JP2005276776A - 非水電解質二次電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】大電流放電特性、低温放電特性及び高温充電保存特性を改善した非水電解質二次電池を提供する。
【解決手段】正極及び負極がセパレータを挟んで積層されかつ内部に非水電解質が注入された電極体と、前記電極体を収納する外装体とからなる非水電解質二次電池において、前記電解液中に有機過酸化物(前記有機過酸化物が重合開始剤として作用することにより、有機電解液がゲル状に変化するものを除く)を含有させる。前記非水電解質中の有機過酸化物の添加量が0.001質量%〜7質量%であることが好ましい。更に、前記非水電解質中に更にビニレンカーボネートが添加されていることが好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、非水電解質二次電池に関し、更に詳しくは、大電流放電特性、低温放電特性及び高温充電保存特性を改善した非水電解質二次電池に関する。
携帯型の電子機器の急速な普及に伴い、それに使用される電池への要求仕様は、年々厳しくなり、特に小型・薄型化、高容量でサイクル特性が優れ、大電流で放電しても容量低下が少なく、低温度範囲から高温度範囲まで保存・使用できるとともに、性能の安定したものが要求されている。そして、二次電池分野では他の電池に比べて高エネルギー密度であるリチウム非水電解質二次電池が注目され、このリチウム非水電解質二次電池の占める割合は二次電池市場において大きな伸びを示している。
このリチウム非水電解質二次電池は、細長いシート状の銅箔等からなる負極芯体(集電体)の両面に負極用活物質合剤を被膜状に塗布した負極と、細長いシート状のアルミニウム箔等からなる正極芯体の両面に正極用活物質合剤を被膜状に塗布した正極との間に、微多孔性ポリオレフィンフィルム等からなるセパレータを配置し、負極及び正極をセパレータにより互いに絶縁した状態で円柱状又は楕円形状に巻回した後、角型電池の場合は更に巻回電極体を押し潰して偏平状に形成し、負極及び正極の各所定部分にそれぞれ負極リード及び正極リードを接続して所定形状の外装内に収納した構成を有している。
このリチウム非水電解質二次電池のうち、特に高エネルギー密度を有する4V級の非水電解質二次電池として、正極活物質がLiCoO、LiNiO、LiMn、LiFeO等のリチウム複合酸化物からなるものが使用されている。また、負極材料として炭素質材料、特に黒鉛材料からなる負極活物質が、リチウム金属やリチウム合金に匹敵する放電電位を有しながらも、デンドライトが成長することがないために安全性が高く、更に初期効率に優れ、電位平坦性も良好であり、また、密度も高いという優れた性質を有しているために、広く使用されている。
このような非水電解質二次電池に使用される非水溶媒には、電解質を電離させるために誘電率が高い必要があること、及び、広い温度範囲でイオン伝導度が高い必要があるということから、プロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)、ブチレンカーボネート(BC)、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート(EMC)等のカーボネート類、γ−ブチロラクトン等のラクトン類、その他、エーテル類、ケトン類、エステル類などの非水溶媒(有機溶媒)が使用されている。
このうち、特にECと粘度の低い非環状カーボネート、例えばDMC、DEC、EMC等の混合溶媒が広く使用されているが、蒸気圧が低いために高温放置すると電池が膨れやすいという問題点を有している。一方、PCないしはBCを含有する非水溶媒は、蒸気圧が高く、また酸化電位も高くなるために分解し難くなるのでガスの発生量が少なく、電池が膨れ難いという優れた効果を奏すると共に、凝固点が低いために低温特性も優れているという特徴を有している。
しかしながら、黒鉛化が進んだ高容量の炭素質物(天然黒鉛、人造黒鉛)を含む負極活物質を用いた場合、充電時の非水溶媒の還元分解により電池の容量低下が発生する。特に、非水溶媒としてPCないしはBCを含むものはより激しく分解してしまい、充電が良好に進行しないという問題点が存在していた。
そこで、従来から、非水溶媒の還元分解を抑制するために、様々な化合物を非水電解質に添加して、負極活物質が非水溶媒と直接反応しないように、不動態化層とも称される負極表面被膜(SEI:Solid Electrolyte Interface. 以下、「SEI表面被膜」という。)を制御する技術が重要となっている。例えば、下記特許文献1には、非水電解質二次電池の電解液中にビニレンカーボネート(VC)及びその誘導体から選択される少なくとも1種を添加し、これらの添加物により、最初の充電による負極へのリチウムの挿入前に負極活物質層上にSEI表面被膜を形成させ、リチウムイオンの周囲の溶媒分子の挿入を阻止するバリアーとして機能させるようになしたものが開示されている。
また、同様の目的で、下記特許文献2には非水電解質中に添加剤としてビニルエチレンカーボネート化合物を添加したものが、同じく下記特許文献3にはVC化合物及びビニルエチレンカーボネート化合物を添加したものが、同じく下記特許文献4にはビニルエチレンカーボネートを含み、更にVC、環状スルホン酸又は環状硫酸エステル、環状酸無水物からなる少なくとも1種を添加したものが、同じく下記特許文献5には環状酸無水物を添加したものが、同じく下記特許文献6にはVCないしビニルエチレンカーボネート化合物に環状酸無水物を添加したものが、それぞれ開示されている。
このうち、環状酸無水物は、充電時における非水溶媒の還元分解の抑制には優れているが、単独添加ではSEI被膜の抵抗が高くなり、充放電特性が大きく低下するという欠点が存在していた。また、環状酸無水物を多量に添加すると、非水電解質のイオン伝導度が低下するほか、SEI被膜の抵抗がより大きくなり、充放電特性が低下すると共に、充電保存中のガス発生が顕著となり、電池の膨れが大きいという問題点も存在していた。
加えて、環状酸無水物を使用した非水電解質二次電池は、長期間高温保存すると、SEI被膜に多量の重合物が堆積されるとともに、多量のガスが発生し、著しい容量低下を引き起こす。特に、黒鉛化が進んだ高容量の炭素質物を負極に用いた電池において、PCやBCを含有する非水電解質の場合、高温での特性低下は顕著に現れる。
特開平08−045545号公報(特許請求の範囲、段落[0009]〜[0012]、[0023]〜[0036]) 特開2001−006729号公報(特許請求の範囲、段落[0006]〜[0014]) 特開2002−324580号公報(特許請求の範囲、段落[0008]〜[0009]) 特開2003−151623号公報(特許請求の範囲、段落[0008]〜[0009]、[0022]〜[0031]) 特開2000−268859号公報(特許請求の範囲、段落[0007]〜[0008]) 特開2002−352852号公報(特許請求の範囲、段落[0010]〜[0013])
本発明者は、上述のSEI表面被膜の生成機構及び前記環状酸無水物に換わる新たな添加剤につき種々検討を重ねた結果、VCを含有する非水電解質中に有機過酸化物を同時に添加すると、非水溶媒の分解を良好に防止することができ、ガスの発生が少なくなるために高温充電保存特性が非常に良好となるだけでなく、大電流放電特性及び低温放電特性も優れた非水電解質二次電池が得られることを見だし、更にこの有機過酸化物が関与する電極反応を追求する過程で、有機過酸化物を単独で添加してもVCと同時に添加した場合と同様の効果を奏することを見だし、本発明を完成するに至ったのである。
このような結果が得られる理由は、現在のところ定かではなく、今後の研究を待つ必要があるが、おそらくは、VCが存在しない場合には充電時に有機過酸化物が優先的に分解ないし開列反応を起こして生成した副生成物等によりリチウムイオン電導性に優れたSEI被膜が得られ、このSEI被膜が広い温度範囲に亘って安定に存在していることによるものと推測され、また、VCが存在している場合には有機過酸化物がVCに作用することによって新たなVC誘導体のSEI被膜が形成されることが要因であると推測される。
したがって、本願発明の目的は、SEI表面被膜のインピーダンスを低下させ、大電流放電特性、低温放電特性及び高温充電保存特性を改善した非水電解質二次電池を提供することにある。
本発明の上記目的は以下の構成により達成し得る。すなわち、本願の請求項1に記載の非水電解質二次電池の発明は、正極及び負極がセパレータを挟んで積層されかつ内部に非水電解質が注入された電極体と、前記電極体を収納する外装体とからなる非水電解質二次電池において、前記電解液中に有機過酸化物(前記有機過酸化物が重合開始剤として作用することにより、有機電解液がゲル状に変化するものを除く)を含有していることを特徴とする。
非水電解質二次電池には有機過酸化物が重合開始剤として作用することにより、有機電解液がゲル状に変化・硬化するゲル状ポリマー電解質を用いたものも存在するが、このようなものは、有機過酸化物を含んでいるが有機過酸化物の添加目的が本発明とは相違しているため、本発明からは除外される。一方、有機過酸化物が重合開始剤として作用しないことにより、既に重合済みのポリマー電解質に別途有機過酸化物が含有された電解液を注液する場合には有効に有機過酸化物添加の効果が奏されるため、本発明に包含される。
この場合、正極に使用する正極活物質としては、LiMO(但し、MはCo、Ni、Mnの少なくとも1種である)で表されるリチウム遷移金属複合酸化物、すなわちLiCoO、LiNiO、LiNiCo1−y(y=0.01〜0.99)、LiMnO、LiCoMnNi(x+y+z=1)などや、LiMnで表されるスピネル型コバルト酸リチウムが一種単独もしくは複数種を混合して用いられる。なお、正極活物質中に少量のジルコニウム(Zr)、チタニウム(Ti)及び弗素(F)等の異種元素が添加されていてもよい。
また、負極に使用する負極活物質には、リチウムを吸蔵・放出することが可能な炭素質物、珪素質物、金属酸化物からなる群から選択される少なくとも1種以上が用いられる。黒鉛化の進んだ炭素質物は高容量であるために特に好ましい。
前記非水電解質を構成する非水溶媒(有機溶媒)は、カーボネート類、ラクトン類、エーテル類、エステル類、芳香族炭化水素などが挙げられ、これらの中でカーボネート類、ラクトン類、エーテル類、ケトン類、エステル類などが好ましく、カーボネート類が更に好適に用いられる。
カーボネート類として具体的には、環状カーボネート類として、プロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)、ブチレンカーボネート(BC)から選ばれる少なくとも1種以上が好ましく、鎖状カーボネート類(非環状カーボネート類)として、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ジエチルカーボネート(DEC)から選ばれる少なくとも1種以上が好ましい。前記有機溶媒は、環状カーボネート類と鎖状カーボネート類を混合して用いることが好ましい。
非水電解質を構成する電解質は、過塩素酸リチウム(LiClO)、六フッ化リン酸リチウム(LiPF)、ホウフッ化リチウム(LiBF)、六フッ化砒酸リチウム(LiAsF)、トリフルオロメチルスルホン酸リチウム(LiCFSO)、ビストリフルオロメチルスルホニルイミドリチウム[LiN(CFSO]などのリチウム塩が挙げられる。中でもLiPF、LiBFを用いるのが好ましく、前記有機溶媒に対する溶解量は、0.5〜2.0モル/lとするのが好ましい。
また、本願の請求項2に記載の発明は、前記請求項1に記載の非水電解質二次電池において、前記非水電解質中の有機過酸化物の添加量が0.001質量%〜7質量%であることを特徴とする。添加量が0.001質量%未満では添加による効果が現れず、添加量が7質量%を超えると、高温保存特性は優れているが、大電流放電特性及び低温放電特性は却って無添加の場合よりも低下する傾向があるので好ましくない。より好ましい非水電解質中の有機過酸化物添加量は0.01質量%〜5質量%である。更に好ましい非水電解質中の有機過酸化物添加量は0.1質量%〜3質量%である。
また、本願の請求項3に記載の発明は、前記有機過酸化物が、t−ヘキシルペルオキシピバレート、t−ブチルペルオキシピバレート、3,5,5−トリメチルヘキサノイルペルオキサイド、1,1−ビス(t−ヘキシルペルオキシ)−3,5,5−トリメチルシクロヘキサンよりなる群から選択される少なくとも1種であることを特徴とする。
また、本願の請求項4に記載の発明は、前記請求項1〜3の何れかに記載の非水電解質二次電池において、前記非水電解質中に更にビニレンカーボネート(VC)が添加されていることを特徴とする。
また、本願の請求項5に記載の発明は、前記請求項4に記載の非水電解質二次電池において、前記非水電解質中のVCの添加量が0.01質量%〜7質量%であることを特徴とする。VCの添加量が0.01質量%未満であるとVC添加の効果が現れず、また、VCの添加量が7質量%を超えると、大電流放電特性及び低温放電特性は優れているが、高温保存特性はVC無添加の場合よりも劣化するようになる。より好ましい非水電解質中のVC添加量は0.1質量%〜5質量%である。
また、本願の請求項6に記載の発明は、前記外装体がアルミニウムラミネートフィルムであることを特徴とする。
本発明は、上記構成を備えることにより以下に述べるような優れた効果を奏する。すなわち、請求項1に記載の発明によれば、非水電解質中に有機過酸化物を単独で添加するのみで、これらの添加剤を添加しない従来例の非水電解質二次電池と比すると、3Itもの大電流で放電しても容量の低下が少なく、−20℃という低温度での放電容量の低下も少なく、また、充電状態で80℃という高温条件下で保存しても非水電解質の分解が少なくなるために電池の膨れも小さくなり、大電流放電特性、低温放電特性及び高温充電保存特性に優れた非水電解質二次電池が得られる。
また、請求項2及び3に記載の発明によれば、有効に請求項1に記載の発明の効果を奏する非水電解質二次電池が得られる。
また、請求項4に記載の発明によれば、VCは添加しなくてもそれなりの効果を奏するが、VCをも添加すると大電流放電特性、低温放電特性及び高温充電保存特性が劇的に改善された非水電解質二次電池が得られる。
また、請求項5に記載の発明によれば、有効に請求項4に記載の発明の効果を奏する非水電解質二次電池が得られる。
また、請求項6に記載の発明によれば、外装体の質量を小さくでき、しかも厚さも薄くできるために、小型軽量の非水電解質二次電池を得ることができる。
以下、本願発明を実施するための最良の形態を実施例及び比較例を用いて詳細に説明するが、以下に示す実施例は、本発明の技術思想を具体化するための非水電解質二次電池を例示するものであって、本発明をこれらのものに限定することを意図するものではない。まず、最初に実施例及び比較例に共通する非水電解質二次電池の具体的製造方法について説明する。
<正極板の作製>
コバルト酸リチウム(LiCoO)からなる正極活物質をアセチレンブラック、グラファイト等の炭素系導電剤(例えば5質量%)と、ポリビニリデンフルオライド(PVDF)よりなる結着剤(例えば5質量%)等を、N−メチルピロリドン(NMP)からなる有機溶剤に溶解したものを混合して活物質スラリーとした。これらの活物質スラリーをダイコーター、ドクターブレード等を用いて正極芯体(例えば、厚さが15μmのアルミニウム箔)の両面に均一に塗付して、活物質層を塗布した正極板を形成した。この後、活物質層を塗布した正極板を乾燥機中に通過させて、スラリー作製時に必要であった有機溶剤を除去して乾燥させた。乾燥後、この乾燥正極板をロールプレス機により圧延して厚さが125μmの正極板を得た。
<負極板の作製>
粒径15〜35μmの天然黒鉛よりなる負極活物質、PVDFよりなる結着剤(例えば10質量%)をNMPからなる有機溶剤に混合してスラリーとした。これらのスラリーをダイコーター、ドクターブレード等を用いて負極芯体(例えば、厚さが10μmの銅箔)の両面の全面にわたって均一に塗布して、活物質層を塗布した負極板を形成した。この後、活物質層を塗布した負極板を乾燥機中に通過させて、スラリー作製時に必要であった有機溶剤を除去して乾燥させた。乾燥後、この乾燥負極板をロールプレス機により圧延して厚さが120μmの負極板とした。
<電極体の作製>
上述のようにして作製した正極板と負極板を、有機溶媒との反応性が低く、かつ安価なポリオレフィン系樹脂からなるセパレータ(例えば、厚さが20μmの微多孔膜)を間にし、かつ、各極板の幅方向の中心線を−致させて重ね合わせた。この後、巻き取り機により捲回し、押し潰して偏平状とした後、最外周をテープ止めして巻き取り体とした。上述のようにして作製した巻き取り体をアルミラミネートフィルムにより構成された外装体にそれぞれ挿入した。次いで、電極体より延だした正極集電タブ、負極集電タブを外装体と共に溶着して、注液前の電池とした。
<電解質の作製>
EC/DEC(30/70)の質量比で混合した溶媒に、1.0MとなるようにLiPFを溶解させ、更に必要に応じて添加剤を添加して非水電解質を作製した。添加した添加剤の種類と量は、表中に記載したとおりであり、全て電解液質量に対する質量比である。
<電池の作製>
次いで、各種非水電解質を外装体の開口部より巻き取り体内に2.5ml注液した後シールして、実施例及び比較例の全てについて、厚さ3.6mm、幅35mm、長さ62mmの公称電池容量が600mAhのリチウムイオン非水電解質二次電池を作製した。
(実施例1〜5及び比較例1、2)
前記非水電解質中に添加剤として、VCを1質量%、及び、有機過酸化物であるt−ヘキシルペルオキシピバレート(実施例1)、t−ブチルペルオキシピバレート(実施例2)、3,5,5−トリメチルヘキサノイルペルオキサイド(実施例3)及び1,1−ビス(t−ヘキシルペルオキシ)−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン(実施例4)をそれぞれ0.5質量%添加し、実施例1〜実施例4の非水電解質二次電池を作製した。また、前記非水電解質中に添加剤として、VCは添加せず、有機過酸化物であるt−ヘキシルペルオキシピバレートを0.5質量%添加して実施例5の非水電解質二次電池を作製した。
次に、前記非水電解質中に添加剤としてVCを1質量%添加して比較例1の非水電解質二次電池を、また、前記非水電解中に添加剤を何も添加せず、前記非水電解液をそのまま用いて比較例2の非水電解質二次電池を作製した。
<充放電条件>
上述のようにして作製した実施例1〜5及び比較例1、2の各非水電解質二次電池のそれぞれについて、以下に示した充放電条件下で各種充放電試験を行った。
<3It放電特性の測定>
まず最初に、各電池について、25℃において、1It=600mAの定電流で充電し、電池電圧が4.2Vに達した後は4.2Vの定電圧で充電電流が30mAとなるまで充電した。その後、10分間の休止時間を挟んで、0.2It=120mAの定電流で電池電圧が2.75Vになるまで放電を行い、このときの放電容量を0.2It放電容量として求めた。別途同様に充電した電池について3It=1800mAの定電流で電池電圧が2.75Vとなるまで放電させてこの時の放電容量を3It放電容量として求め、以下の計算式により3It放電特性を求めた。結果をまとめて表1に示す。
3It放電特性(%)=(3It放電容量/0.2It放電容量)×100
<−20℃放電特性>
−20℃での放電特性の測定は以下のようにして行った。まず最初に、各電池について、25℃において、1It=600mAの定電流で充電し、電池電圧が4.2Vに達した後は4.2Vの定電圧で充電電流が30mAとなるまで充電した。その後、10分間放置後、25℃において、1It=600mAの定電流で電池電圧が2.75Vになるまで放電を行い、このときの放電容量を25℃放電容量として求めた。別途前述のように充電した各電池を−20℃に維持された恒温槽内に入れ、この恒温槽内で10分間放置した後に1It=600mAの定電流で電池電圧が2.75Vになるまで放電を行い、このときの放電容量を−20℃放電容量として求め、以下の計算式により−20℃放電特性を求めた。結果をまとめて表1に示す。
−20℃放電特性(%)=(−20℃放電容量/25℃放電容量)×100
<80℃充電保存時厚み変化の測定>
まず最初に、各電池について、25℃において、1It=600mAの定電流で充電し、電池電圧が4.2Vに達した後は4.2Vの定電圧で充電電流が30mAとなるまで充電し、充電後の各電池の厚みをマイクロメータで測定した。その後、充電状態の各電池を80℃に維持された恒温槽内で4日間放置し、取り出した各電池の厚みをマイクロメータにより測定し、先に測定した充電直後の各電池の厚みとの差異を測定した。結果をまとめて表1に示す。
Figure 2005276776
前記表1に示した結果から、以下のことがわかる。すなわち、非水電解質中に添加剤を何も添加しない比較例2の非水電解質二次電池と対比すると、VCのみを添加した比較例1では、3It放電特性及び−20℃放電特性は僅かに増えているが、80℃充電保存時の厚みは増加量が非常に増大している。
これに対し、非水電解質中に添加剤としてVC1質量%、及び、有機過酸化物であるt−ヘキシルペルオキシピバレート、t−ブチルペルオキシピバレート、3,5,5−トリメチルヘキサノイルペルオキサイド又は1,1−ビス(t−ヘキシルペルオキシ)−3,5,5−トリメチルシクロヘキサンをそれぞれ0.5質量%添加した実施例1〜実施例4の非水電解質二次電池では、3It放電特性及び−20℃放電特性は比較例1及び比較例2のものよりも大幅に向上していると共に、80℃充電保存時の厚みの増加量はより小さくなっている。
更に、非水電解質中に添加剤として、VCは添加せず、有機過酸化物であるt−ヘキシルペルオキシピバレートのみを0.5質量%添加した実施例5の非水電解質二次電池では、3It放電特性及び−20℃放電特性は比較例1及び比較例2のものよりも僅かに向上していると共に、80℃充電保存時の厚みの増加量はかなり減少している。
以上の表1の結果をまとめると、非水電解質中に添加剤として有機過酸化物を単独で添加すると、3It放電特性及び−20℃放電特性は改善され、80℃充電保存時の厚みの増加も少ないが、有機過酸化物とVCを共存させると、3It放電特性及び−20℃放電特性は大幅に改善され、80℃充電保存時の厚みの増加も最も少なくなることが分かる。このことは、VCが存在しない場合でも有機過酸化物の添加により何等かの反応が生じてリチウムイオン電導性に優れたSEI被膜が得られていることを示し、また、VCが存在している場合は、VCそのものの存在によるリチウムイオン電導性に優れたSEI被膜の生成と共に、VCと有機過酸化物との間に何等かの作用が生じて新たな物性を有するSEI被膜が生じていることを示しているものと思われる。
<実施例6〜13、比較例3>
実施例6〜13及び比較例3としては、非水電解質の添加剤としてVC添加量を一定とした場合の有機過酸化物添加量の影響を調べた。まず、VCの添加量を1.0質量%一定とし、有機過酸化物としてt−ヘキシルペルオキシピバレートを用い、有機過酸化物添加量が0質量%のものを比較例3とし、有機過酸化物添加量を0.001質量%〜7質量%まで8段階に変化させて実施例6〜13の非水電解質二次電池を作製した。これらの9種類の非水電解質二次電池について実施例1〜5及び比較例1、2の場合と同様にして3It放電特性、−20℃放電特性及び80℃充電保存時の厚み変化を測定した。結果をまとめて表2に示す。
Figure 2005276776
表2に示した結果から、VC添加量が1質量%一定の場合、有機過酸化物としてのt−ヘキシルペルオキシピバレートの添加による効果は次のとおりであることがわかる。80℃充電保存時の厚みの増加量は、0.001質量%の添加で小さくなりだし、0.01質量%以上の添加で急に小さくなっている。しかし、0.5質量%を超えると徐々にその厚みは増加しだし、7質量%の添加で0.001質量%添加した場合と同程度となる。
一方、3It放電特性及び−20℃放電特性は、0.001質量%の添加では無添加の場合と変わらないが、0.01質量%以上の添加で急に良好となる。しかし、0.5質量%を超えると徐々にその効果は低下し、7質量%の添加では0.001質量%添加した場合よりも僅かに良好な結果となる。
以上の点をまとめると、有機過酸化物としてのt−ヘキシルペルオキシピバレートの添加量は、0.001質量%〜7質量%が好ましく、更に好ましくは0.01質量%〜5質量%であり、より好ましくは0.1質量%〜3質量%であることが分かる。
<実施例14〜20>
実施例14〜20としては、非水電解質の添加剤として有機過酸化物添加量を一定とした場合のVC添加量の影響を調べた。まず有機過酸化物としてt−ヘキシルペルオキシピバレート添加量を0.5質量%一定とし、VCの添加量を0質量%〜7質量%まで7段階に変化させて実施例14〜20の7種類の非水電解質二次電池を作製した。これらの7種類の非水電解質二次電池について実施例1〜3及び比較例1、2の場合と同様にして3It放電特性、−20℃放電特性及び80℃充電保存時の厚み変化を測定した。結果をまとめて表3に示す。
Figure 2005276776
表3に示した結果から、有機過酸化物としてのt−ヘキシルペルオキシピバレート添加量が0.5質量%と一定の場合、VCの添加による効果は次のとおりであることがわかる。VCが無添加であっても、表1に示した有機過酸化物が含まれていない比較例2の結果と対比すると明らかなように、3It放電特性、−20℃放電特性及び80℃充電保存時の厚み変化共に良好な結果となっている。一方、80℃充電保存時の厚み変化は、0.01質量%のVC添加で減少が認められだし、添加量が0.01質量%を超えると急に小さくなっている。しかし、VC添加量が0.1質量%を超えると徐々にその厚みは増加しだし、7質量%の添加で無添加の場合と同程度となる。
3It放電特性は、0.01質量%のVC添加では無添加の場合と同程度の効果しか得られず、添加量が0.01質量%を超えると徐々に良好となる。また、VC添加量が1質量%を超えると徐々にその効果は低下するが、7質量%の添加でも無添加の場合よりも良好な効果を奏している。
−20℃放電特性は、0.01質量%のVC添加で認められだし、0.01質量%を超えると急に良好となる。また、VC添加量が1質量%を超えると徐々にその効果は低下するが、7質量%の添加でも無添加の場合よりも良好な効果を奏している。
以上の結果をまとめると、有機過酸化物としてのt−ヘキシルペルオキシピバレート添加量が0.5質量%と一定の場合、VCは含まれていなくても良いが、VCを添加するのであれば0.01質量%〜7質量%が好ましく、より好ましくは0.1質量%〜5質量%であることが分かる。
なお、以上の実施例では有機過酸化物としてt−ヘキシルペルオキシピバレート、t−ブチルペルオキシピバレート、3,5,5−トリメチルヘキサノイルペルオキサイド、1,1−ビス(t−ヘキシルペルオキシ)−3,5,5−トリメチルシクロヘキサンを使用したものを例示したが、これ以外にも重合開始剤として慣用的に用いられている有機過酸化物、例えば、1,1,3,3−テトラメチルブチルペルオキシネオデカノエート、t−ブチルペルオキシネオデカノエート、t−ヘキシルペルオキシ2−エチルヘキサノエート、t−ヘキシルペルオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ヘキシルペルオキシベンゾエート、t−ヘキシルペルオキシネオデカノエート、3,5,5−トリメチルヘキサノイルペルオキサイド、1,1−ビス(t−ヘキシルペルオキシ)−3,5,5−トリメチルシクロヘキサンよりなる群から選択される少なくとも1種を使用し得る。
なお、実施例1〜20の全てにおいて液状非水溶媒系電解液を使用した例のみを示したが、本発明の効果は負極の界面のSEIで生じる現象であるため、電解液の性状により変わるものではないので、前記非水溶媒系電解液が既に重合したポリマー材料に対して注液される場合も同様の効果が奏されることは当業者にとり自明であろう。

Claims (6)

  1. 正極及び負極がセパレータを挟んで積層されかつ内部に非水電解質が注入された電極体と、前記電極体を収納する外装体とからなる非水電解質二次電池において、前記電解液中に有機過酸化物(前記有機過酸化物が重合開始剤として作用することにより、有機電解液がゲル状に変化するものを除く)を含有していることを特徴とする非水電解質二次電池。
  2. 前記非水電解質中の有機過酸化物の添加量が0.001質量%〜7質量%であることを特徴とする請求項1に記載の非水電解質二次電池。
  3. 前記有機過酸化物が、t−ヘキシルペルオキシピバレート、t−ブチルペルオキシピバレート、3,5,5−トリメチルヘキサノイルペルオキサイド、1,1−ビス(t−ヘキシルペルオキシ)−3,5,5−トリメチルシクロヘキサンよりなる群から選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項1又は2に記載の非水電解質二次電池。
  4. 前記非水電解質中に更にビニレンカーボネートが添加されていることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の非水電解質二次電池。
  5. 前記非水電解質中のビニレンカーボネート添加量が0.01質量%〜7質量%であることを特徴とする請求項4に記載の非水電解質二次電池。
  6. 前記外装体がアルミニウムラミネートフィルムであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の非水電解質二次電池。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010040516A (ja) * 2008-07-11 2010-02-18 Ube Ind Ltd 非水電解液及びそれを用いたリチウム電池
WO2013191790A1 (en) * 2012-06-19 2013-12-27 E. I. Du Pont De Nemours And Company Electrochemical cells comprising electrolyte additives and ionomer articles, |and methods for making and using the same

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