JP2005276735A - 放電灯点灯装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 寿命末期等の不良の放電灯の識別を容易に行うことができ、かつ、保護用の回路を動作させて安全に停止することができる放電灯点灯装置を提供する。
【解決手段】 直流電源1から供給される直流電流を、放電灯7、11の通常点灯時における点灯周波数又は点灯周波数よりも高い周波数の高周波電流に変換駆動するインバータ回路等の変換回路と、点灯周波数よりも高い周波数で駆動した場合に、正常な放電灯は点灯を継続し、不良の放電灯は消灯するように回路定数が設定され、複数の放電灯を点灯制御する、並列に接続された複数の放電灯負荷回路L100、L110と、複数の放電灯7、11の両端の電圧に基づいて異常放電を検出する±検出回路D100と、±検出回路D100が少なくとも1つの放電灯の異常放電を検出すると、点灯周波数よりも高い周波数で所定時間駆動させた後に停止させる保持回路H100等の判断回路とを備えている。
【選択図】 図1
【解決手段】 直流電源1から供給される直流電流を、放電灯7、11の通常点灯時における点灯周波数又は点灯周波数よりも高い周波数の高周波電流に変換駆動するインバータ回路等の変換回路と、点灯周波数よりも高い周波数で駆動した場合に、正常な放電灯は点灯を継続し、不良の放電灯は消灯するように回路定数が設定され、複数の放電灯を点灯制御する、並列に接続された複数の放電灯負荷回路L100、L110と、複数の放電灯7、11の両端の電圧に基づいて異常放電を検出する±検出回路D100と、±検出回路D100が少なくとも1つの放電灯の異常放電を検出すると、点灯周波数よりも高い周波数で所定時間駆動させた後に停止させる保持回路H100等の判断回路とを備えている。
【選択図】 図1
Description
この発明は、放電灯点灯装置に関するものである。特に、インバータ回路による高周波電力によって放電灯を点灯させる放電灯点灯装置において、不良の放電灯の異常放電に対する保護に関するものである。
従来の放電灯点灯装置において、放電灯寿命末期におけるエミレス(エミッターレス)状態を検出し、表示を行った上で、放電灯の点灯継続を行う装置が開示されている(例えば、特許文献1参照)。ただ、放電灯が寿命末期になった状態で点灯継続するのは、放電灯の整流点灯状態により点灯回路に過剰なストレスがかかる。そこで、放電灯が寿命末期等、不良の状態であることを検出回路が検出すると、インバータ回路への電源供給を停止する保護回路を設けた放電灯点灯装置も開示されている(例えば、特許文献2参照)。
特開昭64−54696号公報
特開2002−203691号公報
しかし、上記の特許文献2のような保護回路を設けた放電灯点灯装置の場合には、検出回路が放電灯が不良の状態であることを検出すると、インバータ回路への電源供給を完全に停止してしまうため、並列的に接続されている複数の放電灯が全て消灯してしまう。そのため、寿命末期になった放電灯の識別が困難で、正常放電灯との交換しようとする場合には、放電灯の外観の汚れなどを手掛かりにして、試行錯誤的な段取りで行なわざるを得ない問題があった。
また、特許文献1の場合であっても、予熱状態と点灯状態との繰り返しにより、複数の放電灯が、正常、不良状態にかかわらず所定回数点滅してエミレス表示を行い、その後、点灯状態を維持するようにしているので、寿命末期になった放電灯の識別が困難である。
この発明は、上記のような従来装置の問題点を解決するためになされたもので、複数の放電灯負荷回路を並列的に接続可能な放電灯点灯装置において、寿命末期等の不良の放電灯の識別を容易に行うことができ、かつ、保護用の回路を動作させて安全に停止することができる放電灯点灯装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明に係る放電灯点灯装置は、直流電源から供給される直流電流を、放電灯の通常点灯時における点灯周波数又は点灯周波数よりも高い周波数の高周波電流に変換駆動する変換回路と、変換回路が点灯周波数よりも高い周波数で駆動した場合に、点灯状態にある正常な放電灯は点灯を継続し、不良の放電灯は消灯するように回路定数が設定され、複数の放電灯をそれぞれ点灯制御する、並列に接続された複数の放電灯負荷回路と、複数の放電灯の両端の電圧に基づいて異常放電を検出する検出回路と、検出回路が少なくとも1の放電灯の異常放電を検出すると、変換回路を点灯周波数よりも高い周波数で所定時間駆動させた後に停止させる判断回路とを備えたものである。
この発明によれば、点灯周波数よりも高い周波数で駆動した場合に、正常な放電灯の点灯は継続する一方で不良の放電灯を消灯するように回路定数を設定し、複数の放電灯の両端の電圧に基づいて、そのうち1つでも異常と検出すると、点灯周波数よりも高い周波数で所定時間駆動した後に、駆動を停止することにより、不良の放電灯だけが消灯する識別期間(所定時間)の後、動作を安全に停止できる。このため、インバータ回路の停止後に正常な放電灯に交換をする場合でも、従来のように、放電灯の外観や汚れなどを手掛かりに、試行錯誤的な作業を行う必要がなく複数の放電灯の中から不良の放電灯のみを選んで、時間の無駄なく効率良く正常な放電灯に交換できる。
実施の形態1.
図1はこの発明の第1の実施の形態における放電灯を含む放電灯点灯装置の構成を示す回路図である。図1において、直流電源1は、例えば商用電源を整流後、コンデンサで平滑して得られるものである。インバータ回路はMOSFETからなるスイッチング素子2及び3で構成される。
図1はこの発明の第1の実施の形態における放電灯を含む放電灯点灯装置の構成を示す回路図である。図1において、直流電源1は、例えば商用電源を整流後、コンデンサで平滑して得られるものである。インバータ回路はMOSFETからなるスイッチング素子2及び3で構成される。
図2は直流電源1の構成例を表す図である。図2に示すように、商用電源1aである交流電源は、ダイオードブリッジ1bで全波整流された後、平滑コンデンサ1cで平滑化され、直流電源1として負荷回路(放電灯点灯装置を構成する回路)に出力されるように構成される。
放電灯負荷回路L100は、チョークコイル6、点灯対象となる放電灯7及び放電灯7に並列に接続されたコンデンサ8で構成され、その1端はカップリングコンデンサ5を介してスイッチング素子2と3の接続点に、他端は直流電源1の負極に接続される。なお、スイッチング素子2及び3のドレイン・ソース間に逆方向に内蔵されているダイオードについては図示を省略している。
放電灯負荷回路L110も放電灯負荷回路L100と同一の構成であり、チョークコイル10、放電灯11及び放電灯11に並列に接続されたコンデンサ12で構成される。放電灯負荷回路L110と放電灯負荷回路L100とは並列に接続されている。
発振制御回路4は、直流電源1の負極と出力端子D2間の電圧でスイッチング素子3を、Vs端子と出力端子D1間の電圧でスイッチング素子2を交互にON/OFF駆動する。発振制御回路4によるスイッチング素子2,3のON/OFFのタイミングは、後述する予熱タイマ回路PH100のNPNトランジスタ18のON又はOFF状態に依存する。ここで、図1中のVcc記号は、他の回路(図示せず)から供給される制御回路駆動電圧を示している(以下、Vccと接続されるとは、制御回路と接続されてVccの電圧が印加される(他の素子が間に接続されている場合はその分の電圧降下が生じる)ことを意味するものとする)。
予熱タイマ回路PH100は、直流電源1が投入された時に、放電灯7、11が有するフィラメントの予熱等を行うための予熱周波数で、一定時間、発振制御回路4に発振させるための回路である。ここで予熱周波数はいわゆる全光時の点灯周波数よりも高い周波数である。点灯周波数とは放電灯7、11が点灯している状態において発振制御回路4が発振する周波数である。本実施の形態では、予熱タイマ回路PH100は、点灯前だけでなく、放電灯7、11が点灯状態にあり、発振制御回路4が点灯周波数で発振している状態においても、異常放電等が検出された際に、発振制御回路4の発振周波数を予熱周波数に設定するための周波数設定回路としても機能する。インバータ回路、発振制御回路4及び予熱タイマ回路PH100で変換回路を構成する。
抵抗15の一端は発振制御回路4のRt端子に、他端はCt端子に接続される。また、Ct端子と直流電源1の負極間にコンデンサ16が接続される。さらにコンデンサ17の一端は発振制御回路4のCt端子に、他端はNPNトランジスタ18のコレクタに接続される。NPNトランジスタ18のエミッタは直流電源1の負極に、ベースは抵抗20及び抵抗21を介してVccに接続される。そして、NPNトランジスタ18のベース−エミッタ間には抵抗19が接続される。また、電解コンデンサ23の一端は抵抗21と22(20)の接続点に、他端は直流電源1の負極間に接続される。そして、抵抗22の一端は抵抗21と20の接続点に、他端はダイオード51のアノードに接続される。さらに、ダイオード51のカソードは後述する保持回路H100のサイリスタ53のアノードに接続される。
NPNトランジスタ18がOFFの期間、発振制御回路4は予熱周波数で発振し、その周波数は抵抗15の抵抗とコンデンサ16の容量の積に概略反比例する。一方、NPNトランジスタ18がONの期間は通常の点灯周波数で発振し、その周波数はコンデンサ16及び17の容量の和と抵抗15の抵抗との積に概略反比例する。
ここで、放電灯7及び11が正常な状態であれば、点灯前に予熱周波数で駆動しても点灯せず、また、点灯状態のときに予熱周波数で駆動すると点灯が継続されるように放電灯負荷回路L100及びL110における共振のための回路定数を予熱周波数との関係で設定しておく。また、放電灯が不良の場合には予熱周波数で駆動すると消灯するように設定する。
±検出回路D100は、放電灯負荷回路L100及びL110の両端電圧の平均を検出するための回路である。放電灯7及び11が正常放電している場合には、コンデンサ33に印加される電圧(以下、検出電圧という)は概略0Vとなるが、放電灯7又は11の少なくともどちらか一方が、寿命末期時等により不良の場合には検出電圧は正又は負の電圧となる。抵抗31は、一端はカップリングコンデンサ5とチョークコイル6の接続点に、他端は抵抗32を介して直流電源1の負極に接続される。また、抵抗32にはコンデンサ33が並列に接続される。
信号変換回路CV100は、上記した±検出回路D100において負の電圧が検出されると、予め定めた範囲から外れた場合(負の絶対値が大きい場合)には正の高レベルの出力を、範囲内にある場合は低レベルの信号を出力する変換回路である。
抵抗44の一端はVccに、他端はNPNトランジスタ45のコレクタに接続される。また、NPNトランジスタ45のエミッタは直流電源1の負極に、ベースはダイオード42のカソードに接続される。また、ダイオード42のアノードは直流電源1の負極に接続される。抵抗41はVccとNPNトランジスタ45のベースとの間に接続される。さらに、コンデンサ43はダイオード42と並列に接続される。
ツェナーダイオード35のカソードはNPNトランジスタ45のベースに、そのアノードはダイオード34のアノードに接続される。一方、ダイオード34のカソードは抵抗31と32の接続点に接続される。ダイオード46のアノードはNPNトランジスタ45のコレクタに、カソードは後述する保持回路H100の抵抗56とツェナーダイオード37のアノードに接続される。
ここで、ツェナー電圧が次式(1)を満足するようにツェナーダイオード35を選定する。なお、その場合Vs1が0Vより十分低い電圧となるようにする。
−V33<Vs1=0−(Vz35 +VF34 )<0 …(1)
(1)式に記載された記号は以下のものを示している。
Vz35 :ツェナーダイオード35のツェナー電圧
VF34 :ダイオード34の順方向電圧(約0.6V)
−V33:放電灯7又は11において、カップリングコンデンサ5側にあるフィラメントの放電灯寿命末期時の放電物質消耗等の原因による不良時のコンデンサ33での検出電圧
−V33<Vs1=0−(Vz35 +VF34 )<0 …(1)
(1)式に記載された記号は以下のものを示している。
Vz35 :ツェナーダイオード35のツェナー電圧
VF34 :ダイオード34の順方向電圧(約0.6V)
−V33:放電灯7又は11において、カップリングコンデンサ5側にあるフィラメントの放電灯寿命末期時の放電物質消耗等の原因による不良時のコンデンサ33での検出電圧
放電灯7及び11が正常な状態であれば検出電圧は概略0Vであり、NPNトランジスタ45のコレクタは低レベル(直流電源1の負極側の電圧)になる。逆に、1以上の放電灯が寿命末期等の不良状態になり、検出電圧が上記(1)式を満足する−V33になるとトランジスタ45のコレクタは高レベルになる。
保持回路H100は±検出回路D100で検出された信号レベルの識別判定を行い、異常の信号レベルの場合にはインバータ回路の発振を停止させて停止状態を保持継続する回路である。少なくとも保持回路H100と後述する遅延タイマ回路DL100とで判断回路を構成する。保持回路H100において、サイリスタ53のカソードは直流電源1の負極に、アノードは抵抗52を介してVccに接続される。サイリスタ53のゲートとカソードとの間に抵抗54及びコンデンサ55が接続される。サイリスタ53のゲートから抵抗56を介してツェナーダイオード37のアノードに接続される。ダイオード36のカソードはツェナーダイオード37のカソードに、アノードは抵抗31と32の接続点に接続される。
ここで、ツェナーダイオード37については、ツェナー電圧を次式(2)を満足するように選定する。なお、その場合Vs2が0Vより十分大きな電圧となるようにする。放電灯7及び11が正常な状態であれば検出電圧が概略0Vであるため、サイリスタ53のアノは高レベルである。一方、1以上の放電灯が寿命末期等の不良状態になり、検出電圧が上記(1)式を満足する+V33になると、サイリスタ53のアノードは低レベルになる。サイリスタ53のアノードが低レベルになれば、Vccから抵抗52を介して保持電流が流れるので、±検出回路D100での検出電圧に関わりなく、以降、サイリスタ53はON状態(低レベル)を継続する。
0<Vs2=VG53 +Vz37 +VF36 <+V33 …(2)
Vz37 :ツェナーダイオード37のツェナー電圧
VG53 :サイリスタ53のターンONゲート電圧
VF36 :ダイオード36の順方向降下電圧(約0.6V)
+V33:放電灯7又は11において、直流電源1の負極側にあるフィラメントの放電灯寿命末期時の放電物質消耗等の原因による不良時のコンデンサ33での検出電圧
Vz37 :ツェナーダイオード37のツェナー電圧
VG53 :サイリスタ53のターンONゲート電圧
VF36 :ダイオード36の順方向降下電圧(約0.6V)
+V33:放電灯7又は11において、直流電源1の負極側にあるフィラメントの放電灯寿命末期時の放電物質消耗等の原因による不良時のコンデンサ33での検出電圧
遅延タイマ回路DL100は、保持回路H100のサイリスタ53がON状態になった場合、まず、発振周波数を通常点灯周波数から予熱周波数に変更保持させる。次に予め定めた不良放電灯識別表示期間T1の後、発振制御回路4の発振周波数の駆動を停止させてインバータ回路の動作を停止させ、その状態を継続させる。ここで、不良放電灯識別表示期間T1は、電解コンデンサ64が蓄えることができる電荷量に応じて決まる期間である。
抵抗61の一端はサイリスタ53のアノードに、他端はNPNトランジスタ63のベースに接続される。NPNトランジスタ63のエミッタは直流電源1の負極に、コレクタは抵抗62を介してVccに接続される。NPNトランジスタ63のコレクタと直流電源1の負極間に電解コンデンサ64が接続される。電解コンデンサ64と並列に、抵抗66と65による直列回路が接続される。NPNトランジスタ67のエミッタは直流電源1の負極に、ベースは抵抗66と65との接続点に、コレクタは抵抗68を介してVccに接続される。ダイオード38のアノードは発振制御回路4のS端子に、カソードはNPNトランジスタ67のコレクタに接続される。ここで、S端子に低レベルの電圧が印加される(信号として入力される)と、発振制御回路4は発振を停止する。
図3は本実施の形態の放電灯点灯装置の動作説明図である。図3において、(a)はコンデンサ55の電圧波形、(b)はサイリスタ53の電圧波形、(c)はNPNトランジスタ63のコレクタ電圧波形、(d)はNPNトランジスタ67のコレクタ電圧波形を時間tの経過と共に表している。ここで、各波形は放電灯7又は11の状態に対応し、モード1は放電灯7及び11が正常な状態の場合を表し、モード2は、放電灯7が寿命末期等による不良の状態であり、放電灯11が正常な状態の場合を表している。
次に図1及び図3に基づいて本実施の形態の放電灯点灯装置の動作について説明する。図1において、直流電源1が投入されると、発振制御回路4によりスイッチング素子2及び3は交互にON/OFF駆動する。この時、インバータ回路の駆動周波数(発振制御回路4の発振周波数)はNPNトランジスタ18がOFFのため予熱周波数で駆動する。
Vccの電圧印加により抵抗21を介して電解コンデンサ23が充電され、NPNトランジスタ18がONになると、発振制御回路4は点灯周波数で発振を開始し、放電灯7及び11が通常点灯に至る。
まず、図3において放電灯7及び11のいずれも正常状態である、モード1の場合の動作について説明する。モード1の動作期間は、図3の時間t1からt2までの期間である。モード1では放電灯7及び11は共に正常なので、コンデンサ55の電圧は低レベル、サイリスタ53のアノードが高レベルであるため、正常放電状態が継続されることになる。
次に、図3において放電灯7が寿命末期、放電灯11が正常である、モード2の動作について説明する。モード2の動作説明期間は図3の時間t2からt3までの期間である。ここで、期間途中の時間t21において放電灯7が寿命末期等による不良状態になったものとする。したがって、直流電源1の投入から時間t21までの期間は上記モード1と同様に放電灯7及び11は正常点灯している。
時間t21で、放電灯7が不良状態になると±検出回路D100から正又は負の電圧が検出される。負の電圧であれば信号変換回路CV100で変換される。検出電圧によりコンデンサ55における電圧は図3(a)に示すように高レベルになる。時間t22において、ゲート電圧がON状態になるとサイリスタ53のアノードの電圧も図3(b)に示すように低レベルになる。サイリスタ53がON状態(低レベル)になると、電解コンデンサ23に充電されている電荷は抵抗22を介して放電される。そのため、時間t22においてNPNトランジスタ18はOFFになる。したがって、発振制御回路4は予熱周波数で発振する。この場合、正常状態である放電灯11は点灯を継続するが、寿命末期により不良状態の放電灯7は消灯する。予熱周波数で発振するので、放電灯負荷回路L100及びL110での共振の鋭さが小さくなり、インバータ回路に過大な電流が流れるのを防止することができる。
サイリスタ53がON状態(低レベル)になると、NPNトランジスタ63はOFFになり、電解コンデンサ64は抵抗62を介してVccにより充電される。充電されることにより、電解コンデンサ64の電圧は図3(c)に示すように上昇していく。そして、期間T1の経過後、NPNトランジスタ67がONしてそのコレクタは図3(d)に示すように低レベルになる。したがって発振制御回路4のS端子も低レベルになるため、発振制御回路4は発振を停止させ、インバータ回路も駆動停止する。
上記T1の期間はインバータ回路は予熱周波数で駆動するため、寿命末期等の不良の放電灯7は消灯し、正常である放電灯11は点灯継続する。そのため、期間T1を適当に選定し、それに合わせた電解コンデンサ64等を決定して設計することで、期間T1の間、放電灯が複数あっても、使用者は不良状態にある放電灯だけを間違いなく識別して交換することができる。また、上記期間T1が過ぎてインバータ回路が駆動停止した後でも、直流電源1を遮断した後に再投入すれば予熱の期間の後にモード2の状態となるため、何度でも繰り返し不良の放電灯を識別確認することができる。
以上のように本実施の形態によれば、複数の放電灯がインバータ回路に並列的に接続され、点灯前に予熱周波数で駆動しても点灯せず、また、点灯後に予熱周波数で駆動すると点灯が継続され、また、放電灯が不良の場合には予熱周波数で駆動すると消灯するように放電灯負荷回路の回路定数を設定しておき、1以上の放電灯が寿命末期等の不良状態になれば、発振制御回路4が点灯周波数だった発振周波数を予熱周波数に変更することにより、識別期間T1の間、不良の放電灯は消灯させ、正常な放電灯は点灯を継続させた後に、インバータ回路を停止させるようにしたので、不良の放電灯を容易に識別することができつつ、安全にインバータ回路の動作を停止することができる。このため、インバータ回路の停止後に、寿命末期等の不良の放電灯を正常な放電灯に交換しようとする場合に、従来のように放電灯の外観や汚れ等を手掛かりに、試行錯誤的な作業を行う必要がなく、複数の放電灯の中から不良放電灯のみを識別し、時間の無駄なく効率良く正常品に交換することができる。また、予熱周波数で駆動することにより、インバータ回路に過大な電流が流れるのを防止することができる。
実施の形態2.
上記の説明では、放電灯7が寿命末期等の不良、放電灯11が正常の場合について説明したが、放電灯7が正常、放電灯11が不良の場合も同様の効果があることは明らかである。また、上記説明では、放電灯が2灯の場合について説明したが、3灯以上の場合でも本発明が適用できることは明らかである。
上記の説明では、放電灯7が寿命末期等の不良、放電灯11が正常の場合について説明したが、放電灯7が正常、放電灯11が不良の場合も同様の効果があることは明らかである。また、上記説明では、放電灯が2灯の場合について説明したが、3灯以上の場合でも本発明が適用できることは明らかである。
実施の形態3.
上記の説明では、異常放電があることを検出した場合に、予熱周波数で発振させ、インバータ回路を駆動し、正常な放電灯の点灯を継続させ、不良の放電灯だけを消灯させるようにした。このような場合、点灯前のフィラメントの予熱を行う予熱周波数との兼用ができるので回路構成、周波数の制御を簡単にすることができる。ただ、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、異常放電を検出した場合に発振制御回路4が発振する周波数を、予熱周波数とは異なった、点灯周波数よりも高い周波数で発振することにより、上記と同様の放電灯の点灯制御を行うようにしてもよい。その場合は、その周波数との関係に合わせて放電灯負荷回路L100及び放電灯負荷回路L110の回路定数を設定する。
上記の説明では、異常放電があることを検出した場合に、予熱周波数で発振させ、インバータ回路を駆動し、正常な放電灯の点灯を継続させ、不良の放電灯だけを消灯させるようにした。このような場合、点灯前のフィラメントの予熱を行う予熱周波数との兼用ができるので回路構成、周波数の制御を簡単にすることができる。ただ、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、異常放電を検出した場合に発振制御回路4が発振する周波数を、予熱周波数とは異なった、点灯周波数よりも高い周波数で発振することにより、上記と同様の放電灯の点灯制御を行うようにしてもよい。その場合は、その周波数との関係に合わせて放電灯負荷回路L100及び放電灯負荷回路L110の回路定数を設定する。
また、インバータ回路は上記構成のものに限らず、同等の機能を持つ他の構成のものでも良いことは明らかである。さらに、±検出回路D100、信号変換回路CV100、保持回路H100、遅延タイマ回路DL100、及び予熱タイマ回路PH100についても上記に記載の構成のものに限らず、同等の機能を持つ他の回路構成のものでも良いことは明らかである。
1:直流電源 2、3:スイッチング素子 4:発振制御回路 5:カップリングコンデンサ 6、10:チョークコイル 7、11:放電灯 8、12、16、17、33、43、55:コンデンサ 15、19、20、22、31、32、41、44、52、54、56、61、62、65、66、68:抵抗 18、45、63、67:NPNトランジスタ 23、64:電解コンデンサ 35、37:ツェナーダイオード 38、42、46、51:ダイオード 53:サイリスタ L100、L110:放電灯負荷回路 Vcc:制御回路駆動電圧 D100:±検出回路 PH100:予熱タイマ回路 H100:保持回路 DL100:遅延タイマ回路 CV100:信号変換回路。
Claims (5)
- 直流電源から供給される直流電流を、放電灯の通常点灯時における点灯周波数又は該点灯周波数よりも高い周波数の高周波電流に変換駆動する変換回路と、
該変換回路が前記点灯周波数よりも高い周波数で駆動した場合に、点灯状態にある正常な放電灯は点灯を継続し、不良の放電灯は消灯するように回路定数が設定され、複数の放電灯をそれぞれ点灯制御する、並列に接続された複数の放電灯負荷回路と、
前記複数の放電灯の両端の電圧に基づいて異常放電を検出する検出回路と、
該検出回路が少なくとも1の放電灯の異常放電を検出すると、前記変換回路を前記点灯周波数よりも高い周波数で所定時間駆動させた後に停止させる判断回路と
を備えたことを特徴とする放電灯点灯装置。 - 前記点灯周波数よりも高い周波数は、前記複数の放電灯を点灯する前の予熱に用いられる予熱周波数であることを特徴とする請求項1記載の放電灯点灯装置。
- 前記検出回路は、前記少なくとも1つの放電灯の両端の電圧の平均が所定の範囲を越えた場合に、異常放電を検出することを特徴とする請求項1記載の放電灯点灯装置。
- 前記変換回路は、
前記点灯周波数で駆動するか又は該点灯周波数よりも高い周波数で駆動するかを設定する周波数設定回路と、
該周波数設定回路の設定に基づいた周波数で発振する発振制御回路と、
前記直流電源から供給される直流電流を、前記発振制御回路の発振に応じた高周波電流に変換駆動するインバータ回路と
で構成されることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の放電灯点灯装置。 - 前記判断回路は、
前記検出回路の検出に基づいて、前記点灯周波数よりも高い周波数での駆動を前記周波数設定回路に設定させる保持回路と、
前記発振制御回路を所定時間発振させた後に停止させる遅延タイマ回路と
で構成されることを特徴とする請求項4記載の放電灯点灯装置。
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