JP2005273098A - 超臨界流体を用いた染色方法、及び当該方法で染色した染色物、並びに染色装置 - Google Patents

超臨界流体を用いた染色方法、及び当該方法で染色した染色物、並びに染色装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 本発明の課題は、超臨界流体を染料の媒体として用いた被染物(布帛)の染色において、濃淡のあるグラデーション柄等を被染物の表面に形成する染色方法・染色装置等を提供することにある。
【解決手段】 超臨界流体(二酸化炭素)を染料の媒体に用いる染色方法において、被染物を巻き付けるための管であって、管壁15に少なくとも一つ以上の貫通孔16を有する被染物固定管6を染色槽5内部に備える染色装置30を使用し、前記被染物固定管6に被染物8を巻き付け、所定の温度下、所定の圧力下で、前記被染物固定管6内に染料12が溶解した超臨界流体を通すことによって、被染物8表面に濃淡のあるグラデーション柄を形成させることができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、超臨界流体を染色媒体として用いる布帛等の被染物の染色方法、及び当該方法により得られた染色物、並びに染色装置に関するものである。より詳しくは、濃淡差のあるグラデーション柄模様をはじめとする柄を、被染物表面に形成する染色方法等に関するものである。
ファッション性を高めるために染色加工においては種々の工夫が行われており、特に柄や模様を描く方法としては、プリント捺染が一般的に行われている。かかるプリント捺染には、『スクリーン型枠法』及び『友禅技法(手書き)』が有る。しかしながら、前者の『スクリーン型枠法』では、濃淡のあるグラデーション柄を描くことは困難である。また後者の友禅技法によれば、濃淡のあるグラデーションを表現することは可能であるが、再現性と生産効率に問題があるために量産化に対応できない。また、プリント捺染は、染料,種々染色助剤,糊剤,水等を混練して調製した色糊を布帛に印捺して乾燥させた後、蒸熱処理を行ない、水洗、乾燥する工程が一般的である。しかし、この方法では、染料,染色助剤,糊剤が廃液中に大量に残存するという問題があり、廃液処理コストや環境面から見直しが求められている。
そこで、近年環境負荷の少ない染色方法として、超臨界流体を染色媒体として用いる無水での染色方法が提案された(例えば非特許文献1〜3、及び特許文献1〜4参照)。例えば特許文献3には、疎水性繊維材料を超臨界二酸化炭素中で分散染料を用いて染色する方法が提案されており、具体的にはポリエステル繊維を温度130℃、圧力25MPaの超臨界二酸化炭素流体中で染色することにより水系染色と同様の染色物が得られることが記載されている。また特許文献4には、エチレングリコール誘導体などの極性溶剤とアルカリ剤で前処理を行ない、共溶媒としてアセトンなどを添加することで、セルロース系繊維材料を、反応分散染料を使って超臨界二酸化炭素中で濃色に染色できることが記載されている。しかしながら、上記提案されている超臨界流体を用いた染色方法で得られる染色物は、均一な単一色の単調な染色物である。
この他、近年、コンピューターに柄情報を入力してインクジェットプリンターにより濃淡のあるグラデーション柄を形成する方法が開発された。かかる方法によれば、濃淡のあるグラデーション柄を再現性よく形成することが可能である。しかし、プリンターの印刷速度が遅く生産性に問題があり、実用化(工業化)には多くの課題が残されている。
堀 照夫著「超臨界二酸化炭素による染色技術」、環境管理、Vol.36、NO.2(2000)、p.127−135 杉浦 和明著「超臨界二酸化炭素を用いた無水染色」、繊維機械学会誌,Vol.52、NO.10(1999)、P405−P411 Shingo Maeda, Setsuaki Hongyou, Katsushi Kunitou, " Dyeing Cellulose Fibers with Reactive Disperse Dyes in Supercritical Carbon Dioxide", Textile Research Journal, Vol.72, No.3, pp.240-244 (2002) 特開2002−363869号公報(公開日:平成14(2002)年12月18日) 特表2000−500192号公報(公開日:平成12(2000)年1月11日) 特開平5−132880号公報(公開日:平成5(1993)年5月28日) 特開2002−201575号公報(公開日:平成14(2002)年7月19日)
したがって上記従来技術は、消費者の感性的ニーズにあった濃淡のあるグラデーション柄を持つ染色物を生産する方法として、効率的で、環境リスクが少なく、再現性がよいという条件を全て満たしているものではなかった。
本発明は上記の事情に鑑みなされたものであり、効率的で、且つ環境に配慮した形で濃淡のあるグラデーション柄を被染物(布帛)に再現性よく形成する染色方法、及び染色装置等を提供することを目的としている。
本発明者は上記の目的を達成するために、超臨界流体が持つ低粘性で高拡散性であるという性質、及び被染物を構成する繊維、特に表層の高分子の熱運動に着目して鋭意検討を行なった。その結果、超臨界流体の低粘性・高拡散性が染色装置に反映されるように染色槽内の流体の流れを制御するとともに、繊維表面に付着した染料分子が繊維内部に急速に熱拡散するように高分子のガラス転移温度よりも十分に高温において染色を行なうことによって、環境リスクの低い超臨界流体染色法において、効率良く濃淡のあるグラデーション柄を被染物表面に形成することができることを発見し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明にかかる染色方法は、超臨界流体を染料の媒体に用いる染色方法において、管壁に少なくとも一つ以上の貫通孔を有する被染物固定管を用い、当該被染物固定管に被染物を巻き付けた上で、当該被染物固定管内に染料が溶解した超臨界流体を通すことによって、被染物表面に柄を形成させることを特徴としている。上記染色装置が備える被染物固定管によれば、上記貫通孔を通して染料が被染物に対して局所的に供給されるため、グラデーション等の柄を被染物表面に形成することが可能となる。
さらに本発明にかかる染色法は、さらに上記被染物固定管の両端にフランジを備えていることが好ましい。上記フランジによれば染色槽内の超臨界流体の流れをより綿密に制御することができる。より詳しくは、貫通孔からの超臨界流体の流れを層流的に半径方向に揃えることが可能となる。それゆえ、より均一なグラデーション等の濃淡柄を被染物表面に形成することが可能となる。
また本発明にかかる染色方法は、超臨界流体を染料の媒体に用いる染色方法において、染色の前段において、被染物を構成する高分子のガラス転移温度を局所的に変化させることにより、被染物表面に柄を形成させることを特徴としている。
また上記被染物を構成する高分子のガラス転移温度を局所的に変化さる方法として、気相グラフト反応法、またはフォトレジスト法、またはグラフト反応法、または低温プラズマ処理法を行なえばよい。
上記染色方法によれば、染色槽内の超臨界流体の流れを特に制御することなくグラデーション等の柄を被染物表面に形成することが可能となる。
また本発明にかかる染色方法は、上記超臨界流体として、二酸化炭素を用いることを特徴としている。二酸化炭素の臨界点は、温度31.1℃・圧力7.38MPaであり、比較的容易に超臨界流体とすることが可能である。したがって安全性、コスト面等の理由からより好ましい。
また本発明にかかる染色方法は、上記染色を行なう温度が以下に示す(a)または(b)であることを特徴としている。
(a)被染物を構成する高分子のガラス転移温度が室温以上である場合は、ガラス転移温度に30℃を加えた温度以上、ガラス転移温度に130℃を加えた温度未満
(b)被染物を構成する高分子のガラス転移温度が室温未満である場合は、ガラス転移温度に100℃を加えた温度以上、ガラス転移温度に200℃を加えた温度未満
上記温度条件で染色することで、被染物を構成する高分子の熱運動によって、繊維表面に付着した染料分子を、速やかに高分子内部へ熱拡散させることができる。それゆえ、より繊細なグラデーション柄を被染物表面に形成することが可能となる。
また本発明にかかる染色方法は、上記染色を行なう圧力が10MPa以上、25MPa未満であることを特徴としている。上記圧力範囲未満の場合は、流体の密度が低く染料分子の溶解力が低すぎるために安定した染色操作が不可能になる。一方、上記圧力範囲を超える場合は、流体の密度が大きく染料の溶解力が高められすぎているために、染料分子が染色槽内の流体の対流によって被染物(布帛)の全面に拡散してしまい、濃淡を有するグラデーション柄を被染物に形成させることが困難となる。
一方、本発明にかかる染色物は、上記本発明にかかる染色方法によって染色されたものである。それゆえ、環境リスクの低い超臨界流体染色法を用いて表面にグラデーション柄が形成されたものである。
一方、本発明にかかる染色装置は、超臨界流体染色法に使用する染色装置おいて、染料を溶解させた超臨界流体と被染物とを接触させる染色槽と、当該染色槽内部に設置され、管壁に少なくとも一つ以上の貫通孔を有しており、被染物を巻き付け可能とする被染物固定管とを備えており、上記被染物固定管に被染物を巻き付けた上で、当該被染物固定管内に染料が溶解した超臨界流体を通すことによって、被染物表面に柄を形成させることを特徴としている。上記被染物固定管によれば、上記貫通孔を通して染料が被染物に対して局所的に供給されるため、グラデーション等の柄を被染物表面に形成させることが可能となる。
さらに、本発明にかかる染色装置は、上記被染物固定管の両端にフランジを備えていることを特徴としている。上記フランジによれば染色槽内の超臨界流体の流れをより綿密に制御することができ、さらに効率良くグラデーション等の柄を被染物表面に形成させることが可能となる。
一方、本発明にかかる被染物固定管は、超臨界流体染色法に使用する染色装置において被染物を巻き付けるために使用する管であって、管壁に少なくとも一つ以上の貫通孔を有することを特徴としている。上記被染物固定管を染色装置に装備することで、上記貫通孔を通して染料が被染物に対して局所的に供給されるため、グラデーション等の柄を被染物表面に形成させることが可能となる。
さらに本発明にかかる被染物固定管は、上記管両端にフランジを備えていることを特徴としている。上記フランジを備えた被染物固定管を染色装置に装備することで、染色槽内の超臨界流体の流れをより綿密に制御することができ、さらに効率良くグラデーション等の柄を被染物表面に形成させることが可能となる。
超臨界流体染色法は、環境リスクの少ない次世代染色法として期待されている一方で、単一色かつ均一な染色しか行なうことができないという欠点を有していた。本発明の最大の効果は、かかる超臨界染色法を用いて濃淡のあるグラデーション柄を得ることに初めて成功した点にあるといえる。
したがって本発明にかかる染色方法によれば、濃淡のあるグラデーション柄の染色が効率よく行なうことができ、尚かつ水を使用しないため廃水の排出が無くなり、また乾燥工程が不要等の理由により所要熱量も抑制された、環境に対して極めて優しい染色が実現できる。
本発明の実施の一形態について説明すれば、以下のとおりである。なお、本発明はこれに限定されるものではない。
本発明にかかる染色方法は、超臨界流体を染料の媒体に用いる染色方法(以下、超臨界流体染色法)を用いて濃淡のあるグラデーション柄等の柄を被染物表面に形成させる染色方法である。
<超臨界流体染色法>
超臨界流体染色法は、1991年、北西ドイツ繊維研究センターのE. schollmeyer らの研究グループが超臨界二酸化炭素を用いた新しい染色法として発表したものである。当該染色法は、ポリエステルなどの合成繊維のほか、難染性繊維であるポリプロピレン、アラミド繊維の染色が可能であること、助剤が不要なこと、短時間染色が可能なこと、還元洗浄が省略可能であること等の利点を有している。さらには、染色廃水を出さないこと、染色媒体として使用した二酸化炭素は回収後循環使用されること、未固着染料の回収可能なこと等、環境に対しても優しい染色方法である。したがって当該超臨界流体染色法は、従来の染色法における種々の問題を解決できる要素を有する次世代染色方法として非常に注目されている。ただし、既述のとおり当該染色方法では、単一色・均一な染色しか行なうことができないという欠点がある。
本発明にかかる染色方法は、上記欠点を解決するために完成されたものである。すなわち本発明にかかる染色方法は、超臨界流体染色法を用いて例えば、濃淡のあるグラデーション柄等の濃淡文様を被染物表面に形成することを目的としている。ただし、基本的には超臨界流体を染料の媒体に用いる染色方法であることにはかわりがない。したがって、本発明にかかる染色方法に使用する染料については、超臨界流体染色法に用いることが可能な染料であれば特に限定されるものではなく、繊維等を染色する各種の染料を使用することができ、分散染料、反応分散染料、油溶染料、天然色素、媒染染料、蛍光染料、食用色素などを例示することができる。また、これらの染料は1種類のみならず、2種類以上を同時に使用してもよい。
また、本発明にかかる染色方法によって染色されるもの(以下、被染物)を構成する繊維についても特に限定されるものではなく、綿・レーヨン・ナイロン(6、66)・ポリエステル・アクリル・ポリプロピレン・絹・羊毛・アセテート(トリアセテート)・ポリエチレン・アラミド(メタ系及びパラ系)・ポリウレタン・ビニロン・ポリ塩化ビニル・ポリ塩化ビニリデンなどを例示することができる。また染料の固着量を変化(増加)させるために、繊維の表面に他の高分子をグラフト反応法・気相グラフト反応法・フォトレジスト法等によって固定した繊維や、低温プラズマ処理によって繊維表層部を非晶化してガラス転移温度を低下させた、いわゆる「改質繊維」も含まれる。なお改質繊維ついては後述する。また、被染物(布帛等)を構成する繊維は1種のみならず、2種以上であってもよい。また被染物の形態についても特に限定されるものではないが、本発明の染色方法においては上記合成繊維及び天然繊維で織られた布帛の状態が好ましい。
ここで被染物を構成する素材と染料には好適な組み合わせがあり、分散染料を使用する場合にはポリエステル、ナイロンからなる被染物が好適である。また油溶染料を使用する場合にはポリエステル、ナイロン、ポリプロピレン、ポリエチレンからなる被染物が好適である。反応分散染料を使用する場合には綿、絹、羊毛からなる被染物が好適である。
また超臨界流体を形成する化合物も特に限定されるものではなく、エチレン・二酸化炭素・エタン・一酸化炭素・プロパン・アンモニア・水等が適宜選択して使用可能である。表1に上記化合物の臨界定数(臨界温度、臨界圧力)を示す。
Figure 2005273098
表1によれば、超臨界流体染色法に用いる超臨界流体としては、二酸化炭素が好適である。これは二酸化炭素の臨界点は臨界温度31.1℃・臨界圧力7.38MPaであり、超臨界流体とすることが比較的容易であること、可燃性でなく安全性が高いこと、染料との反応性がないこと等の理由による。
<本発明にかかる染色方法の原理>
均一な染色を行なうためには、少なくとも被染物を構成する繊維が染料を吸収する速度に相当する量以上の染料を被染物全体に供給すればよい(染料吸収速度≦染料供給速度)。本発明にかかる染色方法は、この原理と逆の発想により生まれたものである。すなわち、染料の吸収速度と染料供給速度のバランスを部分的に変化させることによって、不均一な染色を実現するという理論に基づいている。上記不均一な染色を行なう箇所を、任意に制御すれば濃淡のあるグラデーション柄等の柄を被染物表面に形成することができるというものである。
本発明にかかる染色方法の原理をより詳細に説明する。被染物が染料によって染色される系(以下、染色系)において、染料と被染物との間には、染料が被染物を構成する繊維との相互作用を保ちつつ熱拡散運動を行なうミクロ領域(界面領域)と、該相互作用がないマクロ領域とが存在すると考えられている。染色温度が繊維を構成する高分子(以下、単に「高分子」と適宜称する)のガラス転移温度以上の場合、ミクロ領域から繊維表面に吸着した染料分子は、上記高分子の非晶領域の隙間に拡散して繊維中に吸収される。その際に生じるミクロ領域における染料濃度の低下は、マクロ領域から染料分子がミクロ領域に移行することにより補充される。ここで、染色系の温度を高くすると、染料分子の繊維中への拡散及び吸収が速くなるため、ミクロ領域における染料濃度の低下が加速される。マクロ領域における染料濃度が低く、また染料の均一化が十分に行なわれない場合は、マクロ領域からミクロ領域への染料移行に部分的な差が生じる。その結果、繊維に供給される染料濃度が不均一になる。よって、本発明の染色方法が目的とする不均一な染色を行なうためには、染色温度を上げることがポイントの一つであるといえる。
また、超臨界流体(超臨界二酸化炭素)における染料の溶解度は、染色時における温度と圧力に比例する。そのため温度が一定の場合は、圧力を高くすると染料の溶解度が上がり、被染物全体に染料が十分に行き渡り、マクロ領域−ミクロ領域間における染料移行が滞りなく進んで均一な染色物が得られる。逆に温度一定の場合に圧力を下げると、染料の溶解度が低下するため、染料の繊維吸収に見合った量の染料供給が部分的に行なわれなくなり、結果として不均一な染色物が得られる。したがって、本発明の染色方法が目的とする不均一な染色を行なうためには、染色時の圧力を下げることがポイントの一つであるといえる。
また、染料の供給速度を増加させてマクロ領域の染料分子に高い運動エネルギーを与えると、染料のミクロ領域への熱拡散移行が妨げられるため、ミクロ領域の染料濃度が低下する。その結果、染料の繊維への固着速度(染着速度)が低下する。したがって、本発明の染色方法が目的とする不均一な染色を行なうためには、繊維(高分子)に対する染料の固着速度を部分的に変化させることがポイントの一つであるといえる。
以上をまとめると、本発明の目的とする濃淡のあるグラデーション柄等を被染物の表面に形成するためには、(A)染料の繊維(高分子)への固着速度を部分的に変化させ、さらに(B)高温・(C)低圧の条件下において染色を行なうことで実現できるものといえる。
<本発明にかかる染色方法>
(A)染料の繊維(高分子)への固着速度を部分的に変化させる原理・方法
染料の繊維(高分子)への固着速度を部分的に変化させる方法としては、(I)染色槽内において染料の流れを部分的に変化するように制御すれる方法と(II)被染物を構成する繊維(高分子)のガラス転移温度を部分的に変化させる方法がある。
(I−1)染色槽内において染料の流れを部分的に変化するように制御する方法について
このように染色槽内の染料の流れを部分的に制御することができるのは、超臨界流体が低粘性・高拡散性という物性を有するからである。従来の水を染料の媒体として使用する染色法では、水の粘性が高いために染料分子を含む水が織物組織を容易に通過できない。そのため、染色槽内に特殊な流れの場を形成しようとしても、織物組織が流路に大きな圧力損失を生じさせるために流れが乱されてしまい、染料の供給量・流速に部分的変化を与えることができない。これに対して超臨界流体は粘性が著しく低いために(堀 照夫,「超臨界二酸化炭素による染色技術」,環境管理,Vol.36, No.2,pp.23-31(2000)参照)、織物組織が流路に存在しても大きな圧力損失を生じさせることはなく、設計された流路の方向に向かって染料分子を含む超臨界流体は進み、流路に存在する繊維に対して選択的に染料を供給することになる。よって超臨界流体においては、染色槽内の流路流速を巧みに制御し、部分的に変化させることができるのである。このように、流路や流体の速度を調節することによって、流路の近傍にある繊維にも染料分子は供給されるが、基本的に流路内に存在する繊維に積極的に染料分子が供給されるために、流路からの距離に従って染料の付着量に分布が生じ、濃淡を有するグラデーション柄が被染物に形成される。
かかる染料の流路を変化させる手段としては、例えば、図2に示すような被染物固定管6を染色染色槽内部に備えた染色装置を用いればよい。被染物固定管6は、被染物8を巻き付けるための管で、その管壁15には染料が溶解した超臨界流体が噴き出す貫通孔16を有している。さらに被染物固定管6の両端における超臨界流体の流れが被染物8(布帛)の織物組織によって影響されないようにフランジ7を取り付けている。かかる被染物固定管6に被染物8(布帛)を巻き付けて染色槽に固定し、染料分子が溶解した超臨界流体を流入口17から供給する。この時、貫通孔16から円柱状に巻かれた被染物8(布帛)の半径方向に、染料が溶解した超臨界流体を貫通孔16から噴射させることによって、上述のとおり貫通孔16から被染物8(布帛)までの距離に応じて、流量・流速に差ができる。その結果、被染物8の表面に濃淡を有するグラデーション柄が被染物に形成される。
なお、前記被染物固定管、及び被染物固定管を染色槽内に備えてなる染色装置は、各々本発明にかかる被染物固定管、及び染色装置である。
(I−2)本発明にかかる染色方法に好適な染色装置
次に本発明にかかる染色方法に好適な染色装置の一例について図1を用いて説明する。図1は本発明にかかる被染物固定管を染色槽内に備えた、本発明にかかる染色装置である。被染物固定管6は、その管壁外側に被染物を巻きつけて、染色槽内に被染物を固定するために用いる管である。被染物固定管の管の形状は、管内部に染料が溶解した超臨界流体を通すことができる管状であれば特に限定されるものではなく、管は円柱状であっても、三角柱・四角柱・五角柱、六角柱等の多角柱形状であってもよい。図1に示す被染物固定管6は円柱状である。
また前述のとおり、その被染物固定管の管壁に一つ以上の貫通孔を備えている。図1に示す被染物固定管6には、8つの貫通孔16がある。かかる貫通孔16は、流入口17から流入した染料が溶解した超臨界流体が、貫通孔16を通って被染物固定管6に多重に巻きつけている被染物8に噴射させるために設けられている。貫通孔の個数、及び貫通孔の径については、被染物固定管が被染物(布帛)を巻きつけるに耐えうる強度を保持している範囲であれば特に限定されるものではない。特に貫通孔の個数(密度)は、1つ以上であればよく、目的とする柄に応じて貫通孔の個数(密度)を適宜決定すればよい。また貫通孔の径についても、目的とする柄に応じて貫通孔の径を適宜選択すればよい。後述する実施例においては、直径1.0mmの孔を1cm2当たり約2個あけた被染物固定管、及び直径1.0mmの穴を1cm2たり約6個あけた被染物固定管を使用して染色を行なって、いずれの場合も濃淡のあるグラデーション柄を布帛上に形成することに成功している。
また被染物固定管の材質については、特に限定されるものではなく、ステンレス・鉄・銅等の金属であっても、塩化ビニル等の樹脂であってもよい。さらには、金属管に比して、穴あけ等の加工が容易で、かつ安価な紙製であってもよい。従来の水を染料の媒体として用いる染色法において上記紙製の被染物固定管を使用すれば、水によって紙が膨潤し、管の強度が著しく低下してしまう。さらには、管自体がパルプ化してしまう可能性がある。それゆえ紙製の被染物固定管を使用することはできなかった。一方、本発明にかかる染色法では、疎水性の超臨界流体(超臨界二酸化炭素)を染料の媒体に用いているため、紙が膨潤することがなく、管の強度を十分維持することが可能となる。したがって本発明にかかる染色方法においては、加工が容易で安価な紙製被染物固定管を使用することが可能となる。それゆえ管自体の強度が低下しない範囲で自由に穴あけ加工ができるため、目的に応じたグラデーション柄を被染物上に自由に実現することができる。
なお図1に示す被染物固定管には、両端にフランジ7を備えている。当該フランジ7が無くても被染物表面に濃淡のあるグラデーション柄等の柄を形成することが可能であるが、既述のとおり染料が溶解している超臨界流体の流れが被染物8(布帛)の織物組織によって影響されることを防止するためにはフランジが備えられていることが好ましい。言い換えれば、被染物固定管にフランジを備えることによって、染料が溶解している超臨界流体の層流状の流れを形成することが可能となり、染料の供給量を部分的に変化させることができる。それゆえ、より繊細で均一なグラデーション柄を被染物(布帛)上に形成することができる。よってフランジは本発明にかかる被染物固定管おいて好ましい構成である。
また上記被染物固定管は、染色槽内部に設けられていることが好ましい。ここで染色槽とは、被染物と染料が接触し、染色が行なわれる場所であれば、特にその形状・大きさ等については限定されるものではない。ただし超臨界流体染色法においては、所定の温度・圧力に絶え得る構造を有していることが必要である。さらに染色槽は、染色装置において1つ以上備えていればよく、2つ以上複数個備えられていてもよい。かかる染色槽の内部に被染物固定管が設置されるわけであるが、染色槽内部であれば設置されている場所、設置方法、設置個数についても特に限定されるものではない。したがって該被染物固定管が染色槽に2個以上設置されていてもよい。図1に示す染色槽5は、円筒状の染色槽であり、染色槽底部に流入口18と染色槽側壁面に流出口20が備えられている。被染物固定管6は、該染色槽5の内部において、流入口17と流入口18とが接続管19を介して接続されている。
なお、本発明にかかる染色方法において、被染物(布帛)が被染物固定管に巻きつけられる回数、及び巻き付け方法は特に限定されるものではなく、少なくとも貫通孔16を全て被うように被染物が巻きつけられていればよい。ただし複数回巻き付けた(多重巻き付け)方が被染物における部分間で染料の供給量に差が生じ易くなり、濃淡のあるグラデーション柄を形成し易くなるために好ましい態様である。言い換えれば、被染物固定管に巻きつけられた被染物において、該被染物固定管近傍の部分と遠方の部分との間で染料の供給量に差ができることとなり(近傍は染料供給量が多く、遠方は供給量が少ない)、濃淡のあるグラデーション柄を形成し易くなる。
本発明にかかる染色装置は、少なくとも上記本発明にかかる被染物固定管を染色槽内部に備えていればよく、それ以外の構成であって超臨界流体染色法に必要な器具・装置等が含まれている。それら必要な器具・装置等は特に限定されるものではなく、従来公知の超臨界染色法に用いられる器具・装置等を用いればよい。例えば図1に示される染色装置30においては、既述の被染物固定管6を備えた染色槽5以外の構成として、染料12を溶解させるための染料溶解槽13がある。また染料溶解槽13には、染料12を溶解させるために必要な攪拌機11が備えられている。かかる染料溶解槽13は、流入口18と流出口20の間に適当なパイプによって接続されており、染料が溶解した超臨界流体が、循環ポンプ10の作用によって流入口18、流入口17から導入され、貫通孔16から被染物8に噴射される。被染物に固着しなかった染料及び超臨界流体は、流出口20を通じて染色槽5外に送られ再び循環ポンプ10の作用によって染料溶解槽13に戻ることにより、染色装置30内を超臨界流体が循環し、染色が行われる。なおここで図1に示す本発明にかかる染色装置30は、流入口17と流入口18が接続管19によって接続されている態様について示しているが、逆に流入口17と流出口20が接続管によって接続されている態様であってもよい。かかる場合は、流入口18から導入された染料が溶解した超臨界流体は、被染物8を経由しながら貫通孔16内に流入する。貫通孔16から被染物固定管6の管内に入った染料が溶解した超臨界流体は流出口20を通って再び染料溶解層13へと戻り、染色装置30内を循環する。上記態様であっても、染色槽内において染料の流れを部分的に変化するように制御することが可能となり、濃淡のあるグラデーション柄等を被染物表面に形成することができる。
なお、染料溶解槽13に投入される染料12は、1種類である必要はなく2種類以上の染料を用いて染色を行なってもよい。染料分子間の溶解度の違いを利用して複雑な濃淡のあるグラデーション柄を被染物(布帛)に形成させることが可能となる。換言すれば、2種以上の染料を使用することで、同一色相の濃淡柄のみならず、色相変化を伴った濃淡柄を形成することが可能となる。
この他図1に示される染色装置30には、染色終了時に染色装置30内の残圧を排気するためのストップバルブ14が備えられている。また染色開始前において、染色装置30内に炭酸ガスを供給するために必要な炭酸ガスボンベ1、重量計2、送液ポンプ3、ストップバルブ4が備えられている。また染色開始時に染色装置30内の空気を抜き、染色装置30内を炭酸ガス(二酸化炭素)のみにするために使用する真空ポンプ10、及びストップバルブ9が設置されている。
この他本発明にかかる染色装置には、染色装置内の圧力を制御するために使用する減圧弁(バルブ)、所定の染色温度に制御するために使用する加熱装置・冷却装置・温度制御装置が含まれていてもよい。
(II)被染物を構成する繊維(高分子)のガラス転移温度を部分的に変化させる方法について
被染物を構成する繊維(高分子)のガラス転移温度を部分的に変化させる方法として具体的には、グラフト反応法・気相グラフト反応法・フォトレジスト法、並びに低温プラズマ処理法がある。なおかかる方法によって処理を行なった繊維を改質繊維という。
グラフト反応法・気相グラフト反応法・フォトレジスト法は、被染物を構成する繊維(高分子)の表面に、ガラス転移温度の異なる他の高分子をグラフト反応法等によって固定する方法である。この時、上記他の高分子の分布を種々制御することによって被染物を構成する繊維(高分子)のガラス転移温度を部分的に変化させることができる。
従来かかるグラフト反応法は、超臨界流体染色法では染色し難い絹・羊毛等の天然繊維の繊維表面改質を行なう方法として行なわれているものである。グラフト反応法によって繊維表面に他の高分子を固定して天然繊維(絹)の改質を行ない、超臨界二酸化炭素流体を用いた染色において染料の付着量を改善する試みについては、杉浦(「超臨界二酸化炭素を用いた無水染色」,繊維機械学会誌, Vol. 52, No.10, pp.13-19(1999)参照)によって報告されている(「超臨界二酸化炭素を用いた無水染色」,繊維機械学会誌, Vol. 52, No.10, pp.13-19(1999) 参照)。しかしながら、杉浦は、グラフト反応に用いるモノマーのアルキル鎖長の違いによる染料付着量への影響を指摘しているのみで、本発明において主張する繊維表層に固定された高分子の熱運動と染料分子の繊維内部への熱拡散については何ら指摘していない。綿、羊毛、絹などの天然繊維の内部は水素結合によって強固に分子鎖間が固定されているために、極性溶媒によって繊維が膨潤して水素結合が消失していない状態では、分子鎖の運動性は著しく低い。水素結合が維持された状態で、例えば、絹のガラス転移温度を測定すると、家蚕絹については175℃(J.Magoshi, S.Nakamura, “Studies on physical properties and structure of silk glasstransition and crystallization of silk fibroin”, J. Appl. Polym. Sci.,Vol.19, pp.1013-1015(1975) 参照)、野蚕絹のうちサク蚕絹については201℃(奈倉正宣ら, 「サク蚕絹繊維とポリ(L-アラニン)繊維の分子運動」, 高分子論文集, Vol.35, No.2, pp.81-86(1978)参照)という値が報告されており、ポリエステルなどの熱可塑性の繊維高分子材料にくらべて著しく高い。疎水性の材料に対して親和性を示す超臨界二酸化炭素流体では、これらの親水性の天然繊維を膨潤させることは困難であり、分子鎖は水素結合によって固定された状態となっている。繊維表面に付着した染料分子を繊維内部に熱拡散させるためには、200℃以上の著しい高温での染色を行なう必要が生じるが、そのような高温では染料分子の熱分解も考えられるため不可能である。
そこで天然繊維の改質のためのグラフト反応法が、しばしば行なわれる。例えばメタクリル酸化合物のポリマーのガラス転移温度に注目したとき、ポリメタクリル酸メチルは105℃、ポリメタクリル酸ブチルは20〜55℃、ポリメタクリル酸2−エチルヘキシルは−10℃、ポリメタクリル酸エチルは65℃、ポリメタクリル酸イソブチルは53℃、ポリメタクリル酸ベンジルは54℃(各メタクリル酸ポリマーのガラス転移温度の測定値はPolymer Handbook(John Wiley & Sons Inc.(1999))に記載されている)等、絹のガラス転移温度に比べて著しく低く、通常120〜150℃の温度範囲で行われている超臨界二酸化炭素流体を用いた染色において、これらの高分子がグラフト反応によって天然繊維表層を形成していることは、染料分子の繊維内部への熱拡散において極めて重要な機能を果たす。これらのメタクリル酸化合物を用いて、例えば絹にメタクリル酸メチルをグラフト反応させて100%重量増加させても、絹の光沢を損なうことなく処理前と同じ風会いの加工絹を得ることが出来たという報告がある(小林ら, 「絹糸に対するメタアクリル酸メチルのグラフト重合に関する研究」, 東京都立繊維工業試験場研究報告, Vol.17, pp.56-60(1969) 参照)。このように絹の風合いや光沢が変化しないということは、グラフトされるモノマーは、絹繊維の表層にのみ反応固着するのではなく、繊維内部までモノマーが浸透し重合して固着されていることは明らかである。かかるグラフト反応法を利用すれば、風合いや光沢が変化することなく、被染物を構成する繊維(高分子)のガラス転移温度を部分的に変化させることが可能となる。なお、かかるグラフト反応は天然繊維のみに利用できるものではく、合成繊維にも利用が可能である。
濃淡のあるグラデーション柄を布帛に表現する手法として気相グラフト反応法(根岸道造ら, 「絹繊維内部に於ける酢酸ビニルの気相重合について」, 工化誌, Vol.56, p.763(1953))、あるいは光反応(フォトレジスト)によって、あらかじめ被染物(布帛)に樹脂を付着させ、樹脂の付着量の分布を制御することで被染物を構成する繊維(高分子)のガラス転移温度を部分的に変化させることが可能となる。
一方低温プラズマ処理法は、被染物(布帛)に局所的な低温プラズマ処理を行なう方法であり、この処理の度合いを布帛の部位によって段階的に変化させて繊維の改質を行なうことで被染物を構成する繊維(高分子)のガラス転移温度を部分的に変化させることが可能となる。当該方法は、低温プラズマ処理によって繊維表層部を非晶化してガラス転移温度を低下させるという原理に基づくものである。
なお本発明にかかる染色法おいて、上記グラフト反応法・気相グラフト反応法・フォトレジスト法、並びに低温プラズマ処理法を行なう際には、それぞれの方法についての標準の条件を用いればよく、特に限定されるものではない。
その他、上記に類似する発想として、水または極性有機溶媒を用いることで染着量を高める技術が提案されている。例えば、特開2001−181986号公報「パラ系アラミド繊維の染色方法及びその方法で染色したパラ系アラミド繊維」、特開2001−226884号公報「超臨界染液による染色方法」、特開2001−316988号公報「超臨界流体中において繊維材料を染色する方法」等がある。これらの原理を利用して被染物(布帛)の各部位における水分や極性有機溶媒の量を変化させることによって濃淡のあるグラデーション柄を被染物(布帛)に表現することも可能である。しかし被染物(布帛)内部における水分移動や乾燥を制御する必要があり、濃淡のあるグラデーション柄を再現性よく、かつ連続生産することは困難である。
(B)本発明にかかる染色方法における温度条件
被染物を構成する繊維への染料分子の供給に関しては、上記のような染料の流れの制御によって可能であるが、染料分子が完全に繊維(繊維を構成する高分子)内部に固定・染着されるためには上記高分子の熱運動によって、繊維表面に付着した染料分子を高分子内部に熱拡散させる必要がある。さらには染料の供給量の差(供給ムラ)をそのまま被染物に反映させるためには、出来るだけ速やかに染料分子を熱拡散させる必要がある。熱拡散速度を高めるためには、具体的には通常の超臨界流体を用いた染色温度に比べて、高温条件下で行なう必要がある。
染色温度の好適な条件は、被染物のガラス転移温度・超臨界流体の種類に応じて種々異なるため、適宜選択して用いることが好ましい。例えば、二酸化炭素を超臨界流体に使用し、染料に分散染料を用いた場合の染色温度条件に関して熱可塑性高分子繊維材料を対象に検討した結果、その下限値は少なくとも被染物を構成する繊維(高分子)が室温以上のガラス転移温度を有するときは、該温度よりも30℃以上高温で染色を行なうことが好ましいということがわかった。換言すれば、好ましい染色温度は被染物を構成する繊維(高分子)のガラス転移温度に30℃加えた温度以上であれば好ましい。さらには40℃以上高温であることが好ましく、60℃以上高温であることが最も好ましい。これらを換言すれば、好ましい染色温度は被染物を構成する繊維(高分子)のガラス転移温度に30℃加えた温度以上であれば好ましく、40℃加えた温度以上であることが好ましく、60℃加えた温度以上であることが最も好ましい。他方、被染物を構成する繊維(高分子)が室温未満のガラス転移温度を有するときは、該温度よりも100℃以上高温で染色を行なうことが好ましい。さらには、120℃以上高温であることが好ましく、140℃以上であることが最も好ましい。これらを換言すれば、好ましい染色温度は被染物を構成する繊維(高分子)のガラス転移温度に100℃加えた温度以上であれば好ましく、120℃加えた温度以上であることが好ましく、140℃加えた温度以上であることが最も好ましい。
一方染色温度の上限値については、汎用熱可塑性高分子繊維材料の熱安定性を考慮すると、室温以上のガラス転移温度を有する高分子では、該ガラス転移温度に130℃加えた温度未満であることが好ましい。さらには該ガラス転移温度に100℃加えた温度未満であることが好ましく、80℃加えた温度未満であることが最も好ましい。他方、被染物を構成する高分子が室温未満のガラス転移温度を有するときは、熱安定性・安全性・コスト等を考慮すれば、高分子のガラス転移温度に200℃加えた温度未満であることが好ましい。さらには該ガラス転移温度に180℃加えた温度未満であることが好ましく、160℃加えた温度未満であることが最も好ましい。
なお、「室温」とは染色を行なう部屋の平均温度を意味する。例えば、染色を行なう部屋の平均温度が25℃であれば、該温度が室温である。
(C)本発明にかかる染色方法における圧力条件
染料の供給ムラを被染物に反映させることによって、グラデーション柄等を被染物の表面に形成するためには、上記温度条件に加えて通常の超臨界流体を用いた染色圧力に比べてやや低圧側に設定することが好ましい。染料の溶解力を低めることで染料の供給ムラが、より生じ易くなるからである。
染色時の圧力の好適な条件は、被染物の種類・超臨界流体の種類・染料の種類に応じて種々異なるため、適宜選択して用いることが好ましい。例えば、二酸化炭素を超臨界流体に使用し、染料に分散染料を用いた場合の圧力条件に関して熱可塑性高分子繊維材料を対象に検討した結果、染色時の圧力は少なくとも10MPa以上に設定することが好ましいということがわかった。さらに18MPa以上が好ましく、20MPa以上が最も好ましい。この10Mpa以下の圧力条件下では、流体の密度が低く染料分子の溶解力が低すぎるために安定した染色操作が不可能になるからである。一方、二酸化炭素を超臨界流体に使用した場合の圧力の上限は、25MPa未満であることが好ましい。25Mpa以上の圧力条件下では、流体の密度が大きく、染料の溶解力が高められすぎているために、繊維に付着した染料分子のうち熱拡散によって取り込まれないものが染色槽内の流体の対流によって被染物(布帛)の全面に拡散してしまい、濃淡を有するグラデーション柄を被染物に形成させることが困難となるからである。
(D)染色時間
染色時間は、被染物・染料・染色温度・染色時の圧力等に応じて適宜選択して行なえばよい。ただし一般的に好適な染色時間は、5〜90分である。5分未満では充分な濃度、堅牢度の染色物は得られず、90分以上では作業効率を低下させるからである。
なお上記本発明にかかる染色方法により染色された染色物も本発明にかかる特許請求の範囲に含まれる。
以下本発明を実施例に基づいてより具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、本実施例並びに比較例においては、図1に示す染色装置30を用いて試験を行なった。
〔実施例1〕
直径1.0mmの貫通孔16を1cm2当たり約2個あけた被染物固定管6(直径10mm、長さ50mm)に、幅5cm,長さ30cmのポリエステル布帛(1.3g)を巻き、その両端にフランジ7を取り付けて染色槽5に仕込んだ。次に、分散剤の入っていない赤色分散染料(C.I.Disperse RED 60 ;三井BASF染料株式会社製)6.5mg、及び青色油溶染料(C.I.Disperse BLUE 35 ;アルドリッチ社製)6.5mgを染料溶解槽13に仕込んだ。そして、真空ポンプ10で染色装置30内の空気を抜いた後、炭酸ガスボンベ1から炭酸ガス(二酸化炭素)を送液ポンプ3で染色装置30内に注入し、撹拌機11で攪拌しつつ循環ポンプ10で被染物固定管6の内から外へ炭酸ガス(二酸化炭素)を循環しながら加熱して140℃、20MPaで染色を60分間行った後、ストップバルブ14を開いて二酸化炭素を排出して染色物を得た。得られた染色物の写真を図3に示す。
上記実施例によれば、図3に示すように中心部が紫色、外周部が青色の波紋状の濃淡柄が観察された。
〔実施例2〕
直径1.0mmの貫通孔16を1cm2当たり約6個あけた被染物固定管6(直径10mm、長さ50mm)に、常法でメタクリル酸エチルを樹脂付着量が1.0m mol/gとなるようにグラフト重合反応させた絹羽二重を準備し、幅出しを行なって幅5cm長さ30cmの布帛(1.3g)として巻きつけ、被染物固定管6の両端にフランジ7を取り付けて染色槽5に仕込んだ。次に、分散剤の入っていない赤色分散染料(C.I.Disperse RED 60 ;三井BASF染料株式会社製)13mgを染料溶解槽13に仕込んだ。そして、真空ポンプ10で染色装置30内の空気を抜いた後、炭酸ガスボンベ1から二酸化炭素を送液ポンプ3で染色装置30内に注入し、撹拌機11で攪拌しつつ循環ポンプ10で被染物固定管6の内から外へ二酸化炭素を循環しながら加熱して150℃、20MPaで染色を60分間行った後、ストップバルブ14を開いて二酸化炭素を排出し、染色物を得た。得られた染色物の写真を図4に示す。
上記実施例2によれば、図4に示すような波紋状の濃淡柄が観察された。
〔比較例1〕
実施例1において、染色温度を110℃に低下させ、染色時の圧力を22MPaに高めて染色を行なった。なお上記温度条件・圧力条件以外は実施例1と同様にした。
その結果、得られた染色物は均一に染まっており、実施例1によって形成されるような濃淡柄は観察されなかった。これは、染色温度を110℃に低下させたことによって染料分子のポリエチレンテレフタレート中への熱拡散速度が低下したこと、及び染色圧力を22MPaに高めたことによって二酸化炭素の密度を増加させ染料の溶解力が増加したことが原因と考えられる。
〔比較例2〕
実施例2において、染色温度を120℃に低下させ、染色時の圧力を25MPaに高めて染色を行なった。なお上記温度条件・圧力条件以外は実施例2と同様にした。
その結果、得られた染色物は均一に染まっており、実施例2によって形成されるような濃淡柄は観察されなかった。これは、染色温度を120℃に低下させたことによって染料分子のポリメタクリル酸エチル中への熱拡散速度が低下したこと、及び染色圧力を25MPaに高めて二酸化炭素の密度を増加させ、染料の溶解力が増加したことが原因と考えられる。
なお本発明は、以上説示した各構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態や実施例にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
以上説示したように本発明によれば、超臨界流体染色法を用いて濃淡のあるグラデーション柄等の柄を被染物表面に形成することが可能となった。それゆえ本発明は、消費者の感性的ニ―ズにあった染色物を得ることができる効率的、かつ環境リスクの少ない染色方法・装置等を提供することができる。
したがって本発明にかかる染色方法・染色装置等は、染色工業・繊維産業・アパレル産業に利用が可能である。さらにその染色技術・原理を応用することによって印刷産業にも利用が可能である。
本発明にかかる染色装置の一例である染色装置30の概略図である。 本発明にかかる被染物固定管の概略及び、本発明にかかる染色方法の原理を説明する図である。 実施例1において得られた染色物の写真図である。 実施例2において得られた染色物の写真図である。
符号の説明
1 炭酸ガスボンベ
2 重量計
3 送液ポンプ
4 ストップバルブ
5 染色槽
6 被染物固定管
7 フランジ
8 被染物
9 ストップバルブ
10 真空ポンプ
11 攪拌機
12 染料
13 染料溶解槽
14 ストップバルブ
15 管壁
16 貫通孔
17 流入口
18 流入口
19 接続管
20 流出口
30 染色装置

Claims (12)

  1. 超臨界流体を染料の媒体に用いる染色方法において、
    管壁に少なくとも一つ以上の貫通孔を有する被染物固定管を用い、当該被染物固定管に被染物を巻き付けた上で、当該被染物固定管内に染料が溶解した超臨界流体を通すことによって、被染物表面に柄を形成させることを特徴とする染色方法。
  2. 上記被染物固定管の両端にフランジを備えていることを特徴とする請求項1に記載の染色方法。
  3. 超臨界流体を染料の媒体に用いる染色方法において、
    染色の前段において、被染物を構成する高分子のガラス転移温度を局所的に変化させることにより、被染物表面に柄を形成させることを特徴とする染色方法。
  4. 上記被染物を構成する高分子のガラス転移温度を局所的に変化さる方法として、気相グラフト反応法、またはフォトレジスト法、またはグラフト反応法、または低温プラズマ処理法を行なうことを特徴とする請求項3に記載の染色方法。
  5. 上記超臨界流体として、二酸化炭素を用いることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の染色方法。
  6. 上記染色を行なう温度が、以下に示す(a)または(b)であることを特徴とする請求項5に記載の染色方法。
    (a)被染物を構成する高分子のガラス転移温度が室温以上である場合は、ガラス転移温度に30℃を加えた温度以上、ガラス転移温度に130℃を加えた温度未満
    (b)被染物を構成する高分子のガラス転移温度が室温未満である場合は、ガラス転移温度に100℃を加えた温度以上、ガラス転移温度に200℃を加えた温度未満
  7. 上記染色を行なう圧力が10MPa以上、25MPa未満であることを特徴とする請求項5または6に記載の染色方法。
  8. 請求項1ないし7のいずれか1項に記載の染色方法によって染色された染色物。
  9. 超臨界流体染色法に使用する染色装置おいて、
    染料を溶解させた超臨界流体と被染物とを接触させる染色槽と、
    当該染色槽内部に設置され、管壁に少なくとも一つ以上の貫通孔を有しており、被染物を巻き付け可能とする被染物固定管とを備えており、
    上記被染物固定管に被染物を巻き付けた上で、当該被染物固定管内に染料が溶解した超臨界流体を通すことによって、被染物表面に柄を形成させることを特徴とする染色装置。
  10. 上記被染物固定管の両端にフランジを備えていることを特徴とする請求項9に記載の染色装置。
  11. 超臨界流体染色法に使用する染色装置において、
    被染物を巻き付けるために使用する管であって、管壁に少なくとも一つ以上の貫通孔を有することを特徴とする被染物固定管。
  12. 上記管両端にフランジを備えていることを特徴とする請求項11に記載の被染物固定管。
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