JP2005270401A - 睡眠制御装置付寝具 - Google Patents

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Abstract

【課題】睡眠の深さの良好なサイクルを実現することができ、肉体疲労と脳の疲労との双方を確実に回復させてバランスのとれた理想的かつ良好な静養を得ること。
【解決手段】睡眠制御装置付寝具1は、ベッド本体1aに搭載された睡眠制御装置2を有している。睡眠制御装置2は、使用者に適宜の振動を付与する振動付与装置3と、香発生装置4とを有している。振動付与装置3は、鉛直方向に昇降を繰り返したとき、ベッド本体1a上に横たわっている使用者に対し緩衝材1bを介して振動を付与することで、使用者に対して睡眠を誘発させたり、深い睡眠と浅い睡眠とからなる睡眠を促したりする一方、覚醒時には、浅い睡眠を促す。香発生装置4は、香り成分をベッド本体1aの周囲に発生させる。また、睡眠制御装置2は、振動付与装置3および香発生装置4の他、脈波検出センサ6、スピーカ7、照明装置8を有している。
【選択図】図1


Description

本発明は、睡眠制御装置付寝具に関するものである。
現代社会では、多様化すると共に複雑化していることから、現代人の心理的、精神的ストレスが増えつつある環境にあり、そのため、心理的かつ精神的ストレスや肉体的疲労を効果的に解消するため、人間の睡眠を効果的に行うための睡眠制御用の寝具が種々提案されている。
そのような睡眠制御用の寝具としては、例えば人体に与える振動を制御することで安眠を確保できるようにした技術がある(例えば、特許文献1および2参照)。
特許文献1に記載された睡眠制御装置付寝具は、不眠症の人を極めて安全かつ効果的に安眠状態に導くことができるよう、敷布団を載置する寝台部を、長さ方向に装脱自在な複数部分に分割形成すると共に、該分割したマットレスのいずれか一個以上の上面内部の所定位置に、所定の振動数で振動する振動部材が取り付けられている。
そして、分割したマットレス(敷布団)を任意に並べて寝台部を形成する際、振動を与えたい身体の箇所に応じ、振動部材を取り付けたマットレスの位置を任意の位置に設定しておき、次に、寝台部に人間が横たわった状態で振動部材を駆動すると、振動部材を取り付けたマットレスが、一分間に1回〜200回の間で任意に設定した振動を開始することにより、寝台部に横たわった人間の身体に心地良い振動が加えられ、これによって、不眠症の人を安眠状態に導けるようにしている。
特許文献2に記載された睡眠制御装置付寝具は、キャブオーバートラック等の乗員が仮眠するとき、乗員の睡眠を促進させる所定の振動を得るとともに、所定時間の安眠後速やかに覚醒状態へ移行させるようにしたものである。すなわち、トラックのエンジンコントローラに誘眠スイッチが電気的に接続され、この誘眠スイッチがオンされると、エンジンコントローラが所定の周期でエンジンの回転速度を変動させることで、つまり、エンジンのアイドリング状態でキャブが比較的小さな振幅で繰り返す振動を受けることで、運転者の睡眠が促進され、疲労を回復できるようにしている。
また、人体のレム睡眠とノンレム睡眠とを制御できるようにした技術もある(例えば、特許文献3および図4参照)。
特許文献3に記載された睡眠制御装置付寝具は、一般家庭でも手軽に取り扱え、不眠症の治療・予防を発揮するものであって、人体に振動を付与する加振手段と、その加振手段をヒト(人)のレム睡眠に応じてオン・オフする制御部とを含んでいる。
そして、加振手段が、電気エネルギーにより付勢される振動部材と、その振動部材に電気エネルギーを供給する駆動装置とからなっている。
この装置は、健常者では、短時間持続するレム睡眠と比較的長時間持続するノンレム睡眠が交互に規則的に出現する睡眠パターンであるのに対し、不眠症者では、健常者と比較すると、浅く短いノンレム睡眠と長く頻回するレム睡眠が不規則に出現する睡眠パターンを示すことから、振動部材によって振動を発生させることにより、不眠症者のように本来あるべき正常な状態にない場合には、睡眠パターンを本来のあるべき正常な状態に戻す一方、健常者のように睡眠パターンが正常な場合には、その正常な睡眠パターンを維持・増進できるようにしている。
一方、特許文献4に記載された睡眠制御装置付寝具は、被験者の生体情報に基づき被験者の疲労度および睡眠段階を検出する被験者検出手段と、睡眠中の被験者の環境をコントロールする環境制御部と、被験者検出手段の出力により疲労度が所定値以下に減少し、かつ、睡眠時間がレム睡眠と判断したときに環境制御部を制御して覚醒環境に切り替える制御部とを具備している。被験者検出手段としては、アイマスクに設けられた疲労度検出センサおよび睡眠段階検出センサとで構成され、被験者が多機能空調機に相当する環境制御部を運転状態にするとともに、アイマスクを装着して寝台の上に横たわったとき、疲労度検出センサおよび睡眠段階検出センサが被験者の疲労度および睡眠段階を検出して、その検出内容に合わせて制御部が環境制御部をコントールすることにより、覚醒時の意識が明瞭で疲労の回復感のある睡眠を短時間でとることができるようになっている。
しかしながら、特許文献1に記載された従来技術では、振動部材により敷布団としてのマットレスを振動させるものであり、特許文献2に記載された従来技術では、エンジンを利用してキャブ自体を振動させるものであり、両者はマットレスとキャブとで相違するものの、単に振動を発生させるとともに、その振動数を制御するだけであり、人間の睡眠の深さに関してサイクルがあるということについて何等配慮されていないという問題がある。
つまり、人間の睡眠には、上述のようにレム睡眠とノンレム睡眠とが交互に繰り返されることで、良好な睡眠が得られるものであり、単に振動を発生させるだけでは、良好な睡眠が得られるものではない。
一方、特許文献3に記載された従来技術では、人間の睡眠の深さのサイクルに合わせた標準睡眠パターンを予め設定しておき、該パターンに基づいて振動を制御するものの、実際に睡眠している人間の睡眠サイクルがどのような状態になっているのかを測定していないので、実際に睡眠している人間に対して正確に反映されるのか否か問題がある。
特許文献4に記載された従来技術では、疲労度の検出や睡眠の深さを検出してその検出をフィードバック制御するようにしているものの、睡眠の深さの反復に必要なサイクルの制御を行っておらず、したがって、人体に必要な肉体的疲労と脳の疲労との双方を回復させるためにバランスのとれた睡眠を得ることができにくいという問題があった。
特開平7−231833号公報 特開2002−256425号公報 特開2000−195703号公報 特開平5−68712号公報
本発明の目的は、睡眠の深さの良好なサイクルを実現することができ、肉体疲労と脳の疲労との双方を確実に回復させてバランスのとれた理想的かつ良好な静養を得ることができる睡眠制御装置付寝具を提供することにある。
このような目的は、下記の本発明により達成される。
本発明の睡眠制御装置付寝具は、睡眠時間に応じて睡眠の深さが変化する睡眠パターンを有するプログラムであり、該睡眠パターンの異なる複数のプログラムと、
前記複数のプログラムから、所定のプログラムを選択する選択手段と、
前記選択手段により選択された前記プログラムの睡眠パターンと、使用者の睡眠パターンとが略一致するように該使用者の睡眠を制御する睡眠制御装置とを備えたことを特徴とする。
複数のプログラムから所望のプログラムを適宜選択し、睡眠制御装置にて制御を行うことにより、長時間の睡眠や、昼寝のような短時間の睡眠等の様々な睡眠において静養効果を高めることができる。
本発明の睡眠制御装置付寝具では、前記複数のプログラムのうちの少なくとも1つのプログラムの睡眠パターンは、浅い睡眠と深い睡眠とを規定時間内で所定回数繰り返しつつ、必要最低限の深い睡眠の時間を確保する一方、
覚醒時には使用者に浅い睡眠に誘引させるものであるのが好ましい。
これにより、睡眠の深さを、単に浅いとか深いとかだけでなく、時間との関係をもって睡眠制御を行うことができ、肉体疲労と脳の疲労との双方を確実に回復させることができ、バランスのとれた理想的な睡眠を得ることができる。
本発明の睡眠制御装置付寝具では、所定の睡眠パターンを有するプログラムを作成するプログラム作成手段を備えるのが好ましい。
これにより、使用者が所望の睡眠パターンを有するプログラムを容易に作成することができる。
本発明の睡眠制御装置付寝具では、前記プログラムは、実際に測定された睡眠パターンに基づいて作成されたものであるのが好ましい。
これにより、制御の精度が向上し、肉体疲労と脳の疲労との双方をより確実に回復させることができ、バランスのとれた理想的な睡眠を得ることができる。
本発明の睡眠制御装置付寝具では、使用者の睡眠の深さを検出する睡眠検出手段を有し、
前記制御部は、前記睡眠検出手段の検出結果に基づいて、前記使用者の睡眠の深さを制御するのが好ましい。
これにより、睡眠の深さを検出するので、使用者に対し、プログラムに基づいた睡眠の深さで睡眠制御することができる結果、静養効果を確実に高めることができる。
本発明の睡眠制御装置付寝具では、前記睡眠検出手段は、使用者の脈拍を測定する脈波検出センサであるのが好ましい。
これにより、睡眠の深さを容易かつ確実に検出することができる。
本発明の睡眠制御装置付寝具では、前記脈波検出センサは、使用者の脈波を検出するものであるのが好ましい。
これにより、睡眠の深さを、より容易かつ確実に判断することができる。
本発明の睡眠制御装置付寝具では、前記睡眠検出手段は、使用者の体温を検出する体温計測センサであるのが好ましい。
これにより、睡眠の深さを容易かつ確実に検出することができる。
本発明の睡眠制御装置付寝具では、前記睡眠制御装置は、使用者に対して所定の振動を付与する振動付与装置を有するのが好ましい。
これにより、使用者の身体および精神を和らげることができ、睡眠を誘引しやすくなり、睡眠導入を容易に行わせることができる。また、睡眠の覚醒を促すことができる。
本発明の睡眠制御装置付寝具では、前記睡眠制御装置は、香りを発生させる香発生装置を有するのが好ましい。
これにより、使用者の身体および精神を和らげることができ、睡眠を誘引しやすくなり、睡眠導入を容易に行わせることができる。また、ノンレム睡眠とレム睡眠との切り替えを効果的に促すことができる。また、覚醒時には身体および脳波を活性化させる香りを発生させることで、睡眠の覚醒を促すことができる。
本発明の睡眠制御装置付寝具では、前記睡眠制御装置は、音を発生させる音発生装置を有するのが好ましい。
これにより、容易かつ確実に、睡眠導入や覚醒を促すことができる。また、レム睡眠とノンレム睡眠の切り替えを効率よく行うことができる。
本発明の睡眠制御装置付寝具では、前記音発生装置にて発生する音には、α波が含まれるのが好ましい。
これにより、睡眠の誘引効果を高めることができ、また、レム睡眠からノンレム睡眠への切り替えを効率よく行うことができる。
本発明の睡眠制御装置付寝具では、前記睡眠制御装置は、当該睡眠制御装置付寝具の周辺を照明する照明装置を有するのが好ましい。
これにより、容易に睡眠導入や覚醒を促すことができる。
本発明の睡眠制御装置付寝具では、前記照明装置は、少なくとも睡眠導入時と覚醒時とで照度を変更可能に設けられるのが好ましい。
これにより、睡眠導入時にはこれに適した照度で照明でき、覚醒時にはそれに適した照度で照明できるので、睡眠を誘引することと覚醒を促すこととを容易かつ確実に行うことができる。
本発明の睡眠制御装置付寝具では、前記照明装置は、使用者の覚醒時、使用者の膝下側を照明する膝下照明部を含み、前記使用者に対して複数設けられるのが好ましい。
覚醒時に、膝下側が照明されることで使用者に対する覚醒効果を高めることができる。
本発明の睡眠制御装置付寝具では、前記睡眠制御装置は、使用者の睡眠に必要な空間を画成する睡眠空間画成体と、該睡眠空間画成体内の湿度および/または温度を調整する空気調整部とを有するのが好ましい。
これにより、前述した睡眠制御装置による制御効果をより高めることができる。
本発明の睡眠制御装置付寝具では、使用者の睡眠の深さを検出する検出手段と、
前記検出手段により検出された睡眠の深さに基づいて、前記使用者を覚醒するとともに、使用者に対して該使用者が見た夢の記録を促す通知手段とを有することを特徴とする。
これにより、特にレム睡眠で現れやすい夢を見たときを検出することができ、使用者にその夢の記録を促すことができる。
本発明の睡眠制御装置付寝具では、前記使用者が見た夢を記録する記録手段を有するのが好ましい。
記録手段に記録された内容を確認することにより、使用者の潜在的な心理状態を分析して、精神医療に用いたり、心理学の研究に役立てたりすることができる。また、創造的な芸術や発明の発想の励起への一助とすることができる。
本発明の睡眠制御装置付寝具では、前記振動付与部は、睡眠導入時およびノンレム睡眠への移行時と、ノンレム睡眠からレム睡眠への移行時と、レム睡眠からノンレム睡眠への移行時と、覚醒時とで振動数を変化させるのが好ましい。
これにより、使用者に対し、睡眠導入を有効に行うことができるばかりでなく、ノンレム睡眠からレム睡眠への移行と、レム睡眠からノンレム睡眠への移行と、覚醒効果とを確実に促すことができる。
以下、本発明の睡眠制御装置付寝具の好適な実施形態について説明する。図1は、本発明の睡眠制御装置付寝具の第1実施形態を示す概略図、図2は、睡眠制御装置の振動付与部を示す拡大説明図、図3は、睡眠制御装置の香発生装置を示す説明図、図4は、図3のX矢視に相当する断面図、図5は、睡眠制御装置を示す構成ブロック図である。
図1〜図5を用いて本発明を説明する前に、まず、人間の睡眠形態について述べると、該睡眠形態は、睡眠の深さ(深度)の大きさによって二つに分けられる。一つは、眼球が動いている浅い睡眠であるレム睡眠(Rapid Eye Moving)、もう一つは、眼球が動かない深い睡眠であるノンレム睡眠である。近年、種々のストレスの増大や勤務形態の多様化などにより睡眠不足に悩む人も多い。また、時間の有効活用を図って、自分の時間をより有効に使いたいがため、睡眠時間を最小にしたいといった要求も多い。
ところで、睡眠の目的は、休息の目的のためにノンレム睡眠をどれだけ多く取るかに議論が集中しがちだが、実は、人間の本来の自然な睡眠には、ノンレム睡眠とレム睡眠のバランスのとれた複数回の反復が必要であって、単に深い睡眠(ノンレム睡眠)を多く取ればよいという単純なものではない。ノンレム睡眠は深い睡眠なので、肉体の休息をより促進するだけでなく、成長ホルモンなどの分泌もこの時に行われている。一方、この間に夢を見ることで知られているレム睡眠は、記憶の整理を行うということも行われていて、脳の発達や休息、精神的な休息のためにも非常に重要な意味を持つのである。また、ノンレム睡眠の中でも最初に訪れるサイクルは非常に重要で、以後のノンレム睡眠が徐々に浅くなるのが自然の睡眠のようである。よって、眠りは最初の90分から3時間までが重要である。
本発明は、こういった理想的な睡眠を得るためのものであり、図1に示す睡眠制御装置付寝具(以下、単に「寝具」と言う)1は、ベッド本体1aに搭載された睡眠制御装置2を有している。
以下、睡眠制御装置2の各構成要素について順次説明する。
睡眠制御装置2は、ベッド本体1aに横たわっている使用者に適宜の振動を付与する振動付与装置3と、香発生装置4と脈波検出センサ(睡眠検出手段)6とスピーカ(音発生装置)7と照明装置8とを有している。
振動付与装置3は、ベッド本体1aに設けられており、例えば鉛直方向に昇降を繰り返したとき、ベッド本体1a上に横たわっている使用者に対し緩衝材1bを介して振動を付与することで、使用者に対して睡眠を誘発させたり、深い睡眠と浅い睡眠とからなる睡眠を促したりする一方、覚醒時には、浅い睡眠を促すようにしている。
具体的に説明すると、上記振動付与装置3は、図2に示すように、ベッド本体1aに複数設けられたピンアレイ31と、ピンアレイ31を昇降移動させる駆動源としてのアクチュエータ39とを備えている。ピンアレイ31は、ベッド本体1a上に、使用者の身体と接触するのに十分な広さ(面積)で複数配設されている。この十分な広さとは、ベッド本体1aで使用者が横向きに横たわった姿勢は勿論、仰臥姿勢をとった場合に、ベッド本体1aと利用者の身体全体とが接するのに十分という意味である。したがって、ピンアレイ31は、ベッド本体1aの略全面に渡って配設されている。
このようなピンアレイ31は、図2に示すように、ベッド支持部1cを挿通して上方に突出する押圧部32と、下方に延びてアクチュエータ39の駆動力を受ける受圧部33とを有している。そして、受圧部33がアクチュエータ39からの駆動力を受けると、その駆動力が押圧部32に伝わることで、押圧部32が進退して昇降する。これにより、押圧部32が、ベッド本体1a上の使用者の身体を、緩衝材1bを介して押圧したり、押圧解除したりして振動させる。アクチュエータ39は、後述する制御部5からの指令によって駆動される。
アクチュエータ39は、詳細に図示していないが、特に限定されず、例えば、受圧部33と係合されるリードスクリュー軸を先端に有するモータで構成され、モータの駆動でリードスクリュー軸が軸回りに回転したとき、その回転に伴って受圧部33を上下動させるように構成されている。このアクチュエータ39は、例えば、後述する制御部5等により、駆動される。
また、アクチュエータ39としては、前述したモータに限られず、例えば、圧電素子や空気圧、油圧を用いたアクチュエータ等で構成してもよい。
また、ピンアレイ31には、感圧センサ34と、図5にのみ図示されている位置センサ35および速度センサ36とが設けられている。感圧センサ34は、図2に示すように、ピンアレイ31の押圧部32の先端に装着され、押圧部32と共に上昇したとき、ベッド本体1a上の使用者から緩衝材1bを介して接触圧を受けることで、その圧力を検出するようになっている。位置センサ35は、ピンアレイ31が昇降したとき、その位置を検出する。速度センサ36は、例えばX、Y、Zの三軸からなる加速度センサで構成され、ピンアレイ31の昇降時の速度を検出する。これら感圧センサ34、位置センサ35、速度センサ36の検出信号が制御部5に出力されることで、制御部5が予め定められたプログラムに基づいてピンアレイ31を制御する。
なお、ベッド本体1aの表面に設けられている緩衝材1bは、人体との接触部であるので、質感が柔軟で心地よいものであれば特に限定されないが、振動付与装置3の駆動によって与えられる振動が完全に緩衝されることがない材質で構成されるのが好ましい。
香発生装置4は、香り成分をベッド本体1aの周囲に発生させるために設けられている。
この香発生装置4は、例えば図3に示すように、芳香発生源としての香料41を収納する香料収容部42と、この香料収容部42に空気を送る第1ポンプ43と、香料収容部42を通って芳香が付加された空気を外部へ排出する第2ポンプ44とを備えている。
香料収容部42は、ケース部材45の中央部に凹んで形成され、内部に粒状に形成された固体の香料41が収納されている。そして、香料収容部42と第1ポンプ43とは、ケース部材45に設けられた連通溝46aで連通するとともに、香料収容部42と第2ポンプ44とは、ケース部材45に設けられた連通溝46bで連通している。
第1ポンプ43および第2ポンプ44は、それぞれ二枚のロータ43a・43bおよび44a・44bを備えたルーツポンプから構成され、それぞれの二枚のロータが回転軸43c・43d、44c・44dを中心に互いに回転可能に支持されていて、二枚のうちの一方が回転すると、それに伴い他方がそれと反対方向に回転するようになっている。第1ポンプ43内の空間には、吸入口40aが連通され、第2ポンプ44内の空間には芳香排出口40bが連通されている。
第1ポンプ43には、図4に示すように、駆動源としてのアクチュエータ47が設けられている。アクチュエータ47には、圧電素子の伸縮によって振動する振動体47aと、これを振動させる圧電素子47bからなる印加装置(図示)が設けられている。第2ポンプ44は、図3では図示していないが、第1ポンプ43と基本的には同様の構成である。
この香発生装置4は、振動体47aの圧電素子47bに電圧が印加されることで振動体47aが屈曲振動と縦振動とを組み合わせた楕円軌道を描いて振動し、その振動に伴い振動体47aの一部がポンプ駆動用ロータ48に押し付けられ、その摩擦によって駆動用ロータ48が回転する。そのとき、駆動ロータ48の回転によってロータ43aが一方向に回転すると、ロータ43a側に設けられた歯車49aと、ロータ43b側に設けられた歯車49bとが噛合していることから、他方のロータ43bが逆方向に回転し、これによって第1ポンプ43の空間内に吸入口40aから空気が取り入れられた後、その空気が連通溝46aを通過して芳香収容部42に送られ、ここで香料41の芳香が空気に付加され、付加された空気が連通溝46bを通って、第2ポンプ44内に吸入され、かつ芳香排出口40bから排出され、この動作が連続的に行われることで芳香を発生させるようになっている。なお、第2ポンプ44の動作も、第1ポンプ43の場合と同様である。
また、香発生装置4は、例えば睡眠導入時やノンレム睡眠への誘引においては、ラベンダー、イランイラン、キチンフィットなどの香りを発生させ、睡眠中にはキチンフィットなどの香りを発生させ、覚醒時やレム睡眠への誘引にはミント、レモン、オレンジなどの活性化させるような香りを発生させるようになっている。
このように、種々の香りを個別に発生させるため、本実施形態では、香発生装置は、寝具1に対して複数設けられており、複数種類の香りを同時に発生させることも可能である。
このような、香発生装置4は、近年、花等からなる香素材の効果が精神カウンセリングの治療等においてアロマテラピーという範疇で注目されている。
そして、上記振動付与装置3および香発生装置4は、睡眠に際し、制御部5によって駆動されることで、使用者の睡眠の導入作用、昏睡作用、覚醒作用が得られるように制御される。制御部5については、後述する。
脈波検出センサ6は、人体の脈にも睡眠の深さが反映されるという実験結果から、脈拍を測定することにより睡眠の深さ(深度)を検出するためのものである、この脈波検出センサを用いることにより、睡眠の深さを容易かつ確実に検出することができる。
脈拍測定手段としては、特に限定されないが、使用者の腕に装着されたとき、光学的なセンサによって指先の毛細血管の脈流から血中ヘモグロビンの流速を検出することで、脈拍を算出する脈波検出センサが好適に用いられ、例えば「パルスグラフ(セイコーエプソン株式会社製)」が挙げられる。
この場合、パルスグラフからの検出信号が制御部5にフィードバックされるので、両者間は有線にて接続されているが(図示せず)、睡眠中の人間の動きの自由度を考慮すれば、無線で接続されることが好ましい。
スピーカ7は、例えば音楽、自然界の音、イルカ等のような動物の声、人工的に作られた音等を、単体もしくはそれらを複合してスピーカ7から発生させるようになっている。発生させる音の中には、心地よさをもたらすことが肝要であることから、その代表としてのα波をもった音素材も含まれているのが好ましい。このようなスピーカ7は、睡眠導入時の時間帯と、覚醒時とに重要な働きをするために使用されるが、それ以外として、睡眠中のレム睡眠とノンレム睡眠との切り替え時にも効果的に使用される。このようなスピーカ7から出力される音は、好みの問題もあり得ることから、使用者に応じた音に変更できるようになっている。
照明装置8は、睡眠導入時と覚醒時とにおいて特に重要な働きをするものである。特に、睡眠導入時には、メラトニンの分泌を促進させるために30ルクス程度の白熱灯が効果的とされる一方、覚醒時には、強い光(一説には2500ルクス以上の照度と言われている)を浴びると体内リズムが覚醒へと導かれるとされていることから、睡眠導入用として30ルクス程度の白熱灯で照明できるとともに、覚醒用として強い光で照明できるようになっている。つまり、この照明装置8は、本実施形態では、ベッド本体1aの上部に設けられた一つの照明灯によって照明照度および照明の色が変更可能になっている。但し、これに限らず、睡眠導入用と覚醒用とで個別の照明灯を用いて照明するようにしてもよい。また、照明装置8は、使用者が照度および色を選択的に調整することで読書などを行えるようにもなっている。
このような照明装置8は、膝下照明を行うための膝下照明部81を備えている。
膝下照明部81は、膝下を照明することで人体の体内時計を活性化させるという近年注目されている学説を利用したものであって、緩衝材1bの上面において、横たわっている人体の膝裏部分と対応する位置に埋設され、覚醒時期に、制御部5からの指令に基づいて膝側を照明するようになっており、その照明の照度および照明色は適宜選定されている。
前述した振動付与装置3、香発生装置4、脈波検出センサ6、スピーカ7および照明装置8のそれぞれが、制御部5に接続され、制御部5からの指令に基づいて動作する。
制御部5は、前述した睡眠制御装置2の各装置に対して種々の処理を行うために設けられている。
図5において、制御部5は、MPU(演算部)51と、RAM(ランダムアクセスメモリ)52およびROM(リードオンリーメモリ)53からなる記憶部と、制御部5の各部位に対して電源を供給する電源部54と、操作部55と、遠隔操作部56と、表示部57とを有している。
また、MPU51には、I/F58を介して振動付与装置3、香発生装置4、スピーカ7、照明装置8、膝下照明部81、脈波検出センサ6、内蔵データベースD1およびWEB上のデータベースD2がそれぞれ接続されている。
MPU51は、後述するプログラムを実行するに際して、睡眠制御装置2の各部位の動作の制御等、各種機器を制御するために設けられている。
RAM52およびROM53には、睡眠時間に応じて睡眠の深さが変化する睡眠パターンを有し、その睡眠パターンの異なる複数のプログラムや、脈波検出センサ6によって得られた脈波のデータ等、各種の情報を格納することができる。プログラムに関しては、後に詳述する。
操作部55および遠隔操作部56は、MPU51に対して指示を入力する部位である。操作部55および遠隔操作部56としては、特に限定されないが、例えば、キーボード、押しボタン、矢印キー、スイッチなどが挙げられる。
表示部57は、各種の情報を表示する部位である。同じく特に限定されないが、表示部57としては、例えば、薄型、低消費電力の液晶表示素子や、反射式で表示の見やすい電気泳動式表示素子などが挙げられる。なお、表示部は、各種情報を表示するものであればよく、例えば、音声出力部によって情報を音声で通知するものであってもよいし、表示部57と音声出力部の両方を備えるものでもよい。また、スピーカ7が音声出力部を兼ねていてもよい。
I/F(インターフェース)58は、各種の情報の通信を行うための通信手段としてのインターフェースである。このI/F58は、振動付与装置3、香発生装置4、スピーカ7、照明装置8、膝下照明部81、脈波検出センサ6、データベースD1およびD2等、各種のコンピュータや端末装置と通信を行う。
振動付与装置3は、振動付与装置3のI/F38およびI/F58を介してMPU51と接続されている。I/F38には、アクチュエータ39、感圧センサ34、位置センサ35および速度センサ36が、それぞれ接続されている。
香発生装置4も、振動付与装置3と同様に、I/F58を介してMPU51に接続されている。
内蔵データベースD1は、寝具1に内蔵されたデータベースであり、I/F58を介して、制御部5との間でデータの送受信ができるように設けられている。また、内蔵データベースD1は、例えば、イントラネット等に接続可能となっており、その格納データを更新することができるようになっている。
WEBデータベースD2は、インターネットを介して接続され、睡眠の推奨パターンを提供するデータ等を有するWEBサイト等の外部のデータベースであり、そのWEBサイトから所望のデータをダウンロードすることもできるようになっている。
また、図示されていないが、I/F58は、着脱可能な記憶素子とも接続可能に設けられているのが好ましい。これにより、容易に制御部5に対してプログラムを提供することができる。
なお、制御部5は、本実施形態では図1に示すようにベッド本体1aの頭部側の下部に設けられているが、これに限らず、任意でよい。
制御部5は、前述した睡眠時間に応じて睡眠の深さが変化する睡眠パターンを有するプログラムを実行することにより使用者に対して快眠を提供できるようになっており、そのような理想的な関係からなる睡眠パターンのプログラムは、ウィザード形式で、複数設けられた理想的な睡眠パターンから使用者が適宜選択することができるばかりでなく、実際に測定された使用者の睡眠パターンの結果に基づいてプログラムを作成し、それを実行することも可能である。
この場合、例えば、脈波検出センサ6の結果(脈波のデータ)に基づいて、作成したプログラムをそのまま実行したり、またはその結果の一部を操作部55、遠隔操作部56を操作することにより適宜修正して作成されたプログラムを実行したりすることもできる。
また、脈波のデータを取り出し解析することによって理想的な睡眠を得るための解析に用いて、その解析結果に基づいてプログラムを作成し、実行することもできる。
また、必要とされる睡眠の深さの時間間隔を規定するとともに、その規定された時間内で睡眠ステップをそれぞれ順次経るようなプログラムを作成することもできる。これにより、プログラムの入力を簡易なものとすることができ、MPU51の演算負荷および使用者のプログラム作成の負荷を軽減することができる。
また、使用者が所望の睡眠パターンを独自に考え、プログラムを作成し、それを実行することもできる。
さらに、制御部5の機能について、以下に具体的に述べる。
一般に、人間の睡眠には、レム睡眠と、ノンレム睡眠を繰り返す反復作用が行われることが重要とされ、しかも睡眠時間と、睡眠導入パターンと、上記反復作用の回数と、覚醒パターンなども重要な要素となっている。そして、特に、重要なのは、図6に示す波形中、レム睡眠レベル線Sより下方に位置するノンレム睡眠の合計時間(近年の研究では、合計40分程度が最低限必要とされている)と、レム睡眠の深さであって、レム睡眠レベル線Sとこれより下の波形とで形成される扇形状の斜線部分aの積分面積が、十分な睡眠休養をとれたか否かを決定付けるとされている。図6は、理想とされる睡眠の深さと時間との関係を示す睡眠パターンの波形図である。
図7は、図6に相当する実際の睡眠時の脈拍と時間との関係を示す波形図であり、横軸に睡眠経過の時間を、縦軸に脈拍をそれぞれ表している。脈拍の値は、小さいほど睡眠は深いと言われている。
図7に示す睡眠波形の被験者は、5時間程度の短時間の睡眠を習慣的に行っており、近年、短時間睡眠者(ショートスリーパー)と呼ばれている部類の人である。短時間睡眠者の特徴が、図7に現れており、その特徴が以下の通りである。
(1) スムーズな入眠:10分強で深い睡眠に入っている。ノンレム睡眠と思われる50以下の脈拍まで一気に落ちている。
(2) 十分な深い睡眠の時間:最初のノンレム睡眠だけで50分以上確保している。最低40分以上必要と言われている。
(3) 規則的な浅い睡眠と深い睡眠の反復:ほぼ理想的な4回のノンレム睡眠と思われる深い睡眠が得られている。しかも、この場合には、前述の一般論のように、ノンレム睡眠の深さが徐々に浅くなっている。
(4) 無理のない覚醒への導入:起床の際の爽快感を得るためには、あらかじめ起床の前に睡眠の深さを徐々に浅くしていくのが理想的と考えられている。図7においても、起床前の30分以内にそれに近いと思われる現象が脈拍に現れている。実際、この被験者は、通常、アラームなしで起床している。
一方、図8は、常時8時間以上の睡眠を欲している被験者の実際の睡眠時の脈拍測定結果を示す。この例では、上記の(1)から(4)の理想的な睡眠とはことごとく異なる結果となっているのがよくわかる。なお、図8は、理想とされない睡眠時の脈拍と時間との関係を示す波形図である。
この図8において、特に特徴的なのは、入眠後徐々に睡眠が深くなっていく様子が脈拍から推定され、覚醒時には最も深い睡眠のまま強制的に起こされていると考えられる。但し、深い睡眠の時間が確保されているようなので、肉体的な休息は十分に取られているように思われる。しかしながら、図7の場合と異なり、レム睡眠とノンレム睡眠の反復と考えられるような挙動が見あたらないことから、人体に必要な自然な睡眠とはなっていないように想像される。
本実施形態の寝具1は、睡眠制御装置2の制御部5により、振動付与装置3、香発生装置4、脈波検出センサ6、スピーカ7、照明装置8等を利用することで、図8に示すような睡眠波形の人にも、図7に示す睡眠波形を得ることができるようにしたものである。
ところで、人間に対する睡眠制御に際し、制御因子や制御水準は個人差が大きいので、対象者の睡眠内容を知るために、前述した脈波検出センサ6が必要となる。但し、脈波検出センサ6としての脈波検出センサでは、本来の睡眠の深さそのものを測定していないので、正確には脳波測定や眼球移動等の測定結果との照合をして代用特性として活用するための研究は引き続き行う必要があるものの、脈波の測定結果も有効となり得る。
上記した睡眠制御は、通常夜に行われる長時間の睡眠だけでなく、昼寝のような短時間の睡眠にも適用可能である。例えば、図9は、昼寝の脈拍と時間との関係を示す波形図で、図10は、理想とされる昼寝の脈拍と時間との関係を示す波形図である。
図9および図10の波形図は、いずれも図7に示す波形が得られた被験者が行った結果である。図9において、1時間の間に脈拍の上下変動があるが、覚醒に向かって脈が徐々に上がっていくことから、心地よい目覚めができたと推定される。図9に示す波形結果から考慮すれば、この被験者の場合、この昼寝のような短時間においてもノンレム睡眠の深さまで達しているとも考えられる。つまり、肉体が深い静養状態に入った可能性がある。もしこの場合、図9のように覚醒に向かって脈拍が徐々に上がっていないと、目覚めのときは疲労感が残ってしまう恐れがある。
一方、図10においては、ほぼ最後まで徐々に脈拍が低くなっているが、全体的に脈拍の値が通常の睡眠よりも高い傾向にある。したがって、肉体は深い静養状態には入っていないと考えられる。この場合、脳は静養されているが肉体は深い静養になっていないことが想像できる。一般的に、昼寝の効果としては、図10のようなパターンが望ましいとされている。本実施形態では、睡眠制御装置2の制御部5により、図10にて示す昼寝のような短時間の睡眠についても、良好な睡眠波形が得られるようになっている。
したがって、制御部5は、通常の睡眠だけではなく、昼寝やその他からなる短時間睡眠なども含め、種々の目的に応じた睡眠パターンを得るためのプログラムを作成したり、データベースから呼び出したりすることで使用者に理想の睡眠を与えることができるようになっている。そのため、制御部5は、少なくとも、睡眠時間の長さ、レム睡眠とノンレム睡眠の反復回数、それぞれの時間、覚醒までの準備パターンを睡眠深さの要素としている。勿論その場合、レム睡眠、ノンレム睡眠の中をもっと細かな段階を規定して定義することも可能であり、そのステップの移行の際における変化勾配などを設けることも可能となっている。
次に、上記寝具1の作用を説明する。
図11は、睡眠から覚醒に至るまでのフローチャートで、図12は、図11におけるAのフローチャートである。
[1] 睡眠に際しては、図11に示すように、まず睡眠制御のセットを行う。つまり、使用者が図1に示すように寝具1に入ったとき、ベッド本体1aに設けられている睡眠制御装置2の遠隔操作部56(図5参照)を操作して調整モードを選択することで、「手動モード」と「自動モード」とのいずれかを選択する(ステップS101)。
これにより、例えば「手動モード」が選択された場合には、制御部は、次の動作の入力待ち状態となる。
[2] 次いで、使用者が遠隔操作部56により振動付与装置3をオンさせ、振動付与装置3のピンアレイ31の感触が所望の状態となるまで、手動スイッチを操作する(ステップS102)。
[3] 振動付与装置3のアクチュエータ39が動作し、ピンアレイ31が昇降動作するので、その姿勢を使用者が調整する(ステップS103)。
つまり、使用者は、自分に適した振動や位置などとなるようピンアレイ31を調整する。
[4] このようにして、振動付与装置3の振動が調整されているとき、その具合が適しているか否かを使用者が判断する(ステップS104)。
このとき、使用者は、その振動で満足しない場合には(ステップS104のNG)、上記S102以降の処理を繰り返し行うこととなる。
[5] そして、上記S104の結果、使用者は、良好と判断した場合には(ステップS104のOK)、睡眠に至ることとなる(ステップS105)。
[6] 一方、上記S101の処理によって使用者が「自動モード」を選択すると、制御部5は、予め選定されたプログラムに基づいて振動付与装置3を駆動するので、まず、ピンアレイ31が上昇し、使用者の身体に緩衝材1bを介して軽く触れる(ステップS106)。
[7] そのとき、ピンアレイ31に設けられている感圧センサ34(図2参照)は、使用者との間で緩衝材1bを介して接触することで得られた圧力を計測する(ステップS107)。
この場合、感圧センサ34が、計測した値の信号を制御部5に出力し、また位置センサ35(図5参照)が、ピンアレイ31の移動に基づいてその位置を計測するとともに、その計測値の信号を制御部5に出力する。
上記計測時、使用者の身体に応じて各ピンアレイ31の上昇度がそれぞれ変化するので、その位置が位置センサ35によって検出される一方、感圧センサ34によって検出される圧力もそれぞれ変化するので、使用者の身体的特徴を検出することができる。
[8] 制御部5は、感圧センサ34および位置センサ35からの計測信号に基づき、使用者の身体と接触している各ピンアレイ31の圧力が一定となるようにピンアレイの移動量を計算する(ステップS108)。
[9] 次いで、制御部5は、上記の計算に基づいた値(移動量)でアクチュエータ39を駆動することで、ピンアレイ31を移動させる(ステップS109)。
[10] その後、制御部5は、ピンアレイ31に設けられている感圧センサ34の計測信号を再び取り込むことにより、使用者の身体に対し緩衝材1bを介して接触しているピンアレイ31のいずれも、略一定の圧力で接触しているのか否かを判定する(ステップS110)。
上記判定結果、万一、いずれかの感圧センサ34による圧力が、他の感圧センサ34の計測圧力と異なっている場合には(ステップS110のNG)、いずれもの感圧センサ34の検出圧力が同じになるまで、上記ステップS108以降の処理を繰り返し実行することとなる。
また、上記判定結果、いずれも略一定圧になると(ステップS110のOK)、その一定圧となる状態にピンアレイ31の昇降が繰り返され、振動付与が継続的に行われので、振動のセットが完了することとなり、その後、上記ステップS105の処理に至ることとなる。
[11] 上記ステップS105の処理時には、図12に示すように、使用者が遠隔操作部56を操作することにより、自分に合った睡眠レベル(睡眠プログラム)を選択する(ステップS121)。
この場合、例えば、夜の場合のような長時間睡眠をとるプログラムであるのか、昼のような短時間睡眠をとるプログラムなのか、また長時間睡眠であるなら、合計どの程度の睡眠時間のプログラムなのか、昼時間睡眠であるなら、合計どの程度の睡眠時間のプログラムなのかを選択する。
[12] 制御部5は、選択された睡眠レベルに対応する情報を入手する(ステップS122)。
この情報としては、前述したRAM52、ROM53、データベースD1およびデータベースD2に格納されている情報が挙げられる。
[13] 制御部5は、取り込んだデータに基づき、感圧センサ34および位置センサ35からの検出信号によって得た使用者の身体的特徴や有効なツボなどを算出するとともに、それに対応するピンアレイ31を特定する。
またこのとき、制御部5は、睡眠導入のため、香発生装置4、スピーカ7、照明装置8などのいずれを駆動するかを決定する(ステップS123)。
[14] そして、制御部5は、上記の決定に従い、選択されたプログラムに基づいて、睡眠制御を実行することとなる(ステップS124)。
これにより、睡眠導入時には、例えば振動付与装置3によって睡眠を誘引するのに適した振動を発生させる。
この場合、振動付与装置3は、睡眠の導入時には、人間の心拍数に近い値か、それ以下の振動数が有効とされることから、概ね50〜120回/秒の振動を付与する。また、香発生装置4においては香りを発生させ、スピーカ7からは音が流れ、照明装置8においては低照度で照明することで、睡眠を誘引することとなる。
[15] 次いで、制御部5は、脈波検出センサ6によって使用者の脈拍を計測するとともに、その信号に基づいて睡眠の深さを検出する一方、該検出した睡眠深さを、選択されたプログラムの内容と比較チェックする(ステップS125)。
上記比較チェック時、例えば、脈波検出センサ6によって使用者の睡眠が深くなったことが検出され、睡眠に至っていることが判ると、制御部5は、レム睡眠とノンレム睡眠とが適宜繰り返されるよう、振動付与装置3の振動数を制御する。
この場合、振動付与装置3は、ノンレム睡眠の誘引時には上記値の振動が付与されるが、ノンレム睡眠からレム睡眠への移行には、120回/秒以上の振動数、概ね150〜250回/秒の振動数を付与する。このようにして、使用者に対し、振動数を変えることで、ノンレム睡眠およびレム睡眠に導きながら双方の状態に繰り返させる。
また、制御部5は、使用者が睡眠状態に陥ったと判断したとき、振動付与装置3に対し、必要に応じ、安静時の脳波に現れわれるとされるα波を誘引する8〜13回/秒の振動を付与したり、深い睡眠時の特徴であるθ波およびδ波を誘引する1〜8回/秒の振動を付与したりすることで、睡眠者の安定状態を維持させる。但し、このような振動は、個人差によって異なるので、適宜実施されるのが好ましい。
[16] 上記S125の処理による比較チェック結果、実際の睡眠の深さがプログラムに沿った内容と大きく異なる場合(ステップS125のNG)、制御部5は、上記S123以降の処理を繰り返し実行することとなるが、プログラムに沿った内容となっている場合には(ステップS125のOK)、睡眠制御をそのまま継続する(ステップS126)。
これにより、使用者は、睡眠が誘発されて睡眠状態に至り、その睡眠状態においては、レム睡眠とノンレム睡眠とが適宜繰り返されることとなる。
[17] そうして睡眠の時間が経過し、覚醒の時期に至ると、制御部5は、覚醒プログラムを実行する(ステップS127)。
[18] そして、再び図11に示すように、制御部5は、振動付与装置3のピンアレイ31を大きく駆動して所望の高さまで上げたりすることで覚醒動作を行い、使用者に覚醒を促す(ステップS111)。
この場合、覚醒を促すには、振動付与装置3がレム睡眠への移行時よりも大きな振動を付与する。また、照明装置8は、照度を大きくするとともに、膝下照明部81によって膝側を照明する。必要によっては、スピーカ7から目覚めに適した音を発生する。
このような覚醒プログラムも、予め設定されている所定時間かけて行われることとなる。
これにより、使用者は、確実に目覚めることとなる。
[19] そして、使用者が目覚め、図示しない終了スイッチなどを操作されたとき、制御部5は、振動付与装置3のピンアレイ31を元の所期位置まで戻すことで、睡眠制御が終了することとなる(ステップS112)。
このように、使用者の睡眠導入時には、振動付与部によって振動を付与するとともに、香発生装置から香りを発生させることで、使用者に睡眠を誘発し、しかも、睡眠時には、睡眠検出手段によって睡眠の深さを検出することで、使用者の睡眠の深さを検出するので、使用者に対し、ノンレム睡眠とレム睡眠とを繰り返させることができ、理想的な睡眠形態を持たせることができる。
したがって、本実施形態の寝具1によれば、睡眠制御装置2により、睡眠に際し、睡眠を誘発することができ、また、睡眠時間に基づき、その睡眠時間内で睡眠の深さを容易に変えて睡眠の深さのサイクルを制御することができ、しかも、覚醒時期には覚醒作用を起こさせることができるので、睡眠の深さを、単に浅いとか深いとかだけでなく、時間との関係をもって睡眠制御を行える結果、肉体疲労と脳の疲労との双方を確実に回復させることができてバランスのとれた理想的な静養を得ることができる。
そのため、例えば疲労感が残る睡眠となる人には、極めて有益となり、しかも、翌日の予定等の関係上で睡眠時間が指定されても、その時間内でバランスのとれた静養を得ることができるので、睡眠時間を短縮させたい人にも実用上の効果が得られる。
また、睡眠制御装置2は、制御部5により、睡眠時間に基づいて浅い睡眠と深い睡眠とを規定時間内で所定回数繰り返しつつ、必要最低限の深い睡眠の時間を確保する一方、覚醒時には使用者に浅い睡眠に誘引させるようにしたので、睡眠時のノンレム睡眠とレム睡眠とを繰り返させることができるばかりでなく、覚醒時に浅い睡眠に誘引することで、肉体疲労と脳疲労とを確実に除去することができ、例え夜のような長時間の睡眠や昼寝のような短時間の睡眠でも、静養効果を高めることができる。
その上、実際に記録された睡眠深さの内容に基づいて作成された複数のプログラムを有しているので、複数の人間に対応でき、また、同一人物であっても、時と場合とに応じたパターンの睡眠を得ることができるので、静養効果を確実に高めることができる。
また、脈波検出センサ6により、睡眠の深さを検出するので、使用者に対し、プログラムに基づいた睡眠の深さで睡眠制御することができる結果、静養効果を確実に高めることができる。その上、脈波検出センサ6は、使用者の腕(もしくは足)に装着されていると、以下の効果も奏することができる。
すなわち、通常、脳波の検出手段のようなヘッドギアのような形状をなすものでは、睡眠時に使用するのでは、装着感の負担があまりに大きくなり、また、アイマスクのような形態のものでも、顔に装着するので、装着感の負担があまりにも大きくなってしまい、逆に睡眠が妨げられるおそれがある。
その点、上述したように、脈波検出センサ6が腕(もしくは足)に装着されると、頭部への装着がなくなり、装着感の負担を著しく軽減することができ、睡眠が阻害されるのを防ぐことができる結果、使用者に対し頭部へのような不快な装着感を与えることがないのは勿論、使用者の脈拍を測定することで、睡眠の深さを的確に判定することができる。しかも、脈波検出センサ6が、脈波検出センサからなるので、脈拍検出手段に比較しても、腕に対する装着感をいっそう軽減することができるとともに、脈拍の測定を的確に行うことができ、睡眠の深さを的確に検出することができる。このようなことは、使用者の腕に限らず、足に装着しても同様である。
また、睡眠導入時にはスピーカ7から音が鳴り、その音によって睡眠をより誘引させることができるので、睡眠導入効果を高めることができる。その上、スピーカ7は、睡眠導入時のみならず、ノンレム睡眠への切り替え時にも利用すれば、レム睡眠からノンレム睡眠への切り替えを確実に行わせることもでき、反復制御を的確に行える。このようなスピーカ7からの音としては、上述した音楽、自然界の音、α波などに限らず、例えば自分の脳波音や心拍数が有効であるとの説も出ていることから、それらを用いてもよい。
但し、各個人の好みの音素材を含めて効果の個人差が大きいので、それぞれ最適の素材を使えるのが最も良い。このような最も良い音とは、実際の睡眠結果に基づいて判定することで、選択できるようにすればよい。
そして、本実施形態において、制御部5は、睡眠時には、ノンレム睡眠とレム睡眠とを繰り返させるため、振動付与部の振動数をそれぞれ上述した振動数に変えるようにした例を示したが、必要によっては、これらノンレム睡眠とレム睡眠との反復パターンを行わせるため、それらの反復時の山の部分および谷の部分毎に、上記と異なる振動数にすることもでき、また一定の振動数でオン・オフ制御することもでき、さらには、振動数を睡眠時間の長さに応じて変更することもできる。しかも、個人差によって異なるものの、検出された睡眠の深さとプログラムの内容に大きなズレが生じた場合、例えば、睡眠の浅い側にずれた場合には、より低い方に振動数を変化させ、反対に睡眠の深い側にずれは場合には、より高い方に振動数を変化させることなどもできる。
また本実施形態では、香発生装置として、ポンプにとって吸入口か芳香発生源へ空気を吸入し、芳香発生源から芳香排出口へ空気を排出することによって芳香を発生させるものを用いたが、それに限られず、例えば、液状からなる超微細な香りの成分のミストを噴霧してベッド本体1aの周囲に香りを発生させるもの等、各種の香発生装置を用いることができる。
次に、本発明の寝具1の第2実施形態について説明する。
図13は、本発明の寝具1の第2実施形態を示す概略図、図14は、同じくその構成ブロック図である。
以下、第2実施形態の寝具1について、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
第2実施形態の寝具1は、睡眠空間画成体9と、空気調整部10と、体温計測センサ(睡眠検出手段)11が付加されていること以外は、前述した第1実施形態と同様である。
つまり、図13に示すように、第2実施形態の寝具1では、睡眠時、ベッド本体1aに横たわる使用者の睡眠空間を画成するために睡眠空間画成体9が設けられている。この睡眠空間画成体9は、視界を遮らない透明なもので形成されるとともに、空気調整を効果的に行えつつ換気機能を果たす形状にするのが望ましく、例えば、視覚的に柔らかいイメージを表す繭形形状をなし、しかも、換気機能を果たせるように通風口が必要な数だけ設けられている。この場合、睡眠空間画成体9としては、例えばベッド本体1aの頭部側もしくは足下側に伸縮自在な蛇腹状に構成すると、不使用時には、折り畳めるので好ましい。
空気調整部10は、睡眠時、上記睡眠空間画成体9によって画成された空間内の空気調整、つまり、温度および湿度を管理するためのものである。特に、睡眠には、温度や湿度の調整に最も効果があり、温度については、一般的に睡眠導入時には高い方が良いとされ、ノンレム睡眠時にはエネルギーの消費を抑えるために体温を低下させることがよいとされている。但し、人体は、入眠後の発汗によって気化熱を利用して体温を低下させる機能を備えているので、温度以上に重要なのが湿度の管理と言われている。
体温計測センサ11は、文字通り使用者の体温を検出するためのものであって、例えば耳の中の温度変化を赤外線で検出する赤外線センサからなっている。この赤外線センサは、装着に違和感がないような小型化であって、耳に差し込む形態で使用される。
上記睡眠空間画成体9、空気調整部10、体温計測センサ11のうち、体温計測センサ11の検出信号が制御部5にフィードバックされることで、空気調整部10が制御部5によって制御される。
そのため、図14に示すように、制御部のMPU51には、I/F58を介して体温計測センサ11が接続されるとともに、そのI/F58にI/F10aを介して空気調整部10のコンプレッサ10bと、熱交換機構10cと、バルブ10dと、温度センサ10eとの構成要素が接続されている。
したがって、本実施形態の寝具1においては、ステップS124の処理(図12における睡眠制御の実行を参照)時、体温計測センサ11によって検出された体温が制御部5にフィードバックされ、制御部5によって空気調整部が駆動されることで、睡眠空間画成体9によって画成された空間の温度および湿度が調整されることとなる。すなわち、睡眠導入時には、温度が高くされ、またノンレム睡眠時には温度が低くなるように制御される。
但し、温度の高低は、四季によって異なるばかりでなく、個人差があるので、使用者が適宜調整できるようにすることが好ましい。
本実施形態の寝具1によれば、睡眠時、睡眠空間画成体9によって使用者の睡眠空間を形成し、しかもその睡眠空間が空気調整部10によって温度および湿度とからなる空気調整が行われるので、使用者の睡眠をいっそう良好にすることができ、安眠を的確にさせることが可能となる。
また、睡眠空間画成体9によって空間を画成すると、空気調整部による温度および湿度の管理を適切に行うことができ、ベッド本体1aが設置された部屋全体の空気調整を行う場合に比較すると、省電力で正確な制御できるばかりでなく、複数の人間が同室で睡眠を取る場合の利便性を得ることができる。特に、温度のみならず湿度を考慮した場合には、速やかな効果を得ることができる。
さらに、体温計測センサ11によって使用者の体温も計測して監視した場合、通常起きているときと睡眠しているときの差を明確にすることができ、これにより、脈波検出センサ6と併用することで、睡眠の深さを確実に検出することができる。本実施形態では、体温計測センサ11として、耳に差し込む形態の小型な赤外線センサを用いているので、これにスピーカ機能を兼備させると、音発生装置部からの音を出力することも可能となる。これにより、音発生装置部から出力される音が、周囲に漏れることがなくなり、同室に複数の人間がいる場合には迷惑がかかるのを防ぐことができる。この体温計測センサ11も有線よりは、無線タイプのものが好ましい。
次に、本発明の寝具1の第3実施形態について説明する。
図15は、本発明の寝具1の第3実施形態を示す概略図、図16は、同じくその構成ブロック図である。
以下、第3実施形態の寝具1について、前述した第1および第2実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
第3実施形態の寝具1は、体験記録実行手段(符示せず)を付加していること以外は、前述した第2実施形態と同様である。
夢は、レム睡眠、ノンレム睡眠のいずれにも現れているように思えるが、一般的に、人間が体験した夢を記憶しているの可能性の高いのは、レム睡眠にあると言われている。フロイトの夢判断やダリが用いた絵の発想法などのように、夢を利用する場合にレム睡眠を制御して夢の記録を残すことは極めて有効である。しかも、一般的には、睡眠時、最初に訪れるレム睡眠の際の夢体験が有用とされている。
そこで、本実施形態では、前記体験記録実行手段を用いて、有効なレム睡眠レベルを検出し、使用者に対して一時的に睡眠を中断させ、そのときに体験した夢の内容を記録するように促す通知(報知)部(符示せず)と、夢の体験結果を記録させる記録手段としての体験結果記録部(符示せず)とからなる体験記録実行手段を付加している。
上記体験記録実行手段の通知部としては、スピーカ7と振動付与装置3とのいずれか一方、若しくは双方を利用する。スピーカ7を利用する場合、スピーカ7は、覚醒を起こさせる音を発生させるが、それ以外に、アラームを発生させるようにしてもよい。振動付与装置3を利用する場合、振動付与装置3は、覚醒を促すときと同様の振動数、若しくはそれより高い振動数を発生させるようになっている。
体験結果記録部は、図15に示すように、マイクロフォン12と録音装置(図示せず)とを用い、そのマイクロフォン12を通じて使用者が体験した夢の内容を記録できるようになっている。この場合、夢の形状情報等を記録するようにすることも望ましく、そのため、好ましくはフルカラー等で記録することの可能な筆記用具なども用いるようにしてもよい。
このような体験記録実行手段は、制御部5によって制御される。そして、制御部5は、夢を見たと判断して体験記録実行手段を駆動させる場合には、前記脈波検出センサ6および体温計測センサ11からの検出信号に基づいて判定する。つまり、制御部5は、睡眠時の脈拍と時間との関係の変化に基づき、脈拍がある一定以下に下がったとき(もしくは上がったとき)、夢を見たと判定することで、体験記録実行手段を行うようにしている。
以下、第3実施形態の作用を示す。
第3実施形態においても、基本的には第2実施形態と同様であるので、その相違点だけを図17を用いて、以下に説明する。図17は、図12に対応するフローチャートである。
[20] 図17に示すS125の処理により、比較チェック結果がYESとなった後、例えば、使用者が睡眠に陥り、そのときの脈拍が脈波検出センサ6によって検出されるが、制御部5は、該脈波検出センサ6から信号の変化を検出することで、夢を見ていた状態にあったと判定する(ステップS171)。
[21] 次いで、制御部5は、体験記録実行手段の通知部を駆動することで、使用者に対し覚醒の実行を行う(ステップS172)。
つまり、スピーカ7や振動付与装置3からなる通知部を駆動して覚醒を促すことで、使用者を起こす。
[22] その後、使用者は、夢を見た場合、そのときに見た夢の内容を、マイクロフォン12を通じて話すことで、体験記録実行を行うこととなる(ステップS173)。
このとき、マイクロフォン12により体験結果記録部に記録される。
なお、使用者は、話を始めるときに体験結果記録部をオンさせるとともに、話を終えた時点で、体験結果記録部をオフさせるのが好ましい。また、体験結果記録部のみならず、筆記用具等を用いて、色や形状等を使用者に記入させることもより有効となる。
[23] このようにして、体験記録が終了した後、使用者は、睡眠を続けるかどうか判断する(ステップS174)使用者が継続的に睡眠を行う場合(ステップS174のYes)、制御部5はステップS121に移行し、睡眠制御を継続する。また、使用者がそのまま起きる場合には(ステップ174のNo)、例えば睡眠解除などの旨を制御部5に対して入力した後、図11にて示すステップS111以降の処理が同様になされることとなる。
本実施形態の寝具1によれば、睡眠検出手段が、睡眠の深さに基づいて夢をみている状態か否かを判定することもできるので、使用者が見た夢の内容を再現させるが可能となる。しかも、最初に訪れるレム睡眠の際の夢体験が、夢の利用に有効とされていることから、そのときの状態を睡眠検出手段によって検出することもできる。
そして、夢の再現に際しては、夢を見たとされる頃、前述したように、振動付与装置3とスピーカ7とのいずれか若しくは双方を用い、体験記録実行手段の通知部として機能させることで使用者を起こし、また体験結果記録部を用いることで夢の内容を記録することができるので、夢の利用を実施することができる。このような夢の再現は、使用者の体調を知ることができる一因にもなり得、健康管理等に役立つことも可能となる。
また、前述したように、録音装置のみならず、筆記用具等を用いて、色や形状等を使用者に記入させることも、夢の利用をより有効にすることができる。
以上、本発明の寝具1を、図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。また、本発明に、他の任意の構成物や、工程が付加されていてもよい。
また、本発明は、前記各実施形態のうちの、任意の2以上の構成(特徴)を組み合わせたものであってもよい。
また、前記実施形態では、制御部が、使用者によって指定されたプログラムの内容に基づいて睡眠制御を行うように構成した例を示したが、合計の睡眠時間が指定された時点で、その睡眠時間内で睡眠導入と、浅い睡眠と深い睡眠との所定回数の繰り返しと、必要最低限の深い睡眠時間の確保と、覚醒のための浅い睡眠とが得られるようにすることもできる。このようにすれば、例えば、翌日の予定等の都合上、短時間の睡眠しか確保できないような場合であって、良質の睡眠および静養を得ることができる。
また、本発明の寝具の用途、使用場所は、特に限定されず、例えば、一般的な家庭で使用できるのは勿論、一般的なホテル、高級ビジネスホテル、エグゼクティブクラスの飛行機のシート、エステティックサロン、勤務時間シフトのある仕事での仮眠室、空港や駅の仮眠室等においても利用することができる。
本発明の睡眠制御装置付寝具の第1実施形態を示す概略図である。 睡眠制御装置の振動付与部を示す拡大説明図である。 睡眠制御装置の香発生装置を示す説明図である。 図3のX矢視に相当する断面図である。 睡眠制御装置を示す構成ブロック図である。 理想とされる睡眠の深さと時間との関係を示す睡眠パターンの波形図である。 図6に相当する実際の睡眠時の脈拍と時間との関係を示す波形図である。 理想とされない睡眠時の脈拍と時間との関係を示す波形図である。 昼寝の脈拍と時間との関係を示す波形図である。 理想とされる昼寝の脈拍と時間との関係を示す波形図である。 睡眠から覚醒に至るまでのフローチャートである。 図11におけるAのフローチャートである。 本発明の睡眠制御装置付寝具の第2実施形態を示す概略図である。 睡眠制御装置を示す構成ブロック図である。 本発明の睡眠制御装置付寝具の第3実施形態を示す概略図である。 睡眠制御装置を示す構成ブロック図である。 図12に対応するフローチャートである。
符号の説明
1……睡眠制御装置付寝具 1a……ベッド本体 1b……緩衝材 2……睡眠制御装置 3……振動付与装置 31……ピンアレイ 32……押圧部 33……受圧部 34……感圧センサ 35 位置センサ 36……速度センサ 38……I/F 39……アクチュエータ 4……香発生装置 40a……吸入口 40b……芳香排出口 41……香料 42……香料収容部 43……第1ポンプ 43a、43b……ロータ 43c、43d、44c、44d……回転軸 44……第2ポンプ 44a、44b……ロータ 45……ケース部材 46a、46b……連通溝 47……アクチュエータ 47a……振動体 47b……圧電素子 48……駆動ロータ 49a、49b……歯車 5……制御部 51……MPU 52……RAM 53……ROM 54……電源部 55……操作部 56……遠隔操作部 57……表示部 58……I/F 6……脈波検出センサ 7……スピーカ 8……照明装置 81……膝下照明部 9……睡眠空間画成体 10……空気調整部 10a……I/F 10b……コンプレッサ 10c……熱交換機構 10d……バルブ 10e……温度センサ 11……体温計測センサ(赤外線センサ) 12……マイクロフォン D1……内蔵データベース D2……WEB上のデータベース

Claims (18)

  1. 睡眠時間に応じて睡眠の深さが変化する睡眠パターンを有するプログラムであり、該睡眠パターンの異なる複数のプログラムと、
    前記複数のプログラムから、所定のプログラムを選択する選択手段と、
    前記選択手段により選択された前記プログラムの睡眠パターンと、使用者の睡眠パターンとが略一致するように該使用者の睡眠を制御する睡眠制御装置とを備えたことを特徴とする睡眠制御装置付寝具。
  2. 前記複数のプログラムのうちの少なくとも1つのプログラムの睡眠パターンは、浅い睡眠と深い睡眠とを規定時間内で所定回数繰り返しつつ、必要最低限の深い睡眠の時間を確保する一方、
    覚醒時には使用者に浅い睡眠に誘引させるものである請求項1に記載の睡眠制御装置付寝具。
  3. 所定の睡眠パターンを有するプログラムを作成するプログラム作成手段を備える請求項1または2に記載の睡眠制御装置付寝具。
  4. 前記プログラムは、実際に測定された、睡眠パターンに基づいて作成されたものである請求項1または2に記載の睡眠制御装置付寝具。
  5. 使用者の睡眠の深さを検出する睡眠検出手段を有し、
    前記制御部は、前記睡眠検出手段の検出結果に基づいて、前記使用者の睡眠の深さを制御する請求項2または3に記載の睡眠制御装置付寝具。
  6. 前記睡眠検出手段は、使用者の脈拍を測定する脈波検出センサである請求項5に記載の睡眠制御装置付寝具。
  7. 前記脈波検出センサは、使用者の脈波を検出するものである請求項6に記載の睡眠制御装置付寝具。
  8. 前記睡眠検出手段は、使用者の体温を検出する体温計測センサである請求項5ないし7のいずれかに記載の睡眠制御装置付寝具。
  9. 前記睡眠制御装置は、使用者に対して所定の振動を付与する振動付与装置を有する請求項1ないし8のいずれかに記載の睡眠制御装置付寝具。
  10. 前記睡眠制御装置は、香りを発生させる香発生装置を有する請求項1ないし9のいずれかに記載の睡眠制御装置付寝具。
  11. 前記睡眠制御装置は、音を発生させる音発生装置を有する請求項1ないし10のいずれかに記載の睡眠制御装置付寝具。
  12. 前記音発生装置にて発生する音には、α波が含まれる請求項11に記載の睡眠制御装置付寝具。
  13. 前記睡眠制御装置は、当該睡眠制御装置付寝具の周辺を照明する照明装置を有する請求項1ないし12のいずれかに記載の睡眠制御装置付寝具。
  14. 前記照明装置は、少なくとも睡眠導入時と覚醒時とで照度を変更可能に設けられる請求項13に記載の睡眠制御装置付寝具。
  15. 前記照明装置は、使用者の覚醒時、使用者の膝下側を照明する膝下照明部を含み、前記使用者に対して複数設けられる請求項13または14に記載の睡眠制御装置付寝具。
  16. 前記睡眠制御装置は、使用者の睡眠に必要な空間を画成する睡眠空間画成体と、該睡眠空間画成体内の湿度および/または温度を調整する空気調整部とを有する請求項1ないし15のいずれかに記載の睡眠制御装置付寝具。
  17. 使用者の睡眠の深さを検出する検出手段と、
    前記検出手段により検出された睡眠の深さに基づいて、前記使用者を覚醒するとともに、使用者に対して該使用者が見た夢の記録を促す通知手段とを有することを特徴とする睡眠制御装置付寝具。
  18. 前記使用者が見た夢を記録する記録手段を有する請求項17に記載の睡眠制御装置付寝具。
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