JP2005288384A - 基板処理方法 - Google Patents

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Yasushi Izeki
康 井関
Satoru Koide
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Abstract

【課題】画像表示装置を構成する基板の耐圧特性を向上できる基板処理方法を提供することを目的とする。
【解決手段】処理対象基板33を用意する工程と、真空チャンバ30内において処理対象基板33と処理電極34とを対向配置する工程と、処理電極表面34Aの全体を覆うように設けられたクリーニング媒体41を介して対向配置された処理対象基板33と処理電極34との間に電界を印加する工程と、処理対象基板33と処理電極34とが互いに対向する位置から退避した状態でクリーニング媒体41を処理電極表面34Aに沿って移動させる工程と、を備えたことを特徴とする。
【選択図】 図3

Description

この発明は、基板処理方法に係り、特に、画像表示装置を構成する前面基板もしくは背面基板の耐圧特性を改善可能な基板処理装置による基板処理方法に関する。
近年、次世代の画像表示装置として、多数の電子放出素子を画像表示面と対向配置させた平面型の画像表示装置の開発が進められている。電子放出素子には様々な種類があるが、いずれも基本的には電界による電子放出を利用したもので、これらの電子放出素子を用いた画像表示装置は、一般に、フィールド・エミッション・ディスプレイ(以下、FEDと称する)と呼ばれている。このようなFEDの内、表面伝導型電子放出素子を用いた画像表示装置は、表面伝導型電子放出ディスプレイ(以下、SEDと称する)とも呼ばれているが、SEDも含む総称としてFEDという用語を用いる。
FEDは、一般に、所定の隙間を置いて対向配置された前面基板及び背面基板を有している。これらの基板は、矩形枠状の側壁を介してそれぞれの周縁部同士を互いに接合され、真空外囲器を構成している。真空外囲器の内部は、真空度が10−4Pa程度以下の高真空に維持されている。また、背面基板及び前面基板に加わる大気圧荷重を支えるために、これらの基板の間には複数の支持部材が配設されている。
前面基板の内面には、赤、青、緑にそれぞれ発光する蛍光体層を含む蛍光体スクリーンが形成されている。また、実用的な表示特性を得るために、蛍光体スクリーン上にメタルバックと呼ばれるアルミ薄膜が形成されている。さらに、真空外囲器の内部に残留したガス及び各基板の放出ガスを吸着するために、ゲッタ膜と呼ばれるガス吸着特性を持った金属膜がメタルバック上に蒸着されている。
背面基板の内面には、蛍光体層を励起して発光させるための電子を放出する多数の電子放出素子が設けられている。また、多数の走査線及び信号線がマトリクス状に形成され、各電子放出素子に接続されている。
このようなFEDでは、蛍光体スクリーン及びメタルバックを含む画像表示面にはアノード電圧が印加され、電子放出素子から放出された電子ビームがアノード電圧により加速されて蛍光体層に衝突することにより、蛍光体層が発光する。これにより、画像表示面に画像が表示される。この場合、アノード電圧は、最低でも数kV、できれば10kV以上にすることが望まれる。
このようなFEDでは、前面基板と背面基板との隙間を1〜3mm程度に設定することができ、現在のテレビやコンピュータのディスプレイとして使用されている陰極線管(CRT)と比較して、大幅な軽量化、薄型化を達成することができる。
しかしながら、前面基板と背面基板との間の隙間は、解像度や電子放出効率の特性などの観点からあまり大きくすることはできず、1〜3mm程度に設定する必要がある。したがって、FEDでは、前面基板と背面基板との小さい隙間に強電界が形成されることを避けられず、両基板間の放電(絶縁破壊)が問題となる。
放電が起こると、瞬間的に100A以上の電流が流れるため、電子放出素子や画像表示面の破壊あるいは劣化を招くことになる。また、放電によって駆動回路が破壊されることもある。これらをまとめて放電によるダメージと呼ぶことにする。このようなダメージは、製品として許容されない。したがって、FEDを実用化するためには、放電によるダメージを抑制しなければならない。しかしながら、放電を完全に抑制することは非常に困難である。
一方、放電が発生しないようにするのではなく、放電が起きても電子放出素子ヘの影響を無視(軽減)できるよう、放電の規模を縮小するという対策がある。このような考え方に関連する技術として、例えば、特許文献1には、画像表示面に設けられたメタルバックに切り欠きを入れてジグザグなどのパターンを形成し、蛍光面の実効的なインダクタンス・抵抗を高める技術が開示されている。また、特許文献2には、メタルバックを分割する技術が開示されている。さらに、特許文献3には、分割部での沿面放電を抑制するために、分割部に導電性材料の被覆を設けるという技術が開示されている。
しかしながら、これらの技術を用いる場合でも、放電によるダメージを完全に抑制することは困難である。
一般に、放電が生じる電圧にはばらつきがある。また、長期間経過した後に放電が起こることもある。放電を抑制するということは、アノード電圧印加時に放電が全く起こらないようにするか、放電確率を実用上許容できる程度まで小さくすることを意味する。放電を抑制しつつ印加可能なアノード−カソード間の電位差を、以後、耐圧と称することとする。
放電の要因にはいろいろなものがある。第1は、カソード側の微小な突起や異物などからの電子放出がトリガとなるものである。第2は、カソードあるいはアノードに付着した微粒子、あるいはそれらの一部がはがれたものが対向面に衝突することがトリガとなるものである。とりわけ、FEDでは、蛍光体スクリーンに重ねてメタルバックという強度の弱い薄膜及びゲッタ膜が形成されているため、その一部がはがれることが放電のトリガとなりうる。
更に、このゲッタ膜は、ゲッタの基盤となる金属基盤にガス吸着特性の大きいBa,Tiなどの金属を固定し金属基盤を加熱することにより蒸着膜としてメタルバック上に形成される。この際、金属基盤の加熱による蒸着工程で金属基盤の一部及びゲッタ電極の一部が溶解し、前面基板及び背面基板上に落下することがあり、これが放電源となり放電を拡大する大きな要因となっている。
一般に耐圧を向上させるための技術として、コンディショニングといった手法の他に、材料、構造、製造プロセスの最適化、製造環境のクリーン化、洗浄、エアーブロー等が考えられる。しかし、このような対策だけでは耐圧を望ましい値まで高めることが困難であり、より効果の大きな耐圧改善策が強く望まれている。
特開2000−311642号公報 特開平10−326583号公報 特開2000−251797号公報
以上述べたように、FEDにおいては、放電対策が重要であるが、放電を抑制する目的で、動作電圧であるアノード電圧を低く設定したり、前面基板と背面基板とのギャップを大きくしたりすると、輝度や解像度などの表示性能の低下を招くこととなり、製品として望まれる十分な表示性能を得ることが困難となる。
この発明は、上述した問題点に鑑みなされたものであって、その目的は、画像表示装置を構成する基板の耐圧特性を向上できる基板処理方法を提供することにある。
この発明の第1の様態による基板処理方法は、
画像表示面を有した前面基板、及び、前記画像表示面に向けて電子を放出する電子放出素子を有した背面基板の少なくとも一方を処理対象基板として用意する工程と、
真空チャンバ内において、前記処理対象基板と処理電極とを対向配置する工程と、
前記処理電極表面の全体を覆うように設けられたクリーニング媒体を介して対向配置された前記処理対象基板と前記処理電極との間に電界を印加する工程と、
前記処理対象基板と前記処理電極とが対向する位置から退避した状態で、前記クリーニング媒体を前記処理電極表面に沿って移動させる工程と、
を備えたことを特徴とする。
この発明の第2の様態による基板処理方法は、
画像表示面を有した前面基板、及び、前記画像表示面に向けて電子を放出する電子放出素子を有した背面基板の少なくとも一方を処理対象基板として用意する工程と、
真空チャンバ内において、前記処理対象基板と処理電極とを対向配置する工程と、
前記処理対象基板と前記処理電極との間に電界を印加する工程と、
前記処理対象基板と前記処理電極とが対向する位置から退避した状態で、前記処理電極表面にクリーニング媒体を接触させながら、前記クリーニング媒体を前記処理電極表面に沿って移動させる工程と、
を備えたことを特徴とする。
このように構成された基板処理方法によれば、真空雰囲気中で処理対象基板の主面と処理電極とを対向配置した状態でこれらの間に電界を印加する電界処理により、処理対象基板の主面に残留した異物や突起等の放電発生の要因を取り除くことができる。また、このような電界により取り除かれた放電発生要因は、処理電極の表面側に取り込まれるため、処理電極表面が汚染された状態となるが、処理電極表面に設けられたクリーニング媒体を処理電極表面に沿って移動させることにより、処理電極表面を清浄な状態に保つことが可能となる。
より具体的には、処理電極表面の全体を覆うようにクリーニング媒体を設け、このクリーニング媒体を介して対向配置された処理電極と処理対象基板との間に電界を印加することにより、処理対象基板から取り除かれた放電発生要因をクリーニング媒体上に集塵することが可能となり、処理電極表面を清浄な状態に保つことができる。また、このクリーニング媒体は、処理電極の一端側から送出されるとともに処理電極の他端側で巻き取られるため、電界処理の際にこれらの間に清浄なクリーニング媒体を介在させることが可能となる。
また、処理電極表面の一部に接触可能なクリーニング媒体を設け、処理対象基板と処理電極とが対向した位置から退避した状態で、クリーニング媒体を処理電極に接触させながら処理電極表面に沿って移動させることにより、電界処理によって処理電極表面に集塵された放電発生要因をクリーニング媒体によって除去することが可能となる。
このため、処理対象基板から取り除かれた放電発生要因が電界印加に伴って再度処理対象基板に付着することを防止することができ、処理対象基板の耐圧特性を向上することができる。また、処理対象基板と処理電極との間で不所望な放電の発生を抑制することができ、処理対象基板の損傷を防止することができる。このような電界処理を行った処理対象基板を用いることにより、耐圧特性に優れ、表示性能及び信頼性を向上した画像表示装置を提供することができる。
この発明によれば、画像表示装置を構成する基板の耐圧特性を向上できる基板処理方法を提供することができる。
以下、この発明の一実施の形態に係る画像表示装置を構成する基板を処理対象基板とする基板処理方法について図面を参照して説明する。なお、ここでは、画像表示装置として、表面伝導型の電子放出素子を備えたFEDを例にとって説明する。
図1及び図2に示すように、FEDは、1〜2mmの隙間を置いて対向配置された前面基板11及び背面基板12を備えている。これら前面基板11及び背面基板12は、絶縁基板としてそれぞれ板厚が1〜3mm程度の矩形状のガラス板を用いて構成されている。これらの前面基板11及び背面基板12は、矩形枠状の側壁13を介して周縁部同士が接合され、内部が10−4Pa程度の高真空に維持された扁平な矩形状の真空外囲器10を構成している。
真空外囲器10は、その内部に設けられ、前面基板11及び背面基板12に加わる大気圧荷重を支えるための複数のスペーサ14を備えている。このスペーサ14としては、板状あるいは柱状等の形状を採用可能である。
前面基板11は、その内面に画像表示面を備えている。すなわち、画像表示面は、蛍光体スクリーン15、蛍光体スクリーン15上に配置されたメタルバック20、メタルバック20上に配置されたゲッタ膜22などで構成されている。
蛍光体スクリーン15は、赤、緑、青にそれぞれ発光する蛍光体層16と、マトリクス状に配置された黒色光吸収層17とを有している。これらの蛍光体層16は、ストライプ状に形成されても良いし、ドット状に形成されても良い。メタルバック20は、アルミニウム膜等で形成され、アノード電極として機能する。ゲッタ膜22は、ガス吸着特性を持った金属膜によって形成され、真空外囲器10の内部に残留したガス及び各基板からの放出ガスを吸着する。
背面基板12は、その内面に表面伝導型の電子放出素子18を備えている。この電子放出素子18は、蛍光体スクリーン15の蛍光体層16を励起する電子源として機能する。すなわち、複数の電子放出素子18は、背面基板12上において、画素毎に対応して複数列及び複数行に配列され、それぞれ蛍光体層16に向けて電子ビームを放出する。各電子放出素子18は、図示しない電子放出部、この電子放出部に電圧を印加する一対の素子電極等で構成されている。また、電子放出素子18に電位を供給するための多数本の配線21は、背面基板12の内面にマトリクス状に設けられ、その端部は真空外囲器10の外部に引出されている。
このようなFEDでは、画像を表示する動作時においては、蛍光体スクリーン15及びメタルバック20を含む画像表示面にアノード電圧を印加する。そして、電子放出素子18から放出された電子ビームをアノード電圧により加速して蛍光体スクリーン15へ衝突させる。これにより、蛍光体スクリーン15の蛍光体層16が励起され、それぞれ対応する色に発光する。このようにして、画像表示面にカラー画像が表示される。
次に、上述したような構成のFEDを製造するための製造装置について説明する。ここでは、製造装置として、その主面に画像表示面を有した前面基板11及びその主面に電子放出素子18を有した背面基板12の少なくとも一方を処理対象基板とする基板処理装置について説明する。
図3に示すように、第1実施形態に係る基板処理装置は、真空チャンバ30、排気機構32、処理電極34、電界印加機構35などを備えて構成されている。真空チャンバ30は、真空処理槽で構成され、その内部に処理対象基板33を保持する保持機構31を備えており、処理対象基板33を収容可能である。排気機構32は、真空チャンバ30の内部を真空排気するものであって、真空チャンバ30に接続された排気ポンプ32などで構成されている。
処理電極34は、真空チャンバ30内において、処理対象基板33と対向可能に設けられている。この処理電極34は、保持機構31に保持され対向配置された処理対象基板33の主面33Aに対してほぼ平行に、かつ、所定の隙間をおいて配置されている。電界印加機構35は、真空チャンバ30内において、処理対象基板33と処理電極34との間に電界を印加する。この電界印加機構35は、例えば、処理対象基板33を接地するとともに、処理電極34に対して所定の電圧を印加する電源36を備えている。なお、真空チャンバ30は、接地されている。
また、第1実施形態に係る基板処理装置は、真空チャンバ30内において、処理対象基板33の主面33Aを清浄に保つためのクリーニング機構40を備えている。すなわち、このクリーニング機構40は、処理電極34の表面すなわち主面34Aに接触可能に設けられたクリーニング媒体41と、このクリーニング媒体41を処理電極34の主面34Aに沿って移動させる移動機構42とで構成されている。
クリーニング媒体41は、例えばシート状の誘電体であり、より詳細には、グラスファイバークロス、セラミックファイバークロス、ポリイミドシート、テフロン(登録商標)シートなどのアウトガスが少ないものであることが望ましい。第1実施形態においては、クリーニング媒体41は、処理電極表面34Aの全体を覆うように設けられた帯状部材である。
すなわち、この第1実施形態では、処理電極34は、処理対象基板33と処理電極34との間に電界を印加する電界処理の際に、その表面34Aがクリーニング媒体41によって覆われている。つまり、電界印加機構35は、クリーニング媒体41を介して対向配置された処理対象基板33と処理電極34との間に電界を印加する。これにより、処理対象基板33から取り除かれた放電発生要因をクリーニング媒体41に取り込み、除塵することが可能となり、処理電極34の表面34Aを清浄な状態に保つことができる。
ここで処理電極はガラスなど誘電体の片面に取り付けられ、この誘電体を介してクリーニング媒体と接触させておくことが、処理電極と処理対象基板との間の耐圧が上昇し、不要放電が抑制されるので、望ましい。
なお、このようなクリーニング媒体41を構成する誘電体は高抵抗であるため、電荷が移動しにくい。つまり、誘電体によって覆われた処理電極34を用いて処理対象基板33の電界処理を行うことで、一旦処理電極34側(誘電体上)に取り込んだ放電発生要因が再び処理対象基板33側へ移動しにくく、処理対象基板33と処理電極34との間で不所望な放電の発生を抑制することができ、処理対象基板33のダメージを軽減することができる。しかしながら、電界処理回数の増大に伴い、取り込まれた放電発生要因によって誘電体が汚染され、これに伴った種々の不具合が発生する。
そこで、移動機構42は、電界処理の後、処理対象基板33と処理電極34とが互いに対向する位置から退避した状態でクリーニング媒体41を移動させることで、クリーニング媒体41に取り込んだ放電発生要因を回収している。この第1実施形態においては、移動機構42は、クリーニング媒体41を処理電極34に向けて送出する送出機構42Aと、処理電極34の表面34Aを通過したクリーニング媒体41を巻き取る巻取機構42Bと、で構成されている。
送出機構42Aは、処理電極34の一端側に設けられている。この送出機構42Aは、図中の矢印A方向に回転可能なローラであり、その回転軸で帯状クリーニング媒体41の一端を保持している。巻取機構42Bは、処理電極34の他端側に設けられている。この巻取機構42Bは、送出機構42Aと同様に図中の矢印A方向に回転可能なローラであり、その回転軸で帯状クリーニング媒体41の他端を保持している。また、巻取機構42Bは、その回転軸を回転駆動する図示しないモータなどの駆動源を備えている。なお、送出機構42Aは、巻取機構42Bによる巻取動作に伴って回転自在に構成されていれば良く、特に駆動源を備えている必要はない。
これら送出機構42A及び巻取機構42Bは、処理対象基板33と処理電極34とが互いに対向する位置から退避した状態で、少なくとも処理電極34の一端側から他端側までの長さ分だけクリーニング媒体41を移動させる。つまり、処理電極34の表面34Aを覆っていた長さ分のクリーニング媒体41を巻き取ることで、電界処理後に放電発生要因を取り込んだ状態のクリーニング媒体41が回収されるとともに、清浄なクリーニング媒体41によって処理電極34の表面34Aが再び覆われることになる。これにより、電界処理の際に処理対象基板33と処理電極34との間に常に清浄なクリーニング媒体41を介在させることが可能となる。
このため、処理対象基板33から取り除かれた放電発生要因が電界処理の際の電界印加に伴って再度処理対象基板33に付着することを防止することができ、処理対象基板33の耐圧特性を向上することができる。また、処理対象基板33と処理電極34との間で不所望な放電の発生を抑制することができ、処理対象基板33の損傷を防止することができる。
次に、上述したような構成のFEDを製造するための第1の製造方法について説明する。
まず、画像表示面を有した前面基板11、及び、電子放出素子18を有した背面基板12の少なくとも一方を処理対象基板として用意する。続いて、処理対象基板33に対して図3に示したような製造装置を用いて電界処理を施す。
すなわち、この電界処理工程では、まず、排気機構32を作動し、真空チャンバ30内を所望の真空度まで真空排気する。これにより、真空チャンバ30内を真空雰囲気とする。
続いて、真空チャンバ30内に処理対象基板33を搬入し、保持機構31により所定の電界処理位置に設置する。このとき、処理対象基板33は、電界処理位置において、その主面33Aと処理電極34とがほぼ平行に、かつ、隙間をおいて対向した状態で配置される。処理対象基板33が前面基板11である場合には、画像表示面を有した主面を処理電極34と対向配置し、また、処理対象基板33が背面基板12である場合には、電子放出素子18を有した主面を処理電極34と対向配置する。
続いて、処理電極34を電界印加機構35の電源36に電気的に接続するとともに、処理対象基板33をアースに電気的に接続する。続いて、処理電極34に電源36により所定の電圧を印加する。これにより、クリーニング媒体41を介して対向配置された処理電極34と処理対象基板33との間に電界が発生し、処理対象基板33が電界処理される。この電界処理により、処理対象基板33上に残留していた塵、埃等の異物すなわち放電発生要因は、電界によって処理電極34側に引きつけられ、クリーニング媒体41上に付着する。
このような電界処理工程の後、処理対象基板33と処理電極34とを互いに対向する位置から退避させる。ここでは、例えば、保持機構31により保持した処理対象基板33を電界処理位置から、処理電極34の電界の影響が及ばない位置(電極範囲外の位置)に移動させる。また、処理対象基板33の位置は固定し、処理電極34を処理対象基板33と対向しない位置まで移動させても良い。
続いて、処理対象基板33と処理電極34とが対向していない状態において、巻取機構42Bによりクリーニング媒体41を巻き取る。なお、このとき、処理電極34は、接地されていることが望ましい。これにより、クリーニング媒体41に取り込んだ放電発生要因を処理電極34上から排除することができるとともに、清浄なクリーニング媒体41を新たに処理電極34の表面34Aに配置することができる。
続いて、前面基板11と背面基板12とを真空雰囲気中で対向配置した状態で互いに封着する。このとき、前面基板11及び背面基板12は、互いの主面を対向した状態で矩形枠状の側壁13を介して接合される。
なお、上述した製造方法においては、真空雰囲気中で前面基板11の画像表示面側にゲッタ膜22を形成するゲッタ膜形成工程を追加しても良い。この場合、ゲッタ膜形成工程前後の少なくとも一方で、前面基板11の電界処理工程を行うことが望ましい。
さらには、製造方法のいくつかの工程において、電界処理工程を複数回行うとさらに効果的である。これらの工程は、例えば、真空装置の搬入室やゲッタ処理工程後のパネル封じ切り直前などで行われる。
このような製造方法によれば、清浄な処理電極を用いて電界処理を行うことにより処理対象基板33の耐圧特性を向上することができ、また、電界処理を行った処理対象基板33を用いることにより、耐圧特性に優れ、表示性能及び信頼性を向上した画像表示装置を提供することができる。
次に、第2実施形態に係る基板処理装置について説明する。なお、上述した第1実施形態と同一の構成要素については同一の参照符号を付して詳細な説明を省略する。
図4に示すように、第2実施形態に係る基板処理装置は、真空チャンバ30、排気機構32、処理電極34、電界印加機構35、クリーニング機構40を備えている。第2実施形態において、クリーニング機構40を構成するクリーニング媒体41は、処理電極表面34Aの一部に接触可能に設けられた帯状部材である。
すなわち、この第2実施形態では、処理電極34の表面34Aがクリーニング媒体41によって覆われることはない。つまり、電界印加機構35は、クリーニング媒体41を介することなく対向配置された処理対象基板33と処理電極34との間に電界を印加する。処理電極の望ましい構成は、ガラスなど誘電体に金属導体が貼りあわされた形状をしている。これにより、処理対象基板33から取り除かれた放電発生要因は、処理電極34の表面34Aに直接取り込まれる。このため、電界処理回数の増大に伴い、取り込まれた放電発生要因によって処理電極34の表面34Aが汚染され、これに伴った種々の不具合が発生する。
そこで、クリーニング機構40を構成する移動機構42は、電界処理の後、処理対象基板33と処理電極34とが互いに対向する位置から退避した状態でクリーニング媒体41を処理電極34に接触させながら処理電極34の表面34Aに沿って移動させる(すなわちクリーニング媒体41と処理電極表面34Aとの接触領域を移動させる)ことにより、処理電極34の表面34Aに取り込んだ放電発生要因を回収している。このとき、移動機構42は、クリーニング媒体41と処理電極表面34Aとの接触領域を処理電極表面34Aの全体にわたって移動させることが望ましい。
この第2実施形態において、図4に示した例では、クリーニング媒体41と処理電極表面34Aとの接触領域の処理電極表面内の移動に加えて、クリーニング媒体41における処理電極表面34Aとの接触部も移動させている。すなわち、クリーニング機構40は、クリーニング媒体41を処理電極34に向けて送出する送出機構42Aと、処理電極34の表面34Aに接触したクリーニング媒体41を巻き取る巻取機構42Bと、を備えており、これら送出機構42A及び巻取機構42Bは移動機構42に一体に保持されている。
送出機構42Aは、図中の矢印A方向に回転可能なローラであり、その回転軸で帯状クリーニング媒体41の一端を保持している。図4に示した例では、送出機構42Aは、クリーニング媒体41を介して処理電極表面34Aに押し当てられている。このため、送出機構42Aと処理電極表面34Aとの間に接触領域が形成される。送出機構42Aから送出されたクリーニング媒体41は、接触領域を通過する際に処理電極表面34Aを清浄する(除塵する)。
巻取機構42Bは、送出機構42Aと同様に図中の矢印A方向に回転可能なローラであり、その回転軸で帯状クリーニング媒体41の他端を保持している。この巻取機構42Bは、その回転軸を回転駆動する図示しないモータなどの駆動源を備えている。接触領域を通過したクリーニング媒体41の接触部は、巻取機構42Bに巻き取られる。
なお、送出機構42A及び巻取機構42Bによるクリーニング媒体41の巻取量(接触部の移動量)は、移動機構42によるクリーニング媒体41の移動量(処理電極表面内における接触領域の移動量)との間に差があることが望ましい。接触領域の移動に同調して接触部を移動させた場合(クリーニング媒体41の巻取量と移動量との差がない場合)、クリーニング媒体41は処理電極表面34Aに接触するのみであるが、クリーニング媒体41の巻取量と移動量との差がある場合、クリーニング媒体41は処理電極表面34Aを擦りながら移動することになり、清浄効果が高まる。このとき、クリーニング媒体41の巻取量が移動量より小さいことが望ましい。これにより、少ないクリーニング媒体41で処理電極表面34Aの全体を清浄することが可能となる。
このような第2実施形態によれば、処理対象基板33から取り除かれた放電発生要因が電界処理の際の電界印加に伴って再度処理対象基板33に付着することを防止することができ、処理対象基板33の耐圧特性を向上することができる。また、処理対象基板33と処理電極34との間で不所望な放電の発生を抑制することができ、処理対象基板33の損傷を防止することができる。
第2実施形態において、図4に示した例では、送出機構42Aがクリーニング媒体41を介して処理電極表面34Aに押し当てられ、送出機構42Aと処理電極表面34Aとの間に接触領域が形成されたが、これに限らず、巻取機構42Bがクリーニング媒体41を介して処理電極表面34Aに押し当てられた構成であっても良し、図5に示すように、送出機構42Aと巻取機構42Bとの間の経路上に配置した押圧部材43がクリーニング媒体41を介して処理電極表面34Aに押し当てられた構成であっても良い。
次に、上述したような構成のFEDを製造するための第2の製造方法について説明する。ここでは、電界処理後の工程についてのみ説明する。
電界処理工程において、対向配置された処理電極34と処理対象基板33との間に電界を印加することにより、処理対象基板33上に残留していた放電発生要因は、処理電極34に引きつけられ、付着する。このような電界処理工程の後、処理対象基板33と処理電極34とを互いに対向する位置から退避させた状態において、移動機構42によりクリーニング媒体41を処理電極表面34Aに接触させながら処理電極表面34Aに沿って移動させる。このとき、同時に、巻取機構42Bによりクリーニング媒体41を巻き取る。これにより、処理電極表面34Aに取り込んだ放電発生要因を処理電極34上から除去することができる。
このような製造方法によれば、清浄な処理電極を用いて電界処理を行うことにより処理対象基板33の耐圧特性を向上することができ、また、電界処理を行った処理対象基板33を用いることにより、耐圧特性に優れ、表示性能及び信頼性を向上した画像表示装置を
提供することができる。
次に、第3実施形態に係る基板処理装置について説明する。なお、上述した第1実施形態と同一の構成要素については同一の参照符号を付して詳細な説明を省略する。図6に示すように、第3実施形態に係る基板処理装置は、クリーニング媒体41の裏面側から電圧を印加可能に構成されている。すなわち、クリーニング媒体41の処理電極34と反対側に導体44を取り付け、導体44に電圧を印加しながらクリーニング媒体41を移動させる。これにより、処理電極34に付着した放電発生要因を静電力でクリーニング媒体41に引き付け、処理電極34への戻りを防止することが可能となる。このような第3実施形態においても、上述した実施形態と同様の効果が得られる。
なお、この発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、その実施の段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
上述した各実施形態においては、シート状の誘電体によってクリーニング媒体を構成した例について説明したが、シート状である必要はなく、図7に示すようなブロック状であっても良い。このようなブロック状のクリーニング媒体41を処理電極表面34Aに接触させながら移動機構42により処理電極表面34Aに沿って移動させることにより、処理電極表面34Aから放電発生要因を除去することが可能である。
また、上述した各実施形態において、処理対象基板33を電界処理する際、処理対象基板33からの集塵効率を向上するために、処理対象基板33及び処理電極34側に取り込む放電発生要因の物理的特性に応じて適当な手法を付加しても良い。
図1は、この発明の実施の形態に係る製造方法及び製造装置により製造されるFEDの一例を概略的に示す斜視図である。 図2は、図1に示したFEDのA−A線に沿った断面構造を概略的に示す図である。 図3は、この発明の一実施の形態に係る基板処理装置の構成を概略的に示す断面図である。 図4は、この発明の一実施の形態に係る他の基板処理装置の構成を概略的に示す断面図である。 図5は、この発明の一実施の形態に係る他の基板処理装置の構成を概略的に示す断面図である。 図6は、この発明の一実施の形態に係る他の基板処理装置の構成を概略的に示す断面図である。 図7は、この発明の一実施の形態に係る他の基板処理装置の構成を概略的に示す断面図である。
符号の説明
10…真空外囲器
11…前面基板
12…背面基板
18…電子放出素子
30…真空チャンバ
31…保持機構
32…排気機構
33…処理対象基板(前面基板、背面基板)
34…処理電極
35…電界印加機構
36…電源
40…クリーニング機構
41…クリーニング媒体
42…移動機構
42A…送出機構
42B…巻取機構

Claims (7)

  1. 画像表示面を有した前面基板、及び、前記画像表示面に向けて電子を放出する電子放出素子を有した背面基板の少なくとも一方を処理対象基板として用意する工程と、
    真空チャンバ内において、前記処理対象基板と処理電極とを対向配置する工程と、
    前記処理電極表面の全体を覆うように設けられたクリーニング媒体を介して対向配置された前記処理対象基板と前記処理電極との間に電界を印加する工程と、
    前記処理対象基板と前記処理電極とが対向する位置から退避した状態で、前記クリーニング媒体を前記処理電極表面に沿って移動させる工程と、
    を備えたことを特徴とする基板処理方法。
  2. 前記クリーニング媒体を移動する工程は、前記処理電極の一端側に設けられた送出機構により前記クリーニング媒体を前記処理電極に向けて送出するとともに、前記処理電極の他端側に設けられた巻取機構により前記処理電極表面を通過した前記クリーニング媒体を巻き取ることによって行われることを特徴とする請求項1に記載の基板処理方法。
  3. 前記送出機構及び前記巻取機構は、少なくとも前記処理電極の一端側から他端側までの長さ分だけ前記クリーニング媒体を移動させることを特徴とする請求項2に記載の基板処理方法。
  4. 画像表示面を有した前面基板、及び、前記画像表示面に向けて電子を放出する電子放出素子を有した背面基板の少なくとも一方を処理対象基板として用意する工程と、
    真空チャンバ内において、前記処理対象基板と処理電極とを対向配置する工程と、
    前記処理対象基板と前記処理電極との間に電界を印加する工程と、
    前記処理対象基板と前記処理電極とが対向する位置から退避した状態で、前記処理電極表面にクリーニング媒体を接触させながら、前記クリーニング媒体を前記処理電極表面に沿って移動させる工程と、
    を備えたことを特徴とする基板処理方法。
  5. 前記クリーニング媒体を移動する工程は、前記処理電極表面内の移動に加えて、送出機構により前記クリーニング媒体を前記処理電極に向けて送出するとともに、巻取機構により前記処理電極表面に接触した前記クリーニング媒体を巻き取る工程を含むことを特徴とする請求項4に記載の基板処理方法。
  6. 前記クリーニング媒体は、シート状の誘電体であることを特徴とする請求項1または4に記載の基板処理方法。
  7. 前記クリーニング媒体の処理電極と反対側に導体をとりつけ、導体に電圧を印加しながらクリーニング媒体を移動させることを特徴とする請求項4乃至6のいずれか1項に記載の基板処理方法。
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