JP2005289129A - 制動力制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ブレーキアシスト時の制動力を適正に維持することができる制動力制御装置を提供する。
【解決手段】 この装置では、緊急ブレーキ操作が行われた場合、ブレーキアシスト装置5を作動させる。このときの、ブレーキペダル2への荷重を増加させるため、ABSコンピュータ7は、シート駆動装置6を制御して運転者シート1をブレーキペダル2方向へ移動させ、運転者がブレーキペダル2を踏む力の減少を抑制する。したがって、ブレーキアシスト装置5が作動しているブレーキアシスト時に車輪3に加えられる制動力の減少が抑制され、ブレーキアシスト時の制動力を適正に維持することができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は制動力制御装置に関する。
ブレーキフルードの加圧機構やブレーキブースタ等のブレーキアシスト装置は、緊急ブレーキ時に制動力をアシストする装置である。熟練ドライバーは、緊急時にも十分強くブレーキペダルを踏め制動力を十分に発生させられるが、不慣れなドライバーは緊急時にペダルの踏み方が不十分となる傾向がある。そこで、ブレーキアシスト装置が用いられ、制動力をアシストしている。
ブレーキは、ブレーキフルードの油圧を利用してホイルシリンダを働かせて制動力を得ているが、ブレーキペダルを踏む人の力だけでは、ホイルシリンダにまで十分な力が伝わらない。ブレーキブースタは、この力を数倍から10倍程度に高めるもので、多くのものはエンジンで発生する負圧を利用している。ブレーキブースタの内部は、正圧側と負圧側を仕切るダイアフラム(隔壁)が設けられており、ブレーキペダルを踏むと正圧側のバルブが開いてダイアフラムが負圧側に移動する。
このダイアフラムはマスターシリンダのピストンに繋がっており、その時の力をマスターシリンダに伝えて、より大きな制動力を得ている。また、負圧を利用しないタイプのブレーキブースタも知られており、電子制御式のブレーキブースタはピストンを押す力を制御することができる。
ところで、緊急ブレーキ時には、どのレベルのドライバーもブレーキペダルの踏み込み速度が速い。かかる知見に基づいて、このブレーキアシスト制御用のコンピュータは、通常のブレーキ操作ではブレーキアシストを作動させず、ブレーキペダルの踏み込み速度と、踏み込み量が規定値を超えた場合には、緊急ブレーキ操作が行われたものと判断して、ブレーキアシストを作動させて制動力を高めている。
下記特許文献1に記載の制動力制御装置では、ブレーキペダルの踏み込み速度が大きい場合には、ペダル比が小さくなり、それにより、ペダルストロークが短くなり、入力軸に対するストローク、あるいはマスターシリンダ圧が大きくなることにより、ブレーキをより確実に動作させている。
下記特許文献2に記載の制動力制御装置では、ブレーキペダルを運転者に近づく方向に移動させることで、油圧低下に伴うブレーキペダルのストロークの増大を補っている。
下記特許文献3に記載の制動力制御装置では、車間距離追従制御において、前方車両との衝突に対する緊急度に応じて、ブレーキペダル位置を変更している。
特開2000−347590号公報 特開平7−125616号公報 特開2000−326759号公報
しかしながら、緊急ブレーキ操作時にブレーキアシストを行っていても、運転者が後方に移動すると、ブレーキペダルを踏む力が弱くなり、車輪に加えられる制動力を適正に維持できないという問題がある。すなわち、図5に示すように、ブレーキアシスト(BA)が作動している場合には、車両の減速度はブレーキアシスト効果によって大きくなるが、この場合においても減速度を一定に維持できない。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、ブレーキアシスト時の制動力を適正に維持可能な制動力制御装置を提供することを目的とする。
上述の課題を解決するため、本発明に係る制動力制御装置は、運転者シートと、運転者シートの前方に位置するブレーキペダルと、ブレーキペダルの踏力に応じて車輪に制動力を与える制動装置と、制動力をアシストするブレーキアシスト装置と、運転者シートをブレーキペダル方向へ移動させるシート駆動手段と、ブレーキアシスト装置の作動時に、運転者シートがブレーキペダル方向へ移動するように、シート駆動手段を制御する制御手段とを備えることを特徴とする。
シート駆動手段を制御して運転者シートを移動させると、運転者がブレーキペダル側に移動するため、運転者がブレーキペダルを踏む力の減少を抑制することができ、ブレーキアシスト装置が作動しているブレーキアシスト時に車輪に加えられる制動力の減少を抑制することができる。
また、本発明に係る制動力制御装置は、ブレーキペダルを運転者シート方向へ移動させるブレーキペダル駆動手段を更に備え、制御手段は、ブレーキアシスト装置の作動時に、ブレーキペダルが運転者シート方向へ移動するように、ブレーキペダル駆動手段を制御することを特徴とする。すなわち、運転者シートに加えて更にブレーキペダルを運転者シート方向に移動させると、運転者がブレーキペダルを踏む力の減少を更に抑制することができ、ブレーキアシスト装置が作動しているブレーキアシスト時に車輪に加えられる制動力の減少を更に抑制することができる。
また、本発明に係る制動力制御装置は、運転者シート及びブレーキペダルの位置から運転者の体格を判断する体格判定手段を更に備えることを特徴とする。運転者の体格によって、運転者シートとブレーキペダルの最適な位置は異なる。すなわち、適切に設定された運転者シートとブレーキペダルの位置は運転者の体格と相関を有する。体格判定手段は、かかる位置情報から運転者の体格を判断する。
また、本発明に係る制動力制御装置は、制御手段は、体格判定手段の出力に応じて、シート駆動手段の移動量を決定することを特徴とする。この移動量は、運転者シートとブレーキペダルの間隔が小さくなる方向を正とする。例えば、運転者の体格が大きいものと判断される場合には、運転者のブレーキペダルを踏む力の減少量は小さいので、シート駆動手段による運転者シートの移動量を小さく設定すればよい。逆に、運転者の体格が小さいものと判断される場合には、運転者のブレーキペダルを踏む力の減少量は大きいので、シート駆動手段による運転者シートの移動量を大きく設定すればよい。
また、制御手段は、体格判定手段の出力に応じて、ブレーキペダル駆動手段の移動量を決定することを特徴とする。例えば、運転者の体格が大きいものと判断される場合には、運転者のブレーキペダルを踏む力の減少量は小さいので、ブレーキペダル駆動手段によるブレーキペダルの移動量を小さく設定すればよい。逆に、運転者の体格が小さいものと判断される場合には、運転者のブレーキペダルを踏む力の減少量は大きいので、ブレーキペダル駆動手段によるブレーキペダルの移動量を大きく設定すればよい。
また、制御手段は、体格判定手段の出力に応じて、一定減速度以上を継続できるように、運転者シート駆動手段又はブレーキペダル駆動手段の移動量の目標値を設定することを特徴とする。上述のように、体格が大きい場合には移動量を小さくするが、どの程度の小さな移動量にするかの目標値は、一定の減速度以上を維持できるように設定する。すなわち、移動量が小さいといっても、一定減速度以上を維持できるという下限値を下回らないように目標値を設定する。体格が小さい場合は移動量を大きくするが、この場合にも、移動量の目標値は一定減速度以上を維持できるという下限値を下回らないように目標値を設定する。
本発明の制動力制御装置によれば、ブレーキアシスト時の制動力を適正に維持することができる。
以下、実施の形態に係る制動力制御装置について説明する。なお、同一要素には同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。
図1は、実施の形態に係る制動力制御装置の説明図である。
この制動力制御装置は、以下の構成要素を備えている。
・運転者シート1
・ブレーキペダル2
・車輪3
・制動装置4
・ブレーキアシスト装置5
・シート駆動装置(シート駆動手段)6
・ABSコンピュータ(制御手段)7
・ブレーキペダル駆動装置(ブレーキペダル駆動手段)8
・体格判定手段SP,PP,7
以下、詳説する。
運転者シート1は、略水平方向に配置される座部クッション1a、座部クッション1aの後方に位置するヒンジを介して立設した背部クッション1b、背部クッション1bの頂部に取り付けられたヘッドレスト1cを備えている。運転者シート1には、運転者が座ることになるが、運転者の脚はブレーキペダル2に延びることとなり、ブレーキペダル2への踏力の反力は背部クッション1bに加えられる。
ブレーキペダル2は、運転者シート1の前方に位置している。ブレーキペダル2は、ペダル本体2a、ペダル本体2aにリンクしたL字形状のプッシュレバー2bを備えている。プッシュレバー2bの一辺の先端側の部分と、屈曲部の位置には、これらの位置を回転中心とする連結リンク2c,2dの一端がそれぞれ設けられている。
連結リンク2c,2dの他端は、ペダル本体2aの異なる位置に連結されている。これらの連結位置は、ペダル本体2aの前後方向に沿って離隔している。ここで、前後とは車両の前後に一致する。したがって、ペダル本体2a、連結リンク2c,2d、プッシュレバー2bは、平行リンク機構を構成し、ペダル本体2aは、平行リンク機構におけるいずれかの部材をそれぞれの回転中心の回りに部材を回転させることで、車両前後方向に移動する。
ここでは、連結リンク2dをペダル本体2aとの連結点を中心にモータM2によって回転させ、ペダル本体2aを前後方向に移動させるものとする。モータM2の駆動によるブレーキペダル(ペダル本体)2の移動量は、ブレーキペダル位置検出センサPPによって検出される。ブレーキペダル位置検出センサPPは、例えば、モータM2に設けられたロータリエンコーダとすることができる。
モータM2を駆動させず、平行リンク機構が固定された状態では、ペダル本体2aを前方に踏むと、プッシュレバー2bの屈曲部を回転中心として、当該プッシュレバー2bが回転し、ブレーキアシスト装置5の入力バー5aを前方に押圧する。なお、プッシュレバー2bの屈曲部は車体BDYに対して固定された支持部2eに対して回動可能に取り付けられている。なお、ペダル本体2aへの踏力印加時のストロークが規定値を超えると、ストップスイッチSTPがONする。
モータM2を含むブレーキペダル駆動装置8は、ブレーキペダル2を運転者シート1方向へ移動させる。すなわち、モータM2が回転すると、平行リンク機構が車両前後方向に沿って移動するため、ペダル本体2aが車両前後方向に沿って移動する。
制動装置4は、ブレーキペダル2の踏力に応じて車輪3に制動力を与える。制動装置4は、ブレーキペダル2の踏力に応じて内部ピストンが押圧されるマスタシリンダ4a、マスタシリンダ4aのブレーキ液が伝達されブレーキシューを駆動するホイルシリンダ4c、マスタシリンダ4aとホイルシリンダ4c間の油圧経路内に設けられたABSアクチュエータ4b、マスタシリンダ4aの圧力を検出する圧力センサ4dを備えている。ブレーキペダル2を踏むと、ホイルシリンダ4cがブレーキシューを駆動して車輪3に制動力が与えられる。
本例のブレーキアシスト装置5は、ブレーキペダル2の踏力を補完して制動力をアシストするため、マスタシリンダ4aのピストンに伝達される力を増幅する電子制御式のブレーキブースタである。なお、負圧を利用するブレーキブースタのみならず、ブレーキ液を加圧するための別方式のブレーキアシスト装置も知られている。運転者の踏力は、ブレーキアシスト装置5によって補完的に増倍されてマスタシリンダ4aのピストンに伝達される。
運転者シート駆動装置6は、運転者シート1をブレーキペダル2方向へ移動させる。運転者シート駆動装置6は、運転者シート1の下部の支持部材6aの螺旋溝に噛合するウォーム歯車6bを回転させるモータM1を備えている。モータM1が回転すると、ウォーム歯車6bが回転し、支持部材6aが軸方向に移動し、運転者シート1が前後方向に移動する。運転者シートの移動量は、モータM1に設けられたロータリエンコーダなどの運転者シート位置検出センサSPによって検出することができる。
ABSコンピュータ7は、ブレーキアシスト装置5の作動時に、運転者シート1がブレーキペダル2方向へ移動するように、運転者シート駆動装置6を制御する。さらに、ABSコンピュータ7は、ブレーキアシスト装置5の作動時に、ブレーキペダル2が運転者シート1方向へ移動するように、ブレーキペダル駆動装置8を制御する。
ブレーキアシスト装置5の作動条件について説明する。
ABSコンピュータ7には、マスタシリンダ圧を示す圧力センサ4dの出力及びストップスイッチSTPの出力Sが入力されているが、ストップスイッチSTPの出力SがONとなってからのマスタシリンダ圧の時間微分値(DpMC)はブレーキペダル2の踏み込み速度に対応し、マスタシリンダ圧(pMC)は踏み込み量に対応する。
ABSコンピュータ7は、この踏み込み速度(〜DpMC)が規定値以上に大きく、且つ、踏み込み量(〜pMC)が規定値以上の場合には、緊急ブレーキ操作が行われたものと判断して、ブレーキアシスト装置5を作動させる。ブレーキアシスト装置5の作動によって、マスタシリンダ圧は容易に増加するようになるが、ブレーキペダル2への運転者の荷重が少ない場合には、マスタシリンダ圧を所定値以上に保持できない。この所定値は、車両の減速度を一定値以上の値に維持できるマスタシリンダ圧である。
そこで、ブレーキペダル2への荷重を増加させるため、ABSコンピュータ7は、シート駆動装置6を制御して運転者シート1をブレーキペダル2方向へ移動させる。この場合、運転者がブレーキペダル2側に移動するため、運転者がブレーキペダル2を踏む力の減少を抑制することができ、ブレーキアシスト装置5が作動しているブレーキアシスト時に車輪3に加えられる制動力の減少を抑制することができる。
また、ABSコンピュータ7は、ブレーキペダル2を踏み込みやすくするため、ブレーキペダル駆動装置8を制御して、運転者シート1に加えて更にブレーキペダル2を運転者シート1の方向に移動させる。この場合、運転者がブレーキペダル2を踏む力の減少を更に抑制することができ、ブレーキアシスト装置5が作動しているブレーキアシスト時に車輪3に加えられる制動力の減少を更に抑制することができる。
ABSコンピュータ7には、シート位置検出センサSPの出力Q(=シート位置LS(移動量))、ブレーキペダル位置検出センサPPの出力R(=ブレーキペダル位置LP(移動量))が入力されている。
これらの移動量は、運転者シート1とブレーキペダル2の間隔が小さくなる方向を正としている。ABSコンピュータ7は、これらの移動量が特定の目標値となるように、モータM1、M2を制御する。この制御がフィードバック制御である場合、ABSコンピュータ7で演算された移動量の目標値(LS(目標値)、LP(目標値))にセンサ出力Q,Rが一致するまで、モータM1,M2を駆動すればよいし、オープンループ制御である場合には、モータM1,M2をステッピングモータから構成し、目標値になるはずのモータ駆動パルスを当該モータM1,M2に与えればよい。
この制御が、フィードバック制御であれば、高精度の移動を行うことができ、オープンループ制御であれば高速の移動を行うことができる。
目標値は、車両の減速度を一定値以上の値に維持できる移動量である。この減速度は制動力に対応できるものであり、制動力はマスタシリンダ圧に対応するものであるから、この目標値は一定値以上の制動力あるいはマスタシリンダ圧を維持できる値と等価である。これらの目標値は、様々な体格の運転者を実車に乗せ、車両の減速度が一定値以上に保持できる値を調べれば設定することができる。
ここで、運転者の体格を検出すれば、体格に応じた目標値を設定することができる。
シート移動量の目標値に関し、運転者の体格が大きいものと判断される場合には、ブレーキアシスト時における運転者のブレーキペダル2を踏む力の減少量は小さいので、シート駆動装置6による運転者シート1の移動量(LS(正方向目標値))を小さく設定すればよい。逆に、運転者の体格が小さいものと判断される場合には、運転者のブレーキペダル2を踏む力の減少量は大きいので、シート駆動装置6による運転者シート1の移動量(LS(正方向目標値))を大きく設定すればよい。
ブレーキペダル移動量の目標値に関し、運転者の体格が大きいものと判断される場合には、運転者のブレーキペダル2を踏む力の減少量は小さいので、ブレーキペダル駆動装置8によるブレーキペダル2の移動量(LP(正方向目標値))を小さく設定すればよい。逆に、運転者の体格が小さいものと判断される場合には、運転者のブレーキペダル2を踏む力の減少量は大きいので、ブレーキペダル駆動装置8によるブレーキペダル2の移動量(LP(正方向目標値))を大きく設定すればよい。
運転者の体格によって、運転者シート1とブレーキペダル2の最適な位置は異なり、適切に設定された運転者シート1とブレーキペダル2の位置は、運転者の体格と相関を有する。ABSコンピュータ7は、かかる位置情報から運転者の体格を判断する。
詳説すれば、運転者の体格判定は、運転者毎に設定される運転者シート1の基準位置(LS=0)と、ブレーキペダル2の基準位置(LP=0)に基づいて行われる。基準位置(LS=0)は、運転者の体格に応じて、シートの初期位置O’からΔLSだけ移動しており、基準位置(LP=0)は、運転者の体格に応じて、ブレーキペダルの初期位置O’からΔLPだけ移動している。
運転者の体格の指標をTで示すと、指標TはΔLS+ΔLPで表すことができる。ここでは、ペダル/シート間隔が小さくなる方向を正としているので、指標Tが大きいほど、体格は小さいということになる。換言すれば、指標Tが大きいほど、ブレーキアシスト時の運転者シート及びブレーキペダルの移動量LS,LPは大きく設定する。
運転者の体格毎の初期位置からの変位量ΔLS,ΔLPは、運転者自身が設定することができ、この値はABSコンピュータ7内に格納され、運転者毎の体格に基づくモータM1,M2の初期駆動によって乗車時に実行されている。ここで、ABSコンピュータ7は、運転者シート1及びブレーキペダル2の位置ΔLS,ΔLPから運転者の体格を判断する体格判定手段を構成している。
ABSコンピュータ7は、体格判定手段の出力である指標Tに応じて、ブレーキアシスト時のシート駆動装置6の移動量(目標値LS)、ブレーキペダル駆動装置8の移動量(目標値SP)を決定し、これらの目標値となるように、ブレーキアシスト時にモータM1,M2を駆動する。すなわち、ABSコンピュータ7は、指標Tに応じて、ブレーキアシスト時に一定減速度以上が継続できるように、運転者シート駆動装置6、ブレーキペダル駆動装置8の移動量の目標値LS,LPを設定している。
換言すれば、体格が大きい場合には移動量を小さくするが、どの程度の小さな移動量にするかの目標値(LS,LP)は、一定の減速度以上を維持できるように設定する。すなわち、移動量が小さいといっても、一定減速度以上を維持できるという下限値を下回らないように目標値を設定する。体格が小さい場合は移動量を大きくするが、この場合にも、移動量の目標値(LS,LP)は一定減速度以上を維持できるという下限値を下回らないように目標値を設定する。
ABSコンピュータ7には、車両前後加速度を検出するGセンサ10の出力Gも入力されている。すなわち、まず、車両の減速度Gの目標値を設定し、実際の減速度が、この減速度目標値を下回る場合には移動量目標値(LS,LP)を増加させ、実際の減速度が目標値に維持されるように制御する。この制御はリアルタイムで行うこともできるが、複数の体格の運転者と諸条件を元に、移動量目標値のマッピングを行えば、実際の減速度のデータをリアルタイムでは用いることなく、移動量目標値を設定することもできる。
なお、ABSコンピュータ7は、図示しない車輪速センサの出力に基づいて、車輪3がロックしないようにABSアクチュエータ4bを制御する。すなわち、車体速−車輪速が一定値以下(停止の場合は車輪速=0)になった場合には、ホイルシリンダ圧を減圧し、車輪速が増加した場合にはホイルシリンダ圧を増圧させ、車輪ロックを防ぎつつ路面と車輪の摩擦係数がほぼ最大となるように制動力を制御する。ブレーキアシストでは、運転者の踏力をブレーキブースタなどの増幅率を制御することで制御するが、この機構では大きな制動力が得られるため、車輪速がゼロとなった場合においても車輪3がロックしないようにABS制御との組み合わせで用いられる。
次に、ブレーキアシスト装置5の作動条件について、追記説明しておく。
図2は、緊急ブレーキ操作時のマスタシリンダ圧(pMC)及びマスタシリンダ圧時間微分値(DpMC)のグラフである。これらは、それぞれ、ブレーキペダルの踏み込み量及び踏み込み速度に対応する。ABSコンピュータ7は、マスタシリンダ圧(pMC)が規定値A1以上となり、且つ、マスタシリンダ圧時間微分値(DpMC)が規定値B以上となった場合にブレーキアシスト装置5を作動させ(作動条件(*))、マスタシリンダ圧(pMC)がA2(≧A1)以上である場合には、ブレーキアシスト装置5の作動を継続し、マスタシリンダ圧(pMC)がA2よりも小さくなった場合には、ブレーキアシスト装置5の作動を停止する。
図3は、緊急ブレーキ操作時のブレーキ入力(運転者のブレーキペダル踏力X,ブレーキアシストされたブレーキペダル踏力X’)、運転者シート駆動装置6・ブレーキペダル駆動装置8の作動制御信号Y、及びブレーキアシスト装置5の作動制御信号Zの時間依存性を示すグラフである。
運転者がブレーキペダル2を踏むと、踏力Xは増加し、ブレーキアシスト装置5の作動条件が成立すると、作動制御信号Zがハイレベルとなり、ブレーキアシストが開始される。ここで、運転者シート1及びブレーキペダル2を移動させない場合には、踏力Xは減少する傾向となるが、本発明では、ブレーキアシスト時には、運転者シート駆動装置6・ブレーキペダル駆動装置8の作動制御信号Yで正方向移動指示をモータM1,M2に伝達し、運転者シート1及びブレーキペダル2を正方向に移動させる。
したがって、ブレーキアシストされ且つシート・ペダル移動が行われた条件下でのブレーキペダル踏力(マスタシリンダ圧)X’は、点線で示されるように、ある値以上に維持されることとなり、その減少が抑制される。本例では、ブレーキアシストの作動期間内において、運転者シート1及びブレーキペダル2を正方向に移動させているが、ブレーキアシストが終了した場合には、作動制御信号Yで負方向移動指示をモータM1,M2に伝達し、運転者シート1及びブレーキペダル2を負方向に移動させ、これらを元の基準位置に復帰させている。
図4は、ABSコンピュータ7における上述の制御を説明するフローチャートである。
まず、運転者毎の初期設定を読み込む。すなわち、ブレーキペダル2の位置を示すペダル位置出力S(=ΔLP)と、運転者シート1の位置を示すシート位置出力Q(ΔLS)を読み込む(S1)。次に、上記位置出力S、Qから算出される運転者の体格を示す指標Tに基づき、ブレーキアシスト装置5が作動した場合の作動量(ブレーキペダル移動量の目標値LP、運転者シート移動量の目標値LS)を演算する(S2)。上述のように、この目標値は運転者の体格に応じることとなる。
しかる後、ブレーキペダル2が踏まれたかどうか、すなわち、ストップスイッチSTPがONとなるかどうかについて判定を継続する(S3)。ストップスイッチSTPがONとなった場合、マスタシリンダ圧時間微分値(DpMC)及びマスタシリンダ圧(pMC)を読み込む(S4)。次に、マスタシリンダ圧時間微分値(DpMC)及びマスタシリンダ圧(pMC)に基づいて緊急ブレーキ状態かどうか、すなわち、ブレーキアシスト装置5の作動条件(上記(*))が成立したかどうかについて判定する(S5)。作動条件(*)が満たされた場合には、ブレーキアシスト装置5を作動させる。
緊急ブレーキ状態であると判定された場合、ブレーキアシスト(BA)装置5が作動中(BA制御中)であるかどうかについて判定を継続する(S6)。ブレーキアシスト装置5が作動中である場合、ブレーキペダル駆動装置8及び運転者シート駆動装置6を駆動し、ブレーキペダル2及び運転者シート1を、目標値LP、LSだけ移動させる(S7)。
しかる後、ブレーキアシスト制御が終了したかどうかについて判定を継続し(S8)、終了したと判定される場合には、ブレーキペダル駆動装置8及び運転者シート駆動装置6を駆動し、ブレーキペダル2及び運転者シート1を、目標値−LP、−LSだけ移動させ、元の位置に復帰させる(S9)。
以上、説明したように、上述の制動力制御装置によれば、踏み込み速度(〜DpMC)が規定値以上に大きく、且つ、踏み込み量(〜pMC)が規定値以上の場合には、緊急ブレーキ操作が行われたものと判断して、ブレーキアシスト装置5を作動させる。このときの、ブレーキペダル2への荷重を増加させるため、ABSコンピュータ7は、シート駆動装置6を制御して運転者シート1をブレーキペダル2方向へ移動させるので、運転者がブレーキペダル2を踏む力の減少を抑制することができ、ブレーキアシスト装置5が作動しているブレーキアシスト時に車輪3に加えられる制動力の減少を抑制し、ブレーキアシスト時の制動力を適正に維持することができる。
本発明は、ブレーキアシスト時の制動力を適正に維持することができる制動力制御装置に利用できる。
実施の形態に係る制動力制御装置の説明図である。 緊急ブレーキ操作時のマスタシリンダ圧(pMC)及びマスタシリンダ圧時間微分値(DpMC)のグラフである。 緊急ブレーキ操作時のブレーキ入力、作動制御信号Y、作動制御信号Zの時間依存性を示すグラフである。 ABSコンピュータ7における上述の制御を説明するフローチャートである。 ブレーキアシスト作動時と非作動時における車両減速度の時間依存性を示すグラフである。
符号の説明
1・・・・運転者シート、1c・・・ヘッドレスト、1a・・・座部クッション、1b・・・背部クッション、2・・・・ブレーキペダル、2b・・・プッシュレバー、2a・・・ペダル本体、2e・・・支持部、2c,2d・・・連結リンク、3・・・・車輪、4・・・・制動装置、4b・・・アクチュエータ、4c・・・ホイルシリンダ、4a・・・マスタシリンダ、4d・・・圧力センサ、5・・・・ブレーキアシスト装置、5a・・・入力バー、6b・・・ウォーム歯車、6・・・シート駆動装置、6a・・・支持部材、7・・・コンピュータ、8・・・ブレーキペダル駆動装置、10・・・Gセンサ、BDY・・・車体、M1,M2・・・モータ、PP・・・ブレーキペダル位置検出センサ、SP・・・運転者シート位置検出センサ、STP・・・ストップスイッチ。

Claims (6)

  1. 制動力制御装置において、
    運転者シートと、
    前記運転者シートの前方に位置するブレーキペダルと、
    前記ブレーキペダルの踏力に応じて車輪に制動力を与える制動装置と、
    前記制動力をアシストするブレーキアシスト装置と、
    前記運転者シートをブレーキペダル方向へ移動させるシート駆動手段と、
    前記ブレーキアシスト装置の作動時に、前記運転者シートが前記ブレーキペダル方向へ移動するように、前記シート駆動手段を制御する制御手段と、
    を備えることを特徴とする制動力制御装置。
  2. 前記ブレーキペダルを前記運転者シート方向へ移動させるブレーキペダル駆動手段を更に備え、前記制御手段は、前記ブレーキアシスト装置の作動時に、前記ブレーキペダルが前記運転者シート方向へ移動するように、前記ブレーキペダル駆動手段を制御することを特徴とする請求項1に記載の制動力制御装置。
  3. 前記運転者シート及び前記ブレーキペダルの位置から運転者の体格を判断する体格判定手段を更に備えることを特徴とする請求項2に記載の制動力制御装置。
  4. 前記制御手段は、前記体格判定手段の出力に応じて、前記シート駆動手段の移動量を決定することを特徴とする請求項3に記載の制動力制御装置。
  5. 前記制御手段は、前記体格判定手段の出力に応じて、前記ブレーキペダル駆動手段の移動量を決定することを特徴とする請求項4に記載の制動力制御装置。
  6. 前記制御手段は、前記体格判定手段の出力に応じて、一定減速度以上を継続できるように、前記運転者シート駆動手段又は前記ブレーキペダル駆動手段の移動量の目標値を設定することを特徴とする請求項5に記載の制動力制御装置。
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