JP2005281777A - アルカリ金属塩化物の電解方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】飽和ブライン調製工程、電解工程、塩素脱気工程、活性炭による塩素吸着除去工程または還元剤による塩素分解除去工程を包含するアルカリ金属塩化物の電解方法において、塩素吸着除去工程または塩素分解除去工程から導出される淡ブライン中の塩素を高精度で測定することが出来る、アルカリ金属塩化物の電解方法を提供する。
【解決手段】塩素の吸着または分解除去工程から導出される淡ブライン中の残存塩素濃度の測定を比色分析法によって行う。本発明の好ましい態様においては、塩素分解除去工程の後に、脱芒工程として、イオン交換体が充填された分離塔に淡ブラインと水とを交互に通液し、主としてアルカリ金属塩化物を含有する流出液と硫酸塩を含有する流出液とを分離して回収すると共に、前者は上記の飽和ブライン調製工程へ循環し、後者は循環系外に除去する工程を設ける。
【選択図】 なし

Description

本発明は、アルカリ金属塩化物の電解方法に関し、詳しくは、飽和ブライン調製工程、電解工程、塩素脱気工程、活性炭による塩素吸着除去工程または還元剤による塩素分解除去工程を包含する電解方法の改良に関する。
従来より、飽和ブライン調製工程、電解工程、塩素脱気工程、活性炭による塩素吸着除去工程または還元剤による塩素分解除去工程を包含するアルカリ金属塩化物の電解方法は公知である。
不純物として硫酸塩が含まれたアルカリ金属塩化物を水に溶解する飽和ブライン調製工程、飽和ブラインを電解するイオン交換膜方式の電解工程、電解工程から抜き出され且つアルカリ金属塩化物の濃度が低下した淡ブラインから塩素を脱気する塩素脱気工程、イオン交換体が充填された分離塔に上記の淡ブラインと水とを交互に通液し、主としてアルカリ金属塩化物を含有する流出液と硫酸塩を含有する流出液とを分離して回収すると共に、前者は上記の飽和ブライン調製工程へ循環し、後者は循環系外に除去する脱芒工程を包含するアルカリ金属塩化物の電解方法において、塩素脱気工程と脱芒工程の間に、塩素脱気工程から導出される淡ブライン中の残存塩素を除去するための塩素の吸着または分解除去工程を設け、そして、塩素脱気工程から導出される上記の淡ブラインを2分割し、3〜50%は上記の塩素の吸着または分解除去工程に導入し、残余は直接に上記の飽和ブライン調製工程へ循環することを特徴とするアルカリ金属塩化物の電解方法。が知られている。
特開2001−181880
上記の電解方法は、塩素脱気工程で除去されずに残存する淡ブライン中の塩素によって脱芒工程のイオン交換体が劣化するという問題を解決するために、塩素脱気工程と脱芒工程の間に塩素吸着除去工程または塩素分解除去工程を設けた改良方法である。
先行技術における塩素吸着除去工程または塩素分解除去工程は、脱芒工程のイオン交換体の劣化防止に限らず、配管腐食防止などの観点からも意義があるが、次の様な問題が見出された。すなわち、上記の様な精密な塩素除去工程においては、例えば、1mg−Cl/L以下、好ましくは0.05mg−Cl/L程度の精度で塩素濃度の測定を行うことが望ましいが、淡ブラインの様なアルカリ金属塩化物水溶液中の塩素を上記の様な高精度で測定することは容易なことではない。
本発明は、上記実情に鑑みなされたものであり、その目的は、飽和ブライン調製工程、電解工程、塩素脱気工程、活性炭による塩素吸着除去工程または還元剤による塩素分解除去工程を包含するアルカリ金属塩化物の電解方法において、塩素吸着除去工程または塩素分解除去工程から導出される淡ブライン中の塩素を高精度で測定することが出来、また、還元剤の供給管理を自動的に行い得る様に改良されたアルカリ金属塩化物の電解方法を提供することにある。
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、淡ブライン中の塩素は比色法によるならば高精度で測定し得るとの知見を得、本発明の完成に到った。
すなわち、本発明の第1の要旨は、不純物として硫酸塩が含まれたアルカリ金属塩化物を水に溶解する飽和ブライン調製工程、飽和ブラインを電解するイオン交換膜方式の電解工程、電解工程から抜き出され且つアルカリ金属塩化物の濃度が低下した淡ブラインから塩素を脱気する塩素脱気工程、塩素脱気工程から導出される淡ブライン中の残存塩素を活性炭で吸着除去するための塩素吸着除去工程または還元剤で分解除去するための塩素分解除去工程を包含するアルカリ金属塩化物の電解方法において、塩素の吸着または分解除去工程から導出される淡ブライン中の残存塩素濃度の測定を比色分析法によって行うことを特徴とするアルカリ金属塩化物の電解方法に存する。
そして、本発明の第2の要旨は、不純物として硫酸塩が含まれたアルカリ金属塩化物を水に溶解する飽和ブライン調製工程、飽和ブラインを電解するイオン交換膜方式の電解工程、電解工程から抜き出され且つアルカリ金属塩化物の濃度が低下した淡ブラインから塩素を脱気する塩素脱気工程、塩素脱気工程から導出される淡ブライン中の残存塩素を還元剤で分解除去するための塩素分解除去工程を包含するアルカリ金属塩化物の電解方法において、塩素の分解除去工程から導出される淡ブライン中の残存塩素濃度の測定を比色分析法によって行い且つその結果に基づいて塩素分解除去工程に供給する還元剤の量を制御することを特徴とするアルカリ金属塩化物の電解方法に存する。
そして、本発明の好ましい態様においては、塩素吸着除去工程または塩素分解除去工程の後に、脱芒工程として、イオン交換体が充填された分離塔に淡ブラインと水とを交互に通液し、主としてアルカリ金属塩化物を含有する流出液と硫酸塩を含有する流出液とを分離して回収すると共に、前者は上記の飽和ブライン調製工程へ循環し、後者は循環系外に除去する工程を設けられる。
本発明によれば塩素の吸着または分解除去工程から導出される淡ブライン中の残存塩素の濃度を高精度で測定することが出来、また、還元剤の供給量の管理を自動化することが出来る。
以下、本発明を添付図面に基づき詳細に説明する。図1は、本発明の電解方法の一例を示す工程説明図である。図中、符号(1)は飽和ブライン調製工程の溶解槽、(6)は必要に応じて設けられる精製設備、(7)は電解工程の電解槽、(13)は塩素脱気工程の塩素脱気塔、(15)は脱芒工程の分離塔、(23)は塩素の吸着または分解除去工程の塩素吸着塔または塩素分解反応器を示す。
図1に示す電解方法は、塩素の吸着または分解除去工程の後に脱芒工程を設け、しかも、塩素の吸着または分解除去工程での吸着剤または還元剤の使用量の節減を図る観点から、塩素脱気工程から回収される淡ブラインの一部を脱芒工程に供給する様にした方法であり、基本的には、特開2001−181880に記載された電解方法と同じである。
先ず、溶解槽(1)において送給路(2)から送られるアルカリ金属塩化物の原塩(不純物として硫酸塩を含有する)と、導管(3)の枝管(3a)からの溶解水、電解槽(7)から循環される淡ブライン及び硫酸塩が実質的に除去された分画液を使用して電解槽(7)に供給する高濃度塩水を調製する。上記の分画液とは、分離塔(15)によって硫酸塩が実質的に除去されたアルカリ金属塩化物含有分画液を指す。すなわち、アルカリ金属塩化物水溶液を電解槽(7)で電解処理した後、電解槽(7)から排出されるアルカリ金属塩化物の含有割合が低下しているアルカリ金属塩化物水溶液(淡ブライン)をクロマトグラフ手法に従って分画した、硫酸塩を実質的に含まず、アルカリ金属塩化物を含有する様に処理した液であって、この分画液は導管(4)を経て溶解槽(1)に導出される。
塩水中のアルカリ金属塩化物濃度はできるだけ高濃度であることが好ましく、通常飽和濃度の塩水(飽和ブライン)が調製される。溶解槽(1)で調製された飽和ブラインは、導管(5)により精製設備(6)に送られ、原塩に由来する飽和ブライン中のカルシウム塩、マグネシウム塩、ストロンチウム塩などの不純物が除去される。精製方法としては、例えば、炭酸ソーダ、苛性ソーダを順次添加して、炭酸カルシウム、水酸化マグネシウムとして沈澱させる方法が採用される。更に必要であれば、キレ−ト樹脂処理などの精製法を併用してもよい。次いで、飽和ブラインはイオン交換膜方式の電解槽(7)に送られ常法に従って電解が行われる。
電解槽(7)はイオン交換膜からなる隔膜(20)により陰極室と陽極室とに分けられ、陰極室で生成した苛性アルカリは導管(11)から、また、水素ガスは導管(9)から排出され、陽極室で生成した塩素ガスは導管(8)から排出され、夫々回収される。なお、符号(10)は、電解槽(7)から苛性アルカリを押し出すために供給される水の導管である。電解により飽和ブライン中のアルカリ金属塩化物の約50%及び水の約20%が消費され、残った塩水(淡ブライン)は導管(12)から抜き出され溶解槽(1)へ循環される。電解槽(7)からから抜き出される淡ブライン中には、通常、アルカリ金属塩化物が180〜200g/L、硫酸塩が6〜12g/L程度含まれている。また、そのpHは通常2〜4程度である。斯かる淡ブラインは、好適には例えば塩酸により1〜2にpH調節した後、塩素脱気塔(13)でのエアーレーションにより塩素が脱気される。そして、要すれば、図示されていない貯槽に貯えた後、バルブ(14a)の開により、少くともその一部を一定量づつ、塩素吸着塔または塩素分解反応器(23)へ送給した後、分離塔(15)へ送給する。
符号(23)が塩素吸着塔の場合、当該吸着塔においては粒状活性炭が好適に使用され、その粒径は、通常0.5〜10mm、好ましくは1.0〜5.0mmである。活性炭は塩素吸着塔に槽高0.5〜4.0mの高さで充填される。そして、通液は通常ダウンフローで行われ、その速度は、線速度で通常5.0〜25m/h、通液温度は通常50〜90℃とされる。
符号(23)が塩素分解反応器の場合、当該反応器には還元剤として、例えば亜硫酸ナトリウム等の亜硫酸塩の水溶液が好適に使用される。遊離塩素1.0当量当たり1.0〜5.0当量である。通常、淡ブラインと還元剤との反応は撹拌槽によって行われる。この場合、還元剤は導管(30)から供給される。還元反応の際のpH値は、通常7〜12、好ましくは9〜11である。斯かるpH調節は、淡ブラインに例えば苛性ソーダ水溶液を添加することにより行われる。還元反応温度は通常50〜90℃、滞留時間は、通常1〜60分、好ましくは10〜30分とされる。なお、還元剤の撹拌は、淡ブラインの移送配管中に還元剤を添加するラインミキシング方式によって行なうことも出来る。
分離塔(15)には、陰イオン交換基と陽イオン交換基とを有し、これら両イオンが内部塩を形成している両性イオン交換体が充填されている。内部塩を形成している両性イオン交換体としては、例えば一般にスネークケージ型と呼ばれている樹脂が挙げられる。スネークケージ型樹脂とは、スチレン又はアクリル系の強塩基性イオン交換体にアクリル酸を含浸、重合させた複合体であり、ダウケミカル社の「リタ−デイオン11A−8」、三菱化学社の「ダイヤイオンSR−1」等の名称で市販されている。また、内部塩を形成している両性イオン交換体としては、アクリル系またはスチレン系の架橋共重合体から成る樹脂母体に直接結合した次の一般式(1)で示されるイオン交換基を有する樹脂も使用される。
(式中R及びRは、夫々炭素数1〜3のアルキル基を示し、m及びnは夫々1〜4の数を示す。)
一般式(1)で示されるイオン交換基を有する樹脂は、例えば特公昭60−45942号公報に記載されている方法に従い、スチレン系の架橋共重合体にハロメチル基を導入し、次いで、N,N’−ジメチルグリシンの酸無水物、酸アマイド、酸ハロゲン化物、低級アルキルエステル等のN−置換−アミノ酸の酸誘導体を反応させた後、加水分解する方法およびこれに準ずる方法により製造される。
上記の両性イオン交換体は球状であり、その粒径は、通常100〜1200μm、好ましくは150〜350μmである。両性イオン交換体の内部塩を形成する交換容量は、通常1〜6meq/g樹脂、好ましくは2.0〜4.5meq/g樹脂である。また、両性イオン交換体の水分は、通常20〜80重量%、好ましくは30〜60重量%である。分離塔(15)に充填する両性イオン交換体の層高は、イオン交換体の種類や処理水の量(電解プラントの容量)によるが、通常1〜4m程度がよい。
分離塔(15)へ供給する淡ブラインの量は、原塩中の硫酸塩量や電解槽(7)に供給される飽和ブライン中に許容される硫酸塩濃度などを考慮して決められる。淡ブライン中の硫酸塩は完全に除去する必要は無く、電解の障害にならない濃度以下に維持すればよい。少なくとも、新たに添加される原塩に伴う硫酸塩量を除くことにより、飽和ブラインへの硫酸塩の更なる蓄積を阻止すればよい。そのためには電解槽(7)に循環されるブラインを分離塔(15)で処理すればよい。分離塔(15)に供給する1回の淡ブラインの量は充填イオン交換体容積の0.1〜0.5倍容量であり、通水流速は空間速度(SV)で1〜5h−1がよい。通水温度は40〜80℃が好ましい。1回量の淡ブラインを通水した後バルブ(14a)を閉じ、バルブ(14b)を開いて導管(3b)から水を分離塔(15)へ通水してクロマトグラフ手法に従って、最初に硫酸塩を溶離、流出させ、次いで、アルカリ金属塩化物を溶離流出させる。この水としては、導管(3)からの溶解水を1ミクロン程度のフィルターで濾過したもの、または、それを軟化した軟水の使用が好ましい。1回の通水量は充填イオン交換体容積の0.2〜1.1倍で、通水流速はSVで通常1〜5h−1、好ましくは上記淡ブラインの通水流速と同じにするのがよい。通水温度は40〜80℃であり、上記淡ブラインの通水温度と同じにするのがよい。
淡ブライン及び溶解水の通水方向は、充填イオン交換体が分離塔(15)内を完全に充満するように充填されている場合は上向流または下向流の何れでもよく、イオン交換体が空塔部分を残して充填されている場合は下向流とし、充填イオン交換体が流動しない様に通水する。分離塔(15)から流出してくる液中の成分濃度の変化は電導度計または屈折率計等からなる検出器(16)で検出し、伝送路(21)及び(22)によってバルブ(18)及び(19)に伝達し、主として硫酸塩を含有する流出分画液を流出管(17)を経て系外に排出し、一方、主としてアルカリ金属塩化物を含有する流出分画液は導管(4)を経て溶解槽(1)へ循環する。再びバルブ(14a)を開けて淡ブラインの通水を供給し、次いで、溶解水を通水する操作が繰り返し行われる。溶解槽(1)では導管(12)から分離塔(15)を経由せずに直接循環される淡ブライン、分離塔(15)からのアルカリ金属含有流出分画液に、要すれば更に溶解水を加え、新たに原塩を追加し、飽和ブラインを調製する。両性イオン交換体に吸着された淡ブラインは水により容易に溶離され、酸やアルカリによる再生処理をすることなく再び淡ブラインの処理に使用できる。
淡ブラインの処理量が適性量であれば原料塩の添加による新たな硫酸塩の蓄積を防止することが出来、また、両性イオン交換体の溶離に使用する水は電解槽(7)で消費される水量の範囲内であるから、分離塔(15)から流出される主としてアルカリ金属塩化物からなる流出分画液を全量溶解槽(1)へ循環することが出来、電解に使用する水の量および系外に漏出するアルカリ金属塩化物の量を最小にすることが出来る。また、廃水の量も少なく経済的である。
上記に説明した例の場合は、アルカリ等の薬剤を使用しない脱芒工程、すなわち、イオン交換体が充填された分離塔に淡ブラインと水とを交互に通液する脱芒工程として特開平7−3485号公報に記載のクロマト分離的態様の脱芒工程を採用したが、本発明においては、吸脱着的態様の脱芒工程であってもよい。斯かる態様においては、水によって再生(樹脂に吸着された硫酸根または硫酸塩の脱着)可能な適宜のイオン交換樹脂が使用される。斯かるイオン交換樹脂の硫酸根または硫酸塩に対する吸着力は一般に弱いため、破過点に到達する前の再生、すなわち、淡ブラインと交互に通液する水のサイクルは、前記のクロマト分離的態様の場合と同様になることが多い。
第1の要旨に係る本発明は、上記の様なアルカリ金属塩化物の電解方法において、塩素の吸着または分解除去工程から導出される淡ブライン中の残存塩素濃度の測定を比色分析法によって行うことを特徴とする。すなわち、第1の要旨に係る本発明においては、塩素吸着塔または塩素分解反応器(23)から導出される淡ブラインの試料に塩素の作用によって発色する試薬を添加し、その発色強度から淡ブライン中の残存塩素濃度を測定する。
上記の発色試薬としては、ジエチル−p−フェニレンジアミン又はo−トリジンが好適である。これらの発色試薬により、淡ブライン中であっても0.05mg−Cl/L程度の低濃度の残留塩素を測定することが出来る。
発色強度の測定は、比色管による目視測定でもよいが、測定精度の観点から分光吸光度計を使用して吸光度を測定するのが好ましい。測定吸光波長は、発色試薬によって異なるが、ジエチル−p−フェニレンジアミンの場合は540nm付近、o−トリジンの場合は440nm付近の波長を選択するのが好ましい。そして、これらの波長に基づき淡ブライン中の種々の塩素濃度と吸光度との関係(検量線)を予め作成しておき、吸光度の測定値と検量線とから塩素濃度を求める。なお、淡ブライン中の残存塩素濃度の測定は、手動方式または自動方式の何れであってもよい。
第2の要旨に係る本発明は、上記の様なアルカリ金属塩化物の電解方法において、塩素の分解除去工程から導出される淡ブライン中の残存塩素濃度の測定を比色分析法によって行い且つその結果に基づいて塩素分解除去工程に供給する還元剤の量を制御する。すなわち、第2の要旨に係る本発明においては、塩素分解反応器(23)から導出される淡ブラインの試料について上記と同様に残存塩素濃度を測定し、その結果に基づいて塩素分解反応器(23)に供給する還元剤の量を制御する。
上記の存塩素濃度測定と還元剤供給量の制御は、通常、自動化されたシステムによって行われる。すなわち、塩素分解反応器(23)の出口の導管(24)に設けられた分岐導管(25)により試料を採取して自動分析装置(26)に供給し、自動分析装置(26)にて分析を行い且つ還元剤供給量制御装置(28)に測定信号を出力し、還元剤供給量制御装置(28)にて還元剤の必要量の演算を行い且つ導管(30)に設けられたバルブ(31)に制御信号を出力する。そして、バルブ(31)の作動により、導管(30)から塩素分解反応器(23)に供給される還元剤の量を制御する。符号(27)と(29)は、それぞれ、上記の測定信号と制御信号の伝送路である。
自動分析装置(26)は、定量ポンプにより一定量の淡ブラインを試料として採取し、これに一定量の発色試薬を添加混合して発色させ、分光光度計に導き吸光度を測定し、吸光度の測定値と検量線とから塩素濃度を求め、その結果を測定信号として還元剤供給量制御装置(28)に出力する機能を備えている。一方、還元剤供給量制御装置(28)は、自動分析装置(26)からの測定信号と予め用意された塩素濃度と還元剤量との関係式とに基づき必要な還元剤量を算出し、塩素分解反応器(23)に供給される還元剤の量を制御する機能を備えている。
上記の各機能はプログラム化されてコンピューターにより行われ、自動分析装置(26)及び還元剤供給量制御装置(28)の具体的構成は、従来の自動制御技術とコンピューター技術により当業者にとっては容易に構築することが出来る。
また、本発明においては、特開2001−181877に記載の電解方法と同様、前記の塩素脱気工程から導出される淡ブラインを2分割し、3〜50%は前記の塩素吸着除去工程に導入し、残余は直接に前記の前記の飽和ブライン調製工程へ循環するのが好ましい。
すなわち、上記の様に、淡ブライン中の残存塩素の吸着除去工程を設けることにより脱芒工程のイオン交換体の劣化防止を図ることが出来るが、淡ブラインの全量を脱芒工程に供給する必要はなく、従って、脱芒工程に供給される量見合いの量の淡ブラインについて残存塩素の吸着除去を行なえばよい。上記3〜50%の淡ブライン量は斯かる観点から決定された量である。
塩素吸着除去工程に導入される淡ブライン量が3%未満の場合はイオン交換体の劣化防止を図りつつ脱芒処理される淡ブラインの量が少なすぎるため、電解プラント内に蓄積される芒硝(NaSO)の量が増加し、その結果、電解工程においてイオン交換膜の劣化や消費電力の増加という問題が惹起される。一方、塩素吸着除去工程に導入される淡ブライン量が50%を超える場合は、不必要な量の淡ブラインを処理する結果となり、塩素吸着除去工程で使用する各種の薬剤(還元剤、pH調節剤など)や脱芒工程で使用するイオン交換体が不必要に多くなり経済的ではない。塩素吸着除去工程に導入する淡ブラインの好ましい量は5〜30%、更に好ましい量は5〜15%である。
更に、本発明においては、前記の脱芒工程において、通水する水(クロマト分離的態様の場合の溶離液または吸脱着的態様の場合の樹脂の再生液)に工業用水を使用するのが経済的であり好ましい。ここで、工業用水とは、河川水、地下水の他、涌き水をポリ塩化アルミニウム(PAC)や硫酸バンド等の凝集剤で処理した水を指す。斯かる工業用水は、一般に、金属塩を主成分とする硬度分と共に藻類やコロイダル金属を主とする懸濁物質を含む。硬度分は、Ca、Mg等の2価イオンが主成分であり、炭酸カルシウム当量で表される。ここでいう工業用水の硬度分の量は、通常30〜200mg/L炭酸カルシウム当量である。また、懸濁物質(SS成分)の量は、ガラス繊維フィルターに捕捉されるSS成分として表され、カオリン濁度で通常1〜10度である。
工業用水を使用した脱芒工程の場合は次の様に運転するのが更に好ましい。すなわち、イオン交換体の性能が低下した時点で運転を中止し、イオン交換体の酸洗浄、アルカリ洗浄またはこれらの交互洗浄を行った後に運転を再開する。ここで、イオン交換体の性能が低下した時点とは、概略、クロマト分離的態様の場合は前述の両性イオン交換体によるクロマト分離性能が低下した時点を意味し、吸脱着的態様の場合はイオン交換樹脂が破過点に到達した時点を意味する。斯かるイオン交換体の性能低下は、硬度分によるイオン交換体のコーティング汚染や懸濁物質によるイオン交換体充填層内への堆積汚染によって惹起される。
上記の酸洗浄は、硬度分によるコーティング汚染の際に適用される。そして、酸としてはHClが好適に使用され、その濃度は、通常10〜150g/L、好ましくは50〜100g/Lである。洗浄処理後の排水は系外に排出され、その後に水洗される。
上記のアルカリ洗浄は、懸濁物質による堆積汚染の際に適用される。そして、アルカリとしては、食塩電解の場合はNaOH水溶液が好適に使用され、その濃度は、通常1〜100g/L、好ましくは5〜50g/Lである。洗浄処理後の排水は系外に排出され、その後に水洗される。
上記の様に、脱芒工程の酸洗浄および/またはアルカリ洗浄を定期的に行なっても、斯かる洗浄のインターバルは長期間であるため、薬剤に掛かるコストは非常に少なく、工業的な有利性は何ら損なわれない。
本発明は、上記の様にして実施されるが、以下に本発明の特徴部分、すなわち、塩素分解反応器(23)出口の淡ブライン中野残存塩素濃度の測定方法について示すが、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
実施例1:
電解槽(7)から45m/hで淡ブラインを流出させ、pHを約2に調節し、塩素脱気塔(13)でエアレーションし、2mg−Cl/Lの遊離塩素と5.0g/L硫酸根を含有する淡ブラインを得た。そして、得られた淡ブラインの内の3.6m/h(全体の約8%)について、再度、pHを約11に調節し、撹拌槽式の塩素分解反応器(23)に供給し、亜硫酸ナトリウムを水溶液として添加し、60℃で還元処理した。導管(29)から塩素分解反応器(23)に供給される亜硫酸ナトリウム水溶液の量は、ジエチル−p−フェニリンジアミン比色法の自動分析装置(26)と還元剤供給量制御装置(28)とによって制御した。その結果、淡ブライン中の塩素が高精度で測定され、還元剤量の供給管理が自動的に行われ、長期間に亘って安定した運転を行うことが出来た。因に、亜硫酸ナトリウムの供給量はClに対する化学当量比で3.0倍に相当量とした。
発明の電解方法の一例を示す工程説明図
符号の説明
1:飽和ブライン調製工程の溶解槽
6:精製設備
7:電解工程の電解槽
13:塩素脱気工程の塩素脱気塔
15:脱芒工程の分離塔
23:塩素吸着除去工程の塩素吸着塔
26:自動分析装置
28:還元剤供給量制御装置

Claims (4)

  1. 不純物として硫酸塩が含まれたアルカリ金属塩化物を水に溶解する飽和ブライン調製工程、飽和ブラインを電解するイオン交換膜方式の電解工程、電解工程から抜き出され且つアルカリ金属塩化物の濃度が低下した淡ブラインから塩素を脱気する塩素脱気工程、塩素脱気工程から導出される淡ブライン中の残存塩素を活性炭で吸着除去するための塩素吸着除去工程または還元剤で分解除去するための塩素分解除去工程を包含するアルカリ金属塩化物の電解方法において、塩素の吸着または分解除去工程から導出される淡ブライン中の残存塩素濃度の測定を比色分析法によって行うことを特徴とするアルカリ金属塩化物の電解方法。
  2. 塩素吸着除去工程または塩素分解除去工程の後に、脱芒工程として、イオン交換体が充填された分離塔に淡ブラインと水とを交互に通液し、主としてアルカリ金属塩化物を含有する流出液と硫酸塩を含有する流出液とを分離して回収すると共に、前者は上記の飽和ブライン調製工程へ循環し、後者は循環系外に除去する工程を設けた請求項1に記載の電解方法。
  3. 不純物として硫酸塩が含まれたアルカリ金属塩化物を水に溶解する飽和ブライン調製工程、飽和ブラインを電解するイオン交換膜方式の電解工程、電解工程から抜き出され且つアルカリ金属塩化物の濃度が低下した淡ブラインから塩素を脱気する塩素脱気工程、塩素脱気工程から導出される淡ブライン中の残存塩素を還元剤で分解除去するための塩素分解除去工程を包含するアルカリ金属塩化物の電解方法において、塩素の分解除去工程から導出される淡ブライン中の残存塩素濃度の測定を比色分析法によって行い且つその結果に基づいて塩素分解除去工程に供給する還元剤の量を制御することを特徴とするアルカリ金属塩化物の電解方法。
  4. 塩素分解除去工程の後に、脱芒工程として、イオン交換体が充填された分離塔に淡ブラインと水とを交互に通液し、主としてアルカリ金属塩化物を含有する流出液と硫酸塩を含有する流出液とを分離して回収すると共に、前者は上記の飽和ブライン調製工程へ循環し、後者は循環系外に除去する工程を設けた請求項3に記載の電解方法。
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