JP2005277031A - 電子線露光装置および電子線較正方法 - Google Patents

電子線露光装置および電子線較正方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 電子ビームをマスク上の各位置に偏向して、マスクを通過した電子ビームで試料に露光を行う電子線露光装置において、偏向量によって変動する電子ビームの平行度及び非点収差を較正する、電子線露光装置及び電子線較正方法を提供する。
【解決手段】 電子線露光装置1を、偏向手段20の各偏向量に対応する電子ビーム15の状態の各較正量を記憶する較正量記憶部71と、偏向手段20の偏向量に応じて、偏向量に対応して記憶された較正量で電子ビーム15を較正する電子線較正部72、73とを備えて構成する。
【選択図】 図6

Description

本発明は、半導体集積回路などの製造工程で使用される微細パターンを露光する電子線露光装置及び電子線露光装置に使用される電子ビームの状態を較正する電子線較正方法に関し、特に露光パターンを有するマスクを半導体ウエハなどの試料の表面に近接して配置し、マスクを通過した電子ビームで露光を行う電子線近接露光装置及びその電子線較正方法に関する。
近年、半導体集積回路の高集積化のニーズに伴い、回路パターンの一層の微細化が要望されている。現在、微細化の限界を規定しているのは主として露光装置であり、電子ビーム直接描画装置やX線露光装置などの新しい方式の露光装置が開発されている。
最近では新しい方式の露光装置として、量産レベルで超微細加工用に使用可能な電子線近接露光装置が開示されている(例えば特許文献1、およびこれに対応する日本国特許出願の特許文献2)。
図1は、電子線近接露光装置の基本構成を示す図である。この図を参照して、電子線近接露光装置について簡単に説明する。
電子線近接露光装置1は、電子光学鏡筒(カラム)10と試料室(チャンバ)8とを備えており、カラム10内には、電子ビーム15を発生する電子ビーム源14と整形アパチャ18と電子ビーム15を平行ビームにする照射レンズ16とを有する電子銃12と、電子ビーム15の非点収差を補正する非点収差補正コイル61、62と、対となる主偏向器21、22と、対となる副偏向器51、52とからなる走査手段13を含む。
また、チャンバ8内には、露光するパターンに対応する開口を有するマスク30、および静電チャック44とXYステージ46が設けられる。試料(半導体ウエハ)40は、表面にレジスト層42が形成され、静電チャック44上に保持されている。
マスク30は、厚い外縁部34内の中央に開口が形成された薄膜部32を有しており、試料40は表面がマスク30に近接するように配置される。開口は露光パターンに対応している。
この状態で、電子ビーム15は、走査手段13により偏向されて図2(A)に示すようにマスク30の薄膜部32上を全面にわたって走査され、垂直に照射される。すると、マスク30の開口を通過した電子ビーム15が試料40の表面のレジスト層42に照射され、試料40上に露光パターンが等倍露光される。
走査手段13中の主偏向器21および22は、図1に示すように、電子ビーム15をその光軸19を平行に保ったまま、マスク30上の所定の偏向領域内の各位置に偏向するために設けられている。
走査手段13中の副偏向器51、52は、マスク歪みを補正するように電子ビームのマスクパターンへの入射角度を制御(傾き補正)する。いま図2(B)に示すように電子ビーム15の露光用のマスク30への入射角度をα、露光用のマスク30と試料40とのギャップをGとすると、入射角度αによるマスクパターンの転写位置のずれ量δは、次式、
δ=G・tanα
で表される。
図2(B)上では、マスクパターンは、ずれ量δだけ正規の位置からずれた位置に転写される。したがって、例えば露光用のマスク30にマスク歪みがある場合には、電子ビーム走査位置におけるマスク歪みに応じて電子ビームの傾き制御を行うことにより、マスク歪みのない状態でのマスクパターンが転写される。
XYステージ46は、載置する試料40を水平の直交2軸方向(XY方向)に移動させるもので、マスクパターンの等倍転写が終了する毎に試料40を所定量移動させ、これにより1枚の試料40に複数のマスクパターンを転写できるようにしている。なおXYステージ46は、垂直方向(Z方向)を回転軸にして、試料40を回転させることも可能である。
照射レンズ16は、電子線源14から発生した電子ビーム15が、マスク30上で完全な平行ビームとなるように、電子ビーム15の平行度を調整する。これは、電子ビーム15の平行度が悪いとき試料40に露光されたパターンの解像性が悪くなるからである。この理由を図3(A)〜(C)を参照して説明する。
電子ビーム15が非平行ビームである場合には、図3(A)に示すようにマスク30の開口31を通過した後、その径を広げながら試料40に照射される。
ここに、図3(B)に図示するように、試料40に照射されるビーム像41のエネルギー分布を矢印43に沿って測定すると、図3(C)に示すように非平行ビーム15による電子ビーム像41のエッジ部分のエネルギー変化は、平行ビーム15’のそれと比べて緩慢になる。この結果、試料40上のレジストに露光されたパターンの垂直性が悪くなり(すなわちエッジだれが生じ)、露光パターンの解像性が悪化する。
非点収差補正コイル61、62は、電子ビーム15に非点収差が無くなるように、電子ビーム15の非点収差を調整する。これは、電子ビーム15が非点収差を有するときにも、試料40に露光されたパターンの解像性が悪くなるからである。この理由を図4(A)〜(C)を参照して説明する。
電子ビーム15に非点収差が存在する場合には、電子ビーム15断面の径の方向によって、電子ビームの焦点距離が変化する。例えば図4(A)に示すように、マスク30上では電子ビーム断面が真円になっていても、試料40の上では楕円形状に歪む。この結果電子ビーム15断面の径の方向によって前記露光パターンの解像性の差(垂直性差、エッジのだれ具合の差)が生じる。例えば図4(A)に示す矢印b及び矢印cに沿って、試料40に露光されるビーム像41のエネルギー分布を図4(B)及び図4(C)に示す。
ここで、電子ビーム15は、b方向には非平行成分を含まないがc方向には非点収差による拡散が生じている。するとc方向に沿った電子ビーム像41のエネルギー分布(図4(C))は、b方向に沿った電子ビーム像41のエネルギー分布(図4(B))と比較して、マスク30のエッジ部分のエネルギー変化が緩慢になる。
このように電子ビーム15に非点収差が存在すると、方向によって露光パターンの解像性に差が生じ解像性が悪化する。
なお、非点収差の補正は、8極子コイル等により行われるのが通常である。図4(D)は、X軸非点収差補正コイル61をなすコイルXC11、XC12、XC21、XC22、Y軸非点収差補正コイル62をなすコイルYC11、YC12、YC21、YC22を組み合わせて構成された8極子コイルの上面図である。
Y軸非点収差補正コイル62は、X軸非点収差補正コイル61に対して45°回転された状態で配置され、XC11とXC12、XC21とXC22、YC11とYC12、YC21とYC22は各々対向して配置されている。非点収差補正コイル61、62は一般的には同一平面上に構成されるが、図1においては説明の簡単のため分離して図示した。しかしながら、これにより本発明の主旨は何ら影響を受けるものではない。
米国特許第5,831,272号公報(全体) 特許第2951947号公報(全体)
上記のように電子線露光装置では電子ビームの平行度状態及び非点収差状態の調整を行っている。しかし、電子線近接露光装置のように電子ビームを大きく偏向してマスクの各位置に電子ビームを照射する電子線露光装置の場合では、電子ビームの偏向量すなわちマスク上の電子ビームの偏向位置(照射位置)によって、電子ビームのマスク上の平行度状態及び非点収差状態が変化する。このため電子ビームを、マスク上のある位置に照射したときには電子ビームがマスク上で完全な平行ビームであり非点収差を有さない状態であったとしても、他の位置に照射したときには電子ビームがマスク上で非平行ビームとなり、非点収差を有する状態となる。この理由を図5を参照して説明する。
図示するように、電子線源14から発生した電子ビーム15は、照射レンズ16によってマスク上の位置37において平行ビームとなるように平行度状態が調整されている。
一方、それぞれ対向する電極23A及び23B、並びに電極23C及び23Dからなる静電偏向器23A〜23Dは、電子ビーム15を偏向して偏向領域35の各位置へ偏向することが可能である。
電子ビーム15の電子は、その電荷によりそれぞれが反発しあうため、電子には飛程中に拡散する、いわゆる空間電荷効果(クーロン効果)が作用する。したがって、偏向領域35上の位置37において電子ビームが平行になるように調整した場合、偏向領域35内の各位置に照射するように偏向された電子ビーム15が平行ビームとなるのは、偏向器23A〜23Dの偏向中心から位置37までの距離と等距離にある面上であり、この面は図に示す湾曲面36の面上となる。
したがって、偏向器23A〜31Dの偏向中心からの距離が異なる図中の偏向領域の周辺部38に偏向された電子ビーム15は、マスク上において、やや拡散する非平行ビームとなる。
また、電子ビーム15は偏向されると非点収差状態が変動するため、例えば、位置37において非点収差補正がなされた電子ビーム15は、偏向器23A〜23Dによって位置38に偏向されると非点収差が増大する。そして、この非点収差の量は偏向位置によって変動する。
さらに、静電偏向器や磁気偏向器が発生させる電界又は磁界には歪みが含まれているため、偏向器によって偏向された電子ビーム15は、これら歪みの影響により平行度及び非点収差状態が悪くなり、さらにこれら平行度及び非点収差は偏向量によって変化する。
上記問題点を鑑みて、本発明は電子ビームをマスク上の各位置に偏向する電子線露光装置において、偏向量によって変動する電子ビームの平行度及び非点収差を較正する、電子線露光装置及び電子線較正方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成するため、本発明では、電子ビームを偏向領域の各位置に偏向したときの、電子ビームの各平行度や各非点収差状態などの電子ビーム状態の各較正量を測定して記憶しておき、露光の際に各位置について記憶された各較正量を使用して電子ビームの較成を行う。
すなわち、本発明の第1形態に係る電子線露光装置は、電子ビームを発生する電子線源と、露光パターンに応じたマスクパターンを有するマスクと、電子ビームをマスク上の各位置に偏向する偏向手段とを備え、電子ビームをマスク上に照射させてマスクを通過した電子ビームで、試料表面に露光パターンを露光する電子線露光装置であって、さらに、偏向手段の各偏向量に対応する電子ビームの状態の各較正量を記憶する較正量記憶部と、走査手段の偏向量に応じて、偏向量に対応して記憶された較正量で電子ビームを較正する電子線較正部とを備える。
また、本発明の第2形態に係る電子線較正方法は、電子線源より発生させた電子ビームを、露光パターンに応じたマスクパターンを有するマスクの各位置に、偏向手段によって偏向させ、マスクを通過した電子ビームで、試料表面に露光パターンを露光する電子線露光における電子線較正方法であって、偏向手段の各偏向量に対応する電子ビームの状態の各較正量を記憶し、走査手段の偏向量に応じて、該偏向量に対応して記憶された較正量で電子ビームを較正する。
走査手段の偏向量に応じて記憶される各較正量は、予め偏向手段により各偏向量で前記電子ビームを偏向し、電子ビームの状態を測定した結果に基づき取得することとしてよい。本発明に係る電子線露光装置及び電子線較正方法により構成される電子ビームの状態は、電子ビームの平行度状態であってよく、電子ビームの非点収差状態であってよい。
本発明によって、偏向手段による偏向量に応じて異なる較正量で電子ビーム状態の較正を行うことが可能となる。これによって電子ビーム状態を、偏向量に応じて較正することが可能となる。
また、偏向手段により各位置に偏向された電子ビームの実際の電子ビーム状態に基づいて求められた較正量を、各偏向位置に応じて使用することができるため、静電偏向器や磁気偏向器が発生させる電界又は磁界には歪みが含まれていても、この歪みの影響を除去した電子ビームの較正を行うことが可能である。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。図6は、本発明の第1実施例に係る電子線近接露光装置の基本構成図である。電子線近接露光装置1の基本構成は、図1に示した構成及び上記の文献1に開示された構成に類似した構成を有している。よって、図1と同一の機能部分には同一の参照番号を付して表し、詳しい説明は省略する。
図6に示すように、電子線近接露光装置1は、カラム10内に、電子ビーム15を発生する電子ビーム源14と電子ビーム15を平行ビームにする照射レンズ16とを有する電子銃12、主偏向器20と副偏向器50とを含み電子ビーム15を光軸に平行に走査するように前記電子ビーム15を偏向する走査手段13、電子ビーム15の非点収差を補正する非点収差補正コイル60、露光するパターンに対応する開口を有するマスク30を備える。
なお、主偏向器20と副偏向器50は、図6ではそれぞれ1つの偏向器として示してあるが、実際には図1に示すようにそれぞれ2段構成になっている。また非点収差コイル60は、図4(D)を参照して前述したように、X軸非点収差補正コイルをなすコイルXC11、XC12、XC21、XC22、Y軸非点収差補正コイルをなすコイルYC11、YC12、YC21、YC22を組み合わせた8極子コイルにより構成される。
一方、電子線近接露光装置1は、チャンバ内8に、静電チャック44とXYステージ46とから構成される。試料(半導体ウエハ)40は、表面にレジスト層42が形成され、静電チャック44上に保持されている。
マスク30は、静電チャック44に吸着された試料40の表面に近接するように(マスク30と試料40とのギャップが、例えば、50μmとなるように)配置される。
さらに電子線近接露光装置1は、主偏向器20によって、マスク30上の所定の偏向領域内で、電子ビーム15を走査するために、この走査中の電子ビームの各偏向位置を順次決定する偏向位置決定部26と、偏向位置決定部26により決定された偏向位置に応じた偏向指令信号を主偏向器20に出力する主偏向器制御部25を備える。
また電子線近接露光装置1は較正量記憶部71を備える。較正量記憶部71は、予め測定するなどして取得した、電子ビーム15の各偏向位置に対応した電子ビーム15の各平行度状態や、各非点収差状態などの電子ビーム状態に応じて決定した電子ビーム状態の各較正量を記憶する。
さらに電子線近接露光装置1は、電子ビーム15を各偏向位置に偏向する際に、各偏向位置に対応する電子ビーム15の平行度状態の較正量を照射レンズ制御部63に出力して、照射レンズ16によって電子ビーム15の平行度状態を較正する平行度較正部72を備える。照射レンズ制御部63は、平行度較正部72から出力される較正量に基づいて、照射レンズ16を制御する。
電子線近接露光装置1は、電子ビーム15を各偏向位置に偏向する際に、各偏向位置に対応する電子ビーム15の非点収差状態の較正量を非点収差補正コイル制御部64に出力して、非点収差補正コイル60によって電子ビーム15の非点収差状態を較正する非点収差較正部73を備える。非点収差補正コイル制御部64は、非点収差較正部73から出力される較正量に基づいて、非点収差補正コイル60を制御する。
また、電子線近接露光装置1は、マスク30に照射された電子ビーム15の2次電子像を撮像する撮像手段65を備える。撮像手段65は、例えばマスク30に反射した電子ビーム15の2次電子を捉える2次電子検出器を使用して実現することができる。そして、電子線近接露光装置1は、撮像手段65が撮像した電子ビーム15の2次電子像に基づいて、電子ビーム15の平行度状態や非点収差状態の較正量を決定する較正量決定部75を備える。
図7は、本発明に係る電子線較正方法のフローチャートである。ここでは、例として図6の電子線近接露光装置1の動作に適用した場合を示す。
電子線近接露光装置1の使用態様である露光に先立ち、ステップS101〜S106において、電子線近接露光装置1は、電子ビーム15の各偏向位置に対応する電子ビーム状態の各較正量をそれぞれ取得して、較正量記憶部71に記憶する。
まず、ステップS101において、偏向位置決定部26は、較正量の取得を開始する電子ビーム15の偏向位置を決定し主偏向器制御部25に出力する。主偏向器制御部25は、偏向位置決定部26により決定された偏向位置に基づき、主偏向器20の偏向指令信号を求め、主偏向器20に出力する。これにより電子ビーム15は、偏向位置決定部26が決定した偏向位置に偏向される。
ステップS102において、較正量決定部75は、撮像手段65によって取得したマスク30に照射された電子ビーム15の2次電子像の大きさ、形状、像周辺部分のコントラスト等に基づいて、マスク30上における電子ビーム15の平行度状態や非点収差状態などの電子ビーム状態を測定する。そして、較正量決定部75はステップS103において、電子ビーム状態の較正量、すなわち、例えば電子ビーム15をマスク30上において完全な平行ビームに調整するために要する照射レンズ制御部63への出力値である較正量と、電子ビーム15のマスク30上における非点収差を除去するために要する非点収差補正コイル制御部64への出力値である較正量を決定する。
これらステップS102及びS103において、較正量決定部75は、例えば照射レンズ制御部63及び非点収差補正コイル制御部64へ信号出力値を変化させつつ、撮像手段65によって取得したマスク30に照射された電子ビーム15の2次電子像の大きさ、形状、像周辺部分のコントラスト等を観測して、マスク30上において電子ビーム15を完全な平行ビームに調整したときの照射レンズ制御部63への出力値と、マスク30上において電子ビーム15の非点収差が除去されたときの非点収差補正コイル制御部64への出力値を、それぞれ平行度状態に係る較正量と非点収差状態に係る較正量として取得することとしてよい。
ステップS104において、較正量決定部75は、S102及びS103にて取得した較正量を、その時点の電子ビーム15の偏向位置に関連付けて較正量記憶部71に記憶する。そして、これらのステップS101〜S104を、偏向位置を変えながら主偏向器20の偏向領域の全領域にわたって繰り返す(S105、S106)。
以上により、主偏向器20の偏向領域の各偏向位置に関する、電子ビーム状態の較正量の2次元マップが作成されて、較正量記憶部71に記憶される。
以下のステップS107〜S111において、電子線近接露光装置1の使用態様である露光に際し、主偏向器20の各偏向位置に偏向された電子ビーム15の電子ビーム状態を較正する。
まず、ステップS107において、偏向位置決定部26は、露光開始位置に対応する電子ビーム15の偏向位置を決定し主偏向器制御部25に出力する。主偏向器制御部25は、偏向位置決定部26により決定された偏向位置に基づき、主偏向器20の偏向指令信号を求め主偏向器20に出力する。これにより電子ビーム15は、偏向位置決定部26が決定した偏向位置に偏向される。
ステップS108において、平行度較正部72は、偏向位置決定部26により決定された偏向位置を取得して、較正量記憶部71から、この偏向位置に対応する平行度の較正量(すなわち、例えば要する照射レンズ制御部63への出力値の較正量)を読み出す。また、非点収差較正部73は、偏向位置決定部26により決定された偏向位置を取得して、較正量記憶部71から、この偏向位置に対応する非点収差状態の較正量(すなわち、例えば要する非点収差コイル制御部64への出力値の較正量)を読み出す。
そしてステップS109において、平行度較正部72は、読み出した平行度の較正量及び非点収差状態の較正量を、それぞれ照射レンズ制御部63及び非点収差補正コイル制御部64に出力する。照射レンズ制御部63は較正された指令信号に基づいて照射レンズ16を制御し、非点収差補正コイル制御部64は較正された指令信号に基づいて非点収差補正コイル60を制御する。これにより、偏向位置決定部26が決定した偏向位置に偏向された電子ビーム15は、偏向位置に応じて、マスク30上において平行ビームとなるように平行度が較正され、マスク30上において非点収差が無くなるように非点収差状態が較正される。
そして、これらのステップS107〜S109を、偏向位置を変えながら主偏向器20の偏向領域の全領域にわたって繰り返す(S110、S111)。
偏向位置に応じた電子ビーム15の平行度の較正は、上記のように直接、照射レンズ16に対する指令信号を較正することとしてもよいが、照射レンズ16では一定の調整量で電子ビーム15の平行度を調整することとし、偏向位置に応じた電子ビーム15の平行度調整を行う補助レンズを別途設けることとしてよい。
図8は、本発明の第2実施例に係る電子線近接露光装置の基本構成図である。電子線近接露光装置1の照射レンズ16及び照射レンズ制御部63は、電子ビーム15が所定の位置(例えばカラム10の光軸中心)に偏向されたとき、または主偏向器20による偏向制御が行われていないときに、電子ビーム15がマスク30上において平行となるように、電子ビーム15の平行度を調整する。
一方、補助レンズ74及び補助レンズ制御部75は、照射レンズ16により平行度調整が行われる電子ビーム15の平行度を、主偏向器20の偏向位置に応じて平行度較正部72から出力される較正量に基づいて、電子ビーム15の平行度を調整する。
このように電子線源14から生じた電子ビーム15を一定の平行度状態とするための調整量の大きな平行度調整を照射レンズ16で行い、主偏向器20の偏向位置に応じた平行度の微細な較正を補助レンズ74で行うことにより、より高精度な較正を行うことが可能となる。
電子線近接露光装置の構成図である。 (A)は電子ビームの走査方法の説明図であり、(B)は電子ビームの傾き制御の説明図である。 (A)〜(C)は、非平行電子ビームによる露光パターンの解像性の悪化を説明する図である。 (A)〜(C)は、電子ビームの非点収差による露光パターンの解像性の悪化を説明する図であり、(D)は、非点収差補正コイルの構成図である。 電子ビームの偏向量による平行度及び非点収差の変動を説明する図である。 本発明の第1実施例に係る電子線近接露光装置の構成図である。 本発明に係る電子線較正方法のフローチャートである。 本発明の第2実施例に係る電子線近接露光装置の構成図である。
符号の説明
1…電子線近接露光装置
8…チャンバ
10…カラム
14…電子線源
15…電子ビーム
20…主偏向器
25…主偏向器制御部
26…偏向位置決定部
30…マスク
40…試料
50…副偏向器
60…非点収差補正コイル
63…照射レンズ制御部
64…非点収差補正コイル制御部
71…較正量記憶部
72…平行度較正部
73…非点収差較正部

Claims (8)

  1. 電子ビームを発生する電子線源と、露光パターンに応じたマスクパターンを有するマスクと、前記電子ビームを前記マスク上の各位置に偏向する偏向手段と、を備え、前記電子ビームを前記マスク上に照射させて前記マスクを通過した前記電子ビームで、試料表面に前記露光パターンを露光する電子線露光装置であって、さらに
    前記偏向手段の各偏向量に対応する前記電子ビームの状態の各較正量を記憶する較正量記憶部と、
    前記偏向手段の偏向量に応じて、該偏向量に対応して記憶された前記較正量で前記電子ビームを較正する電子線較正部と、
    を備える電子線露光装置。
  2. 前記較正量記憶部に記憶される各較正量は、予め前記偏向手段により各偏向量で前記電子ビームを偏向し、前記電子ビームの状態を測定した結果に基づき取得されることを特徴とする請求項1に記載の電子線露光装置。
  3. 前記電子ビームの状態は、前記電子ビームの平行度状態である請求項1に記載の電子線露光装置。
  4. 前記電子ビームの状態は、前記電子ビームの非点収差状態である請求項1に記載の電子線露光装置。
  5. 電子線源より発生させた電子ビームを、露光パターンに応じたマスクパターンを有するマスクの各位置に、偏向手段によって偏向させ、前記マスクを通過した前記電子ビームで、試料表面に前記露光パターンを露光する電子線露光における電子線較正方法であって、
    前記偏向手段の各偏向量に対応する前記電子ビームの状態の各較正量を記憶し、
    前記偏向手段の偏向量に応じて、該偏向量に対応して記憶された前記較正量で前記電子ビームを較正する、電子線較正方法。
  6. さらに、予め前記偏向手段により各偏向量で前記電子ビームを偏向し、前記電子ビームの状態を測定した結果に基づき前記各較正量を取得する請求項5に記載の電子線較正方法。
  7. 前記電子ビームの状態は、前記電子ビームの平行度状態である請求項5に記載の電子線較正方法。
  8. 前記電子ビームの状態は、前記電子ビームの非点収差状態である請求項5に記載の電子線較正方法。
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