JP2005271997A

JP2005271997A - ペットボトルの内壁保護膜

Info

Publication number: JP2005271997A
Application number: JP2004122317A
Authority: JP
Inventors: Kazuo Saito; 一夫斉藤
Original assignee: Individual
Current assignee: Individual
Priority date: 2004-03-22
Filing date: 2004-03-22
Publication date: 2005-10-06

Abstract

【課題】ボトル内の殺菌と共に、内部壁面のコーティング作用と紫外線防止効果を兼ね備えることで、一般の飲料水はもとより、ビール等の炭酸飲料の充填保存に優れた作用を発揮することができるペットボトルの内壁保護膜を提供すること。
【解決手段】飲料水等を充填するペットボトルにおいて、該ペットボトルの内部壁面に、単一あるいは多成分系の金属酸化物ガラス膜により形成されるガラス膜層を施すと共に、前記内部壁面とガラス膜層との間に、前記ガラス膜層を定着させるためのバインダー層を設けたことを特徴とする。
【選択図】図１

Description

本発明は、飲料水等が充填されるペットボトルにおいて、特に、ビール等の炭酸飲料を長期間、安全に収容させることができるペットボトルの内壁保護膜に関する。

従来より、食品、ことに飲料品をペットボトルに無菌的に充填する方法および装置がある（例えば、特許文献１参照）。
特開平０２−４６９２号公報（第１−２頁、図１）

上掲特許文献１は、無菌化された空間において、ペットボトルを殺菌液で予備洗浄し、ついで無菌液を充填し、コンベヤー上に載置して所要時間往復振動させて殺菌を行い、ついでボトルを転倒させて殺菌液を除去し、ついでボトルの外側を洗浄してから、無菌水でボトルの内側を洗浄して殺菌液を洗い流し、ついで充填液を充填してから殺菌されたキャップを被冠することを特徴としている。しかしながら上記方法においては、ボトル内の殺菌効果は得られるが、内壁のコーティング作用までは至らなかった。そのため、ビール等の炭酸を含有した飲料水を充填した場合、気泡がボトルの外部に発散されるという欠点があった。また、太陽光からの紫外線が直接入射されるため、充填液が劣化するという問題も発生した。

そこで本発明は、ボトル内の殺菌と共に、内部壁面のコーティング作用と紫外線防止効果を兼ね備えることで、一般の飲料水はもとより、ビール等の炭酸飲料の保存に優れた作用を発揮することができるペットボトルの内壁保護膜を提供することにある。

上記課題を解決するために、本発明のペットボトルの内壁保護膜は、飲料水等を充填するペットボトルにおいて、該ペットボトルの内部壁面に、単一あるいは多成分系の金属酸化物ガラス膜により形成されるガラス膜層を施すと共に、前記内部壁面とガラス膜層との間に、前記ガラス膜層を定着させるためのバインダー層を設けたことを特徴とする。また前記ガラス膜層は、加水分解可能な有機金属化合物を、水と有機溶剤の反応液中で、ホウ素イオンの存在下、ハロゲンイオンを触媒にしｐＨを２ないし３に調整しつつ加水分解、脱水縮合して反応生成物を生成し、５０〜６０度以下の温度でガラス化してなる膜層により形成したことを特徴とする。

また、前記ペットボトルの基材内に紫外線吸収剤を混合させた。

ペットボトルの内部壁面にガラス膜層を施したことにより、ガラス膜層特有の光触媒効果にて内部壁面の殺菌が可能となる。また、ガラス膜層のコーティングの特性によりボトル内部壁面に保護膜が形成され、炭酸飲料を充填した場合でも気泡がボトルの外部に発散されるという問題が解消できる。また、前記ペットボトルの内部壁面とガラス膜層との間に、ガラス膜層を定着させるためのバインダー層を設けたことで、ガラス膜層をペットボトルの内部壁面に確実に定着することができる。

また、ペットボトルの基材内に紫外線吸収剤を混合させたことにより、ボトル内に入射される紫外線の量を軽減することができ、ビール等の発泡性酒類の保存が可能となる。そのため、従来の瓶や缶に替わり、運搬や製造コストを大幅に削減できる容器の使用が実現できる。

発明を実施するための最良の手段

以下、本発明におけるペットボトルの内壁保護膜の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図１に示すペットボトル１は、ポリエチレンテレフタレート樹脂にて形成されており、内部にはミネラルウォーター、ウーロン茶、ジュース等が充填されている。また図２に示すように、前記ペットボトル１の内部壁面２には、単一あるいは多成分系の金属酸化物ガラス膜により形成されるガラス膜層３が施されている。

ガラス膜層３は、前記ペットボトル１の内部壁面２をコーティングするように設けられる、単一あるいは多成分系の金属酸化物ガラス膜からなっている。そして、この金属酸化物ガラスからなるガラス膜層３は、酸化チタンや酸化ケイ素と同様に光触媒効果があることが確認されている。そのため、ガラス膜層３の光触媒効果により、内部壁面２の殺菌効果が得られる。また、ガラス膜層３のコーティングの特性によりペットボトル１の内部壁面２に保護膜が形成され、炭酸飲料を充填した場合でも気泡がボトルの外部に発散されるという問題が解消できる。

なお、前記ガラス膜層３を形成するには、予め、加水分解可能な有機金属化合物を、水と有機溶剤の反応液中で、ホウ素イオンの存在下、ハロゲンイオンを触媒にしｐＨを２ないし３に調整しつつ加水分解、脱水縮合して反応生成物を生成しておく。そして、この反応生成物を部材の表面に所定厚み分塗布し、５０〜６０度以下の温度でガラス化させることによりガラス膜を形成する。なお、この金属酸化物ガラスの形成方法は、特開平６−１９９５２８号公報（特許第２５３８５２７号）に記載された公知の技術である。

また、前記内部壁面２とガラス膜層３との間には、ガラス膜層３を定着させるためのバインダー層４が設けられている。かかるバインダー層４を構成する接合剤においては、剥離しやすいガラス膜層３を、ペットボトル１の内部壁面２に確実に定着させるものであれば、素材等は特に限定されるものではない。

他の好適例として、前記ペットボトル１の基材５内に紫外線吸収剤を混合させることが好ましい。紫外線吸収剤は、紫外線を吸収しやすい元素、例えばクロム、コバルト、銅、鉄、鉛、マンガン、ネオジム、ニッケル、チタン、ウラン、バナジウム等が挙げられ、それらの素材を単一で、もしくは混合させ、前記ペットボトル１の製造過程で基材５の原料内に混入させる。そのことにより、ボトル内に入射されるの紫外線の量を軽減することができ、ビール等の発泡性酒類の保存が可能となり、従来使われてきた瓶や缶に替わる容器の代用が実現でき、運搬や製造コストを大幅に削減することができる。

次に、本発明におけるペットボトルの内壁保護膜の塗装方法を説明する。
先ず、空状のペットボトル１に液状の反応生成物を流し込み、内部壁面２全面に反応生成物を被覆させる。反応生成物を被覆した後、遠心分離方法や満注逆排方法により、ペットボトル１内の反応生成物を排出させる。なおこの工程で、反応生成物により内部壁面２の殺菌が行われる。次に、ペットボトル１内にクリア剤と硬化剤との混合液を流し込み、反転させて混合液を排出させる。その後、内部壁面２全面に接合剤を塗布してバインダー層４を形成する。さらにその後、ペットボトル１を５０〜６０℃の温風で反応生成物を低温乾燥させて内部壁面２にガラス膜層３を形成する。

また、ペットボトル１を製造する過程において、予め基材５内に紫外線吸収剤を混合させ、かかるペットボトル１の内部壁面２にガラス膜層３とバインダー層４を形成してもよい。

本発明のペットボトルの内壁保護膜を示す一部欠切状態の正面図である。前記ペットボトルの拡大断面図である。

符号の説明

１ペットボトル
２内部壁面
３ガラス膜層
４バインダー層
５基材

Claims

飲料水等を充填するペットボトルにおいて、該ペットボトルの内部壁面に、単一あるいは多成分系の金属酸化物ガラス膜により形成されるガラス膜層を施すと共に、前記内部壁面とガラス膜層との間に、前記ガラス膜層を定着させるためのバインダー層を設けたことを特徴とするペットボトルの内壁保護膜。
前記ガラス膜層は、加水分解可能な有機金属化合物を、水と有機溶剤の反応液中で、ホウ素イオンの存在下、ハロゲンイオンを触媒にしｐＨを２ないし３に調整しつつ加水分解、脱水縮合して反応生成物を生成し、５０〜６０度以下の温度でガラス化してなる膜層により形成したことを特徴とする請求項１記載のペットボトルの内壁保護膜。
前記ペットボトルの基材内に紫外線吸収剤を混合させた請求項１記載のペットボトルの内壁保護膜。