JP2005294850A - 電気二重層コンデンサ用炭素材料及び電気二重層コンデンサ用炭素材料の製造方法 - Google Patents

電気二重層コンデンサ用炭素材料及び電気二重層コンデンサ用炭素材料の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2005294850A
JP2005294850A JP2005107936A JP2005107936A JP2005294850A JP 2005294850 A JP2005294850 A JP 2005294850A JP 2005107936 A JP2005107936 A JP 2005107936A JP 2005107936 A JP2005107936 A JP 2005107936A JP 2005294850 A JP2005294850 A JP 2005294850A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electric double
layer capacitor
double layer
carbon material
carbon
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2005107936A
Other languages
English (en)
Inventor
Makoto Takeuchi
誠 竹内
Michio Okamura
迪夫 岡村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Advanced Capacitor Technologies Inc
Power System Co Ltd
Original Assignee
Advanced Capacitor Technologies Inc
Power System Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Advanced Capacitor Technologies Inc, Power System Co Ltd filed Critical Advanced Capacitor Technologies Inc
Priority to JP2005107936A priority Critical patent/JP2005294850A/ja
Publication of JP2005294850A publication Critical patent/JP2005294850A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/13Energy storage using capacitors

Landscapes

  • Carbon And Carbon Compounds (AREA)
  • Electric Double-Layer Capacitors Or The Like (AREA)

Abstract

【課題】 大きな静電容量が得られる電気二重層コンデンサ用炭素材料を得る。
【解決手段】 炭素材料に賦活処理を施して製造される黒鉛類似の微結晶炭素を有する電気二重層コンデンサ用炭素材料であって、その微結晶炭素の層間距離が0.365nm〜0.385nmである炭素材料を用いて分電性電極を作成することにより、静電容量の大きな電気二重層コンデンサを得る。このような炭素材料は、原料を炭素化し、黒鉛類似の微結晶炭素を成長させる熱処理工程と、該熱処理工程で得られた炭素材料にアルカリ賦活処理を行うことにより得られる。
【選択図】 なし

Description

本発明は電気二重層コンデンサに関し、特に、電気二重層コンデンサ用炭素材料、電気二重層コンデンサ用炭素材料の製造方法、電気二重層コンデンサ及び電気二重層コンデンサの製造方法に関するものである。
電気二重層コンデンサは、活性炭から作られる1対の分極性電極をセパレータを介して対向させて正極および負極とする構造を有している。各分極性電極には水溶性電解質溶液あるいは非水溶媒電解質溶液が含浸させられ、各分極性電極はそれぞれ集電極と接触させられる。分極性電極は、(1)活性炭に少量の導電補助剤および結着剤を加えて混練圧延する、(2)活性炭に少量の導電補助剤および結着剤を加えてスラリー状に溶解して集電極に塗布する、(3)活性炭に少量の未炭化樹脂類を混合して焼結する、等の方法で作成される。
従来、電気二重層コンデンサの静電容量は、分極性電極の表面積にほぼ比例するとの考え方から、電気二重層コンデンサ用炭素材料として大きな比表面積を有する活性炭が用いられている。
活性炭は、800℃以下の温度で炭素質材料を炭化した後に賦活処理を施して製造される。賦活処理は、たとえば、水蒸気、二酸化炭素等の雰囲気中で600ないし1000℃に加熱する、あるいは、塩化亜鉛、水酸化カリウム等を混合して不活性雰囲気で加熱する等により行われる。この賦活過程では炭素化過程で生じた炭素材の表面に吸着に適した多数の細孔が生成される。
従来、電気二重層コンデンサの静電容量をできるだけ大きくするために、活性炭の表面積を増大させることが追求されてきた。例えば、特開昭63−78513号公報には、石油コークスに水酸化カリウムを混合したものを焼成することにより活性炭を得ることが提案されている。これにより、従来最高1500m/g程度であった比表面積が2000ないし3500m/gに高められると記載されている。
しかし、強く賦活することにより比表面積を増大させた活性炭を分極性電極材料として用いても、その強い賦活によって単位体積当たりの表面積が逆に低下するため、得られる静電容量には限界があることが本発明者によって見い出された。
特開昭63−78513号公報
本発明は、静電容量の大きな電気二重層コンデンサを得ることを目的としている。より詳しくは、従来よりも大きな静電容量を得ることの可能な電気二重層コンデンサ用炭素材料、電気二重層コンデンサ用炭素材料の製造方法、電気二重層コンデンサ及び電気二重層コンデンサの製造方法を提供することを目的とするものである。
本発明の電気二重層コンデンサ用炭素材料は、炭素材料に賦活処理を施して製造される黒鉛類似の微結晶炭素を有する電気二重層コンデンサ用炭素材料であって、その微結晶炭素の層間距離が0.365nm〜0.385nmであることを特徴としている。
本発明の電気二重層コンデンサ用炭素材料の製造方法は、原料を炭素化し、黒鉛類似の微結晶炭素を成長させる熱処理工程と、該熱処理工程で得られた炭素材料にアルカリ賦活処理を行い、微結晶炭素の層間距離が0.365nm〜0.385nmの炭素材料を得ることを特徴としている。
本発明の電気二重層コンデンサは、有機電解液中に分極性電極が浸されてなる電気二重層コンデンサにおいて、炭素材料に賦活処理を行って製造される黒鉛類似の微結晶炭素を有する炭素材料であって、その微結晶炭素の層間距離が0.365nm〜0.385nmである炭素材料により前記分極性電極を形成したことを特徴としている。
本発明の電気二重層コンデンサの製造方法は、有機電解液中に分極性電極が浸されてなる電気二重層コンデンサの製造方法において、炭素材料に賦活処理を施して製造される黒鉛類似の微結晶炭素を有する炭素材料であって、その微結晶炭素の層間距離が0.365nm〜0.385nmであり、前記電気二重層コンデンサを組み立てた後に、最初に定格電圧以上の電圧を前記分極性電極間に印加することによって、静電容量を発現させることを特徴としている。
本発明の電気二重層コンデンサは、電圧印加時に膨張する炭素質材料からなる分極性電極を有するとともに、分極性電極が電圧印加時の膨張を制限する寸法制限構造体中に保持されたことを特徴としている。
本発明の電気二重層コンデンサ用炭素材料により、従来に比べ静電容量密度の大きな電気二重層コンデンサを得ることができる。
本発明は、電気二重層コンデンサを構成する分極性電極として用いた時に、大きな静電容量が得られる電気二重層コンデンサ用炭素材料を提供するものである。
本発明の電気二重層コンデンサ用炭素材料は、賦活を行うものの賦活を浅くとどめた炭素材料が、分極性電極として用いられた時、大きな静電容量を示すという特性を有することが見い出されたことに基づいている。この炭素材料は黒鉛類似の微結晶炭素を有する。この炭素材料は、比表面積が小さいので従来の基準からは電気二重層コンデンサの電極として適さないものである。しかしながら、この炭素材料は、その微結晶炭素の層間距離が特定の範囲すなわち0.365nm〜0.385nmにある場合、その比表面積が小さいにもかかわらず分極性電極として用いられた時、大きな静電容量を示す。
現在までに得られた本発明の炭素材料は、電気二重層コンデンサの分極性電極として用いられた場合に大きな静電容量を示すと共に、電圧の印加の際に膨張するという特性を示す。
すなわち、現在までに得られた本発明の炭素材料は、板状に成形して板状面の両面に集電極を積層した電気二重層コンデンサを組み立てて、両集電極間に電圧を印加した場合に、炭素材料が主として両集電極による電圧印加方向に膨張するという特性を示した。
電極として用いた炭素材料が膨張すると電気二重層コンデンサの体積が大きくなる。電気二重層コンデンサの静電容量が増加しても体積が増加したのでは、単位体積当たりの電気二重層コンデンサの静電容量の増加はその分減殺される。静電容量の増大を享受するには、炭素材料の膨張による電気二重層コンデンサの体積の増大を最小限に抑えることが効果的である。
本発明者の検討によれば、本発明の炭素材料は、体積の増大を完全に押さえた場合、すなわち炭素材料と接触した集電体間の距離の増加を許さず、電気二重層コンデンサの容積が増加しないようにした場合であっても、静電容量の増加は自由に膨張させた場合と変わらなかった。
電圧印加による膨張時に両集電体間の距離が固定されていると、集電体には圧力が加わることとなるが、本明細書ではこの圧力を膨張圧と称する。
本発明者の検討によれば、本発明の炭素材料の電気二重層コンデンサ用分極性電極としての特性は、電圧の印加によって大きく膨張するものの方が電気二重層コンデンサとしての静電容量が大きくなるという傾向があり、2kg/cm以上の膨張圧が生じるものが好ましい。
本発明の電気二重層コンデンサ用炭素材料と従来の電気二重層コンデンサ用の活性炭についてそのX線回折結果を図1において比較して説明する。
一般に、炭素材料の微細構造の解析には、構造が明確な黒鉛を基準にすることが行われているが、粉末黒鉛のX線回折による測定では、C002の回折ピークが層間距離d002=0.335nmに鋭く尖鋭なピークとして観測され、いわゆるベンゼン環状平面網目構造が層状に十分に成長している。
これに対して、大きな静電容量密度を目的とした従来の電気二重層コンデンサに用いられる、強く賦活した活性炭では、C002のピークは一般に少なく、多少あってもd002は0.40nm以上に広がっていて、鮮明には認められないことが普通である。
ところが、本発明に用いる炭素質材料は、d002が0.365nm〜0.385nmに、黒鉛に比べれぱかなりブロードではあるが、積分強度としては高い強度でC002の回折ピークが認められることから、黒鉛類似の微結晶炭素の結晶子を有することが分かる。図1においてAで黒鉛化の過程にある材料のX線回折曲線を示し、Bに比表面積を2000cm/gまで深く賦活した従来の電気二重層コンデンサ用の活性炭のX線回折曲線を示し、Cに本発明にかかる賦活の程度が浅い炭素材料のX線回折曲線を示す。
本発明の電気二重層コンデンサ用炭素材料は、賦活が進んでいない低温焼成した炭素材料を用いることができ、活性炭原料として用いられる木材、果実殻、石炭、ピッチ、石油コークス等の種々の材料を用いて製造することができる。例えば、賦活前に不活性雰囲気中において熱処理して、賦活が大きく進行しないようにしたり、あるいは賦活操作を短時間とする等の処理によって製造することができ、熱処理温度としては、600℃ないし1000℃程度の比較的低温で焼成を行ったものが好ましい。
また、本発明の電気二重層コンデンサ用炭素材料は、電圧の印加によって膨張をした時、含浸している電解質をアセトニトリル等の揮発性溶媒で十分沸騰洗浄し、しかる後に乾燥してX線回折測定を行うと、C002回折ピーク強度と層間距離d002の値は、電圧印加前の炭素材料の値を示す。
本発明の炭素材料を分極性電極とした電気二重層コンデンサの膨張圧力の測定は、電極対の外側にストレーンゲージなどによる圧力センサーを置き、その背後から機械的に押さえて厚さすなわち膨張を制限することによって行うことが可能である。
図2は、静電容量及び膨張圧を測定する装置の一例を説明する断面図である。この装置1は、基台2上にストレーンゲージ等の圧力センサー3を有する。圧力センサー3上には下部金属ブロック4と上部金属ブロック7が配置される。2つのブロックの間に、合成樹脂フイルム5で気密に被覆した電気二重層コンデンサ6が挟まれて配置される。この電気二重層コンデンサ6は、アルミニウム製集電極と炭素電極とセパレータを、集電極/炭素電極/セパレータ/炭素電極/集電極の順序で積み重ね、電解液を含浸した構造を有している。上部金属ブロック7の上には、スラストベアリング8が載置され、このスラストベアリング8上に先端が当接するようにネジ9が強固なフレーム11に取り付けられている。
電気二重層コンデンサ6の集電極にリード線10を介して電源11から電圧が印加される。圧力センサーの出力は記録計12に供給され、記録される。
図3は、図2の装置を用いて測定した本発明の炭素材料を分極性電極として用いた電気二重層コンデンサに関する充電・放電特性と、膨張圧を示す図である。図3には、本発明の炭素材料を用いて作成された直径20mm、厚さ0.5mmの分極性電極を有する電気二重層コンデンサを組み立てた後に初めて行った10mAの定電流での繰り返し充放電の、1サイクル目と2サイクル目が示されている。膨張圧は、初期設定圧力から上昇し、放電開始時に最大となり、放電終了時まで降下を続けるが初期値までは復帰しないことを示している。
図4は、本発明の電気二重層コンデンサに対して充電及び完全放電を16回繰り返した際の端子間電圧の変化を示している。充電電圧は、充放電サイクル1から9までは定格電圧の2.3V、充電サイクル10から15までは定格を超える4V、充電サイクル16では3.5Vである。図4には、充電サイクル1,3,10,12,16における結果のみが示されている。横軸が時間、縦軸が端子間電圧で充放電は定電流で行っているから、充放電曲線の勾配は静電容量に反比例している。
図4から分かるように、製造後初めて充電が行われる充放電サイクル1では、充電開始時は極端に小さな静電容量のために、端子間電圧が急激に直線的に上昇し、1.5V付近から急に端子間電圧の上昇が遅くなり、ここから静電容量が増加していることを示している。
この充放電サイクル1の充電期間の後半において増加した静電容量は、放電後も維持される。すなわち、充放電サイクル3では、充電時の端子間電圧の上昇速度が充放電サイクル1のほぼ半分となっている。これは、充放電サイクル3における静電容量が、充放電サイクル1における充電開始時に比べおよそ2倍になったことを示している。
充放電サイクル10以降、充電電圧は4Vに上げられた。充放電サイクル10では、端子間電圧は2.6Vまでは充放電サイクル3と同じ速度で上昇している。これは、端子間電圧2.6Vの時点まで静電容量が充放電サイクル3の時と同じ値であることを示している。ところが、端子間電圧が2.6Vあたりを過ぎると、端子間電圧の上昇速度が減少している。これは、この時点から静電容量が増大したことを示している。
この充電電圧を上げた充放電サイクル10における静電容量の増加は、完全放電後も維持される。すなわち、充放電サイクル12では、端子間電圧の上昇速度は充電当初から充放電サイクル3の場合よりも遅く、静電容量が充放電サイクル3の時よりも更に増加していることを示している。
この様にして増加した静電容量は、その後に充放電サイクル16のように充電電圧を3.5Vに下げても増加した状態を維持している。
一方、電極の膨張圧は、静電容量の増加にほぼ比例して充放電サイクルに同期して増減する。その振幅、すなわち最大圧力と最小圧力の差は炭素質材料と電解液の濃度、種類、充電状態等によって変化するが2〜20kg/cm程度の値を示す。
以上のことから、本発明の炭素材料を用いた電気二重層コンデンサは、黒鉛類似の微結晶炭素を有する電気二重層コンデンサ用炭素材料であって、その微結晶炭素の層間距離が0.365nm〜0.385nmである炭素材料を用いて従来の電気二重層コンデンサと同様にして製造し、初期充電の際に電気二重層コンデンサとして使用する際の定格電圧よりも高い電圧を印加することによって、大きな静電容量を示す電気二重層コンデンサを得ることができる。
また、本発明の電気二重層コンデンサは、充電時の電気二重層コンデンサの容積の増加を抑制するために、電極に生じる膨張圧に抗する構造とすることが好ましいし、そのように容積の増加を抑制しても、静電容量の増加のメリットを享受できるという特徴を持っている。
図5は、単位電気二重層コンデンサを気密容器中に設けた本発明の電気二重層コンデンサの一例を説明する断面図である。
コンデンサ容器21内部には、前述したアルミニウム製集電極と炭素電極とセパレータを、集電極/炭素電極/セパレータ/炭素電極/集電極の順序で積み重ね、電解液を含浸した構造を持ち、合成樹脂フイルムで気密に封止された単位電気二重層コンデンサ6の多数を積層した電気二重層コンデンサ積層体22が収容されており、各電気二重層コンデンサは直列あるいは並列に接続されるよう電気的結線がされている。
単位電気二重層コンデンサは、分極性電極、集電極および電解液からなるコンデンサ要素を、少なくとも一層の合成樹脂フイルムあるいは合成樹脂フィルムと金属フィルムとの積層フィルムからなる袋状体に収容し・袋状体の内部を減圧して密封して袋状体とコンデンサ要素を密着したものからなることが好ましい。
また、単位電気二重層コンデンサは、分極性電極、集電極、セパレータおよび電解液からなるコンデンサ要素を、少なくとも一層の合成樹脂フィルムあるいは合成樹脂フィルムと金属フィルムとの積層フイルムからなり、コンデンサ要素収容室およびコンデンサ要素収容室と連通したトラップを有する袋状体内に以下のようにして収納した構造とすることができる。
(1)コンデンサ要素を袋状体に収容し、袋状体内を減圧脱気した後に、袋状体を封口し、コンデンサ要素に通電を行って充放電を行う。(2)トラップ内部の圧力よりも圧力が低い減圧室内においてトラップを冷却してトラップにコンデンサ要素からの発生物質を集める。(3)トラップとコンデンサ要素収容室の間を融着密封する。(4)トラップを切り離して単位電気二重層コンデンサを得る。
なお、上記(2)のステップにおいて、コンデンサ要素から発生したガスなどの物質及び余分の電解液を、トラップ内部に吸引ノズルを挿入して吸引し取り除くことも可能である。
以上のような処理により、初期充放電時に電気二重層コンデンサの各構成要素から発生する電気二重層コンデンサの特性にとって好ましくない物質をトラップに集めて除去することができる。その結果、特性の優れた単位電気二重層コンデンサを得ることができる。
コンデンサ容器21の底部には、内部と外部の圧力差に抗するように、凹面状底板23が設けられている。凹面状底板上には、多数収容されたコンデンサをそれぞれの膨張圧に抗して圧縮状態に保持するために、底部押板24が設けられている。また、電気二重層コンデンサの上部には、上部押板25が設けられている。底部押板及び上部押板には、剛性の大きな金属板を用いることが好ましい。
上部押板25上には、膨張圧に抗して電気二重層コンデンサの寸法の増加を制限する機能を有する加圧手段26が設けられている。
加圧手段26には、各種のものを用いることができる。図5に示した加圧手段は、内部に高圧流体(例えばガス)を封入したゴムなどの弾性体から形成され、注入口27から注入した高圧流体によって、単位電気二重層コンデンサの膨張圧に抗して電気二重層コンデンサの寸法を制限する圧力を発生することができる。また、本実施例の電気二重層コンデンサでは、加圧手段に注入する流体の圧力を調整によって膨張圧に抗して電気二重層コンデンサの寸法の増加を制限する圧力を調整することが容易である。また、本発明の電気二重層コンデンサにおいては、膨張圧は主として電圧印加方向に発生するので電圧印加方向以外に寸法制限構造体を設けなくても実用上は問題が生じない。
図5の電気二重層コンデンサでは、合成樹脂フイルムによって気密に保持された電気二重層コンデンサが、気密容器内に収納されているので、電気二重層コンデンサが外部の環境による悪影響を受ける可能性が小さい。
また、本発明の電気二重層コンデンサは、上下の押板によって常に加圧されているので、各電気二重層コンデンサの集電体と電極との導電接触を良好に維持することができるという特徴も有している。
コンデンサ容器内へ収容する電気二重層コンデンサは、外部において加圧した状態で、定格電圧よりも10ないし20%高い電圧で充電し、合成樹脂フイルムで形成した気密性の袋に設けた予備室に、電気二重層コンデンサから発生する気泡等を集めた後に予備室を分離する等の方法によって電気二重層コンデンサの初期充電時に発生する物質を分離した後に収容することが好ましい。
図6は、本発明の他の積層した電気二重層コンデンサの一実施例を説明する斜視図である。図6において、底部押板24と上部押板25の間には、電気二重層コンデンサ積層体22が収容されている。この底部押板24と上部押板25の間には、滑車28を介してワイヤー29が張架されている。そして、引張り部材30によって、各ワイヤーには所定のテンションが加えられている。その結果、電気二重層コンデンサ積層体22に所定の押圧力が印加される。
底部押板、上部押板には、軽量で剛性が大きなアルミニウム合金等の金属材料を用いることが好ましく、またワイヤーには、ステンレス鋼製のものを用いることが好ましい。
例えば、電気二重層コンデンサの面積が44cmの場合には、2kg/cmの圧力を印加するためには、押板に88kgfの荷重を加えるが必要となる。滑車の数を増加することによって、ワイヤーに加わるテンションを小さくすることが可能となる。
以下に、実施例を示し本発明を説明する。
[実施例1]
石油コークスを不活性雰囲気中で750℃において2時間の熱処理を行い、これと重量比で2倍量の水酸化カリウムを混合し不活性雰囲気で800℃の熱処理を行って炭素質材料を得た。不活性雰囲気中であらかじめ行った熱処理による炭素化の効果によリ賦活は充分に進行せず、得られた炭素質材料のBET比表面積は300m/g程度にとどまった。この値は、電気二重層コンデンサで大静電容量密度を得る活性炭としては使用することができないものであった。この炭素質材料のX線回折結果は、図1おいてCで示されているものである。
このようにして得られた炭素質材料を30μm程度の粒度に粉砕し、炭素質材料82mg、導電補助剤としてカーボンブラック9mg、および結着剤としてポリテトラフルオロエチレン粉末9mgを混合して混練し、圧延により厚さ0.5mmのシートを作成した。このシートから直径20mmの円盤状電極を複数切り出し、これを10Torrに減圧した真空デシゲータ中に配置し、120℃において4時間乾燥する。
その後、低湿度に保ったグローブボックス内で圧縮状態で100μm程度となるガラスセパレータを介して上記電極2枚を重ね、さらにその最外側を二枚のアルミニウム板製集電極で挟み電気二重層コンデンサ本体とする。
コンデンサ本体をOリングでシールしたアルミニウム製気密容器に入れ、テトラエチルアンモニウム・テトラフルオロボーレートの1モルを溶解したプロピレンカーボネートを電解液として充分含浸させて、試験用電気二重層コンデンサを得た。
得られた電気二重層コンデンサを4Vまで1サイクルだけ充放電した。充電及び放電電流は5mAである。その後2.3Vで充放電して特性を測定した。充放電及び特性の測定は図2の装置を用いて行われた。その測定結果を表1に示す。
[比較例1]
実施例1と同じ石油コークスを用い、実施例1と違って格別の熱処理をせず、重量比で1.7倍の水酸化カリウムを混合し窒素雰囲気で400℃で1時間加熟後800℃で2時間の賦活を行い炭素質材料(活性炭)を得た。この活性炭の比表面積は、2500m/gであった。この値は、電気二重層コンデンサで大静電容量密度を得る活性炭として十分に使用することができるものである。この様にして得た活性炭を用いて、実施例1と同様に電気二重層コンデンサを作製し、作製した電気二重層コンデンサの特性を実施例1と同様に測定した。その結果を表1に示す。また、比較例1で用いた活性炭のX線回折結果を図1においてBで示す。
[比較例2]
やしがらを炭化処理して得たやしがら炭を1000℃で水蒸気賦活して比表面積約1600mの活性炭を得た。この値は、電気二重層コンデンサで大静電容量密度を得る活性炭として十分に使用することができるものである。この活性炭を用いて実施例1と同様に電気二重層コンデンサを作製し、得られた電気二重層コンデンサの特性を測定した。その結果を表1に示す。また、比較例2で作成した活性炭のX線回折結果を図1においてEで示す。
Figure 2005294850

表1から、実施例の炭素質材料による電気二重層コンデンサは、従来の活性炭で製造された電気二重層コンデンサに比べていずれも40%以上の大きな静電容量密度が得られる点で優れている。またいずれも比較例に比べて大きな膨張圧力を示すものであった。また、比表面積は、電解液イオンが電極に進入する以前の状態で測定された値であるが、小さな比表面積の活性炭でも大きな静電容量が得られ、電気二重層コンデンサの静電容量が必ずしも電極材料の比表面積に依存しないことを示している。
X線回折による炭素質材料の測定結果を説明する図である。 静電容量/膨張圧測定装置の一例を説明する図である。 充電・放電特性及び同時に測定した膨張圧の変化を示す図である。 本発明の電気二重層コンデンサに対して種々の電圧で充放電を行った際の充放電特性の変化を示す図である。 本発明の電気二重層コンデンサの一例を説明する断面図である。 本発明の他の電気二重層コンデンサの一実施例を説明する斜視図である。
符号の説明
1:膨張圧測定装置
2:基台
3:圧力センサー
4:下部金属ブロック
5:合成樹脂フイルム
6:電気二重層コンデンサ
7:上部金属ブロック
8:スラストベアリング
9:取り付けねじ
10:リード線
11:電源
12:記録計
21:コンデンサ容器
22:電気二重層コンデンサ積層体
23:凹面状底板
24:底部押板
25:上部押板
26:加圧手段
27:注入口
28:滑車
29:ワイヤー
30:引張り部材

Claims (2)

  1. 炭素材料に賦活処理を施して製造される黒鉛類似の微結晶炭素を有する電気二重層コンデンサ用炭素材料であって、その微結晶炭素の層間距離が0.365nm〜0.385nmであることを特徴とする電気二重層コンデンサ用炭素材料。
  2. 原料を炭素化し、黒鉛類似の微結晶炭素を成長させる熱処理工程と、該熱処理工程で得られた炭素材料にアルカリ賦活処理を行い、微結晶炭素の層間距離が0.365nm〜0.385nmの炭素材料を得ることを特徴とする電気二重層コンデンサ用炭素材料の製造方法。
JP2005107936A 1998-03-03 2005-04-04 電気二重層コンデンサ用炭素材料及び電気二重層コンデンサ用炭素材料の製造方法 Pending JP2005294850A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005107936A JP2005294850A (ja) 1998-03-03 2005-04-04 電気二重層コンデンサ用炭素材料及び電気二重層コンデンサ用炭素材料の製造方法

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5086298 1998-03-03
JP2005107936A JP2005294850A (ja) 1998-03-03 2005-04-04 電気二重層コンデンサ用炭素材料及び電気二重層コンデンサ用炭素材料の製造方法

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11047700A Division JPH11317333A (ja) 1998-03-03 1999-02-25 電気二重層コンデンサ用炭素材料、電気二重層コンデンサ用炭素材料の製造方法、電気二重層コンデンサ及び電気二重層コンデンサの製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2005294850A true JP2005294850A (ja) 2005-10-20

Family

ID=35327361

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005107936A Pending JP2005294850A (ja) 1998-03-03 2005-04-04 電気二重層コンデンサ用炭素材料及び電気二重層コンデンサ用炭素材料の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2005294850A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6738252B2 (en) Carbon material for electric double layer capacitor, method of producing same, electric double layer capacitor and method of fabricating same
JPH11317333A (ja) 電気二重層コンデンサ用炭素材料、電気二重層コンデンサ用炭素材料の製造方法、電気二重層コンデンサ及び電気二重層コンデンサの製造方法
US6721168B2 (en) Electric double-layer capacitor and carbon material therefor
JP4878881B2 (ja) 電気二重層キャパシタ用電極および電気二重層キャパシタ
EP1981812A1 (en) Carbonized biopolymers
US9478364B2 (en) Carbon-based electrodes containing molecular sieve
JP2014530502A (ja) 高電圧電気化学的二重層キャパシタ
KR20150126636A (ko) 전기 이중층 캐패시터 전극용 활성탄 및 그 제조 방법
US20160104584A1 (en) Electrical double-layer capacitor for high-voltage operation at high-temperatures
JP4733707B2 (ja) 電気二重層キャパシタ用炭素材料,電気二重層キャパシタ及び電気二重層キャパシタ用炭素材料の製造方法
JP2003282369A (ja) 電気二重層キャパシタ用炭素材及びその製造方法
JP3973183B2 (ja) 電気二重層コンデンサの製造方法
JPH11214270A (ja) 電気二重層キャパシタ用炭素材およびその製造方法
JP2004002105A (ja) 活性炭シート及びその製造方法、並びに分極性電極及び電気二重層キャパシタ
EP1296338B1 (en) Process for producing an electric double layer capacitor and positive electrode for an electric double layer capacitor
JP3522119B2 (ja) 電気二重層コンデンサおよびその製造方法
Tanahashi Comparison of the characteristics of electric double-layer capacitors with an activated carbon powder and an activated carbon fiber
JP2005294850A (ja) 電気二重層コンデンサ用炭素材料及び電気二重層コンデンサ用炭素材料の製造方法
WO2011046173A1 (ja) 電極活物質及びその利用、並びに電極活物質の製造方法
JP2003183014A (ja) 多孔質炭素材料、その製造方法および電気二重層キャパシタ
JP5030611B2 (ja) 電気二重層キャパシタ用電極材及びそれを用いた電気二重層キャパシタ
JP3872494B1 (ja) 捲回型電気二重層キャパシタ
JP3406486B2 (ja) 有機溶媒系電気二重層コンデンサ電極用活性炭の製造方法
KR100342069B1 (ko) 왕겨활성탄을 원료로한 분극성 전극의 제조방법 및 그분극성 전극을 적용한 전기이중층 캐패시터
JP2001302226A (ja) 多孔質炭素材料の製造方法、多孔質炭素材料およびこれを用いた電気二重層キャパシタ

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070810

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070821

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20071022

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080509

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20080916