JP2005294072A - 有機半導体素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】 湿式成膜法を用いて形成され、且つ、劣化が防止されて素子特性が良好な有機半導体素子を提供する。
【解決手段】 基板上に、対向する2つ以上の電極とそのうちの2つの電極間に配置された少なくとも1つの有機層を有し、前記有機層及び/又は電極の1種以上が湿式成膜法により形成された有機半導体素子であって、前記湿式成膜法により形成された有機層及び/又は電極の下地側に電荷輸送性並びに溶剤及び/又はガスバリア性を有する保護層が設けられていることを特徴とする有機半導体素子である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、有機半導体素子、特に、湿式成膜法により形成された有機層を含む有機半導体素子に関するものである。
有機半導体素子は、有機エレクトロルミネセンス素子(以下、有機EL素子という。)、有機トランジスタ、有機太陽電池等、広範な基本素子及び用途への展開が期待されている。
有機半導体素子のうち、有機エレクトロルミネセンス素子(以下、有機EL素子という。)は、発光層に到達した電子と正孔とが再結合する際に生じる発光を利用した電荷注入型の自発光デバイスである。こうした有機EL素子は、1987年にT.W.Tangらにより蛍光性金属キレート錯体とジアミン系分子とからなる薄膜を積層した素子が低い駆動電圧で高輝度な発光を示すことが実証されて以来、その開発が活発に行われている。
有機EL素子の素子構造は、陰極/有機層/陽極から基本的に構成され、その有機層としては、発光層と正孔注入層とからなる2層構造、または、電子輸送層と発光層と正孔輸送層とからなる3層構造が一般的である。有機EL素子においては、発光中心となる発光材料に電荷(正孔、電子)を効率的かつ速やかに供給することが必要であり、そのため、電荷輸送材料を発光層中に含有させたり、陽極と発光層との間に正孔輸送層を設けたり、陰極と発光層との間に電子輸送層を設けることが行われている。
こうした有機EL素子では、高い発光効率を得るために、電極から有機層に電荷(正孔、電子)を効率的に注入することが必要であるが、陽極や陰極と発光層等の有機層とはエネルギー障壁が大きく、電荷を容易に注入できない。そのため、従来は、陰極と有機層との間に正孔あるいは電子注入層を設けたり、陽極あるいは陰極の仕事関数を最適化することで電極と有機層とのエネルギー障壁を小さくしている。
一方、近年、有機EL素子の発光ユニットを1番目のユニット/2番目のユニット/3番目のユニット/…n番目のユニットと直列に積層することにより、n倍の輝度、n倍の発光効率、n倍の長寿命が得られるという特徴を持つ、直列積層型有機EL素子(マルチフォトエミッション)が提案されている(特許文献1、2、3)。
有機EL素子は電流密度に応じて輝度が向上し、電流密度に応じて素子寿命が短くなる関係にあるため、従来の単層素子と直列積層型有機EL素子からなる有機EL素子とを比較した場合、複数の発光層を持つ直列積層型有機EL素子の方が、従来の単層素子の1/nという低い電流密度で必要な輝度を得ることができる。そして、必要な一定の輝度を得るために必要な電流密度が1/nなので、直列積層型有機EL素子の素子寿命は、従来の単層素子に比べて長くなる。しかし、n個の素子を直列にしているので駆動電圧はn倍になる。更に、複数の発光層を持つ直列積層型有機EL素子においては、異なる特性、発光色を有する発光ユニットを積層することもできる。このように、直列積層型有機EL素子は、高輝度、長寿命なデバイスを達成できるため、パソコンのバックライトや照明器具用途にも応用できるのが特徴である。
従来、上記のような有機半導体素子の有機層は、低分子量の有機化合物を真空蒸着法により支持体に堆積させて形成している。しかしながら、真空蒸着法による場合は、蒸着装置が必要で、材料の利用効率も低く、コストが高いという問題があり、さらに、基材の大面積化が困難である。特に、RGBの発光層を並列に配置するカラー化の素子においてはマスクを用いた塗り分けが必要になるが、蒸着プロセスによって生じる熱によるマスクのひずみや大型基板化によるマスクのアライメント精度、等が大きな問題となる。
一方で、発光性や電荷輸送性等を有する高分子有機化合物を溶剤に溶解又は分散させて基材に塗布する湿式成膜法(スピンコーティング法、印刷法、インクジェット法等)によって上記発光層や電荷輸送層等を形成した有機EL素子が提案されている。溶媒を用いて基材に塗布する湿式成膜法は、真空蒸着法に比べて大掛かりな蒸着装置が不要で、作製プロセス工程の簡便化が期待でき、材料の利用効率も高く、コストが安価で、基材の大面積化が可能というメリットがある。また、例えばRGB等、発光材料を並列に塗りわけることも容易に行えるというメリットがある。
特開平11−329748号公報 特開2003−45676号公報 特開2003−272860号公報
湿式成膜法は上記のようなメリットを有するが、一方で、湿式成膜法によって層を積層する場合、使用した溶剤により、積層時に下地側の層を溶解させたり、積層時及び積層後に下地側に含まれる物質を劣化させたりする場合がある。特に、LiやCa等の水や酸素に対して反応性が高い低仕事関数の金属を含む電子注入層の上に、湿式成膜法によって層を形成する場合には、これらの金属の反応による劣化の問題は顕著になると考えられる。また、上述したような直列積層型有機EL素子を湿式成膜法により作製する場合においては、1番目のユニットの陰極側又は陽極側に2番目のユニットを湿式成膜工程により積層する必要があるため、上記と同様な問題がある。特に、低仕事関数の金属が含まれることが多い陰極側の電子注入層上に更に発光ユニットを湿式成膜工程により積層する場合に、当該電子注入層が劣化して素子特性が低下する問題が発生する。
本発明は、上記問題点を鑑みてなされたもので、その目的は、湿式成膜法を用いて形成され、且つ、劣化が防止されて素子特性が良好な有機半導体素子を提供することにある。
本発明に係る有機半導体素子は、基板上に、対向する2つ以上の電極とそのうちの2つの電極間に配置された少なくとも1つの有機層を有し、前記有機層及び/又は電極の1種以上が湿式成膜法により形成された有機半導体素子であって、前記湿式成膜法により形成された有機層及び/又は電極の下地側に電荷輸送性並びに溶剤及び/又はガスバリア性を有する保護層が設けられていることを特徴とする。
本発明に係る有機半導体素子は、湿式成膜法により形成された有機層及び/又は電極の下地側に電荷輸送性並びに溶剤及び/又はガスバリア性を有する保護層が設けられているため、湿式成膜法により形成された有機層及び/又は電極の積層時に下地側の層を溶解させたり、積層時及び積層後に下地側に含まれる物質の溶剤及び/又はガスによる劣化を防止できる。従って、本発明においては、湿式成膜法を用いて形成されるため、作製プロセスの簡便化が期待でき、材料の利用効率も高く、コストが安価で、基材の大面積化が可能で、更に、例えばRGBの発光層等、数層を細かく並列に塗りわけることも容易に行えるというメリットを有しながら、且つ、劣化が防止されて素子特性が良好な有機半導体素子が得られる。
前記保護層は、少なくとも1種の絶縁材料(A)と少なくとも1種の導電材料(B)を含む混合層、又は前記絶縁材料(A)及び導電材料(B)をそれぞれ別個に含有する層を含む複合層からなり、前記絶縁材料(A)がケイ素化合物よりなる群から選択され、前記導電材料(B)が金属、無機半導体、顔料、及び電荷移動錯体よりなる群から選択されることが、絶縁材料(A)が溶剤及び/又はガスバリア性を担い、導電材料(B)が少なくとも電荷輸送性を担うことにより、電荷輸送性を有しながら、溶剤及び/又はガスバリア性を有するようになる点から好ましい。
前記導電材料(B)は、少なくとも仕事関数が4.2eV以上の金属を含むことが、電荷輸送性を有しながら、水や酸素等と反応性が低く、溶剤及び/又はガスバリア性を有するようにする点から好ましい。
前記導電材料(B)は、溶剤に溶解しにくい顔料を含めることにより電荷輸送性のみならず溶剤バリア性を有する点から、真空蒸着により成膜可能な顔料を含むことが好ましい。
前記導電材料(B)は、少なくとも18型元素周期律表の12族から16族の元素から選択される無機半導体を含むことが、透明性が確保されながら、電荷輸送性を有し、かつ、水や酸素等と反応性が低く、溶剤及び/又はガスバリア性を有する点から好ましい。
前記導電材料(B)は、少なくとも電子供与性化合物(C1)及び/又は電子受容性化合物(C2)よりなる群から選択される少なくとも1種の化合物(C)と、顔料(D)を含み、選択された化合物(C1)及び/又は化合物(C2)、及び顔料(D)に含まれる2種以上の成分により電荷移動錯体が形成されていることが、電荷輸送性並びに溶剤及び/又はガスバリア性に優れる点から好ましい。
前記保護層は、電子注入層に隣接して設けられることが、劣化され易い物質を溶剤及び/又はガスから遮断でき、素子特性の劣化を防止できる点から好ましい。
前記保護層がパターニングされていることが、封止あるいは電極の取りだしの工程を考慮した場合に好ましい。
前記湿式成膜法により形成された有機層及び/又は電極は、水を含む水酸基を有しない溶剤を用いて成膜されることが、積層後に下地側に含まれる物質の溶剤及び/又はガスによる劣化を防止しやすい点から好ましい。
本発明に係る有機半導体素子は有機EL素子として好適であり、有機EL素子とする場合には、前記有機層に1層以上の発光層を有するようにする。本発明に係る有機半導体素子は上述のような直列積層型有機EL素子として好適であり、直列積層型有機EL素子とする場合には、前記有機層に2層以上の発光層を有し、2層以上の発光層が同時に発光するようにする。前記直列積層型有機EL素子においては、前記保護層が、前記2層以上の発光層の間に設けられることが好ましい。
また、本発明に係る有機半導体素子は有機トランジスタとしても好適に用いられる。
本発明に係る有機半導体素子は、湿式成膜法により形成された有機層及び/又は電極の下地側に電荷輸送性並びに溶剤及び/又はガスバリア性を有する保護層が設けられているため、湿式成膜法により形成された有機層及び/又は電極の積層時に下地側の層を溶解させたり、積層時及び積層後に下地側に含まれる物質の溶剤及び/又はガスによる劣化を防止できる。従って、本発明においては、湿式成膜法を用いて形成される層を有することにより、作製プロセスの簡便化が期待でき、材料の利用効率も高く、コストが安価で、特に、例えばRGB等の発光層を、数層を細かく並列に塗りわけることも容易に行えるというメリットを有しながら、且つ、劣化が防止されて素子特性が良好な有機半導体素子が得られる。
本発明に係る有機半導体素子は、LiやCa等の水や酸素に対して反応性が高い低仕事関数の金属を含む電子注入層等の層の上に、湿式成膜法によって層を積層する場合であっても、劣化を防止できる。また、上述したような直列積層型有機EL素子を湿式成膜法により作製する場合においても、電子注入層等が劣化して素子特性が悪化することなく、良好な素子特性が得られる。
本発明に係る有機半導体素子は、基板上に、対向する2つ以上の電極とそのうちの2つの電極間に配置された少なくとも1つの有機層を有し、前記有機層及び/又は電極の1種以上が湿式成膜法により形成された有機半導体素子であって、前記湿式成膜法により形成された有機層及び/又は電極の下地側に電荷輸送性並びに溶剤及び/又はガスバリア性を有する保護層が設けられていることを特徴とする。なお、上記有機層は、有機化合物を含む層をいい、有機化合物のみからなるものだけでなく、有機化合物に無機化合物が混合されてなるものも含まれる。
本発明に係る有機半導体素子は、湿式成膜法により形成された有機層及び/又は電極の下地側に電荷輸送性並びに溶剤及び/又はガスバリア性を有する保護層が設けられているため、湿式成膜法により形成された有機層及び/又は電極の積層時に下地側の層を溶解させたり、積層時及び積層後に下地側に含まれる物質の溶剤及び/又はガスによる劣化を防止できる。従って、本発明においては、作製プロセスの簡便化が期待でき、材料の利用効率も高く、コストが安価で、基材の大面積化が可能で、特に、例えばRGBの発光材料等、数層を細かく並列に塗りわけることも容易に行えるというメリットを有しながら、且つ、劣化が防止されて素子特性が良好な有機半導体素子が得られる。
電荷輸送性並びに溶剤及び/又はガスバリア性を有する保護層(以下、単に「保護層」という場合がある)における電荷輸送性は、単に、保護機能を有しながら電荷輸送性を阻害しないという機能だけでなく、保護層から陽極側には積極的に電子を注入し、陰極側には積極的に正孔を注入する機能を有することが更に好ましい。
本発明の有機半導体素子において、電荷輸送性並びに溶剤及び/又はガスバリア性を有する保護層を形成する材料としては、電荷輸送性並びに溶剤及び/又はガスバリア性を有する材料を1種又は2種以上混合して用いても良いし、電荷輸送性を有する材料、又は、溶剤及び/又はガスバリア性を有する材料をそれぞれ1種以上選択して組み合わせて用いても良い。
中でも、本発明に係る保護層は、少なくとも1種の絶縁材料(A)と少なくとも1種の導電材料(B)を含む混合層、又は前記絶縁材料(A)及び導電材料(B)をそれぞれ別個に含有する層を含む複合層からなることが、絶縁材料(A)が溶剤及び/又はガスバリア性を担い、導電材料(B)が少なくとも電荷輸送性を担うことにより、電荷輸送性を有しながら、溶剤及び/又はガスバリア性を有するようになる点から好ましい。
前記絶縁材料(A)は、ケイ素化合物よりなる群から選択されることが、溶剤及び/又はガスバリア性に優れる点から好ましく、前記導電材料(B)は、金属、無機半導体、顔料、及び電荷移動錯体よりなる群から選択されることが、電荷輸送性及び/又は溶剤及び/又はガスバリア性に優れる点から好ましい。
前記絶縁材料(A)及び前記導電材料(B)は、それぞれ1種又は2種以上組み合わせて用いることができる。特に、前記導電材料(B)は、金属、無機半導体、顔料、及び電荷移動錯体よりなる群から選択されるものであれば、如何なる組み合わせで用いられても良い。
本発明に係る保護層の材料として用いられるケイ素化合物は、溶剤及び/又はガスバリア性に優れる点から、絶縁体であるケイ素化合物が好ましく用いられる。更に絶縁体であるケイ素化合物の酸化物や窒化物が好ましく用いられる。なお、ケイ素化合物としては、無機ケイ素化合物であっても、有機ケイ素化合物であっても良い。絶縁体である無機ケイ素化合物としては、例えば、SiOx(xは1以上2以下)、SiNx(xは1/2以上4/3以下)、SiON、SiAlON、SiOF等が挙げられる。また、絶縁体である有機ケイ素化合物としては、例えば、テトラメチルシラン、テトラエチルシラン、テトラメトキシシラン、テトラアルキルシラン誘導体、テトラアルコキシシラン誘導体、テトラフェニルシラン誘導体、ハロゲン化シラン誘導体、モノシラン誘導体、ジシラン誘導体、トリシラン誘導体等が挙げられる。
本発明に係る保護層の材料として用いられる金属や無機半導体は、一般に反応性が低い仕事関数が高い金属を用いることが好ましい。従って、前記導電材料(B)としては、少なくとも仕事関数が4.2eV以上の金属及び/又は無機半導体を含むことが、電荷輸送性を有しながら、水や酸素等と反応性が低く、溶剤及び/又はガスバリア性を有するようにする点から好ましい。
仕事関数が4.2eV以上の金属としては、Ag、Al、Au、Be、Bi、Co、Cr、Cu、Fe、Ga、Ir、Mo、Nb、Ni、Os、Pb、Pd、Pt、Sb、Sn、Ti、V、Wなどが挙げられる。
仕事関数が4.2eV以上の無機半導体としては、透明導電材料であるITO(インジウム・すず酸化物)、IZO(インジウム・亜鉛酸化物)、SnO2 、ZnO、TiN、ZrN、HfN、TiOx 、VOx 、CuI、InN、 GaN、CuAlO2 、CuGaO2 、SrCu22、LaB6 、RuO2 などが挙げられる。中でも、ITO、SnO2、ZnOが透明性にも優れる点から好ましく用いられる。これらの透明導電材料は、透明性が確保されながら、電荷輸送性、並びに、溶剤及び/又はガスバリア性を有する点から、特に、トップエミッション構造や発光層を複数層積層する直列積層型有機EL素子に好適に用いられる。
また、本発明に係る保護層の材料として用いられる無機半導体としては、更に、18型元素周期律表の12族から16族の元素から選択される無機半導体が挙げられる。これらの無機半導体は、透明性が確保されながら、電荷輸送性を有し、かつ、水や酸素等と反応性が低く、溶剤及び/又はガスバリア性を有する点から、前記導電材料(B)として好適に用いられる。18型元素周期律表の12族から16族の元素から選択される無機半導体は、例えば、単体半導体であるSi、Ge、α−Sn、Te;III−V化合物であるAlAs、AlSb、GaP、GaN、GaAs、GaSb、InP、InAs、InSb;II−VI化合物であるZnO、ZnS、ZnSe、ZnTe、CdO、CdS、CdSe、CdTe、HgSe,HgTe;Halite構造化合物であるPbS、PbSe、PbTe;その他、ZnSb、CdSb、Bi23、Mg2Si、Zn3AS2、Cd3As2、GaSe、GaTe、InSe、TlSe等が挙げられる。中でもZnSe、ZnS、GaNが電子注入特性や透明性の点から好ましく用いられる。
また、本発明に係る保護層の材料として用いられる電荷移動錯体は、少なくとも電子供与性化合物(C1)及び電子受容性化合物(C2)よりなる群から選択された、化合物(C1)及び化合物(C2)に含まれる2種以上の成分により電荷移動錯体が形成されるものである。電荷移動錯体は、電荷輸送性を担うことにより、保護層から陽極側には積極的に電子を注入し、陰極側には正孔を注入する機能を有する点から好ましい。
前記電子供与性化合物(C1)及び電子受容性化合物(C2)をそれぞれ別個に含有する層を含む複合層とする場合には、電子供与性の機能を有する(C1)が保護層から見て陽極側に配置され、電子受容性の機能を有する(C2)が保護層から見て陰極側に配置されることが好ましい。
なお、2種類以上の化合物が酸化還元反応により電荷移動錯体を形成しうるものであるか否かは、分光学的分析手段によって確認することができる。具体的には、特開2003−272860号公報に開示されているように、2種類以上の化合物がそれぞれ単独では、波長800〜2000nmの近赤外領域に吸収スペクトルのピークを示さないが、2種類以上の化合物の混合膜では、波長800〜2000nmの近赤外領域に吸収スペクトルのピークがある場合には、2種類以上の化合物間での電子移動を示唆し、電荷移動錯体が形成されていることを確認することができる。
電子供与性化合物(C1)としては、中でも酸化等、劣化され難い物を用いることが好ましく、例えば、Li、Na、K、Cs、Ca、Ba等のアルカリ金属、アルカリ土類金属、テトラエチルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム、テトラアルキルアンモニウム、アントラセン誘導体、ペリレン誘導体、フェロセン誘導体、ベンゾピレン誘導体、キノリン誘導体、フェノチアジン誘導体、フェノセレナジン誘導体、N−メチルキノリニウム誘導体、N−メチルフェナジニウム誘導体、フェニレンジアミン誘導体、トリフェニルアミン誘導体、テトラチアフルバレン誘導体などが挙げられる。
電子受容性化合物(C2)としては、中でも酸化等、劣化され難い物を用いることが好ましく、例えば、塩化第2鉄、臭化第2鉄、ヨウ化第2鉄、塩化アルミニウム、臭化アルミニウム、ヨウ化アルミニウム、塩化ガリウム、臭化ガリウム、ヨウ化ガリウム、塩化インジウム、臭化インジウム、ヨウ化インジウム、5塩化アンチモン、5フッ化砒素、3フッ化硼素等の無機化合物やDDQ(ジシアノ−ジクロロキノン)、TNF(トリニトロフルオレノン)、TCNQ(テトラシアノキノジメタン)、4F−TCNQ(テトラフルオロ−テトラシアノキノジメタン)等の有機化合物が挙げられる。
本発明に係る保護層の材料として用いられる顔料(D)としては、用いられる半導体素子に必要とされる色を選択するか、又は、そのような必要とされる色を阻害しない色を選択する必要があるが、少なくとも電荷輸送性を有し、真空蒸着により成膜が可能であれば、有機又は無機顔料を用いることができる。中でも、溶剤に溶解しにくい顔料を含めることにより溶剤バリア性を有する点から、顔料(D)としては、電荷輸送性のみならず、溶剤に溶解しにくいものを選択することが更に好ましい。有機顔料の具体例としては、アゾ顔料、ビスアゾ顔料、ペリレン顔料、金属フタロシアニン顔料、無金属フタロシアニン顔料、アンサンスロン顔料、等が挙げられる。さらに、カラーインデックス(C.I.;The Society of Dyers and Colourists 社発行) においてピグメント(Pigment)に分類されている化合物、すなわち、下記のようなカラーインデックス(C.I.)番号が付されているものを挙げることができる。
C.I.ピグメントイエロー1、C.I.ピグメントイエロー3、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー83、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー139、C.I.ピグメントイエロー150、C.I.ピグメントイエロー180、C.I.ピグメントイエロー185等のイエロー系ピグメント;C.I.ピグメントレッド1、C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド3、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド254等のレッド系ピグメント;及び、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15:4、C.I.ピグメントブルー15:6等のブルー系ピグメント;C.I.ピグメントグリーン7、C.I.ピグメントグリーン36等のグリーン系ピグメント;C.I.ピグメントバイオレット23、C.I.ピグメントバイオレット23:19など。また、無機顔料の具体例としては、酸化チタン、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、亜鉛華、硫酸鉛、黄色鉛、亜鉛黄、べんがら(赤色酸化鉄(III))、カドミウム赤、群青、紺青、酸化クロム緑、コバルト緑、アンバー、チタンブラック、合成鉄黒、カーボンブラック等を挙げることができる。本発明において顔料(D)は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
上記導電材料(B)は、中でも、少なくとも電子供与性化合物(C1)及び/又は電子受容性化合物(C2)よりなる群から選択される少なくとも1種の化合物(C)と、顔料(D)を含み、選択された化合物(C1)及び/又は化合物(C2)、及び顔料(D)に含まれる2種以上の成分により電荷移動錯体が形成されていることが、電荷輸送性並びに溶剤及び/又はガスバリア性に優れる点から好ましい。
この場合も、前記化合物(C)及び前記顔料(D)をそれぞれ別個に含有する層を含む複合層とする場合には、電子供与性の機能を有する(C1)及び/又は(D)を形成する保護層から見て陽極側に配置し、電子受容性の機能を有する(C2)及び/又は(D)を形成する保護層から見て陰極側に配置することが好ましい。
前記保護層は、電子注入層に隣接して設けられることが、好ましい。電子注入層は、一般に仕事関数が低いLi、Ca等のアルカリ金属やアルカリ土類金属や、Al:Li合金、Mg:Li合金、BaO、SrO、Li2O、LiCl、LiF、MgF2、MgO、CaF2等の仕事関数が低い物質を構成元素として含む化合物Al:Li合金、Mg:Li合金、BaO、SrO、Li2O、LiCl、LiF、MgF2、MgO、CaF2等を含婿とが多いため、電子注入層に隣接して保護層が設けられる場合には、劣化され易い物質を溶剤及び/又はガスから遮断でき、素子特性の劣化を防止できる。
前記湿式成膜法により形成された有機層及び/又は電極は、水を含む水酸基を有しない溶剤を用いて成膜されることが、積層後に下地側に含まれる物質の溶剤及び/又はガスによる劣化を防止しやすい点から好ましい。ここで、水酸基を有しない溶剤とは、キシレン、トルエン、1,2−ジクロロエタン等が挙げられる。
前記保護層はパターニングされていることが、封止あるいは電極の取りだしの工程を考慮した場合、好ましい。パターニングは、例えば、マスク蒸着によって行うことができる。
前記保護層の膜厚は、電荷輸送性並びに溶剤及び/又はガスバリア性を有するように設ければ特に限定されないが、10nm〜10μmであることが好ましく、更に10nm〜500nmであることが好ましい。
本発明に係る有機半導体素子は、前記有機層に1層以上の発光層を有する有機EL素子として好適である。特に、前記有機層に2層以上の発光層を有し、2層以上の発光層が同時に発光するように、発光ユニットを2つ以上直列に積層する場合には、全ての層を真空蒸着法により形成するとプロセス上の負担が非常に大きいことから、本発明により、層形成工程の少なくとも一部を湿式成膜法に代えることにより、プロセスの効率が飛躍的に向上する。したがって、本発明は、湿式成膜法により形成された層を有する直列積層型有機EL素子として好適である。
以下、本発明に係る有機半導体素子のうち、直列積層型有機EL素子を例に挙げて説明をする。
本発明に係る直列積層型有機EL素子は、対向する2つの電極の間に少なくとも1層の発光層を含む発光ユニットを2つ以上有し、発光ユニットを構成する有機層及び/又は電極の1つ以上が湿式成膜法により形成され、且つ、前記湿式成膜法により形成された有機層及び/又は電極の下地側に電荷輸送性並びに溶剤及び/又はガスバリア性を有する保護層が設けられていることを特徴とする。各発光ユニットは、前記保護層によって仕切られていることが好ましい。すなわち、本発明に係る直列積層型有機EL素子においては、前記保護層は、2層以上の発光層の間に設けられることが好ましい。
図1は、本発明に係る有機半導体素子の一実施態様である直列積層型有機EL素子を示す略示断面図である。基板1上には、順に、陽極2、発光ユニット3−1、保護層4−1、発光ユニット3−2、保護層4−2、・・・・・・、保護層4−(n−1)、発光ユニット3−nと繰り返され、最後に陰極5が積層されている。このものは、基板1上に、対向する2つの電極(陽極2と陰極5)の電極間に配置された少なくとも1つの有機層を少なくとも有する発光ユニット3を有し、発光ユニット3に含まれる層の1種以上及び/又は電極(陽極2及び/又は陰極5)が湿式成膜法により形成されたものであって、前記湿式成膜法により形成された層及び/又は陰極5の下地側に電荷輸送性並びに溶剤及び/又はガスバリア性を有する保護層(4−1、4−2、・・・4−(n−1))が設けられている。
本発明において、発光ユニットとは、従来の有機EL素子を構成する要素のうち、陽極と陰極とを除いた構成要素をいう。従来の有機EL素子の構成としては、例えば、(陽極)/発光層/(陰極)、(陽極)/正孔輸送層/発光層/(陰極)、(陽極)/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/(陰極)、(陽極)/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層/(陰極)などが挙げられる。本発明に係る有機EL素子において、当該発光ユニットは、いかなる層構成を有していてもよい。発光層、正孔輸送層、正孔注入層、電子輸送層、電子注入層などに用いられる物質については、特に制限はなく、従来これらの層の形成に用いられる任意の物質であってよいが、出来る限り湿式成膜法により形成可能な材料を用いることが、湿式成膜法による形成におけるメリットを享受できる点から好ましい。
発光層は、有機EL素子において必須の層であり、発光材料により形成される。本発明においては、発光層の材料としては蛍光発光する低分子化合物または高分子化合物や、燐光発光する低分子化合物または高分子化合物のいずれをも用いることができるが、湿式成膜法により層を形成可能という点から、蛍光発光する高分子化合物または蛍光発光する低分子化合物を含む高分子化合物や、燐光発光する高分子化合物または燐光発光する低分子化合物を含む高分子化合物を好適に用いることができる。
蛍光発光又は燐光発光する高分子化合物としては、例えば、ポリパラフェニレンビニレン誘導体、ポリチオフェン誘導体、ポリパラフェニレン誘導体、ポリシラン誘導体、ポリアセチレン誘導体、ポリビニルカルバゾール、ポリフルオレノン誘導体、ポリフルオレン誘導体、ポリキノキサリン誘導体、及びそれらの共重合体、下記構造式で示されるポリ(9,9ジオクチルフルオレン−co−ベンゾチアゾール)(F8BT)、ポリ(9,9ジオクチルフルオレン)(PF8)からなるポリマー(5BTF8(F8BTおよびPF8を重量比5:95))等が挙げられる。
Figure 2005294072
(但し、nは100,000〜1,000,000である。)
陽極2および陰極5は、発光層で発光した光の取り出し方向により、どちらの電極2,5に透明性が要求されるか否かが異なり、基板1側から光を取り出す場合には陽極2を透明な材料で形成する必要があり、また反対側から光を取り出す場合には陰極5を透明な材料で形成する必要がある。
基板1の発光層側に設けられている陽極は、発光層に正孔を注入するよう作用し、陰極は、発光層に電子を注入するよう作用する。陽極2、陰極5は、通常、アルミニウム、金、銀、ニッケル、パラジウム、白金等の金属、インジウム及び/又はスズの酸化物などの金属酸化物により形成することができるが、ポリアニリン、ポリアセチレン、ポリアルキルチオフェン誘導体、ポリシラン誘導体のような導電性高分子等で形成することも可能である。このような導電性高分子等で電極を形成する場合には、電極は、塗布法やディップ法等の湿式成膜法により形成することができる。
本発明に係る有機半導体素子は、湿式成膜法により形成された有機層及び/又は電極の下地側に電荷輸送性並びに溶剤及び/又はガスバリア性を有する保護層が設けられていることから、湿式成膜法により形成された有機層及び/又は電極を含む有機トランジスタとしても好適である。本発明に係る有機半導体素子が有機トランジスタの場合には、特に電子輸送層とゲート電極あるいはソース電極との間に保護層が設けられることが好ましい。
また、本発明に係る有機半導体素子は、太陽電池としても好適である。本発明に係る有機半導体素子が太陽電池の場合には、特に有機層と陰極との間に保護層が設けられることが好ましい。
次に、本発明を実施例によって更に具体的に説明するが、本発明は以下の実施例の記載に限定されるものではない。
(実施例1)
(陽極の形成)
基材として、縦横40mm×40mm、厚み0.7mmの透明ガラス基板(NHテクノグラス(株)製 無アルカリガラスNA35)を準備し、この透明ガラス基板を定法にしたがって洗浄した後、酸化インジウム亜鉛化合物(IZO)の薄膜(厚み130nm)をスパッタリング法により形成した。上記のIZO薄膜形成では、スパッタガスとしてArとO2 の混合ガス(体積比Ar:O2 =100:1)を使用し、圧力0.1Pa、DC出力150Wとした。
次いで、上記の陽極上に感光性レジスト(東京応化工業(株)製OFPR−800)を塗布し、マスク露光、現像(東京応化工業(株)製NMD3(現像液)を使用)、エッチングを行って、陽極をパターン形成した。
(絶縁層の形成)
陽極電極パターンと陰極電極パターンが直交する発光エリアを開口部とする絶縁層を形成した。上記絶縁層は、感光性レジスト(東京応化工業(株)製CFPR)を塗布し、マスク露光、現像(東京応化工業(株)製CFPR N−A3K(現像液)を使用)、エッチングを行って、厚み2μmの絶縁層をパターン形成した。
(正孔注入輸送層の形成)
次に、陽極および絶縁層を備えた透明ガラス基板を洗浄し、UVオゾン処理を施した後、大気中にて、陽極を覆うように透明ガラス基板上に下記構造式で示されるポリエチレンジオキシチオフェン−ポリスチレンスルホネート(PEDOT−PSS)をスピンコート法により塗布し、乾燥して、正孔注入輸送層(厚み80nm)を形成した。
Figure 2005294072
(但し、nは10,000〜500,000である。)
(発光層の形成)
低酸素(酸素濃度1ppm以下)、低湿度(水蒸気濃度1ppm以下)状態のグローブボックス中にて、上記正孔注入輸送層上に下記構造式(2)で示されるポリ(9,9ジオクチルフルオレン−co−ベンゾチアゾール)(F8BT)およびポリ(9,9ジオクチルフルオレン)(PF8)からなるポリマー(5BTF8)をスピンコート法により塗布し、乾燥して、発光層(厚み80nm)を形成した。上記のポリマー(5BTF8)は、F8BTおよびPF8を重量比5:95としてブレンドした発光材料である。
Figure 2005294072
(但し、nは100,000〜1,000,000である。)
(電子注入層の形成)
更に、上記の発光層上にCaを3nmの厚みで蒸着して電子注入層を形成した。蒸着条件は、真空度5×10−5Pa、成膜速度1Å/秒とした。
(保護層の形成)
上記の電子注入層上にSiOおよびZnSを共蒸着し、膜厚100nmの蒸着膜を形成した。蒸着条件は、SiOおよびZnSの膜厚比率を1:1として、真空度5×10−5Pa、SiOの成膜速度1Å/秒、ZnSの成膜速度0.1Å/秒とした。
さらに、上記SiOおよびZnSからなる層上にIZO薄膜(膜厚100nm)を形成した。IZOは対向ターゲット式スパッタリングによりスパッタガスとしてArを使用し、圧力7.0×10−2Pa、DC出力150W、RF出力100Wとした。
(2ユニット目の電荷注入輸送層、発光層の形成)
SiOおよびZnS、およびIZOの層からなる保護層を形成した後、PEDOT/PSSの水酸基の一部をプロピル基に置換したものを1、1、2−トリクロロエタンを溶媒として塗布して成膜し、その後5BTF8からなる発光層を同じ膜厚で成膜した。
(電子注入層と陰極の形成)
上記の発光層上にCaを10nmの厚みで蒸着して電子注入層を形成した。蒸着条件は、真空度5×10−5Pa、成膜速度1Å/秒とした。
その後、陰極としてAlを150nmの厚みで蒸着して陰極を形成した。蒸着条件は、真空度5×10−5Pa、成膜速度5Å/秒とした。
上記の条件で、2ユニット積層型の有機EL素子を作製した。
その後、低酸素(酸素濃度1ppm以下)、低湿度(水蒸気濃度1ppm以下)状態のグローブボックス中にて無アルカリガラスで封止を行った。
以上により、幅2mmのライン状にパターニングされた陽極と、この陽極に直交するように幅2mmのライン状で形成された電子注入層、陰極を備え、4ヶ所の発光エリア(面積4mm2 )を有する有機EL素子を作製した。
(結果)
この有機EL素子の陽極と陰極に電圧20Vを印加した時の電流密度は約320mA/cm2が得られた。また、陽極側から観測した輝度は約45000cd/mであった。この結果から、電荷輸送性を有する保護層が存在することにより、保護層下の電子注入層の劣化が防止され、良好な素子特性が得られることが明らかになった。
(実施例2)
陽極上に絶縁層を形成せず、保護層を所定の発光エリアの大きさに形成した以外は、実施例1と同様に有機EL素子を作製した。
この有機EL素子の陽極と陰極に電圧20Vを印加した時の電流密度は約290mA/cm2が得られた。また、陽極側から観測した輝度は約40000cd/mであった。この結果から、電荷輸送性を有する保護層が存在することにより、保護層下の電子注入層の劣化が防止され、良好な素子特性が得られることが明らかになった。なお、絶縁層を形成したものの方(実施例1)が、絶縁層を形成しないもの(実施例2)より、良好な素子特性が得られた。
(実施例3)
2ユニット目の正孔注入輸送層であるPEDOTを水分散溶液から成膜した以外は、実施例1と同様にして有機EL素子を作製した。
この有機EL素子の陽極と陰極に電圧20Vを印加した時の電流密度は約230mA/cm2であった。また、陽極側から観測した輝度は約18000cd/m2であった。この結果から、電荷輸送性を有する保護層が存在することにより、保護層下の電子注入層の劣化が防止され、有機半導体素子として機能していることが確認された。水酸基を有しない溶剤から正孔輸送材料を塗布した方(実施例1)が、保護層上に水酸基を有する溶剤から正孔輸送材料を塗布する(実施例3)より、保護層下の電子注入層が劣化しにくいことが確認された。
(実施例4)
保護層として、Ca電子注入層上にSiNxとAuからなる膜を100nm形成した。蒸着条件は、SiNxおよびAuの膜厚比率を3:1とした。その後、IZOを形成し、SiNxとAu、およびIZOからなる保護層を形成した以外は、実施例1と同様にして有機EL素子を作製した。
この有機EL素子の陽極と陰極に電圧20Vを印加した時の電流密度は約260mA/cm2が得られた。また、陽極側から観測した輝度は約9000cd/mであった。この結果から、電荷輸送性を有する保護層が存在することにより、保護層下の電子注入層の劣化が防止され、有機半導体素子として機能していることが確認された。
(比較例1)
保護層を形成しないで、実施例1と同様にして有機EL素子を作製した。 この有機EL素子の陽極と陰極に電圧20Vを印加した時の電流密度は約30mA/cm2であった。また、陽極側から観測した輝度は約20cd/mであった。この結果から、電荷輸送性を有する保護層が無いことにより、保護層下の電子注入層が劣化し、有機半導体素子の電流の特性が低下することが明らかにされた。
本発明の有機半導体素子の一例を示す断面図である。
符号の説明
1…基板
2…陽極
3(3−1、3−2、・・・3−n)…発光ユニット
4(4−1、4−2、・・・4−(n−1))…中間層
5…陰極

Claims (13)

  1. 基板上に、対向する2つ以上の電極とそのうちの2つの電極間に配置された少なくとも1つの有機層を有し、前記有機層及び/又は電極の1種以上が湿式成膜法により形成された有機半導体素子であって、前記湿式成膜法により形成された有機層及び/又は電極の下地側に電荷輸送性並びに溶剤及び/又はガスバリア性を有する保護層が設けられていることを特徴とする、有機半導体素子。
  2. 前記保護層が、少なくとも1種の絶縁材料(A)と少なくとも1種の導電材料(B)を含む混合層、又は前記絶縁材料(A)及び導電材料(B)をそれぞれ別個に含有する層を含む複合層からなり、前記絶縁材料(A)がケイ素化合物よりなる群から選択され、前記導電材料(B)が金属、無機半導体、顔料、及び電荷移動錯体よりなる群から選択されることを特徴とする、請求項1に記載の有機半導体素子。
  3. 前記導電材料(B)が、少なくとも仕事関数が4.2eV以上の金属及び/又は無機半導体を含むことを特徴とする、請求項2に記載の有機半導体素子。
  4. 前記導電材料(B)が、真空蒸着により成膜可能な顔料を含むことを特徴とする、請求項2に記載の有機半導体素子。
  5. 前記導電材料(B)が、少なくとも18型元素周期律表の12族から16族の元素から選択される無機半導体を含むことを特徴とする、請求項2に記載の有機半導体素子。
  6. 前記導電材料(B)が、少なくとも電子供与性化合物(C1)及び/又は電子受容性化合物(C2)よりなる群から選択される少なくとも1種の化合物(C)と、顔料(D)を含み、選択された化合物(C1)及び/又は化合物(C2)、及び顔料(D)に含まれる2種以上の成分により電荷移動錯体が形成されていることを特徴とする、請求項2に記載の有機半導体素子。
  7. 前記保護層が、電子注入層に隣接して設けられることを特徴とする、請求項1乃至6のいずれかに記載の有機半導体素子。
  8. 前記保護層がパターニングされていることを特徴とする、請求項1乃至7のいずれかに記載の有機半導体素子。
  9. 前記有機層に1層以上の発光層を有することを特徴とする、請求項1乃至8のいずれかに記載の有機半導体素子。
  10. 前記有機層に2層以上の発光層を有し、2層以上の発光層が同時に発光することを特徴とする、請求項1乃至9のいずれかに記載の有機半導体素子。
  11. 前記保護層が、前記2層以上の発光層の間に設けられることを特徴とする、請求項10に記載の有機半導体素子。
  12. 半導体素子がトランジスタであることを特徴とする、請求項1乃至11のいずれかに記載の有機半導体素子。
  13. 前記湿式成膜法により形成された有機層及び/又は電極が、水酸基を有しない溶剤を用いて成膜されたことを特徴とする、請求項1乃至12のいずれかに記載の有機半導体素子。
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