前記圧電素子の入力側と出力側とに、複数の前記圧電素子の中からいずれか1つを選択する切換部と、
前記切換部で選択された前記圧電素子を発振させる正帰還発振ループと、
前記圧電素子毎に設けられ、前記圧電素子の制御電圧に対する前記圧電素子の周波数変化量を調整するコンデンサと、
を備えたことを特徴とする周波数選択型発振器。 - 前記正帰還発振ループはタンク回路を備え、
前記圧電素子の出力側に設けられた前記切換部と前記タンク回路との間に、前記周波数変化量を調整するコンデンサを前記タンク回路と並列に接続した、
ことを特徴とする請求項2に記載の周波数選択型発振器。 - 前記圧電素子は弾性表面波共振子であることを特徴とする請求項2または3に記載の周波数選択型発振器。
- 請求項2ないし4のいずれかに記載の周波数選択型発振器を備えたことを特徴とする電子機器。
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