JP2005279570A - 揮発性有機化合物の処理装置及び処理方法 - Google Patents

揮発性有機化合物の処理装置及び処理方法 Download PDF

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昌純 田浦
Masahito Kaneko
雅人 金子
Akihiro Sawada
明宏 沢田
Hideji Fujii
秀治 藤井
Mio Nozaki
未央 野崎
Akinori Yasutake
昭典 安武
Kazuto Kobayashi
一登 小林
Shigeru Nojima
繁 野島
Takashi Ueda
隆 上田
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Abstract

【課題】 揮発性有機化合物の処理において、起動時や処理ガスの温度が低い場合や、揮発性有機化合物の濃度が非常に低い場合においても効率良く、省エネルギーで処理を可能とする揮発性有機化合物の処理装置及び方法を提供する。
【解決手段】 少なくとも一以上のガス導入口2aと、ガス排出口2bとを備える反応容器1と、該反応容器1内に設けられた、吸着剤粒子7と触媒粒子8とを担持している高熱伝導性多孔質部材4と、該反応容器1内に形成されたガス流路3と、該高熱伝導性多孔質部材4を加熱する加熱手段5とを含んでなる揮発性有機化合物の処理装置
【選択図】 図1

Description

本発明は、揮発性有機化合物の処理装置及び処理方法に関するものである。本発明は、特には、石油化学工場類、自動車塗装工程、製缶・金属印刷工程、印刷工程、電気製品の塗装工程、食品工場、建材を扱う建物など、揮発性有機化合物を排出する可能性のある、種々の産業分野における設備の排気ダクトや、工場や建物、住居・倉庫、その他の閉鎖空間、開放空間において、揮発性有機化合物を大気放出できる程度にまで処理することができる、揮発性有機化合物の処理装置及び処理方法に関するものである。
従来、揮発性有機化合物を処理する方法として、直接燃焼法、触媒燃焼法が、処理量や処理条件に応じて、選定され利用されている。
直接燃焼方式においては、高濃度の場合には、自燃させるか、または、燃焼火炎中に揮発性有機化合物を混入し、燃焼による高熱で酸化分解する。この方法では、揮発性有機化合物の濃度が低い場合には、安定燃焼が難しく、安定燃焼させる為には、別途燃料が必要であり、ランニングコストが高い。また、高温で燃焼させる為、窒素酸化物が生成するという課題がある。
非特許文献1には、触媒燃焼法による揮発性有機化合物の処理技術が開示されている。触媒燃焼方式においては、燃焼触媒を用いて、揮発性有機化合物を酸化分解する。この場合には、直接火炎燃焼と異なり、揮発性有機化合物の濃度が低い場合にも、安定燃焼が可能で、低温で燃焼させる為、窒素酸化物の生成を抑制できるなどの長所がある。一方、起動時や処理ガスの温度が低い場合には、燃料や電気ヒータを用いて、一定温度以上に昇温させ、触媒層を触媒燃焼に適した温度に維持する必要があり、その為に多大の燃料やエネルギーが必要であるという課題がある。さらに、揮発性有機化合物の濃度が非常に低い場合には、反応速度が遅くなり、除去効率が下がるという課題がある。
岩本正和編 「環境触媒ハンドブック」、エヌ・ティー・エス出版、2001年11月20日発行、619頁から632頁
本発明は上記のような従来技術の問題点に鑑みて、低濃度から高濃度まで対応可能で、省エネルギーな、触媒燃焼法による揮発性有機化合物の処理装置及び処理方法を提供することを目的とするものである。
本発明は上記課題を解決するためになされたものである。すなわち、本発明は揮発性有機化合物の処理装置であって、揮発性有機化合物を含むガスを内部に流通させる2以上の開口端を有する反応容器と、該反応容器内に設けられた、吸着剤および触媒を担持している高熱伝導性多孔質部材と、該高熱伝導性多孔質部材を介して該吸着剤および該触媒を加熱する加熱手段とを備える。
排気ダクトまたは閉鎖空間または開放空間にて、滞留または循環または流通している揮発性有機化合物を含むガスが、ガス導入口である1つの開口端から反応容器に導入され、ガス排出口であるもう1つの開口端から排出されるように、設置・連結される。反応容器内では、反応容器内に導入されたガス中に含まれる揮発性有機化合物が、多孔質部材に担持された吸着剤により、吸着濃縮される。熱伝導性の高い多孔質部材を加熱することにより、吸着剤が加熱され、吸着された揮発性有機化合物が脱離し、下流に移動する。そして、揮発性有機化合物は、熱伝導性の高い多孔質部材に担持され、多孔質部材を介して加熱された触媒によって、酸化分解された後、クリーンなガスが反応容器のガス排出口である一つの開口端から排出される。
前記吸着剤および前記触媒を、均一に分散させて、または、局在分布させて、前記高熱伝導性多孔質部材に担持させたことが好ましい。ここで、「局在分布」とは、高熱伝導性多孔質部材のある箇所には高密度である箇所には低密度で吸着剤および触媒が存在することをいう場合もあり、吸着剤と触媒との比率が局在していることをいう場合もある。これにより、吸着剤粒子によって吸着された揮発性有機化合物が、高熱伝導性多孔質部材を介して加熱されることにより吸着剤から脱離し、吸着剤粒子の近傍に担持された触媒粒子によって、加熱分解される。
前記高熱伝導性多孔質部材の温度を、任意の分布で設定する加熱手段をさらに備えることが好ましい。これにより、高熱伝導性多孔質部材を介して加熱される吸着剤粒子または触媒粒子の温度を、高熱伝導性多孔質部材に担持された吸着剤粒子または触媒粒子の分布に応じて、揮発性有機化合物の吸着または酸化分解に適した温度に設定できる。
前記高熱伝導性多孔質部材の温度を、任意の時間変化で設定する設定手段と加熱手段とをさらに備えることが好ましい。これにより、高熱伝導性多孔質部材を介して加熱される吸着剤粒子または触媒粒子の温度を、高熱伝導性多孔質部材に担持された吸着剤粒子または触媒粒子の分布に応じて、また、処理すべき揮発性有機化合物の量と濃度に応じて、最少のエネルギーで処理できる。
前記反応容器内に、揮発性有機化合物の濃度測定手段をさらに備えることが好ましい。これにより、多孔質部材の上流または下流または反応容器内のいずれかにおいて、揮発性有機化合物の濃度を検出し、いずれかにおいて揮発性有機化合物の濃度が一定濃度に達した後、熱伝導性の高い多孔質部材の加熱を開始・終了、吸着剤に吸着された揮発性有機化合物の脱離の開始・終了、触媒による酸化分解の開始・終了を制御することができる。
前記反応容器内に、前記ガス中の揮発性有機化合物が前記吸着剤および前記触媒と接触するようにガス流路が形成されていることが好ましい。これにより、前記吸着剤および前記触媒が揮発性有機化合物を含むガスと十分に接触することができる。
本発明は一実施形態によれば、揮発性有機化合物の処理装置であって、前記ガス流路が、側面に細孔を有する複数の金属配管と前記高熱伝導性多孔質部材とから形成され、該高熱伝導性多孔質部材は該金属配管の周囲に充填され、前記加熱手段が該反応容器の外周を周回するように設けられている。
本発明は別の実施形態によれば、揮発性有機化合物の処理装置であって、前記ガス流路が、金属製ハニカム構造体から形成され、前記高熱伝導性多孔質部材が該ハニカム構造体に担持され、前記加熱手段がハニカム構造体の壁面に沿って設けられているヒータである。
本発明はまた別の実施形態によれば、揮発性有機化合物の処理装置であって、前記ガス流路が、シート状の前記高熱伝導性多孔質部材を渦巻き状に充填することにより形成され、前記加熱手段が該反応容器の外周を周回するように設けられている。
本発明はさらに別の実施形態によれば、揮発性有機化合物の処理装置であって、前記高熱伝導性多孔質部材が複数のカップ状の構造体であり、前記ガス流路が、該複数のカップ状の構造体により形成され、前記加熱手段が、該複数のカップ状の構造体の外周を周回するように設けられている
本発明は、別の局面によれば、揮発性有機化合物を含むガスを、高熱伝導性多孔質部材を介して温度調節可能な吸着剤および触媒に接触させることによる揮発性有機化合物の処理方法であって、該ガスを、前記吸着剤が揮発性化合物を脱離しない温度にて、該吸着剤および該触媒と接触させる接触工程と、該高熱伝導性多孔質部材を介して該吸着剤および該触媒を加熱して、該触媒を該揮発性化合物が酸化分解される温度以上にする加熱工程と
を含む。
前記接触工程が、該ガスを前記吸着剤密度が前記触媒密度よりも高い領域と接触させる第一の接触工程と、該ガスを前記吸着剤密度と前記触媒密度とが同一の領域と接触させる第二の接触工程と、該ガスを前記触媒密度が前記吸着剤密度よりも高い領域と接触させる第三の接触工程とを含むことが好ましい。ここで、「前記吸着剤密度と前記触媒密度とが同一」とは、完全に同一であることを要しない。単位体積あたりの吸着剤と触媒との体積比が0.8〜1.2の場合は吸着剤密度と触媒密度とが同一であるということができる。
前記加熱工程が、前記接触工程にて吸着剤に吸着された揮発性有機化合物を脱離する温度以上に、該吸着剤を加熱する工程をさらに含むことが好ましい。
前記ガス中に含まれる揮発性有機化合物の濃度測定工程をさらに含み、測定結果に応じて、前記第一の接触工程から第三の接触工程を実施する温度を決定するように制御することが好ましい。
なお、以上述べた各構成は、本発明の趣旨を逸脱しない限り、互いに組み合わせることが可能である。
上記のように構成された本発明の揮発性有機化合物の処理装置および処理方法によれば、揮発性有機化合物の濃度が低く、安定な直接燃焼が難しい場合においても、さらに非常に低濃度で、触媒燃焼の反応速度が遅く除去効率が下がる場合においても、吸着剤により吸着濃縮した後、触媒燃焼させることによって、速い反応速度で高い効率で処理できる。処理後に生成されるのは、水と二酸化炭素を含むクリーンなガスである。さらに、吸着剤から脱離し、触媒燃焼させる時だけ、加熱すればよいので、常時、触媒層を触媒燃焼に適した温度に維持する必要はなく、省エネルギーを実現できる。
以下、本発明を、図面を参照して詳細に説明する。但し、この実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは特に特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
図1は、本発明の第1実施形態に係る揮発性有機化合物の処理装置の反応容器軸方向の断面図であり、図2は図1に示すX−X線による断面図である。第1実施形態に係る揮発性有機化合物の処理装置は、反応容器1と、接続フランジ2a、2bと、金属配管3と、高熱伝導性多孔質部材4と、ヒータ5a、5b、5cと、温度プログラム制御器6a、6b、6cとを備える。かかる処理装置において、円筒状の反応容器1の両端に接続フランジ2a、2bが設けられている。反応容器1内部には、円筒の軸方向と平行に複数の金属配管3が備えられ、金属配管の周囲の反応容器1の内部空間を埋めるように高熱伝導性多孔質部材4が充填されている。そして、反応容器1の外側面を周回するようにヒータ5a、5b、5cが備えられている。
反応容器1は、開口端として2つの接続フランジ2aと接続フランジ2bを有する。揮発性有機化合物を含むガスが、接続フランジ2aから流入し、接続フランジ2bから流出する。すなわち、接続フランジ2aはガス導入口となり、接続フランジ2bはガス排出口となる。本実施形態においては、ガス導入口とガス排出口となる開口端が二つ設けられているが、二以上の開口部設けられていてもよい。反応容器1は、熱伝導性の高い材質、例えば、ステンレス製材料、アルミニウム合金製材料、チタン合金製材料などが挙げられるが、これらには限定されない材質で製造することができる。好適な材質を用いることによって、ヒータ5aの熱を反応容器1内部の高熱伝導性多孔質部材4に伝導しやすくできる。
反応容器1の内部には、複数の金属配管3が、その軸方向が円筒状の反応容器1の軸方向と略平行になるように固定されている。金属配管3の接続フランジ2aに面した側の端は開いており、接続フランジ2b側の端は封じていて、揮発性有機化合物を含むガスを反応容器1内に充填された高熱伝導性多孔質部材4に均一に流すための流路として機能する。金属配管3の数は、処理装置の処理量などにより異なり、必要に応じて適宜決定することができるが、1〜30本とすることができ、好ましくは、3〜15本とすることができる。また、金属配管3の直径は、反応容器1のサイズ等に応じて適宜決定することができるが、反応容器1の直径に対し、1/50〜1/2とすることができ、好ましくは、1/20〜1/4とすることができる。金属配管3の管壁には配管直径の10分の1から5分の1程度の直径を有する複数の孔が開いている。孔の分布は、管全体に渡って均一であってよい。そして、孔の密度は、1〜10個/cmとすることができ、好ましくは、3〜8個/cmとすることができるが、かかる範囲には限定されない。
反応容器1の内部であって、複数の金属配管3の外側には、吸着剤粒子7と触媒粒子8とを担持した高熱伝導性多孔質部材4が充填されている。高熱伝導性多孔質部材4は、反応容器1の外側に設けられたヒータ5の熱を迅速に吸着剤粒子と触媒粒子とに伝導する媒体として、かつ、揮発性有機化合物を含むガスの流路として機能する。したがって、熱伝導率が高いもの、具体的には、熱伝導率が1〜10W/mKのものが好ましく用いられる。3〜5W/mKのものがさらに好ましいが、かかる範囲には限定されない。高熱伝導性多孔質部材4としては、NiやAlなどの金属を主成分とし、孔径50〜500μm程度の多孔質部材を用いることができる。孔径50〜500μm程度とするのは、担持された粒子を加熱し、流通するガス中の成分と接触させるのに好適だからである。
吸着剤粒子7は、ガス中に含まれる揮発性有機化合物を選択的に吸着し、揮発性有機化合物を触媒燃焼する前に濃縮させる機能を有する。吸着剤粒子7としては、粒子径が10〜30μm程度、好ましくは粒子径が12〜25μm程度のゼオライトなどの無機系吸着剤や活性炭素系の吸着剤を用いることができるが、これらには限定されない。
触媒粒子8は、吸着剤粒子7が吸着した揮発性有機化合物を燃焼させて処理する機能を有する。触媒粒子8としては、PtまたはPd触媒、あるいはそれらの両方を含む触媒を担持した、粒子径10〜30μm程度の、好ましくは粒子径が12〜25μm程度のアルミナ粒子を用いることができる。他にも、本実施形態にかかる触媒粒子としては、同等の機能を有する通常の触媒および触媒担体を用いることができる。粒子8の形状は、球状、ペレット状、リング状、星型、三葉型などのものを用いることができる。
吸着剤粒子7と触媒粒子8とは、反応容器1内のAゾーン、Bゾーン、Cゾーンの何れに位置する高熱伝導性多孔質部材4にも担持されているが、各ゾーンにおける吸着剤粒子7と触媒粒子8との密度分布が異なるように担持されている。Aゾーンは、主に吸着剤粒子7の密度(単位体積あたりの粒子の体積)が触媒粒子8の密度よりも高くなっている。Bゾーンは、吸着剤粒子7と触媒粒子8がほぼ同じ密度である。そして、Cゾーンは、主に触媒粒子8の密度が吸着剤粒子7の密度よりも高くなっている。単位体積当たりの粒子の体積の比は、通常、1:0.01〜100の範囲であり、1:0.1〜10の範囲が好ましいが、この範囲には限定されない。そして、Aゾーン、Bゾーン、Cゾーンは、それぞれ独立して、ヒータ5a、5b、5cにより加熱することができるようになっている。また、ヒータ5a、5b、5cによる加熱は、経時的に温度変化させることが可能である。
反応容器1の外部には、円筒状の反応容器1の外周を周回するようにヒータ5a、5b、5cが設置されている。そして、各々のヒータ5a、5b、5cは、温度プログラム制御器6a、6b、6cで、温度制御されている。ヒータ5a、5b、5cは、高熱伝導性多孔質部材4を介して、吸着剤粒子7と触媒粒子8とを加熱する機能を有する。本実施形態では、ヒータは3分割されているが、ヒータ5は、単一であってもよく、二分割であってもよく、三分割以上に複数に分割されていてもよい。ヒータ5a、5b、5cの各々は、温度プログラム制御器6によって、それぞれ独立に温度制御できるようにしてある。吸着剤粒子7と触媒粒子8とを加熱する温度は部位によって、または時間によって異なるため、温度プログラム制御器6は、それを調節するものである。
図3(a)は、図1、2に示す揮発性有機化合物の処理装置内における揮発性有機化合物を含む処理ガスの移動を示すための図である。図3(a)において、揮発性有機化合物を含むガスは、接続フランジ2aを通じて、反応容器1に導入され、複数の金属配管3に分岐されて流入する。
図3(b)は、図3(a)のA部を拡大したものである。金属配管3の中を流れてきたガスは、金属配管3の周囲の孔を通じて、金属配管3の外に流出する。ここで、金属配管3の周囲には、管の内側と外側を連通する複数の孔が設けられている。孔の数は特に限定されるものではないが、上記A、B、Cゾーンで、それぞれ略同数の孔を設けることができる。但し、A、B、Cゾーンにおける各処理をガス成分によって調整するためには、例えば、A:B:C=1:0.1〜10:0.1〜10などの範囲に調整することができる。そして、ガスが金属配管3の外側に設置された、吸着剤粒子7と触媒粒子8を担持した高熱伝導性多孔質部材4の多孔質内を流れ、接続フランジ2bから流出する。
図3(c)は、図3(b)のB部の高熱伝導性多孔質部材4の表面を拡大して模式的に表した図である。高熱伝導性多孔質部材4は、その多孔質内に吸着剤粒子7と触媒粒子8とを担持している。ガスが高熱伝導性多孔質部材4内を流れる過程で、ガス中に含まれる揮発性有機物質は、図3(c)に示されるように高熱伝導性多孔質部材4に担持されている吸着剤粒子7に吸着され、その近傍に位置する触媒粒子8の作用により触媒燃焼される。そして、揮発性有機化合物の濃度が低減され、二酸化炭素および水が生成しているクリーンガスが、接続フランジ2bから排出される。
本実施形態による揮発性有機化合物の処理装置によれば、吸着剤粒子7と触媒粒子8とを高熱伝導性多孔質部材4に分散して担持させることにより、単一の反応容器1で有機化合物の濃縮と分解が可能であり、コンパクトな装置とすることができる。また、金属配管3を複数設ける形態とすることで、該高熱伝導性多孔質部材4へ流入するガスとの接触面積を増大させるとともに、該部材4内に均一に流通させることができる。
次に、本実施形態を、揮発性有機化合物の処理方法の局面から説明する。本実施形態は、高熱伝導性多孔質部材4を介して温度調節可能な吸着剤粒子7と触媒粒子8とを、揮発性有機化合物を含むガスと接触させることによる揮発性有機化合物の処理方法であって、該ガスを前記吸着剤密度が前記触媒粒子密度よりも高い領域と接触させる第一の接触工程と、該ガスを前記吸着剤密度と前記触媒粒子密度とが同一の領域と接触させる第二の接触工程と、該ガスを前記触媒粒子密度が前記吸着剤密度よりも高い領域と接触させる第三の接触工程とを含む。
本実施形態による処理対象となる揮発性有機化合物は、大気汚染防止法、悪臭防止法、PRTR法などにより規制されている物質である。具体的には、メチルメルカプタン、硫化メチル、二硫化メチル、トリメチルアミン、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ノルマルブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、ノルマルバレルアルデヒド、イソバレルアルデヒド、イソブタノール、酢酸エチル、メチルイソブチルケトン、トルエン、スチレン、キシレン、プロピオン酸、ノルマル酪酸、ノルマル吉草酸、イソ吉草酸などが該当するが、これらには限定されない。
処理対象となるガス中に含まれる揮発性有機化合物の濃度は、通常、500ppm以下であるが、かかる濃度範囲には限定されない。本発明の方法は、広い濃度範囲、200ppm以下、特に100ppm以下といった低い濃度の揮発性有機化合物を含むガスであっても効率的に処理することができる。
揮発性有機化合物を含むガスは、本実施形態による処理を行う前に、ブロワ等で昇圧し、熱交換器等により昇温して、処理に適切な条件としておくことが好ましい。本実施形態による処理の対象となるガスの圧力や温度は特に限定されない。また、揮発性有機化合物を含むガスは、揮発性有機化合物以外に、通常、窒素、酸素、CO、CO、硫黄分などを、含んでいてよい。したがって、ガス中に触媒被毒成分が含まれる場合には、既知の方法で、被毒性分を除去する処理をしておくことが好ましい。揮発性有機化合物を含むガスは、20,000〜40,000h−1の空間速度で、本実施形態にかかる揮発性有機化合物の処理装置に導入される。かかる空間速度は、触媒形状に応じて決定することができる。
第一の接触工程では、揮発性有機化合物を含むガスを、吸着剤粒子7と触媒粒子8とに接触させる。この工程では、吸着剤粒子7密度が触媒粒子8密度よりも高くなっている高熱伝導性多孔質部材4の領域とガスとを接触させる。そして、主に、ガス中に含まれる揮発性有機化合物が吸着剤粒子7に吸着される。この工程は、図3(a)に示す処理装置においては、ガスが、Aゾーンに位置する高熱伝導性多孔質部材4内部を流れるときに行われる。そして、Aゾーンに位置する吸着剤粒子7と触媒粒子8とは、高熱伝導性多孔質部材4を介して、ヒータ5aにより所定の温度、時間サイクルで加熱されている。
第二の接触工程では、揮発性有機化合物を含むガスを、吸着剤粒子7密度と触媒粒子8密度とが同程度の領域に接触させる。この工程は、図3(a)に示す処理装置のBゾーンに位置する高熱伝導性多孔質部材4内部をガスが流れるときに行われる。そして、Bゾーンに位置する吸着剤粒子7と触媒粒子8とは、高熱伝導性多孔質部材4を介して、ヒータ5bにより所定の温度、時間サイクルで加熱されている。
第三の接触工程では、揮発性有機化合物を含むガスを、触媒粒子8密度が吸着剤粒子7密度よりも高くなっている高熱伝導性多孔質部材4の領域と接触させる。この工程は、図3(a)に示す処理装置のCゾーンに位置する高熱伝導性多孔質部材4内部をガスが流れるときに行われる。そして、Cゾーンに位置する吸着剤粒子7と触媒粒子8とは、高熱伝導性多孔質部材4を介して、ヒータ5cにより所定の温度、時間サイクルで加熱されている。
本実施形態の方法において、処理対象物となる全てのガスが、第一の接触工程、第二の接触工程、第三の接触工程の全ての工程を経る必要はない。例えば、図3(a)に示す処理装置を用いて本実施形態の方法を実施した場合には、図3(a)および(b)に示すように、ガスは金属配管3を流れた後、管壁の孔から高熱伝導性多孔質部材4内部に流入する。したがって、金属配管3を流れてAゾーンの高熱伝導性多孔質部材4に接触せず、第一の接触工程を経ることなしに、Cゾーンに位置する高熱伝導性多孔質部材4と接触するガスもある。Aゾーン、Bゾーン、Cゾーンを流通するガス量は、例えば金属配管3の孔の数や大きさを調整することによって、任意に定めることができる。具体的にはAゾーンでの孔の数(大きさは同じ)を減少させることで、第一の接触工程を通るガス量は減少する。
ここで、ヒータ5a、5b、5cによる加熱制御の温度、時間サイクルについて説明する。図4は、3つに分割されたヒータ5a、5b、5cの温度制御プログラムの例を示す図である。時刻tまでの時間は、全てのヒータは、吸着剤粒子7がガスを脱離しない温度以下に設定(温度T)に設定される。温度Tの値は、揮発性有機化合物の種類と濃度によって、または吸着剤の種類によっても異なるが、10〜50℃である。時刻tまでには、ガス中の揮発性有機化合物は、主に吸着剤粒子7に吸着濃縮される。
時刻tには、3分割されたヒータ5a、5b、5cによって、それぞれ、温度T、T、Tの温度になるよう、時刻tに温度がプログラム制御される。温度Tに設定される反応容器1の部分は、主に吸着剤粒子7の密度が高い例えばAゾーンである。温度Tに設定される反応容器1の部分は、吸着剤粒子7と触媒粒子8がほぼ同じ密度の例えばBゾーンである。温度Tに設定される反応容器1の部分は、主に触媒粒子8の密度が高くなるように担持してある例えばCゾーンである。但し、Aゾーン、Bゾーン、Cゾーンの温度設定は、これに限定されるものではなく、任意に組み合わせることができる。温度Tは、吸着剤粒子7に吸着された揮発性有機化合物が脱離する温度以上である。温度Tの値は、揮発性有機化合物の種類と濃度によっても異なるが、例えば、50〜120℃である。温度Tは揮発性有機化合物が触媒によって、酸化分解される温度以上である。温度Tの値は、揮発性有機化合物の種類と濃度によっても異なるが、例えば、110〜300℃である。温度Tは、揮発性有機化合物が触媒によって、酸化分解される温度以上であって、揮発性化合物をCOと水とに完全に酸化分解する温度である。温度Tの値は、揮発性有機化合物の種類と濃度によっても異なるが、例えば、300〜400℃である。
時刻tからtの間に、温度Tに設定された部分で、吸着剤粒子7に吸着された揮発性有機化合物が脱離され、温度Tに設定された部分では、揮発性有機化合物が触媒によって、酸化分解される。Tを300℃以上の温度に設定することにより、ほとんどの揮発性有機化合物が酸化分解可能であるが、その種類と濃度によっては、それ以下の温度設定でも使用できる。
時刻tには、全てのヒータの設定温度を、吸着剤粒子7がガスを脱離しない温度以下に設定(温度T)に設定する。ここで、再度、吸着剤粒子7にガス中の揮発性有機化合物を吸着濃縮をし、上述のサイクルを繰り返す。
図4に示す温度制御プログラムの1サイクルに渡って、ガスは同じ空間速度で供給しつづけてよい。このような温度、時間サイクルを繰り返すことによって、連続的に揮発性有機化合物を含むガスを処理し、クリーンガスとすることができる。
本実施形態による方法によれば、熱伝導性の良好な多孔質部材4に吸着剤粒子7と触媒粒子8とを担持させることにより、吸着剤粒子7と触媒粒子8とを、急速に昇温することが可能である。従来から知られている一般の吸着剤や触媒はセラミックスであり、熱伝導性が低いので短時間に昇温することはできず、加熱する場合には時間がかかっていたが、本実施形態によれば、有利に反応を進行させることができる。さらに、かかる方法において、Tを300℃以上の温度に設定することにより、揮発性有機化合物のみならず、煤などの粒子状化合物も、燃焼除去可能である。
第1実施形態による揮発性有機化合物の処理装置及び方法によれば、揮発性有機化合物の濃度が低く、安定な直接燃焼が難しい場合においても、さらに非常に低濃度で、触媒燃焼の反応速度が遅く除去効率が下がる場合においても、吸着剤により吸着濃縮した後、触媒燃焼させることによって、速い反応速度で高い効率で揮発性有機化合物を処理することができる揮発性有機化合物の処理装置および処理方法を提供することができる。さらに、揮発性有機化合物を吸着剤から脱離させ、触媒燃焼させる時だけ、加熱すればよいので、常時、触媒層を触媒燃焼に適した温度に維持する必要はなく、省エネルギーを実現できる。
図5は、本発明の第2実施形態に係る揮発性有機化合物の処理装置を示す図である。第2実施形態に係る揮発性有機化合物の処理装置によれば、図1に示す処理装置に、ガスセンサー10a、10bと、濃度計測装置11a、11bと、温度制御プログラム発生装置12とをさらに備える。
ガスセンサー10aは、揮発性有機化合物を含むガスを反応容器1に導入する接続フランジ2aの近傍に設置されて、処理前のガス中の揮発性有機化合物の濃度を検知する。同様に、ガスセンサー10bは、処理されたガスを反応容器から排出する接続フランジ2bの近傍に設置されて、処理後のガス中の揮発性有機化合物濃度を検知する。ガスセンサー10a、10bとしては、ガスクロマトグラフィー等を用いることができるが、これには限定されない。また、本実施形態とは異なる箇所に異なる数のガスセンサーを設置することもできる。
ガスセンサー10a、10bは各々、濃度計測装置11a、11bに接続されている。濃度計測装置11a、11bは、ガスセンサー10a、10bの信号を計測し、その濃度信号を温度制御プログラム発生装置12に伝送する。
温度制御プログラム発生装置12は、ヒータ5a、5b、5cの温度制御プログラムを発生させ、温度プログラム制御器6で各ヒータ5a、5b、5cの温度を制御し、最もエネルギー的に無駄のない温度に設定する。具体的には、下流に設置したガスセンサー10bで検知した揮発性有機化合物が一定濃度以上に達した場合には、吸着剤7の吸着容量を超えたガスが流通したことに相当するので、触媒粒子8の温度を上昇させるようにヒータを制御して、酸化分解を開始させることが可能である。
第2実施形態に係る揮発性有機化合物の処理装置および方法によれば、処理されたガス中の揮発性有機化合物の濃度によりヒータ5a、5b、5cの温度を制御することで、触媒燃焼効率が高く、エネルギー的に最も有利な条件で、揮発性有機化合物の処理をすることができる。
図6(a)は、本発明の第3実施形態に係る揮発性有機化合物の処理装置の反応容器軸方向の断面図であり、図7は図6(a)に示すY−Y線による拡大断面図である。また、図6(b)は、図6(a)のC部分を拡大した図である。第3実施形態に係る揮発性有機化合物の処理装置は、反応容器1と、接続フランジ2a、2bと、メタル基材9と、吸着剤粒子と触媒粒子とを担持する高熱伝導性多孔質部材4と、ヒータ5dを備える。かかる処理装置において、円筒状の反応容器1の両端に接続フランジ2a、2bが設けられている。反応容器1内部には、メタル基材9が備えられ、メタル基材9の壁面に高熱伝導性多孔質部材4が固着されている。そして、メタル基材9に接するように、反応容器1の内部にヒータ5dが備えられている。
本発明の第3実施形態に係る揮発性有機化合物の処理装置において、反応容器1と、接続フランジ2a、2bと、吸着剤粒子と触媒粒子とは、第1実施形態、第2実施形態と同様の構成であり、同様に機能するため、ここでは説明を省略する。メタル基材9は、ハニカム構造体であって、円筒状の反応容器1の軸方向と平行に流路が形成されるように固定されている。メタル基材9は両側が開放端となっていて、その内部が、揮発性有機化合物を含むガスの流路として機能する。メタル基材9としては、ステンレス製基材、アルミニウム製基材、チタン合金製基材などを用いることができる。これらの基材を用いれば、メタル基材9上に塗布固着してある高熱伝導性多孔質部材4へ、ヒータ5dからの熱を伝導しやすくなる。
ハニカム状のメタル基材9の上には、高熱伝導性多孔質部材4が塗布固着されている。本実施形態においては、第1実施形態、第2実施形態と異なり、高熱伝導性多孔質部材4が反応容器1内部に隙間なく充填されているのではなく、ガスの流路となる空間部を残すように塗布固着されているものである。図6(b)のD部分を拡大すると、図3(c)と同様に、吸着剤粒子7と触媒粒子8とが高熱伝導性多孔質部材4の多孔質内に担持されている。高熱伝導性多孔質部材4、吸着剤粒子7、触媒粒子8は、第1実施形態と同様の物を用いることができ、同様に機能させることができるため、ここでは説明を省略する。
ヒータ5dは、このメタル基材9と高熱伝導性多孔質部材4とに接するように、反応容器1内に固定されている。図6(a)に示されるように、複数のチューブ状のヒータ5dが、円筒状の反応容器1の軸方向と垂直方向に、ハニカム構造体のメタル基材9を取巻くように設けられている。そして、個々のヒータは独立して温度制御することが可能である。
図示するように、揮発性有機化合物を含むガスは、高熱伝導性多孔質部材4に周囲を囲まれた流路を流れる。その過程で、揮発性有機化合物を含むガスは高熱伝導性多孔質部材4に担持された吸着剤粒子7と触媒粒子8と接触する。そして、揮発性有機化合物が吸着剤粒子7に吸着され、触媒粒子8により燃焼されて、クリーンなガスが接続フランジ2bより排出される。
図6(a)においては、反応容器1内が複数のゾーンに分かれているように表示していない。しかし、本実施形態においても第1実施形態と同様に、吸着剤粒子7と触媒粒子8との密度分布を領域によって変化させるように、吸着剤粒子7と触媒粒子8とを配置することができる。すなわち、反応容器1内の接続フランジ2a近傍の高熱伝導性多孔質部材4には吸着剤密度が触媒粒子密度よりも高くなるように、反応容器1内の中間部分の高熱伝導性多孔質部材4には吸着剤密度と触媒粒子密度とが同一になるように、反応容器1内の接続フランジ2b近傍の高熱伝導性多孔質部材4には触媒粒子密度が吸着剤密度よりも高くなるように、吸着剤粒子7と触媒粒子8とを担持させることができる。そして、複数のヒータ5dを、第1実施形態に詳述したように、図4に基づいて別個に温度及び時間制御して、揮発性有機化合物を触媒燃焼させることができる。また、第2実施形態と同様に、ガスセンサー10a、10bでガス濃度を検知し、濃度計測装置11でガス濃度を測定し、温度制御プログラム発生装置により最適なエネルギー効率となるように温度制御をすることもできる。
本発明の第3実施形態によれば、ガスは、高熱伝導性多孔質部材4の表面近傍の吸着剤粒子にまず、吸着され、その後、昇温に伴い、脱離して、触媒粒子によって、酸化分解される。従って、圧力損失が少ないことが特徴である。したがって、本実施形態による揮発性有機化合物の処理装置および方法は、圧力損失を低く設定する必要がある装置に好ましく用いることができる。具体的には、処理するガス量が多い場合や、ダスト、ミスト等を多く含むガスを処理する場合に本実施形態による揮発性有機化合物の処理装置が好ましく用いられる。
図8は、本発明の第4実施形態に係る揮発性有機化合物の処理装置の反応容器1の軸方向の断面図であり、図9は図8に示すZ−Z線による断面図である。第4実施形態に係る揮発性有機化合物の処理装置は、反応容器1と、接続フランジ2a、2bと、吸着剤粒子と触媒粒子とを担持する高熱伝導性多孔質部材4と、ヒータ5a、5b、5cとを備える。かかる処理装置において、円筒状の反応容器1の両端に接続フランジ2a、2bが設けられている。反応容器1内部には、渦巻き状にしたシート状の高熱伝導性多孔質部材4が、三つのゾーンに分けて別個に充填されている。そして、反応容器1の外周にヒータ5a、5b、5cが備えられている。
本発明の第4実施形態に係る揮発性有機化合物の処理装置において、反応容器1と、接続フランジ2a、2bと、吸着剤粒子と触媒粒子と、ヒータ5a、5b、5cとは、第1、第2実施形態と同様の構成であり、同様に機能するため、ここでは説明を省略する。第4実施形態に係る揮発性有機化合物の処理装置においては、反応容器1内に、金属製の管やハニカム構造体が存在しない。
反応容器1の内部には、吸着剤粒子と触媒粒子(図示せず)を担持したシート状の高熱伝導性多孔質部材4を渦巻き状に巻いたものが充填されている。シート状の高熱伝導性多孔質部材4は隙間なく充填されており、揮発性有機化合物を含むガスの流路は、多孔質内部となる。高熱伝導性多孔質部材4を三つのゾーンに分けて別個に充填されており、それぞれが高熱伝導性多孔質部材4内部における担持された吸着剤粒子及び触媒粒子の密度を変えることができるという理由からである。この実施形態では、揮発性有機化合物を含むガスが、十分に吸着剤粒子及び触媒粒子と接触することにより、高い処理効率が得られる。
本実施形態においても、第1実施形態と同様に、各三つのゾーンにおける吸着剤粒子と触媒粒子との密度分布を変化させるように、吸着剤粒子と触媒粒子とを配置することができる。また、第2実施形態と同様に、ガスセンサーでガス濃度を検知し、濃度計測装置でガス濃度を測定し、温度制御プログラム発生装置により最適なエネルギー効率となるように温度制御をすることもできる。
本発明の第4実施形態によれば、金属配管やハニカム構造体等を使用しない簡単な構成とすることが可能であり、処理装置の製造・組み立てが容易になるといった利点がある。
図10は、本発明の第5実施形態に係る揮発性有機化合物の処理装置の反応容器軸方向の断面図であり、図11は図10に示すW−W線による断面図である。第5実施形態に係る揮発性有機化合物の処理装置は、反応容器1と、接続フランジ2a、2bと、カップ状の吸着剤粒子と触媒粒子とを担持する高熱伝導性多孔質部材4と、ヒータ5a、5b、5cとを備える。かかる処理装置において、円筒状の反応容器1の両端に接続フランジ2a、2bが設けられている。反応容器1内部には、3つのカップ状の高熱伝導性多孔質部材4が設置されている。そして、カップ状の高熱伝導性多孔質部材4の各々の外周にヒータ5a、5b、5cが備えられている。
本発明の第5実施形態に係る揮発性有機化合物の処理装置において、反応容器1と、接続フランジ2a、2bと、吸着剤粒子と触媒粒子とは、第1、第2実施形態と同様の構成であり、同様に機能するため、ここでは説明を省略する。第5実施形態に係る揮発性有機化合物の処理装置においては、反応容器1内に設置された高熱伝導性多孔質部材4が、複数のカップ状の構造体であることを特長とする。
カップ状の高熱伝導性多孔質部材4は、開口端の直径が、反応容器1の内径と同一で、底面の直径が反応容器1の内径の2/3〜9/10であり、底面から開口端までの高さが反応容器1の内径の1/2〜2倍の形状である。カップ状の構造体の側面外周には、ヒータ5aがコイル状に周回している。そして、カップ状構造体の内部は空間になっていて、揮発性有機化合物の流路となる。このようなカップ状構造体は、カップの中心軸が円筒状の反応容器1の軸と同じになるようにして、反応容器1内部に3つ設置される。本実施形態においては、3つのカップ状構造体が設置されているが、複数であればよく、特定の数には限定されない。
接続フランジ2aから反応容器1に導入されたガスは、カップ状の高熱伝導性多孔質部材4の内部に流れこみ、高熱伝導性多孔質部材4内部を流れて、別のカップ状の高熱伝導性多孔質部材4の内部に移動する。かかる装置においては、揮発性有機化合物を含むガスと吸着剤粒子及び触媒粒子の接触機会を増やすことにより、処理効率を向上することができる。
本実施形態においても、第1実施形態と同様に、吸着剤粒子と触媒粒子との密度分布を変化させるように、吸着剤粒子と触媒粒子とを配置することができる。また、第2実施形態と同様に、ガスセンサーでガス濃度を検知し、濃度計測装置でガス濃度を測定し、温度制御プログラム発生装置により最適なエネルギー効率となるように温度制御をすることもできる。
本発明の第5実施形態によれば、金属配管やハニカム構造体等を使用しない簡単な構成とすることが可能であり、処理装置の製造・組み立てが容易になるといった利点がある。
本発明の活用例として、石油化学工業、有機化学工業、塗装製造業、食品、電気、印刷等の工場から排出される揮発性有機化合物の処理に用いることができる。
本発明の第1実施形態に係る揮発性有機化合物の処理装置の、反応容器軸方向の断面図である。 本発明の第1実施形態に係る揮発性有機化合物の処理装置の、反応容器径方向の断面図である。 本発明の第1実施形態に係る揮発性有機化合物の処理装置におけるガスの流れを説明する概念図であって、(a)は、反応容器軸方向の断面図であり、(b)は、(a)のA部分を拡大した図であり、(c)は、(b)のB部分を拡大した図である。 第1実施形態に係る揮発性有機化合物の処理装置の温度制御プログラムの例を示す図である 本発明の第2実施形態に係る揮発性有機化合物の処理装置の、反応容器軸方向の断面図である。 本発明の第3実施形態に係る揮発性有機化合物の処理装置を示す図であって、(a)は、反応容器軸方向の断面図であり、(b)は、(a)のC部分を拡大した図である。 本発明の第3実施形態に係る揮発性有機化合物の処理装置の、反応容器径方向の拡大断面図である。 本発明の第4実施形態に係る揮発性有機化合物の処理装置の、反応容器軸方向の断面図である。 本発明の第4実施形態に係る揮発性有機化合物の処理装置の、反応容器径方向の断面図である。 本発明の第5実施形態に係る揮発性有機化合物の処理装置の、反応容器軸方向の断面図である。 本発明の第5実施形態に係る揮発性有機化合物の処理装置の、反応容器径方向の断面図である。
符号の説明
1 反応容器
2a,2b 接続フランジ
3 金属配管
4 高熱伝導性多孔質部材
5 ヒータ
6 温度プログラム制御器
7 吸着剤粒子
8 触媒粒子
9 メタル基材
10 ガスセンサー
11 濃度計測装置
12 温度制御プログラム発生装置

Claims (14)

  1. 揮発性有機化合物を含むガスを内部に流通させる2以上の開口端を有する反応容器と、
    該反応容器内に設けられた、吸着剤および触媒を担持している高熱伝導性多孔質部材と、
    該高熱伝導性多孔質部材を介して該吸着剤および該触媒を加熱する加熱手段と
    を備える揮発性有機化合物の処理装置。
  2. 前記吸着剤および前記触媒を、均一に分散させて、または、局在分布させて、前記高熱伝導性多孔質部材に担持させた、請求項1に記載の揮発性有機化合物の処理装置。
  3. 前記高熱伝導性多孔質部材の温度を、任意の分布で設定する加熱手段をさらに備える請求項1または2に記載の揮発性有機化合物の処理装置。
  4. 前記高熱伝導性多孔質部材の温度を、任意の時間変化で設定する設定手段と加熱手段とをさらに備える請求項1〜3のいずれかに記載の揮発性有機化合物の処理装置。
  5. 前記反応容器内に、揮発性有機化合物の濃度測定手段をさらに備える請求項1〜4のいずれかに記載の揮発性有機化合物の処理装置。
  6. 前記反応容器内に、前記ガス中の揮発性有機化合物が前記吸着剤および前記触媒と接触するようにガス流路が形成されている請求項1〜5のいずれかに記載の揮発性有機化合物の処理装置。
  7. 前記ガス流路が、側面に細孔を有する複数の金属配管と前記高熱伝導性多孔質部材とから形成され、該高熱伝導性多孔質部材は該金属配管の周囲に充填され、前記加熱手段が該反応容器の外周を周回するように設けられている請求項6に記載の揮発性有機化合物の処理装置。
  8. 前記ガス流路が、金属製ハニカム構造体から形成され、前記高熱伝導性多孔質部材が該ハニカム構造体に担持され、前記加熱手段がハニカム構造体の壁面に沿って設けられているヒータである請求項6に記載の揮発性有機化合物の処理装置。
  9. 前記ガス流路が、シート状の前記高熱伝導性多孔質部材を渦巻き状に充填することにより形成され、前記加熱手段が該反応容器の外周を周回するように設けられている請求項6に記載の揮発性有機化合物の処理装置。
  10. 前記高熱伝導性多孔質部材が複数のカップ状の構造体であり、前記ガス流路が、該複数のカップ状の構造体により形成され、前記加熱手段が、該複数のカップ状の構造体の外周を周回するように設けられている請求項6に記載の揮発性有機化合物の処理装置。
  11. 揮発性有機化合物を含むガスを、高熱伝導性多孔質部材を介して温度調節可能な吸着剤および触媒に接触させることによる揮発性有機化合物の処理方法であって、
    該ガスを、前記吸着剤が揮発性化合物を脱離しない温度にて、該吸着剤および該触媒と接触させる接触工程と、
    該高熱伝導性多孔質部材を介して該吸着剤および該触媒を加熱して、該触媒を該揮発性化合物が酸化分解される温度以上にする加熱工程と
    を含む揮発性有機化合物の処理方法。
  12. 前記接触工程が、
    該ガスを前記吸着剤密度が前記触媒密度よりも高い領域と接触させる第一の接触工程と、
    該ガスを前記吸着剤密度と前記触媒密度とが同一の領域と接触させる第二の接触工程と、
    該ガスを前記触媒密度が前記吸着剤密度よりも高い領域と接触させる第三の接触工程と
    を含む請求項11に記載の方法。
  13. 前記加熱工程が、前記接触工程にて吸着剤に吸着された揮発性有機化合物を脱離する温度以上に、該吸着剤を加熱する工程をさらに含む請求項11または12に記載の方法。
  14. 前記ガス中に含まれる揮発性有機化合物の濃度測定工程をさらに含み、
    測定結果に応じて、前記接触工程を実施する温度を決定するように制御する請求項11〜13のいずれかに記載の揮発性有機化合物の処理方法。
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