JP2005283972A - 音声認識方法及びこの音声認識方法を利用した情報提示方法と情報提示装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】発話者の音声を受け取って音声認識処理を行い、テキストデータに変換する場合、発話の中のある一部分の発声が未完了のために音声認識結果が確定しなくても、当該部分の中途時点で予測した音声認識結果とその結果の確信度とを中間結果として出力するとともに、発話者に対して発話内容に適合した情報を提示する処理は、受け取った中間結果から予め登録されたキーワードが検出されたとき、中間結果の確信度を、そのキーワードのしきい値と比較し、確信度がしきい値以上である場合に、キーワードと関連付けられた情報を提示する。
【選択図】 図2
Description
この発明は、主として、ユーザからの電話を介した問合せに対してオペレータが対応するコールセンターのような場所で使用されることを念頭に置いたものであり、オペレータとユーザとの会話の音声認識を行い、その認識結果に適合する内容をオペレータの端末画面に表示すること等を内容とする。
このようにタイミングのよい情報の提示を実現するために、音声認識の処理が迅速に行われることが必要である。
そこで、この発明は、音声認識の精度を若干犠牲にしても、処理の迅速を実現することを主たる課題とした。あわせて、認識の精度の低さを補うために、会話者に対し、情報を提示するか否かの判定を適切に行うことも課題とした。
さらに、この発明は、音声認識の中間結果に予測された単語の確信度を含めるとともに、この音声認識を利用する側の処理は、確信度がしきい値以上の場合にのみ、上記の中間結果を採用する。このように、この音声認識を利用する処理側に、しきい値を適当に設定することによって、認識結果を適宜取捨選択する余地を残していることは、上記した音声認識の精度の低さをカバーすることにつながる。
図1は、この実施形態の全体の構成を例示する図である。
この情報処理装置1は、インターネットやイントラネット、あるいは公衆回線網などのネットワークNに接続している。会話者の通信端末2Aと2Bも、このネットワークNに接続している。会話者の通信端末2Aと2Bとは双方向に通信を行うわけであるが、この通信経路上に情報処理装置1が介在し、通信端末2Aからの会話音声は、この情報処理装置1をいったん経て、相手方の通信端末2Bに伝わる。通信端末2Bからの会話音声も、同様に情報処理装置1を経て、通信端末2Aに伝わる。なお、図1の破線の矢印は、会話音声の流れを示している。
情報処理装置1は、通信インタフェース3、コンピュータ本体4、キーボードやディスプレイ等の入出力部(図示せず)を備えている。
なお、会話音声を送信してきた通信端末2の電話番号は、公知の技術によって認識できる。
また、音声がアナログ信号として送信された場合は、これをデジタル信号に変換する必要があることは当然である。
各会話者の音声は、それぞれ別の通信インタフェース3から入力されるので、音声認識処理部5は、各会話者の発話を別個に認識できる。つまり、各会話者の発話のそれぞれについて音声認識を行うことになる。この音声認識処理部5の動作については、後に詳しく説明する。
このように音声による情報データと発話者の音声データとを多重化するのは、これらが同じ回線を使用して送信されるからである。
なお、多重化して出力されたデータは、必要に応じて、送信前にアナログ信号に変換される。
利用者情報としては、利用者の年齢や性別、職業などの属性がある。これらの属性情報は、図3に例示する利用者情報テーブル11のように、利用者の電話番号と対応づけて記憶される。
なお、あらかじめ登録をしておかなくても、この装置の提供する情報提示サービスを受けるためにアクセスしてきた利用者に対し、属性情報の入力を求めてもよい。
また、属性は、年齢や性別などに限るものではない。
図4は、キーワードに対応する条件と会話者への提示情報および会話者の属性との対応を表すキーワードテーブル12を例示したものである。キーワードとは、図4の例では、キーワードに対応する条件欄13(以下「条件欄」という)に現れる「Wa」、「Wb」、「Wc」という単語のことである。
なお、便宜上、有効とは論理値“真”を、無効とは論理値“偽”を持つ状態として説明する。
キーワードに対応する条件とは、各キーワードが持つ値を論理演算した結果をいい、これが“真”の場合、キーワードに対応する条件が満たされたと判定される。条件欄13に掲げる条件が満たされたとき、対応する提示するべき情報欄15(以下「情報欄」という)に記述されたファイル識別子やテキスト文字列に基づく情報の提示が実行されることになる。
また、図4に例示したキーワードテーブル12は、一つのテーブルにさまざまな属性が混在しているが、属性別にテーブルを作成してもよい。
利用者情報記憶部8、キーワード記憶部9、ファイル記憶部10は、情報処理装置1に接続されたCD−ROMやハードディスクなどの補助記憶装置(図示せず)等に実装されている。
音声認識処理部5は、図示しない補助記憶装置等に格納した辞書や言語モデルを参照し、ディクテーションを使用する方法によって音声をテキスト化する。
ディクテーション処理は、一般的な文章を「てにをは」を含めて認識する。あらかじめ作成した単語等のリストにある単語を認識対象とするルールグラマーを利用した方法に比べると、多くの可能性のある中で処理をする点で困難な方法である。そこで、この困難の緩和のために、公知の手法であるNグラムを用いたモデリングを用いる。
このNグラムモデルは、サンプルデータから統計的な手法によって確率を計算する言語モデルであり、N=3の場合(トライグラムという)を例にとると、与えられた単語列w1w2・・・wnの出現確率P(w1w2・・・wn)の推定をする場合に、P(w1w2・・・wn)=ΠP(wi|wi-2、wi-1)×P(w1w2)のような近似をするモデルである。右辺のP(wi|wi-2、wi-1)は、単語wi-2、wi-1と来たときに、次にwiが来る条件付確率を表す。P(wi|wi-2、wi-1)のすべての積を計算し、P(w1w2・・・wn)が最も大きな値を取る単語列の組み合わせを認識結果として決定する。
認識結果の確定の遅れは、認識精度を向上させるものであるが、この実施形態のように、2人の会話に、情報処理装置1が適宜参加しようとする等の場合、適切なタイミングを逃すことにつながってしまう。
単語wn−2、wn−1と続き、現時点t1では、次の単語wnが発声されたところである。この単語wnの候補は、現時点t1では複数(例えば、w’nとw”n)が考えられ、t2の時点にならなければ確定しない。しかし、後続単語の情報が得られていない状態であっても、それぞれの確率P(w1w2・・・w’n)、P(w1w2・・・w”n)の値を求めることは可能である。確率P(w1w2・・・w’n)は、音声認識の対象である単語がw’nであるとしたときの条件付確率であり、この発明の「確信度」に該当する。この確信度が高いほど、よりよい認識結果候補である。このようにして求めた確信度によっては、w’nが第1位の候補であり、w”nが第2位の候補であるとした場合に、中間結果としてw’nを出力する。
なお、中間結果の渡し方は、これに限定するものではなく、確信度の高い順に所定の個数の候補を渡す方法、あるいは抽出されたすべての候補を渡す方法などもある。
1)P(w1w2・・・w’n)/P(w1w2・・・w”n)
2)Σ(P(wn+1)P(w2・・・w’nwn+1))
但し、Σはwn+1を全単語について変化させて求める。
3)Σ(P(wn+1)P(w2・・・w’nwn+1))/Σ(P(wn+1)P(w2・・・w”nwn+1))
但し、Σはwn+1を全単語について変化させて求める。
要するに、中間結果の確からしさを適切に把握できるならば、上記のいずれの式を適用してもよいし、ここに列挙した以外の式を適用してもよい。
情報提示処理部6は、受け取った単語候補と一致するキーワードがキーワードテーブル12の条件欄13に含まれているか否かをサーチする。その際、属性欄14と発話者の属性との一致の有無も確認する。条件欄13に、キーワードが含まれていれば、しきい値を取り出し、このしきい値と上記の確信度とを比較する。確信度がしきい値以上であるならば、そのキーワードの値は“真”であるとする。そして、条件欄13に記述された論理関係が“真”の場合、会話者に対して情報を提示する、と判定する。そして、キーワードテーブル12の情報欄15から提示するべき情報を取り出し、データ送信処理部7に渡す。
しきい値は、すべてのキーワードについて一律の値を設定しておいてもよい。しかし、きめ細かいサービスを提供しようとするならば、キーワードごとに、しきい値を変化させることが望ましい。例えば、重大な発言と解される単語については確信度が低くても確認のための突込み等を入れるため、このしきい値を低くしたい。一方、さほど重大でない単語については確信度が高くなければ確認等を入れる必要もないので、このしきい値を高くすることが適当である。
この発明では、音声認識確定前の中間結果を渡すわけであるから、音声認識の精度が低いのは当然である。この精度の低さを補うのが確信度である。これら中間結果と確信度を渡された側の処理は、別途設けたしきい値を参照する等して、その中間結果を採択するか否かを判断する。つまり、音声認識の不確定な結果をどのように活用するかは、音声認識を利用する側の処理次第である。
なお、図6において、s1、s2等の符号を付した矢印は、音声データの流れを表す。
通信端末2Aから通信端末2Bに向かって発話され、通信端末2Aの番号が3333−0000であるとする。情報処理装置1は、通信端末2Aとの接続が開始された時点で、通信端末2Aの電話番号を認識できるので、図3の利用者情報テーブル11から通信端末2Aの会話者の属性が10代の女性であるとわかる。
あわせて、データ送信処理部7は、s3で取得したデータを、通信インタフェース3を介して(s7)、発話者の通信端末2Aにも送信する(s8)。
以上の説明では、通信端末2Aから通信端末2Bに向かって発言した場合を例にしたが、通信端末2Bから通信端末2Aに向かって発言した場合も、同様の処理が行われる。
ところで、この発明は、精度が多少低くとも迅速に音声認識の結果が得られ、しかも、その精度を確信度という概念で表し、音声認識結果の利用者側に明示したところに主たる特徴がある。
そこで、この発明の音声認識および情報提示の方法は、上記のような実施形態への適用に限られない。
2、2A、2B 会話者の通信端末
3 音声データ入力部
5 音声認識処理部
6 情報提示処理部
9 キーワード記憶部
N ネットワーク
Claims (14)
- 入力された発話者の音声を受け取り、テキストデータに変換する音声認識方法であって、発話の中のある一部分の発声が未完了のために音声認識結果が確定しなくても、当該部分の中途時点で予測した音声認識結果を、中間結果として出力することを特徴とする音声認識方法。
- 上記中間結果には、予測される音声認識結果の確信度を含むことを特徴とする請求項1に記載の音声認識方法。
- 入力された発話者の音声を受け取って音声認識を行い、テキストデータに変換し、その変換結果から得られた発話内容に適合した情報を、発話者に対して提示する情報提示方法であって、上記音声認識の方法は、発話の中のある一部分の発声が未完了のために音声認識結果が確定しなくても、当該部分の中途時点で予測した音声認識結果を、中間結果として出力することを特徴とする音声認識を利用した情報提示方法。
- 上記中間結果には、予測される音声認識結果の確信度を含むことを特徴とする請求項3に記載の音声認識を利用した情報提示方法。
- 上記中間結果に含まれる確信度を用いて情報提示を行うか否かを判定し、その判定結果に従って発話者への情報提示を行うことを特徴とする請求項4に記載の音声認識を利用した情報提示方法。
- 上記中間結果とともに、発話者の属性に応じて、情報提示の有無や、その情報の内容を変更しうることを特徴とする請求項3〜5のいずれか1に記載の音声認識を利用した情報提示方法。
- 音声回線を介して2人の会話者が会話をする音声を受け取り、各会話者の発話のそれぞれにつき音声認識を行うことを特徴とする請求項3〜6のいずれか1に記載の音声認識を利用した情報提示方法。
- 会話者に提示する情報には、2人の会話の進展に即応した効果音、BGM、音声合成や録音済み音声による合いの手が含まれることを特徴とする請求項7に記載の音声認識を利用した情報提示方法。
- 発話者によって発声された音声を認識し、その認識結果に応じた情報を、発話者に提示する音声認識を利用した情報提示装置であって、予め登録されたキーワードと、そのキーワードが音声認識結果から検出されたときに提示するべき情報とを対応づけて記憶するキーワード記憶部と、発話音声を入力する音声データ入力部と、この入力された音声を音声認識し、テキストデータに変換する音声認識処理部と、このテキストデータから、上記キーワード記憶部に登録されたキーワードを検出し、検出されたキーワードに対応づけられた情報を発話者に提示する情報提示処理部を備え、上記音声認識処理部は、発話の中のある一部分の発声が未完了のために音声認識結果が確定しなくても、当該部分の中途時点で予測した音声認識結果を、中間結果として出力することを特徴とする音声認識を利用した情報提示装置。
- 上記中間結果には、予測される音声認識結果の確信度を含むことを特徴とする請求項9に記載の音声認識を利用した情報提示装置。
- 上記キーワード記憶部は、登録されたキーワードと関連付けられたしきい値を記憶する一方、上記情報提示処理部は、上記音声認識処理部によって出力された中間結果から、上記キーワード記憶部に登録されたキーワードが検出されたとき、その中間結果の確信度と上記しきい値とを比較し、その比較結果に従って上記キーワードに対応づけられた情報を提示することを特徴とする請求項10に記載の音声認識を利用した情報提示装置。
- 上記キーワード記憶部は、キーワードとそのキーワードに対応づけられた情報を発話者の属性別に記憶し、上記情報提示処理部は、上記中間結果からキーワードを検出する際、発話者の属性を考慮して上記キーワード記憶部を参照することを特徴とする請求項9〜11のいずれか1に記載の音声認識を利用した情報提示装置。
- 2人の会話者の音声信号を送受信する一方の会話者の通信端末と他方の会話者の通信端末とを接続するネットワークに設けられ、上記音声データ入力部は、上記2つの通信端末から送信された音声を受け取り、上記音声認識処理部は、各会話者の発話のそれぞれにつき音声認識を行うことを特徴とする請求項9〜12のいずれか1に記載の音声認識を利用した情報提示装置。
- 上記情報提示処理部が会話者の通信端末に対し送信する情報には、2人の会話の進展に即応した効果音、BGM、音声合成や録音済み音声による合いの手を含み、あたかも2人の会話に第三者として参加する装置であるかのようにふるまうことを特徴とする請求項13に記載の音声認識を利用した情報提示装置。
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