JP2005281379A - 架橋したシリコーンゴムと熱可塑性樹脂との複合体および微粉化方法 - Google Patents

架橋したシリコーンゴムと熱可塑性樹脂との複合体および微粉化方法 Download PDF

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Abstract

【課題】微粉化された架橋したシリコーンゴムが熱可塑性樹脂中に均一に分散した複合体および微粉化方法を提供する。
【解決手段】第1の供給装置9を介して供給された架橋した粒径5mm以下のシリコーンゴムの粗粉体12と第2の供給装置10を介して供給された熱可塑性樹脂13とは、溶融混練領域4において温調装置7による外部加熱と強いせん断力によるせん断発熱により熱可塑性樹脂が溶融して、架橋したシリコーンゴムの粗粉体を包含した溶融複合体になり、第1の冷却領域4aに移送されて熱可塑性樹脂が冷却固化した固相複合体になる。ついで、固相複合体は、第1の固相せん断領域5および第2の固相せん断領域6において強いせん断力が作用されるとともに温調装置7によって強制冷却されて固相状態で繰り返し粉砕され、微粉化された複合体が吐出口1bより吐出される。
【選択図】図1

Description

本発明は、架橋したシリコーンゴムの微細粒子が熱可塑性樹脂中に均一に分散した、架橋したシリコーンゴムと熱可塑性樹脂との複合体および微粉化方法に関するものである。
プラスチック製の成形品には、成形品の使用目的に合わせて成形品の主たる素材のプラスチック単独ではなく他の材料を添加することで、潤滑性、耐磨耗性、耐熱性、耐薬品性等を向上させた複合体が用いられている。以下に複合体の製造方法の従来例について説明する。
特許文献1には、加硫ゴム、架橋ポリエチレン等の難溶融性ポリマーの粗粉体に低密度ポリエチレン等の易溶融性ポリマーを添加して混合した混合物を、多段石臼型混練押出機によって固相状態でせん断粉砕するか、あるいは、二軸混練押出機によって易溶融性ポリマーを溶融させてノズルから押し出し、冷却カットしてペレットにする微粉化方法が開示されている。
また、特許文献2には、難溶融性ポリマーである架橋ポリマーが熱可塑性樹脂中に包含されている複合体の粉末あるいはペレットの製造方法について、架橋ポリマーの粗粉体に熱可塑性樹脂を添加して混合した混合物を、多段石臼型混練押出機によって前記熱可塑性樹脂の溶融温度以下の温度で、せん断力によって粉砕するか、あるいは、二軸混練押出機によって前記熱可塑性樹脂を溶融させてノズルから押し出し、冷却カットしてペレットにする、微粉化方法が開示されている。
特開平9−31204号公報 特開平10−46037号公報
特許文献1、2に開示された方法のように、難溶融性ポリマーと易溶融性ポリマーとをこれらの融点より低い温度で、多段石臼型混練押出機あるいは二軸押出機によって混練しようとする場合、石臼あるいはスクリュを回転駆動するのに膨大な回転エネルギーを必要とするため、実用化が困難であった。
架橋度合いが中程度から高程度の固体状のポリジメチルシロキサン(以下、「架橋したシリコーンゴム」という。)は、熱可塑性樹脂との相溶性はなく、熱可塑性樹脂の融点以下の固相状態でせん断力を加えるだけでは架橋したシリコーンゴムを微粉砕して熱可塑性樹脂中に均一に分散させることはできなかった。
本発明は、上記従来の技術の有する未解決の課題に鑑みてなされたものであって、微粉化された架橋したシリコーンゴムが熱可塑性樹脂中に均一に分散した複合体および微粉化方法を提供することを目的とするものである。
上記の目的を達成するため、本発明の架橋したシリコーンゴムと熱可塑性樹脂との複合体および微粉化方法は、粒径5mm以下の架橋したシリコーンゴムと前記架橋したシリコーンゴムと相溶性のない熱可塑性樹脂とを混練・溶融させて前記架橋したシリコーンゴムを溶融した前記熱可塑性樹脂で包含させたのち、冷却して前記架橋したシリコーンゴムを包含する前記熱可塑性樹脂を固化させるとともに強いせん断力を作用させて固相状態で繰り返し粉砕する固相せん断粉砕工程を経ることにより、前記シリコーンゴムの微細粒子が前記熱可塑性樹脂中に均一に分散した微粉体に粉砕することを特徴とする。
また、熱可塑性樹脂が、ポリアセタールであってもよい。
また、架橋したシリコーンゴムが、デュロメータAによる硬度が20〜60の架橋したシリコーンゴムであってもよい。
本発明は、上述のとおり構成されているので、次に記載するような効果を奏する。
架橋したシリコーンゴム単独では困難なせん断粉砕が可能になり、かつ併発しやすい微粉末の二次凝集・凝塊化を防止することができる。
その結果、架橋したシリコーンゴムの微粒子が熱可塑性樹脂中に均一に分散した複合体を製造することができ、外観良好な成形品を容易に成形することが可能になる。
本発明者らは、架橋したシリコーンゴム、好ましくは、デュロメータAによる硬度が20〜60である架橋シリコーンゴムを粒径数百μm以下に微粉化して、熱可塑性樹脂中に均一に分散した複合体にすることによって、潤滑性、耐熱性、難燃性、耐候性、耐放射線性、耐スチーム性、耐油・耐溶剤・耐薬品性およびガス透過性等が著しく向上する効果があることを見出している。
しかしながら、架橋したシリコーンゴムの粒径が数百μm以上の粗大なものである場合、成形品の表面に凹凸が生じて表面外観を損ねるばかりか、前述の効果が制限されたものとなる。また、架橋したシリコーンゴムのデュロメータAによる硬度が60より高い場合は、潤滑性向上効果がないこともわかっている。
しかし、このような硬度の低い架橋したシリコーンゴムは、熱可塑性樹脂との相溶性が低いので通常のコンパウンディングによる粉砕・分散が難しい。このため、外観に優れた成形品を得るとともに前述の効果を得るには、初期には粒径が数百μm以上の架橋したシリコーンゴムを粒径数十μm以下、好ましくは50μm以下に微粉化するとともに、二次凝集を防ぎながら微粉化された架橋したシリコーンゴムを熱可塑性樹脂中に均一に分散させることが必要である。
従来、硬度の低い架橋したシリコーンゴムを微粉化する方法としては、液体窒素等を用いて冷却脆化させて微粉化する凍結粉砕方法が良く知られている。この方法は、粒径数mmに粗粉砕された架橋したシリコーンゴムをマイナス150℃以下で凍結し、破砕機により粒径200μm以下の微細な粒に粉砕するものである。熱可塑性樹脂に架橋したシリコーンゴムを添加し、新たな性質を発揮させる場合、粒径が小さく均一に分散しているほど好ましい。しかし、粒径200μmのものを粒径50μm以下へと微粉化するためには冷凍および破砕に巨大なエネルギーを必要とする。一般に粒径を小さくするに伴って粉砕に必要なエネルギーは指数関数的に上昇するといわれている。具体的には粒径200μmに比べて粒径50μmでは凍結粉砕に要するエネルギーが10倍必要になる。さらに架橋したシリコーンゴムは微粉化するほど二次凝集しやすくなる。このため、本方法により粒径数十μm以下への微粉化を経済的に実施することは不可能である。
そこで、繰り返し実験を行った結果、単軸スクリュ式押出機、二軸スクリュ式押出機を含む多軸押出機あるいは多段石臼型押出機等の強いせん断力を作用させる混練装置を用い、熱可塑性樹脂と粒径5mm以下の架橋したシリコーンゴムの粗粉体とを混合し、強いせん断力によるせん断発熱および加熱によって熱可塑性樹脂を溶融して架橋したシリコーンゴム、好ましくはデュロメータAによる硬度が20〜60である架橋シリコーンゴムの粗粉体を溶融熱可塑性樹脂で包含した溶融複合体としたのち、急速に冷却して架橋したシリコーンゴムの粗粉体を固化した熱可塑性樹脂で包含した固相複合体とし、固相複合体を強いせん断力を作用させて粉砕する固相せん断粉砕工程を複数回繰り返し行うことによって、架橋したシリコーンゴムを粒径50μm以下、好ましくは10μm以下に微粉化できることを見出した。
固相せん断粉砕工程において、熱可塑性樹脂が結晶性樹脂の場合はその熱可塑性樹脂の融点より100℃以上の低い温度で、また、熱可塑性樹脂が非結晶性樹脂の場合はそのガラス転移温度より100℃以上の低い温度で固相せん断粉砕を行うことにより、架橋シリコーンゴムを粒径50μm以下、好ましくは10μm以下に微粉化し、二次凝集のない均一な分散状態を達成することができる。
二軸スクリュ式押出機を含む多軸押出機においては、前述した固相複合体を強いせん断力を作用させて粉砕する固相せん断粉砕工程を行うスクリュとして、順送りフルフライトスクリュ、逆送りフルフライトスクリュ、順送りニーディングディスクスクリュ、逆送りニーディングディスク、中立ニーディングディスクスクリュ、順送りギアーニーディングスクリュ、逆送りギアーニーディングスクリュ、順送りロータースクリュ、逆送りロータースクリュ、順送り切り欠きスクリュ、逆送り切り欠きスクリュ、シールリング付設スクリュおよびトーピードリング付設スクリュの中から選んだ一種または二種位上の組み合わせを用いることができる。
本発明においては、固相複合体に対して、せん断発熱によって熱可塑性樹脂が溶融するほどのせん断力を作用させるとともに強制冷却して固相状態での粉砕を可能にするために、熱可塑性樹脂の冷却が非常に重要である。
本発明の一実施の形態について、同方向回転噛み合い型二軸スクリュ式押出機を用いた場合を例にあげて説明する。
図1に示すように、同方向回転噛み合い型二軸スクリュ式押出機は、外壁面に付設された複数の温調装置7によって温度制御されるシリンダ1と、シリンダ1内に回転自在に配設された噛み合い型の2本のスクリュ2と、2本のスクリュ2を同方向へ回転させる回転駆動手段3と、シリンダ1の一端側に設けられた供給口1aに連通するホッパ11とを有している。シリンダ1の供給口1a側から吐出口1b側へ向かって順次、溶融混練領域4、第1の冷却領域4a、第1の固相せん断領域5、第2の冷却領域5a、第2の固相せん断領域6を備えている。ホッパ11の上方部位には、架橋したシリコーンゴムの粗粉体をホッパ11へ供給するための第1の供給装置9と、熱可塑性樹脂をホッパ11へ供給するための第2の供給装置10が配設されている。
ホッパ11へ、第1の供給装置9を介して供給された粒径5mm以下の架橋したシリコーンゴムの粗粉体12と第2の供給装置10を介して供給された熱可塑性樹脂13とは、溶融混練領域4において移送される間に混練され、温調装置7による外部加熱と強いせん断力によるせん断発熱により熱可塑性樹脂が溶融して、架橋したシリコーンゴムの粗粉体を包含した溶融複合体になり、第1の冷却領域4aに移送されて溶融した熱可塑性樹脂が冷却固化した固相複合体になる。
ついでこの固相複合体は、第1の固相せん断領域5において強いせん断力が作用されるとともに温調装置7によって強制冷却されて固相状態で繰り返し粉砕されて第2の冷却領域5aを経て第2の固相せん断領域6へ移送される。第2の固相せん断領域6において強いせん断力が作用されるとともに温調装置7によって強制冷却されて固相状態で繰り返し粉砕されて微粉化されたのち吐出口1bより吐出される。
架橋したシリコーンゴムの粗粉体を包含する熱可塑性樹脂が固体の状態で粉砕する固相せん断粉砕工程を経ることにより、効率的に架橋したシリコーンゴムの粗粉体を粒径50μm以下に微粉化すること、および、二次凝集のない均一な分散が実現すると考えられる。このとき架橋したシリコーンゴムと熱可塑性樹脂界面に強いせん断力を作用することで反応活性になり、さらに反応活性となった両者に高いせん断力が作用することによりメカノケミカル反応が生じ、相溶化反応が発生し、相溶化が成されると考えられる。
熱可塑性樹脂(以下、「樹脂」という。)に作用するせん断力と冷却作用とは相反するものである。すなわち、樹脂に強いせん断力が作用するとせん断発熱量が多くなって冷却され難くなり、固化が不十分となる。逆に樹脂に作用するせん断力が弱いと、せん断発熱量が少ないので冷却は進むものの、架橋したシリコーンゴムの微粉化に供される破砕エネルギーが小さくなり、破砕が不十分となる。そこで冷却とせん断力とのバランスを達成する上でスクリュの溝深さは極めて重要である。
図2はスクリュの山径と谷径を示す概念図である。せん断力を作用させる流体がニュートン流体の場合、スクリュの山径=D、谷径=d、溝深さ=H=D−dとおくと、せん断力τはτ=η・Ns/[15×{1−(d/D)2 }]と表される。すなわち、山径Dと谷径dの比d/Dが大きいほど樹脂に作用するせん断応力は大きくなる。つまり、同一の外径Dのスクリュであれば谷径dが大きく溝深さH=D−dが小さいほど樹脂に強いせん断応力が作用する。
一方、単位長さのシリンダを考えた場合、シリンダ内面積A=π・D[cm2 ]、冷却熱流速q[W/cm2 ]、樹脂の密度ρ[g/cm3 ]、スクリュ溝内充満体積V=(D2 −d2 )・π/4[cm3 ]、樹脂の定圧比熱Cp[J/g・℃]とすると、スクリュの溝内にある樹脂の冷却速度はdT/dtは次式で計算される。
dT/dt=(q/ρ・Cp)×[4/D{1−(d/D)2 }]
すなわち、山径Dと谷径dの比d/Dが大きいほど樹脂の冷却速度が高くなる。つまり、スクリュ外径が同一の場合、谷径dが大きいほど冷却速度が高くなる。
以上のことから、強いせん断力を作用させて架橋したシリコーンゴムを微粉化すると同時に樹脂の冷却を十分に促進するためには、スクリュの山径と谷径との比d/Dが大きく、すなわちスクリュ外径が同一であれば浅溝であることが望ましい。
表1に同じ軸間距離を有するスクリュaとスクリュbとの比較を示す。
Figure 2005281379
溝深さH=0.005mのスクリュaに比べて溝深さ0.0025mのスクリュbは冷却速度に比例するパラメータA/Vおよびせん断速度γ& が大きくなっている。この場合、同じ混練時間に対して架橋したシリコーンゴムの微粉化状態はスクリュbが圧倒的に優れる結果となった。通常の溝深さのスクリュでは実現できなかった架橋したシリコーンゴムの微粉化を実現することが可能であった。さらに、二軸スクリュ式押出機の固相せん断領域を通過した架橋したシリコーンゴムと熱可塑性樹脂とからなる複合体の温度が樹脂の種類によって定まる所定の温度以下の場合にのみ、架橋したシリコーンゴムが粒径50μm以下、好ましくは10μm以下に微粉化され、架橋したシリコーンゴムが複合体から分離しないことを発見した。具体的には、ポリアセタールの場合80℃以下では架橋したシリコーンゴムが微粉化され、かつ分離しないが、80℃より高い温度では微粉化できず、かつ架橋したシリコーンゴムが分離するという知見が得られた。
このような条件を達成するためには、図1に示すような同方向回転噛み合い型二軸スクリュ式押出機およびスクリュ溝深さに加えて、スクリュ回転数が所定値以下であること、処理量が所定値以下であること、押出機内の滞留時間が所定値以上であることが必要である。スクリュ回転数が高すぎると、せん断発熱の比率が増加しかつ滞留時間が短くなる。この結果、固相せん断領域における冷却が不十分となり、固相状態で強いせん断力を加えることができなくなる。具体的には、ポリアセタールに架橋したシリコーンゴムを30wt%添加した複合体でスクリュ直径30mmの同方向回転噛み合い型二軸スクリュ式押出機を使用した場合、スクリュ回転数は136rpm以下であることが必要である。
処理量については、処理量が多すぎると滞留時間が短くなる一方で、スクリュ溝内への樹脂充満率が高くなる。その結果、強いせん断力が作用するが、固相せん断領域で固相複合体へのせん断力作用と溶融、その後の再冷却固化というサイクルの繰り返し回数が減少し、微粉化されなくなる。メカノケミカル反応を誘起するために必要な冷却→せん断→溶融→再固化のサイクルが不足するためである。具体的には、スクリュ直径30mmの同方向回転噛み合い型二軸スクリュ式押出機を使用した場合、架橋したシリコーンゴムとポリアセタールの場合、10kg/h以下である。
滞留時間については、スクリュ回転数および処理量によって決まるので、滞留時間が所定値となるようなスクリュ構成、回転数、処理量でなければ架橋したシリコーンゴムの微粉化と架橋したシリコーンゴムの分離の防止とを同時に達成することが難しいことを見出した。具体的には、架橋したシリコーンゴムとポリアセタールとからなる複合体の場合、滞留時間は8分以上が必要であることを見出した。これらの条件を同時に満たすことが架橋したシリコーンゴムの微粉化と分離を防ぐために重要な点である。処理量が所定値以下であれば生産性を損なうので、処理量を増加させる対策を講じることが必要である。また、浅溝スクリュであればあるほどスクリュ回転トルクおよび微粉化に要するエネルギーが大きくなるので、トルクを低減させる対策を講じる必要がある。これらについては、固相せん断領域と溶融混練領域を分離した以下の対策を講じることで解決することができる。
図3は、本発明の実施に用いる二段スクリュ式押出機の一例を示す説明図である。溶融混練領域34を有する第1押出機Aと、第1の固相せん断領域35および第2の固相せん断領域36を有する第2押出機Bとを備えており、第1押出機の吐出口41bと第2押出機の供給口51aとがポリマー配管38で接続されている。第1押出機は、温調装置37によって温度制御される第1シリンダ31と、第1シリンダ31内に回転自在に配設されたスクリュ32と、スクリュ32を回転させる回転駆動手段33と、ホッパ41とを有しており、ホッパ41の上方部位に架橋したシリコーンゴムの粗粉体12の第1の供給装置39および熱可塑性樹脂13の第2の供給装置40が配設されている。また、第2押出機は、温調装置57によって温度制御される第2シリンダ51と、第2シリンダ51内に回転自在に配設されたスクリュ52とを有しており、第1の固相せん断領域35および第2の固相せん断領域36は、冷却能力および処理能力向上のために冷却機構(不図示)を内設した大径のスクリュ52を用い、せん断速度増大のために浅溝スクリュを採用している。
本発明において、架橋したシリコーンゴムと相溶性のない熱可塑性樹脂としては、上記ポリアセタールに限らず、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリスチレン、ポリカーボネート等であってもよい。
約0.2〜1mmの粒径に粗粉砕した架橋したシリコーンゴムと粒径が約0.2〜1mmのポリアセタール樹脂パウダーとを混合比30/70wt%で配合し、ヘンシェルミキサーを用いて均一に混合し混合材料を得た。
次いで、同方向回転二軸スクリュ式押出機のスクリュを高せん断力がかかるように調整し、溶融混練領域のシリンダ設定温度を220℃に、固相せん断領域のシリンダ設定温度を40℃に設定し、スクリュ回転数を136rpmに設定した。この押出機に上記混合材料を1kg/hの供給量で連続投入し、固相せん断粉砕を行ったところ粉末状の複合体が得られた。この複合体は図4に示すように、ポリアセタール中に均一に分散した架橋したシリコーンゴムPは微粉化されており、最大粒径30μm、平均粒径10μmであった。この複合体にポリアセタールを追加し、架橋したシリコーンゴム混入率を5〜10%に調整し、射出成形して、試験板を作製し、ピン/ディスク方式の摩擦係数測定試験を行ったところ、摩擦係数は0.1前後であった。比較のためにポリアセタール単体の摩擦係数測定試験を行ったところ、摩擦係数は0.2〜0.3であった。
約0.2〜1mmの粒径に粗粉砕した架橋したシリコーンゴムと粒径が約0.2〜1mmのポリアセタールパウダーとを混合比30/70wt%で配合し、ヘンシェルミキサーを用いて均一に混合した混合材料を得た。
次いで、同方向回転二軸スクリュ式押出機のスクリュを高せん断力がかかるように調整し、溶融混練領域のシリンダ設定温度を220℃に、固相せん断領域のシリンダ設定温度を40℃に設定し、回転数を195rpmに設定した。この押出機に上記混合材料を10kg/hの供給量で連続投入して、せん断粉砕を行ったところ樹脂温度が約160℃の2〜3cmのフレーク状の複合体が得られた。この複合体は図5に示すように、ポリアセタール中に均一に分散した架橋したシリコーンゴムPは微粉化されており、最大粒径150μm、平均粒径70μmであった。この複合体を射出成形して、試験板を作製し、ピン/ディスク方式の摩擦係数測定試験を行ったところ、摩擦係数は0.1前後であった。
約0.2〜1mmの粒径に粗粉砕した架橋したシリコーンゴムにシランカップリング剤を0.1wt%の割合で添加した後、この架橋したシリコーンゴムと粒径が約0.2〜1mmのポリアセタールパウダーとを混合比30/70wt%で配合し、ヘンシェルミキサーを用いて均一に混合した混合材料を得た。
次いで、同方向回転二軸スクリュ式押出機のスクリュを高せん断力がかかるように調整し、溶融混練領域のシリンダ設定温度を220℃に、固相せん断領域のシリンダ設定温度を40℃に設定し、回転数を195rpmに設定した。この押出機に上記混合材料を10kg/hの供給量で連続投入して、固相せん断粉砕を行ったところ、図6に示すように、ポリアセタール中に均一に分散した複合体が得られた。この複合体樹脂温度が約160℃の2〜3cmのフレーク状の架橋したシリコーンゴムPは微粉化されており、最大粒径100μm、平均粒径50μmであった。この複合体を射出成形して、試験板を作製し、ピン/ディスク方式の摩擦係数測定試験を行ったところ、摩擦係数は0.1前後であった。実施例2の相溶化剤無しの同じ条件の実験結果と比較すると、わずかに微粉化が向上した結果が得られた。
(比較例1)
約0.2〜1mmの粒径に粗粉砕した架橋したシリコーンゴムと粒径が約0.2〜1mmのポリアセタールパウダーとを混合比30/70wt%で配合し、ヘンシェルミキサーを用いて均一に混合した混合材料を得た。
次いで、同方向回転二軸スクリュ式押出機のスクリュを高せん断力がかかるよう調整し、溶融混練領域のシリンダ設定温度を220℃に、固相せん断領域のシリンダ設定温度を140℃に設定し、回転数を136rpmに設定した。この押出機に上記混合材料を1kg/hの供給量で連続投入してせん断粉砕を行い、樹脂温度が約180℃の溶融複合体を得た。この複合体は図7に示すように、ポリアセタール中の架橋したシリコーンゴムP0 は原料と粒径が変わらず、微粉化がなされなかった。最大粒径2000μm、平均粒径500μmであった。また、架橋したシリコーンゴムがポリアセタール樹脂から分離し良好な複合体を得ることができなかった。
本発明に係る架橋したシリコーンゴム微粉化方法を実施に用いる装置の一例を示す説明図である。 スクリュを示し、(a)は模式部分平面図、(b)は山径と谷径を示す概略図である。 本発明に係る架橋したシリコーンゴム微粉化方法を実施に用いる装置の他の例を示す説明図である。 実施例1で得られた複合体の顕微鏡写真である。 実施例2で得られた複合体の顕微鏡写真である。 実施例3で得られた複合体の顕微鏡写真である。 比較例1で得られた複合体の顕微鏡写真である。
符号の説明
1 シリンダ
1a、31a 供給口
1b、51b 吐出口
2、32、52 スクリュ
3、33、53 回転駆動手段
4、34 溶融混練領域
5、35 第1の固相せん断領域
6、36 第2の固相せん断領域
7、37、57 温調装置
8、58 ダイ
9、39 第1の供給装置
10、40 第2の供給装置
11、41 ホッパ
12、42 架橋したシリコーンゴムの粗粉体
13、43 熱可塑性樹脂
20 スクリュ
20a フライト
38 ポリマー配管

Claims (4)

  1. 粒径5mm以下の架橋したシリコーンゴムと前記架橋したシリコーンゴムと相溶性のない熱可塑性樹脂とを混練・溶融させて前記架橋したシリコーンゴムを溶融した前記熱可塑性樹脂で包含させたのち、冷却して前記架橋したシリコーンゴムを包含する前記熱可塑性樹脂を固化させるとともに強いせん断力を作用させて固相状態で繰り返し粉砕する固相せん断粉砕工程を経ることにより、前記シリコーンゴムの微細粒子が前記熱可塑性樹脂中に均一に分散した微粉体に粉砕すること、を特徴とする架橋したシリコーンゴムと熱可塑性樹脂との複合体の微粉化方法。
  2. 熱可塑性樹脂が、ポリアセタールであること、を特徴とする請求項1記載の架橋したシリコーンゴムと熱可塑性樹脂との複合体の微粉化方法。
  3. 架橋したシリコーンゴムが、デュロメータAによる硬度が20〜60の架橋したシリコーンゴムであること、を特徴とする請求項1または2記載の架橋したシリコーンゴムと熱可塑性樹脂との複合体の微粉化方法。
  4. 請求項1ないし3いずれか1項記載の架橋したシリコーンゴムと熱可塑性樹脂との複合体の微粉化方法によって微粉化されたこと、を特徴とする架橋したシリコーンゴムと熱可塑性樹脂との複合体。
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