JP2005270909A - ハードウエアシミュレータ - Google Patents
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Abstract
【課題】 シミュレーション動作を行いながら、簡略な回路構成でシミュレーション対象物のネットワーク構造と他のネットワーク構造とを比較することができるハードウエアシミュレータを提供する。
【解決手段】 乱数発生器R1〜Rn、酵素カウンタK1〜Kn、絞り回路V1〜Vn、反応実行回路H1〜Hn及び接続切り換え回路SWは、物質間の反応に応じて物質カウンタB1〜Bmのカウント値を増減させ、反応実行回路H1〜Hnは、比較情報入力回路CIから入力された比較ネットワーク構造情報に自身の素子特定情報と一致する部分があるか否かを比較して一致する部分がある場合に部分特定情報を比較結果記憶回路CMに記憶させ、比較回路CCは、比較結果記憶回路CMを参照して比較ネットワーク構造情報の全ての部分が部分特定情報と重複することなく一致する場合にネットワーク構造が一致していると判定する。
【選択図】 図1
【解決手段】 乱数発生器R1〜Rn、酵素カウンタK1〜Kn、絞り回路V1〜Vn、反応実行回路H1〜Hn及び接続切り換え回路SWは、物質間の反応に応じて物質カウンタB1〜Bmのカウント値を増減させ、反応実行回路H1〜Hnは、比較情報入力回路CIから入力された比較ネットワーク構造情報に自身の素子特定情報と一致する部分があるか否かを比較して一致する部分がある場合に部分特定情報を比較結果記憶回路CMに記憶させ、比較回路CCは、比較結果記憶回路CMを参照して比較ネットワーク構造情報の全ての部分が部分特定情報と重複することなく一致する場合にネットワーク構造が一致していると判定する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、所定のハードウエアから構成され、シミュレーション対象物間の反応によるシミュレーション対象物の変化量をシミュレーションするハードウエアシミュレータに関するものである。
従来の化学反応シミュレーション方法としては、例えば、シミュレーションプログラムを計算機で実行することにより、有限温度及び有限時間を設定し、これら有限温度及び有限時間における分子動力学計算を行い、分子動力学計算により求められた励起状態を含む構造のすべてを用いて物質の全原子に働く力がすべて緩和される安定構造を複数求める処理等を行うものがある(特許文献1参照)。
一方、上記のような化学反応シミュレーションにおいて多数の物質を容易に取り扱うことができるように、本願発明者は、化学反応シミュレーションを所定のハードウエアを用いて行うことを提案しており、この場合、化学反応ごとに反応実行回路が設けられ、この反応実行回路により各物質カウンタの値を増減させてシミュレーションが行われる(特許文献2参照)。
特開2002−260975号公報
特開2002−126497号公報
しかしながら、上記の化学反応シミュレーションでは、単に化学反応をシミュレーションできるだけで、シミュレーション対象物のネットワーク構造と他のネットワーク構造とを比較して両者が一致するか否かを判定することはできない。また、ネットワーク構造の比較は、単純なものではグラフの比較となるが、グラフの比較はNP問題であることが知られており、上記のネットワーク構造の比較もNP問題となり、単にネットワーク構造を比較したのでは全ての組み合わせに対して比較結果を得るために膨大な時間を要することになる。
本発明の目的は、シミュレーション動作を行いながら、簡略な回路構成でシミュレーション対象物のネットワーク構造と他のネットワーク構造とを比較することができるハードウエアシミュレータを提供することである。
本発明に係るハードウエアシミュレータは、所定のハードウエアから構成され、シミュレーション対象物間の反応によるシミュレーション対象物の変化量をシミュレーションするハードウエアシミュレータであって、シミュレーション対象物に対して設けられ、当該シミュレーション対象物に関する値を演算する複数の演算素子と、前記シミュレーション対象物間の反応に応じて演算素子の値を変化させる反応回路と、前記ハードウエアシミュレータがシミュレーションしているシミュレーション対象物のネットワーク構造と比較される比較ネットワーク構造を取得する取得回路とを備え、前記反応回路は、前記反応に関係するシミュレーション対象物に対して設けられた演算素子を特定するための素子特定情報を予め記憶しており、前記素子特定情報により特定される自身の部分ネットワーク構造と前記取得回路により取得された比較ネットワーク構造とを比較し、前記反応回路による構造比較結果から前記ハードウエアシミュレータがシミュレーションしているシミュレーション対象物のネットワーク構造と前記比較ネットワーク構造とが一致しているか否かを判定する判定回路をさらに備えるものである。
本発明に係るハードウエアシミュレータでは、シミュレーション対象物間の反応に応じてシミュレーション対象物に関する値を演算する複数の演算素子の値が反応回路によって変更されることにより、シミュレーション対象物間の反応によるシミュレーション対象物の変化量がシミュレーションされる。ここで、反応回路は、反応に関係するシミュレーション対象物に対して設けられた演算素子を特定するための素子特定情報を記憶しており、この素子特定情報により特定される自身の部分ネットワーク構造と、取得された比較ネットワーク構造とを比較し、この構造比較結果から現在シミュレーションしているシミュレーション対象物のネットワーク構造と比較ネットワーク構造とが一致しているか否かを判定しているので、シミュレーション動作を行いながら、簡略な回路構成でシミュレーション対象物のネットワーク構造と他のネットワーク構造とを比較することができる。
前記取得回路は、前記シミュレーション対象物をノードとし、前記反応をリンクとしたときにノード×リンクの行列式により表現される比較ネットワーク構造情報を取得し、前記反応回路は、前記素子特定情報と前記比較ネットワーク構造情報とを比較して前記比較ネットワーク構造情報内に前記素子特定情報と一致する部分がある場合に当該部分を特定する部分特定情報を出力し、前記判定回路は、前記比較ネットワーク構造情報の全ての部分が前記部分特定情報と重複することなく一致する場合にネットワーク構造が一致していると判定することが好ましい。
この場合、シミュレーション対象物をノードとし、反応をリンクとしたときにノード×リンクの行列式により表現される比較ネットワーク構造情報の全ての部分が部分特定情報と重複することなく一致する場合にネットワーク構造が一致していると判定しているので、素子特定情報により各反応回路、すなわち反応に関係するシミュレーション対象物、すなわち演算素子を特定することができ、比較ネットワーク構造情報と各素子特定情報を順次比較することによりシミュレーション対象物のネットワーク構造と他のネットワーク構造とを短時間に比較することができる。
前記反応回路は、複数の反応回路を含み、前記判定回路は、前記反応回路の各々から出力される部分特定情報を記憶する記録回路と、前記記録回路に記憶されている全ての部分特定情報と前記比較ネットワーク構造情報とを比較する比較回路とを含むことが好ましい。
この場合、複数の反応回路の部分特定情報を一括して記憶し、記憶されている全ての部分特定情報と比較ネットワーク構造情報とを比較しているので、比較処理を短時間で行うことができる。
前記反応回路と前記取得回路とを接続するスモールワールドネットワーク回路をさらに備えることが好ましい。この場合、比較ネットワーク構造情報を反応回路へ送信するときのオーバーヘッドを低減することができ、短時間で比較ネットワーク構造情報を全ての反応回路へ送信することができる。
前記判定回路は、前記反応回路から部分特定情報を取得し、取得した全ての部分特定情報と前記比較ネットワーク構造情報とを比較することが好ましい。この場合、全ての部分特定情報を一時的に記憶する記憶回路を省略することができ、回路構成をより簡略化することができる。
前記反応回路、前記取得回路及び前記判定回路を相互に接続するスモールワールドネットワーク回路をさらに備えることが好ましい。この場合、比較ネットワーク構造情報及び部分特定情報を送信するときのオーバーヘッドを低減することができ、短時間で各情報を送信することができる。
本発明によれば、反応に関係するシミュレーション対象物に対して設けられた演算素子を特定するための素子特定情報により特定される自身の部分ネットワーク構造と、取得された比較ネットワーク構造とを比較し、この構造比較結果から現在シミュレーションしているシミュレーション対象物のネットワーク構造と比較ネットワーク構造とが一致しているか否かを判定しているので、シミュレーション動作を行いながら、簡略な回路構成でシミュレーション対象物のネットワーク構造と他のネットワーク構造とを比較することができる。
以下、本発明によるハードウエアシミュレータの一例として、生化学反応をシミュレーションし、シグナル伝達ネットワーク、遺伝子ネットワーク等の解明に好適に用いられる化学反応シミュレーション装置について図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の第1の実施の形態によるハードウエアシミュレータの構成を示すブロック図である。図1に示すハードウエアシミュレータは、複数の乱数発生器R1〜Rn(nは任意の正数)、複数の酵素カウンタK1〜Kn、複数の絞り回路V1〜Vn、複数の反応実行回路H1〜Hn、複数の物質カウンタB1〜Bm(mは任意の正数)、接続切り換え回路SW、比較情報入力回路CI、ネットワーク回路NC、比較結果記憶回路CM及び比較回路CCを備える。
酵素カウンタK1〜Kn、絞り回路V1〜Vn及び反応実行回路H1〜Hnは、シミュレーションに使用される生化学反応ごとに設けられ、物質カウンタB1〜Bmは、シミュレーションに使用される物質ごとに設けられる。乱数発生器R1は、絞り回路V1の入力側に接続され、反応実行回路H1は、絞り回路V1の出力側に接続され、酵素カウンタK1は、絞り回路V1に接続される。他の乱数発生器、酵素カウンタ、絞り回路及び反応実行回路も上記と同様に接続される。
接続切り換え回路SWは、例えば、空間スイッチ等から構成され、複数の増加指令信号用の入力配線I1〜In及び減少指令信号用の入力配線D1〜Dnと、複数の増加指令信号用の出力配線i1〜im及び減少指令信号用の出力配線d1〜dmを含み、各配線がマトリックス状に配置されている。
反応実行回路H1は、接続切り換え回路SWの増加指令信号用の入力配線I1及び減少指令信号用の入力配線D1に接続され、他の反応実行回路も同様に接続される。物質カウンタB1は、接続切り換え回路SWの増加指令信号用の出力配線i1及び減少指令信号用の出力配線d1に接続され、他の物質カウンタも同様に接続される。また、接続切り換え回路SWにおいて図中に黒丸で示す各配線の交点NDには、時分割ゲート及び時分割ゲートのオン/オフを制御する保持メモリ等から構成されるスイッチ(図示省略)が配置されている。
接続切り換え回路SWは、各スイッチをオン/オフすることにより、増加指令信号用の入力配線I1〜Inと増加指令信号用の出力配線i1〜imとの接続状態及び減少指令信号用の入力配線D1〜Dnと減少指令信号用の出力配線d1〜dmとの接続状態を制御し、各反応実行回路H1〜Hnが表す生化学反応の反応前の物質を表す物質カウンタ及び反応後の物質を表す物質カウンタと対応する反応実行回路とを接続する。なお、接続切り換え回路SWは、上記の空間スイッチに特に限定されず、反応実行回路と物質カウンタとの接続状態を切り換えることができるものであれば、他の接続切り換え回路を用いてもよいし、また、接続切り換え回路を用いることなく、反応実行回路と物質カウンタとを配線により直接接続するようにしてもよい。
物質カウンタB1〜Bmは、例えば、バイナリカウンタ等から構成され、反応前の各物質の数、すなわち分子数又は原子数を初期カウント値として設定され、反応実行回路H1〜Hnの減少指令信号及び増加指令信号に応じて、そのカウント値を減少及び増加させる。なお、物質カウンタは、上記のバイナリカウンタに特に限定されず、シミュレーション対象物ごとに設けられ、当該シミュレーション対象物に関する値を演算する演算素子であれば、他のカウンタ等を用いてもよい。例えば、代謝経路におけるクエン酸回路のような生化学反応を状態遷移と捉え、状態遷移機械(有限状態オートマトン)を組み合わせて使用する場合、物質カウンタとしてジョンソンカウンタを用いることにより、コンパクトな回路により高速にシミュレーションすることができる。
乱数発生器R1は、生化学反応の反応速度を制御するための所定の乱数を、絞り回路V1を介して反応実行回路H1に出力する。乱数発生器としては、擬似乱数を発生させる擬似乱数発生回路、カオス的な乱数を発生させるカオス発生回路、熱雑音に基づく乱数を発生させる熱雑音発生回路等を用いることができる。
例えば、擬似乱数発生回路としては、線形フィードバックシフトレジスタを用いることによって、線形フィードバックシフトレジスタがL個のレジスタから構成されると、2L−1の長周期を有するが、ほぼランダムな乱数を発生させることができる。カオス発生回路としては、コンデンサと可変抵抗回路とで構成される閉ループにより不規則な信号を発生させる回路等を用いることによって、カオス的な振る舞いを行う不規則な乱数を発生させることができる。熱雑音発生回路としては、短周期のパルスを長周期のパルスによりラッチし、ラッチされた短周期のパルスのレベルを乱数として出力する回路等を用いることによって、ホワイトノイズによる周期性のない乱数を発生させることができる。
酵素カウンタK1は、反応実行回路H1が表す生化学反応に使用される酵素物質の数、すなわち酵素物質の分子数をそのカウント値として設定され、設定されたカウント値に応じて絞り回路V1の絞り量が調整される。なお、一般の化学反応の場合は、酵素カウンタが触媒カウンタに変更され、生細胞内で作られる蛋白性の生体触媒である酵素の代わりに、触媒物質の数がそのカウント値として設定される。また、触媒(酵素)を使用しない化学反応の場合、触媒(酵素)カウンタ及び絞り回路は不要となる。
具体的には、乱数発生器R1が乱数として“1”又は“0”のデータをランダムに発生し、酵素カウンタK1がそのカウント値に応じて“0”に対する“1”の頻度を調整して“1”又は“0”のデータを出力する。このとき、絞り回路V1は両データの論理積を取り、その結果を反応実行回路H1へ出力する。したがって、酵素カウンタK1のカウント値に応じて反応実行回路H1へ入力される“1”の頻度が調整される。
反応実行回路H1は、データとして“1”が入力された場合、反応を実行させるため、増加指令信号用の入力配線I1にカウント値を1だけ増加させるための増加指令信号を出力するとともに、減少指令信号用の入力配線D1にカウント値を1だけ減少させるための減少指令信号を出力する。一方、反応実行回路H1は、データとして“0”が入力された場合、反応を行わないようにするため(不実行の状態)、増加指令信号及び減少指令信号を出力しない。
このとき、接続切り換え回路SWは、減少指令信号用の入力配線D1と、反応実行回路H1が表す生化学反応における反応前の物質の数、すなわち分子数又は原子数を表す物質カウンタに接続されている減少指令信号用の出力配線とを接続している。したがって、反応実行回路H1から出力される減少指令信号が反応前の物質に対して設けられた物質カウンタへ入力され、当該物質カウンタが自身のカウント値を1だけ減少させる。また、接続切り換え回路SWは、増加指令信号用の入力配線I1と、反応実行回路H1が表す生化学反応における反応後の物質の数、すなわち分子数又は原子数を表す物質カウンタに接続されている増加指令信号用の出力配線とを接続している。したがって、反応実行回路H1から出力される増加指令信号が反応後の物質に対して設けられた物質カウンタへ入力され、当該物質カウンタが自身のカウント値を1だけ増加させる。
他の乱数発生器、酵素カウンタ、絞り回路及び反応実行回路も、上記と同様に構成され、生化学反応に応じて上記と同様に動作する。なお、酵素カウンタに割り当てられる酵素の数が生化学反応等により増減する場合は、酵素カウンタも物質カウンタと同様に構成されて接続切り換え回路に接続され、対応する反応実行回路によりそのカウント値が増減される。
比較情報入力回路CIは、所定の電子回路から構成され、外部のコンピュータ等から比較ネットワーク構造情報を取得し、取得した比較ネットワーク構造情報を反応実行回路H1〜Hnのうち一の反応実行回路へネットワーク回路NCを介して送信する。ここで、比較ネットワーク構造情報は、ハードウエアシミュレータがシミュレーションしているシミュレーション対象物のネットワーク構造と比較される比較ネットワーク構造を特定するための情報であり、本実施の形態では、物質をノードとし、反応をリンクとしたときにノード×リンクの行列式により表現される情報を用いている。なお、比較ネットワーク構造情報に特に限定されず、種々の情報を用いることができ、シミュレーション対象物をノードとしたときにノード×ノードの行列式により表現される情報等を用いてもよい。
また、反応実行回路H1〜Hnは、内部にメモリを有し、自身が割り当てられた反応における反応前の物質に割り当てられた物質カウンタ及び反応後の物質に割り当てられた物質カウンタを特定するための素子特定情報として部分ネットワーク構造情報を予め記憶している。ここで、物質カウンタB1〜Bm及び反応実行回路H1〜Hnには、各々を識別可能な識別情報が予め付与されており、反応実行回路H1は、反応前後の物質カウンタの識別情報を部分ネットワーク構造情報として予め記憶している。他の反応実行回路も同様に自身の部分ネットワーク構造情報を予め記憶している。
さらに、反応実行回路H1〜Hnは、内部に比較回路を有し、反応実行回路H1は、ネットワーク回路NCを介して入力された比較ネットワーク構造情報に自身の素子特定情報と一致する部分があるか否かを比較し、一致する部分がある場合に当該部分を特定する部分特定情報を比較結果記憶回路CMへバスBUを介して出力するとともに、入力された比較ネットワーク構造情報を出力信号S1として反応実行回路H2へネットワーク回路NCを介して出力する。反応実行回路H2は、ネットワーク回路NCを介して入力された比較ネットワーク構造情報に自身の素子特定情報と一致する部分があるか否かを比較し、一致する部分がある場合に当該部分を特定する部分特定情報を比較結果記憶回路CMへバスBUを介して出力するとともに、比較ネットワーク構造情報を出力信号S2として反応実行回路H3へネットワーク回路NCを介して転送する。以降、反応実行回路H3〜Hn−1は、入力された比較ネットワーク構造情報に自身の素子特定情報と一致する部分があるか否かを比較し、一致する部分がある場合に当該部分を特定する部分特定情報を比較結果記憶回路CMへバスBUを介して出力するとともに、比較ネットワーク構造情報を出力信号S3〜Hn−1として次の反応実行回路へネットワーク回路NCを介して転送する。最後に、反応実行回路Hnは、入力された比較ネットワーク構造情報に自身の素子特定情報と一致する部分があるか否かを比較し、一致する部分がある場合に当該部分を特定する部分特定情報を比較結果記憶回路CMへバスBUを介して出力するとともに、比較ネットワーク構造情報を出力信号S1としてネットワーク回路NCを介して転送し、比較結果記憶回路CMは、比較ネットワーク構造情報を出力信号C1としてネットワーク回路NCから受信する。
ネットワーク回路NCは、例えば、平均経路長が短いというランダムネットワークの特徴とクラスター係数が大きいというレギュラーネットワークの特徴との双方を合わせ持つスモールワールドネットワーク回路から構成され、比較情報入力回路CIから送信された比較ネットワーク構造情報を反応実行回路H1〜Hn及び比較結果記憶回路CMへ順次転送する。このように、スモールワールドネットワーク回路を用いて、比較ネットワーク構造情報を順次送信することによりネットワーク回路NCにおける通信のオーバーヘッドを低減することができ、短時間で比較ネットワーク構造情報を全ての反応実行回路H1〜Hn及び比較結果記憶回路CMへ送信することができる。
なお、ネットワーク回路は、上記の例に特に限定されず、他のネットワークを用いてもよい。また、比較ネットワーク構造情報の送信方法も、上記の例に特に限定されず、比較情報入力回路CIが全ての反応実行回路H1〜Hnへ直接送信したり、比較情報入力回路CIが一部の反応実行回路へ直接送信して他の反応実行回路へは順次転送したり、ネットワーク回路の構成が固定されている場合は予め定められた順序で最も効率よく送信する等の種々の変更が可能である。
比較結果記憶回路CMは、所定のメモリから構成され、入力された反応実行回路H1〜Hnの部分特定情報及び比較ネットワーク構造情報を記憶する。比較回路CCは、所定の論理回路等から構成され、比較結果記憶回路CMを参照して部分特定情報と比較ネットワーク構造情報とを順次比較し、比較ネットワーク構造情報の全ての部分が部分特定情報と重複することなく一致する場合にネットワーク構造が一致していると判定する。
本実施の形態において、物質カウンタB1〜Bmが演算素子及びカウント回路の一例に相当し、反応実行回路H1〜Hn、乱数発生器R1〜Rn、酵素カウンタK1〜Kn、絞り回路V1〜Vn及び接続切り換え回路SWが反応回路の一例に相当し、比較情報入力回路CIが取得回路の一例に相当し、比較結果記憶回路CM及び比較回路CCが判定回路の一例に相当し、比較結果記憶回路CMが記録回路の一例に相当し、比較回路CCが比較回路の一例に相当し、ネットワーク回路NCがスモールワールドネットワーク回路の一例に相当する。
次に、上記のように構成されたハードウエアシミュレータの動作について説明する。まず、シミュレーションの対象となる物質、生化学反応及び酵素等に関する必要なデータを用いて、物質カウンタB1〜Bmに各物質の数を表すカウンタの初期値が設定されるとともに、酵素カウンタK1〜Knに各酵素の数を表すカウンタの初期値が設定される。次に、乱数発生器R1〜Rnは上記の乱数を発生させ、絞り回路V1〜Vnは、酵素カウンタK1〜Knの酵素の数に応じて乱数を補正する。反応実行回路H1〜Hnは、酵素数により補正された乱数の値に応じて反応が実行されるように、反応前の物質の分子数又は原子数を表す物質カウンタB1〜Bmのカウント値を1だけ減少させるとともに、反応後の物質の分子数又は原子数を表す物質カウンタB1〜Bmのカウント値を1だけ増加させる。
このようにして、各反応実行回路H1〜Hnが表す生化学反応の反応速度が反応実行回路H1〜Hnごとに調整され、各反応実行回路H1〜Hnが表す生化学反応の反応前後の物質に対応する物質カウンタB1〜Bmが対応する反応実行回路H1〜Hnに接続されるとともに、各反応実行回路H1〜Hnが表す生化学反応に応じて反応前後の物質に対応する物質カウンタB1〜Bmのカウント値が減少又は増加され、複数の生化学反応が並列的にシミュレーションされる。
このように、反応前後の各物質の量をカウント値、すなわち数(整数)として捉え、生化学反応による物質の変化量をシミュレーションしているので、物質カウンタB1〜Bmの数を増加するだけでシミュレーションに使用する物質の種類を増加させることができる。また、未知の生化学反応が新たにわかった場合、病体等によりある生化学反応が欠損している場合及び野生種のために生化学反応が通常と異なる場合でも、新たな生化学反応、欠損した生化学反応及び通常と異なる生化学反応に応じて接続切り換え回路SWにより反応実行回路H1〜Hnと物質カウンタB1〜Bmとの接続状態を変更等することにより容易に対処することができる。
ここで、比較情報入力回路CIに比較ネットワーク構造情報が入力されると、比較ネットワーク構造情報が反応実行回路H1〜Hn及び比較結果記憶回路CMへ順次送信され、各反応実行回路H1〜Hnは、自身の素子特定情報と一致する部分があるか否かを比較し、一致する部分がある場合に当該部分を特定する部分特定情報を比較結果記憶回路CMへバスBUを介して出力する。比較結果記憶回路CMは、入力された反応実行回路H1〜Hnの部分特定情報及び比較ネットワーク構造情報を記憶し、比較回路CCは、比較結果記憶回路CMを参照して部分特定情報を比較ネットワーク構造情報と順次照合し、比較ネットワーク構造情報の全ての部分が部分特定情報と重複することなく一致する場合にネットワーク構造が一致していると判定する。
図2は、物質をノード、反応をリンクとした場合の物質間の反応を表すネットワーク構造の一例を示す図である。なお、図中の丸はノードとなる物質を、矢印はリンクとなる反応を、矢印方向は反応方向をそれぞれ示している。図2に示す例では、物質Aから反応R1により物質Bが生成され、物質Bから反応R2により物質Cが生成されるとともに、反応R4により物質Dが生成され、物質Dは反応R3により物質Cからも生成される反応をネットワーク表現したものである。
図3は、図2に示すネットワーク構造を特定する比較ネットワーク構造情報の一例を示す図である。図3に示す例は、物質をノードとし、反応をリンクとしたときにノード×リンクの行列式により表現される比較ネットワーク構造情報であり、図3中の“1”は当該位置の物質と反応とが接続されていることを示す情報であり、“0”は当該位置の物質と反応とが接続されていないことを示す情報である。例えば、反応R1の列には、物質A,Bとの交点が“1”であり、物質C,Dとの交点が“0”であるから、反応R1は、物質A,B間の反応であり、物質C,Dとは無関係な反応であることがわかる。
上記のように、比較ネットワーク構造情報は、各行の物質を特定するための行情報(例えば、A〜D)と、各列の反応を特定するための列情報(例えば、R1〜R4)と、行列式の各要素を表す要素情報(例えば、“1”,“0”)とから構成される。
一方、各反応実行回路H1〜Hnは、自身の素子特定情報として、接続される物質カウンタ、すなわち物質を特定する物質情報(例えば、A〜D)を記憶するとともに、自身に割り当てられた反応を特定する反応情報(例えば、r1〜r4)を記憶している。
図4は、図1に示すハードウエアシミュレータがシミュレーションしている物質間の反応を表すネットワーク構造の一例を示す図である。図4に示すネットワーク構造を有する物質間の反応をシミュレーションする場合、素子特定情報として、反応実行回路H1はr1(1,1,0,0)を、反応実行回路H2はr4(0,1,1,0)を、反応実行回路H3はr3(0,0,1,1)を、反応実行回路H4はr4(0,1,0,1)をそれぞれ記憶している。したがって、図3に示す比較ネットワーク構造情報が入力されると、反応実行回路H1はr1(1,1,0,0)と一致する列を抽出し、この場合、r1(1,1,0,0)はR1の列の要素と一致しているので、部分特定情報として(R1,r1)を比較結果記憶回路CMに記憶させる。反応実行回路H2〜H4も同様に動作し、部分特定情報として(R2,r2)、(R3,r3)、(R4,r4)を比較結果記憶回路CMに記憶させる。
比較回路CCは、比較結果記憶回路CMから比較ネットワーク構造情報から各反応R1〜R4を抽出するとともに、反応実行回路H1〜H4の部分特定情報(R1,r1)、(R2,r2)、(R3,r3)、(R4,r4)を抽出し、各反応R1〜R4に対応する部分特定情報が重複することなく全て存在するか否かを判断する。この場合、部分特定情報と重複することなく一致しているので、比較回路CCは、図4に示すネットワーク構造(シミュレーションしているネットワーク構造)と図2に示すネットワーク構造(比較ネットワーク構造)が一致していると判定する。
また、上記の比較において、部分特定情報として、反応実行回路H1〜Hnは、一致する列がない場合は一致する反応がないことを表す情報を出力し、複数の列が一致する場合は一致する複数の反応を特定可能な情報を出力するようにしてもよい。例えば、反応実行回路H1は、一致する列がない場合は(0,r1)を出力し、反応実行回路H3,H4は、複数の列(例えば、反応R3,R4)が一致する場合は(R3,r3,r4),(R4,r3,r4)を出力する。比較回路CCは、部分特定情報のうち一つでも一致する反応がないことを表す情報がある場合は、ネットワーク構造が一致しないと判定する。また、比較回路CCは、複数の候補を有する部分特定情報があるとき、複数の候補のうちの一つを選択し、次の部分特定情報に残りの反応があり、最終的に、すべての部分特定情報が重複することなく一致している場合に、ネットワーク構造が一致していると判定する。なお、上記の比較ネットワーク構造情報、素子特定情報及び部分特定情報は、一例であり、種々の変更が可能である。
上記のように、本実施の形態では、反応実行回路H1〜Hnにより比較ネットワーク構造情報に自身の素子特定情報と一致する部分があるか否かを比較して一致する部分がある場合に部分特定情報を比較結果記憶回路CMに記憶させ、比較回路CCが比較ネットワーク構造情報の全ての部分が部分特定情報と重複することなく一致する場合にネットワーク構造が一致していると判定しているので、シミュレーション動作を行いながら、簡略な回路構成でシミュレーション中のネットワーク構造と他のネットワーク構造とを比較することができる。
次に、細胞内の各物質の濃度勾配を考慮して細胞内の生化学反応をシミュレーションする場合について説明する。図5は、細胞内の各物質の濃度勾配を考慮して細胞内の生化学反応をシミュレーションする方法を説明するための模式図である。
図5に示すように、細胞内の生化学反応をシミュレーションする場合、一つの細胞を複数のセルCEに空間分割し、セルCEごとに物質の量を保持させ、セルラーオートマトンにより各物質の濃度勾配をシミュレーションする。すなわち、対象とするセル内の各物質の濃度(量)と近傍の6個のセル内の物質の濃度(量)とからセル間での各物質の拡散をシミュレーションする。
例えば、隣接する2つのセルC1,C2に、濃度の異なる物質1、物質2及び物質3がそれぞれ含まれている場合、セルC1,C2間では、濃度の高い方から低い方へ各物質が拡散し、このセル間での拡散を以下のようにしてシミュレーションすることができる。
図6は、図5に示す2つのセルにおける物質の拡散をシミュレーションする場合のハードウエアシミュレータの構成を示すブロック図である。図6に示すハードウエアシミュレータは、セルC1用のハードウエアシミュレータCB1、セルC2用のハードウエアシミュレータCB2、拡散回路KC、比較情報入力回路CI、ネットワーク回路NC、比較結果記憶回路CM及び比較回路CCを備える。
図6に示すハードウエアシミュレータCB1内の物質カウンタB1〜B3の各カウント値は、セルC1内の物質1〜物質3の分子数又は原子数を表し、ハードウエアシミュレータCB2内の物質カウンタB1’〜B3’の各カウント値は、セルC2内の物質1〜物質3の分子数又は原子数を表し、各物質カウンタB1〜B3,B1’〜B3’は、拡散回路KCを介して接続されている。
拡散回路KCは、物質カウンタB1〜B3,B1’〜B3’のカウント値、すなわち各物質の分子数又は原子数に応じて各物質が拡散するように、物質カウンタB1〜B3,B1’〜B3’のカウント値を制御する。例えば、物質カウンタB1のカウント値が物質カウンタB1’のカウント値より大きい場合、平衡状態になるまで、所定の拡散速度に従い、物質カウンタB1のカウント値を順次減少させるとともに、これに対応させて物質カウンタB1’のカウント値を順次増加させる。
比較情報入力回路CIは、比較ネットワーク構造情報をネットワーク回路NCを介して反応実行回路H1,H1’へ送信し、反応実行回路H1,H1’等は、比較ネットワーク構造情報に自身の素子特定情報と一致する部分があるか否かを比較して部分特定情報を比較結果記憶回路CMに記憶させる。比較回路CCは、比較結果記憶回路CMの部分特定情報と比較ネットワーク構造情報とを比較して比較ネットワーク構造情報の全ての部分が部分特定情報と重複することなく一致する場合にネットワーク構造が一致していると判定する。
なお、図6では、セルC1,C2用のハードウエアシミュレータCB1,CB2において物質カウンタB1〜B3,B1’〜B3’及び反応実行回路H1,H1’のみを図示しているが、各ハードウエアシミュレータCB1,CB2も、図1に示すハードウエアシミュレータと同様に構成され、乱数発生器、酵素カウンタ、絞り回路、他の反応実行回路及び接続切り換え回路(図示省略)を有している。したがって、ハードウエアシミュレータCB1,CB2も、図1に示すハードウエアシミュレータと同様に動作し、各セルC1,C2ごとに内部の生化学反応がシミュレーションされ、比較回路CCは、反応実行回路H1,H1’等の部分特定情報と比較情報入力回路CIから入力された比較ネットワーク構造情報とが重複することなく一致する場合にネットワーク構造が一致していると判定する。
上記のように、細胞を複数のセルに分割し、セルごとに生化学反応による物質の変化量をシミュレーションするとともに、隣接するセル間での各物質の拡散をシミュレーションすることにより、細胞内の各物質の濃度勾配を考慮して細胞内の物質の変化量をシミュレーションすることができるとともに、各セルC1,C2ごとに内部の生化学反応がシミュレーションされる。この場合も、入力された比較ネットワーク構造情報の全ての部分が反応実行回路H1,H1’等の部分特定情報と重複することなく一致する場合にネットワーク構造が一致していると判定され、シミュレーション動作を行いながら、簡略な回路構成でシミュレーション中のネットワーク構造と他のネットワーク構造とを比較することができる。
次に、多細胞の生化学反応をシミュレーションする場合について説明する。図7は、多細胞の生化学反応をシミュレーションする方法を説明するための概略図である。図7に示すように、図5と同様に各細胞を複数のセルCE(図中のハッチングのないセル)に分割するとともに、細胞間に存在する細胞壁を複数の細胞壁セルWC(図中のハッチングを施したセル)に分割する。この場合、各細胞内では、図5及び図6を用いて説明した細胞内のシミュレーションと同様に生化学反応がシミュレーションされる。
また、細胞壁を表す細胞壁セルWCの部分は、例えば、拡散が起こらない、すなわち細胞間で物質が拡散しないものとしてシミュレーションを行ってもよく、また、細胞壁でもある程度の拡散が行われるとして、細胞内の細胞セルと同様に拡散回路を用いて拡散をシミュレーションしてもよい。
上記のように、各細胞を複数のセルに分割するとともに、細胞壁を複数の細胞壁セルに分割し、セルごとに生化学反応による物質の変化量をシミュレーションするとともに、細胞内で隣接するセル間の各物質の拡散等をシミュレーションすることにより、多細胞についても、その生化学反応を同様にシミュレーションできるとともに、入力された比較ネットワーク構造情報の全ての部分が反応実行回路の部分特定情報と重複することなく一致する場合にネットワーク構造が一致していると判定することができ、シミュレーション動作を行いながら、簡略な回路構成でシミュレーション中のネットワーク構造と他のネットワーク構造とを比較することができる。
次に、本発明の第2の実施の形態によるハードウエアシミュレータについて説明する。図8は、本発明の第2の実施の形態によるハードウエアシミュレータの構成を示すブロック図である。図8に示すハードウエアシミュレータと図1に示すハードウエアシミュレータとで異なる点は、バスBU及び比較結果記憶回路CMが省略され、ネットワーク回路NCを介して比較ネットワーク構造情報及び部分特定情報が反応実行回路Ha1〜Hanから比較回路CCaへ送信される点であり、その他の点は図1に示すハードウエアシミュレータと同様であるので詳細な説明は省略する。
比較情報入力回路CIは、外部から取得した比較ネットワーク構造情報を反応実行回路Ha1〜Hanのうち一の反応実行回路へネットワーク回路NCを介して送信する。受信した反応実行回路がネットワーク回路NCを介して比較ネットワーク構造情報を順次転送することにより、比較ネットワーク構造情報が反応実行回路Ha1〜Han及び比較回路CCaへ送信される。このとき、反応実行回路Ha1〜Hanは、比較ネットワーク構造情報に自身の素子特定情報と一致する部分があるか否かを比較し、一致する部分がある場合に当該部分を特定する部分特定情報を比較回路CCaへネットワーク回路NCを介して送信する。比較回路CCaは、受信した比較ネットワーク構造情報の全ての部分が受信した部分特定情報と重複することなく一致する場合にネットワーク構造が一致していると判定する。
本実施の形態において、反応実行回路Ha1〜Han、乱数発生器R1〜Rn、酵素カウンタK1〜Kn、絞り回路V1〜Vn及び接続切り換え回路SWが反応回路の一例に相当し、比較回路CCaが判定回路の一例に相当し、その他は第1の実施の形態と同様である。
上記の動作により、本実施の形態では、第1の実施の形態と同様の効果を奏するともに、比較回路CCaがネットワーク回路NCを介して反応実行回路Ha1〜Hanから部分特定情報を取得しているので、図1に示すバスBU及び比較結果記憶回路CMを省略することができ、回路構成をより簡略化することができる。また、比較ネットワーク構造情報だけでなく、部分特定情報をも、スモールワールドネットワーク回路から構成されるネットワーク回路NCを用いて転送しているので、比較ネットワーク構造情報及び部分特定情報を送信するときのオーバーヘッドを低減することができ、短時間で各情報を送信することができる。
なお、本発明が適用可能なハードウエアシミュレータは、上記の例に特に限定されず、所定のハードウエアから構成され、シミュレーション対象物間の反応によるシミュレーション対象物の変化量をシミュレーションするハードウエアシミュレータであれば、種々の分野に適用可能である。例えば、脳細胞及び神経回路網等の生物シミュレーション、遺伝子進化及び生物の個体進化シミュレーション、渡り鳥の移動等に関する生態系シミュレーション、移動物に関する交通システムシミュレーション、避難シミュレーション、数値流体シミュレーション、気象シミュレーション、ロジスティクスシミュレーション、電力供給シミュレーション、都市計画等に関する都市シミュレーション、企業間取引及び株式・先物取引等に関する経済システムシミュレーション、経営シミュレーション、電気回路及び集積回路等の電磁シミュレーション、半導体及び材料の電子レベルシミュレーションに適用することができる。
R1〜Rn 乱数発生器
K1〜Kn 酵素カウンタ
V1〜Vn 絞り回路
H1〜Hn,Ha1〜Han 反応実行回路
B1〜Bm 物質カウンタ
SW 接続切り換え回路
CI 比較情報入力回路
NC ネットワーク回路
CM 比較結果記憶回路
CC,CCa 比較回路
K1〜Kn 酵素カウンタ
V1〜Vn 絞り回路
H1〜Hn,Ha1〜Han 反応実行回路
B1〜Bm 物質カウンタ
SW 接続切り換え回路
CI 比較情報入力回路
NC ネットワーク回路
CM 比較結果記憶回路
CC,CCa 比較回路
Claims (6)
- 所定のハードウエアから構成され、シミュレーション対象物間の反応によるシミュレーション対象物の変化量をシミュレーションするハードウエアシミュレータであって、
シミュレーション対象物に対して設けられ、当該シミュレーション対象物に関する値を演算する複数の演算素子と、
前記シミュレーション対象物間の反応に応じて演算素子の値を変化させる反応回路と、
前記ハードウエアシミュレータがシミュレーションしているシミュレーション対象物のネットワーク構造と比較される比較ネットワーク構造を取得する取得回路とを備え、
前記反応回路は、前記反応に関係するシミュレーション対象物に対して設けられた演算素子を特定するための素子特定情報を予め記憶しており、前記素子特定情報により特定される自身の部分ネットワーク構造と前記取得回路により取得された比較ネットワーク構造とを比較し、
前記反応回路による構造比較結果から前記ハードウエアシミュレータがシミュレーションしているシミュレーション対象物のネットワーク構造と前記比較ネットワーク構造とが一致しているか否かを判定する判定回路をさらに備えることを特徴とするハードウエアシミュレータ。 - 前記取得回路は、前記シミュレーション対象物をノードとし、前記反応をリンクとしたときにノード×リンクの行列式により表現される比較ネットワーク構造情報を取得し、
前記反応回路は、前記素子特定情報と前記比較ネットワーク構造情報とを比較して前記比較ネットワーク構造情報内に前記素子特定情報と一致する部分がある場合に当該部分を特定する部分特定情報を出力し、
前記判定回路は、前記比較ネットワーク構造情報の全ての部分が前記部分特定情報と重複することなく一致する場合にネットワーク構造が一致していると判定することを特徴とする請求項1記載のハードウエアシミュレータ。 - 前記反応回路は、複数の反応回路を含み、
前記判定回路は、
前記反応回路の各々から出力される部分特定情報を記憶する記録回路と、
前記記録回路に記憶されている全ての部分特定情報と前記比較ネットワーク構造情報とを比較する比較回路とを含むことを特徴とする請求項2記載のハードウエアシミュレータ。 - 前記反応回路と前記取得回路とを接続するスモールワールドネットワーク回路をさらに備えることを特徴とする請求項3記載のハードウエアシミュレータ。
- 前記判定回路は、前記反応回路から部分特定情報を取得し、取得した全ての部分特定情報と前記比較ネットワーク構造情報とを比較することを特徴とする請求項2記載のハードウエアシミュレータ。
- 前記反応回路、前記取得回路及び前記判定回路を相互に接続するスモールワールドネットワーク回路をさらに備えることを特徴とする請求項5記載のハードウエアシミュレータ。
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