JP2005284100A - 空孔の形成方法および磁気抵抗効果素子の製造方法 - Google Patents

空孔の形成方法および磁気抵抗効果素子の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 安価な製造方法を提供することを可能にする。
【解決手段】 空孔を形成すべき部材上に、平面内に分散析出した複数相からなる有機ポリマー膜を形成する工程と、前記有機ポリマー膜の所定部分の析出相に、電子線を照射し前記析出相の分子構造を変化させる工程と、前記分子構造が変化した前記析出相を溶液中にて選択的に除去させる工程と、
前記析出相が選択的に除去された前記有機ポリマー膜をマスクとして前記空孔を形成すべき部材をエッチングすることにより前記空孔を形成する工程と、を備えている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、空孔の形成方法および磁気抵抗効果素子の製造方法に関する。
強磁性層/非磁性層/強磁性層からなる積層構造において面内に電流を流した場合に、巨大磁気抵抗効果(以下、GMR効果(Giant Magnetoresistance effect)とも云う)が発現することが見出されて以来、さらに大きな磁気抵抗変化率を持つ系が探索されてきた。これまでに、強磁性トンネル接合素子や電流を積層構造に対して垂直方向に流すCPP(Current Perpendicular to Plane)型MR素子が開発され、これらは磁気センサーや磁気記録の再生素子として有望視されている。
磁気記録技術の分野においては、記録密度の向上により必然的に記録ビットの縮小化が進められ、その結果として十分な信号強度を得ることが難しくなりつつある。このため、より感度の高い磁気抵抗効果を示す材料が求められており、上述の如く大きな磁気抵抗変化率を示す系の必要性はますます高くなっている。
最近、100%以上の磁気抵抗効果を示すものとして、2つの針状のニッケル(Ni)を付き合わせた「磁気微小接点」、あるいは2つのマグネタイトを接触させた磁気微小接点が、知られている。これらは、大きな磁気抵抗変化率を示しているものの、その磁気微小接点の作製方法は、いずれも2つの針状あるいは三角形状に加工した強磁性体を角付き合わせるというものである。
さらに極最近、2本の細いNiからなるワイヤをT字に配置し、電着法を用いて接触部に微小コラムを成長させた磁気微小接点が知られている。これらも非常に大きな磁気抵抗変化率を示しているが、この磁気微小接点の構造では素子化が不可能である。
一方、アルミナのピンホールにNiからなるクラスターを電着で成長させて作製した磁気微小接点が知られている。この構造は磁区の制御と接点構造制御が困難であり、このため、この接点の抵抗変化率は14%以下と小さい。この微小磁気接点を用いた磁気抵抗効果素子(以下、ポイントコンタクトMR素子(PCMR素子)とも云う)は、磁気抵抗効果膜が上下電極に挟まれて面内垂直にセンス電流が流される。上記磁気抵抗効果膜は、磁化が固着されたピン層と、磁化が外部磁界に応じて動くフリー層と、ピン層とフリー層との間に設けられた絶縁層とを備えており、ピン層とフリー層は絶縁層に設けられた微小磁気接点でのみ接触する。この微小磁気接点において、フリー層とピン層の磁化が反並行の場合に高抵抗を示し、並行の場合には低抵抗を示す。すなわち微小磁気接点での上下磁性層の磁化方向の状態が磁気抵抗効果素子の電気抵抗を決定する。この微小接点(ポイントコンタクト)は20nm径以下であり、その製造が極めて困難である。たとえば、電子線描画により10nm径の穴をレジストに描画してエッチングプロセスで絶縁層に微小接点を設ける場合には、電子線描画装置の調整状態や電子線描画用レジストの状態によりウエハー面内、ウエハー間のばらつきは大きく、場合によっては微小接点が形成されない場合もある。さらに磁性体の上での電子線描画は磁性体から発生する磁界の影響により描画軌道が歪み、正確な描画が困難である。磁気抵抗効果素子の特性を決定する上でクリティカルな微小接点の形成はプロセス上の困難性が極めて高い。この微小接点を安定して形成する方法が求められる。
一方、媒体の磁性粒子一つ一つを物理的に分離させて形成するディスクリートメディアも高密度化を実現するための媒体として開発を進められている。このディスクリートメディアを形成するのに使用されるテンプレートの中でも、自己組織化レジストを用いた媒体パターニング用テンプレートは、ジブロックコポリマー塗布およびベークによりポリマーを二相に分離させ、そのうちの一相を選択的にエッチング除去することにより、磁性粒子を配列・加工するために使用される。これらのテンプレートは、条件により10nm〜20nmサイズの磁性ドットを形成することができることが報告されている(例えば、非特許文献1)。上記ポリマーは、化学増感作用をもたない構造となっているため、一般的な安価なクリーンルームで工程を流すことが可能である。
また、粒子線(ベータ線)を照射することにより一相のポリマーの主鎖を切断して溶媒に溶解することができることも報告されている。しかし、ジブロックコポリマーのドットのサイズ安定性のみならず秩序性までも利用する一般的素子においては、ジブロックコポリマーのドットの秩序性が数ミクロン角程度であるため、それよりも大きい秩序性が一般的に求められる半導体素子、磁気媒体膜への適応には、より広範囲に配列できるようなプロセスが要求される。このため長距離秩序性を保つための溝加工などしてジブロックコポリマーを配置させるなどの工程が必要でコスト上昇を招く。
基本的に粒子を面内に配列しようとした場合、エピタキシャル成長に代表される下地基板のポテンシャルを利用して配列粒子(原子、分子)を配列させる方法があるが、これは下地基板に単結晶を用いるなどポテンシャル配列が長距離である材料が用いられる、もしくはグラホエピタキシーのように予め凹凸加工された基板が用いられる。単結晶基板では基板種類の限定を受ける。グラホエピタキシーの場合には、ある距離での配列秩序性を要求され、その距離に応じた範囲・形状にて凹凸加工するためコストアップが当然発生する。また、面内粒子の配列は、粒が60度毎に配列する細密充填構造をとらず、90度毎に配列する場合も存在するため、その境界が粒界となり配列エラーとなってしまう。
日本応用磁気学会誌、vol.27,pp191−195(2003)
しかし、従来は、磁気抵抗効果の大きな磁気微小接点を得るために、2つの針状等に加工した強磁性体を角付き合わせることが必要であるなど、作製時の接点部の精密な制御が困難な構造であった。磁気ヘッドや固体磁気メモリなどへの応用を考慮すると、制御性よく作製でき、量産可能な微小接点の構造およびその作製方法の開発が必要である。また、磁気抵抗変化は、微小接合を挟んだ両側の磁性層における磁化方向の差異を検出するため、磁性層の磁区制御がポイントである。そのため、従来のシールド型記録再生マージヘッドに採用されている再生GMRヘッド構造を垂直通電方式に変化させた構造が最も安価に提供しやすい構造である。しかし、素子を作成するには数nm〜20nmサイズのコンタクトホール(以降、ナノホール)を用いて2枚の磁性体を接続する必要がある。
一般に、光露光システム限界よりも微小なる穴の形成には電子線描画を用いるが、数nm〜20nmサイズの穴の描画には、きわめて高度に制御された描画装置、描画環境が必要となる。また、電子線描画用レジスト(以下、EBレジストとも云う)も半導体仕様を超えた超高精細描画に向いたものが必要となる。特に磁性体の上での電子線描画は磁性体から発生する磁界の影響により描画軌道が歪み、正確な描画が困難である。
一般的なEBレジストと電子線描画装置を用いてナノホールを形成した場合、その寸法ばらつきが大きくなり、歩留まりの低下を招いてしまう。超精細電子線装置および高感度EBレジストを用いる場合は、アミン・アンモニア雰囲気を除去したレジスト工程環境を用いる必要があり、装置・材料・工程環境に要するコストすなわち製造コストが上昇してしまう。
素子の特性を決定する上でクリティカルな微小接点(ポイントコンタクト)の形成はプロセス上の困難性が極めて高い。この微小接点を安定して形成する方法が求められる。
また、自然的にドット形状やサイズが決まるジブロックコポリマーにおいては、ドットの秩序性が数ミクロン角程度であるため、それよりも大きい秩序性が一般的に求められる半導体素子、磁気抵抗効果膜への適応にはより広範囲に配列できるようなプロセスが要求される。そのため長距離秩序性を保つための溝を加工してジブロックコポリマーを配置させるなど、コスト上昇を招く原因となる。
基本的に粒子を面内に配列しようとした場合、エピタキシャル成長に代表される下地基板のポテンシャルを配列粒子(原子、分子)の配列に影響させる方法があるが、これは下地基板に単結晶を用いるなどポテンシャル配列が長距離な材料が用いられ、またグラホエピタキシーのように予め凹凸加工された基板が用いられる。単結晶基板では基板種類の限定を受ける。グラホエピタキシーの場合には、ある距離での配列秩序性を要求され、その距離に応じた範囲・形状にて凹凸加工するためコストアップが当然発生する。また、面内粒子の配列は、粒が60度毎に配列する細密充填構造をとらず、90度毎に配列する場合も存在するため、その境界が粒界となり配列エラーとなってしまう。
本発明は、上記事情を考慮してなされたものであって、製造コストが安価な空孔の形成方法および磁気抵抗効果素子の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の第1の態様による空孔の製造方法は、空孔を形成すべき部材上に、平面内に分散析出した複数相からなる有機ポリマー膜を形成する工程と、前記有機ポリマー膜の所定部分の析出相に、電子線を照射し前記析出相の分子構造を変化させる工程と、前記分子構造が変化した前記析出相を溶液中にて選択的に除去させる工程と、前記析出相が選択的に除去された前記有機ポリマー膜をマスクとして前記空孔を形成すべき部材をエッチングすることにより前記空孔を形成する工程と、を備えたことを特徴とする。
また、本発明の第2の態様による磁気抵抗効果素子の製造方法は、基板上に第1電極を形成する工程と、前記下部電極上に第1強磁性層を形成する工程と、前記第1強磁性層上に非磁性層を形成する工程と、請求項1乃至7のいずれかに記載の空孔の製造方法を用いて前記非磁性層に空孔を形成する工程と、
前記空孔を埋め込むように前記非磁性層上に第2強磁性層を形成する工程と、前記第2強磁性層上に第2電極を形成する工程と、を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、製造コストが安価な空孔の形成方法および磁気抵抗効果素子の製造方法を得ることができる。
以下に、本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態による磁気抵抗効果素子の製造方法を図1乃至図3を参照して説明する。この実施形態の製造方法によって製造される磁気抵抗効果素子の構成を図3に示す。この磁気抵抗効果素子は、下電極2と、反強磁性層3と、反強磁性層3によって磁化の向きが固着された磁化固着層となる第1磁性層4と、ポイントコンタクト8を有する非磁性層6と、磁化の向きが外部磁場に応じて変化する磁化自由層となる第2磁性層10と、上電極12とを備えている。下電極2上に反強磁性層3が形成され、反強磁性層3上に反強磁性層3によって磁化の向きが固着された磁化固着層となる第1磁性層4が形成され、第1磁性層4上に非磁性層6が形成され、非磁性層6上に第2磁性層10が形成され、第2磁性層10上に上電極12が形成された構成となっている。そして、ポイントコンタクト8を介して第1磁性層4と第2磁性層10が電気的に接続される。なお、図3においては、磁化固着層となる第1磁性層4が下電極側に、磁化自由層となる第2磁性層10が上電極側に形成されているが、逆の配置であってもよい。この場合、反強磁性層3は、上電極12と、磁化固着層となる第1磁性層4との間に設けられる。
次に、本実施形態の製造方法を図1および図2を参照して説明する。図1(a)乃至図1(c)は本実施形態による磁気抵抗効果素子の製造方法に製造工程を示す斜視図、図2(a)乃至図2(b)は本実施形態による磁気抵抗効果素子の製造方法に製造工程を示す断面図である。
まず、図示しない基板上に下部シールドを形成し、下部シールドが形成された基板上に膜厚20nmのTaからなる下ギャップ層兼下電極2(図3参照)を形成し、下電極2上にPtMnからなる反強磁性層3を形成し、この反強磁性層3上にNi/NiFeからなる第1磁性層4を積層する。第1磁性層4上にSiOからなる非磁性層6を10nm積層した。この非磁性層6の表面にHMDS(ヒドロメチルジシラザン)処理を施す。
次に、分子量35500のPMMA(ポリメチルメタクリレート)と分子量96500のPS(ポリスチレン)からなるブロックコポリマーに、分子量30000のPSホモモノマーを重量比7:3の割合で混合する。すると、この混合物は組成比として79.3:20.9の割合となる。この混合物をPGMEA(プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート)の溶媒に2重量%の濃度で混合し、混合液を作成する。そして、スピナー上に載置された基板の非磁性層6上に上記混合液を滴下しながら回転塗布して膜厚50nmの自己組織化レジスト膜20を形成する。続いて、上記レジスト膜20が形成された基板を窒素オーブン中に入れ、210℃で4時間、さらに135℃で40時間のアニールを行う。このアニールにより、PSからなる領域(相)21とPMMAからなる領域(相)23との2相のミクロ相分離構造がレジスト膜20に発生する(図1(a)参照)。このときのミクロ相分離構造は、約1ミクロン〜数ミクロン角内で均一に約10nm径の柱状のPMMAからなる領域23が細密充填配置された構造となり、ミクロ相分離構造同士の界面は粒子の位相がずれた構造をしている。
次に、ポイントコンタクトを形成すべき部分に対応するレジスト膜20の位置に電子線を、PMMAからなる領域23の平均ピッチ長さである20nm径で、かつ加速電圧30kV、印加電流30pA、印加時間10msecの条件で照射した(図1(b)参照)。
次に、MIBK(メチルイソブチルケトン)とIPA(イソプロパノール)を3:7で混合し、この混合液を現像液として用いて約5分間現像を行う。その結果、電子線が照射された、直径約10nmの大きさのPMMAからなる領域23が除去され、開口24が形成される(図1(c))。すなわち、1個の開口24が形成される。この後、80℃の窒素オーブン中で30分間ベークを行い、現像液を蒸発させて開口24を有するレジストパターン20Aを形成する。
次に、図2(a)に示すように、レジストパターン20Aをマスクとして、CHF+Arの混合ガスを用いて約45度の入射角度でリアクティブイオンビームエッチング(RIBE)を行い、非磁性層6をエッチングする。このエッチングにより、非磁性層6には空孔7が形成される。この後、酸素プラズマアッシャーにより残存した有機ポリマーからなるレジストパターン20Aを除去する。
続いて、非磁性層6の空孔7を埋め込むようにNi/NiFeからなる第2磁性層10を非磁性層6上に形成し、MR膜を形成する(図2(b)参照)。
次に、上記MR膜をMR素子形状にパターニングし、さらに、Taからなる上ギャップ兼上部電極12を形成する(図3参照)。その後、上電極12上に上部シールド(図示せず)を形成し、シールド型MR素子を作成した。
次に、単一の空孔のみを開ける場合のメリットを、図4乃至図6を参照して説明する。磁気ヘッドのように約300μm×600μm角に一箇所でしかも極めて小さい空孔(約10nm径)を開ける必要がある場合においては、電子線が照射される一点がミクロ相分離構造(図4において四角で囲まれた領域)の界面にあたる確率はきわめて低い。図4においてミクロ相分離構造のサイズをX(=2μm)として周囲8μmにおいて幅5nm(0.005μm)を不良とすると、電子線照射スポット30が不良領域にあたる確率は、8×0.005/4=1%となる。したがって、電子線照射領域が極微小であるポイントコンタクトMR素子への適用において、X=2μm角内におけるPMMAからなる領域25の配列領域でも十分利用できることがわかる。
また、図5においてPMMAは領域25内のある程度の数の主鎖が切断されないと現像されない性質を有するため、電子線照射スポット30の裾が隣のPMMAからなる領域27を照射した場合にも周辺のPMMAからなる領域が現像されて穴があいたりすることがない。
したがって、図6に示すように、電子線を照射すべきPMMAからなる領域25、25、25が数百ミクロンメートル離れて孤立している場合は、コンタクトホールをある程度密に隣接させて形成するようなDRAMなどの半導体素子に比べて極短距離の秩序性だけあればよいのでPMMAからなる領域の配列のためのプロセス困難性が低いなどの製造上のメリットは大きい。PMMAからなる領域の秩序配列距離Xよりも小さな範囲で、電子線などによるエネルギー注入によりPMMAからなる領域を変態させることに適している製造方法である。
また、電子線にて主鎖切断を行う系では、α位置にメチル基やハロゲンを有するもの、またα位置にフッ素やフルオロ化合物がついていれば適用可能である。具体的にはPMMA−PSジブロックコポリマー系以外にPS−PtBMA(ポリスチレンーポリtブチルメタクリレート)コポリマー、などが利用できる。また、PMMAの主鎖はある程度の割合が切れないと現像液に溶解しない性質がある。このため、電子線の照射量が少ないうちは、全く現像液に溶解しないが、照射量が多くなると突然溶解するような性質を見せる。また、電子線の形状はガウス分布を一般的にしていて、周辺部の露光量は中心部に比べ小さい。このため隣のドット部分にビーム端がかかっても、この部分に穴があくことはない。
なお、電子注入は電子線描画装置を用いたが、AFM(Atomic Force Microscope)など微小針を用いて注入する方法を用いてもよい。
以上説明したように、本実施形態によれば、超精細電子線描画装置および電子線用レジストを用いずとも、数nm〜20nmサイズの穴を任意の場所にあけることができる。また、これらのサイズは自己組織化レジストの調合比、塗布、ベーク条件に依存するが、電子線描画装置の仕様やレジスト工程環境に依存しない。このため、安価にポイントコンタクトMR素子を得ることができる。
本実施例ではRIBEによる斜め入射により有機ポリマーの影の効果を用いて穴径の縮小を図った。なおイオンミリングやRIEを用いてもエッチングは可能である。
また、電子線のビーム径を選択することにより、2〜3個以上の穴をあけもできることはいうまでもない。したがって、素子面垂直にセンス電流を流すいわゆるCPPGMR素子にて、素子面内に数個から10数個程度の極小電気伝導パスを有する形状の素子も形成することができる。
また、集中的に電子線照射をおこなうことで、照射された部分の温度がスポット的に上昇する。周りの部分に影響を及ぼさずにスピン伝導上最も重要なポイントコンタクト部分の磁性膜膜質をスポットアニールにて改善する効果がある。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態による磁気抵抗効果素子の製造方法を、図7乃至図11を参照して説明する。
この実施形態の製造方法は、第1実施形態と同様のプロセスにて、SiOからなる非磁性層6まで形成した後、電子線用レジスト膜40を約0.1μm厚さで塗布する(図7参照)。続いて、図8に示すように、電子線用レジスト膜40に電子線を照射し、現像することにより、MR素子のポイントコンタクトが形成される部分に角41を有する形状の領域42が除去されたレジストパターン40Aを形成する。なお、電子線を描画するときにアライメントマーク60も、電子線描画装置のステージを動かさないで描画できる位置に描画形成する。なお、図7は本実施形態による製造方法の製造工程を示す断面図、図8はレジストパターン40Aが形成された直後の平面図である。
以上の工程により、レジストパターン40Aによりジブロックコポリマーが配列されるための壁50が形成される。本実施形態においては除去された領域42が略60度の角度の角部41を有するようにパターニングされた。角部41の角度は、細密充填構造でジブロックコポリマーが配列されるように略60度もしくは略120度の角度であることが望ましい。なお、本実施形態において、角度が略60度であることは50度〜70度の範囲にあることを意味し、略120度であることは110度〜130の範囲であることを意味する。
なお、略90度や他の角度の角部が来ることで、この角部の所定位置にPMMAからなる領域が配置されるための効果は有る。なお、図9に示すように除去された領域42の周りをレジストパターン40Aで囲っても良い。
次に、第1実施形態と同様に、PMMA−PSジブロックコポリマーとPSホモモノマーによる混合ポリマーを、2%の濃度のPGMEAの溶剤に混合し、この混合液をスピナー上に載置された基板の非磁性層6上に滴下しながら回転塗布して、膜厚50nmの自己組織化レジスト膜20を形成する(図10参照)。図10は、本実施形態の製造工程を示す断面図である。
次に、窒素オーブン中で、210℃で4時間、さらに135℃で40時間のアニールを行い、PSからなる領域21とPMMAからなる領域23の2相のミクロ相分離構造をレジスト膜20に発生させた(図11参照)。それにより、壁50のコーナーにPMMAからなる領域23が必ず形成される。その際、破線53に示すようにPMMAからなる領域23の配列ずれが発生する場合もあるが、本実施形態のようにコーナーを利用する場合は、その位置にのみPMMAからなる領域23があればよいわけで、PMMAからなる領域の秩序性が要求される半導体応用、磁気媒体応用に比べてきわめてプロセス難易度が低く、自由度が大きい。
次に、アライメントマーク60を参照して、ポイントコンタクトが形成されるべき位置として、レジストからなる壁50の角部近傍に内接する円の中心を、狙って電子線を用いてスポット描画を行う(図11参照)。なお、図9に示すように除去された領域42の周りがレジストパターン40Aで囲まれている場合は、図12に示すように領域42のほぼ中心を狙って電子線を用いてスポット描画を行う。なお、図11および図12は、本実施形態の製造工程を示す平面図である。
本実施形態のように周りに物理的ガイドがあると中に配列されるPMMAからなる領域23はある規則性を有する。この場合、図示するようにPMMAからなる領域はミクロ相分離して形成される。このうちのコーナーの部分には必ずPMMAからなる領域23が形成されるため、そこを狙って電子線照射を行うことが最も確実にPMMAからなる領域に空孔をあけることができる。このように物理的ガイドによりPMMAからなる領域の配列をアシストすることでさらに精密な位置制御されたポイントコンタクト用のPMMAからなる領域をポリマーに形成できる。
特に、本実施形態のように1点のみのポイントコンタクトを要求されるような構造においては、角部以外のPMMAからなる領域23の配列の不規則性は問題にならない。したがって、幅広いジブロックコポリマーの種類に対応できるため塗布厚を薄く、PMMA組成をさらに小さくすることで領域23の大きさを10nm以下にまで小さくすることができるなど、素子特性上、歩留まり上のメリットは大きい。
さらに第1実施形態と同様に、その後、MIBKとIPAを混合し、現像液として約5分現像を行った。これによりポイントコンタクトが形成される部分のPMMAからなる領域23に開口を有するレジストパターンが形成される。この後、80℃の窒素オーブン中で30分間ベークを行い、現像液を蒸発させてレジストパターンを形成する。
続いて、このレジストパターンをマスクとして、CHF+Arの混合ガスを用いて約45度の入射角度でリアクティブイオンビームエッチング(RIBE)を行い、SiOからなる非磁性層6をエッチングした。このエッチングにより、非磁性層6に空孔7が形成される。この後、酸素プラズマアッシャーにより残存した有機ポリマーからなる上記レジストパターンを除去する。
続いて、非磁性層6の空孔7を埋め込むようにNi/NiFeからなる第2磁性層10を非磁性層6上に形成し、MR膜を形成する。
次に、上記MR膜をMR素子形状にパターニングし、さらに、Taからなる上ギャップ兼上部電極12を形成する(図3参照)。その後、上電極12上に上部シールド(図示せず)を形成し、シールド型MR素子を作成した。
本実施形態では壁50を作るのに電子線用レジストを使用しているが、DUV(Deep UV)用レジストを用いて壁を形成しても良い。それにより、電子線+光リソグラフィーによるMix&Matchによるアライメント合わせなどのプロセス上の煩雑さを回避できる。なぜならPSとPMMAではRIE(Reactive Ion Etching)によるエッチングレートが異なる。例えば、CFガスによるエッチングでは、レートの選択比はPMMA/PSは約4ある。したがって、図11に示すようにPMMAからなる領域23の配列の後、光(ArFレーザー,KrFレーザーなど)リソグラフィーにて図12に示すように、DUV用レジストからなる壁55を縁として有するレジストパターン52を形成して、実線で示す他のPMMAからなる領域を覆うようにする。続いて、ウエハー全面にCFガスによるRIEを行うことで、特定のPMMAからなる領域23のみエッチングすることができ、特定場所に孤立したポイントコンタクトを形成することができる。
光リソグラフィーのように大きなダイごとの露光可能な装置において、図11、図13における壁50、55の位置に要求されることはアライメント精度のみであり、ポイントコンタクトの解像度はジブロックコポリマーで決定される。そのため、電子線描画に比べてスループットが格段に向上する。また、PMMAの主鎖はある程度の割合で切れないと現像液で溶解しない。したがって、図13のフォトリソグラフィー工程の後、一度、MIBKとIPA混合現像液に浸してPMMAからなる所定の領域23を溶解し、そしてRIE処理を行うことで、さらに隣接PMMAへの露光もれの問題が低減でき、位置ずれの許容度を大きくすることができる。
以上説明したように、本実施形態によれば、超精細電子線描画装置を用いずとも、数nm〜20nmサイズの穴を任意の場所にあけることができる。また、これらのサイズは自己組織化レジストの調合比、塗布、ベーク条件に依存して、電子線描画装置の仕様やレジスト工程環境に依存しない。そのため、安価にポイントコンタクトMR素子を製造することができる。
また、塗布エリアを枠で囲うことで、制御された場所に相分離を発生させることが可能となる。したがって、そのうちの限定された場所にのみ電子線スポットを照射すればよいのでさらに位置精度良くポイントコンタクトを形成することができる。
また、集中的に電子線照射を行うことで、照射された部分の温度がスポット的に上昇する。周りの部分に影響を及ぼさずにスピン伝導上最も重要なポイントコンタクト部分の磁性膜膜質をスポットアニールにて改善する効果がある。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態を、図14および図15を参照して説明する。第2実施形態の製造方法において電荷注入を行うに当たり、注入時間が長くなるとステージの振動・移動などを拾って、注入スポットのずれ、ぼやけが発生し所定位置からスポットがずれてしまう可能性がある。第3実施形態の製造方法では、電荷注入によってHイオンを発生させる光酸発生剤を組み合わせた、より高感度なジブロックコポリマーを用いて行う。
PS−PtBUMA(ポリt(ターシャリーブチル)メタクリレート)ジブロックコポリマーに光酸発生剤としてTPS−OTf(トリニスルホニウムトリフレート)を約1wt%混合し、更にPSホモモノマーと混合し、この混合物をPEGMEAからなる溶媒で希釈し、約50nmの膜厚となるように非磁性層6上に塗布し自己組織化レジスト膜70を形成する(図14参照)。
次に、ポイントコンタクトを形成すべき部分に対応するレジスト膜70の位置に電子線を、PMMAからなる領域23の平均ピッチ長さである20nm径で、かつ加速電圧30kV、印加電流30pA、印加時間10msecの条件で照射した(図1(b)参照)。このようにジブロックコポリマーにHイオンを発生させる光酸発生剤(PAG)を加えることで、さらに電子線に対する感度が向上する。また一部の主鎖が切断されれば現像できるため、より短時間の1点照射で十分となる。そのためステージやレンズ系のドリフトによるずれ・ぼけを改善し、さらにスループットを向上する。この場合、第2実施形態のように決まった位置にPtBUMAドットが形成できるようにして、径のサイズと同等かそれ以下のビーム径で照射することが望ましい。
続いて、第1および第2実施形態の場合と同様に、MIBKとIPA混合現像液に約5分浸して現像を行い、電子線が照射されたPtBAからなる領域73を溶融する。この溶融された領域が開口となる。この後、80℃の窒素オーブン中で30分間ベークを行い、現像液を蒸発させて開口を有するレジストパターンを形成する。
続いて、上記レジストパターンマスクとして、第1および第2実施形態のように、CHF+Ar混合ガスを用いて約45度の入射角度でリアクティブイオンビームエッチング(RIBE)を行い、SiO膜からなる非磁性層6をエッチングする。このエッチングにより、非磁性層6には空孔が形成される。この後、酸素プラズマアッシャーにより残存した有機ポリマーからなるレジストパターンを除去する。
続いて、非磁性層6の空孔を埋め込むようにNi/NiFeからなる第2磁性層を非磁性層6上に形成し、MR膜を形成する。
次に、上記MR膜をMR素子形状にパターニングし、さらにTaからなる上ギャップ兼上部電極を形成し、上部電極上に上位シールドを形成し、シールド型MR素子を作成した。
なお、本実施形態の場合、ジブロックコポリマー中のPAGは、作業環境によっては空中のアミンなどに感応し失活してしまうこともあるため、PS−PtBAジブロックコポリマー・PSホモモノマー溶液を塗布した後、図15に示すように、PAG含有保護膜として、例えば無水マレイン酸(商品名ガントレット)やポリビニルアルコールを表面に塗布してPAGからなる膜80をジブロックコポリマーからなるレジスト膜70上に形成してもよい。この場合も、電子線により光酸発生剤から発生したHイオンが加熱によりジブロックコポリマーで反応し保護基であるターシャリーブチル基を分解する。この結果、照射された部分の現像液の溶解性は飛躍的に向上し、また特定の部位のパターニングが可能になる。
以上説明したように、本実施形態によれば、超精細電子線描画装置および電子線用レジストを用いずとも、数nm〜20nmサイズの穴を任意の場所にあけることができる。また、これらのサイズは自己組織化レジストの調合比、塗布、ベーク条件に依存するが、電子線描画装置の仕様やレジスト工程環境に依存しない。このため、安価にナノホールMR素子を製造することができる。
また、集中的に電子線照射を行うことで、照射された部分の温度がスポット的に上昇する。周りの部分に影響を及ぼさずにスピン伝導上最も重要なナノホール部分の磁性膜膜質をスポットアニールにて改善する効果がある。
以上説明したように、上記実施形態においては、ジブロックコポリマーの周期性を利用せず、PMMAからなる領域のサイズ安定性のみを利用した孤立した空孔を形成する。第1磁性層上に絶縁層を形成し、さらにその上に自己組織化したテンプレートレートを形成し、任意の場所にスポット的に電荷を照射することでその自己組織化したスポットに変態を生じ現像液などに溶解せしめて、1ドットの微小接点をテンプレート中に形成した。例えば、ジブロックコポリマーを使用してテンプレートを形成し、電子線をスポット的に照射することで、そのドットのみ現像液に溶解し微小穴を形成する。その微小穴をマスクにエッチング工程を行うことで、任意の場所にスポット的に微小接点を加工することができる。その後、テンプレートを除去し、第2磁性層を積層する。
また、ジブロックコポリマーを形成する際に、微小接点を空けたい場所に凹凸の角部を予め形成しておくことで、その場所に必ずPMMAからなる領域(ドット)を形成させることができる。このドットに電子線を照射することで、所定の位置に微小接点を形成することができる。
また、光酸発生剤(PAG)をジブロックコポリマーに添加することで、電子線照射エネルギーを低下させてより短時間の製造が可能となる。PAGを含有する保護膜を上層に形成しても良い。
本発明の各実施形態においてポイントコンタクトを形成するのに用いられる材料は、ブロックコポリマーを含有し、ミクロ相分離構造を形成するナノ構造形成組成物であって、上記ブロックコポリマーまたはグラフトコポリマーを構成する複数のポリマー鎖のうち少なくとも1種のポリマー鎖の主鎖がエネルギー線の照射により切断されることが好ましい。これは、例えば、有機ポリマー膜はブロックコポリマーから構成され、概ブロックコポリマーはα位が水素原子のものとメチル基、ハロゲンのものの2種類以上のポリマーから構成され、電子ビームにて電荷注入されることで実現される。これらの材料を用いると、ドライエッチングを用いることなく、ウェットエッチングのみでパターンを形成することも可能となる。すなわちエネルギー線照射によって主鎖が切断されたポリマー鎖は、溶媒洗浄などのウェットエッチングや、単なる加熱処理による揮発によって除去することができるため、ドライエッチング工程を経ずにミクロ相分離構造を保持した微細パターンや構造を形成できる。
電子材料によっては、ドライエッチングプロセスが使えないものや、使えてもコストの面からウェットエッチングの方が好ましいことがあるため、このことは大きな利点になる。一般的にブロックコポリマーは2つ以上のポリマーが化学結合で結ばれているため、一方のポリマー鎖が現像液に溶解しても、他方のポリマー鎖が溶解しなければ現像できない。例えばポリスチレン(PS)とポリメタクリル酸メチル(PMMA)とのコポリマーの場合、β線(電子線)で照射するとPMMAの主鎖が切断され、PMMA相のみが現像液に溶解するようになる。現像液としてはメチルイソブチルケトン(MIBK)などが用いられる。溶解性を調整するためイソプロピルアルコール(IPA)や界面活性剤を添加してもよい。また分解後のポリマー鎖は低分子量化しているため、加熱処理などすると容易に揮発除去することもできる。
また、本発明の各実施形態においてポイントコンタクトを形成するのに用いられる材料は、少なくとも以下の2種類の異なる性質をもつポリマーの組み合わせからなるブロックコポリマーあるいはグラフトコポリマーから構成されることが好ましい。ブロックコポリマーあるいはグラフトコポリマーを構成するポリマーの少なくとも1種は、エネルギー線として、β線(電子線)、X線、γ線、重粒子線などのエネルギー線を照射したとき、ポリマー鎖の主鎖が分解するものである。なかでもβ線、X線、γ線が成形体内部への透過性に優れ、また低コストプロセスが可能なことから優れている。なかでもβ線、X線が特に良く、さらには照射の際の分解効率が高いβ線が最も良い。β線(電子線)源としては例えば、コックロフトワルトン型、バンデグラフト型、共振変圧器型、絶縁コア変圧器型、あるいは、直線型、ダイナミトロン型、高周波型などの各種電子線加速器を用いることができる。こうしたエネルギー線によって分解するポリマー鎖としては、ポリプロピレン、ポリイソブチレン、ポリαメチルスチレン、ポリメタクリル酸、ポリメチルメタアクリレート、ポリメタクリルアミド、ポリメチルイソプロペニルケトン等、α位にメチル基が付いているポリマーがこれにあたる。また、これらのポリマーのα位がハロゲンに置換したポリマーはさらに主鎖分解性が高い。また、ポリトリフルオロメチルメタクリレート、ポリトリフルオロメチル−α−アクリレート、ポリトリフルオロエチルメタクリレート、ポリトリフルオロエチル−α−アクリレート、ポリトリクロロエチル−α−アクリレートなど、メタクリレートのエステルがフッ化炭素またはハロゲン化炭素で置換されたものは、感度が高くさらに望ましい。
これに対し、ブロックコポリマーを構成する他のポリマーの少なくとも1種のポリマー鎖の主鎖は、上記エネルギー線で分解しないものでなければならない。なお、これらのポリマーは、上記エネルギー線で架橋すれば、さらに望ましい。すなわち、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリアクリル酸、ポリメチルアクリレート、ポリアクリルアミド、ポリメチルビニルケトンなどポリマー鎖のα位が水素であるものが望ましい。照射光源がX線の場合、ポリマー鎖中に金属元素が含まれていると分解効率が向上するため良い。
次に、本発明に各実施形態においてポイントコンタクトを形成するのに用いられる材料の例を説明する。まずブロックコポリマーを構成する複数のポリマー鎖のうち少なくとも2種のポリマー鎖について、各ポリマー鎖を構成するモノマー単位のN/(Nc−No)の値の比が1.4以上であることが望ましい。(ただし、Nはモノマー単位の総原子数、Ncはモノマー単位の炭素原子数、Noはモノマー単位の酸素原子数)このナノ構造形成材料について説明する。この複数のポリマー鎖についてN/(Nc−No)の値の比が1.4以上であるという要件は、ミクロ相分離構造を形成する各ポリマー鎖のエッチング選択比が大きいことを意味する。すなわち、上記の要件を満たすナノ構造形成材料をミクロ相分離させた後にドライエッチングすると、複数のポリマー鎖のうち少なくとも一相が選択的にエッチングされ、他の相が残る。
以下、N/(Nc−No)というパラメータについて、より詳細に説明する。Nはポリマーのセグメント(モノマー単位に相当)当たりの原子の総数、Ncは炭素原子数、Noは酸素原子数である。このパラメータは、ポリマーのドライエッチング耐性を示す指標であり、この値が大きいほどドライエッチングによるエッチング速度が大きくなる(ドライエッチング耐性が低下する)。つまり、エッチング速度Vetchと上記パラメータとの間には、
etch∝N/(Nc−No)
という関係がある。この傾向は、Ar、O、CF、Hどの各種エッチングガスの種類にほとんど依存しない(J. Electrochem. Soc., 130, 143(1983)参照)。なお、エッチングガスとしては、上記の文献に記載されているAr、O、CF、Hのほかにも、C、CHF、CH、CFBr、N、NF、Cl、CCl、HBr、SFなどを用いることができる。なお、このパラメータとシリコンやガラス、金属などの無機物のエッチングは無関係である。
具体的なパラメータ値を計算すると、下記化学式に示すようにポリスチレン(PS)のモノマー単位はCであるから16/(8−0)=2であり、ポリイソプレン(PI)のモノマー単位はCであるから13/(5−0)=2.6であり、のポリメタクリル酸メチル(PMMA)のモノマー単位はCであるから15/(5−2)=5である。したがって、PS−PMMAのブロックコポリマーでは、PSのエッチング耐性が高く、PMMAのみがエッチングされやすいことが予想できる。例えば、CFで進行波150W、反射波30W、流量30sccm、圧力0.01torrの条件でリアクティブイオンエッチング(RIE)を行うと、PMMAはPSに対して4±0.3倍程度のエッチング速度を示すことが確認されている。
一般に芳香環が含まれていると2重結合を含むため相対的に炭素の比率が高くなるため、上記のパラメータの値が小さくなる。上記のパラメータからわかるように、ポリマー中の炭素が多い(上記パラメータ値が小さい)ほどドライエッチング耐性は向上し、酸素が多い(上記パラメータ値が大きい)ほどドライエッチング耐性は低下する。このことは、定性的には以下のように説明できる。炭素はラジカルに対する反応性が小さく、化学的に安定である。このため、ポリマー中の炭素が多いと各種ラジカルが攻撃してきても反応しにくいため、エッチング耐性が向上する。これに対し、酸素はラジカルに対する反応性が高いため、ポリマー中の酸素が多いとエッチング速度が速くエッチング耐性が低い。さらにポリマー中に酸素が含まれると酸素ラジカルが発生しやすいため、例えばCFなどのフッ素系のエッチングガスを用いると、酸素ラジカルの作用によりFラジカルが増殖してエッチングに関与するラジカルが増加するためエッチング速度が増加する。アクリル系ポリマーは酸素含有率が高く、また2重結合が少ないため、上記パラメータの値が大きくなり、エッチングされやすくなる。
このようなエッチング耐性の違いを持ったブロックコポリマーが以下の一般式をもつブロックコポリマーである。
Figure 2005284100
ここで、R11は芳香環、R12は水素、メチル基、水酸基、カルボキシル基等、R21はメチル基、ハロゲン、R22は炭素数1〜10までの炭化水素である。
上述したように、ポイントコンタクトを形成するのに用いられる材料を構成するAポリマー鎖およびBポリマー鎖のN/(Nc−No)パラメータの比が1.4以上であれば、エッチングにより明確なパターンが形成される。この比が1.5以上、さらに2以上であれば、2種のポリマー鎖でエッチング速度に大きな差が生じるため、加工時の安定性が向上する。また、実際にドライエッチングしたときの2種のポリマー鎖のエッチング選択比は1.3以上、さらに2以上、さらに3以上であることが好ましい。
本発明の第1実施形態による磁気抵抗効果素子の製造方法の製造工程を示す斜視図。 本発明の第1実施形態による磁気抵抗効果素子の製造方法の製造工程を示す断面図。 本発明の各実施形態の製造方法によって製造される磁気抵抗効果素子の構成を示す断面図。 単一の空孔を開ける場合の特徴を説明する図。 単一の空孔を開ける場合の特徴を説明する図。 単一の空孔を開ける場合の特徴を説明する図。 本発明の第2実施形態による磁気抵抗効果素子の製造方法の製造工程を示す断面図。 本発明の第2実施形態による磁気抵抗効果素子の製造方法の製造工程を示す平面図。 本発明の第2実施形態の変形例による磁気抵抗効果素子の製造方法の製造工程を示す平面図。 本発明の第2実施形態による磁気抵抗効果素子の製造方法の製造工程を示す断面図。 本発明の第2実施形態による磁気抵抗効果素子の製造方法の製造工程を示す平面図。 本発明の第2実施形態の変形例による磁気抵抗効果素子の製造方法の製造工程を示す平面図。 本発明の第2実施形態による磁気抵抗効果素子の製造方法の製造工程を示す平面図。 本発明の第3実施形態による磁気抵抗効果素子の製造方法の製造工程を示す斜視図。 本発明の第3実施形態の変形例による磁気抵抗効果素子の製造方法の製造工程を示す断面図。
符号の説明
2 下部電極
3 反強磁性層
4 第1磁性層(磁化固着層)
6 非磁性層
7 空孔
8 ポイントコンタクト
10 第2磁性層(磁化自由層)
20 自己組織化レジスト膜
20A レジストパターン
21 PS(ポリスチレン)からなる領域
23 PMMA(ポリメチルメタクリレート)からなる領域
24 開口
25 電子線が照射されるPMMAからなる領域
27 電子線が照射されるPMMAからなる領域に隣接する他のPMMAからなる領域
30 電子線の照射スポット
40 レジスト膜
40A レジストパターン
41 角部
42 レジストが除去された領域
50 レジストからなる壁
52 レジストパターン
55 壁
60 アライメントマーク
70 レジスト膜
71 PS(ポリスチレン)からなる領域
73 PtBUMA(ポリt(ターシャリーブチル)メタクリレート)からなる領域
80 PAG保護膜

Claims (9)

  1. 空孔を形成すべき部材上に、平面内に分散析出した複数相からなる有機ポリマー膜を形成する工程と、
    前記有機ポリマー膜の所定部分の析出相に、電子線を照射し前記析出相の分子構造を変化させる工程と、
    前記分子構造が変化した前記析出相を溶液中にて選択的に除去させる工程と、
    前記析出相が選択的に除去された前記有機ポリマー膜をマスクとして前記空孔を形成すべき部材をエッチングすることにより前記空孔を形成する工程と、
    を備えたことを特徴とする空孔の形成方法。
  2. 前記有機ポリマー膜を形成する前に、前記空孔を形成すべき部材上に、角部を有するテンプレートを形成する工程を備え、前記電荷は前記角部近傍にのみ注入することを特徴とする請求項1記載の空孔の形成方法。
  3. 角部の角度は略60度もしくは略120度であることを特徴とする請求項1または2記載の空孔の形成方法。
  4. 前記有機ポリマー膜はブロックコポリマーを有し、前記ブロックポリマーはα位が水素原子のポリマーと、α位がメチル基またはハロゲンのポリマーとを含む2種類以上のポリマーから構成され、電子線を照射されることを特徴とする請求項1乃至3いずれかに記載の空孔の形成方法。
  5. 前記有機ポリマー膜は以下の一般式で表されるブロックコポリマーから構成され、電子ビームを照射されることを特徴とする請求項4記載の空孔の形成方法。
    Figure 2005284100
    ここで、R11は芳香環、R12は水素、メチル基、水酸基、カルボキシル基、R21はメチル基、ハロゲン、R22は炭素数1〜10までの炭化水素である。
  6. 前記有機ポリマー膜はポリスチレン−ポリメチルメタクリレートジブロックコポリマーであることを特徴とする請求項5記載の空孔の形成方法。
  7. 前記有機ポリマー膜はポリスチレン−ポリ(ターシャリーブチル)メタクリレート)ジブロックコポリマーであって、かつ電子線に反応し酸を発生する光酸発生剤を含有することを特徴とする請求項5記載の空孔の形成方法。
  8. 基板上に第1電極を形成する工程と、
    前記下部電極上に第1強磁性層を形成する工程と、
    前記第1強磁性層上に非磁性層を形成する工程と、
    請求項1乃至7のいずれかに記載の空孔の製造方法を用いて前記非磁性層に空孔を形成する工程と、
    前記空孔を埋め込むように前記非磁性層上に第2強磁性層を形成する工程と、
    前記第2強磁性層上に第2電極を形成する工程と、
    を備えたことを特徴とする磁気抵抗効果素子の製造方法。
  9. 前記非磁性層は絶縁層であることを特徴とする請求項8記載の磁気抵抗効果素子の製造方法。
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