JP2005282518A - 異物捕集機能付き遠心ポンプ - Google Patents
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Abstract
【課題】効率良く流体内に混在する異物除去が可能となるポンプを提供すること。
【解決手段】流体の吸入口と吐出口とを有するポンプボディと、ポンプボディに軸支されるシャフトとポンプボディ内でシャフトと一体に回動するインペラと、インペラと対向するポンプボディの内壁との間に配設され、ポンプボディを第1内空間と第2内空間に分割する区画部材と、区画部材には第1および第2内空間を連通するスリットを形成したことである。
【選択図】 図1
【解決手段】流体の吸入口と吐出口とを有するポンプボディと、ポンプボディに軸支されるシャフトとポンプボディ内でシャフトと一体に回動するインペラと、インペラと対向するポンプボディの内壁との間に配設され、ポンプボディを第1内空間と第2内空間に分割する区画部材と、区画部材には第1および第2内空間を連通するスリットを形成したことである。
【選択図】 図1
Description
本発明は流体の供給装置に用いられるポンプ構造に関するもので、例えば、車両用の潤滑油や冷却水の供給装置に応用可能な流体用遠心ポンプに関する。
従来、流体の供給装置に用いられるポンプ構造として特開平10−37888号公報(特許文献1)、あるいは特開2000−291532号公報(特許文献2)に開示されたものがある。特開平10−37888号公報では、ハウジング1と、ポンプ室Pとモータ室Mとを区画形成する隔壁体10と、モータ室M内に設けられたステ−タ25と、多数の羽根31、ロータマグネット32、回転軸34を有し、ポンプ室P内に回動自在に設けられたロータ30とを備え、隔壁体10は、うず型室Paを形成するとともにうず型室Paと吐出口5とを連通する噴流口16を有するうず形壁15を備え、うず形壁15とハウジング内壁6との間に異物溜め部20が形成され、異物溜め部開口21が噴流口16の近傍に設けられた構成が開示されている。特に、特許文献1の図1、図2に開示されている。
また、特開平12−291532号公報では、歯車室内で切粉や鉄片などの異物が噛み込むのを防ぐ目的で、ハウジング31内に配設される駆動ポンプ35の主回転軸40に固定される駆動歯車46と従動回転軸41に固定される従動歯車47とが噛合して回転力が伝達される駆動ポンプにおいて、駆動歯車46および従動歯車47は歯車室48に収容され、歯車室48には油の流過方向に歯車室48から下方に凹む捕獲室91を有する異物捕獲部90が設けられる構成が開示されている。特に、特許文献2の図3に開示がある。
特開平10−37888号公報
特開2000−291532号公報
しかしながら、特許文献1に記載の場合、うず形室Paに隣接して異物溜め部20を設けることによって、ポンプを通過する冷却水に含まれる異物の一部を除去することが可能である。しかしながら、異物溜め部20の圧力は、うず形室Pa内より相対的に低く、異物溜め部20内外の圧力差により異物が補足状態となるが、異物溜め部20は閉空間となっているので、確率的に偶然異物溜め部20に到達した異物のみを補足することとなり異物捕集が効果的に行われがたい。
また、特許文献2の油圧ポンプの場合、歯車室48内の油は、各歯車46、47の回転により外周部に運ばれ、各歯車46、47の外周部と周壁79との間の空間に沿って歯車46、47の回転とともに流れる。また歯車室48から下方に凹んで、油通路の一端を袋小路状にした異物捕獲部90が設けられているので、油に含まれる切粉や異物が捕獲できる。しかしながら、この特許文献2においても積極的な流体の移動が成されるような構造ではないため、異物の効果的な捕集が行われがたい。
したがって、本発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであり、効率よく異物除去が可能となる遠心ポンプの構成を提供することを技術的課題とする。
上記の課題を解決するために本発明において講じた技術的手段は、流体の吸入口と吐出口とを有するポンプボディと、ポンプボディに軸支されるシャフトとポンプボディ内でシャフトと一体に回動するインペラと、インペラと対向するポンプボディの内壁との間に配設され、ポンプボディを第1内空間と第2内空間に分割する区画部材と、区画部材には第1および第2内空間を連通するスリット有する遠心ポンプとしたことである。
本発明において講じた第2の技術的手段は、第2内空間は流体の吐出口と連通する通路を形成したことである。本発明において講じた第3の技術的手段は、区画部材は弾性部材で形成したことである。本発明において講じた第4の技術的手段は、ポンプボディ内に磁気部材を配置したことである。本発明において講じた第5の技術的手段は、第2内空間にはフィルタを配設したことである。
本発明によれば、流体の吸入口と吐出口とを有するポンプボディには、シャフトと一体で回転して流体を流動させるインペラが配置される。このインペラの外周と対向するように、ポンプボディの内壁側にはスリットを有する区画部材で区画された第2内空間が形成される。流体はインペラが回転するとき、その駆動力によってインペラの外周方向に遠心力が作用する。この流体の流れに対面するようにスリットを有する区画部材が配置されるので、流体に混入した異物は、区画部材のスリットを通過して異第2内空間に移動する。
この異物を捕集するための第2内空間には、区画部材に形成されたスリットを通過した流体が排出されるように排出口が形成されるので、第2内空間には流体の流れが発生する。従って、この流体の流れにより、流体に混入した異物を効果的に第2内空間に導くことができる。
本発明の第2の技術的手段によれば、第2内空間は流体の吐出口と連通する通路を形成したため、効果的に異物をポンプ外に導くことができる。
第3の技術的手段によれば、区画部材は弾性部材から成るため、流体は区画部材の開口部を通過が容易になるように変形するため、この流体の動きに導かれた異物は区画部材を介して容易に第2内空間に導くことができるようになる。
第4の技術的手段によれば、ポンプボディ内に磁気部材を配置したため、磁気に吸引される材料が異物として流体に混在した場合、異物は磁気部材に吸引されるため容易に磁気材料からなる異物を除去することができる。
第5の技術的手段によれば、第2内空間にはフィルタを配設したため、一端第2内空間内に導入された異物が再び第1内空間に戻ることがなく、インペラの効率を悪化させたり、損傷するようなことがない。
以下に本発明の実施の形態を、図1から図6に示す遠心ポンプCPの概略図に基づいて説明する。一般に遠心ポンプと称せられる流体ポンプは、吸入口と吐出口を有するケース内でインペラを回転させて流体を流動させるポンプであり、インペラから吐出される流体の流れは、インペラの回転軸に対して垂直な面となっている。そして、この遠心ポンプは、構成部材を用途に応じて最適に選定すれば、水のほか油、あるいは薬液など各種の流体に応用できるものである。
図1は本発明の流体ポンプCPの内部を上部から見た場合の概略を示す透視正面図であり、ポンプボディPB内部の基本構成を示している。図1の略中央部には、複数の羽根VNを有するインペラIPLのシャフトRSが、図示しないモータMの回転軸と一体で回転するように取り付けられている。
インペラIPLの中心からポンプボディPBの内壁に向かって加速される流体には異物が含まれる場合がある。この流体に含有される異物を捕集するために、インペラIPLの外周とポンプボディPBの内壁IWの間には、複数の開口部(スリット)OPを有し区画壁DWで仕切られた異物捕集室CA(第2内空間)が形成されている。この区画壁DWは弾性部材で構成されており、流体が区画壁DWを押し付ける圧力に応じて変形するように構成されている。この区画壁DWを構成する部材は使用する流体との組み合わせにより慎重に選択されるが、たとえば、樹脂材料、ゴム系の材料、あるいは変形可能な金属材料などで構成される。
また、異物捕集室CA(第2内空間)に区画壁DWの開口部(スリット)OPを通過した異物が捕集されるように、この異物捕集室CA(第2内空間)内にはフィルタFLTが設置されている。このフィルタFLTは樹脂もしくは金属のメッシュで構成されており、メッシュサイズは主に捕集される異物の大きさによって選定される。
図2は本発明の遠心ポンプCPの図1において、A−A断面からみた概略横断面図である。インペラIPLのシャフトRS上方の吸入口ILTから流入した流体は、区画壁DWに沿って流れ、図2示下方の遠心ポンプCPの吐出口OLTから排出される。流体はインペラIPLの回転中心部つまりシャフトRS方向の渦室VA(第1内空間)から、インペラIPLの外周のポンプボディPBに向かって放射状に回転して流れる。
流体はインペラIPLの回転に基づく遠心力の作用で、区画壁DW周辺では圧力が増加する。この圧力を利用して、異物を含む流体を区画壁DWに設けられた開口部(スリット)OPを通過させて異物捕集室CA(第2内空間)に導く。渦室VA(第1内空間)内の流体の流れは、インペラIPLでシャフトRSの半径方向に加速されるので、ポンプボディPBの内周面に略平行に配設される区画壁DWに流体は圧接し、効果的に異物が区画される異物捕集室CA(第2内空間)に移動する。
渦室VA(第1内空間)を流れる流体、たとえば、冷却水と異物では異物の方が比重は大きいために、冷却水よりも大きな遠心力が働いて、渦室VA(第1内空間)の外周側に設置される区画壁DWに衝突する確率が大きくなる。従って、遠心ポンプCPを用いた異物除去装置を設置する最適位置は、ポンプボディPBの内壁側であるといえる。
以上の異物捕集室CA(第2内空間)内に移動した異物は、異物捕集室(第2内空間)CA内に設置されるフィルタFLTのメッシュで捕集されるので、区画壁DWで仕切られた空間内に保持される。異物捕集室(第2内空間)CAの排出口VNTはポンプボディPBの吐出口OLTに接続されており、流体はフィルタFLTを通過するとポンプボディPBの吐出口OLTへと導かれる。このフィルタFLTは定期的に交換可能なように、着脱可能な構成となっている。ポンプボディPBにはフィルタ交換や異物捕集室(第2内空間)CAに存在する異物を取り出せるように蓋DCが設けられており、ねじなどで固定されている。
図3および図4に本発明の別の実施の形態を説明する。異物が磁性部材である場合においては、図3に示すようにポンプボディPBの内壁に磁気回路MCが形成される。この磁気回路MCには樹脂に磁気部材を含有した折り曲げ自在に成形されるプラスティックマグネットやゴムフェライトなどが使用される。この磁気回路MCは、図4示のようにポンプボディPBの外壁側に配置されてもよい。以上の磁気回路MCは電磁的に構成されることも当然である。以上図3、図4における構成は異物捕集室(第2内空間)CAが省略されているが、図1の構成に応用するのが現実的である。
図5および図6に本発明の別の実施の形態を説明する。なお図6は図5のB−B断面における概略横断面図である。図5に示すように、鉄粉などの磁性異物を磁気的に捕集するために、渦室VA(第1内空間)には異物捕集棒CPが設置されている。この異物捕集棒CPは流体の流路に設置されて、磁性異物を付着させる。流体はシャフトRS方向から、インペラIPLの外周のポンプボディPBに向かって渦室VA(第1内空間)内を放射状に回転して流れる。このとき、流体に存在する磁性異物は渦室VA(第1内空間)内に配置された異物捕集棒CPに引き寄せられて付着する。付着した磁性異物は定期的に除去可能なように、異物捕集棒CPは根元部が着脱可能な構造となっている。
以上の異物捕集棒CPの取り付けについては、図1における異物捕集室(第2内空間)CA内であっても構わないことは当然である。各ポンプ系で発生する異物種と必要な除去量から最適なものを選択すればよい。以上本発明は、渦室VA(第1内空間)内に複雑な異物除去装置を構成する必要がないので、構造が簡便で、導入が容易である。
さらに以上に説明した構成に加えて、区画壁DWの開口部(スリット)OPは流体圧力によって膨張収縮するように構成してもよい。区画壁DWの開口部(スリット)OPを通過した異物は、インペラIPLが回転して発生する流体が区画壁DWを押し付けるように圧力を有する場合においては、弾性部材で構成される区画壁DWの開口部(スリット)OPは変形して膨張する。また、インペラの回転が減速するかまたは停止する場合においては、流体が区画壁DWを押し付ける圧力は減少するため、弾性部材である区画壁DWの開口部(スリット)OPは収縮するので、一度区画壁DWの開口部(スリット)OPを通過した異物は、再び区画部材の開口部(スリット)を逆戻りして流動することがないので確実に異物の捕集が可能となる。
そしてさらに、開口部(スリット)OPは流体の圧力によって開口部(スリット)の開口面積が可変するように構成すれば、区画壁DWを押し付ける流体の圧力が高い場合は開口部(スリット)OPは開き、また区画壁DWを押し付ける圧力が低い場合は開口部(スリット)は閉じるように働く。そのため、開口部(スリット)OPは流体を異物捕集室(第2内空間)CAに流動させたい場合には、開口部(スリット)OPが開いて流体が流れやすくなる。
CA :異物捕集室(第2内空間)
CP :遠心ポンプ
DW :区画壁(区画部材)
FLT:フィルタ
ILT:吸入口
IPL:インペラ
ILT:吸入口
IW :ポンプボディの内壁
OLT:吐出口
PB :ポンプボディ
RS :シャフト
VA :渦室(第1内空間)
OP :開口部(スリット)
CP :遠心ポンプ
DW :区画壁(区画部材)
FLT:フィルタ
ILT:吸入口
IPL:インペラ
ILT:吸入口
IW :ポンプボディの内壁
OLT:吐出口
PB :ポンプボディ
RS :シャフト
VA :渦室(第1内空間)
OP :開口部(スリット)
Claims (5)
- 流体の吸入口と吐出口とを有するポンプボディと、該ポンプボディに軸支されるシャフトと前記ポンプボディ内で前記シャフトと一体に回動するインペラと、
該インペラと対向する前記ポンプボディの内壁との間に配設され、ポンプボディを第1内空間と第2内空間に分割する区画部材と、該区画部材には前記第1および第2内空間を連通するスリットが形成されることを特徴とする遠心ポンプ。 - 前記第2内空間は前記流体の吐出口と連通する通路が形成される請求項1に記載の遠心ポンプ。
- 前記区画部材は弾性部材で形成される請求項1に記載の遠心ポンプ。
- 前記ポンプボディ内には磁気部材が配置される請求項1記載の遠心ポンプ。
- 前記第2内空間にはフィルタが配設される請求項1記載の遠心ポンプ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004100338A JP2005282518A (ja) | 2004-03-30 | 2004-03-30 | 異物捕集機能付き遠心ポンプ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2004100338A JP2005282518A (ja) | 2004-03-30 | 2004-03-30 | 異物捕集機能付き遠心ポンプ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2004100338A Withdrawn JP2005282518A (ja) | 2004-03-30 | 2004-03-30 | 異物捕集機能付き遠心ポンプ |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2017058935A1 (en) * | 2015-09-30 | 2017-04-06 | Peopleflo Manufacturing, Inc. | Rotodynamic pumps that resist clogging |
WO2018192033A1 (zh) * | 2017-04-22 | 2018-10-25 | 李金权 | 一种空调水泵的走向装置 |
-
2004
- 2004-03-30 JP JP2004100338A patent/JP2005282518A/ja not_active Withdrawn
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