JP2005273961A - 燃焼装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 コンパクトな燃焼室でも安定して燃焼させ得る燃焼装置を提供する。
【解決手段】 円筒状の燃焼筒1の先端側に、複数のガス噴出部3が燃焼筒周方向に分散する状態で設けられ、送風手段13からの燃焼用空気が導入される有底円筒状の風箱Wが、その底壁8bとそれに対向する燃焼筒1の後端開口縁1Eとの間に空気導入用間隙11を形成する状態で且つ燃焼筒1と同心状又は略同心状となる状態で、燃焼筒1の後端側部分を囲むように設けられ、複数のガス噴出部3から噴出されるガス燃料を、燃焼筒1内を通流して燃焼筒1の先端から吐出される燃焼用空気にて燃焼させるように構成された燃焼装置であって、風箱Wが、送風手段13からの燃焼用空気が燃焼筒1の外周部を旋回する状態で導入されるように構成され、空気導入用間隙11が、その空気導入用間隙11を通して燃焼筒1内に導入される燃焼用空気導入量の周方向における差を小さくすべく、周方向において異なる広さの部分が存在するように形成されている。
【選択図】 図2

Description

本発明は、円筒状の燃焼筒の先端側に、複数のガス噴出部が燃焼筒周方向に分散する状態で設けられ、
送風手段からの燃焼用空気が導入される有底円筒状の風箱が、その底壁とそれに対向する前記燃焼筒の後端開口縁との間に空気導入用間隙を形成する状態で且つ前記燃焼筒と同心状又は略同心状となる状態で、前記燃焼筒の後端側部分を囲むように設けられ、
前記複数のガス噴出部から噴出されるガス燃料を、前記燃焼筒内を通流して前記燃焼筒の先端から吐出される燃焼用空気にて燃焼させるように構成された燃焼装置に関する。
かかる燃焼装置は、送風手段からの燃焼用空気が導入される有底円筒状の風箱を、その底壁とそれに対向する燃焼筒の後端開口縁との間に空気導入用間隙を形成する状態で且つ燃焼筒と同心状又は略同心状となる状態で、燃焼筒後端側の部分を囲むように設けて、送風手段から風箱に導入された燃焼用空気を空気導入用間隙を通して燃焼筒内に導入して、燃焼筒を通流させてその先端から吐出させるようにし、その燃焼筒の先端から吐出される燃焼用空気にて、燃焼筒周方向に分散する複数のガス噴出部から噴出されるガス燃料を燃焼させるようにしたものである。
つまり、複数のガス噴出部により燃焼筒周方向に分散した位置からガス燃料を噴出することにより、噴出ガス燃料流の周囲に負圧域(周囲よりも圧力が低い域)を形成して、噴出ガス燃料流に燃焼ガスを巻き込むようにして、ガス燃料を燃焼速度を遅くして緩慢燃焼させるようにして、火炎温度を低下させて低NOx化を図るようになっている。
このような燃焼装置において、従来、空気導入用間隙を、その広さ(風箱の底壁と燃焼筒の後端開口縁との間隔)が燃焼筒周方向全周にわたって均等になるように形成していた。
つまり、燃焼筒周方向全周にわたってガス燃料を安定して燃焼させるという目的から、空気導入用間隙を通して燃焼筒内に導入される燃焼用空気導入量の周方向における差を小さくすべく、空気導入用間隙の広さを燃焼筒周方向全周にわたって均等にしていたのである(例えば、特許文献1参照。)。
実開平2−62223号公報(第1図)
ところで、このような燃焼装置では、燃焼状態の監視のため、火炎を検出する火炎検出器を設ける必要があり、その火炎検出器は、燃焼筒の後端側からその燃焼筒内を通して前方を見通すように風箱の底壁に設けて、火炎を検出することになる。
又、このような燃焼装置を設置する燃焼装置設置対象装置(例えば、ボイラや炉等)では、そのコンパクト化のために、燃焼室をコンパクト化するという要求があり、そのような要求に対応するには、コンパクトな燃焼室(特に、奥行を短くした燃焼室)内でも燃焼装置を安定燃焼させることが可能なようにする必要がある。
つまり、火炎を燃焼筒の前方で長い範囲にわたって形成すると、火炎がボイラの水管等の加熱対象物に接触して冷却されて燃焼が不安定になる虞があるので、コンパクトな燃焼室内にて安定燃焼させるには、燃焼筒前方の短い範囲で燃焼を完結させるようにする必要がある。
そして、燃焼筒前方の短い範囲で燃焼を完結させるようにするには、燃焼筒内に旋回羽根を設けて、その旋回羽根により燃焼用空気を燃焼筒内を旋回する状態で通流させて、燃焼用空気を燃焼筒の先端から旋回する状態で吐出させて、火炎を燃焼筒周方向一方側に傾くように形成して、燃焼筒前方の短い範囲で燃焼を完結させるようにすることが考えられる。
このように旋回羽根にて燃焼用空気を旋回させる場合、燃焼筒の軸芯に対する旋回羽根の羽根体の傾斜角度を大きくするほど燃焼用空気を旋回させる旋回角度(即ち、燃焼用空気の流動方向が燃焼筒周方向に傾く角度に定義する)を大きくすることが可能になるものの、羽根体の傾斜角度を大きくすると、燃焼筒の後方側から燃焼筒内を通して前方を見る場合、羽根体同士が重なりあって前方を見通せなくなる。
一方、火炎検出器は、燃焼筒の後端側からその燃焼筒内を通して前方を見通すように設けて火炎を検出する必要があるが、燃焼用空気の旋回角度を大きくすべく、燃焼筒内を通して前方を見て羽根体同士が重なり合う程度にまで羽根体の傾斜角度を大きくすると、火炎検知器にて火炎を検出することができなくなるので、羽根体の傾斜角度を大きくして燃焼用空気の旋回角度を大きくするにも限度がある。
従って、燃焼筒内に旋回羽根を設ける場合は、燃焼用空気の旋回角度を大きくするにも限度があり、火炎を燃焼筒周方向一方側に傾くように形成するにしても、その傾斜角度を十分に大きくすることができないので、燃焼室を十分にコンパクト化することができない。
本発明は、かかる実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、コンパクトな燃焼室でも安定して燃焼させ得る燃焼装置を提供することにある。
本発明の燃焼装置は、円筒状の燃焼筒の先端側に、複数のガス噴出部が燃焼筒周方向に分散する状態で設けられ、
送風手段からの燃焼用空気が導入される有底円筒状の風箱が、その底壁とそれに対向する前記燃焼筒の後端開口縁との間に空気導入用間隙を形成する状態で且つ前記燃焼筒と同心状又は略同心状となる状態で、前記燃焼筒の後端側部分を囲むように設けられ、
前記複数のガス噴出部から噴出されるガス燃料を、前記燃焼筒内を通流して前記燃焼筒の先端から吐出される燃焼用空気にて燃焼させるように構成されたものであって、
第1特徴構成は、前記風箱が、前記送風手段からの燃焼用空気が前記燃焼筒の外周部を旋回する状態で導入されるように構成され、
前記空気導入用間隙が、その空気導入用間隙を通して前記燃焼筒内に導入される燃焼用空気導入量の周方向における差を小さくすべく、周方向において異なる広さの部分が存在するように形成されている点を特徴とする。
即ち、風箱により導入されて燃焼筒の外周部を旋回状態で通流する燃焼用空気は、燃焼用空気導入量の周方向における差を小さくすべく周方向において異なる広さの部分が存在するように形成されている空気導入用間隙を通じて、周方向での導入量のバラツキが小さくなる状態で燃焼筒内に導入され、そして、燃焼用空気は、燃焼筒内を旋回状態で通流して燃焼筒の先端から周方向での吐出量のバラツキが小さくなる状態で燃焼筒周方向一方側に傾く方向に吐出されるので、そのように吐出される燃焼用空気にて、複数のガス噴出部から噴出されるガス燃料は、火炎が燃焼筒周方向一方側に傾いて形成される状態で周方向全周にわたって安定して燃焼する。
つまり、燃焼用空気を風箱内にその接線方向又は略接線方向外方からその内周面に沿って旋回させるように導入して、燃焼用空気を空気導入用間隙を通して燃焼筒内に導入しつつ燃焼筒の外周部を旋回させることにより、燃焼用空気を十分に大きい旋回角度にて燃焼筒内を旋回する状態で筒先端側に通流させて、燃焼筒の先端から燃焼筒周方向一方側に十分に大きい傾斜角度で傾く方向に吐出させることが可能となるので、火炎を燃焼筒周方向一方側に十分に大きい傾斜角度にて傾けて形成することが可能となる。
そして、燃焼用空気をそのように燃焼筒の外周部を旋回させながら空気導入用間隙を通して燃焼筒内に導入させるにしても、空気導入用間隙は、燃焼用空気導入量の周方向における差を小さくすべく周方向において異なる広さの部分が存在するように形成して、空気導入用間隙を通して燃焼用空気を周方向での導入量のバラツキを小さくする状態で燃焼筒内に導入させるようにしてあるので、燃焼用空気を燃焼筒の先端から周方向での吐出量のバラツキを小さくする状態で燃焼筒周方向一方側に傾く方向に吐出させて、燃焼筒周方向に分散する複数のガス噴出部から噴出されるガス燃料を周方向全周にわたって安定して燃焼させることが可能になるのである。
つまり、燃焼用空気は、風箱の内周面と燃焼筒の外周面との間に導入されて、空気導入用間隙を通過して燃焼筒内に導入されつつ空気導入用間隙の周りを旋回することになり、空気導入用間隙において、その周囲を旋回する燃焼用空気の圧力が高い部分(換言すれば、流速が速い部分)は燃焼用空気が通過し易く、燃焼用空気の圧力の低い部分(換言すれば、流速が遅い部分)は燃焼用空気が通過し難い。そこで、周方向において、周囲を旋回する燃焼用空気の圧力が高い部分は狭くし、周囲を旋回する燃焼用空気の圧力が低い部分は広くする状態で、空気導入用間隙を周方向において異なる広さの部分が存在するように形成することにより、空気導入用間隙を通じての燃焼筒への燃焼用空気導入量の周方向でのバラツキを小さくすることが可能になるのである。
そして、そのように燃焼筒内を十分に大きい旋回角度にて旋回させる状態で通流させることができながらも、燃焼筒内には前述の如き旋回羽根を設置しないので、火炎検出器を風箱の底壁に設けて、燃焼筒内を通して前方を見通す形態で火炎を検出することができることは勿論である。
従って、火炎検出器による燃焼状態の監視を行うことができるという条件を満足しながら、火炎を十分に大きい傾斜角度にて形成して、燃焼筒前方での燃焼筒軸心方向に沿う方向の燃焼範囲を十分に短縮することが可能となり、燃焼筒前方の短い範囲で燃焼を完結させることが可能になるのである。
要するに、コンパクトな燃焼室でも安定して燃焼させ得る燃焼装置を提供することができるようになった。
第2特徴構成は、上記第1特徴構成に加えて、
前記風箱における前記送風手段からの燃焼用空気を導入する導風路部が、その外周壁とそれに対向する前記燃焼筒との間の風路幅が前記送風手段の側に向かって漸次広くなる湾曲状部分を備える状態に構成され、
前記空気導入用間隙が、前記導風路部の前記湾曲状部分の外周壁と前記燃焼筒との間の風路幅が最も狭くなる位置において、最も狭くなる最狭部分が存在するように形成される点を特徴とする。
即ち、燃焼用空気は、風箱の導風路部の湾曲状部分を徐々に圧力が高められつつ湾曲状に通流して、その風路幅が最も狭くなる位置に達して圧力が最高に高められた状態で、風箱の本体部の内周面と燃焼筒の外周面との間に流れ込んで、空気導入用間隙を通過して燃焼筒に導入されつつ空気導入用間隙の周りを旋回する。
そして、空気導入用間隙は、燃焼用空気がその圧力が最高に高められて流れ込む部分に最狭部分が存在するように形成されているので、その部分での燃焼用空気の通過が効果的に抑制される。
つまり、風箱の導風路部の湾曲状部分を通して燃焼用空気を徐々に圧力を高めつつ湾曲状に通流させて、風箱の本体部の内周面と燃焼筒の外周面との間に流れ込ませることにより、燃焼用空気の流速を効果的に速めて燃焼筒の外周部を旋回させることが可能になり、延いては、燃焼用空気を速い流速にて旋回する状態で燃焼筒内を通流させることが可能になるので、燃焼用空気が燃焼筒の先端から燃焼筒周方向一方側に傾く方向に沿って吐出されるときにその傾斜角度が小さくなるのを抑制することが可能となり、火炎を燃焼筒周方向一方側に一層大きい傾斜角度にて傾けて形成することが可能となる。
そして、そのように燃焼用空気を湾曲状に通流案内しつつ圧力を最高に高めて風箱の本体部に流れ込ませる部分に、空気導入用間隙の最狭部分を存在させるようにしてあるので、その部分での燃焼用空気の燃焼筒への導入を効果的に抑制することできて、燃焼筒への燃焼用空気導入量の周方向でのバラツキを一層小さくすることが可能になるのである。
従って、周方向全周にわたって安定燃焼させることが可能な状態を維持しながらも、形成火炎の燃焼筒周方向一方側への傾斜角度を一層大きくすることが可能になるので、一層コンパクトな燃焼室でも燃焼の安定化を図ることができるようになった。
第3特徴構成は、上記第2特徴構成に加えて、
前記空気導入用間隙の前記最狭部分が、前記導風路部の前記湾曲状部分の外周壁と前記燃焼筒との間の風路幅が最も狭くなる位置から燃焼用空気流動方向側の設定範囲にわたって存在するように形成されている点を特徴とする。
即ち、導風路部の湾曲状部分を通って圧力が最高に高められた状態で風箱の本体部の内周面と燃焼筒の外周面との間に流れ込んで、空気導入用間隙の周囲を旋回する燃焼用空気は、その流れ込んだ箇所から燃焼用空気流動方向側の設定範囲を旋回している間は、その設定範囲にわたって存在する空気導入用間隙の最狭部分によって燃焼筒への導入が抑制される。
つまり、空気導入用間隙を通して燃焼筒内に導入される燃焼用空気導入量の周方向における差を小さくすべく、周方向において異なる広さの部分が存在するように空気導入用間隙を形成する場合、空気導入用間隙の広さを、周囲を旋回する燃焼用空気の圧力が最高となる位置で最も狭くし、その位置から燃焼用空気流動方向側に向けて漸次広くする場合が考えられる。
しかしながら、燃焼量の比較的小さい燃焼装置で燃焼筒が比較的小径の場合に、上述のように、空気導入用間隙の広さを、周囲を旋回する燃焼用空気の圧力が最高となる位置で最も狭くし、その位置から燃焼用空気流動方向側に向けて漸次広くするようにすると、燃焼用空気が空気導入用間隙の広さの最も狭くなる位置を通過すると燃焼筒への導入量が急増して、燃焼筒への燃焼用空気導入量の周方向でのバラツキが大きくなる虞がある。
そこで、燃焼筒が比較的小径の場合に、この第3特徴構成のように、空気導入用間隙の最狭部分を、導風路部の湾曲状部分の外周壁と燃焼筒との間の風路幅が最も狭くなる位置、即ち、空気導入用間隙の周囲を旋回する燃焼用空気の圧力が最高になる位置から燃焼用空気流動方向側の設定範囲にわたって存在させるようにすると、空気導入用間隙を通じての燃焼筒への燃焼用空気導入量の周方向でのバラツキを小さくして、燃焼筒の先端からの燃焼用空気の吐出量の周方向でのバラツキを小さくすることが可能になるのである。
従って、特に燃焼量の小さい燃焼装置において、燃焼筒の先端からの燃焼用空気の吐出量の周方向でのバラツキを小さくして周方向全周にわたって安定燃焼させるようにする上で好適な手段を得ることができるようになった。
第4特徴構成は、上記第1〜第3特徴構成のいずれかに加えて、
前記燃焼筒内に、先端が閉塞されたガス供給筒が設けられ、
前記ガス噴出部としての筒状ガスノズルが、前記ガス供給筒の周壁にその周壁から突出する状態で設けられている点を特徴とする。
即ち、ガス供給筒の周壁から突出する状態でその周方向に分散されて設けられた複数の筒状ガスノズルの夫々から、ガス燃料が直進性を効果的に与えられた状態で噴出される。
つまり、筒状ガスノズルは、内径に対して軸芯方向での長さを長くすることが可能であるので、筒状ガスノズルにより、ガス燃料を、直進性を効果的に与えて拡散を抑制する状態で噴出することができる。
そして、直進性を効果的に与えて拡散を抑制する状態でガス燃料を噴出するようにすることにより、噴出ガス燃料流の周囲に負圧域を効果的に形成することができることができるので、噴出ガス燃料流への燃焼ガスの巻き込み作用を増大させて緩慢燃焼を促進させることができ、更に、火炎の分割状に形成する場合はその分割性を向上することが可能となり、火炎温度を一層低くすることが可能になるのである。
従って、緩慢燃焼の促進及び形成火炎の分割性の向上により、更なる低NOx化を図ることができるようになった。
〔第1実施形態〕
以下、本発明の第1実施形態を説明する。
図1ないし図3に示すように、燃焼装置は、円筒状の燃焼筒1の内部に、先端が閉塞された円筒状のガス供給筒2をその先端を燃焼筒1の先端よりも突出させた状態で同心状に設け、そのガス供給筒2の先端側の周壁に複数(本実施形態では8個)のガス噴出部としての筒状ガスノズル3をその周壁から突出する状態で周方向(燃焼筒周方向に相当する)に等間隔で分散させて設け、送風手段としての送風機13からの燃焼用空気Aが導入される有底円筒状の風箱Wを、その底壁8bとそれに対向する燃焼筒1の後端開口縁1Eとの間に空気導入用間隙11を形成する状態で且つ燃焼筒1と同心状となる状態で、燃焼筒1の後端側部分を囲むように設け、複数の筒状ガスノズル3から噴出されるガス燃料Gを、燃焼筒1内を通流して燃焼筒1の先端から吐出される燃焼用空気Aにて燃焼させるように構成してある。
以下、燃焼装置の各部について説明を加える。
前記ガス供給筒2の後端に、都市ガス等のガス燃料Gが導入されるガス燃料供給路17を接続して、8本の筒状ガスノズル3からガス燃料Gを噴出するように構成してある。
前記各筒状ガスノズル3は、筒軸心がガス供給筒2の径方向に沿う姿勢で、ガス供給筒2の周壁に設けてあり、各筒状ガスノズル3からは、ガス燃料Gがガス供給筒2の径方向に沿う方向に噴出される。
ちなみに、筒状ガスノズル3としては、長さの異なる2種類のものがあり、8本の筒状ガスノズル3は、長さの短いものと長いものが交互になる状態でガス供給筒2に周方向に並べて設けてある。
前記燃焼筒1と前記ガス供給筒2との間に、環状に形成したバッフル板4を、燃焼筒1の先端よりも後退させた位置に、その内周縁をガス供給筒2に外嵌し且つその外周縁を燃焼筒1に内嵌する状態で設け、そのバッフル板4により、燃焼筒1内を流れる燃焼用空気Aを筒先端側に吐出する複数(本実施形態では筒状ガスノズル3と同数の8個)の空気吐出口5を、等間隔を隔てて燃焼筒周方向に並ぶ状態で形成してある。
このバッフル板4について説明を加えると、図6に示すように、バッフル板4の外周側に、バッフル板4の周方向に沿う長さが夫々同一で径方向の切り欠き深さが深い8個の吐出口用切り欠き4aを周方向に等間隔で形成し、吐出口用切り欠き4a同士の間に形成される突部4b夫々の外周縁における周方向の中央には、径方向外方に突出する外周側突部4cを形成してある。
バッフル板4の内周側には、バッフル板4の周方向に沿う長さが夫々同一で径方向の切り欠き深さが浅い8個の保炎用スリット用切り欠き4dを周方向に吐出口用切り欠き4aと同位相で形成してある。そして、8個の保炎用スリット用切り欠き4dを形成することにより、バッフル板4の内周縁に、径方向内方側に突出する8個の内周側突部4eが前記8個の外周側突部4cと周方向に同位相で形成される。
そして、図6及び図7に示すように、バッフル板4を、8個の外周側突部4cを燃焼筒1の内周面に当接させ且つ8個の内周側突部4eをガス供給筒2の外周面に当接させた状態で、燃焼筒1とガス供給筒2との間に設ける。そして、8個の吐出口用切り欠き4aにより、燃焼筒1を流れる燃焼用空気Aを吐出する前記8個の空気吐出口5を燃焼筒径方向において燃焼筒1の側に偏って位置する状態で形成し、8個の外周側突部4cにより、各空気吐出口5における燃焼筒径方向外方端の周方向の両端から周方向に沿って延びて、燃焼筒1を流れる燃焼用空気Aを吐出する外周側保炎用スリット6を形成し、8個の保炎用スリット用切り欠き4dにより、燃焼筒1を流れる燃焼用空気Aを吐出し且つ燃焼筒1の周方向に長い8個の内周側保炎用スリット7を、燃焼筒径方向においてガス供給筒2の側に偏って位置する状態で燃焼筒周方向の全周にわたって分散させて形成する。
ちなみに、外周側突部4c及び内周側突部4e夫々は、燃焼筒径方向に例えば0.5mm程度突起させて、外周側保炎用スリット6及び内周側保炎用スリット7夫々の幅(燃焼筒径方向に沿う方向での幅)を0.5mmに設定してある。
又、図2に示すように、バッフル板4には、パイロットバーナ取り付け孔及び点火プラグ取り付け孔(図示省略)を形成して、パイロットバーナ14を前記パイロットバーナ取り付け孔に挿通した状態でビス(図示省略)にてバッフル板4に固定し、点火プラグ15を、前記点火プラグ取り付け孔に挿通した状態で、パイロットバーナ14に支持させた点火プラグ取り付け具(図示省略)を用いて取り付けてある。
図1ないし図3に示すように、前記風箱Wは、円筒状の風箱本体部8と、送風機13からの燃焼用空気Aを導入する導風路部9とを備えて、その導風路部9を通して燃焼用空気Aを燃焼筒1の外周部を旋回する状態で導入するように構成してある。
そして、風箱Wにより導入されて燃焼筒1の外周部を旋回状態で通流する燃焼用空気Aは、前記空気導入用間隙11を通じて燃焼筒1内に導入され、その導入された燃焼用空気Aは、燃焼筒1とガス供給筒2との間をガス供給筒2の外周部を旋回する状態で筒先端側に通流して、燃焼筒周方向に分散する8個の空気吐出口5の夫々から燃焼筒周方向一方側に傾く方向に沿って吐出される。つまり、前記送風機13と前記風箱Wとにより、前記燃焼筒1と前記ガス供給筒2との間を通流させる燃焼用空気Aをガス供給筒2の外周部を旋回させる状態で通流させる旋回式の通風手段Fを構成してある。
図1及び図8に示すように、前記8本の筒状ガスノズル3は、燃焼筒1とガス供給筒2との間を旋回状態で通流して燃焼筒周方向に分散する8個の空気吐出口5の夫々から燃焼筒周方向一方側に傾く方向に沿って吐出される複数の燃焼用空気Aの流動域に対して、それらの隣接するもの同士の間の夫々にガス燃料Gを噴出するように設けてある。
説明を加えると、8本の筒状ガスノズル3は、燃焼筒軸芯方向視にて、周方向に隣接する空気吐出口5の間の夫々における周方向の中央よりも燃焼用空気Aの旋回方向側に偏った位置に1本ずつ位置するように設けてある。
各筒状ガスノズル3を、前記燃焼筒軸心方向視にて、周方向に隣接する空気吐出口5の間における周方向の中央よりも燃焼用空気Aの旋回方向側に偏った位置に位置するように設けるに当たって、その周方向の中央からの偏り度合いの設定の仕方について説明する。
即ち、後述するように、燃焼用空気Aはガス供給筒2の外周部を旋回する状態で通流して、8個の空気吐出口5の夫々から燃焼筒周方向一方側に傾く方向に沿って吐出されることになる。
そして、各筒状ガスノズル3は、燃焼筒周方向に隣接する空気吐出口5から燃焼筒周方向一方側に傾く方向に沿って吐出される2つの燃焼用空気Aの流動域同士の間を通るようにガス燃料Gを噴出すべく、ガス供給筒2の軸心方向視にて、周方向に隣接する空気吐出口5の間における周方向の中央よりも燃焼用空気Aの旋回方向側に偏った位置に筒状ガスノズル3の筒軸心が位置するように設けることになる。
つまり、筒状ガスノズル3の設置位置の前記偏り度合いは、空気吐出口5から燃焼筒周方向一方側に傾く方向に沿って吐出される燃焼用空気Aの傾斜角度、及び、燃焼筒軸心方向に沿う方向での空気吐出口5と筒状ガスノズル3との間隔により決まることになる。
この実施形態においては、筒状ガスノズル3の設置位置の前記偏り度合いは、周方向に隣接する空気吐出口5の中央から燃焼用空気旋回方向側への中心角で5°に設定してある。
図1ないし図3に示すように、前記風箱Mの風箱本体部8は、円筒状の側周壁8sの両端を夫々平板状の上壁8f及び底壁8bにて閉じる円筒状の箱に形成し、その底壁8bに、ガス供給筒2を内嵌させるための円形のガス供給筒挿通用開口を形成し、上壁8fに燃焼筒1を内嵌させるために円形の燃焼筒挿通用開口を形成し、側周壁8sに導風路部9を連通させるための矩形状の導風路接続用開口を形成してある。
前記導風路部9は、その燃焼用空気Aの通流方向に直交する横断面形状が矩形状になるように形成し、送風機13側の直線状部分9Aと、その直線状部分9Aの先端側に連なる湾曲状部分9Bとを備えるように構成してある。
つまり、図3に示すように、燃焼筒軸芯方向視において、導風路部9における燃焼筒径方向に並ぶ2枚の側周壁9f、9bのうちガス供給筒2に近い方は、平板状側周壁9fにて構成し、ガス供給筒2から遠い方は、平板状側周壁9fに対向する部分が平板状で、その平板状側周壁9fの先端よりも先に延びる部分は燃焼筒軸心方向視にてガス供給筒2の側に半円状に湾曲する湾曲板状となる湾曲状側周壁9bにて構成してある。
そして、前記導風路部9を、風箱本体部8の導風路接続用開口に対して、燃焼筒軸心方向視において、湾曲状側周壁9bの先端が風箱本体部8の側周壁8sにその接線方向に連なり且つ平板状側周壁9fの先端側部分が前記導風路接続用開口内に突出する状態で接続してある。
導風路部9の直線状部分9Aの基端開口部に、その内部に燃焼用空気を吐出するように前記送風機13を接続してある。
つまり、平板状側周壁9fと湾曲状側周壁9bのうちの平板状側周壁9fと対向する平板状部分とを用いて、前記導風路部9の直線状部分9Aが構成され、湾曲状側周壁9bのうち直線状部分9Aを構成する部分の先端側の湾曲板状部分と燃焼筒1とを用いて前記導風路部9の湾曲状部分9Bが構成されることになる。
そして、直線状部分9Aとその先に連なる湾曲状部分9Bを通して送風機13からの燃焼用空気Aを風箱W内に導入することにより、燃焼用空気Aを湾曲状部分9Bの基端付近を基端として燃焼筒1の外周部を旋回状態で通流させるように構成してある。
平板状側周壁9fにおいて前記導風路接続用開口内へ突出する突出部分は、舌部12として機能し、その舌部12により、燃焼筒1の外周部に沿う燃焼用空気Aの旋回経路における終端がその基端に連なる部分の流路幅を絞って、前記導風路部9の直線状部分9Aを通流してきた燃焼用空気Aが短絡的に旋回経路の終端側に流れ込んだり、燃焼筒1の外周部を旋回する燃焼用空気Aがその終端から基端に流れ込むのを抑制するようにしてある。
要するに、導風路部9の湾曲状部分9Bは、その湾曲状部分9Bの湾曲状側周壁9bとそれに対向する燃焼筒1との間の風路幅が送風機13の側に向かって漸次広くなる状態で、直線状部分9Aに連なるように構成してある。
そして、図1ないし図3に示すように、上述のように構成した風箱Wを、その底壁8bと燃焼筒1の後端開口縁1Eとの間に所定の空気導入用間隙11を形成する状態で、その前壁8fの燃焼筒挿通用開口に燃焼筒1の後端側を挿通すると共に、底壁8bのガス供給筒挿通用開口にガス供給筒2の後端側を挿通して、燃焼筒1の後端側の部分を囲むように燃焼筒1と同心状に設けてある。
更に、図2に示すように、風箱Wの底壁8bには、燃焼筒1内及び特定の1個の空気吐出口5を通して前方の見通すことができる位置に位置させて、火炎検出器16を設けてある。
図2ないし図5に基づいて、前記空気導入用間隙11について説明を加える。尚、図4の(イ)は、燃焼筒1の後面図、(ロ)は、燃焼筒1の後端側部分における縦断左側面図、(ハ)は、燃焼筒1の後端側部分における縦断右側面図である。
前記空気導入用間隙11は、その空気導入用間隙11を通して燃焼筒2内に導入される燃焼用空気導入量の周方向における差を小さくすべく、周方向において異なる広さの部分が存在するように形成してある。
そして、この第1実施形態においては、空気導入用間隙11は、導風路部9の湾曲状部分9Bの湾曲状側周壁9bと燃焼筒1との間の風路幅が最も狭くなる位置Pから燃焼用空気流動方向側の設定範囲にわたって、最も狭くなる最狭部分11vが存在するように形成してある。
前記設定範囲としては、この第1実施形態では、中心角で90°の範囲に設定してある。
空気導入用間隙11の形成方法について、説明を加える。
図4及び図5に示すように、前記燃焼筒1の後端縁1Eは、周方向において中心角で90°に相当する部分は、燃焼筒1の軸心に直交する状態の直交状開口縁部分1vとなり、その直交状開口縁部分1v以外の部分は、燃焼筒1の径方向視において、直交状開口縁部分1vから遠ざかるほど燃焼筒1の軸心方向先端側に位置する傾斜状開口端縁部分1sとなるように構成してある。
そして、図2ないし図5に示すように、同心状に設ける燃焼筒1と風箱本体部8との周方向における相対位置関係としては、燃焼筒軸心方向視において、燃焼筒1の後端開口縁Eの直交状開口縁部分1vが、湾曲状側周壁9bの先端が風箱本体部8の側周壁8sにその接線方向に連なる位置と周方向において同位相となる位置から燃焼用空気Aの流動方向側に位置する相対位置関係としてある。
上述の如き周方向での相対位置関係にて、燃焼筒1と風箱本体部8とを同心状に設けることにより、風箱本体部8の底壁8bと燃焼筒1の後端開口縁1Eとの間に、空気導入用間隙11を、湾曲状部分9Bの湾曲状側周壁9bと燃焼筒1との間の風路幅が最も狭くなる位置Pから燃焼用空気流動方向側の設定範囲にわたって最狭部分11vが存在し、且つ、燃焼筒1の外周部の燃焼用空気Aの旋回経路の略基端部分から燃焼用空気流動方向側へ最狭部分11vに至るまでの範囲に、燃焼用空気流動方向側に漸次狭くなる広さ漸減部分11nが存在し、且つ、最狭部分11vから燃焼用空気流動方向側へ旋回経路の略終端に至るまでの範囲には、燃焼用空気流動方向側に漸次広くなる広さ漸増部分11sが存在するように形成してある。ちなみに、広さ漸減部分11nの始まり位置と広さ漸増部分11sの終わり位置は同一の位置で、最狭部分11vにおける周方向中央の位置に対して周方向に位相が180°ずれた位置であり、その位置が空気導入用間隙11の最も広い最広部分11wとなる。
つまり、風箱本体部8の底壁8bと燃焼筒1の後端開口縁1Eの直交状開口縁部分1vとにより空気導入用間隙11の最狭部分11vが形成され、風箱本体部8の底壁8bと燃焼筒1の後端開口縁1Eの傾斜状開口端縁部分1sとにより、空気導入用間隙11の広さ漸減部分11n及び広さ漸増部分11sが形成される。
この実施形態の燃焼装置は、比較的燃焼量が小さいものであり、燃焼筒1の外径は例えば216.3mmφと比較的小径である。
そして、空気導入用間隙11の最狭部分11vの広さは例えば5mmに、空気導入用間隙11の最広い部分11wの広さは例えば16mmに設定してある。
次に、図1ないし図3及び図7に基づいて、上述のように構成した燃焼装置による燃焼形態について説明する。
送風機13から吐出された燃焼用空気Aは、風箱Wの導風路部9を通じて、径方向外方側から風箱本体部8内に導入され、風箱本体部8内をその内周面の案内により燃焼筒1の外周部を旋回する状態で通流し、そのように燃焼筒1の外周部を旋回状態で通流する燃焼用空気Aは、空気導入用間隙11を通じて燃焼筒1内に導入され、そして、燃焼用空気Aは、燃焼筒1とガス供給筒2との間をガス供給筒2の外周部を旋回する状態で通流して複数の空気吐出口5の夫々から燃焼筒周方向一方側に傾く方向に吐出され、そのように吐出される燃焼用空気Aにて、複数の筒状ガスノズル3から噴出されるガス燃料はが、主炎Hmが燃焼筒周方向一方側に傾いて分割状に形成される状態で燃焼する。
以下、この燃焼装置による燃焼形態について更に説明を加える。
先ず、空気導入用間隙11を通じての燃焼筒1への燃焼用空気導入量の周方向でのバラツキを小さくして周方向全周にわたって安定して燃焼させることができる点について、説明する。
導風路部9の直線状部分9Aを通流してきた燃焼用空気Aは、湾曲状側周壁9bと燃焼筒1とを用いて形成される湾曲状部分9Bを圧力が徐々に高められつつ湾曲状に通流して、その風路幅が最も狭くなる位置Pに達して圧力が最高に高められた状態で、風箱本体部8の内周面と燃焼筒1の外周面との間に流れ込んで、空気導入用間隙11を通過して燃焼筒1内に導入されつつ空気導入用間隙11の周りを旋回する。
そして、燃焼用空気Aが湾曲状部分9Bを圧力が徐々に高められつつ湾曲状に通流して、圧力が最高に高められる湾曲状部分9Bの風路幅が最も狭くなる位置Pまで通流する旋回経路部分に対応する空気導入用間隙11は、燃焼用空気流動方向側に漸次広さが狭くなる広さ漸減部分11nであるので、燃焼用空気Aがその旋回経路部分を旋回している間は、圧力が高くなる通流方向先方ほど空気導入用間隙11の通過が抑制されることになるので、燃焼用空気導入量の周方向でのバラツキが抑制される。
又、湾曲状部分9Bの風路幅が最も狭くなる位置P、即ち、燃焼用空気Aの圧力が最高に高められる位置から中心角で90°の範囲の旋回経路部分に対応する空気導入用間隙11は、広さが最も狭い最狭部分11vであり、更にその先旋回経路の略終端部分に至るまでの旋回経路部分に対応する部分は、燃焼用空気流動方向に漸次広さが広くなる広さ漸増部分11sであるので、燃焼用空気Aの圧力が高い範囲では、最狭部分11vにより空気導入用間隙11の通過が抑制され、更にその先圧力が低下しながら旋回する範囲では、圧力が低下するほど空気導入用間隙11が広くなって燃焼用空気Aが通過し易くなるので、燃焼用空気導入量の周方向でのバラツキが抑制される。
つまり、この第1実施形態の燃焼装置の燃焼筒1は比較的小径であることから、空気導入用間隙11の最狭部分11vを、導風路部9の湾曲状部分9Bの湾曲状側周壁9bと燃焼筒1との間の風路幅が最も狭くなる位置、即ち、空気導入用間隙11の周囲を旋回する燃焼用空気Aの圧力が最高になる位置から燃焼用空気流動方向側の設定範囲にわたって存在させるようにして、燃焼用空気Aの圧力が高い状態に維持される旋回経路部分において、燃焼用空気導入量が多くなり過ぎるのを防止して、燃焼用空気導入量の周方向でのバラツキを一層抑制しているのである。
つまり、空気導入用間隙11の全周にわたって、燃焼用空気導入量の周方向でのバラツキが抑制されるので、燃焼用空気Aは、燃焼筒1とガス供給筒2との間をガス供給筒2の外周部を旋回する状態で通流して、複数の空気吐出口5の夫々から、周方向での吐出量のバラツキが小さくなる状態で、燃焼筒周方向一方側に傾く方向に沿って吐出されることになり、そのように吐出される燃焼用空気Aにて、複数の筒状ガスノズル3から噴出されるガス燃料Gは、主炎Hmが燃焼筒周方向一方側に傾いて分割状に形成される状態で周方向全周にわたって安定して燃焼する。
次に、ガス燃料の緩慢燃焼の促進及び主炎Hmの分割性の向上により低NOx化を図ることができる点について説明する。
各筒状ガスノズル3から、燃焼筒周方向に隣接する空気吐出口5から燃焼筒周方向一方側に傾く方向に沿って吐出される2つの燃焼用空気Aの流動域同士の間を通るようにガス燃料Gが噴出されるので、各筒状ガスノズル3から噴出されるガス燃料Gと各空気吐出口5から吐出される燃焼用空気Aとの急激な混合を抑制して、ガス燃料Gと燃焼用空気Aとをゆっくりと混合させることができて、ガス燃料Gの緩慢燃焼を促進させることができる。
又、各筒状ガスノズル3により、直進性を効果的に与えて拡散を抑制する状態でガス燃料Gを噴出するので、火炎の拡がりを抑制して主炎Hmの分割性を向上させることができる。
従って、緩慢燃焼の促進と主炎Hmの分割性の向上との相乗作用により、火炎温度を低下させて更なる低NOx化を図ることができる。
次に、緩慢燃焼を促進させながらも、保炎作用の強化により安定燃焼性を向上させることができる点について、説明する。
間隔を隔てて周方向に並ぶ複数の空気吐出口5から燃焼用空気Aが燃焼筒先端側に吐出されることに伴って、バッフル板4の前方空間における燃焼用空気流の周囲に負圧域が形成され、その負圧域の誘引作用により、複数の筒状ガスノズル3から噴出されたガス燃料Gの一部がバッフル板4の側に誘引され、そのようにバッフル板4の側に誘引されるガス燃料Gにより、燃焼がバッフル板4の近傍から開始するので、複数の筒状ガスノズル3から噴出されるガス燃料Gは、バッフル板4にて保炎される状態で燃焼することになる。
そして、そのようにバッフル板4にて保炎する状態で燃焼させる燃焼形態において、バッフル板4の内周縁に沿って、保炎用の燃焼用空気Aを吐出する複数の内周側保炎用スリット7を燃焼筒周方向の全周にわたって分散させて設けて、それら複数の内周側保炎用スリット7から吐出される燃焼用空気Aにて、バッフル板4の側に誘引されてくるガス燃料Gを燃焼させることにより、燃焼筒周方向の略全周にわたってバッフル板4にへばりつく状態で保炎Hsを形成して、バッフル板4による保炎範囲を燃焼筒径方向においても広くするようにしてある。
従って、複数の筒状ガスノズル3から噴出されるガス燃料Gをバッフル板4にて保炎する状態で燃焼させる燃焼形態において、そのバッフル板4による保炎範囲を広くすることができるので、安定燃焼性を向上させることができるようになった。
〔第2実施形態〕
以下、本発明の第2実施形態を説明するが、この第2実施形態においては、空気導入用間隙11が異なる以外は第1実施形態と同様に構成してあるので、第1実施形態と同じ構成要素や同じ作用を有する構成要素については、重複説明を避けるために、同じ符号を付すことにより説明を省略し、主として、第1実施形態と異なる空気導入用間隙11について説明する。
尚、この第2実施形態の燃焼装置は、上記の第1実施形態の燃焼装置よりも燃焼量が大きくて、燃焼筒1の外径が第1実施形態の燃焼筒1よりも大径であり、その燃焼筒1の外径は、例えば267.4mmφである。
図9ないし図11に基づいて、空気導入用間隙11について説明を加える。尚、図10の(イ)は、燃焼筒1の後面図、(ロ)は、燃焼筒1の後端側部分における縦断左側面図、(ハ)は、燃焼筒1の後端側部分における縦断右側面図である。
この第2実施形態においては、空気導入用間隙11を、導風路部9の湾曲状部分9Bの湾曲状側周壁9bと燃焼筒1との間の風路幅が最も狭くなる位置Pに最も狭くなる最狭部分11vが存在するように形成してある。
以下、空気導入用間隙11の形成方法について、説明を加える。
前記燃焼筒1の後端を、その軸心に直交する方向視にて、径方向の一端から他端にわたる径方向の全長にわたって、径方向の一端から他端側に離れるほど燃焼筒1の軸心方向先端側に位置する傾斜状に形成してある。
そして、図9ないし図11に示すように、同心状に設ける燃焼筒1と風箱本体部8との周方向における相対位置関係としては、燃焼筒軸心方向視において、燃焼筒1の傾斜状の後端の頂部が、湾曲状側周壁9bの先端が風箱本体部8の側周壁8sにその接線方向に連なる位置と周方向において同位相となる位置に位置する相対位置関係としてある。
上述の如き周方向での相対位置関係にて、燃焼筒1と風箱本体部8とを同心状に設けることにより、風箱本体部8の底壁8bと燃焼筒1の後端開口縁1Eとの間に、空気導入用間隙11を、導風路部9の湾曲状部分9Bの湾曲状側周壁9bと燃焼筒1との間の風路幅が最も狭くなる位置Pに最狭部分11vが存在し、且つ、その最狭部分11vよりも燃焼用空気流動方向とは反対側には、燃焼用空気流動方向側に漸次狭くなる広さ漸減部分11nが存在し、且つ、最狭部分11vよりも燃焼用空気流動方向側には、燃焼用空気流動方向側に漸次広くなる広さ漸増部分11sが存在するように形成してある。ちなみに、広さ漸減部分11nの始まり位置と広さ漸増部分11sの終わり位置は同一の位置で、最狭部分11vに対して周方向に180°位相がずれた位置であり、その位置が空気導入用間隙11の最も広い最広部分11wとなる。
この第2実施形態では、空気導入用間隙11の最狭部分11vの広さは例えば14mmに、空気導入用間隙11の最広部分11wの広さは例えば23.3mmに設定してある。
〔別実施形態〕
次に別実施形態を説明する。
(イ) 上記の各実施形態においては、風箱Wの導風路部9として、直線状部分9Aと、その直線状部分9Aの先端側に連なる湾曲状部分9Bとを備えて構成する場合について例示したが、前記湾曲状部分9Bを備えない直線状に構成して、その直線状の導風路部9を円筒状の風箱本体部8に接線方向に接続するようにしても良い。
(ロ) 空気導入用間隙11を通して燃焼筒1内に導入される燃焼用空気導入量の周方向における差を小さくするために、空気導入用間隙11を周方向において異なる広さの部分が存在するように形成するに当たって、広さの異なる部分を存在させるための形態は、上記の各実施形態に例示した如き燃焼筒1の後端を傾斜状にする形態に限定されるものではない。
例えば、燃焼筒1の後端を、その軸心に直交する方向視にて、燃焼筒軸心方向での位置が異なる複数の段部が存在する段状に形成して、各段部により、風箱Wの底壁8bと燃焼筒1の後端開口縁1Eとの間隔を異ならせることにより、空気導入用間隙11に広さの異なる部分を存在させるようにしても良い。
(ハ) 上記の各実施形態においては、複数の筒状ガスノズル3が周方向に並ぶノズル列を燃焼筒軸芯方向に1列に設ける場合について例示したが、そのようなノズル列を燃焼筒軸芯方向に複数列に設けても良い。
(ニ) 筒状ガスノズル3によるガス燃料Gの噴出方向は、上記の各実施形態の如きガス供給筒2の径方向に沿う方向に限定されるものではない。
例えば、ガス供給筒2の径方向に対してガス供給筒2の周方向に傾斜させたり、ガス供給筒2の径方向に対してガス供給筒2の軸心方向に傾斜させたり、ガス供給筒2の径方向に対してガス供給筒2の周方向及び軸心方向の両方向に傾斜させても良い。
(ホ) ガス噴出部としては、上記の各実施形態の如き筒状ガスノズル3に代えて、前記ガス供給筒2の周壁に穿設するガス噴出孔にて構成しても良い。
(へ) 上記の各実施形態において、バッフル板4を省略することができる。
(ト) 燃焼筒軸芯方向視での複数のガス噴出部と複数の空気吐出口5との間の配置関係は、上記の各実施形態の如きガス噴出部が周方向に隣接する空気吐出口5同士の間における周方向の中央よりも燃焼用空気Aの旋回方向側に偏った位置に位置する配置形態に限定されるものではない。
例えば、ガス噴出部が周方向に隣接する空気吐出口5同士の間の中央に位置する配置形態や、ガス噴出部と空気吐出口5とが周方向において同位置に位置する配置形態でも良い。
又、周方向に並ぶガス噴出部同士の間隔、及び、周方向に並ぶ空気吐出口5同士の間隔は等間隔で無くても良い。
(チ) 上記の各実施形態においては、燃焼筒軸心方向視にて、燃焼筒周方向に隣接する空気吐出口5同士の間の全てに対して、ガス噴出部を位置させる場合について例示したが、燃焼筒周方向に隣接する空気吐出口5同士の間の一部に対して、ガス噴出部を位置させるようにしても良いし、あるいは、燃焼筒周方向に隣接する空気吐出口5同士の間の夫々に対して、複数のガス噴出部を位置させるようにしても良い。
(リ) 燃焼筒1の先端側に、複数のガス噴出部を燃焼筒周方向に分散する状態で設けるための具体構成は上記の各実施形態において例示した構成に限定されるものではない。
例えば、上記の各実施形態において設けたガス供給筒2を省略して、内部にガス燃料が供給される円盤箱状のガスヘッダを燃焼筒1の先端側に同心状に設け、そのガスヘッダの側周壁に、複数のガス噴出部として、複数の筒状ガスノズルを前記側周壁から突出する状態で周方向に分散させて設けたり、複数のガス噴出孔を前記側周壁に周方向に分散させて穿設しても良い。
第1及び第2実施形態に係る燃焼装置の正面図 第1実施形態に係る燃焼装置における図1のイ−イ矢視図 第1実施形態に係る燃焼装置における図2のロ−ロ矢視図 第1実施形態に係る燃焼装置の空気導入用間隙を説明する燃焼筒後端側部分の図 第1実施形態に係る燃焼装置の空気導入用間隙を説明する燃焼筒後端側部分の斜視図 第1及び第2実施形態に係る燃焼装置の要部の縦断正面図 第1及び第2実施形態に係る燃焼装置の要部の縦断側面図 第1及び第2実施形態に係る燃焼装置の空気吐出口と筒状ガスノズルの位置関係を説明する要部の展開図 第2実施形態に係る燃焼装置における図1のイ−イ矢視図 第2実施形態に係る燃焼装置の空気導入用間隙を説明する燃焼筒後端側部分の図 第2実施形態に係る燃焼装置の空気導入用間隙を説明する燃焼筒後端側部分の斜視図
符号の説明
1 燃焼筒
1E 後端開口縁
2 ガス供給筒
3 ガス噴出部、筒状ガスノズル
8b 風箱の底壁
9 導風路部
9B 湾曲状部分
9b 湾曲状部分の外周壁
11 空気導入用間隙
11v 最狭部分
13 送風手段
W 風箱

Claims (4)

  1. 円筒状の燃焼筒の先端側に、複数のガス噴出部が燃焼筒周方向に分散する状態で設けられ、
    送風手段からの燃焼用空気が導入される有底円筒状の風箱が、その底壁とそれに対向する前記燃焼筒の後端開口縁との間に空気導入用間隙を形成する状態で且つ前記燃焼筒と同心状又は略同心状となる状態で、前記燃焼筒の後端側部分を囲むように設けられ、
    前記複数のガス噴出部から噴出されるガス燃料を、前記燃焼筒内を通流して前記燃焼筒の先端から吐出される燃焼用空気にて燃焼させるように構成された燃焼装置であって、
    前記風箱が、前記送風手段からの燃焼用空気が前記燃焼筒の外周部を旋回する状態で導入されるように構成され、
    前記空気導入用間隙が、その空気導入用間隙を通して前記燃焼筒内に導入される燃焼用空気導入量の周方向における差を小さくすべく、周方向において異なる広さの部分が存在するように形成されている燃焼装置。
  2. 前記風箱における前記送風手段からの燃焼用空気を導入する導風路部が、その外周壁とそれに対向する前記燃焼筒との間の風路幅が前記送風手段の側に向かって漸次広くなる湾曲状部分を備える状態に構成され、
    前記空気導入用間隙が、前記導風路部の前記湾曲状部分の外周壁と前記燃焼筒との間の風路幅が最も狭くなる位置において、最も狭くなる最狭部分が存在するように形成される請求項1記載の燃焼装置。
  3. 前記空気導入用間隙の前記最狭部分が、前記導風路部の前記湾曲状部分の外周壁と前記燃焼筒との間の風路幅が最も狭くなる位置から燃焼用空気流動方向側の設定範囲にわたって存在するように形成されている請求項2記載の燃焼装置。
  4. 前記燃焼筒内に、先端が閉塞されたガス供給筒が設けられ、
    前記ガス噴出部としての筒状ガスノズルが、前記ガス供給筒の周壁にその周壁から突出する状態で設けられている請求項1〜3のいずれか1項に記載の燃焼装置。
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WO2022208969A1 (ja) * 2021-03-31 2022-10-06 三浦工業株式会社 ガスバーナ及びボイラ

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