JP2005285897A - 電極活物質組成物の製造方法、電気二重層キャパシタ用分極性電極の製造方法、及び電気二重層キャパシタ - Google Patents

電極活物質組成物の製造方法、電気二重層キャパシタ用分極性電極の製造方法、及び電気二重層キャパシタ Download PDF

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Abstract

【課題】 調製及び管理が困難なセルロース系結着材水溶液を用いない、生産性の高い電極活物質組成物の製造方法、電気二重層キャパシタ用分極性電極の製造方法を提供する。また、上記製造方法により得られた電気二重層キャパシタ用分極性電極を用いて組み立てた生産性の高い電気二重層キャパシタを提供する。
【解決手段】 結着材以外の配合成分とセルロース系結着材の粉末をドライブレンドした後、水系溶剤を添加して分散する工程を含む、電極活物質組成物の製造方法である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、生産性の高い電極活物質組成物の製造方法、電気二重層キャパシタ用の分極性電極の製造方法、並びに電気二重層キャパシタに関するものである。
電気二重層キャパシタは、電極と電解液の界面に形成される電気二重層を利用したコンデンサであり、従来のコンデンサと比較して充電容量が大きく、急速充放電が可能であることから、その応用の拡大が期待されている。又、電気二重層キャパシタはコンデンサと電池の両方の機能を有することから、ビデオ、オーディオ、などの電子機器のメモリーのバックアップ用、携帯機器の電池交換時の補助電源、太陽電池を使用して時計や表示灯機器の蓄電源などに用いられている。近年、小型、大容量、大電流を活かして、自動車や電子機器の小型モータやセルモータの起動電源として期待されている。
従来、活性炭をバインダ(結着材)と混合してスラリー状の塗工組成物を調製し、アルミニウム箔や銅箔の集電体へ塗布し乾燥し圧延し、高密度化させた分極性電極を所定の大きさに裁断して電極とし、該電極の一対とセパレータを介して巻き回し、電解液と共に所定の電池ケースへ入れた電気二重層キャパシタが知られている(例えば、特許文献1)。
特許文献1では、スラリー状の塗工組成物は、バインダであるメチルセルロースまたはカルボキシメチルセルロースを水に溶解した液と、活性炭、導電性付与剤を混合分散して得ている。また、特許文献2においても、スラリー状の塗工組成物は、バインダを水や溶媒に溶かした後、活性炭や導電助剤と共に混合して調製されることが記載されている。特許文献3においては、ラテックス、カルボキシメチルセルロース及び水を主成分とするエマルジョンに活性粉末を混合した液状活性炭組成物が記載されているが、まず活性炭と水とを混合し、更に水に溶解させたカルボキシメチルセルロースを加え、次にラテックスを加えて混合することにより、組成物が調製されている。
特開平3−280518号公報 特開2001−110988号公報 特開2002−343688号公報
以上のように、結着材としてカルボキシメチルセルロース等のセルロース系結着材が好適に用いられるが、このようなセルロース系結着材は、水に対する溶解度が低いため、通常1%や1.5%程度の水溶液が調製されている。しかしながら、セルロース系結着材は、水溶液を調製時に継粉を生成しやすいため、水溶液の調製に手間及び時間がかかっていた。更に、セルロース系結着材は、水溶液にするとその保管状態に気をつける必要があり、使用期限内に水溶液を使いきれるように調製量を管理する必要があった。
本発明は上記の実状に鑑みて成し遂げられたものであり、その第一の目的は、調製及び管理が困難なセルロース系結着材水溶液を用いない、生産性の高い電極活物質組成物の製造方法を提供することにある。
また、本発明の第二の目的は、調製及び管理が困難なセルロース系結着材水溶液を用いない、生産性の高い電気二重層キャパシタ用分極性電極の製造方法を提供することにある。
また、本発明の第三の目的は、上記製造方法を用いて製造された生産性の高い電気二重層キャパシタを提供することにある。
本発明に係る電極活物質組成物の製造方法は、結着材以外の配合成分とセルロース系結着材の粉末をドライブレンドした後、水系溶剤を添加して分散する工程を有することを特徴とする。
本発明の電極活物質組成物の製造方法は、結着材以外の配合成分とセルロース系結着材の粉末をドライブレンドした後、各粉末が分散された状態で水系溶剤を添加して溶解及び/又は分散するため、調製に時間及び手間がかかるセルロース系結着材の水溶液を調製する必要がない。従って本発明の電極活物質組成物の製造方法を用いると短時間で容易に電極活物質組成物を調製することができ、更に、セルロース系結着材の水溶液を調製しないため、水溶液を保管する労力や、水溶液の調製量の管理も不要であり、生産性が向上する。
前記結着材以外の配合成分は、少なくとも活物質及び/又は導電助剤を含むことが好ましい。
前記水系溶剤を添加して分散する工程の後に、更に他の結着材を添加して分散する工程を含んでも良い。
次に、本発明に係る電気二重層キャパシタ用分極性電極の製造方法は、少なくともセルロース系結着材を含む電極活物質層が集電体の少なくとも一面に設けられる電気二重層キャパシタ用分極性電極の製造方法であって、少なくとも、a)集電体を準備する工程と、b)結着材以外の配合成分とセルロース系結着材の粉末をドライブレンドした後、水系溶剤を添加して分散することにより電極活物質組成物を調製する工程と、c)該電極活物質組成物を集電体に塗布することにより電極活物質組成物層を形成し、乾燥する工程と、d)該電極活物質層が形成された集電体をプレスする工程と、e)所定の大きさに切断する工程を有する。
また、本発明に係る電気二重層キャパシタは、前記本発明に係る電気二重層キャパシタ用分極性電極の製造方法により製造した少なくとも一対の分極性電極、セパレータ、電解液を外装体に封入したものである。
本発明の電極活物質組成物の製造方法、及び本発明の電気二重層キャパシタ用分極性電極の製造方法は、結着材以外の配合成分とセルロース系結着材の粉末をドライブレンドした後、各粉末が分散された状態で水系溶剤を添加して溶解及び/又は分散する工程を有するため、調製に時間及び手間がかかるセルロース系結着材の水溶液を調製する必要がない。従って本発明の電極活物質組成物の製造方法を用いると短時間で容易に電極活物質組成物を調製することができ、更に、セルロース系結着材の水溶液を調製しないため、水溶液を保管する労力や、水溶液の調製量の管理も不要であり、生産性が向上する。
また、本発明に係る電気二重層キャパシタは、内部に装填された分極性電極が生産性に優れるため、生産性が高い。
<電極活物質組成物の製造方法>
本発明に係る電極活物質組成物の製造方法は、少なくともセルロース系結着材を含む電極活物質組成物の製造方法であって、結着材以外の配合成分とセルロース系結着材の粉末をドライブレンドした後、水系溶剤を添加して分散する工程を含む。なお、上記粉末には顆粒や細粒も含まれる。
本発明に係る電極活物質組成物の製造方法には、セルロース系結着材の他に、結着材以外の配合成分として、通常、活物質が含まれ、更に導電性の点から導電助剤を含有することが好ましい。セルロース系結着材の粉末とドライブレンドする結着材以外の配合成分としては、少なくとも活性炭及び/又は導電助剤を含むことが好ましく、更に、活性炭及び導電助剤を含むことが好ましい。
本発明に用いられる活物質としては、平均粒径が0.5〜30μm程度、BET比表面積が500〜3000m程度の活性炭であることが好ましく、単独又は異なる活性炭を複数混合してもよい。活性炭は、粉末状、粒状でもよく、ヤシガラ系、木質系、石炭系、樹脂系などを原料とする公知の活性炭から適宜選択すればよい。
セルロース系結着材としては、カルボキシメチルセルロース(CMC)のナトリウム塩、アンモニウム塩、メチルセルロース等が挙げられるが、少ない添加量で凝集物を発生させず、安定した電極活物質組成物が得られる点から、特にカルボキシメチルセルロースのアンモニウム塩が好ましく用いられる。
水系溶剤は、水、又は、水に水溶性有機溶媒が混和している溶剤をいうが、特に、水が好適に用いられる。本発明に用いられる水系溶剤中に水溶性有機溶媒が混和されている場合、有機溶媒は活性炭等活物質との親和性が高く、吸着されるため、有機溶媒の含有量は少ない方が好ましく、水は水系溶剤中80重量%以上含まれることが好ましく、更に90重量%以上含まれることが好ましい。水に混和する水溶性有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール等のアルコール溶媒等が用いられ得る。
導電助剤としては、アセチレンブラック、カーボンブラック、天然黒鉛、人造黒鉛などが適用でき、これらを単独又は複数を混合してもよい。
本発明に係る電極活物質組成物には、また、セルロース系結着材とは異なる他の結着材が含まれていることが集電体との密着力、接触抵抗、サイクル特性の点から好ましい。
セルロース系結着材とは別の、他の結着材としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)又はポリフッ化ビニリデン(PVDF)などの弗素系樹脂、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルアセタール、ポリビニルピロリドン、スチレンブタジエンゴムなどのゴム系などが適用でき、これらの単独又は複数を混合してもよい。中でも、セルロース系結着材と組み合わせる他の結着材としては、スチレンブタジエンゴム等のゴム系結着材が、添加量が少なくても密着力に優れる点から好適に用いられる。
他の結着材を分散又は溶解するのに用いられる溶媒としては、N−メチルピロリドン、トルエン、メチルアルコール、エチルアルコールメチルエチルケトル、イソプロピルアルコールなどの有機溶剤、又は水などが適用でき、これらの単独又は複数を混合してもよい。
なお、他の結着材を用いる場合には、本発明に用いられるセルロース系結着材は、全結着材中5〜80重量%、更に、6〜70重量%用いられることが好ましい。
活物質の量は多い方が電池容量を増加でき、導電助剤の量は導電性が確保できれば少ない方がよく、結着材の量は少ない程抵抗を少なくできるが、全体の整合性から、活物質:導電助剤:バインダ=80〜99重量%:0.5〜10重量%:0.5〜10重量%程度が好ましい。水及び/又は有機溶媒は、固形分割合として15〜50重量%になるように調整することが好ましい。
結着材以外の配合成分とセルロース系結着材の粉末をドライブレンドする工程は、特に限定されることなく、通常用いられる混練又は分散機を用いて行うことができる。例えば、プラネタリディスパ、ホモジナイザー、ボールミル、サンドミル、ロールミル等の分散機、アトライター、高速インペラー分散機、高速ミキサー、リボンブレンダー、コニーダー、インテンシブミキサー、タンブラー、ブレンダー、デスパーザーおよび超音波分散機を用いることができる。
ドライブレンドした後、水系溶剤を添加して分散する工程は、ドライブレンドに用いたプラネタリディスパ等の分散機に水を添加して更に分散することにより行うことが、生産性が高まる点から好ましい。ドライブレンドした後、水系溶剤を添加して分散したときの粘度を1000〜30000mPa・s、更に好ましくは2000〜20000mPa・sに調整する工程を含むことが、電極活物質組成物の安定性、塗工の安定性の点から好ましい。なお、粘度は25℃においてB型粘度計により測定したものをいう。
また、他の結着材が含まれる場合には、結着材以外の配合成分とセルロース系結着材の粉末をドライブレンドした後、水系溶剤を添加して分散する工程の後に、更に他の結着材を添加して分散する工程を含むことが好ましい。この際、他の結着材は、溶媒に分散または溶解させて添加することが好ましい。
セルロース系結着材とドライブレンドされる、結着材以外の粉末は、その一部がドライブレンドに用いられても良いが、結着材以外の粉末の全部がドライブレンドに用いられることが効率の点から好ましい。セルロース系結着材と結着材以外の粉末の配合割合は、セルロース系結着材1重量部に対して、5重量部以上であることが好ましく、更に、10重量部以上であることが好ましい。
<電気二重層キャパシタ用分極性電極の製造方法>
本発明に係る電気二重層キャパシタ用分極性電極の製造方法は、少なくともセルロース系結着材を含む電極活物質層が集電体の少なくとも一面に設けられる電気二重層キャパシタ用分極性電極の製造方法であって、少なくとも、a)集電体を準備する工程と、b)結着材以外の配合成分とセルロース系結着材の粉末をドライブレンドした後、水系溶剤を添加して分散することにより電極活物質組成物を調製する工程と、c)該電極活物質組成物を集電体に塗布することにより電極活物質組成物層を形成し、乾燥する工程と、d)該電極活物質層が形成された集電体をプレスする工程と、e)所定の大きさに切断する工程を有する。
a)集電体を準備する工程
集電体としては、Al、Cu、Cr、Ni、Ag、Auなどの公知の金属箔が適用でき、これらの合金、複数層からなる箔でもよく、また、表面にエッチング処理を施してもよい。その厚さは2〜200μm、好ましくは8〜75μm、さらに好ましくは10〜50μmである。製造工程に耐える機械的強度があれば薄い程よく、実用的には通常、上記の範囲である。前述したような、公知で市販されているAl、Cu、Cr、Niなどの、圧延又はメッキ法による金属箔を、集電体として巻取体で準備することが好ましい。
b)電極活物質組成物を調製する工程
結着材以外の配合成分とセルロース系結着材の粉末をドライブレンドした後、水系溶剤を添加して分散することにより電極活物質組成物を調製する工程であって、前記電極活物質組成物の製造方法と同様に行うことができる。
c)電極活物質組成物を集電体に塗布、乾燥する工程
電極活物質組成物を集電体に塗布する方法は、特に限定されないが、例えばスライドダイコート、スリットダイコート、コンマダイレクトコート、コンマリバースコート等のように、厚い塗工層を形成できる方法が適している。ただし、活物質層に求められる厚さが比較的薄い場合には、グラビアコートやグラビアリバースコート等により塗布してもよい。活物質層は、複数回塗布、乾燥を繰り返すことにより形成してもよい。タブ部材が取り付けられるように、非塗布部を設けることが好ましい。
いずれの塗布方法においても、電極活物質層の厚さが薄いと、一定体積の電池ケース内に入る活物質が減るので電池容量が下がる。また、電極活物質層の厚さが厚いと、集電体から距離が大きくなるので抵抗が上がってしまう。従って、電極活物質層のプレス後の厚みが15μm〜210μmとなるように、塗布して後工程でプレスすることが好ましく、更に30μm〜140μmとなるように塗布して後工程でプレスすることが好ましい。
乾燥工程における熱源としては、熱風、赤外線、遠赤外線、マイクロ波、高周波、或いはそれらを組み合わせて利用できる。乾燥工程において集電体をサポート又はプレスする金属ローラーや金属シートを加熱して放出させた熱によって乾燥してもよい。また、乾燥後、電子線または放射線を照射することにより、結着材を架橋反応させて電極活物質層を得ることもできる。塗布と乾燥は、複数回繰り返してもよい。
d)該パターン状の電極活物質層が形成された集電体をプレスする工程
得られた電極活物質層をプレス加工する。該プレス加工により、分極性電極の均質性が向上し、また、薄膜化することによってキャパシタ内に巻き込める分極性電極の面積をより大きくできる。キャパシタの性能に大きく影響を及ぼす一対の各分極性電極をプレス加工することで、高容量化できる。プレス加工は、例えば、金属ロール、弾性ロール、加熱ロールまたはシートプレス機等を用いて行なう。プレス圧力は、通常4903〜73550N/cm(500〜7500kgf/cm)、好ましくは29420〜49033N/cm(3000〜5000kgf/cm)である。4903N/cm(500kgf/cm)よりプレス圧力が小さいと電極活物質層の均質性が得られにくく、73550N/cm(7500kgf/cm)よりプレス圧力が大きいと集電体を含めて分極性電極自体が破損してしまう場合がある。電極活物質層は、一回のプレスで所定の厚さにしてもよく、均質性を向上、及び/又は高密度化する目的で数回に分けてプレスしてもよい。
ロールプレスの圧力を線圧で管理する場合、加圧ロールの直径に応じて調節するが、通常は線圧を4.9〜19614N/cm(0.5kgf/cm〜2tf/cm)とする。プレス後の極板の厚さを考慮して、数回に分けてのプレスや多段プレスしてもよい。また、合剤層の乾燥途中で、その表面にポリエチレンテレフタレートフィルム等の表面平滑なフィルムを軽く圧着して再び剥離することによって、電極活物質層の表面を平滑化してもよい。
e)所定の大きさに切断する工程
分極性電極の形状は細長く、例えば、コンピュータのバックアップ用の電極であれば、短辺幅は7〜300mm、長辺の長さは50〜1000mm程度である。また、モーター用であれば、短辺幅は50〜500mm程度、長辺の長さは100〜50000mm程度である。このために、上記で説明してきた分極性電極の製造工程は、幅及び長さともに複数個の電極をとることができる、広幅で長尺の巻取体を好ましく使用して加工するので、プレス加工が終わった段階で、所定の幅及び長さ、又は所定の形状に切断して分極性電極とする。
以上のようにして分極性電極が得られ、この分極性電極を用いて電気二重層キャパシタを作製することができる。
<電気二重層キャパシタ>
本発明に係る電気二重層キャパシタは、前記本発明に係る電気二重層キャパシタ用分極性電極の製造方法により製造した少なくとも一対の分極性電極、セパレータ、電解液を外装体に封入したものである。通常、第1分極性電極、第1のセパレータ、第2の分極性電極、第2のセパレータをこの順に重ねて巻き回したキャパシタ素子と、電解液とを外装体へ封入し、第1分極性電極及び第2の分極性電極の各々のタブから端子が取り出されている。本発明に係る電気二重層キャパシタは、内部に装填された分極性電極が生産性に優れるため、生産性が高い。
セパレータとしては特に限定されるものではなく、公知のマニラ麻、ガラス繊維の混抄紙、ポリプロピレンやポリエチレンなどの多孔性フィルムなどが適用できる。
電解液としては、公知の適用でき、例えばBF、PF、及びClOなどのリチウム塩、(CHN塩、及び(CN塩などの電解質を、例えばプロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタンなどの溶媒へ分散又は溶解したものである。
タブは分極性電極からの電気引出し用のタブで、公知のタブ部材でよく、該タブ部材の羽子板状部で集電体が露出した面へ、例えばかしめなどにより固定すればよい。
外装体は、第1分極性電極、第1のセパレータ、第2の分極性電極、第2のセパレータをこの順に重ねたキャパシタ素子と、電解液とを封入するケースで公知のケースが適用できる。該ケースには第1分極性電極及び第2の分極性電極の各々のタブから端子が取り出されている。
(実施例)
活性炭(BET比表面積2000m/g)80gと、アセチレンブラック(導電助剤)10gと、カルボキシメチルセルロース2gを粉体の状態で、プラネタリディスパで混合し、略均一になった後、水を添加し分散を行った。適宜更に水を添加しながら粘度を25℃で7000mPa・sとなるように調整し、得られた分散液にスチレンブタジエンゴムのディスパージョン(大日本インキ化学株式会社製、DS−614)を固形分で8g添加し、更に分散することで電極活物質組成物を得た。調製に所要した時間は50分であった。これを集電体であるアルミニウム箔の上に塗布、乾燥し、更にプレス、切断して分極性電極を得た。セパレータを介して2枚の分極性電極を巻き回し、1Mテトラエチルアンモニウムテトラフルオロボレートのプロピレンカーボネート溶液を注入し、電気二重層キャパシタを製造した。
(比較例)
まず、カルボキシメチルセルロース水溶液を調製した。継粉の発生を抑えるため、水を撹拌しながらカルボキシメチルセルロースを添加して、1.5%水溶液を得た。水溶液を調製するのに15分を要した。
活性炭(BET比表面積2000m/g)80gと、アセチレンブラック(導電助剤)10gと、カルボキシメチルセルロース1.5%水溶液を固形分で2gとなるように添加し、プラネタリディスパで分散を行った。適宜更に水を添加しながら粘度を25℃で7000mPa・sとなるように調整し、得られた分散液にスチレンブタジエンゴムのディスパージョン(大日本インキ化学株式会社製、DS−614)を固形分で8g添加し、更に分散することで電極活物質組成物を得た。電極活物質組成物を得るのに所要した時間は全部で65分であった。これを集電体であるアルミニウム箔の上に塗布、乾燥し、更にプレス、切断して分極性電極を得た。セパレータを介して2枚の分極性電極を巻き回し、1Mテトラエチルアンモニウムテトラフルオロボレートのプロピレンカーボネート溶液を注入し、電気二重層キャパシタを製造した。
(評価結果)
本発明の製造方法においては、電極活物質組成物が容易に得られ、且つ調製時間を短縮することができた。実施例、比較例共に2.5V−30minのCC/CVにて充電、3mA/cm2にて放電を行った。その容量はいずれも22.5F/gであった。電極活物質組成物の製造方法を調製及び管理が困難なセルロース系結着材水溶液を用いない、生産性の高い本発明に係る製造方法に変更しても、電気二重層キャパシタの性能自体への影響は確認されず、有効な生産性が向上した製造方法であることが確認できた。

Claims (7)

  1. 結着材以外の配合成分とセルロース系結着材の粉末をドライブレンドした後、水系溶剤を添加して分散する工程を含む、電極活物質組成物の製造方法。
  2. 前記結着材以外の配合成分が、少なくとも活物質及び/又は導電助剤を含む、請求項1に記載の電極活物質組成物の製造方法。
  3. 前記水系溶剤を添加して分散する工程の後に、更に他の結着材を添加して分散する工程を含む、請求項1又は2に記載の電極活物質組成物の製造方法。
  4. 少なくともセルロース系結着材を含む電極活物質層が集電体の少なくとも一面に設けられる電気二重層キャパシタ用分極性電極の製造方法であって、少なくとも、a)集電体を準備する工程と、b)結着材以外の配合成分とセルロース系結着材の粉末をドライブレンドした後、水系溶剤を添加して分散することにより電極活物質組成物を調製する工程と、c)該電極活物質組成物を集電体に塗布することにより電極活物質組成物層を形成し、乾燥する工程と、d)該電極活物質層が形成された集電体をプレスする工程と、e)所定の大きさに切断する工程を有する、電気二重層キャパシタ用分極性電極の製造方法。
  5. 前記電極活物質組成物を調製する工程b)において、前記結着材以外の配合成分が、少なくとも活物質及び/又は導電助剤を含む、請求項4に記載の電気二重層キャパシタ用分極性電極の製造方法。
  6. 前記電極活物質組成物を調製する工程b)において、前記水系溶剤を添加して分散する工程の後に、更に他の結着材を添加して分散する工程を含む、請求項4又は5に記載の電気二重層キャパシタ用分極性電極の製造方法。
  7. 請求項4乃至6に記載の電気二重層キャパシタ用分極性電極の製造方法により製造した少なくとも一対の分極性電極、セパレータ、電解液を外装体に封入した、電気二重層キャパシタ。
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JP2011063673A (ja) * 2009-09-16 2011-03-31 Daicel Chemical Industries Ltd 水系ペースト及びその製造方法

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