JP2005273126A - 延伸されたアラミドフィラメントおよびその製造方法およびその製造装置 - Google Patents

延伸されたアラミドフィラメントおよびその製造方法およびその製造装置 Download PDF

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Abstract


【課題】 アラミドの延伸されたフィラメントを、特殊で高精度・高レベルな装置を必要とせずに、簡便な手段によって製造可能にすることにあり、また、従来短繊維で製造されていたアラミド繊維不織布を、長繊維不織布とすることを可能にすることにある。
【解決手段】 アラミドフィラメントに単糸あたり30MPa以下の張力が与えられ、赤外線光束によって加熱されることによって、4倍以上に延伸され、高度に分子配向された、12μm以下の極細フィラメントが得られ、また、その延伸されたアラミドフィラメントを、コンベア上に集積することで、アラミドの長繊維不織布が得られることを特徴とする。
【選択図】 図1


Description

本発明は、延伸されたアラミドフィラメントおよびその製造方法およびその製造装置に関し、特にそれらの簡便な延伸手段によって得られる4倍以上で、さらに15倍以上の高倍率で延伸され、12μm以下の極細アラミドフィラメントの製造に関する。
アラミド繊維は、その高強度高弾性率、高耐熱性等の優れた特性より、工業資材、防護用衣料等として各方面で使用されている。しかし、従来のアラミド繊維は、繊維径が大きいため、ロープ等の工業用資材に使用した場合に、しなやかさに欠け、使用特性において問題があった。また、防護衣料においても、繊維径を小さくすることで、着用時の着こごちの良いものにすることが求められていた。このような極細アラミド繊維は、従来はアラミド繊維の紡糸条件を検討することによって行われていた(例えば、特開平5−311510号、特開平06−2216号)。
一方、本発明は赤外線加熱によるフィラメントの延伸技術に関するものであるが、それらの技術は、従来、種々行われていた(例えば、下記特許文献3,4、非特許文献)。しかし、これらはアラミドフィラメントを、高倍率に、しかも高度に分子配向された形態で、延伸されることを実現するには十分ではなかった。
また、従来のアラミド繊維からなる不織布は、アラミド繊維を数センチメータに切断し、カードウェブにして積層し、ニードルパンチして不織布としており、切断、カードウェブ化、ニードルパンチなど、工程が多く、コストアップになっているばかりでなく、短繊維からなるため、不織布の強度が繊維の絡み合いに依存しており、アラミド繊維が本来有している高強度を有効に利用していなかった。
特開平5−311510号公報(第1−2頁)。 特開平6−2216号公報(第1−2頁)。 特開2003−166115号公報(第1−2頁)。 国際公開第00/73556号パンフレット 鈴木章泰、他1名 「Journal of Applied Polymer Science」、vol.83、p.1711−1716、2002年、(米国)。 鈴木章泰、他1名 高分子学会予稿集、高分子学会2001年5月7日、50巻4号、p787。 鈴木章泰、他1名 「Journal of Applied Polymer Science」、vol.88、p.3279−3283、2003年、(米国)。 鈴木章泰、他1名 「Journal of Applied Polymer Science」、vol.90、p.1955−1958、2003年、(米国)。
本発明は、上記従来技術をさらに発展させたものであって、その目的とするところは、特殊な紡糸法を採用することなく、簡便な手段で容易に延伸されたアラミドフィラメントを得ることができるようにすることにある。また他の目的は、アラミドフィラメントを、高品質でフィラメント径細く、安定して製造可能とすることにある。さらに他の目的は、アラミドフィラメントからなる長繊維不織布を製造可能とすることにある。
本発明は上記の目的を達成するためになされたものであって、製造方法としての特徴を、下記に示す。本発明は、アラミドフィラメントからなる原フィラメントが赤外線光束で加熱され、加熱されたその原フィラメントに、単糸あたり30MPa以下の張力が与えられることによって延伸される延伸されたアラミドフィラメントの製造方法に関する。また本発明は、前記張力が、前記原フィラメントおよび延伸されたフィラメントによってもたらされる自己の自重により与えられる延伸されたアラミドフィラメントの製造方法に関する。また本発明は、前記原フィラメントの強度が、単糸あたり10GPa以下である未延伸フィラメントである延伸されたアラミドフィラメントの製造方法に関する。また本発明は、前記原フィラメントが、シングルフィラメントからなる延伸されたアラミドフィラメントの製造方法に関する。また本発明は、前記原フィラメントが、複数本のフィラメントからなる延伸されたアラミドフィラメントの製造方法に関する。また本発明は、前記赤外線光束が、前記原フィラメントの中心でフィラメントの軸方向に上下4mm以内の範囲で、少なくとも2方向以上から加熱される延伸されたアラミドフィラメントの製造方法に関する。また本発明は、前記赤外線光束が、レーザーである延伸されたアラミドフィラメントの製造方法に関する。また本発明は、前記原フィラメントが赤外線光束で加熱される前において、その原フィラメントの位置が案内具によって規制される延伸されたアラミドフィラメントの製造方法に関する。また本発明は、前記原フィラメントが赤外線光束で加熱される前において、その原フィラメントが送風管により送られてくる延伸されたアラミドフィラメントの製造方法に関する。また本発明は、前記アラミドフィラメントの延伸倍率が、4倍以上である延伸されたアラミドフィラメントの製造方法に関する。また本発明は、前記延伸されたアラミドフィラメントが、延伸後に設けられた加熱ゾーンにより熱処理される延伸されたアラミドフィラメントの製造方法に関する。また本発明は、前記延伸されたアラミドフィラメントが、さらに延伸される延伸されたアラミドフィラメントの製造方法に関する。さらに本発明は、前記延伸されたアラミドフィラメントが、走行するコンベア上に集積される延伸されたアラミドフィラメントからなる不織布の製造方法に関する。
本発明は上記の目的を達成するためになされたものであって、製造装置としての特徴を以下に示す。本発明は、アラミドフィラメントからなる原フィラメントの送出手段と、送り出された原フィラメントが、複数箇所から赤外線光束が照射されることによって加熱されるように構成されている赤外線光束放射装置と、加熱された原フィラメントに、単糸あたり30MPa以下の張力を与えることにより、4倍以上に延伸されるように制御される手段を有する延伸されたアラミドフィラメントの製造装置に関する。また本発明は、前記赤外線光束放射装置により放射される赤外線の光束が、前記原フィラメントの中心でフィラメントの軸方向に上下4mm以内の範囲で加熱されるように構成されている延伸されたアラミドフィラメントの製造装置に関する。また本発明は、前記外線光束放射装置が、レーザー発振装置である延伸されたアラミドフィラメントの製造装置に関する。また本発明は、前記赤外線光束放射装置が、同一光束を反射させて、原フィラメントに複数の箇所から照射させるための鏡を有する延伸されたアラミドフィラメントの製造装置に関する。前記赤外線光束放射装置が、複数の箇所から原フィラメントに照射させる複数の光源を有する延伸されたアラミドフィラメントの製造装置に関する。また本発明は、前記レーザーのパワー密度が、10W/cm2以上である炭酸ガスレーザーである延伸されたアラミドフィラメントの製造装置に関する。また本発明は、前記延伸手段に、さらに加熱ゾーンを有する加熱装置を設け、前記延伸されたアラミドフィラメントが、熱処理されるように構成されている延伸されたアラミドフィラメントの製造装置に関する。また本発明は、前記延伸されたアラミドフィラメントの製造装置に、さらに延伸手段を有する延伸されたアラミドフィラメントの製造装置に関する。また本発明は、前記原フィラメントが赤外線光束で加熱される前に、その原フィラメントの位置を規制する案内具が設けられている延伸されたアラミドフィラメントの製造装置に関する。また本発明は、前記案内具が、その案内具の案内位置を微調整できる、位置制御装置を有する延伸されたアラミドフィラメントの製造装置に関する。また本発明は、前記原フィラメントが赤外線光束で加熱される前に送風管が設けられており、その原フィラメントが送風管により送られてくるように構成されている延伸されたアラミドフィラメントの製造装置に関する。また本発明は、前記制御が、延伸されたフィラメントの径を測定して、送出速度をコントロールするように構成されている延伸されたアラミドフィラメントの製造装置に関する。また本発明は、前記延伸されたアラミドフィラメントの製造装置が、延伸されたフィラメントの巻取手段を有し、かつ、前記制御を、延伸されたフィラメントの径を測定して、フィラメントの巻取速度またはフィラメントの巻取速度と送出速度との両者をコントロールするように構成されている、延伸されたアラミドフィラメントの製造装置に関する。さらに本発明は、前記延伸されたアラミドフィラメントの製造装置に、走行するコンベアが設けられており、そのコンベア上に延伸されたフィラメントが集積されるように構成されている延伸されたアラミドフィラメントからなる不織布の製造装置に関する。
本発明は上記の目的を達成するためになされたものであって、延伸されたアラミドフィラメントの特徴を下記に示す。本発明は、前記延伸されたアラミドフィラメントが、10倍以上の延伸倍率を有し、X線配向度が90%以上であるアラミドフィラメントに関する。さらに本発明は、前記延伸されたアラミドフィラメントが、ポリ・パラフェニレン・3.4’ジフェニールエーテル・テレフタールアミドであり、フィラメント径が12μm以下である、延伸されたアラミドフィラメントに関する。
本発明は、延伸されたアラミドフィラメントに関する。アラミドフィラメントとは、アラミドポリマーからなるフィラメントを意味する。フィラメントは、実質的に連続した長さを持つ繊維で、長さの短い(数ミリメータから数センチメータ)からなる短繊維とは区別される。なお、本発明におけるフィラメントは、一本のフィラメントからなるシングルフィラメントである場合と、複数のフィラメントからなるマルチフィラメントである場合が含められる。一本のフィラメントにかかる張力等では、「単糸あたり」と表現するが、一本のフィラメントでは、「その一本のフィラメントあたり」を意味し、マルチフィラメントでは、それを構成する「個々のフィラメント一本あたり」を意味する。
本発明におけるアラミドポリマーとは、アミド結合を介して結びついた芳香族基よりなる合成高分子で、そのアミド結合の85%以上が2個の芳香族環と直接結合しており、そのアミド基の50%以下がイミド基で置換されている場合も含まれる(ISO2076-1977)。アラミドポリマーには、パラ系アラミドとして、ポリ・パラフェニレン・テレフタールアミド(poly(p・phenylene terephthalamide)や、共重合系であるポリ・パラフェニレン・3.4’ジフェニールエーテル・テレフタールアミド(poly(p・phenylene/3.4'・diphenylether terephthalamide))がある。また、メタ系アラミドとして、ポリ・メタフェニレン・イソフタールアミド(poly(m・phenylene isophthalamide))がある。しかし、これらの例示にとどまらず、上記定義に示したアラミドからなるフィラメントであれば、本発明のアラミドフィラメントに含まれる。
本発明は、原フィラメントを延伸する手段を提供するものである。本発明における原アラミドフィラメントとは、既にアラミドフィラメントとして製造されて、ボビン等に巻き取られたものであってもよいし、紡糸過程において、フィラメントが冷却や凝固によりアラミドフィラメントとなったものを、紡糸過程に引き続き使用され、本発明の延伸手段の原料となるアラミドフィラメントとして使用してもよい。したがって、紡糸工程における溶剤が若干含まれていている場合のように、溶剤や膨潤剤が含まれる場合も含められる。
本発明における原アラミドフィラメントとは、既に紡糸過程や延伸工程を経て分子配向されたものであっても使用されるが、紡糸過程で配向が制限されるか、延伸工程を省略することなどで、アラミドフィラメントの分子配向が制限されていることが好ましい。本発明において、原フィラメントの強度が、単糸あたり、10GPa以下である未延伸フィラメントであることが好ましく、さらに、5GPa以下であることが好ましく、1GPa以下であることが最も好ましい。本発明人の先発明で明らかにしたように、ナイロンやポリエチレンテレフタレート等の汎用熱可塑性樹脂フィラメントでは、相当に分子配向した原フィラメントでも、赤外線光束で超高倍率に延伸出来、高分子配向のフィラメントが得られる。しかし、アラミドフィラメントでは、分子配向度が制限されていることで、延伸性が増すことが明らかになった。
本発明の原アラミドフィラメントは、赤外線加熱手段(レーザーを含む)により照射される赤外線光束により延伸適温に加熱される。赤外線は、原フィラメントを加熱するが、延伸適温に加熱される範囲が、フィラメントの中心でフィラメントの軸方向に、上下4mm以内であることが好ましく、さらに好ましくは3mm以下、最も好ましくは2mm以下で加熱される。本発明は、狭い領域で急激に延伸することにより、高度の分子配向を伴った延伸を可能にし、しかも高倍率延伸であっても、延伸切れを少なくすることができた。なお、この赤外線光束が照射されるフィラメントが、マルチフィラメントである場合は、上記の「フィラメントの中心」は、マルチフィラメントのフィラメント束の中心を意味する。
なお、この場合の赤外線光束の照射は、複数箇所から照射されることが好ましい。アラミドフィラメントにおいて、フィラメントの片側のみからの加熱は、その融解温度が高く、もともと延伸が困難なフィラメントが、非対称加熱により、さらに困難になるからである。このような複数箇所からの照射は、複数個の赤外線光束の光源から照射してもよいが、一つの光源からの光束を鏡によって反射させることにより、複数回、原フィラメントの通路に沿って照射させることによって達成することもできる。鏡は、固定型ばかりでなく、ポリゴンミラーのように回転するタイプも使用することができる。
また、複数箇所からの照射の別な手段として、複数光源からの光源を原フィラメントに複数箇所から照射する手段がある。比較的小規模のレーザー光源で安定してコストの安いレーザー発信装置を複数用いて、高パワーの光源とすることができ、本発明のアラミドフィラメントは、高ワット密度が必要であることより、この複数光源を使用する方式は有効である。
赤外線は、波長0.78μmから1mmまでとされているが、高分子化合物のC−Cボンドの3.5μmの吸収を中心としており、0.78μmから20μm程度の近赤外の範囲が特に好ましい。これらの赤外線は、鏡やレンズにより、線状または点状に焦点を絞り、アラミドフィラメントの加熱域を、フィラメントの軸方向に上下4mm以内に絞り込むスポットヒータやラインヒータと呼ばれる加熱ヒータが使用できる。特に、ラインヒータは、複数本のアラミドフィラメントを同時に加熱する場合に好適である。
本発明の赤外線加熱には、レーザーによる加熱が特に好ましい。中でも、10.6μmの波長の炭酸ガスレーザーと、1.06μmの波長のYAG(イットリウム、アルミニウム、ガーネット系)レーザーが特に好ましい。また、アルゴンレーザーも使用することができる。レーザーは、放射範囲を小さく絞り込むことが可能であり、また、特定の波長に集中しているので、無駄なエネルギーも少ない。本発明の炭酸ガスレーザーは、パワー密度が10W/cm2以上、好ましくは100W/cm2以上、最も好ましくは、150W/cm2以上である。狭い延伸領域に高パワー密度のエネルギーを集中することによって、本発明の高倍率延伸が可能となるからである。本発明におけるレーザーのワット密度は、本発明人の先発明に示した従来の汎用繊維ポリマーの場合より、数段大きいワット密度を必要とすることに特徴がある。なお、本発明では、複数方向からの光束を使用することを特徴とするが、その場合のワット密度は、それぞれの照射方向からのワット密度を合計して示す。
本発明においては、アラミドフィラメントが延伸される張力を、非常に小さい状態に制御されることを特徴とする。本発明における延伸張力は、単糸あたり、好ましくは30MPa以下、さらに好ましくは10MPa以下、最も好ましくは5MPa以下にすることによって延伸される。30MPaを越えると、延伸切れが生じ易くなり、高倍率延伸するためには、このような張力範囲にあることが望ましい。アラミドフィラメントの延伸では、通常、数百MPaの延伸張力を必要とするが、本発明では、1桁から2桁小さい延伸張力であることを特徴とする。このように小さい延伸張力で、延伸倍率を4倍以上、条件によっては10倍以上、さらには15倍以上と極端に大きな倍率が実現できるのは、延伸温度が融点前後と、極端に高い温度を維持しつつ、非常に狭い延伸領域であるため、アラミドフィラメントの切断を免れて変形できるものと思われる。
このように、本発明においては、非常に小さな張力で延伸されることに特徴があるが、本発明の延伸における張力は、自己の自重により与えられる張力によっても延伸されることを特徴とする。これは、一般の延伸が、ローラ間の速度差によって与えられる張力や、巻き取りによる張力によって延伸されることと原理的に異なる。本発明では、加熱部に加わるアラミドフィラメントの自重の大きさ(加熱部から自由落下している距離によって定まる)を、自由落下距離を変化させることで最適の張力を選択することができる。小さな延伸張力において、最適張力を見いだすことは困難であるが、本発明では、自己の自重により、落下距離という簡便な手段で、容易に延伸張力を制御できるようにしたことに特徴がある。特に、本発明の延伸のスタート時、即ち、延伸の立ち上げ時に、落下距離とレーザーパワー密度を種々に変化させて、最適延伸張力を探して、その状態と延伸倍率から、ローラ間延伸へと導いていくことができる。
本発明において、得られた延伸アラミドフィラメントの延伸倍率が4倍以上、好ましくは8倍以上、さらに好ましくは10倍以上、最も好ましくは15倍以上の超高倍率で延伸されることを特徴とする。本発明では、このような簡便な装置で15倍以上、さらには20倍以上の高倍率を実現でき、アラミド繊維においても、高倍率によってフィラメント径の小さいフィラメントが得られた。また、アラミド繊維では一般に紡糸が困難であるが、紡糸過程で安定する比較的太いフィラメントを得ておき、本発明の延伸で高倍率に延伸することで、フィラメント径の小さい繊維を得ることは、生産系全体の安定生産にも寄与する。
本発明では、このように高倍率延伸を可能にしたことにより、フィラメント径が12μm以下、さらに10μm以下といった極細アラミドフィラメントの製造を可能にしたことに特徴がある。アラミド繊維も、強度や弾性率などの力学的特性が高くても、フィラメント径が大きいと、ロープ等の柔軟性に欠け、また防護服においては、着心地が良くない。また、フィルター等の不織布においても、フィラメント径が小さいことは、性能を高め、カバリングパワーもアップする。したがって、本発明においてフィラメント径を小さくすることで、これらの製品の品質を向上させることもできた。
本発明の連続法においは、フィラメントを送り出す手段から送り出された原アラミドフィラメントについて延伸が行われる。送出手段は、ニップローラや数段の駆動ローラの組み合わせなどの一定の送出速度で、アラミドフィラメントを送り出すことが出来るものであれば種々のタイプのものが使用できる。また、延伸されたフィラメントは、必要に応じて巻き取られるが、その巻取速度は、ニップローラや数段の駆動ローラの組み合わせなどの一定の送出速度で、アラミドフィラメントを巻き取る手段が使用される。これらの送出手段または巻取手段によって構成される本発明のアラミドフィラメントの製造装置は、延伸されたフィラメントの径を測定して、フィラメントの送出速度や巻取速度、またはフィラメントの巻取速度と送出速度との両者をコントロールするように構成されている制御手段を有することが望ましい。
本発明において、赤外線光束が原フィラメントに当たる直前で、原フィラメントの位置を規制する案内具を設けることが好ましい。原フィラメントの赤外線光束による加熱は、非常に狭い範囲において加熱されることが特徴で、その狭い範囲の加熱を可能にするために、アラミドフィラメントの位置を規制する必要がある。下記に述べる送風管の出口の形状によって、そのような機能を持たすことも可能であるが、送風管はアラミドフィラメントを送る気体の通気や、アラミドフィラメントの通し易さに重点を置き、その後に簡便な案内具によって、アラミドフィラメントの位置が規制されることが好ましい。従来の通常の延伸では、延伸張力が大きいので、案内具は必要としない。しかし本発明では、延伸張力が小さくて延伸倍率が大きく、また加熱域が狭いので、延伸点のほんの少しのゆらぎや変動は、延伸の安定性に大きく影響する。したがって、延伸点の直前に案内具を設けることが、延伸の安定性に大きく寄与する。本発明における案内具は、細い管や溝、コーム、細いバーの組み合わせなどが使用できる。
上記案内具においては、案内具によってフィラメントの位置を微調整できる、位置制御機構を有することが望ましい。レーザービームの狭い領域に、フィラメントの走行位置を正確にフィットさせるためには、案内具をXY方向に位置制御する必要がある。
フィラメントの送出手段により送り出された原アラミドフィラメントは、さらに送風管を通して、送風管中を原アラミドフィラメントの走行方向に流れる気体によって送られることが望ましい。本発明では、延伸張力が小さいため、原フィラメントが走行中に案内具等による抵抗で、延伸張力が一定に保ち得ない場合があるからである。送風管を流れる気体は、通常、室温の気体が使用されるが、原アラミドフィラメントを予熱したい場合は、加熱エアーが使用される。また、原アラミドフィラメントが、酸化されるのを防ぐ場合は、窒素ガス等の不活性ガスが使用される。なお、送風管は、必ずしも筒状である必要がなく、溝状であってもよく、それらの中を気体とともに原アラミドフィラメントが流れればよい。管の断面は、円が好ましいが、矩形でもその他の形状でもよい。管を流れる気体は、枝分かれした管の一方より供給してもよく、管が2重になっており、外側の管から内側の管へ、孔などによって供給してもよい。合成繊維のインターレース紡糸やタスラン加工に使用されるフィラメントの空気交絡ノズルも本発明の送風管として使用される。また、本発明における不織布製造のように、自由落下により延伸する場合、本発明の送風管によるエアーの勢いで、フィラメントに延伸張力を与えることもできる。
本発明におけるアラミドフィラメントの延伸においては、複数本の原アラミドフィラメントをまとめて、同一赤外線光束中で延伸できることを特徴とする。通常、赤外線光束中で複数本の原フィラメントをまとめて延伸すると、延伸フィラメント間で膠着が生じる。また、このような膠着が原因で延伸性が阻害され、高倍率の延伸ができない場合が多い。しかし、本発明のアラミドフィラメントでは、原フィラメントの耐熱性が高く、延伸されることにより、さらに耐熱性が高くなることより、複数本の原フィラメントをまとめて延伸しても、膠着が起こることなく、安定して高倍率延伸を行うことができることが、実験により確認できた。複数本とは、2本以上、場合によっては、5本以上も延伸することができた。このことにより、赤外線延伸法の効率を、著しく向上させることができた。
本発明の延伸されたアラミドフィラメントは、その後続工程で、ボビンやチーズ等に巻き取られ、ボビン巻やチーズ巻の形態の製品とされる。これらの巻き取りにおいては、延伸されたアラミドフィラメントは、トラバースされながら巻き取られることが望ましい。トラバースされることにより、均一な巻き上げ形態を確保できるからである。極細アラミドフィラメントでは、糸切れや毛羽の発生が最も問題となるが、本発明では、高度に分子配向しているためと、延伸張力が小さいため、小さな巻き取り張力で巻き取ることが可能となる。そのため、本発明では、糸切れや毛羽を少なくできることも特徴となる。なお、複数本の原フィラメントを同時に延伸して、同時に巻き取る際には、撚糸機で撚をかけながら巻いて行くこともできるが、本発明はフィラメントの走行速度が速いので、インターレース交絡法によりフィラメント間を交絡して巻き取ることが好ましい。
本発明の延伸工程の後に、加熱ゾーンを有する加熱装置を設け、延伸されたアラミドフィラメントを熱処理することもできる。加熱は、加熱気体中を通過させたり、赤外線加熱等の輻射加熱、加熱ローラ上を通す、またはそれらの併用などで行うことができる。熱処理は、延伸されたアラミドフィラメントの熱収縮を小さくし、結晶化度を上げ、アラミドフィラメントの経時変化を小さくし、ヤング率を向上させるなど、種々の効果をもたらす。なお、本発明の不織布の場合では、熱処理は、コンベア上で行ってもよい。
本発明の延伸されたアラミドフィラメントを、さらに延伸した後に巻き取ることもできる。後段階の延伸の手段は、前の段階で行った赤外線延伸手段を用いることもできるが、前の段階で充分に高倍率延伸されて、既に極細アラミドフィラメントが得られている場合は、通常のゴデットローラ等のローラ間延伸や、ピン延伸などを用いることもできる。
本発明では、一定の延伸張力、延伸倍率等を赤外線光束のワット密度をコントロールすることで、安定した延伸を制御することに特徴がある。また、延伸されたフィラメント径を測定して、それをフィードバックすることで、巻取速度または送出速度、または巻取速度と送出速度の両方をコントロールし、一定のフィラメント径の製品が得られるように制御することに特徴がある。本発明においては、延伸倍率が大きいため、延伸されたフィラメント径が変動しやすいが、それを常に制御することで、安定した生産を行うことができた。
本発明における延伸されたアラミドフィラメントを、走行するコンベア上に集積することによって、延伸されたアラミドフィラメントからなる不織布を製造することができ、特に、強度や弾性率の大きなアラミドフィラメントを、切断することなく、長繊維のまま不織布にできる特徴がある。アラミドフィラメントからの不織布製造においては、フィラメントが自重で落下する張力に加えて、送風管からのエアーの勢いで、フィラメントの延伸張力を増加させることが好ましい。コンベア上に集積されたフィラメントは、フィラメント径が小さいため、フィラメント相互の絡み合いにより、単にプレス等でシート化されるが、必要に応じて、ニードルパンチやウオータジェット等の絡合手段や、接着剤や接着繊維による接合、熱エンボス等による熱接合等により、一体化を高めることができる。
なお、本発明におけるフィラメントの配向度fは、下式のX線半価幅法により示される。
f(%)=[(90−H/2)/90]×100
ここで、Hは、アラミド繊維の結晶の主ピークを有する面のデバイ環に沿っての強度分布の半価を示す。また、本発明における延伸倍率λは、原フィラメントの径doと延伸後のフィラメントの径dより、下記の式で表される。この場合、フィラメントの密度は一定として計算する。フィラメント径の測定は、走査型電子顕微鏡(SEM)で、350倍の倍率、または1000倍での撮影写真に基づき、10点の平均値で行う。
λ=(do/d)2
また、本発明におけるフィラメントの強伸度や弾性率の測定法は、JISL1013によって、単糸あたりの測定値を求める。
本発明は、アラミドフィラメントについて、特殊な紡糸手段を用いることなく、簡便な手段で容易に極細の延伸フィラメントを得ることができた。これらの延伸アラミドフィラメントは、生産面での安定や高品質化をもたらし、製品面では、ロープ等の工業製品の柔軟性を増し、防護服等の衣類においては、着心地を良くし、また、耐熱性フィルターにおいては、フィラメント径を小さく出来ることで、フィルター性能を高めることができた。
さらに、本発明により極細アラミドフィラメントからなる長繊維不織布を、簡便に製造することができた。市場にあるアラミド繊維不織布は、アラミド短繊維からなり、切断が困難なアラミド繊維を、短繊維にする必要があり、その短繊維を、カードによりウェブ状にする必要があるなど、工程が複雑であった。また、できた不織布の強度は、短繊維の絡み合いの強度に依存し、アラミド繊維の有する高強度が活かされていなかった。本発明のアラミドフィラメントからなる不織布は、長繊維であり、フィラメントの延伸過程で直接不織布に製造することができる。したがって、防護服やフィルター用の不織布が直接製造される。また、長繊維のみからなる不織布であるため、短繊維に切断する際の繊維のダストが存在しない不織布である特徴も有する。
以下、本発明の実施の形態の例を、図面に基づいて説明する。図1は、本発明の連続法のプロセスの例を示した。原アラミドフィラメント1は、リール11に巻かれた状態から繰り出され、コーム12を経て、繰出ニップローラ13a、13bより一定速度で送り出される。送り出された原フィラメント1は、案内具15で位置を規制されて一定速度で下降する。案内具15は、レーザーの照射位置とフィラメントの走行位置を正確に定めるもので、図では、内径が0.5mmの注射針を使用したが、細いパイプやコーム、また図6で示すスネイルワイヤなども使用できる。案内具15の直下に、レーザー発振装置5より、走行する原フィラメント1に対して、一定幅の加熱域Mにレーザー光6が照射される。このレーザー光6は、図2、図3に示す複数箇所からの照射が好ましい。レーザー光6により加熱され、原フィラメントおよび延伸されたフィラメントの自重、または引取ニップローラ19によってもたらされる延伸張力により、原フィラメントは延伸されて、延伸されたアラミドフィラメント16となって下降し、下降過程に備えられている熱処理ゾーン17を通過することが望ましい。延伸されたアラミドフィラメント16は、滑車18を通り、引取ニップローラ19a、19bを経て、巻取リール20で巻き取られる。この場合において、滑車18への延伸されたアラミドフィラメント16の通路は、アラミドフィラメントの自由落下の軌跡pとして延伸される場合と、滑車18への直線的な軌跡qとして延伸される場合と、それらの中間的な軌跡として延伸される場合がある。軌跡qおよび軌跡pと軌跡qの中間位置では、引取テンションが延伸の張力に及ぶが、その場合は、延伸張力が30MPa以下であることが望ましい。延伸張力は、滑車18に張力測定機構を設けることもできる。他の方法として、バッチ法のロードセル測定により、同一送出速度やレーザー照射条件、延伸倍率等の関係から推定することができる。巻取リール20で巻き取る前に、加熱されている延伸ロール21a、21bと延伸ロール22a、22b間で、延伸ロール21と22の速度の比によって、さらに延伸することもできる。この場合の延伸されたアラミドフィラメントの熱処理ゾーン17は、延伸ローラ22の後に設けることもできる。また、複数の原フィラメントが同時に延伸された場合は、引取リールの直前で、インターレース法などでフィラメント間を空気交絡しておくことが望ましい。また、滑車18や引取ローラ19に入る直前などの位置に、フィラメント径測定装置を設け、測定されたフィラメント径をフィードバックすることにより、引取速度または送出速度等を制御して、常に一定のフィラメント径の製品を得ることができる。
図2に、本発明で採用されている赤外線光束を、複数箇所から原フィラメントに照射する手段の例を示す。図Aは平面図であり、図Bは側面図である。赤外線照射器より照射された赤外線光束31aは、原フィラメント1の通る領域P(図の点線内)を通って、鏡32に達し、鏡32で反射された赤外線光束31bとなり、鏡33で反射されて赤外線光束31cとなる。赤外線光束31cは、領域Pを通って、最初の原フィラメントの照射位置から120度後から、原フィラメントを照射する。領域Pを通過した赤外線光束31cは、鏡34で反射されて、赤外線光束31dとなり、鏡35で反射されて、赤外線光束31eとなる。赤外線光束31eは領域Pを通って、最初の原フィラメントの照射位置の先ほどの赤外線光束31cとは逆の120度後から、原フィラメント1を照射する。このように、原フィラメント1は、3つの赤外線光束31a、31c、31eにより、120度ずつ対称の位置から均等に原フィラメント1を加熱することができる。
図3に、本発明で採用されている赤外線光束を、複数箇所から原フィラメントに照射する手段の他の例で、複数の光源を使用する例を、平面図で示す。赤外線放射装置から放射された赤外線光束41aは、原アラミドフィラメント1へ放射される。また、別の赤外線放射装置から放射された赤外線光束41bも、原アラミドフィラメント1へ放射される。さらに別の赤外線放射装置から放射された赤外線光束41cも、原アラミドフィラメント1へ放射される。このように、複数の光源からの放射は、比較的小規模の光源で安定したコストの安いレーザー発信装置を複数用いて、高パワーの光源とすることができる。なお、図では光源が3個の場合を示したが、2個でもよいし、4個以上も使用できる。特に、複数本延伸では、このような複数光源による延伸が特に有効である。
図4は、既に本発明により延伸されたアラミドフィラメントを、複数本同時に繰り出し、同時に延伸する例について示す。ボビン51a、51b、51c、51d、51eに巻かれた延伸されたアラミドフィラメント52a、52b、52c、52d、52eは、それぞれ送風管53とパイプ54で送られ、エアーマニホールド55に集められ、フィラメントの集合体56となる。なお、送風管53とパイプ54中のアラミドフィラメント52は、図では、煩雑になるので示していない。未延伸原フィラメントは、強度やヤング率が小さく、延伸されたフィラメント52は、繊度が小さいため、張力に耐えないので、ボビン51は、一定速度で回転し、送り出し張力を小さくされていることが好ましい。送り出されたフィラメントの集合体56は、ピッチ可変機構57で、走行位置がレーザービーム58の中心になるように調整される。ピッチ可変機構57には、案内具59が設けられており、その位置を、ラック60とギア61により、フィラメントの走行位置が微調整される。ピッチ可変機構57は、図では一方向だけに調整される例を示したが、直角方向にラックとギアのセットを設けて、XY軸方向に調整させることができる。ピッチ可変機構57によって位置を調整されたフィラメント集合体56は、レーザービーム58で加熱されて延伸され、引取機構62によって引取速度を一定に調整され、モータMで駆動されている巻取ボビン63に巻き取られていく。本図において、レーザービーム58は、1本の線で示したが、図2や図3の複数の光束であることが望ましい。また、図では、ボビン63に直接巻かれている例を示したが、加撚して巻かれることや、インターレース等によりフィラメント間を絡ませて巻かれることが好ましい。また、図4では、赤外線による再延伸の例を示したが、再延伸は、通常のローラ延伸やゾーン延伸等の他の延伸手段を用いることもできる。なお、送風管53やパイプ54へ導入された空気が、原フィラメント1の通路に導かれ、フィラメントが空気の流れによって送られ、エアーの送り出される風速により与えられる張力は、本発明の延伸張力に加味される。なお図4は、延伸されたフィラメントの再延伸の例として説明したが、同様の機構で、未延伸原フィラメントの複数本延伸の手段としても使用できる。
図5に、本発明で使用される送風管の例を示す。図Aは、原アラミドフィラメント1が通過する主管71に、矢印aより導入された空気が枝管72を通じて主管71と合流する。図Bは、二重管73で、内部が空洞になっており、矢印bより導入された空気は、二重管内壁に設けられた多数の孔74により、フィラメントの通路へ導かれる。図Cは、インターレース紡糸に使用される空気交絡ノズル75として使用されているノズルの例で、両サイドc1、c2から空気が吹き込まれる。このように、フィラメントの走行方向に積極的に空気が送り込まれるようにしているのは、本発明では、延伸張力が小さいため、案内具等の抵抗によってフィラメントの走行が阻害されることのないようにするためであり、また、不織布製造の場合のように、巻取テンションで積極的に張力が付加できない場合などで、空気の勢いで、延伸張力を付加することもできる。また、図Cのノズルは、本発明の延伸後のインターレース巻取に際しても使用できる。なお、図5の送風管は、管状のものの例を示したが、一部が解放されて、溝状になっているものも使用される。
図6に、本発明の不織布の製造の例を示す。多数の原アラミドフィラメント1が、ボビン81に巻かれた状態で、架台82に取り付けられている(煩雑さを避けるため3本のみ図示する)。これらの原アラミドフィラメント1a、1b、1cは、案内具であるスネイルワイヤ83a、83b、83cを通じて、送出ニップロール84a、84bの回転により送り出されるようになっている。送り出された原アラミドフィラメント1は、自重で下降する過程で、赤外線放射装置85より放射されるライン状の赤外線光束により加熱される。原アラミドフィラメント1の走行過程における赤外線光束による加熱部Nの範囲を、斜線で示す。原アラミドフィラメント1に吸収されずに通過した光束は、点線で示した凹面鏡86で反射して、加熱部Nに集光するように戻される。赤外線放射装置65側にも、凹面鏡を設ける(但し、赤外線放射装置よりの光束の進行部は窓が開いている)が、図では省略してある。原アラミドフィラメント1は、加熱部Nにおける赤外線の放射熱により加熱され、その部分より下でのアラミドフィラメント自身の自重により延伸されて、延伸アラミドフィラメント87a、87b、87cとなり、走行しているコンベア88上に集積し、ウェブ89を形成する。コンベア88の裏面からは、負圧吸引により、矢印dの方向にエアーが吸引され、ウェブ89の走行の安定性に寄与する。負圧dが延伸されたアラミドフィラメント87に及ぼす張力で牽引され、アラミドフィラメントの細化や配向度のアップに寄与し、これらの張力も、本発明の自重による張力の一部と見なされる。図では省略してあるが、コンベア88の進行方向に、原アラミドフィラメント1の多数のボビン81を多段に設置し、ニップローラ84や赤外線放射装置85等を多段に設けて、ウェブ89の生産性をアップするようにされている。なお、このように進行方向に多段に送出ニップロール84等を設ける場合、赤外線放射装置85や、凹面鏡86は、数段分を兼ねることもできる。なお、延伸張力が、フィラメントの自重やコンベア下からの負圧では不十分で、延伸や配向が小さい場合は、原フィラメント1が赤外線光束部へ導かれる際に、送風管によって導き、送風管のエアーの送り出される風速により与えられる張力も加味して使用される。
原アラミドフィラメントとして、ポリ・パラフェニレン・3.4’ジフェニールエーテル・テレフタールアミドのフィラメントで、フィラメント径40μm、ヤング率1.6GPa、引張強度0.09GPa、伸度25%のフィラメントを使用した。この原フィラメントを使用し、図1の延伸装置に、赤外線照射装置は図2の鏡を使用して延伸した。この原フィラメントの送出速度0.096m/minで送り出し、レーザーパワー密度を種々変化させながら、巻取速度を変化させて実験した。表1に、採取した延伸フィラメントのフィラメント径、フィラメント径から計算した延伸倍率、延伸されたフィラメントのX線配向度、そのフィラメント径や配向度に到る延伸張力をバッチ法から求めた値を示す。この時のレーザー発振装置は、鬼塚硝子社製の最大出力10Wの炭酸ガスレーザー発振装置を使用した。その際のレーザービーム径は、4mmである。表1より、適当な条件では、フィラメント径は、12μm以下で、8.3μmにも達し、延伸倍率は15倍以上、23倍にも達する延伸フィラメントが得られた。このような高倍率の延伸では、X線配向度は、90%以上であった。
Figure 2005273126
実施例1の条件で、送出速度を0.17m/min、張力を3.3MPaに増加した場合の実施例を、表2に示す。これにより、15倍以上の延伸倍率で、フィラメント径は12μm以下、10.2μmにまでにすることができた。同様に、送出速度0.35m/min、張力6.6MPaで実験を行い、延伸倍率4.5倍の延伸されたフィラメントを得ることができた。なお、張力が0.01MPa以下では、上記のワット密度の範囲では、1.1倍以下の延伸倍率しか延伸できなかった。
Figure 2005273126
参考例として、レーザーを1方向からのみ照射した例を示す。送出速度0.0825m/minで、レーザーワット密度8.0W/cm(3方向から当てると24W/cmに相当)を当て、張力を40MPaかけても、フィラメント径は32μm(延伸倍率、1.5倍)しか延伸できなかった。
実施例1の条件で、3本の原アラミドフィラメントを通し、ワット密度72W/cmを照射して延伸すると、延伸されたフィラメントが、膠着することなく、均一にされた。
本発明は、アラミドフィラメントの延伸に関し、本発明の延伸されたアラミドフィラメントは、産業用繊維としてロープ、防護服、耐熱性フィルター等に使用される。
本発明の延伸されたアラミドフィラメントを製造するための連続法のプロセス概念図で示す。 本発明の原フィラメントに赤外線光束を複数箇所から照射するための鏡の配置の例を示し、A図は平面図、B図は側面図である。 本発明の原フィラメントに赤外線光束を複数箇所から照射する他の例で、複数の光源を有する場合で、平面図で示す。 本発明の延伸されたアラミドフィラメントを、複数本再延伸場合のプロセスの概念図で示す。 本発明に使用される送風管の概念図である。 本発明の延伸されたアラミドフィラメントからなる不織布を製造するためのプロセスの概念図で示す。
符号の説明
1:原アラミドフィラメント、 5:レーザー発振器装置、 6:レーザー光、
11:リール、 12:コーム、 13a、13b:繰出ニップロール、
15:案内具、 16:延伸されたアラミドフィラメント、 17:熱処理ゾーン、
18:滑車、 19a、19b:引取ニップロール、
20:巻取リール、 21a、21b、22a、22b:延伸ローラ、
M:アラミドフィラメント上のレーザー光の照射域、
p:延伸されたアラミドフィラメントが自由落下の場合のフィラメントの軌跡、
q:延伸されたアラミドフィラメントに巻取張力が及ぶ場合のフィラメントの軌跡。
31a、31b、31c、31d、31e:赤外線光束、
32、33、34、35:鏡、 P:領域。
41a、41b、41c:赤外線光束、 Q:領域。
51a、51b、51c、51d、51e:ボビン、
52a、52b、52c、52d、52e:延伸されたアラミドフィラメント、
53:送風管、 54:パイプ、 55:エアーマニホールド、
56:フィラメントの集合体、 57:ピッチ可変機構、
58:レーザービーム、 59:案内具、 60:ラック、 61:ギア、
62:引取機構、 63:巻取ボビン、 M:モータ。
71:主管、 72:枝管、 73:2重管式送風管、 74:孔、
75:2方向空気導入式送風管、 a、b、c1、c2:空気の流れ。
81:ボビン、 82:架台、 83:スネイルワイヤ、
84:送出ニップロール、 85:赤外線放射装置、 86:凹面鏡、
87:延伸アラミドフィラメント、 88:コンベア、 89:ウェブ、
N:アラミドフィラメント上の赤外線光束、 d:空気の流れ。

Claims (29)

  1. アラミドフィラメントからなる原フィラメントが赤外線光束で加熱され、加熱された該原フィラメントに、単糸あたり30MPa以下の張力が与えられることによって延伸されることを特徴とする、延伸されたアラミドフィラメントの製造方法。
  2. 請求項1における前記張力が、前記原フィラメントおよび延伸されたフィラメントによってもたらされる自己の自重により与えられることを特徴とする、延伸されたアラミドフィラメントの製造方法。
  3. 請求項1の前記原フィラメントの強度が、単糸あたり10GPa以下である未延伸フィラメントであることを特徴とする、延伸されたアラミドフィラメントの製造方法。
  4. 請求項1の前記原フィラメントが、シングルフィラメントからなることを特徴とする、延伸されたアラミドフィラメントの製造方法。
  5. 請求項1の前記原フィラメントが、複数本のフィラメントからなることを特徴とする、延伸されたアラミドフィラメントの製造方法。
  6. 請求項1の前記赤外線光束が、前記原フィラメントの中心でフィラメントの軸方向に上下4mm以内の範囲で、少なくとも2方向以上から加熱されることを特徴とする、延伸されたアラミドフィラメントの製造方法。
  7. 請求項1の前記赤外線光束が、レーザーであることを特徴とする、延伸されたアラミドフィラメントの製造方法。
  8. 請求項1の前記原フィラメントが赤外線光束で加熱される前において、該原フィラメントの位置が案内具によって規制されることを特徴とする、延伸されたアラミドフィラメントの製造方法。
  9. 請求項1の前記原フィラメントが赤外線光束で加熱される前において、該原フィラメントが送風管により送られてくることを特徴とする、延伸されたアラミドフィラメントの製造方法。
  10. 請求項1の前記アラミドフィラメントの延伸倍率が、4倍以上であることを特徴とする、延伸されたアラミドフィラメントの製造方法。
  11. 請求項1の前記延伸されたアラミドフィラメントが、延伸後に設けられた加熱ゾーンにより熱処理されることを特徴とする、延伸されたアラミドフィラメントの製造方法。
  12. 請求項1における前記延伸されたアラミドフィラメントが、さらに延伸されることを特徴とする、延伸されたアラミドフィラメントの製造方法。
  13. 請求項1における前記延伸されたアラミドフィラメントが、走行するコンベア上に集積されることを特徴とする、延伸されたアラミドフィラメントからなる不織布の製造方法。
  14. アラミドフィラメントからなる原フィラメントの送出手段と、
    送り出された該原フィラメントが、複数箇所から赤外線光束が照射されることによって加熱されるように構成されている赤外線光束放射装置と、
    加熱された該原フィラメントに、単糸あたり30MPa以下の張力を与えることにより、4倍以上に延伸されるように制御される手段を有することを特徴とする、延伸されたアラミドフィラメントの製造装置。
  15. 請求項14の前記赤外線光束放射装置により放射される赤外線の光束が、前記原フィラメントの中心でフィラメントの軸方向に上下4mm以内の範囲で加熱されるように構成されていることを特徴とする、延伸されたアラミドフィラメントの製造装置。
  16. 請求項14の前記外線光束放射装置が、レーザー発振装置であることを特徴とする、延伸されたアラミドフィラメントの製造装置。
  17. 請求項14の前記赤外線光束放射装置が、同一光束を反射させて、原フィラメントに複数の箇所から照射させるための鏡を有することを特徴とする、延伸されたアラミドフィラメントの製造装置。
  18. 請求項14の前記赤外線光束放射装置が、複数の箇所から原フィラメントに照射させる複数の光源を有することを特徴とする、延伸されたアラミドフィラメントの製造装置。
  19. 請求項16の前記レーザーのパワー密度が、10W/cm2以上である炭酸ガスレーザーであることを特徴とする、延伸されたアラミドフィラメントの製造装置。
  20. 請求項14の前記延伸手段に、さらに加熱ゾーンを有する加熱装置を設け、前記延伸されたアラミドフィラメントが、熱処理されるように構成されていることを特徴とする、延伸されたアラミドフィラメントの製造装置。
  21. 請求項14における前記延伸されたアラミドフィラメントの製造装置に、さらに延伸手段を有することを特徴とする延伸されたアラミドフィラメントの製造装置。
  22. 請求項14において、前記原フィラメントが赤外線光束で加熱される前に、該原フィラメントの位置を規制する案内具が設けられていることを特徴とする、延伸されたアラミドフィラメントの製造装置。
  23. 請求項22の前記案内具が、該案内具の案内位置を微調整できる、位置制御装置を有することを特徴とする、延伸されたアラミドフィラメントの製造装置。
  24. 請求項14において、前記原フィラメントが赤外線光束で加熱される前に送風管が設けられており、該原フィラメントが送風管により送られてくるように構成されていることを特徴とする、延伸されたアラミドフィラメントの製造装置。
  25. 請求項14における前記制御が、延伸されたフィラメントの径を測定して、送出速度をコントロールするように構成されていることを特徴とする、延伸されたアラミドフィラメントの製造装置。
  26. 請求項14における前記延伸されたアラミドフィラメントの製造装置が、延伸されたフィラメントの巻取手段を有し、かつ、前記制御を、延伸されたフィラメントの径を測定して、フィラメントの巻取速度またはフィラメントの巻取速度と送出速度との両者をコントロールするように構成されていることを特徴とする、延伸されたアラミドフィラメントの製造装置。
  27. 請求項14の前記延伸されたアラミドフィラメントの製造装置に、走行するコンベアが設けられており、該コンベア上に該延伸されたフィラメントが集積されるように構成されていることを特徴とする、延伸されたアラミドフィラメントからなる不織布の製造装置。
  28. 請求項1の前記延伸されたアラミドフィラメントが、10倍以上の延伸倍率を有し、X線配向度が90%以上であることを特徴とするアラミドフィラメント。
  29. 請求項1の前記延伸されたアラミドフィラメントが、ポリ・パラフェニレン・3.4’ジフェニールエーテル・テレフタールアミドであり、フィラメント径が12μm以下であることを特徴とする、延伸されたアラミドフィラメント。
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