JP2005291642A - 設備機器の性能劣化評価方法、設備機器の性能劣化評価システムおよび設備機器の情報収集装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 設備機器の性能劣化評価方法は、第1ステップS1と、第2ステップS2と、第3ステップS3とを備える。第1ステップS1では、空気調和機への負荷に関する負荷条件と、負荷条件における空気調和機のエネルギー消費量とを含む設備情報を取得する。第2ステップS2では、設備情報のうち特定期間の設備情報であって、負荷条件が特定条件を満たす基本情報のみを蓄積する。第3ステップS3では、特定期間の基本情報の消費電力量と、同時期の特定条件を満たす設備情報の消費電力量とを比較して性能劣化を評価する。
【選択図】 図3
Description
一方、設備機器から情報を取得して遠隔から設備機器の故障監視などを行う遠隔監視サービスが近年利用されている(特許文献1参照)。例えば、空気調和機の遠隔監視サービスでは、各種の温度情報や消費電力量などの情報が空気調和機から取得される。これらの情報は、遠隔に配置された監視装置に定期的に送られ蓄積され、故障監視などに用いられる。従って、これらの情報を用いて性能劣化の評価を行うことも可能である。
この設備機器の性能劣化評価方法では、特定情報のうちさらに特定期間の特定情報が、基本情報として蓄積され、性能劣化の評価に用いられる。このため、この設備機器の性能劣化評価方法では、性能劣化の評価において蓄積される情報の量をより抑えることができる。
この設備機器の性能劣化評価方法では、設備機器の設置初期の期間の特定情報が蓄積され、性能劣化の評価に利用される。従って、設置初期における設備機器の性能と、設置後時間が経過した設備機器の性能とを比較することができると共に、蓄積される情報の量をより抑えることができる。
この設備機器の性能劣化評価方法では、空気調和機の設置後の1年間に含まれる期間における特定情報が基本情報として蓄積される。空気調和機は、夏や冬など季節による影響を受け易く、1年毎に近似の負荷条件が繰り返されることが多い。従って、空気調和機の設置後の1年間に含まれる期間における特定情報を基本情報として、その後の同時期の特定情報と比較するによって、適切に性能の比較を行うことができる。また、数年間分の特定情報を蓄積する必要が無いため、性能劣化の評価において蓄積される情報の量をより抑えることができる。
この設備機器の性能劣化評価方法では、設備機器の設置後の初めの夏期間における特定情報を基本情報として、その後の夏期間における特定情報と比較することによって、適切に性能の比較を行うことができる。また、数年間分の特定情報を蓄積する必要が無いため、性能劣化の評価において蓄積される情報の量をより抑えることができる。
この設備機器の性能劣化評価方法では、設備機器の設置後の初めの冬期間における特定情報を基本情報として、その後の冬期間における特定情報と比較することによって、適切に性能の比較を行うことができる。また、数年間分の特定情報を蓄積する必要が無いため、性能劣化の評価において蓄積される情報の量をより抑えることができる。
この設備機器の性能劣化評価方法では、設定温度に関する条件を満たす場合のエネルギー消費量が比較される。設定温度は、空気調和機への負荷へ影響を与えるパラメータであるため、設定温度に関する条件を満たす場合のエネルギー消費量が比較されることによって、近似の負荷条件におけるエネルギー消費量の比較を行うことができる。このため、この設備機器の性能劣化評価方法では、適切な性能劣化の評価を行うことができる。
この設備機器の性能劣化評価方法では、空気調和機が設置された環境の環境温度に関する条件を満たす場合のエネルギー消費量が比較される。環境温度は、空気調和機への負荷へ影響を与えるパラメータであるため、環境温度に関する条件を満たす場合のエネルギー消費量が比較されることによって、近似の負荷条件におけるエネルギー消費量の比較を行うことができる。このため、この設備機器の性能劣化評価方法では、適切な性能劣化の評価を行うことができる。
この設備機器の性能劣化評価方法では、室外温度に関する条件を満たす場合のエネルギー消費量が比較される。室外温度は、空気調和機への負荷へ影響を与えるパラメータであるため、室外温度に関する条件を満たす場合のエネルギー消費量が比較されることによって、近似の負荷条件におけるエネルギー消費量の比較を行うことができる。このため、この設備機器の性能劣化評価方法では、適切な性能劣化の評価を行うことができる。
この設備機器の性能劣化評価方法では、室内温度に関する条件を満たす場合のエネルギー消費量が比較される。室内温度は、空気調和機への負荷へ影響を与えるパラメータであるため、室内温度に関する条件を満たす場合のエネルギー消費量が比較されることによって、近似の負荷条件におけるエネルギー消費量の比較を行うことができる。このため、この設備機器の性能劣化評価方法では、適切な性能劣化の評価を行うことができる。
請求項3に記載の設備機器の性能劣化評価方法では、設備機器の設置初期の期間の特定情報が蓄積され、性能劣化の評価に利用される。従って、設置初期における設備機器の性能と、設置後時間が経過した設備機器の性能とを比較することができると共に、蓄積される情報の量をより抑えることができる。
請求項5に記載の設備機器の性能劣化評価方法では、設備機器の設置後の初めの夏期間における特定情報を基本情報として、その後の夏期間における特定情報と比較することによって、適切に性能の比較を行うことができる。また、数年間分の特定情報を蓄積する必要が無いため、性能劣化の評価において蓄積される情報の量をより抑えることができる。
請求項7に記載の設備機器の性能劣化評価方法では、設定温度に関する条件を満たす場合のエネルギー消費量が比較されることによって、近似の負荷条件におけるエネルギー消費量の比較を行うことができる。このため、この設備機器の性能劣化評価方法では、適切な性能劣化の評価を行うことができる。
請求項9に記載の設備機器の性能劣化評価方法では、室外温度に関する条件を満たす場合のエネルギー消費量が比較されることによって、近似の負荷条件におけるエネルギー消費量の比較を行うことができる。このため、この設備機器の性能劣化評価方法では、適切な性能劣化の評価を行うことができる。
請求項11に記載の設備機器の性能劣化評価システムでは、特定条件を満たす近似の負荷条件におけるエネルギー消費量が比較されて性能劣化が評価される。このため、性能劣化を適切に評価することができる。そして、評価に利用される情報は、設備情報のうち特定条件を満たす特定情報のみであるため、蓄積される情報の量を抑えることができる。従って、この設備機器の性能劣化評価システムでは、性能劣化の評価において蓄積される情報の量を抑えることができる。
<システム全体の構成>
本発明の第1実施形態にかかる性能劣化評価システム1aの構成を図1に示す。
この性能劣化評価システム1aは、評価対象である第1物件内の空調を行う第1空気調和機2aの基本的な情報を第1集中制御装置3aに蓄積し、第1空気調和機2aの性能劣化の評価を行うシステムである。
<空気調和機の構成>
第1空気調和機2aは、ビルや工場等の物件にそれぞれ配置され室内の冷暖房等の空気調和を行う。
第1集中制御装置3aは、第1空気調和機2aと通信線によって接続されており、複数の室内機6a−6hおよび複数の室外機7a,7bの性能劣化を評価するための情報を収集すると共に、複数の室内機6a−6hおよび複数の室外機7a,7bを集中制御する。第1集中制御装置3aは、第1空気調和機2aが配置されている第1物件内の管理室などに配置されている。
複数の入出力ポートP1,P2は、第1空気調和機2aの系統SY1,SY2からの設備情報を1時間ごとにそれぞれ受信する。複数の入出力ポートP1,P2は、系統SY1,SY2と通信線によってそれぞれ接続されている。第1集中制御装置3aは、第1入出力ポートP1と第2入出力ポートとを有しており、第1系統SY1からの通信線が第1入出力ポートP1に接続されている。また、第2系統SY2からの通信線が第2入出力ポートP2に接続されている。従って、系統SY1,SY2ごとの設備情報が各入出力ポートP1,P2を介して、第1集中制御装置3aに集められ取得される。この設備情報には、負荷条件と消費電力量とが含まれる。負荷条件は、第1空気調和機2aが受けた負荷を表すパラメータであり、室内機6a−6hから送られる室内温度、室外機7a,7bから送られる室外温度、室内機6a−6hにおける設定温度を含む。また、消費電力量は、各負荷条件における室内機6a−6hの消費電力量である。
出力部31aは、第1空気調和機2aから受信する設備情報や性能劣化評価の結果などを出力する部分である。
本発明にかかる性能劣化評価方法を図3に基づいて説明する。
この性能劣化評価方法は、第1ステップS1、第2ステップS2および第3ステップS3を備える。
第1ステップS1では、設備情報が受信される。設備情報は、上述したように第1空気調和機2aから送信され第1集中制御装置3aにおいて受信されて取得される。
次に第3ステップS3へと進む。第3ステップS3では、性能劣化評価が行われる。性能劣化の評価は、上記の基本情報と、毎年の同時期・同負荷条件での設備情報とを比較することによって行われ、第1集中制御装置3aが行う。
(1)
この性能劣化評価方法では、設備情報のうち基本情報のみが蓄積されて、性能劣化の評価に利用される。従って、特定条件を満たす近似の負荷条件における電力消費量が比較されて性能劣化が評価される。このため、性能劣化を適切に評価することができる。そして、性能劣化の評価は、第1空気調和機の設置後の1年間に取得された基本情報のみを蓄積して、その後に新たに得られた設備情報と比較することによって行われる。このため、基本情報以外の情報は一時的に記憶するだけに留めて後に消去することによって、蓄積される情報の量を抑えることができる。従って、この性能劣化評価方法では、性能劣化の評価において蓄積される情報の量を抑えることができる。これにより、集中制御装置においてメモリーの容量の制約が厳しい場合においても、適切な性能劣化の評価を行うことができ、評価結果をメンテナンス時期の判定や空気調和機の設置後の性能検証などに利用することができる。
従来、性能劣化の評価が行われる場合には、集中熱源方式では熱源の冷媒の出入り口温度や流量などから冷暖房能力の計測が行われ、成績係数(COP)の計算が行われることが多い。しかし、このような性能劣化評価方法では、室外機および室内機がパッケージ化されたパッケージ型空気調和機では、設置後に流量計などを追加することが構造上困難である。従って、冷媒の流量の計測を行うことが困難であり、冷暖房能力の計測が困難である。また、パッケージ型空気調和機において冷暖房能力を計測するためには、一定条件下の元で最大負荷を掛けて計測することが、より正確な計測のために必要である。しかし、空気調和機の設置後の運用状態では、このような計測には多大なコストが必要となる。
<構成>
本発明の第2実施形態にかかる性能劣化評価システム1bの構成を図4に示す。
この性能劣化評価システム1bは、管理対象である複数の物件内にそれぞれ配置された空気調和機2a,2bを集中制御装置3a,3bによって制御すると共に、集中制御装置3a,3bを介して空気調和機2a,2bの設備情報を遠隔管理センタ内の遠隔管理装置4に集めることによって空気調和機2a,2bを遠隔から管理するシステムである。
集中制御装置3a,3bは、第1実施形態にかかる第1集中制御装置3aと略同様の構成であるが、遠隔管理装置4と制御信号の送受信を行う。集中制御装置3a,3bには、第1集中制御装置3aと第2集中制御装置3bとがある。第1集中制御装置3aは、第1空気調和機2aと接続されており、第1空気調和機2aの設備情報を収集して遠隔管理装置4へと送信すると共に、第1空気調和機2aを集中制御する。第1集中制御装置3aは、第1空気調和機2aが配置されている第1物件内の管理室などに配置されている。第2集中制御装置3bは、第2空気調和機2bと接続されており、第2空気調和機2bが配置されている第2物件内の管理室などに配置されている。第2集中制御装置3bは、第2空気調和機2bの設備情報を収集して遠隔管理装置4へと送信すると共に、第2空気調和機2bを集中制御する。第2集中制御装置3bも第1集中制御装置3aと同様の構成である。
この性能劣化評価システム1bでは、物件への空気調和機2a,2bの納入時に基本情報の蓄積機能を有する集中制御装置3a,3bが備えられていない場合であっても、後に基本情報の蓄積機能を有する集中制御装置3a,3bを設置することによって、性能劣化評価を適切に行うことができる。
(1)
上記の第1実施形態では、第1集中管理装置3aにおいて性能劣化評価が行われているが、第1集中管理装置3aは性能劣化評価を行わず、基本情報の蓄積までを行うものであってもよい。例えば、第1集中管理装置3aに蓄積された基本情報が第1集中管理装置3aの出力部31aから外部へと出力されることによって、第1集中管理装置3aの外部の装置において性能劣化評価が行われても良い。
上記の実施形態では、第1空気調和機2aの設置後の1年間の設備情報であって負荷条件が特定条件を満たす情報が基本情報として蓄積されているが、性能劣化評価の基礎として用いることができるものであれば、蓄積される情報はこれらの情報に限られるものではない。例えば、第1空気調和機2aの設置後の1年間のうち、夏期間および冬期間の一定期間だけの設備情報を基本情報として蓄積することによって、必要なメモリーの容量をさらに低減させることができる。
2a 第1空気調和機(設備機器)
2b 第2空気調和機(設備機器)
3a 第1集中制御装置(情報収集装置)
3b 第2集中制御装置(情報収集装置)
4 遠隔管理装置(評価部)
30a 記憶部
32a 集中制御部(評価部)
P1,P2 入出力ポート(設備情報取得部)
S1 第1ステップ
S2 第2ステップ
S3 第3ステップ
Claims (12)
- 設備機器(2a,2b)への負荷に関する負荷条件と前記負荷条件における前記設備機器(2a,2b)のエネルギー消費量とを含む設備情報を取得する第1ステップ(S1)と、
前記設備情報のうち前記負荷条件が特定条件を満たす特定情報のみを蓄積する第2ステップ(S2)と、
蓄積された複数の前記特定情報の前記エネルギー消費量を比較して性能劣化を評価する第3ステップ(S3)と、
を備える設備機器の性能劣化評価方法。 - 前記第2ステップ(S2)では、前記特定情報のうち特定期間の前記特定情報を基本情報として蓄積し、
前記第3ステップ(S3)では、前記基本情報の前記エネルギー消費量と、他の前記特定情報の前記エネルギー消費量とを比較して性能劣化を評価する、
請求項1に記載の設備機器の性能劣化評価方法。 - 前記特定期間は、前記設備機器(2a,2b)の設置初期の期間である、
請求項2に記載の設備機器の性能劣化評価方法。 - 前記設備機器(2a,2b)は空気調和機(2a,2b)であり、
前記特定期間は、前記設備機器(2a,2b)の設置後の1年間に含まれる期間である、
請求項3に記載の設備機器の性能劣化評価方法。 - 前記特定期間は、少なくとも前記設備機器(2a,2b)の設置後の初めの夏期間を含む、
請求項4に記載の設備機器の性能劣化評価方法。 - 前記特定期間は、少なくとも前記設備機器(2a,2b)の設置後の初めの冬期間を含む、
請求項4または5に記載の設備機器の性能劣化評価方法。 - 前記設備機器(2a,2b)は、空気調和機(2a,2b)であり、
前記負荷条件は、前記空気調和機(2a,2b)の設定温度を含む、
請求項1から6のいずれかに記載の設備機器の性能劣化評価方法。 - 前記設備機器(2a,2b)は、空気調和機(2a,2b)であり、
前記負荷条件は、前記空気調和機(2a,2b)が設置された環境の環境温度を含む、
請求項1から7のいずれかに記載の設備機器の性能劣化評価方法。 - 前記負荷条件は、室外温度を含む、
請求項8に記載の設備機器の性能劣化評価方法。 - 前記負荷条件は、室内温度を含む、
請求項8または9に記載の設備機器の性能劣化評価方法。 - 設備機器(2a,2b)への負荷に関する負荷条件と前記負荷条件における前記設備機器(2a,2b)のエネルギー消費量とを含む設備情報を取得する設備情報取得部(P1,P2)と、
前記設備情報のうち前記負荷条件が特定条件を満たす特定情報のみを蓄積する記憶部(30a)と、
前記記憶部(30a)に蓄積された複数の前記特定情報の前記エネルギー消費量を比較して性能劣化を評価する評価部(4,32a)と、
を備える設備機器の性能劣化評価システム(1a,1b)。 - 設備機器(2a,2b)の性能劣化を評価するための情報を収集する情報収集装置であって、
前記設備機器(2a,2b)への負荷に関する負荷条件と前記負荷条件における前記設備機器(2a,2b)のエネルギー消費量とを含む設備情報を取得する設備情報取得部(P1,P2)と、
前記設備情報のうち前記負荷条件が特定条件を満たす特定情報のみを蓄積する記憶部(30a)と、
を備える設備機器の情報収集装置(3a,3b)。
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