JP2005295065A - 路車間通信システム - Google Patents

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亮史 杉山
Yuji Murao
裕司 村尾
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雅行 藤瀬
Fumihide Kojima
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Abstract

【課題】 周波数に応じて減衰特性が異なる通信ケーブルでの有線通信と無線との双方を利用して通信可能範囲を拡大することのできる路車間通信システムを提供する。
【解決手段】 路車間通信システム1は、CATV局3と局地基地局5との間の通信を通信ケーブル6で行い、局地基地局5の局地基地局アンテナ7と車載機8との間を無線で行う。車載機8は、受信レベルに応じてモデム15で所定範囲内の信号の電力を増幅しても無線通信が不可となる信号の減衰が大きい所では、受信レベル検出手段20から得た受信レベル、現在位置情報取得手段18から得た現在位置情報、車速センサ情報取得手段17や加速度センサ情報取得手段19から得た車両走行情報に基づき伝播特性演算手段21で電波の伝播特性を演算し、送受信レベル調整手段14でさらに信号をレベルアップする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、情報を有線通信と無線通信とを利用して固定基地局と車載機との間で送受信する路車間通信システムおよび路車間通信方法に関する。
最近、電波を光に載せて光ファイバーに通して所望の場所まで伝送するRadio On Fiver(ROF)と呼ばれる光無線融合通信技術を用いた通信システムの利用が注目されている。
そのシステムの一つとして、情報を配信する固定基地局と車両などの移動局との間の通信にROF技術を応用した路車間通信システムが知られている。この路車間通信システムは、車両等の移動局等へ種々の情報を配信する情報サーバと、情報サーバに接続されるとともに移動局へのアドレスの割当、データの移動透過性の保証、移動局宛の情報の一時的保持、移動局の認証などを行う制御局と、制御局との間で通信し、信号の周波数変換、信号の分配結合、無線と光との変換を行う統合基地局と、統合基地局との間で情報を光ファイバーを通して通信し、光と無線との変換、信号の増幅、送受信アンテナでの無線通信を行う局地基地局と、局地基地局のアンテナとの間で無線通信を行う移動局等とで構成されており、移動局からリクエストされた情報を情報サーバから制御局が受信し、統合基地局にてマイクロ波やミリ波などの高周波のRF信号でアナログの強度変調を行ってから光ファイバーで局地基地局へ送信し、ここで光を電気に変換して無線信号を得、アンテナから移動局へ無線通信するようにしている(例えば特許文献1参照)。
特開2001−93084号公報(第4−5頁、第1図)
しかしながら、従来の路車間通信システムにおいて通信網の構築費用をできるだけ低減するため、ブロードバンドかつ高速な通信が可能な既存のケーブルテレビ(CATV)システムとして利用する提案や試みがなされているが、この場合、利用する信号の周波数によって通信距離あたりの減衰量が異なるため、信号を所定範囲内でのみ増幅する既存のCATVモデムを用いただけでは移動局との間の通信が短い距離の範囲に制限されてしまうといった問題があった。
以下、この理由を図を用いて説明する。
現在、固定メディアで採用されている伝達周波数は、上りで5MHzから42MHz、下りで90MHzから770MHzと異なって設定されているため、これらの伝送周波数の違いに起因して上り信号の減衰量に対し下り信号の減衰量が大きくなり、これらの間には約3倍程度の違いが出る。CATVの場合、現在の固定通信用のCATV規格として同軸通信ケーブルを利用した有線網での通信方法が規格されており、この規格は、有線網での周波数による減衰特性に合わせた上り信号のレベルと下り信号のレベルの範囲を考慮した仕様とされている。
このように上り信号の減衰量に対し下り信号の減衰量が大きくなることから、加入者設備側のCATV用モデムは、CATV局のセンタ設備からの下り信号の受信後、この受信レベルに基づき上記信号の伝達特性に沿って所定の調整範囲内でCATV局への上り信号の電力を最適な大きさに増幅するように自動調整する構成とされている。
すなわち、図5に現在のCATV局と加入者設備間で行われる規格化されたCATV通信での通信信号のレベルダイヤを示す。CATV局60からレベルM1で出力された信号は、CATV局60のセンタ設備61へ送られてここからレベルM1とほぼ同じとなるレベルM2で同軸通信ケーブルを通って下り信号として送信され、CATVの加入者設備62まで伝送される。この同軸通信ケーブルにおける信号の減衰は大きく、加入者設備62では、レベルM2より大きく低下したレベルM3まで落ち込み、ほぼ同等のレベルM4でCATVモデム63に入力される。
一方、加入者設備62側からCATV局60へ上り信号を伝送する場合は、CATVモデム63が予め設定された調整範囲内で信号の減衰特性に応じて上り信号をレベルM4より高いレベルM5までΔM1分レベルアップするように調整した後、加入者設備62からレベルM5とほぼ同等のレベルM6、かつ下り信号より低い周波数で出力する。この上り信号は、同軸通信ケーブルを通る際に減衰されるが、上り信号の周波数が下り信号より低く設定されているため、この減衰量は下り信号の場合よりはるかに小さいレベルM7(レベルM1よりΔM2分だけ低いレベル)でセンタ設備61へ到達し、レベルM7とほぼ同等のレベルM8の上り信号としてCATV局60に入力されるようになる。このようにして、CATVを利用した通信では、CATVモデム63を利用して上りの信号レベルと下りの信号レベルとがレベル規格値内に入るように調整している。
一方、ROF技術を利用した伝送では、電波による伝送空間において上り信号が36GHz、下り信号が37GHzとなる仕様とされるので、これらの伝送周波数においては、信号の伝達特性が上りの信号と下りの信号とで信号の減衰特性がほぼ同じとなるものの、その減衰量が有線に比べて大きくなる。すなわち、無線通信による伝送特性は、図6に示すように、局地基地局47(図7に示す局地基地局45aから局地基地局45fまで)からレベルM11の下り信号を局地基地局45の局地基地局アンテナ46(図7の局地基地局アンテナ46aから局地基地局アンテナ46fまで)に送信して、局地基地局アンテナ46から無線でレベルM11とほぼ同等のレベルM12で下り信号を送信すると、無線通信では有線通信に比べて距離による減衰量が大きく、下り信号は、レベルM12より大きく低下したレベルM13で車載機アンテナ22にて受信され、レベルM13とほぼ同等のレベルM14で車載機のモデム15に入力される。これに対し、上りの信号は、モデム15の所定調整範囲内で信号の減衰特性に応じてレベルM14よりΔM3分だけ高いレベルM15までレベルアップされて車載機アンテナ22からレベルM15とほぼ同じ高さのレベルM16で無線送信される。この場合、上り信号は、大気中で大きく減衰しレベルM17で局地基地局アンテナ48で受信され、これとほぼ同等のレベルM18(出力時のレベルM11よりΔM4分低い)で局地基地局47に入力される。
したがって、単純に既存の固定メディア用のCATVモデム63と同様なモデム15を図7に示す路車間通信システム30上で使用する場合には、信号の伝送特性に伴うモデム15のレベル調整範囲に制限があるため、モデム15を利用した通信可能な範囲が非常に狭くなってしまう。
したがって、図7に示すように、サーバ41にLAN42を介して接続された複数のCATV局43(ここでは、CATV局43aとCATV局43bを例示)に同軸ケーブル44(ここでは、同軸ケーブル44aと同軸ケーブル44bを例示)にて複数の局地基地局45が接続されるとともに、複数の局地基地局アンテナ46からそれぞれ無線で送信されるようにした路車間通信システム30において、局地基地局アンテナ46からの電波(ここでは電波71aから電波76aで例示)を受信しながら車両23が矢印24に沿って走行しながら車載機25で受信していく場合、同図の最下段に示すように通信可能なレベルは、信号Lが局地基地局アンテナ46からそれぞれ遠くへ離れた複数の区間K1から区間K5の各区間で通信可能な限界レベルLPより下回り、通信不能となってしまう。この通信不能区間に局地基地局をさらに設置すれば、通信不能の問題を解決できるが、このような解決ではコストの大幅な増加を招いてしまう。
本発明は、従来の問題を解決するためになされたもので、上り信号と下り信号とで周波数が異なることにより信号減衰特性が異なる通信線を用いた統合制御局および局地基地局間の間有線通信と、局地基地局および移動局間の無線通信の双方を利用した路車間通信を行う場合に、局地基地局と車載機との距離が変化しても通信可能となる範囲を拡大できる路車間通信システムおよび路車間通信方法を提供することを目的とする。
本発明の路車間通信システムは、上り信号と上り信号より周波数が高く設定された下り信号とを流し周波数により信号減衰特性が異なる通信ケーブルを用いて情報の有線通信を行う統合基地局と、通信ケーブルを介して統合基地局との間で情報の送受信を行い、情報を電波としてアンテナから送受信する局地基地局と、アンテナとの無線通信により局地基地局との間で情報の送受信を行う送受信手段、情報を局地基地局へ送信する上り信号を下り信号の受信レベルに応じて所定範囲内で増幅するモデム、電波の伝播特性を演算する受信レベル情報取得手段、および受信レベル情報取得手段で取得した電波の伝播特性に関する情報からモデムによる上り信号の増幅分では局地基地局との通信可能レベルに達しない場合に上り信号をさらにレベルアップするように調整する送受信レベル調整手段を有する車載機とを備えた構成を有している。
この構成により、モデムでの増幅分では不足する信号のレベルアップに、送受信レベル調整手段で電波の伝播特性に応じて調整した分を上乗せすることにより、上り信号と下り信号とで周波数が異なることにより信号減衰特性が異なる通信線を用いた統合制御局および局地基地局間の間有線通信と、局地基地局および移動局間の無線通信の双方を利用した路車間通信を行う場合に、局地基地局と車載機との距離が変化しても通信可能となる範囲を拡大できる路車間通信システムを提供することができる。
本発明の路車間通信システムは、受信レベル情報取得手段が、車載機の現在位置情報に基づいて電波の伝播特性を演算する構成を有している。
この構成により、現在位置周辺の状況をその周辺の電波の伝播特性の演算に利用することができ、送受信レベル調整手段によるレベル調整の精度を向上させることが可能となる。
本発明の路車間通信システムは、受信レベル情報取得手段が、車載機を搭載する車両の走行状態に基づき電波の伝播特性を演算する構成を有している。
この構成により、車両の走行状態を利用して先の地点での電波の伝播特性の変化を予測して電波の伝播特性の演算に利用することができ、送受信レベル調整手段によるレベル調整の精度を向上させることが可能となる。
本発明の路車間通信システムは、統合基地局は、ケーブルテレビ局である構成を有している。
この構成により、路車間通信システムにケーブルテレビ局やそのケーブル網を利用でき、その分、新たな通信網等の構築などが不要となり、トータル費用を低減できる。
本発明の路車間通信システムは、通信ケーブルは、少なくとも一部が同軸ケーブルである構成を有している。
この構成により、安価だが周波数による減衰特性が大きい同軸ケーブルを用いることが可能となる。
本発明の車載機は、上り信号と上り信号より周波数が高く設定された下り信号とを流し周波数により信号減衰特性が異なる通信ケーブルを用いて統合基地局と情報の有線通信を行う局地基地局のアンテナとの無線通信により局地基地局との間で情報の送受信を行う送受信手段と、情報を局地基地局へ送信する上り信号を下り信号の受信レベルに応じて所定範囲内で増幅するモデムと、電波の伝播特性を演算する受信レベル情報取得手段と、受信レベル情報取得手段で取得した電波の伝播特性に関する情報からモデムによる上り信号の増幅分では局地基地局との通信可能レベルに達しない場合に上り信号をさらにレベルアップするように調整する送受信レベル調整手段とを備えた構成を有している。
この構成により、モデムでの増幅分では不足する信号のレベルアップに、送受信レベル調整手段で電波の伝播特性に応じて調整した分を上乗せすることにより、上り信号と下り信号とで周波数が異なることにより信号減衰特性が異なる通信線を用いた統合制御局および局地基地局間の間有線通信と、局地基地局および移動局間の無線通信の双方を利用した路車間通信を行う場合に、局地基地局と車載機との距離が変化しても通信可能となる範囲を拡大できる車載機を提供することができる。
本発明の車載機は、受信レベル情報取得手段が、車載機の現在位置情報に基づいて電波の伝播特性を演算する構成を有している。
この構成により、現在位置周辺の状況をその周辺の電波の伝播特性の演算に利用することができ、送受信レベル調整手段によるレベル調整の精度を向上させることが可能となる。
本発明の車載機は、受信レベル情報取得手段が、車載機を搭載する車両の走行状態に基づき電波の伝播特性を演算する構成を有している。
この構成により、車両の走行状態を利用して先の地点での電波の伝播特性の変化を予測して電波の伝播特性の演算に利用することができ、送受信レベル調整手段によるレベル調整の精度を向上させることが可能となる。
本発明の路車間通信方法は、上り信号と上り信号より周波数が高く設定された下り信号とを流し周波数により信号減衰特性が異なる通信ケーブルを用いて統合基地局と局地基地局との間で情報の有線通信を行い、局地基地局が情報を電波としてアンテナから送受信するとともに、車載機がアンテナとの無線通信により局地基地局との間で情報の送受信を行うにあたって情報を局地基地局へ送信する上り信号を下り信号の受信レベルに応じてモデムで所定範囲内で増幅する一方、電波の伝播特性を演算しモデムによる上り信号の増幅分では局地基地局との通信可能レベルに達しない場合に送受信レベル調整手段で上り信号をさらにレベルアップするように調整する構成を有している。
この構成により、モデムでの増幅分では不足する信号のレベルアップに、送受信レベル調整手段で電波の伝播特性に応じて調整した分を上乗せすることにより、上り信号と下り信号とで周波数が異なることにより信号減衰特性が異なる通信線を用いた統合制御局および局地基地局間の間有線通信と、局地基地局および移動局間の無線通信の双方を利用した路車間通信を行う場合に、局地基地局と車載機との距離が変化しても通信可能となる範囲を拡大できる路車間通信方法を提供することができる。
本発明は、モデムでの増幅分では不足する信号のレベルアップに、送受信レベル調整手段で電波の伝播特性に応じて調整した分を上乗せすることにより、上り信号と下り信号とで周波数が異なることにより信号減衰特性が異なる通信線を用いた統合制御局および局地基地局間の間有線通信と、局地基地局および移動局間の無線通信の双方を利用した路車間通信を行う場合に、局地基地局と車載機との距離が変化しても通信可能となる範囲を拡大できるという効果を有する路車間通信システムおよび路車間通信方法を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態の路車間通信システムについて、図面を用いて説明する。
本発明の第1の実施の形態の路車間通信システムを図1に示す。
図1において、路車間通信システム1は、自動料金収受システム(ETC)、パーソナルハンディホーンシステム(PHS)、ローカルエリアネットワーク(LAN)、通信ケーブルテレビなどの情報を提供するサーバ2と、これにLAN4でつながる複数のCATV局3(ここでは、CATV局3aとCATV局3bとを例示)と、CATV局3と通信ケーブル6(ここでは、通信ケーブル6aと通信ケーブル6bとを例示)を介した有線通信および局地基地局アンテナ7(ここでは、局地基地局アンテナ7aと局地基地局アンテナ7bとを例示)による無線通信が可能な局地基地局5(ここでは局地基地局5aと局地基地局5bとを例示)と、局地基地局5と無線通信を行う車両に搭載した通信用の車載機8とを有している。なお、通信ケーブル6は、ここでは同軸ケーブルで構成するか、あるいは光ファイバーと同軸ケーブルとを組み合わせて構成してある。
この車載機8は、局地基地局5との送受信等を行うCATVモバイル端末9と、車両の現在位置や走行状態に関する情報を取得する位置情報取得手段10と、局地基地局アンテナ7から受信した信号の受信レベルに関する情報を取得する受信レベル情報取得手段11と、現在位置情報や受信レベル情報に基づき送信レベルを調整する送出レベル調整手段12とを備えている。
CATVモバイル端末9は、局地基地局アンテナ7との間で無線通信を行う車載機アンテナ22と、車載機アンテナ22を通じて信号の送受信を行う送受信手段13と、この送受信手段13による送受信の信号レベルを調整する送受信レベル調整手段14と、受信した信号に基づく内容を表示したりユーザが送信するための情報を入力したりするためのノートパソコン等からなるユーザ端末16と、送受信手段13とユーザ端末16との間の信号の変調や復調、また信号レベルの自動調整を所定の範囲内で行うモデム15とを備えている。
位置情報取得手段10は、車速センサから車両の速度情報を取得する車速センサ情報取得手段17と、GPS信号や距離信号および方位信号に基づいて現在位置を演算するナビゲーション装置等から車両の現在位置情報を取得する現在位置情報取得手段18と、車速センサあるいは加速度センサから車両の加速度情報を取得する加速度センサ情報取得手段19とを有する。
受信レベル情報取得手段11は、車載機アンテナ22を通じて得た受信信号の受信レベルの大きさを検出する受信レベル検出手段20と、この受信レベル検出手段20で取得した受信レベル情報および位置情報取得手段10で取得した車速情報、現在位置情報、加速度情報がそれぞれ入力され、現在地点およびこれより先の車両予測地点における無線による電波の伝播特性を演算する伝播特性演算手段21とを有する。
以上のように構成された路車間通信システム1について、その動作を説明する。
サーバ2は、光ファイバー等を用いて構築されたLAN4を通じて各種の情報を統合基地局としての複数のCATV局3へ流している。CATV局3は、この情報を下り信号として通信ケーブル6を通じて複数の局地基地局5へ送信する。各局地基地局5では、通信ケーブル6を通じて受信した信号を無線信号に変換し、局地基地局アンテナ7からミリ波などで送信する。
このような環境の中で、車載機8では、図2に示すフローチャートを用いて説明するように、必要に応じて局地基地局5との間でセッションの確立を行う。
まず、車載機8の電源を投入すると、自己診断、前回の設定の初期化を行った後、送受信手段13にて車載機アンテナ22を通じて近くにある局地基地局5から受信した下り信号からモデム15が通信ケーブルモデムセンタ装置(CMTS)を探すためダウンストリーム情報のスキャンを実行する(ステップS1)。
ダウンストリーム情報を取得したら、局地基地局5から受信した下り信号のうちから、モデム15が局地基地局5へ送信するのに必要な周波数帯域や変調方式などに関する情報(アップストリーム情報)を取得する(ステップS2)。
次いで、モデム15が局地基地局5のCMTSとの間で電力の調整(レンジング)を繰り返すが、これとともに位置情報取得手段10、受信レベル情報取得手段11、送出レベル調整手段12、および送受信レベル調整手段14も協調して送信電力のレンジングを開始する(ステップS3)。すなわち、受信レベル検出手段20が局地基地局5から車載機アンテナ22を通じて得た下り信号に基づきその受信レベルを検出し、伝播特性演算手段21へ入力する。また、位置情報取得手段10は、現在位置情報取得手段18で得た車両の現在位置、車速センサ情報取得手段17で得た車速、加速度センサ情報取得手段19で得た車両の加速度の各情報を伝播特性演算手段21に入力する。伝播特性演算手段21は、これらの入力された情報に基づき、車両の現在位置、車両の位置変化に関係する走行状態(車速や加速度)、現在の受信レベルに基づき信号の伝播特性を決定する。ここでは、伝播特性演算手段21が受信レベル検出手段20で得た実際の受信レベルに基づき電波の伝播特性を演算するが、さらに現在位置に基づき現在地周辺における電波の伝播特性情報(この特性は、マップに予め記憶させてある)、また車速や加速度といった車両の走行状態からこの先の車両の移動に起因して生じるであろうと予測される電波の伝播特性の変化をマップから読み取り、これらを加味して電波の伝播特性を決定する。このようにして伝播特性演算手段21で得られた電波の伝播特性は、送出レベル調整手段12に入力され、ここで送信レベルの調整代が決定されて調整信号として送受信レベル調整手段14に入力される。このようにして、送信電力のレンジングが開始され、以後、リアルタイムで送信レベルが最適な値に調整される。
送信電力のレンジング開始に引き続いて、モデム15は、後で必要となるトライバルファイルトランスファプロトコル(TFTP)サーバやタイムオブディ(TOD)サーバなどの情報を得るためのIPアドレスおよびオプション情報の取得(ステップS4)、TODサーバからの時間情報の取得(ステップS5)、TFTPサーバからの設定ファイルの取得を実行する(ステップS6)。
次いで、モデム15は、送出レベル調整手段12により電波の伝播特性に合わせて制御された送受信レベル調整手段14にてさらに増幅調整された信号で、送受信手段13および車載機アンテナ22を通じて局地基地局5へ無線通信を行い、データ保護を目的とした暗号システムを利用するためベースラインプライバシのネゴシエーションを実行する(ステップS7)。
ネゴシエーションが成立すると、モデム15は、送出レベル調整手段12により電波の伝播特性に合わせて制御された送受信レベル調整手段14にて電力増幅された信号を車載機アンテナ22からCMTSへセッションが確立した旨の情報を送信するとともに、局地基地局5のCMTSへの登録を実行する(ステップS8)。
以上のもとに局地基地局5と車載機8との間でセッションが確立され、モデム15の配下にあるユーザ端末16は、IP通信が可能となり必要な情報の入手等を行ったり、情報交換を行うことができる(ステップS9)。
なお、位置情報取得手段10、受信レベル情報取得手段11、送出レベル調整手段12は、その後も絶えず変わり行く電波の伝播特性に応じて送受信レベル調整手段14によるレベルをリアルタイムに調整する。
図3は、局地基地局5と車載機8との間での通信における上り信号と下り信号のレベルダイヤを表している。
すなわち、局地基地局5から上り信号がレベルL1で局地基地局アンテナ7へ送られると、局地基地局アンテナ7からは、レベルL1とほぼ同等のレベルL2でミリ波などの電波として送信する。この電波は、大気中で大きく減衰し、車載機アンテナ22で受信し信号はレベルL3まで落ち込む。この信号は、モデム15へレベルL3とほぼ同じ高さのレベルL4で入力される。
車載機8から局地基地局5へ送信するときは、モデム15が受信レベルL4に応じてこれに増幅分ΔL1を加えてレベルL5までレベルアップする。この増幅分ΔL1は、モデム15に増幅の限界があり、この増幅分ΔL1だけだと、レベルL4が非常に低い場合は、同図に点線で示すように、車載機アンテナ22からは、レベルL5にほぼ等しいレベルL9の電波でしか送信できず、この電波が大気中で大きく減衰するので、局地基地局アンテナ7で受信できる信号はレベルL10でしかなく、これとほぼ同等のレベルL11が局地基地局5に入力されることになる。しかしながら、このレベルL11は、レベルL1よりはるかに小さく通信不可のレベルとなってしまう。
これに対し、図1の車載機8では、モデム15による増加分ΔL1に加え、位置情報取得手段10、受信レベル情報取得手段11、および送出レベル調整手段12で電波の伝播特性に応じてコントロールする送受信レベル調整手段14にて調整分ΔL2だけレベルアップして車載機アンテナ22から送信する信号をレベルL6まで高めて送信する。この結果、この電波が大気中で減衰しても、レベルL10よりはるかに高く局地基地局アンテナ7からの送信レベルL2よりわずかに低いレベルL7で受信される。この受信された信号は、レベルL8とほぼ同等で車載機8と十分通信可能な範囲のレベルL8で局地基地局5に入力される。
したがって、図4に示すように、CATV局3aに通信ケーブル6aで接続された局地基地局51から局地基地局53や、CATV局3bに通信ケーブル6bで接続された局地基地局54から局地基地局56などといった具合に複数の局地基地局5で所定の地域をカバーするように配置し、局地基地局5の各アンテナ7から電波(同図に電波71aから電波76aまでを例示)を送信するようにしたとき、各局地基地局アンテナ7の近くで最高レベルLHを示す電波の通信レベルは、局地基地局アンテナ7から遠ざかるにつれて減少していく。しかしながら、各局地基地局アンテナ7から遠く離れ、モデム15のみでは矢印24に沿って移動する車両23の車載機8と各局地基地局5との間の通信が不可能であった多くの区間であっても、車載機8の送受信レベル調整手段14でモデム15の増幅分よりさらにレベルアップすることにより、各局地基地局アンテナ7から遠い区間においても通信可能な限界レベルLPより高くなる最低レベルLLを確保して各局地基地局5と車載機8との間での通信を可能とすることができる。
このような本発明の実施の形態の路車間通信システム1によれば、モデム15に加えて電波の伝播特性を演算する受信レベル情報取得手段11と、この特性に応じて信号の送信レベルをレベルアップするように調整する送受信レベル調整手段14とを設けることにより、モデム15を利用しながらモデム15の増幅分では不足する信号のレベルアップ分を調整して、局地基地局5との通信が可能となる範囲を広げることができる。
また、電波の伝播特性の演算にあたっては、受信レベル検出手段20で得た受信レベル、現在位置情報取得手段18で得た現在位置情報、車速センサ情報取得手段17で得た車速情報、加速度センサで得た加速度情報を利用して、現在位置周辺における電波の伝播特性を把握したり、車両の移動による先の地点での電波の伝播特性の変化を予測することで電波の伝播特性に基づく信号のレベル調整の精度を向上させることが可能となる。
なお、電波の伝播特性の演算にあたって、現在位置情報、車速情報、加速度情報はすべて利用しなくてもよく、あるいはまったく利用することなく信号の受信レベルだけで決定してもよい。または、受信レベルを利用せずに、電波の伝播特性マップを用意しておき現在位置情報から電波の伝播特性を決定するようにしてもよい。この場合、気象等情報による補正などを行うようにしてもよい。
また、通信ケーブルとして光ケーブルを用いた有線通信であっても、その周波数がギガ域までなってくると、上り信号と下り信号とで周波数の違いによる信号の減衰特性がみられるようになるので、この場合にも本発明は有効に適用できる。
以上のように、本発明に係る路車間通信システムおよび路車間通信方法は、上り信号と下り信号とで周波数が異なることにより信号減衰特性が異なる通信線を用いた統合制御局および局地基地局間の間有線通信と、局地基地局および移動局間の無線通信の双方を利用した路車間通信を行う場合に、局地基地局と車載機との距離が変化しても通信可能となる範囲を拡大できるという効果を有し、有線と無線の双方を利用する通信システムや通信方法等として有用である。
本発明の実施の形態に係る路車間通信システムの構成を示すブロック図 図1の路車間通信システムの一部である車載機で実行されるフローチャート 図1の路車間通信システムの一部である局地基地局と車載機との間における通信信号のレベルダイヤを示す図 図1の本発明の実施の形態に係る路車間通信システム中における通信信号のレベルを示す図 従来のケーブルテレビ局と加入者設備との間の同軸ケーブルを使用した有線通信におけるレベルダイヤを示す図 局地基地局と車載機との間の無線通信における通信信号のレベルダイヤを示す図 ケーブルテレビ局を統合基地局として利用した場合の不具合を説明する図
符号の説明
1 路車間通信システム
2 サーバ
3、3a、3b CATV局
4 LAN
5、5a、5b 局地基地局
6、6a、6b 通信ケーブル
7、7a、7b 局地基地局アンテナ
8 車載機
9 CATVモバイル端末
10 位置情報取得手段
11 受信レベル情報取得手段
12 送出レベル調整手段
13 送受信手段
14 送受信レベル調整手段
15 モデム
16 ユーザ端末
17 車速センサ情報取得手段
18 現在位置情報取得手段
19 加速度センサ情報取得手段
20 受信レベル検出手段
21 伝播特性演算手段
22 車載機アンテナ

Claims (9)

  1. 上り信号と前記上り信号より周波数が高く設定された下り信号とを流し周波数により信号減衰特性が異なる通信ケーブルを用いて情報の有線通信を行う統合基地局と、
    前記通信ケーブルを介して前記統合基地局との間で前記情報の送受信を行い、前記情報を電波としてアンテナから送受信する局地基地局と、
    前記アンテナとの無線通信により前記局地基地局との間で前記情報の送受信を行う送受信手段、前記情報を前記局地基地局へ送信する上り信号を前記下り信号の受信レベルに応じて所定範囲内で増幅するモデム、電波の伝播特性を演算する受信レベル情報取得手段、および前記受信レベル情報取得手段で取得した前記電波の伝播特性に関する情報から前記モデムによる上り信号の増幅分では前記局地基地局との通信可能レベルに達しない場合に前記上り信号をさらにレベルアップするように調整する送受信レベル調整手段を有する車載機とを備えたことを特徴とする路車間通信システム。
  2. 前記受信レベル情報取得手段は、前記車載機の現在位置情報に基づいて前記電波の伝播特性を演算することを特徴とする請求項1に記載の路車間通信システム。
  3. 前記受信レベル情報取得手段は、前記車載機を搭載する車両の走行状態に基づき前記電波の伝播特性を演算することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の路車間通信システム。
  4. 前記統合基地局は、ケーブルテレビ局であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の路車間通信システム。
  5. 前記通信ケーブルは、少なくとも一部が同軸ケーブルであることを請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の路車間通信システム。
  6. 上り信号と前記上り信号より周波数が高く設定された下り信号とを流し周波数により信号減衰特性が異なる通信ケーブルを用いて統合基地局と情報の有線通信を行う局地基地局のアンテナとの無線通信により前記局地基地局との間で前記情報の送受信を行う送受信手段と、前記情報を前記局地基地局へ送信する上り信号を前記下り信号の受信レベルに応じて所定範囲内で増幅するモデムと、電波の伝播特性を演算する受信レベル情報取得手段と、前記受信レベル情報取得手段で取得した前記電波の伝播特性に関する情報から前記モデムによる上り信号の増幅分では前記局地基地局との通信可能レベルに達しない場合に前記上り信号をさらにレベルアップするように調整する送受信レベル調整手段とを備えたことを特徴とする車載機。
  7. 前記受信レベル情報取得手段は、前記車載機の現在位置情報に基づいて前記電波の伝播特性を演算することを特徴とする請求項6に記載の車載機。
  8. 前記受信レベル情報取得手段は、前記車載機を搭載する車両の走行状態に基づき前記電波の伝播特性を演算することを特徴とする請求項6または請求項7に記載の車載機。
  9. 上り信号と前記上り信号より周波数が高く設定された下り信号とを流し周波数により信号減衰特性が異なる通信ケーブルを用いて統合基地局と局地基地局との間で情報の有線通信を行い、前記局地基地局が前記情報を電波としてアンテナから送受信するとともに、車載機が前記アンテナとの無線通信により局地基地局との間で前記情報の送受信を行うにあたって前記情報を前記局地基地局へ送信する上り信号を前記下り信号の受信レベルに応じてモデムで所定範囲内で増幅する一方、電波の伝播特性を演算し前記モデムによる上り信号の増幅分では前記局地基地局との通信可能レベルに達しない場合に送受信レベル調整手段で前記上り信号をさらにレベルアップするように調整することを特徴とする路車間通信方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN116918388A (zh) * 2021-06-09 2023-10-20 日立建机株式会社 车辆控制系统

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