JP2005293485A - Icタグ - Google Patents

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Fumiharu Morisawa
文晴 森澤
Shinichiro Muto
伸一郎 武藤
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Abstract

【課題】 本発明は、データ通信の機能を使用せずに、外部から動作モードを簡易に切り換えできるICタグを提供することを目的とする。
【解決手段】 本発明のICタグは、データ通信部、処理部、センサ、および動作切換部を備える。データ通信部は、外部機器とデータ通信を行う機能を有する。処理部は、このデータ通信部を制御する。センサは、ICタグの外部から与えられる磁界、電界、光、圧力などの物理量をセンシングする。動作切換部は、このセンサによる外界状態の検出結果に応じて、ICタグの動作モード(ICタグのオンオフや所定処理の実行など)を変更する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、ICタグ(ICカードの形態も含む)に関する。
従来、電池を内蔵したアクティブ型のICタグが知られている。この種のICタグは、CPUなどからなる処理部、外部とデータ通信を行うデータ通信部、および内蔵電池を、僅かなスペースに組み込んで形成される。
このような小さなICタグに、人間の指で操作可能なスイッチ類を設けることはスペース的に非常に難しかった。そのため、ICタグの電源オンオフを後から切り換えることは困難で、工場の製造段階から電池と処理部などを電気的に予め接続しておく必要があった。
そのため、工場の製造段階から実使用を開始するまでの期間、内部の電池が無駄に消費されてしまい、実使用可能な期間が短縮されるという問題点があった。
一方、ICカードのように、ある程度大きな形態であっても、同様の問題があった。すなわち、ICカードは、回路部分と電池を、樹脂モールドに封印することで、カード状に形成される。そのため、樹脂モールドに封印する前に、回路部分と電池とを予め接続しておく必要があった。そのため、工場の製造段階の直後から電池の消耗が始まり、実使用可能な期間が短縮されるという問題があった。
このようなICカードの問題を解決するため、特許文献1には、下記の従来案が示されている。
(従来案1)
まず、ICカードの回路部分と電池との間に、電源スイッチとなる電極部を予め設け、この電極部を、ICカードの外表面に露出させておく。一方、このICカードの外表面に貼り付ける化粧シート側に、予め導電膜を設けておく。
ICカードの製造段階では、化粧シートを完全に貼り合わせないことにより、この電極部と導電膜とを接触させない。この状態では、電極部は導通せず、回路部分と電池とは電気的に遮断される。そのため、電池の消耗は極力抑えられる。
一方、ICカードの出荷直前に、導電膜を電極部にしっかり固着させることにより、電極部が導通する。その結果、電池から回路部分へ電力供給が開始され、ICカードが使用可能な状態となる。このように出荷直前に電池を接続することにより、ICカードの使用可能期間をなるべく延長することが可能になる。
(従来案2)
まず、ICカードの回路部分と電池との間に、電源スイッチとなる電極部を予め設ける。この電極部に、低融点の絶縁膜を介して、低融点金属を固定する。
この状態では、電極部は導通せず、回路部分と電池とは電気的に遮断される。そのため、この状態において、電池の消耗は極力抑えられる。
一方、ICカードの出荷直前に、ICカードを加熱することにより、絶縁膜が破壊され、溶解した低融点金属が電極部に固着する。その結果、電極部が導通し、電池から回路部分への電力供給が開始される。このように出荷直前に電池を接続することにより、ICカードの使用可能期間をなるべく延長することが可能になる。
(従来案3)
まず、ICカードの回路部分と電池との間に、電源スイッチとなる電極部を予め設ける。この電極部の近くに軟性金属を非接触状態で設ける。この状態で、回路部分と電池と軟性金属をカード内に封入する。
この状態では、電極部は導通せず、回路部分と電池とは電気的に遮断される。そのため、この状態において、電池の消耗は極力抑えられる。
一方、ICカードの出荷直前に、ICカードを外部から押圧することにより、軟性金属を圧潰して、潰れた軟性金属により電極部を導通させる。その結果、電池から回路部分への電力供給が開始される。このように出荷直前に電池を接続することにより、ICカードの使用可能期間をなるべく延長することが可能になる。
(従来案4)
まず、ICカードの回路部分と電池との間に、電源スイッチとなる電極部を予め設ける。この電極部に、絶縁膜(スペーサー)を挟んで、突起を有した金属板を重ねる。
この状態では、電極部は導通せず、回路部分と電池とは電気的に遮断される。そのため、この状態において、電池の消耗は極力抑えられる。
一方、ICカードの出荷直前に、ICカードを外部から加圧することにより、金属板の突起が絶縁膜を突き破って、電極部に接触する。その結果、電極部が導通し、電池から回路部分への電力供給が開始される。このように出荷直前に電池を接続することにより、ICカードの使用可能期間をなるべく延長することが可能になる。
一方、特許文献2には、次の従来案が示されている。
(従来案5)
まず、ICカードの回路部分と電池との間に、電源スイッチとなる電極部を予め設ける。この電極部に、絶縁性弾性体(スペーサー)を挟んで、導電性熱接着フィルムを重ねる。
この状態では、電極部は導通せず、回路部分と電池とは電気的に遮断される。そのため、この状態において、電池の消耗は極力抑えられる。
さらに、ICカードの試験時には、ICカードを外部から加圧することにより、導電性熱接着フィルムを電極部に一時的に接触させることができる。この状態では、電池から回路部分へ一時的に電力が供給され、ICカードの試験が可能になる。
一方、ICカードの出荷直前に、ICカードを外部から加圧しながら加熱することにより、導電性熱接着フィルムが、電極部に固着する。その結果、電極部が導通し、電池から回路部分への電力供給が定常的に開始される。このように出荷直前に電池を接続することにより、ICカードの使用可能期間をなるべく延長することが可能になる。
特開平5−258131号公報(請求項1〜8) 特開平5−233903号公報
(従来案1の問題)
ところで、上述した従来案1は、電極部を外表面に露出しなければならず、導電性金属による短絡や、電極部の腐食などに充分配慮して保管しなければならない。したがって、様々な環境下での使用が想定されるICカードやICタグには適さないという問題点があった。
(従来案2の問題)
また、上述した従来案2では、内部の低融点金属を溶解するために、ICカードやICタグを熱に晒さなければならない。このような熱により、電池の熱劣化が進んでしまい、電池の寿命が大幅に短縮してしまうという問題点があった。また、熱に弱い汎用プラスチックを筐体に使用できないという問題点もあった。
(従来案3の問題)
さらに、上述した従来案3では、内部の軟性金属を圧潰するために、筐体が変形するほどの加圧が必要となり、薄型のICタグでは圧力破壊がかなりの確率で起こってしまうという問題点があった。
(従来案4の問題)
同様に、上述した従来案4も、内部の金属板の突起で絶縁膜を突き破るために、筐体が変形するほどの加圧が必要となり、薄型のICタグでは圧力破壊がかなりの確率で起こってしまうという問題点があった。
(従来案5の問題)
また、上述した従来案5では、内部の導電性熱接着シートを電極部に接着するため、220度、8秒程度の加熱が必要となる。このような熱により、電池の熱劣化が進んでしまい、電池の寿命が大幅に短縮してしまうという問題点があった。また、熱に弱い汎用プラスチックを筐体に使用できないという問題点もあった。
(従来案1〜5の共通問題)
ところで、上述した従来案1〜5に共通して、電極部の導通が非可逆な手段で為される。そのため、電極部が定常的に導通すると、未使用期間であっても電源をオフできない。そのため、効率的な省電力運用ができず、実使用期間が短縮されてしまうという問題点があった。
特に、使用時のみ電源オンし、未使用期間に電源オフするといった運用では、実使用時すなわちユーザーによる電源オンオフの操作性に充分配慮しなければならない。しかしながら、化粧シートを加圧するなど、機械式スイッチを用いた電源オンオフでは、人間の指の大きさに合わせる必要がある。しかしながら、小さなICタグでは、このような機械式スイッチの配置スペースを確保することが構造的に難しい。さらに、薄いICカードや小さなICタグでは、機械式スイッチの加圧操作に伴って構造劣化が生じやすく、信頼性低下の大きな原因になる。
(データ通信を用いた電源制御の問題)
なお、ICタグは、データ通信を行うデータ通信部を内蔵する。したがって、外部からデータ通信により、電源オンオフの制御コマンドをデータ通信部に与えることも可能である。
しかしながら、この方策では、ICタグ内のデータ通信部を常に待ち受け状態に置かなければならず、電源オフ時にも、データ通信部には電力を供給しなければならない。
通常、データ通信部は、データ通信用の高速クロックで動作し、かつ外部とのデータ通信に大きな電力を必要とする。そのため、ICタグの消費電力のかなり割合が、データ通信部によって消費される。したがって、待ち受け状態に置くため、データ通信部に常に電力供給していたのでは、充分な省電力効果が望めないという問題点があった。
(本発明の課題)
そこで、本発明は、上述した問題点に鑑みて、データ通信の機能とは別に、外部から動作モードを簡易に操作できる機能をICタグに備えることを目的とする。
また、本発明では、外部からの簡易な操作で、ICタグに多様な動作を指示する技術を提供することを目的とする。
また、本発明は、外部から省電力モードの切り換え操作を可能にしたICタグを提供することを目的とする。
また、本発明は、外部から動作モードを切り換えるためのセンサの具体的な実現態様を提供することを目的とする。
《請求項1》
請求項1のICタグは、下記のデータ通信部、処理部、センサ、および動作切換部を備える。
データ通信部は、外部機器とデータ通信を行う機能を有する。
処理部は、このデータ通信部を制御する。
センサは、ICタグの外界について、外部(例えば操作者)から操作可能な所定の物理量をセンシングすることで、予め定められた外界状態を検出する。
動作切換部は、センサによる外界状態の検出に応じて、ICタグの動作モードを切り換える。
《請求項2》
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のICタグにおいて、センサによる外界状態の検出に応じて、動作切換部が切り換える動作モードを記憶する記録部を備える。
《請求項3》
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載のICタグにおいて、外界状態の検出回数と、ICタグの動作モードとの対応関係を記憶する記録部を備える。一方、動作切換部は、外界状態の検出回数を計数し、この検出回数に応じて記録部の対応関係を照合することにより、ICタグの動作モードを決定する。
《請求項4》
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載のICタグにおいて、動作切換部は、検出回数が所定の上限回数を上回ると、動作モードの切り換えを停止または中断する。
《請求項5》
請求項5に記載の発明は、請求項1に記載のICタグにおいて、外界状態の検出時点から次回の検出時点までの時間間隔を計測するタイマーを備える。また、この時間間隔を、ICタグの動作モードに変換する変換ルールを記憶する記録部も備える。
動作切換部では、タイマーで計測された時間間隔をこの変換ルールに照合することにより、ICタグの動作モードを決定する。
《請求項6》
請求項6に記載の発明は、請求項1に記載のICタグにおいて、予め定められた時間範囲を検出するタイマーを備える。また、時間範囲における外界状態の検出回数を、ICタグの動作モードに変換する変換ルールを記憶する記録部も備える。
動作切換部では、タイマーが検出した時間範囲において外界状態の検出回数を計測する。さらに、動作切換部は、この検出回数を変換ルールに照合することにより、ICタグの動作モードを決定する。
《請求項7》
請求項7に記載の発明は、請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載のICタグにおいて、動作切換部が切り換える動作モードは、『データ通信部の動作を停止させる処理』、『データ通信部の動作を開始させる処理』、『処理部の動作を停止させる処理』、および『処理部の動作を開始させる処理』の少なくとも一つである。
《請求項8》
請求項8に記載の発明は、請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載のICタグにおいて、処理部に動作クロックを供給するクロック部を備える。一方、動作切換部が切り換える動作モードは、『動作クロックの供給を停止させる処理』,『動作クロックの供給を間欠的に実施させる処理』および『動作クロックを供給させる処理』の少なくとも一つである。
《請求項9》
請求項9に記載の発明は、請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載のICタグにおいて、『データ通信に使用する高速クロック』と『高速クロックよりも遅い低速クロック』との切り換え機能を有するクロック部を備える。
一方、動作切換部が切り換える動作モードは、『クロック部の出力を低速クロックに切り換える処理』、および『クロック部の出力を高速クロックに切り換える処理』の少なくとも一つである。
《請求項10》
請求項10に記載の発明は、請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載のICタグにおいて、ICタグ内に電力供給を行う電力供給部を備える。
一方、動作切換部が切り換える動作モードは、『電力供給部の電力供給を全部停止させる処理』、『電力供給部の電力供給を一部停止させる処理』、および『電力供給部の電力供給を実行させる処理』の少なくとも一つである。
《請求項11》
請求項11に記載の発明は、請求項1ないし請求項10のいずれか1項に記載のICタグにおいて、センサは、下記のセンサ群のいずれか一つである。
(1)磁気を検出する磁気センサ
(2)電界を検出する電界センサ
(3)光を検出する光センサ
(4)静電容量や誘電率を検出する静電容量センサ
(5)圧電センサ
(6)圧力センサ
(7)接触センサ
(8)電磁波センサ
(9)電圧センサ
(10)磁界によってスイッチ切換を行うリードスイッチ
(11)太陽電池
(12)音センサ
(13)温度センサ
(14)気圧センサ
(15)ガスセンサ
(16)加速度センサ
(17)歪みセンサ
(請求項1)
請求項1のICタグは、データ通信部によるデータ通信とは別に、センサによる動作切り換え機能を有する。
すなわち、このICタグは、内蔵するセンサを用いて周囲の物理量をセンシングし、予め定められた外界状態の検出に応じて、ICタグの動作モードを切り換える。
ここで、センサが検出する物理量は、外部から操作可能な物理量とする。したがって、外部からの物理量操作によって、センサの検出結果が変化し、それに応じて、ICタグの動作モードを外部から操作することが可能になる。
このような外部操作の待ち受け動作に限れば、センサ関係のみに通電して待ち受け状態におけばよい。一般に、データ通信部は、データ通信用の高速クロックで動作し、かつ外部とのデータ通信に大きな電力を必要とするために、省電力化が難しい。しかし、センサは、周囲の物理量のセンシングに必要な待ち受け電力で済み、更に太陽電池のように物理量をエネルギー変換するものについては、その待ち受け電力さえも不要にできる。
したがって、センサを設けることでICタグを外部から操作する構成では、従来不可能であった大幅な省電力化が可能になる。
さらに、ICタグの外表面に、従来例のような操作部材を設ける必要がなくなり、一段と小さなICタグを作成できる。また、操作部材に必要な強い力を、ICタグの外表面に印加する必要がないため、ICタグに構造的な劣化は起こりにくい。
また、外部からセンサの検出結果を操作することで動作モードを切り換えるため、可逆的かつ柔軟な動作モードの切り換えが容易に実現できる。したがって、従来例で述べたような、出荷直前に電源オンにすると、二度と電源オフにできないなどの問題を回避できる。
(請求項2)
請求項2のICタグでは、記録部に、センサの検出結果に応じて動作切換部が切り換える動作モードが記録されている。したがって、記録部の内容を変更することで、同一構造のICタグであっても、外部操作で切り換える動作モードを柔軟かつ多様に変更することが可能になる。例えば、データ通信部を介して、この動作モードの決定ルールを書き換えるなどの態様が可能となる。
(請求項3)
請求項3のICタグは、外界状態の検出回数に応じて、ICタグの動作モードが切り換わる。したがって、所定の外界状態をICタグに反復して与えることにより、ICタグの動作モードを順次に変更することが可能になる。
例えば、検出回数に応じて、所定周期で循環式に動作モードを切り換えることにより、多様な動作モードの中から、所望の動作モードを選択することが可能になる。
また例えば、検出1回目、2回目、3回目・・の順番に、適当な動作シーケンスを設定しておけば、この動作シーケンスの進行タイミングを、外部から外界状態を反復して与えることで指示することも可能になる。
これら例のように、ICタグに外界状態を与えるという単純な外部操作でありながら、より複雑な動作モードをICタグに指示することが可能になる。
(請求項4)
請求項4のICタグは、検出回数が所定の上限回数を上回ると、動作モードの切り換えを停止または中断する。
このような動作により、外界状態を上限回数を越えてICタグに与えることにより、ICタグのセンサを用いた動作モードの切り換え(外部操作)を打ち切ることができる。その後、実使用下において、ICタグが外界状態にたまたま遭遇しても動作モードの切り換えは起こらなくなり、実使用下における誤動作のおそれがなくなる。
(請求項5)
請求項5のICタグは、外界状態の検出時点から次回の検出時点までの時間間隔を計測し、記録部の変換ルールに従って、その時間間隔をICタグの動作モードに変換する。
この場合も、ICタグに外界状態を与えるという単純な外部操作でありながら、より複雑な動作モードをICタグに指示することが可能になる。
さらに、検出回数毎に動作モードを順次切り換える場合に比べて、上記動作では、途中の動作モードの切り換えを省略できる。すなわち、外界状態を与える時間間隔によって、所望の動作モードをダイレクトに選択し、その動作モードにダイレクトに切り換えることが可能になる。
また、時間間隔の選択肢は無数にあり、その内のいくつかを動作モードに割り当てればよい。したがって、稼働中のICタグがたまたま外界状態に遭遇しても、動作モード切り換えにたまたま該当する確率は極めて低い。そのため、実使用下における誤動作のおそれを低くすることができる。
(請求項6)
請求項6のICタグは、予め定められた時間範囲における外界状態の検出回数に応じて、動作モードを決定する。
この場合も、ICタグに外界状態を与えるという単純な外部操作でありながら、より複雑な動作モードをICタグに指示することが可能になる。
さらに、検出回数毎に動作モードを順次切り換える場合に比べて、上記動作では、途中の動作モードの切り換えを省略できる。すなわち、その時間範囲に与える外界状態の回数によって、所望の動作モードをダイレクトに選択し、その動作モードにダイレクトに切り換えることが可能になる。
なお、誤動作を避ける方策として、実使用下において時間範囲に想定しうる外界状態の遭遇回数(例えば、1回とか2回)については、動作切り換えを行わないように変換ルールを定めておくことが好ましい。
(請求項7)
請求項7のICタグにおいて、動作切換部が切り換える動作モードが、下記の処理群の内の少なくとも一つである。
(A)『データ通信部の動作を停止させる処理』・・この処理により、データ通信部による比較的大きな電力消費を抑え、ICタグの使用可能時間を大幅に延長することができる。
(B)『データ通信部の動作を開始させる処理』・・この処理により、データ通信部の動作開始タイミングを、ICタグの外部から指示できる。
(C)『処理部の動作を停止させる処理』・・この処理により、処理部における電力消費を抑え、ICタグの使用可能時間を延長することができる。
(D)『処理部の動作を開始させる処理』・・この処理により、処理部の動作開始タイミングを、ICタグの外部から指示できる。
(請求項8)
請求項8のICタグにおいて、動作切換部が切り換える動作モードが、下記の処理群の内の少なくとも一つである。
(A)『動作クロックの供給を停止させる処理』・・この処理により、動作クロックによって行われるICタグ内の動作を停止させて電力消費を抑え、ICタグの使用可能時間を大幅に延長することができる。
(B)『動作クロックの供給を間欠的に実施させる処理』・・この処理により、動作クロックによって行われるICタグ内の動作を間欠的に実施して電力消費を抑え、ICタグの使用可能時間を延長することができる。
(C)『動作クロックを供給させる処理』・・この処理により、動作クロックによって行われるICタグ内の動作開始タイミングを、ICタグの外部から指示できる。
(請求項9)
請求項9のICタグにおいて、動作切換部が切り換える動作モードが、下記の処理群の内の少なくとも一つである。
(A)『クロック部の出力を低速クロックに切り換える処理』・・この処理により、低速クロックによってICタグの動作速度を遅くして電力消費を抑え、ICタグの使用可能時間を延長することができる。
(B)『クロック部の出力を高速クロックに切り換える処理』・・この処理により、ICタグの動作速度を高速化するタイミングを、ICタグの外部から指示できる。
(請求項10)
請求項10のICタグにおいて、動作切換部が切り換える動作モードが、下記の処理群の内の少なくとも一つである。
(A)『電力供給部の電力供給を全部停止させる処理』・・この処理により、ICタグの電力消費を抑え、ICタグの使用可能時間を延長することができる。
(B)『電力供給部の電力供給を一部停止させる処理』・・この処理により、ICタグの電力消費を抑え、ICタグの使用可能時間を延長することができる。
(C)『電力供給部の電力供給を実行させる処理』・・・・この処理により、ICタグ内部の電力供給タイミングを、ICタグの外部から指示できる。
(請求項11)
請求項11のICタグにおいて、センサは、下記のセンサ群のいずれか一つである。
(1)磁気を検出する磁気センサ・・ICタグが磁気センサを備えることにより、例えば、ICタグに磁石を近づけたり、ICタグの近傍に配置した導線に電流を流して磁界を生じさせるなどの簡単な磁気操作が可能となる。したがって、ICタグの動作モードを外部から容易に切り換えることができる。
(2)電界を検出する電界センサ・・ICタグが電界センサを備えることにより、例えば、電位差を与えた電極間にICタグを配置するなどの簡単な電界操作により、ICタグの動作モードを外部から容易に切り換えることができる。
(3)光を検出する光センサ・・ICタグが外界の光を検出する光センサを備えることにより、例えば、ICタグに光を照射したり、ICタグを暗所(遮蔽袋など)から出し入れしたり、ICタグを遮蔽シートで覆ったりといった簡単な光操作で、ICタグの動作モードを外部から容易に切り換えることができる。
(4)静電容量や誘電率を検出する静電容量センサ・・ICタグが静電容量センサを備えることにより、例えば、ICタグの周囲の誘電率を変化させたり、ICタグの近傍の動体との距離を変化させたり、指などでICタグに接触するといった簡単な静電容量操作により、ICタグの動作モードを外部から容易に切り換えることができる。
(5)圧電センサ・・ICタグが圧電センサを備えることにより、例えば、ICタグ(圧電センサ)に微小な機械的歪みを与えるなどの簡単な操作により、ICタグの動作モードを外部から容易に切り換えることができる。
(6)圧力センサ・・ICタグが圧力センサを備えることにより、例えば、ICタグに僅かな圧力(構造劣化が生じない程度)を加えるなどの簡単な操作により、ICタグの動作モードを外部から容易に切り換えることができる。
(7)接触センサ・・ICタグが接触センサを備えることにより、例えば、指などでICタグに軽く接触するといった簡単な接触操作(構造劣化が生じない程度)により、ICタグの動作モードを外部から容易に切り換えることができる。
(8)電磁波センサ・・ICタグが電磁波センサを備えることにより、例えば、ICタグの近くで火花を発生させるなどの簡単な電磁波操作により、ICタグの動作モードを外部から容易に切り換えることができる。
(9)電圧センサ・・ICタグが電圧センサを備えることにより、例えば、ICタグに電圧を印加するなどの簡単な電圧操作により、ICタグの動作モードを外部から容易に切り換えることができる。
(10)磁界によってスイッチ切換を行うリードスイッチ・・ICタグがリードスイッチを備えることにより、例えば、ICタグに磁石を近づけたり、ICタグの近傍に配置した導線に電流を流して磁界を生じさせるなどの簡単な磁気操作により、ICタグの動作モードを外部から容易に切り換えることができる。
(11)太陽電池・・ICタグが、外界の光で発電する太陽電池を備えることにより、例えば、ICタグに光を照射したり、ICタグを暗所(遮蔽袋など)から出し入れしたり、ICタグを遮蔽シートで覆ったりといった簡単な光操作で、ICタグの動作モードを外部から容易に切り換えることができる。
(12)音センサ・・ICタグが、音センサを備えることにより、例えば、ICタグの近くで音を発生させるなどの簡単な音操作により、ICタグの動作モードを外部から容易に切り換えることができる。
(13)温度センサ・・ICタグが、温度センサを備えることにより、例えば、ICタグを冷やしたり、僅かに加熱したり(構造劣化が生じない程度)、ICタグの両端に温度差を与えるなどの簡単な温度操作により、ICタグの動作モードを外部から容易に切り換えることができる。
(14)気圧センサ・・ICタグが、気圧センサを備えることにより、例えば、気密性の袋に入ったICタグに対し袋を押すことで気圧を変更したり、実使用前にICタグを真空パックから出すなどの簡単な気圧操作により、ICタグの動作モードを外部から容易に切り換えることができる。
(15)ガスセンサ・・ICタグが、周囲のガスを検出するガスセンサを備えることにより、例えば、ICタグの周囲のガスを変更したり、ICタグの収納袋の封を切るなどの簡単なガス環境の操作により、ICタグの動作モードを外部から容易に切り換えることができる。
(16)加速度センサ・・ICタグが、加速度センサを備えることにより、例えば、ICタグを振るなどの簡単な加速度操作により、ICタグの動作モードを外部から容易に切り換えることができる。
(17)歪みセンサ・・ICタグが、歪みセンサを備えることにより、例えば、ICタグに僅かな機械的歪み(構造劣化が生じない程度)を与えるなどの簡単な歪み操作により、ICタグの動作モードを外部から容易に切り換えることができる。
《第1の実施形態》
[構成説明]
第1の実施形態は、ICタグに磁石を近づけたり、遠ざけることによって、ICタグの動作モードを外部から切り換える実施形態である。
図1は、このICタグ11の構成を示す図である。
このICタグ11は、下記のユニットを内蔵する。
(1)データ通信部13・・電波や赤外線などを用いてデータ通信を行う。
(2)記録部14・・通常のタグ動作に必要なプログラムやデータの他に、外部からの動作モードの切り換えに必要なプログラムやデータも記憶する。
例えば、切り換える動作モードとしては、次に挙げるものが好ましい。
『データ通信部13の動作を停止させる処理』、
『データ通信部13の動作を開始させる処理』、
『CPU16の動作を停止させる処理』、
『CPU16の動作を開始させる処理』、
『クロック回路16aからのクロック供給を停止させる処理』、
『クロック回路16aからのクロック供給を間欠的に実施させる処理』、
『クロック回路16aからのクロック供給を開始させる処理』、
『クロック回路16aの出力を低速クロックに切り換える処理』、
『クロック回路16aの出力を高速クロックに切り換える処理』、
『電力供給部17の電力供給を全部停止させる処理』、
『電力供給部17の電力供給を一部停止させる処理』、
『電力供給部17の電力供給を実行させる処理』
(3)磁気センサ15・・ICタグ11の周囲の磁気を検出するセンサ。例えば、強磁性体磁気抵抗素子(強磁性体の磁気抵抗効果を利用し、磁界強度により抵抗値が変化するセンサ)など。
(4)CPU16・・データ通信部13および記録部14を制御する。また、磁気センサ15の検出結果に応じてICタグ11の動作モードを切り換える機能も有する。
(5)クロック回路16a・・データ通信部13,CPU16などの動作クロックを生成する回路である。また、クロック周波数の切り換え機能も有する。
(6)電力供給部17・・電池などを備え、ICタグ11内に電力供給を行う。
[発明との対応関係]
以下、発明と本実施形態との対応関係について説明する。なお、ここでの対応関係は、参考のために一解釈を例示するものであり、本発明を徒らに限定するものではない。
請求項記載のデータ通信部は、データ通信部13に対応する。
請求項記載の記録部は、記録部14に対応する。
請求項記載の処理部は、CPU16の『ICタグ11を制御する機能』に対応する。
請求項記載のセンサは、磁気センサ15に対応する。
請求項記載の動作切換部は、CPU16の『磁気センサ15の検出結果に応じて、ICタグ11の動作モードを切り換える機能』に対応する。
請求項記載のタイマーは、CPU16およびクロック回路16aによる時間計測機能に対応する。
請求項記載のクロック部は、クロック回路16aに対応する。
請求項記載の電力供給部は、電力供給部17に対応する。
[ICタグ11に対する外部操作の方法]
次に、ICタグ11の動作モードを外部から切り換える操作方法について説明する。
図2は、この操作方法を説明する図である。
本実施形態では、磁石18をICタグ11に接近させることで、通常のタグ使用ではあり得ない程度に強い磁界をICタグ11に与える。ICタグ11内の磁気センサ15は、この強い磁界を『予め定められた外界状態』として検出し、CPU16に伝達する。
続いて、磁石18をICタグ11から遠ざけることで、ICタグ11に与えていた強い磁界を弱める。磁気センサ15は、この磁界の低下を『外界状態の変化』として検出し、CPU16に伝達する。
このように、ICタグ11に磁石18を近づけたり遠ざける操作によって、磁気センサ15の検出結果を操作し、ICタグ11に対して動作モードの切り換えを指示することができる。
[動作モードの選択について]
次に、ICタグ11による動作モードの切り換えシーケンスについて説明する。
図3(A)は、動作モードの切り換え動作の一例を示す図である。
この例の場合、2つの動作モードに対応した処理1および処理2が、記録部14にプログラムとして予め記録されている。
この状態で、磁気センサ15が外界状態を検出すると、CPU16は、処理1から処理2に動作を移行する。逆に、磁気センサ15が外界状態の消滅を検出すると、CPU16は、処理2から処理1に動作を移行する。
このような動作モードの切り換え動作では、ICタグ11に与える外界状態を操作することで、処理1および処理2を交互に切り換えることができる。
図3(B)は、動作モードの切り換え動作の別の一例を示す図である。
この例の場合、ICタグ11が実行する処理が、記録部14にプログラムとして予め記録されている。この処理の終了後に磁気センサ15が外界状態を検出すると、CPU16は、この処理を再び実行する。
このように、外界状態を契機にして停止状態のICタグ11を目覚めさせ、所定の処理を、外界状態を与えるタイミングで繰り返し実行させることができる。
図3(C)は、動作モードの切り換え動作の別の一例を示す図である。
この例の場合、各種の動作モードに対応する処理1〜3が、記録部14にプログラムとして予め記録されている。処理1は、ICタグ11の製造直後に実施される処理である。
この処理1の終了後または実行中に磁気センサ15が外界状態を検出すると(検出1回目)、CPU16は処理2に動作を移行する。
この処理2の終了後または実行中に磁気センサ15が外界状態を検出すると(検出2回目)、CPU16は処理3に動作を移行する。
その後、磁気センサ15が外界状態を検出しても(検出3回目以降)、CPU16は、動作モードの切り換えを行わず、処理3を継続する。
例えば、処理1を、ICタグ11の製造時の初期化処理とする。処理2は、初期化後にICタグ11で実施するテスト処理とする。処理3は、エンドユーザーのもとで、ICタグ11が実行する処理とする。
このようにして、外界状態の有無という単純な指示でありながら、3つ以上の動作モードをシーケンシャルに切り換えることができる。
図4(A)(B)は、動作モードの切り換え動作の別の一例を示す図である。
まず、磁気センサ15が外界状態を検出すると、その時点からCPU16は、クロック回路16aを用いて、3秒間の時間範囲を計測する。CPU16は、この時間範囲における外界状態の検出回数Nspanを計数する。図4(A)には、検出回数Nspanが1回になるケースと、2回になるケースを示している。
記録部14には、この検出回数Nspanを、対応する動作モードに変換する変換ルールと、各動作モードのプログラム(処理1,2,3・・)が予め記録されている。CPU16は、計測された検出回数Nspanをこの変換ルールに従って解釈して、実行する動作モードを選択する。
図4(B)には、この変換ルールの一例に相当する状態遷移図を示す。
この変換ルールでは、初期状態から外界状態を検出すると、『検出1回』に状態遷移する。この瞬間から時間範囲(ここでは3秒間)の計測がスタートする。
この状態のまま、時間範囲が経過してタイムアウトすると、CPU16は、検出回数Nspan1回に対応する処理1を実行する。この処理1が終了すると初期状態に戻り、CPU16は、次回の動作モードの切り換え指示を待機する。
なお、検出回数Nspanが1回の場合には、外界状態を誤検出している可能性があるため、処理1を『NOP』などの無効な処理にすることが好ましい。この場合、限られた時間範囲内に外界状態を2回以上検出した確実なケースのみ、動作モードの切り換えが行われるため、誤動作の発生確率を大幅に低減することができる。
一方、この時間範囲内に磁気センサ15が再び外界状態を検出すると、『検出2回』に状態遷移する。この状態のまま、時間範囲が経過してタイムアウトすると、CPU16は、検出回数Nspan2回に対応する処理2を実行する。処理2が終了すると初期状態に戻り、CPU16は、次回の動作モードの切り換え指示を待機する。
このような動作を繰り返すことにより、外界状態の有無という単純な指示でありながら、複数の動作モードをICタグ11に択一的に指示することが可能になる。
図5(A)(B)は、動作モードの切り換え動作の別の一例を示す図である。
まず、CPU16は、クロック回路16aを用いて、外界状態の検出時点から次回の検出時点までの時間間隔を計測する。図5(A)には、この時間間隔が3秒、1秒、2秒のケースについて示している。
記録部14には、この時間間隔を、対応する動作モードに変換する変換ルールと、各動作モードのプログラム(処理1,2,3・・)が予め記録されている。CPU16は、計測された時間間隔をこの変換ルールに従って解釈し、実行する動作モードを選択する。
図5(B)には、この変換ルールの一例に相当する状態遷移図を示す。
この変換ルールでは、最初の時間間隔が1秒の場合、CPU16は処理1を即時実行する。また、最初の時間間隔が2秒の場合、CPU16は処理2を即時実行する。一方、最初の時間間隔が3秒の場合、CPU16は『間隔3秒』に状態遷移して、次の時間間隔の計測結果を待機する。
2回目の時間間隔が1秒の場合、CPU16は処理3を実行する。また、2回目の時間間隔が2秒の場合、CPU16は処理4を実行する。一方、2回目の時間間隔が3秒の場合、CPU16は『間隔(3,3)』に状態遷移して、次の時間間隔の計測結果を待機する。
このような動作を繰り返すことにより、外界状態の有無という単純な指示でありながら、複数の動作モードをICタグ11に択一的に指示することが可能になる。
次に、ICタグ内におけるセンサ接続の態様について説明する。
《第2の実施形態》
図6は、ICタグ20のセンサ接続を説明する図である。
センサユニット23は、磁気センサと、磁気センサの出力を割り込み信号にレベル変換するコンパレータなどから構成される。
このセンサユニット23から出力された割り込み信号は、CPU21の割り込み端子に入力される。CPU21は、割り込み端子から割り込み信号が入力されると、HALTなどの休止状態を脱して、記録部24に記録された割り込み処理のプログラムを実施する。この割り込み処理において、外界状態の検出に同期した動作モードの実行や、動作モードの切り換え処理が実行される。
このように、CPU21の割り込み機能を利用することにより、CPU21でセンサ出力を定期的に監視する必要がなくなり、CPU21の処理負担を軽減することができる。
さらに、CPU21が休止状態にあっても、割り込み機能によって、センサによる外界状態の検出に答えて動作を開始することが可能になる。したがって、CPU21やデータ通信部25を休止させた状態や、クロック供給を一部停止または全部停止させた状態から、ICタグ20を目覚めさせ、所望の動作を開始させることができる。
《第3の実施形態》
図7は、ICタグ31のセンサ接続を説明する図である。
図7において、レギュレータ(またはDC−DCコンバータ)34は、電池32の電圧Vccを安定化して、安定化電圧Vddとして出力する。この安定化電圧Vddは、CPU35、データ通信部36、記録部37に電力供給される。
一方、センサユニット33は、電池32の電圧Vccによって作動する。このセンサユニット33は、磁気センサと、磁気センサによって外界状態を検出するたびに出力信号を反転(トグル動作)させる回路とから構成される。
このセンサユニット33の出力信号は、レギュレータ34のチップイネーブル端子に入力される。
上述した構成により、センサユニット33による外界状態の検出/非検出に応じて、レギュレータ34のオンオフ切り換えを行うことが可能になる。
その結果、ICタグ31に所定の外界状態を与えることにより、レギュレータ34をオフ状態にして、CPU35、データ通信部36、記録部37への電力供給を停止させ、ICタグ31を省電力モードの休止状態に移行させることが可能になる。
また、この状態からICタグ31を再び外界状態を与えることにより、レギュレータ34をオン状態にして、CPU35、データ通信部36、記録部37への電力供給を再開させ、ICタグ31を通常の動作状態に移行させることが可能になる。
《第4の実施形態》
図8は、ICタグ41のセンサ接続を説明する図である。
図8において、CPU43は、I/O端子からセンサユニット46に電源電圧Vddを供給する。CPU43には、データ通信部44、および記録部45が接続される。
例えば、図3(C)に示すようなケースでは、外界状態の検出回数が上限回数を超えると、外界状態の検出が不要となる。そこで、検出回数が上限回数を上回った時点で、CPU43は、I/O端子の出力電圧をローレベルまたはハイインピーダンス状態にして、センサユニット46に対する電力供給を遮断する。
このような動作により、必要な期間のみセンサユニット46に電力を供給し、それ以外の期間はセンサユニット46への電力供給を停止させることが可能となる。その結果、ICタグ41を更に省電力化することが可能になる。特に、この構成は、電力消費の大きいフォトトランジスタをセンサとして使用する場合などに有効である。
《第5の実施形態》
図9は、ICタグ51のセンサ接続を説明する図である。
図9において、CPU56には、データ通信部54、および記録部55が接続される。このデータ通信部54のチップイネーブル端子には、センサユニット53の出力信号が入力される。
このような構成では、ICタグ51に与えた外界状態(磁石を近づけるなど)をセンサユニット53で検出し、電力消費の比較的大きなデータ通信部54を直にオンオフ切り換えすることが可能になる。
《第6の実施形態》
図10は、ICタグ61のセンサ接続を説明する図である。
図10において、CPU62には、データ通信部63、および記録部64が接続される。センサ65による外界状態の検出回数は、カウンタ66で計数される。カウンタ66で計数された検出回数は、CPU62に入力される。なお、CPU62からカウンタ66には、検出回数をリセットする信号が出力可能である。
このような構成では、ICタグ61に与えた外界状態(磁石を近づけるなど)をカウンタ66で計数し、この検出回数に応じて、CPU62で動作モードを切り換えることが可能になる。
《実施形態の補足事項》
なお、上述した実施形態では、ICタグ内に記録部を備えたケースについて説明した。しかしながら、プログラム用のメモリは、他のタグや、ICタグとネットワークで接続されるサーバ内にあってもよい。この場合は、データ通信部を介してプログラムを必要に応じてダウンロードすればよい。
また、上述した実施形態では、磁気センサを使用する場合について説明した。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではない。一般的には、外部操作の可能な物理量をセンシングするセンサであればよい。例えば、電界センサ、光を検出する光センサ、静電容量センサ、圧電センサ、圧カセンサ、接触センサ、電磁波センサ、電圧センサ、リードスイッチ、受光素子としての太陽電池、温度センサ、気圧センサ、ガスセンサ、加速度センサ、歪みセンサ、超音波センサ等の音センサなどが好ましい。
なお、ICタグの電源としては、コイン型電池、ボタン型電池等の1次電池、2次電池や太陽電池、圧電素子、熱電素子などの発電を伴う電源、キャパシタ等が好ましい。
また、上述した実施形態は、所定の外界状態か否かという二値検出に従って動作切り換えを行っている。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、外界状態を複数設定することにより、複数種類の動作モードから一つを選択することも可能である。
また、物理量の値それ自体ではなく、物理量の変化方向や変化幅などの条件に基づいて外界状態を検出してもよい。例えば磁気センサであれば、磁気の変化方向や変化幅に基づいて、磁石が近づいているのか、遠ざかっているのか、磁石の移動幅といった情報を、外界状態として検出することが可能になる。
さらに、複数種類のセンサを搭載することにより、外界状態の論理組み合わせが可能になる。これらの論理(論理和や論理積や否定など)に応じて、切り換える動作モードを決定してもよい。
なお、上述した実施形態では、タグ形状のICタグについて説明した。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、ICカードに本発明を適用してもよい。
以上説明したように、本発明は、ICタグなどに利用可能な技術である。
ICタグ11の構成を示す図である。 外部からICタグ11に与える操作を説明する図である。 動作モードの変換ルールを示す状態遷移図である。 動作モードの変換ルールを示す説明図である。 動作モードの変換ルールを示す説明図である。 ICタグ20のセンサ接続を説明する図である。 ICタグ31のセンサ接続を説明する図である。 ICタグ41のセンサ接続を説明する図である。 ICタグ51のセンサ接続を説明する図である。 ICタグ61のセンサ接続を説明する図である。
符号の説明
11 ICタグ
13 データ通信部
14 記録部
15 磁気センサ
16 CPU
16a クロック回路
17 電力供給部
18 磁石
21 CPU
23 センサユニット
31 ICタグ
32 電池
33 センサユニット
34 レギュレータ
35 CPU
36 データ通信部
37 記録部
41 ICタグ
43 CPU
44 データ通信部
45 記録部
46 センサユニット
51 ICタグ
53 センサユニット
54 データ通信部
55 記録部
56 CPU
62 CPU
66 カウンタ

Claims (11)

  1. 外部機器とデータ通信を行うデータ通信部と、
    前記データ通信部を制御する処理部と
    を備えたICタグであって、
    前記ICタグの外界について、外部操作可能な所定の物理量をセンシングすることにより、予め定められた外界状態を検出するセンサと、
    前記外界状態の検出に応じて、前記ICタグの動作モードを切り換える動作切換部と
    を備えたことを特徴とするICタグ。
  2. 請求項1に記載のICタグにおいて、
    前記外界状態の検出に応じて切り換える前記動作モードを記憶する記録部を備えた
    ことを特徴とするICタグ。
  3. 請求項1に記載のICタグにおいて、
    前記外界状態の検出回数と、前記ICタグの動作モードとの対応関係を記憶する記録部を備え、
    前記動作切換部は、前記外界状態の検出回数を計数し、計数された前記検出回数を前記対応関係に照合して前記ICタグの動作モードを決定する
    ことを特徴とするICタグ。
  4. 請求項3に記載のICタグにおいて、
    前記動作切換部は、前記検出回数が所定の上限回数を上回ると、動作モードの切り換えを停止または中断する
    ことを特徴とするICタグ。
  5. 請求項1に記載のICタグにおいて、
    前記外界状態の検出時点から次回の検出時点までの時間間隔を計測するタイマーと、
    前記時間間隔を、前記ICタグの動作モードに変換する変換ルールを記憶する記録部とを備え、
    前記動作切換部は、前記タイマーで計測された前記時間間隔を前記変換ルールに照合することにより、前記ICタグの動作モードを決定する
    ことを特徴とするICタグ。
  6. 請求項1に記載のICタグにおいて、
    予め定められた時間範囲を検出するタイマーと、
    前記時間範囲における前記外界状態の検出回数を、前記ICタグの動作モードに変換する変換ルールを記憶する記録部とを備え、
    前記動作切換部は、前記時間範囲において前記外界状態の検出回数を計測し、計測した前記検出回数を前記変換ルールに照合して前記ICタグの動作モードを決定する
    ことを特徴とするICタグ。
  7. 請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載のICタグにおいて、
    前記動作モードは、『前記データ通信部の動作を停止させる処理』、『前記データ通信部の動作を開始させる処理』、『前記処理部の動作を停止させる処理』、および『前記処理部の動作を開始させる処理』の少なくとも一つである
    ことを特徴とするICタグ。
  8. 請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載のICタグにおいて、
    前記処理部に動作クロックを供給するクロック部を備え、
    前記動作モードは、『前記動作クロックの供給を停止させる処理』、『前記動作クロックの供給を間欠的に実施させる処理』、および『前記動作クロックを供給させる処理』の少なくとも一つである
    ことを特徴とするICタグ。
  9. 請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載のICタグにおいて、
    『データ通信に使用する高速クロック』と『前記高速クロックよりも遅い低速クロック』との切り換え機能を有するクロック部を備え、
    前記動作モードは、『前記クロック部の出力を低速クロックに切り換える処理』、および『前記クロック部の出力を高速クロックに切り換える処理』の少なくとも一つである
    ことを特徴とするICタグ。
  10. 請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載のICタグにおいて、
    前記ICタグ内に電力供給を行う電力供給部を備え、
    前記動作モードは、『前記電力供給部の電力供給を全部停止させる処理』、『前記電力供給部の電力供給を一部停止させる処理』、および『前記電力供給部の電力供給を実行させる処理』の少なくとも一つである
    ことを特徴とするICタグ。
  11. 請求項1ないし請求項10のいずれか1項に記載のICタグにおいて、
    前記センサは、磁気を検出する磁気センサ、電界を検出する電界センサ、光を検出する光センサ、静電容量や誘電率を検出する静電容量センサ、圧電センサ、圧力センサ、接触センサ、電磁波センサ、電圧センサ、磁界によってスイッチ切換を行うリードスイッチ、太陽電池、温度センサ、気圧センサ、ガスセンサ、加速度センサ、歪みセンサ、および音センサの少なくとも一つである
    ことを特徴とするICタグ。
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