JP2005270703A - フィルム表面の異物除去方法およびフィルム貼合せ方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】クリーンルームを設置する必要が無く、基材に熱的、化学的影響を与えず、異物を除去するための媒体をも用いない、簡便で確実な積層フィルムの貼合面の異物除去方法を提供する。
【解決手段】 透明支持体上に、屈折率の異なる複数の層を積層してなる多層フィルムの貼合工程において、フィルムの貼合面にパルス幅1ピコ秒以下の超短パルスレーザービームを一様に照射して、フィルムの表面に付着した異物を除去する工程を備えるものであって、照射するレーザービームのエネルギーがアブレーションしきい値近傍または、しきい値以下の低フルーエンスである。
【選択図】 図1
【解決手段】 透明支持体上に、屈折率の異なる複数の層を積層してなる多層フィルムの貼合工程において、フィルムの貼合面にパルス幅1ピコ秒以下の超短パルスレーザービームを一様に照射して、フィルムの表面に付着した異物を除去する工程を備えるものであって、照射するレーザービームのエネルギーがアブレーションしきい値近傍または、しきい値以下の低フルーエンスである。
【選択図】 図1
Description
本発明は、フィルム表面の異物除去方法に関し、特に超短パルスレーザーを照射することでフィルムに熱的、化学的負荷を与えない異物除去方法に関する。また本発明は積層フィルムの製造過程において、層間に挟み込まれる異物を貼合せ直前に除去できる貼合せ方法に関する。
反射防止フィルム、防眩シートなどの機能性フィルムは、一般的に、陰極管表示装置(CRT)、プラズマディスプレイパネル(PDP)や液晶表示装置(LCD)のようなディスプレイ装置において、外光の反射によるコントラスト低下や、周囲の像の映り込みを防止するために、光学干渉原理を用いて、ディスプレイの最表面に反射率を低減する積層の多層フィルムが用いられている。
これらの積層フィルムは、様々な波長の光の反射を防止するために、高屈折率層と低屈折率層を順次積層して形成される。
しかしながら、このような高屈折率層と低屈折率層を順次積層した機能性フィルムにおいては、基材や塗膜上にごみや埃などの異物が乗っている場合、その部分の塗膜が盛り上がり、色合いや反射率が変化する。例え、数マイクロメートルの大きさの異物であっても変化域は20mmほどの範囲に変化をもたらす。従って、目視にてもその異物によるフィルムの欠陥として認められることになり、品質上、大きな問題となる。
そこで、積層する工程で異物を除去する提案が多く為されている。
従来、機能性フィルムの貼付や貼合における異物除去対策としては、クリーンルーム内で生産する等の発塵源を低減する方法、或いは、フィルム上にマスキングシートを予め貼り、貼合直前にマスキングシートを剥離する方法がある。
しかしながら、クリーンルームのような発塵源低減方法では、クラス1000以下では施設コストが増大するというデメリットが生じるとともに、生産設備自体からの発塵対策も施さなければ成らず、設備コストも上昇する。
マスキングシートを貼る方法では、そのシート費用に加え、シートの貼合、剥離のためのコストもかかる。
特許文献1に上記の問題の1つの解決手段が提案されている。特許文献1によれば、機能性フィルムをディスプレイのパネル面に貼付するものであって、粘着剤付フィルム貼付直前にパネル面に再剥離用粘着剤層を貼付して剥がすことにより、パネル面の異物を再剥離用粘着剤層に付着させることによって除去し、パネル面をクリーン化しながら粘着剤フィルムを貼付する。再剥離用粘着剤層は、その粘着力によりパネル表面の異物を強力に付着させ、一旦再剥離用粘着剤層に付着した異物は、この粘着剤層から離脱することはない。そのため、パネル面上の異物を効果的に除去し、フィルムとパネル面との間に異物混入を可及的に防止することが出来る。尚、この方法は例えば再剥離用粘着剤層を表面に設けたローラーで粘着剤付フィルム貼付直前にパネル面を転がすことにより実施できるため、高度なクリーンルームを使用しなくても、簡便で、低コストで確実に異物混入を防止できるというものである。
しかしながら、この方法によると再剥離用粘着剤付シートが必要であり、これによるコストがかかる。また、パネル面に貼付される粘着剤フィルムに異物が付着している場合の異物除去方法については、未解決である。
別の異物除去方法が特許文献2に示されている。
従来の異物除去方法としてフィルム表面に不織布や、ブレード等を押しつける方法、清浄度の高い空気を高速で吹き付けて付着物をフィルム表面から剥離させ、近接した吸い込み口で吸引する方法、更には、超音波振動する圧縮空気を吹き付けて付着物をフィルム表面から剥離させ、吸引する方法(伸興社製、ニューウルトラクリーナー等)等の乾式除塵法、また、洗浄層中にフィルムを導入し、超音波振動子により付着物を剥離させる方法、フィルムに洗浄液を供給したあと、高速空気の吹き付け、吸い込みを行う方法、ウェブを液体でぬらしたロールで連続的に擦った後、擦った面に液体を噴射して洗浄する方法等の湿式除塵法がある。
そして、この発明による異物除去方法として、超音波を用いて除塵する方法及び/または湿式除塵方法が除塵効率の上で好ましいと提案されている。
また、除塵工程を行う前に、フィルム支持体上の静電気を除電しておくことが除塵効率を上げ、ごみの付着を押さえる点で好ましいとしている。また、塗布に用いる塗布液は、塗布直前に濾過する事が記載されている。
そして、この発明による異物除去方法として、超音波を用いて除塵する方法及び/または湿式除塵方法が除塵効率の上で好ましいと提案されている。
また、除塵工程を行う前に、フィルム支持体上の静電気を除電しておくことが除塵効率を上げ、ごみの付着を押さえる点で好ましいとしている。また、塗布に用いる塗布液は、塗布直前に濾過する事が記載されている。
そして、これらのフィルム作成工程は米国連邦規格209Eにおける空気清浄度の規格に基づき、クラス10(0.5μm以下の粒子が53個/(立方メートル)以下)以上であること、更に好ましくは、クラス1(0.5μm以下の粒子が35.5個/(立方メートル)以下)以上の環境下で行うものである。
更に、他の異物除去方法の提案が特許文献2に示されている。これに依れば、被洗浄物表面の異物付着位置に所定量の液滴を滴下する滴下工程と、少なくとも前記液滴を蒸発可能なエネルギーを有するレーザー光を前記異物付着位置に照射して、異物を除去するというものであって、使用するレーザー光は、パルス幅が200フェムト秒以下のパルスレーザーであるという提案である。
この提案以前に、レーザー照射による異物除去方法は、幾つか考案されている。
例えば、レーザー光を吸収した異物がアブレーション等を起こして微小振動するため、基板表面から異物が剥離除去される。しかしながら、ダストの付着力はダストと被洗浄物との距離が短くなるほど強くなり(ファンデアワールス力)、ダストが小さくなるほどこの付着力が支配的になるため、微小な異物を除去するにはレーザーの照射エネルギーを強める必要があった。そして、照射エネルギーを強めると基板にダメージが発生してしまうという不具合があった。
例えば、レーザー光を吸収した異物がアブレーション等を起こして微小振動するため、基板表面から異物が剥離除去される。しかしながら、ダストの付着力はダストと被洗浄物との距離が短くなるほど強くなり(ファンデアワールス力)、ダストが小さくなるほどこの付着力が支配的になるため、微小な異物を除去するにはレーザーの照射エネルギーを強める必要があった。そして、照射エネルギーを強めると基板にダメージが発生してしまうという不具合があった。
こうした課題を解決する方法として、基板表面に液体を噴射供給して平滑な液膜を形成させた後レーザー光を照射して、異物を除去する方法が提案されている。また、基板に水蒸気やアルコール蒸気を噴射ノズルにより吹き付けた後、レーザー光を照射し水やアルコールを異物ごと蒸発させてダストを除去する方法も開示されている。これらは、基板表面に液膜等を形成させることにより、液体が急激に蒸発する際に発生する力によって、微小な異物であっても基板表面から剥離、除去することが容易になるとするものである。
しかしながら、これらの基板全面に液膜を形成する方法では、異物の再付着の可能性が高く、異物除去後、基板全面を再洗浄する必要がある。また、特許文献2による方法においても、基板に損傷を与えず液滴の全てを蒸発させることは困難である。更に、この方法に依ると、異物の付着位置を見いだす必要があり、異物検出工程並びに検出時間が問題となる。
従来のレーザー照射による異物除去方法は、アブレーションまたは熱膨張による爆発蒸散を利用しているため基材の損傷は免れない。基材の材質によっては、熱的、化学的影響によって変質することも容易に推測される。
よって、YAGレーザーやエキシマレーザーなどのパルスレーザーを用いて異物の焼失を行うことも可能であるが、熱、及び化学的影響により変質してしまうため、フィルム上の異物除去のために実用に供することはできなかった。
本発明が解決しようとする課題は、以上のような従来の技術が持つ問題点に鑑み、フィルムに熱的、化学的影響を与えず、異物を除去するための特別な補助部材も用いない、簡便で確実な方法を提供することである。また本発明のもう一つの課題は、積層フィルムの貼合せる際に、フィルム表面に付着した異物を効果的に除去できる方法を提供することである。
前記課題を解決するために本発明が提供するフィルム表面の異物除去方法とは、まず、請求項1に示すように、パルス幅1ピコ秒以下の超短パルスレーザーをフィルムの表面に一様に照射して、表面に付着した異物をフィルムに熱的、化学的な負荷を与えずに除去することを特徴とする。
これによって、異物の所在位置を特定する必要が無く、熱緩和時間以下の短いエネルギーパルス照射により熱的に、また、ギガワットクラスの高いエネルギーで瞬時にプラズマ化する事でレーザービームの輻射圧も相俟って化学的影響無しに、微小な異物だけを除去することが出来る。
次に、請求項2に示すように、照射する超短パルスレーザーのビームのエネルギーがアブレーションしきい値以下、望ましくは1/2以下の低フルーエンスであることを特徴とする。
これにより異物を剥離、飛散させるのに十分かつ基材表面を加工することなく異物のみの除去が可能となる。
また請求項3に示す様に、レーザービームを少なくとも2つのビームに分割して、少なくとも2つのフィルム面に同時にレーザービームを照射することを特徴とする。
これによって、2つのフィルム表面の異物除去を同時に行うことが出来る。
また、第2の課題を解決するために本発明が提供する多層フィルムの貼合せ方法は、請求項4に示すように、透明支持体上に屈折率の異なる複数の層を積層してなる多層フィルムの貼合せ方法において、フィルムの貼合せ面にパルス幅1ピコ秒以下の超短パルスレーザービームを一様に照射して、フィルムの表面に付着した異物を除去する工程を備えることを特徴とする。
これによって、フィルムに熱的、化学的影響を与えること無しに、微小な異物を確実に除去しながら貼り合せることができる。
また、請求項5に示す様に、多層フィルムの貼合方法多層フィルムが少なくとも、透明樹脂層と、一面側に粘着剤層が形成された機能性フィルムであって、粘着剤層表面にパルス幅1ピコ秒以下の超短パルスレーザービームをアブレーションしきい値近傍のフルーエンスで均等に照射して、フィルムの粘着剤層表面に付着した異物を除去する工程を備えることを特徴とする。
これによって、微小な範囲の物質にのみ作用して物質を飛散させるので、従来困難とされていた粘着剤層上の異物を除去することができる。
また、請求項6に示す様に、機能性フィルムがディスプレイ用の反射防止フィルムまたは防眩フィルムであることを特徴とする。
これによって、微小な異物が特性に大きく影響を与えるこれらのフィルムを効率よく製造できる。
また、請求項7に示す様に、機能性フィルムが食品、薬品、医療器具、電子部品などの包装用フィルムであることを特徴とする。
これによって、微小な異物でも含まれることが許されないこれらのフィルムを効率よく製造できる。
以上の説明から明らかなように、本発明における超短パルスレーザーによるフィルムの異物除去方法によれば、以下のような効果が得られる。
第1に、熱緩和時間より短いレーザーパルス照射を一様におこなうので異物の所在位置を特定する必要が無く、熱的、化学的影響無しに、微小な異物だけを除去することが出来る。
第2に、アブレーションしきい値より小さい低フルーエンスエネルギー照射で有るので、異物を剥離、飛散させるのに十分かつ基材表面を加工することなく異物のみの除去が可能である。
第3に、レーザービームを少なくとも2つのビームに分割して貼合される2つのフィルム面に同時にレーザービームを照射するように設けたことにより、貼合されるフィルムの両面の異物除去を同時に行うことが出来る。
第4に、微小な範囲の物質にのみ作用して物質を飛散させるので、従来困難とされていた粘着剤層の異物を除去することが出来る。
更に、従来行われてきた材料の光吸収特性に合わせたレーザー光源の選択が不要となり、1つのレーザー加工システムであらゆる材料の加工除去を行うことが出来る。
また、本発明における多層フィルムの貼合方法によれば、以下のような効果が得られる。
第1に、熱緩和時間より短いレーザーパルス照射を一様におこなうので異物の所在位置を特定する必要が無く、熱的、化学的影響無しに、微小な異物だけを除去して貼合せを行うことが出来る。
第2に、アブレーションしきい値より小さい低フルーエンスエネルギー照射で有るので、異物を剥離、飛散させるのに十分かつ基材表面を加工することなく異物のみを除去して貼合せを行うことが出来る。
また、微小な異物が特性に大きく影響を与えるか、または微小な異物でも含まれることが許されない機能性フィルムを効率よく製造できる。
近年、1ピコ秒以下の超短パルスレーザーを有機化合物の深さの精密加工などに用いることが提唱されている。特に、多光子吸収や熱緩和時間よりも短時間の現象である(図5参照)ことなどにより非熱加工が可能であり、また非線形応答のため加工分解能は光の回折限界以下であり、高い精度の加工が可能である(非特許文献1)とされている。
また、アブレーションしきい値近傍では、照射したレーザービーム波長の五分の一程度の領域のみが加工可能であるという特徴も知られている。
発明者らは、この1ピコ秒以下の超短パルスレーザーを用いた加工特性につき鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成させたもので、レーザーのフルーエンスを下げて、アブレーションしきい値以下のパルス、特にアブレーションしきい値の1/2以下のパルスを照射すると、照射した材料表面は加工されないが、表面に付着した微小な物質を移動、または、飛散させられることを新たに見いだした。
更に、微小な物質に対して、レーザー照射位置を相対的に変化させることで物質の飛散方向を変化せしめることが出来た。例えば、図4に示すように、微小な物質の左側に焦点をあてて照射すると微小な物質は右方向にはじかれる。
図1は、本発明にかかる超短パルスレーザーによるフィルムの異物除去方法および貼合せ方法の実施形態を示す概略図であり、貼合されるフィルムへ超短パルスレーザー照射する場合の概略図である。
フェムト秒レーザー装置11から出射されたレーザービーム4はビームスプリッター8で2つのビームに分割される。分割された2つのレーザービーム4は、露光光学系12を経て、貼合ローラー9の近傍で基材1とフィルム2のそれぞれに導かれる。
基材1とフィルム2は、貼合ローラー9近傍表面に連続的にレーザービーム4の照射を受けながら貼合されてゆく。この間に、基材1とフィルム2の表面に存在した異物3は、フェムト秒レーザーのパルス照射により基材1とフィルム2の表面から剥離され、雰囲気中に飛散する。これにより二次的な粉塵を発生させることになるが、これは集塵器10などを適宜設けることで回収できる。
露光光学系12としては、図2に示す1軸ビーム拡張光学系7を用いることができる。1軸ビーム拡張光学系7は、フェムト秒レーザー装置11から出射されたレーザービーム4を柱状凹レンズとシリンドリカルレンズなどを組み合わせて、短辺10μm程度、長辺はフィルムの幅程度にビーム形状を加工するものである。
またレーザービーム4照射のための露光光学系12は、図2の方法に限定されるものではなく、図3に示す露光光学系も構成可能である。図3に示す方法は、集光レンズ5で集光されたレーザービーム4を回転式のスキャナー6にて基材1とフィルム2の幅方向に走査するものである。このとき、基材1とフィルム2の搬送速度に応じて均一にレーザービーム4が照射されるようにフェムト秒レーザー装置11のパルス繰り返し周期が設定されることは自明である。
レーザービーム4の最適な照射エネルギーは照射対象により異なるが、アブレーションしきい値よりも小さな値とすることが望ましく、より望ましい値としてはアブレーション閾値の2分の1以下である。
以上のような構成により、超短パルスレーザーの非熱、非化学的作用と材料選択性の少ない特性を応用し、且つ、アブレーションしきい値よりも小さなエネルギーで対象物に照射すると、レーザー光の輻射圧により微小な物質を移動、飛散させうるという特性を見出し、これをフィルム上に付着した数マイクロメートル以下の寸法を持つ異物を除去する方法および積層フィルムの貼合せ方法に応用し本発明を完成したものである。
本発明に関連する超短パルスレーザーによる異物除去方法および積層フィルムの貼合せ方法を実施例によりさらに詳しく以下に説明する。
図1の構成例において、照射レーザー光源として、発振波長775nm、ピークパワー800mW、パルスエネルギー800μJ/パルス、パルス幅150フェムト秒、パルス繰り返し周波数1kHz、ビームスポット9の径10μmのフェムト秒レーザー装置11(ホヤフォトニクス製FLS−5000)を用いた。
フェムト秒レーザー装置11から出力されるビームの直径は、約10mmである。
出射されたレーザービーム4はビームスプリッター8で2つのビームに分割される。
分割された2つのレーザービーム4は、露光光学系12を経て、貼合ローラー9の近傍でポリエステルフィルムからなる基材1とトリアセチルセルロースのフィルム2のそれぞれに導かれる。
出射されたレーザービーム4はビームスプリッター8で2つのビームに分割される。
分割された2つのレーザービーム4は、露光光学系12を経て、貼合ローラー9の近傍でポリエステルフィルムからなる基材1とトリアセチルセルロースのフィルム2のそれぞれに導かれる。
図1に示すように、基材1とフィルム2は、左右から貼合ローラー9に搬送され、一定の圧力で貼合され上方に送り出される。
基材1とフィルム2は、貼合ローラー9近傍表面に連続的にレーザービーム4の照射を受けながら貼合されてゆく。
この間に、基材1とフィルム2の表面に存在した異物3は、フェムト秒レーザーのパルス照射により基材1とフィルム2の表面から剥離され、雰囲気中に飛散する。本実施例では、レーザービーム4が照射される貼合面を下側としているので、剥離された異物は下方に堆積する。発生した二次的な粉塵は、本実施例では水を容器に入れた集塵器10を装備し回収した。
露光光学系12としては、図2に示す1軸ビーム拡張光学系7を用いた。これによって、1パルスで、幅10μm程度の1照射ビームとなる。一度に1ラインの異物除去を行う方法である。基材1には、粘着剤層が塗布されているため、フィルム2のフルーエンスに対して約5倍の照射フルーエンスに設定した。この割合は、材料によって変化するので適宜設定すれば良く、上記の比率に固定されるものではない。
ここまで述べた異物除去方法および貼合せ方法により、数十μm以下の異物の殆どを除去することが出来、良好にフィルムを貼合せることが出来た。
尚、レーザービームの照射密度は厳密である必要はなく、フィルム搬送にムラが生じている場合でも、つまり、空間的に照射間隔がばらついてもフェムト秒レーザーの非線形効果により一様に異物が除去された。
本発明は、熱的、または化学的な影響を受けやすいプラスチックフィルム基材上の微小なゴミを、基材にダメージを与えることなく除去することができるもので、特にゴミの混入が問題となる各種の光学フィルム、ディスプレイ用光学フィルムなどの製造などの分野において大きな効果を発揮するものである。
1・・・・基材
2・・・・フィルム
3・・・・異物
4・・・・レーザービーム
5・・・・集光レンズ
6・・・・スキャナー
7・・・・1軸拡張光学系
8・・・・ビームスプリッター
9・・・・貼合ローラー
10・・・・集塵器
11・・・・フェムト秒レーザー装置
12・・・・露光光学系
2・・・・フィルム
3・・・・異物
4・・・・レーザービーム
5・・・・集光レンズ
6・・・・スキャナー
7・・・・1軸拡張光学系
8・・・・ビームスプリッター
9・・・・貼合ローラー
10・・・・集塵器
11・・・・フェムト秒レーザー装置
12・・・・露光光学系
Claims (7)
- パルス幅1ピコ秒以下の超短パルスレーザーをフィルムの表面に一様に照射して、表面に付着した異物をフィルムに熱的、及び化学的な負荷を与えずに除去することを特徴とするフィルム表面の異物除去方法。
- 請求項1に記載のフィルム表面の異物除去方法であって、照射する超短パルスレーザーのビームのエネルギーがアブレーションしきい値以下、望ましくは1/2以下の低フルーエンスであることを特徴とするフィルム表面の異物除去方法。
- 請求項1または請求項2に記載の超短パルスレーザーを用いたフィルム表面の異物除去方法であって、レーザービームを少なくとも2つのビームに分割して、少なくとも2つのフィルム面に同時にレーザービームを照射することを特徴とするフィルム表面の異物除去方法。
- 透明支持体上に屈折率の異なる複数の層を積層してなる多層フィルムの貼合方法において、フィルムの貼合面にパルス幅1ピコ秒以下の超短パルスレーザービームを一様に照射して、フィルムの表面に付着した異物を除去する工程を備えることを特徴とする多層フィルムの貼合方法。
- 前記多層フィルムが少なくとも、透明樹脂層と、一面側に粘着剤層が形成された機能性フィルムであって、粘着剤層表面にパルス幅1ピコ秒以下の超短パルスレーザービームをアブレーションしきい値近傍のフルーエンスで均等に照射して、フィルムの粘着剤層表面に付着した異物を除去する工程を備えることを特徴とする請求項4に記載の多層フィルムの貼合方法。
- 前記機能性フィルムがディスプレイ用の反射防止フィルムまたは防眩フィルムであることを特徴とする請求項5に記載の多層フィルムの貼合方法。
- 前記機能性フィルムが食品、薬品、医療器具、電子部品の包装用フィルムであることを特徴とする請求項5に記載の多層フィルムの貼合方法。
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CN114850137A (zh) * | 2022-04-18 | 2022-08-05 | 武汉锐科光纤激光技术股份有限公司 | 材料的激光清洗方法和装置、存储介质及电子装置 |
CN115532737A (zh) * | 2022-11-22 | 2022-12-30 | 中国航空制造技术研究院 | 一种激光精确均匀清洗飞机复合涂层的装置及方法 |
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2004
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