JP2005290461A - 高強度・低抵抗のCu−Fe系焼結体、それに用いる粉末、およびその焼結体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】引張強度400MPa以上でかつ体積抵抗率14μΩ・cm以下のCu−Fe系焼結体およびそれに用いる粉末、焼結体製造法を提供する。
【解決手段】Cu含有量が40〜70質量%である、或いはFeの一部をCrで置換したCu−Fe系合金をガスアトマイズし、液相凝固時の2相分離によりFeリッチ相が中心部、Cuリッチ相が外周部に存在する二重構造の粉末ないし、両相が均一に分散した粉末を製造する。それら粉末を成形し放電プラズマ焼結する。
【選択図】なし
【解決手段】Cu含有量が40〜70質量%である、或いはFeの一部をCrで置換したCu−Fe系合金をガスアトマイズし、液相凝固時の2相分離によりFeリッチ相が中心部、Cuリッチ相が外周部に存在する二重構造の粉末ないし、両相が均一に分散した粉末を製造する。それら粉末を成形し放電プラズマ焼結する。
【選択図】なし
Description
本発明は高強度・低抵抗のCu−Fe系焼結体とその製造方法、およびそれに用いる粉末に関する。
例えば、籠型誘導モータにおける籠型回転子の短絡環は、高強度であるとともに高い導電性を備えることが必要とされ、現在では、Cu−Mo合金粉末の焼結体を用いて製造されているのが通例である。
しかしながら、このCu−Mo合金の場合、CuとMoの融点が大幅に異なるので両者の均一な相互溶解は可成り困難であり、またMoのCuへの固溶量は少ないので、得られたCu−Mo合金の強度特性を充分に高めることができないという問題がある。
しかしながら、このCu−Mo合金の場合、CuとMoの融点が大幅に異なるので両者の均一な相互溶解は可成り困難であり、またMoのCuへの固溶量は少ないので、得られたCu−Mo合金の強度特性を充分に高めることができないという問題がある。
このようなことから、籠型回転子の構成材料に関しては、Cu−Mo合金粉末の焼結体に代える材料の探索がなされている。その場合の代替材料に要求される特性は、高強度であり、かつ低抵抗であるということである。
具体的には、引張強度が400MPa以上で、かつ体積抵抗率が14μΩ・cm以下であるような焼結体材料が要求されている。
具体的には、引張強度が400MPa以上で、かつ体積抵抗率が14μΩ・cm以下であるような焼結体材料が要求されている。
一方、最近では、均一な2相組織が得られないので事実上の利用が困難であると考えられていた液相2相分離型合金、いわゆる偏晶合金の研究が進められている。
それら研究のうち、例えばCu−Fe2元系合金の凝固組織に関する研究が発表されている(非特許文献1を参照)。
この研究においては、それぞれの組織が、Cu−31.4質量%Fe−3質量%Si−0.6質量%CとCu−51.4質量%Fe−3質量%Si−0.6質量%Cであるガスアトマイズ粉の断面に関する組織形態が示されている。
それら研究のうち、例えばCu−Fe2元系合金の凝固組織に関する研究が発表されている(非特許文献1を参照)。
この研究においては、それぞれの組織が、Cu−31.4質量%Fe−3質量%Si−0.6質量%CとCu−51.4質量%Fe−3質量%Si−0.6質量%Cであるガスアトマイズ粉の断面に関する組織形態が示されている。
それによれば、前者の粉末の場合、その断面構造は中心部がFeリッチ相から成り、外周部がCuリッチ相から成る2重構造であることが明らかにされている。また後者の粉末の場合、その断面構造は中心部がCuリッチ相、その周囲がFeリッチ相、そして外周部が再び薄いCuリッチ相という3重構造になることが明らかになされている。
電気製鋼、第74巻第4号、2003年10月、221〜226頁
電気製鋼、第74巻第4号、2003年10月、221〜226頁
本発明は、高強度でありかつ低抵抗のCu−Fe系焼結体であって、例えば籠型誘導モータにおける籠型回転子の短絡環の構成材料として好適なCu−Fe系焼結体と、その焼結体の製造時に用いる粉末の提供、ならびにその粉末を用いたCu−Fe系焼結体の製造方法の提供を目的とする。
その場合、籠型回転子の短絡環に関しては、引張強度が400MPa以上でかつ体積抵抗率が14μΩ・cm以下であることが要求される目標特性として設定されているので、本発明の焼結体においても、上記した目標特性を自らに課すことにする。
その場合、籠型回転子の短絡環に関しては、引張強度が400MPa以上でかつ体積抵抗率が14μΩ・cm以下であることが要求される目標特性として設定されているので、本発明の焼結体においても、上記した目標特性を自らに課すことにする。
本発明者らは、籠型誘導モータにおける籠型回転子の短絡環に関する目標特性(引張強度400MPa以上、体積抵抗率14μΩ・cm以下の同時実現)を満たす材料開発において、前記した非特許文献1に記載のCu−Fe系液相2相分離合金に着目した。
すなわち、この合金の場合、まず成分的にはCuとFeから成り、そしてCuはFeに比べて相対的に高強度ではないが低抵抗でかつ低融点であり、またFeはCuに比べて高抵抗ではあるが、高強度で高融点であるということに着目した。
すなわち、この合金の場合、まず成分的にはCuとFeから成り、そしてCuはFeに比べて相対的に高強度ではないが低抵抗でかつ低融点であり、またFeはCuに比べて高抵抗ではあるが、高強度で高融点であるということに着目した。
そして、この合金は、CuとFeの組成比との関係で、中心部がFeリッチ相で外周部がCuリッチ相の2重構造にすることができるという点にも着目した。
以上の着目点を踏まえて、本発明者らは、上記した2重構造の合金粉末を焼結した場合、比較的低温度であっても焼結が可能であり、各粉末の中心部のFeリッチ相で強度が保障され、外周部のCuリッチ相で低抵抗が保障され、そのことにより、上記した目標特性を満たす焼結体の製造が可能ではないかとの着想を抱いた。
以上の着目点を踏まえて、本発明者らは、上記した2重構造の合金粉末を焼結した場合、比較的低温度であっても焼結が可能であり、各粉末の中心部のFeリッチ相で強度が保障され、外周部のCuリッチ相で低抵抗が保障され、そのことにより、上記した目標特性を満たす焼結体の製造が可能ではないかとの着想を抱いた。
そしてこの着想に基づいて、鋭意研究を重ねた結果、本発明の焼結体とそれに用いる粉末を開発し、またその粉末を用いた焼結体の製造方法を開発するに至ったのである。
すなわち、本発明においては、Cu−Fe系液相2相分離型合金の凝固組織からなる粉末の放電プラズマ焼結体であることを特徴とする高強度・低抵抗のCu−Fe系焼結体が提供される。
すなわち、本発明においては、Cu−Fe系液相2相分離型合金の凝固組織からなる粉末の放電プラズマ焼結体であることを特徴とする高強度・低抵抗のCu−Fe系焼結体が提供される。
また本発明においては、Cu含有量が40〜70質量%であるCu−Fe系液相2相分離型合金の凝固組織から成ることを特徴とする粉末、好適には、外周部がCuリッチ相から成り、中心部がFeリッチ相から成る2重構造を有する粉末、またはCuリッチ相にFeリッチ相が均一に分散している断面構造の粉末が提供される。
また、本発明においては、上記した粉末を放電プラズマ焼結することを特徴とする高強度・低抵抗のCu−Fe系焼結体の製造方法が提供される。
また、本発明においては、上記した粉末を放電プラズマ焼結することを特徴とする高強度・低抵抗のCu−Fe系焼結体の製造方法が提供される。
本発明の粉末の凝固組織はFeリッチ相とCuリッチ相の液相2相分離型であるため、Feリッチ相の特性とCuリッチ相の特性をそれぞれ発現する。すなわち、この粉末は、Feリッチ相の高強度特性と、Cuリッチ相の低融点・低抵抗特性との両者を備えている。
したがって、この粉末を用いて製造した焼結体は、高強度でしかも低抵抗になる。
したがって、この粉末を用いて製造した焼結体は、高強度でしかも低抵抗になる。
本発明の焼結体は、引張強度が400MPa以上で、かつ体積抵抗率が14μΩ・cm以下という籠型回転子の短絡環に求められる目標特性を満たしている。
そしてこの焼結体は、後述するCu−Fe系液相2相分離合金の凝固組織を有する粉末を焼結して製造される。
この粉末は、その合金組成においてCuとFeを主成分とし、ガスアトマイズ法で製造され、その組織は凝固組織になっている。そして、Cuの含有量は40〜70質量%に設定され、残部は基本的にはFeになっている。したがって、この焼結体はFe成分を含むので磁性体でもある。
そしてこの焼結体は、後述するCu−Fe系液相2相分離合金の凝固組織を有する粉末を焼結して製造される。
この粉末は、その合金組成においてCuとFeを主成分とし、ガスアトマイズ法で製造され、その組織は凝固組織になっている。そして、Cuの含有量は40〜70質量%に設定され、残部は基本的にはFeになっている。したがって、この焼結体はFe成分を含むので磁性体でもある。
ここで、合金組成におけるCuの含有量が40質量%より少ないと、Feは相対的に増量するので、得られる焼結体の引張強度は向上するものの、体積抵抗率は14μΩ・cmより高くなってしまい、前記した目標特性を実現できなくなる。
またCuの含有量が70質量%より多くなると、焼結体の体積抵抗率は低くなるが、Feは減量するので引張強度が低下して、やはり目標特性を実現できなくなる。
またCuの含有量が70質量%より多くなると、焼結体の体積抵抗率は低くなるが、Feは減量するので引張強度が低下して、やはり目標特性を実現できなくなる。
ところで、この粉末の場合、Cu含有量が40〜70質量%の範囲において、Cu含有量を変化させることにより、粉末の凝固組織を変化させることができる。
例えば、Cu含有量が多い場合は、Cuリッチ相の中に微細なFeリッチ相が均一に分散する凝固組織となる。そしてCu含有量が減少して50〜70質量%程度の含有量になると、その凝固組織は中心部に相対的に高強度のFeリッチ相がコアとして位置し、その外周部に前記コアを包むようにして相対的に低抵抗で低融点のCuリッチ相が位置する2重構造となる。
例えば、Cu含有量が多い場合は、Cuリッチ相の中に微細なFeリッチ相が均一に分散する凝固組織となる。そしてCu含有量が減少して50〜70質量%程度の含有量になると、その凝固組織は中心部に相対的に高強度のFeリッチ相がコアとして位置し、その外周部に前記コアを包むようにして相対的に低抵抗で低融点のCuリッチ相が位置する2重構造となる。
更にCu含有量が減少して30〜50質量%程度の含有量になると、凝固組織は中心部にCuリッチ相が位置し、その外周部にFeリッチ相が位置する2重構造になる。そして、更にCu含有量が減少すると、Feリッチ相の中に微細なCuリッチ相が分散する凝固組織になる。
粉末におけるCu含有量の変化に伴う凝固組織の変化を考慮し、またこの粉末を用いて引張強度400MPa以上でかつ体積抵抗率14μΩ・cm以下の焼結体を製造することを考慮すると、焼結体の製造時には、中心部がFeリッチ相で外周部にCuリッチ相が形成されている粉末を用いることが好適である。焼結に際して、比較的低温の焼結が可能となるからである。
粉末におけるCu含有量の変化に伴う凝固組織の変化を考慮し、またこの粉末を用いて引張強度400MPa以上でかつ体積抵抗率14μΩ・cm以下の焼結体を製造することを考慮すると、焼結体の製造時には、中心部がFeリッチ相で外周部にCuリッチ相が形成されている粉末を用いることが好適である。焼結に際して、比較的低温の焼結が可能となるからである。
なお、この粉末の合金組成において、Feの一部はCrで置換されていることが好ましい。得られた焼結体の引張強度が向上し、また焼結体の磁性体としての磁気特性が向上するからである。
その場合、Crの置換量が多すぎるとFe−Cr合金相の融点が高くなり、これがCu相内で粒上に凝固したのち、Cu相の中心部で粒が凝集している粉末が形成されるという問題が生じ、逆に少なすぎると液相状態におけるFeの表面張力が小さくなり、不定形(球状ではない)のコアが形成されるという問題が生ずるので、置換量はFeの10〜30質量%程度にすることが好ましい。また、FeやCrの一部がCoやNiで置換されていてもよい。
その場合、Crの置換量が多すぎるとFe−Cr合金相の融点が高くなり、これがCu相内で粒上に凝固したのち、Cu相の中心部で粒が凝集している粉末が形成されるという問題が生じ、逆に少なすぎると液相状態におけるFeの表面張力が小さくなり、不定形(球状ではない)のコアが形成されるという問題が生ずるので、置換量はFeの10〜30質量%程度にすることが好ましい。また、FeやCrの一部がCoやNiで置換されていてもよい。
合金組成に、更にC,Siを含有させると、液相2相分離が安定化するので好適である。その場合、これらの含有量が多すぎると、焼結体の目標特性に悪影響を与えるので、C,Siの含有量は0.5〜2質量%の範囲内に設定する。
この粉末はガスアトマイズ法で製造される。
すなわち、目標とする合金組成となるように、Cu,Fe,Crなどの所定量を混合したのち溶融して溶湯を調製し、それをノズルから噴霧しながら、そこに所定圧で例えばArガスを吹きつけることにより融滴を凝固して粉末化すればよい。
この粉末はガスアトマイズ法で製造される。
すなわち、目標とする合金組成となるように、Cu,Fe,Crなどの所定量を混合したのち溶融して溶湯を調製し、それをノズルから噴霧しながら、そこに所定圧で例えばArガスを吹きつけることにより融滴を凝固して粉末化すればよい。
本発明の焼結体は、上記した粉末を放電プラズマ焼結して製造される。
具体的には、真空チャンバ内に設置された黒鉛製ダイの中に粉末を充填し、この粉末を黒鉛製の上・下パンチで加圧しながら、上・下パンチ間に直流パルス大電流を通電する。
粉末間の間隙に放電プラズマが発生し、粉末間には数千〜1万℃程度の高温の場が生成され、粉末表面における局所的な気化と溶融現象が起こり、その箇所で粉末が相互に溶着していわゆるネックを形成する。そして、このネックが経時的に発達して最終的には焼結体が製造される。
具体的には、真空チャンバ内に設置された黒鉛製ダイの中に粉末を充填し、この粉末を黒鉛製の上・下パンチで加圧しながら、上・下パンチ間に直流パルス大電流を通電する。
粉末間の間隙に放電プラズマが発生し、粉末間には数千〜1万℃程度の高温の場が生成され、粉末表面における局所的な気化と溶融現象が起こり、その箇所で粉末が相互に溶着していわゆるネックを形成する。そして、このネックが経時的に発達して最終的には焼結体が製造される。
この放電プラズマ焼結は、粉末間に発生する放電プラズマの作用で粉末表面の活性化が進み、またパルス電圧により粉末に供給されるエネルギーも高密度になるので、従来の例えばホットプレス焼結に比べると、粉末内部の組織を変容させることなく低温かつ短時間で粉末の焼結を行うことができるという特徴を備えている。
本発明において、上記した放電プラズマ焼結を実施するに当たり、焼結温度は勿論のこと、昇温速度、最高温度での保持時間、プレス荷重、焼結時の変位量などの条件を適宜選定することにより、引張強度400MPa以上でかつ体積抵抗率14μΩ・cm以下の焼結体が製造される。
本発明において、上記した放電プラズマ焼結を実施するに当たり、焼結温度は勿論のこと、昇温速度、最高温度での保持時間、プレス荷重、焼結時の変位量などの条件を適宜選定することにより、引張強度400MPa以上でかつ体積抵抗率14μΩ・cm以下の焼結体が製造される。
上記した操作条件のうち昇温速度、最高温度での保持時間は重要な条件であり、焼結体の目標特性を実現するためには、昇温速度は30℃/分未満、保持時間は2分以上という条件設定することが好ましい。
なお、本発明の場合、用いる粉末として外周部にCuリッチ相が位置する粉末を選定すると、Cuが低融点であるため、比較的低温であっても目標特性の焼結体を得ることができる。
なお、本発明の場合、用いる粉末として外周部にCuリッチ相が位置する粉末を選定すると、Cuが低融点であるため、比較的低温であっても目標特性の焼結体を得ることができる。
(1)粉末の製造
高純度のFe,Cu,Cr,黒鉛(C)の各粉末の所定量をMgOるつぼに収容し、Ar雰囲気中で高周波誘導加熱して温度1700℃の溶湯にした。この溶湯をノズルから噴霧し、ここに圧2MPaのArを吹きつけてアトマイズ粉を製造した。
得られたアトマイズ粉を分級して、粒径70〜80μmの粉末を分取した。この粉末を実施例粉末1とする。
高純度のFe,Cu,Cr,黒鉛(C)の各粉末の所定量をMgOるつぼに収容し、Ar雰囲気中で高周波誘導加熱して温度1700℃の溶湯にした。この溶湯をノズルから噴霧し、ここに圧2MPaのArを吹きつけてアトマイズ粉を製造した。
得られたアトマイズ粉を分級して、粒径70〜80μmの粉末を分取した。この粉末を実施例粉末1とする。
化学分析したところ、この実施例粉末1の組成は、43.6質量%Fe−45質量%Cu−11質量%Cr−0.4質量%Cであった。
また、実施例粉末1の断面組織を光学顕微鏡で観察したところ、中心部がFeリッチ相で、外周部にはFeリッチ相を包むようにして厚み20〜30μm程度のCuリッチ相が形成されている2重構造になっていた。
また、実施例粉末1の断面組織を光学顕微鏡で観察したところ、中心部がFeリッチ相で、外周部にはFeリッチ相を包むようにして厚み20〜30μm程度のCuリッチ相が形成されている2重構造になっていた。
次に、Fe,Cu,Cr,Niを用い、同様の条件下でガスアトマイズ粉を製造し、それを分級して粒径70〜80μmの粉末を得た。この粉末を実施例粉末2とする。
実施例粉末2の組成は、18.5質量%Fe−75質量%Cu−4.5質量%Cr−2質量%Niであった。
また、その断面組織は全体がCuリッチ相であり、その中に微細なFeリッチ相が均一に分散する組織であった。
実施例粉末2の組成は、18.5質量%Fe−75質量%Cu−4.5質量%Cr−2質量%Niであった。
また、その断面組織は全体がCuリッチ相であり、その中に微細なFeリッチ相が均一に分散する組織であった。
比較のために、粒径が70〜80μmであるFe粉、Cu粉、Cr粉、黒煙(C)粉を、それぞれ43.6質量%、45質量%、11質量%、0.4質量%となるように混合して混合粉末とした。この粉末を比較例粉末1とする。
また、粒径が70〜80μmであるFe粉、Cu粉、Cr粉、Ni粉を、それぞれ、18.5質量%、75質量%、4.5質量%、2質量%の割合で混合して混合粉末とした。この粉末を比較例粉末2とする。
また、粒径が70〜80μmであるFe粉、Cu粉、Cr粉、Ni粉を、それぞれ、18.5質量%、75質量%、4.5質量%、2質量%の割合で混合して混合粉末とした。この粉末を比較例粉末2とする。
(2)焼結体の製造
所望形状の黒鉛製の型に粉末を充填し、その粉末を黒鉛製のパンチで上下から挟み約40Paのプレス荷重をかけた。
雰囲気は4Pa未満の真空状態とし、材料の汚染が進行しないようにこの真空状態を保持して焼結を行った。
所望形状の黒鉛製の型に粉末を充填し、その粉末を黒鉛製のパンチで上下から挟み約40Paのプレス荷重をかけた。
雰囲気は4Pa未満の真空状態とし、材料の汚染が進行しないようにこの真空状態を保持して焼結を行った。
焼結に際しては、昇温速度を30℃/分未満として電流制御を行い、合金の融点よりも200℃程度低い温度(850〜950℃)まで、上記荷重をかけたまま昇温した。
冷却に際しては、荷重をかけたまま500℃未満の温度になるまで保持し、その後は空冷した。
そして、黒鉛製の型から焼結体を抜き取った。
冷却に際しては、荷重をかけたまま500℃未満の温度になるまで保持し、その後は空冷した。
そして、黒鉛製の型から焼結体を抜き取った。
(3)焼結体の特性
得られた4種類の焼結体につき、下記の仕様で体積抵抗率と引張強度を測定した。
体積抵抗率:焼結体から一辺3mm、長さ38mmの角棒材を切り出して試験片とし、この試験片につき4端子法で測定した。
引張強度:上記した試験片の両端をクランプで把持し、引張試験機で引張り、破断した時点における引張り力を測定し、その測定値を引張強度とした。
得られた4種類の焼結体につき、下記の仕様で体積抵抗率と引張強度を測定した。
体積抵抗率:焼結体から一辺3mm、長さ38mmの角棒材を切り出して試験片とし、この試験片につき4端子法で測定した。
引張強度:上記した試験片の両端をクランプで把持し、引張試験機で引張り、破断した時点における引張り力を測定し、その測定値を引張強度とした。
以上の結果を表1に示した。
表1〜明らかなように、実施例粉末を用いて製造した焼結体は、いずれも、体積抵抗率14μΩ・cm以下でかつ引張強度400MPa以上という目標特性を達成している。
なお、実施例1の焼結体のヒステリシス曲線を図1に示す。図1から明らかなように、この焼結体は磁性体である。
なお、実施例1の焼結体のヒステリシス曲線を図1に示す。図1から明らかなように、この焼結体は磁性体である。
この焼結体は、引張強度400MPa以上でかつ体積抵抗率14μΩ・cm以下の特性を備えている高強度・低抵抗の材料である。
したがって、この材料は、籠型誘導モータにおける籠型回転子の短絡環の材料として充分に使用可能である。
したがって、この材料は、籠型誘導モータにおける籠型回転子の短絡環の材料として充分に使用可能である。
Claims (9)
- Cu−Fe系液相2相分離型合金の凝固組織から成る粉末の放電プラズマ焼結体であることを特徴とする高強度・低抵抗のCu−Fe系焼結体。
- Cu−Fe系液相2相分離型合金の凝固組織から成ることを特徴とする粉末。
- Cu含有量が40〜70質量%である請求項2の粉末。
- 断面構造において、少なくとも外周部はCuリッチ相になっている請求項2または3の粉末。
- 断面構造は、外周部がCuリッチ相から成り、中心部がFeリッチ相から成る2重構造になっている請求項4の粉末。
- 断面構造において、Cuリッチ相にFeリッチ相が均一に分散している請求項2の粉末。
- Feの一部がCrで置換されている請求項2〜6のいずれかの粉末。
- ガスアトマイズ粉である請求項2〜7のいずれかの粉末。
- 請求項2〜8のいずれかの粉末を放電プラズマ焼結することを特徴とする高強度・低抵抗のCu−Fe系焼結体の製造方法。
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-
2004
- 2004-03-31 JP JP2004106003A patent/JP2005290461A/ja active Pending
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