JP2005269784A - ニッケル水素電池の充放電制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 電源装置の二次電池とするニッケル水素電池の充放電制御に適確な監視・保護を得る。
【解決手段】 ニッケル水素電池の放電時は、電池温度が55℃を越えたときはアラーム制御をし、60℃以上で90℃以下では放電中で一定時間継続したときにフェイル制御し(G3)、放電中で90℃以上になったときは直ちにフェイル制御する(G2)。
また、ニッケル水素電池の充電時は、温度上昇率検出での継続時間による電池の充電完了判定を周囲温度が高温の場合には継続時間を短縮し、低温の場合には継続時間を延長することを含む。
【選択図】 図1
【解決手段】 ニッケル水素電池の放電時は、電池温度が55℃を越えたときはアラーム制御をし、60℃以上で90℃以下では放電中で一定時間継続したときにフェイル制御し(G3)、放電中で90℃以上になったときは直ちにフェイル制御する(G2)。
また、ニッケル水素電池の充電時は、温度上昇率検出での継続時間による電池の充電完了判定を周囲温度が高温の場合には継続時間を短縮し、低温の場合には継続時間を延長することを含む。
【選択図】 図1
Description
本発明は、ニッケル水素電池の充放電制御装置に係り、特にニッケツ水素電池の温度および周囲温度の監視による充放電制御に関する。
電源装置にバッテリ装置を組み合わせたUPS付き電源装置がある。このUPS(無停電電源装置)用の二次電池として、鉛蓄電池に代わりニッケル水素電池が使用されるようになった。
ニッケル水素電池は、鉛蓄電池に比べ、体積エネルギー密度が高く、重量エネルギー密度も高い、有害物質を含まない等の長所があるが、過充電に弱い、高温での使用で寿命が短くなる、低温での充電特性が悪い、過放電による劣化が激しい等の短所もあり、その充放電に保護機構が必要となる。
これら事情を考慮したニッケル水素電池の充放電制御装置を実現するため、専用のLSIやマイコン(マイクロプロセッサ)を使用した充放電制御装置がある。図3にUPS機能を搭載した電源装置におけるマイコンを使用したバッテリ装置の構成を示す。
同図において、1はUPS機能付き電源装置で、AC給電が停止した際、バッテリ装置2からの給電に切り替える無停電電源装置である。バッテリ装置2はバッテリ3を搭載し、バッテリ3の充放電制御と保護を行う。バッテリ3は、ニッケル水素電池の電池パックとして構成され、電池温度を監視するサーミスタ3Aと過電流防止のサーマルプロテクタ3Bを内蔵している。
電源装置1は、AC給電が停電した場合、バッテリ装置2からの給電に切り替え、停電時にシステムを停止するのではなく、システム保全措置を行ってから、装置電源を切る機能を与えると同時に、短時間の停電の間もシステムは動作を継続可能とする。
マイコン4は、過充電、過放電、動作温度監視等の充放電制御を司る。充電電圧検出部5はバッテリ充電電圧を監視し、これを基にマイコン4で過充電保護処理を行う。過電流検出部6は過電流を検出し、これを基にマイコン4で充電時の過電流保護処理を行う。PWM制御回路7はマイコン4によるゲート制御で電力用半導体スイッチSWをPWM制御し、バッテリ3の充電電流制御や保護を可能にする。警報出力部8は過電流、過電圧、過放電、電池寿命の警報出力を電源装置1に与える。9はマイコン4のリセット回路、10は充電(CHARGE)電圧検出部であり、これを基にマイコン4は電源装置1の出力になるバッテリ充電電圧をチェックをする。バッテリ電圧検出部11はバッテリ3の電圧を検出し、これを基にマイコン4はバッテリ3の充電状態をチェックする。
以上の構成におけるバッテリの保護機構としては、過電流検出、充電電圧検出、バッテリ温度検出、バッテリ電圧検出などを基に、マイコン4がソフトウェア構成でバッテリ3の保護を行う。
図4はバッテリ放電時の温度監視による保護機構を示し、マイコン4はサーミスタ3Aによる温度監視を基に、温度55℃で温度アラームで保全措置を取り、温度低下を待つ。保全措置としては、充電中の場合は充電を停止する。50℃以下になったら充電動作を再開する。温度60℃で温度フェイルとなり、電源装置1内でバッテリ装置2を切り離す。
次に、バッテリ充電時の保護機構を説明する。この保護には主に以下の3つの方式が挙げられる。
(1)−ΔV方式(電圧低下率方式)
この方式は、電池充電時にその電圧がピークに達してから低下する現象を利用するもので、その電圧低下量(−ΔV)を検出し、充電を停止する。しかし、ニッケル水素電池の場合、この−ΔVの値が微少であるので検出が難しい。また、充放電を繰り返すと、電池の内部抵抗が上昇し、電池電圧も上昇するので過充電になりやすい。
この方式は、電池充電時にその電圧がピークに達してから低下する現象を利用するもので、その電圧低下量(−ΔV)を検出し、充電を停止する。しかし、ニッケル水素電池の場合、この−ΔVの値が微少であるので検出が難しい。また、充放電を繰り返すと、電池の内部抵抗が上昇し、電池電圧も上昇するので過充電になりやすい。
(2)dT/dt方式(温度変化率方式)
この方式は、充電末期の電池温度の急激な上昇を利用するものである(例えば、特許文献1参照)。この方式は、電池温度の単位時間当たりの温度上昇を検出し、ある値以上になった場合に充電を停止する。温度感知して充電を停止させるので、電池温度高温による寿命短縮を防ぐことができ、−ΔV方式の様に過電圧を招くこともない。
この方式は、充電末期の電池温度の急激な上昇を利用するものである(例えば、特許文献1参照)。この方式は、電池温度の単位時間当たりの温度上昇を検出し、ある値以上になった場合に充電を停止する。温度感知して充電を停止させるので、電池温度高温による寿命短縮を防ぐことができ、−ΔV方式の様に過電圧を招くこともない。
(3)タイマー方式
何らかの原因で上記(1)、(2)の満充電検出が行われなかった場合、過充電を防止するため、充電を停止する。このタイマー方式は単純にタイマによって充電を停止する。このため、充電初期の電圧が高い場合、過充電になりやすい。よって、何らかの原因で上記(1)、(2)の満充電検出が行われなかった場合に過充電を防止するたに充電を停止する後備保護的な役割で用いられる。
何らかの原因で上記(1)、(2)の満充電検出が行われなかった場合、過充電を防止するため、充電を停止する。このタイマー方式は単純にタイマによって充電を停止する。このため、充電初期の電圧が高い場合、過充電になりやすい。よって、何らかの原因で上記(1)、(2)の満充電検出が行われなかった場合に過充電を防止するたに充電を停止する後備保護的な役割で用いられる。
以上の理由から、dT/dt方式は常温下において最も有効な制御方式であるが、制御方法の実現が複雑になる傾向がある。
dT/dt制御による従来の充電保護機構を図5に示す。同図の(a)は通常充電時の制御手順を示し、充電開始で充電タイマを起動し(S1)、バッテリ温度上昇率が1℃/分になった場合、dT/dt上昇、つまり充電末期を検出する(S2)。このdT/dt検出が20分間継続したとき、満充電と判定して充電を終える(S3)。また、dT/dt検出が20分に達するまでは充電タイマの時間だけ充電を続け、タイマの終了で充電を終える(S4)。
図5の(b)はバッテリの充電中に温度異常(バッテリ温度55℃以上)が発生した場合の保護制御手順を示し、温度異常の発生で充電動作を一時中断し(S11)、バッテリ温度を検出し(S12)、充電停止でバッテリ温度が50℃以下になったか否かをチェックし(S13)、バッテリ温度が50℃以下になったことで充電を再開する(S14)。充電を停止したにも関わらず、バッテリ温度が60℃を越えた場合、Failとし、システムを停止する(S15)。
特開2001ー102092号公報
(1)ニッケル水素電池の放電時の課題
UPS機能付き電源で使用されるニッケル水素電池は、高温での充放電による電池劣化が著しいため、バッテリパックに温度を検出するサーミスタを実装し、バッテリの温度を監視しながらの充放電制御を行う。
UPS機能付き電源で使用されるニッケル水素電池は、高温での充放電による電池劣化が著しいため、バッテリパックに温度を検出するサーミスタを実装し、バッテリの温度を監視しながらの充放電制御を行う。
バッテリが高温異常を発生する要因としては、・周囲温度の上昇、・充電による温度上昇、・急速な大電流の放電による温度上昇がある。これらの要因に対して、周囲温度の上昇には強制空冷等の処置を行い、充電による温度上昇には充電動作の停止を行い、急速な大電流の放電には放電の停止で回避出来る。
ここで、急速な大電流放電が発生するのは、電源装置1のバックアップ動作の為の短時間での大電流の放電である。この大電流放電に対する保護機構としては、バッテリパック内に設けたサーマルプロテクタで30A,90℃を検出すると、サーマルプロテクタがトリップして、バッテリを遮断する。
一方、温度監視による保護機構は、前記の図4にバッテリ温度監視による保護回路で示すように、温度55℃で温度アラームで保全措置を取って温度低下を待ち、温度60℃で温度フェイルとなり、電源装置からバッテリ装置を切り離す。
以上のことから、急速な大電流の放電は、本来サーマルプロテクタで保護するものであるが、サーマルプロテクタでの保護の前に、温度検出回路の60℃フェイル検出でバッテリが切断されてしまい、保護協調が取れておらず、本来のUPS機能のバックアップ動作が短時間の急激な温度上昇で、バッテリが遮断され、本来、期待していたバックアップ時間か保持できないという問題があった。
また、バッテリが高温状態で使用された場合は、小電流の放電でも、バッテリが遮断され、本来のUPSバックアップ機能が維持出来ない。
(2)ニッケル水素電池の充電時の課題
バッテリ充電時の保護機構としては、前記の図5に示すように、dT/dtを基に保護を行う。この方式は常温下では非常に有効な方式ではあるが、周囲温度の影響を受けやすい側面も持ち合わせている。以下に周囲温度高温、低温、それぞれの場合の問題点を説明する。
バッテリ充電時の保護機構としては、前記の図5に示すように、dT/dtを基に保護を行う。この方式は常温下では非常に有効な方式ではあるが、周囲温度の影響を受けやすい側面も持ち合わせている。以下に周囲温度高温、低温、それぞれの場合の問題点を説明する。
◆周囲温度が高温の場合
バッテリの周囲温度が高いため、バッテリの単位時間当たりの温度上昇率が低くなり、dT/dt検出されにくい。バッテリが満充電に近づいた際のバッテリ温度は周囲温度が高温のため、使用温度範囲を超えてしまう。バッテリ使用温度範囲を越えた時点で充電動作を一時中断し、バッテリ温度が下がったら充電再開する手順を取るが、単位時間当たりの温度上昇率は低く、dT/dt検出されない。周囲温度の影響により、バッテリ自体の温度が高温になり、バッテリ寿命を短縮してしまう。
バッテリの周囲温度が高いため、バッテリの単位時間当たりの温度上昇率が低くなり、dT/dt検出されにくい。バッテリが満充電に近づいた際のバッテリ温度は周囲温度が高温のため、使用温度範囲を超えてしまう。バッテリ使用温度範囲を越えた時点で充電動作を一時中断し、バッテリ温度が下がったら充電再開する手順を取るが、単位時間当たりの温度上昇率は低く、dT/dt検出されない。周囲温度の影響により、バッテリ自体の温度が高温になり、バッテリ寿命を短縮してしまう。
◆周囲温度が低温の場合
バッテリの周囲温度が低いため、軽い充電で電池の温度上昇が始まり、満充電にないにも関わらず単位時間当たりの温度上昇率が満充電時であるかのように大きな値を示し、充電を止めてしまう場合がある。早期にdT/dt検出するため、充電容量不足にバッテリの放電時間が短くなってしまう。
バッテリの周囲温度が低いため、軽い充電で電池の温度上昇が始まり、満充電にないにも関わらず単位時間当たりの温度上昇率が満充電時であるかのように大きな値を示し、充電を止めてしまう場合がある。早期にdT/dt検出するため、充電容量不足にバッテリの放電時間が短くなってしまう。
本発明の目的は、ニッケル水素電池の充放電制御に適確な監視・保護ができるニッケル水素電池の充放電制御装置を提供することにある。
本発明は、前記の課題を解決するため、ニッケル水素電池の放電時の保護機構は、電池温度がアラーム温度を越え、60℃以上で90℃以下では放電中で一定時間継続したときにフェイル制御し、放電中で90℃以上になったときは直ちにフェイル制御する。また、ニッケル水素電池の充電時の保護機構は、dT/dt検出での継続時間による電池の充電完了判定を周囲温度が高温の場合には継続時間を短縮し、低温の場合には継続時間を延長する。
したがって、本発明は、以下の構成を特徴とする。
(1)電源装置の二次電池にしたニッケル水素電池を、温度による保護機構を有して充放電制御する充放電制御装置であって、
前記保護機構は、電池温度がアラーム温度を越えたときは前記電源装置の保全措置をとり、アラーム温度を越えた60℃以上で90℃以下では電池が放電中で一定時間継続したときに前記電源装置との切り離しを行うフェイル制御し、電池が放電中で90℃以上になったときは直ちにフェイル制御する放電制御手段を備えたことを特徴とする。
前記保護機構は、電池温度がアラーム温度を越えたときは前記電源装置の保全措置をとり、アラーム温度を越えた60℃以上で90℃以下では電池が放電中で一定時間継続したときに前記電源装置との切り離しを行うフェイル制御し、電池が放電中で90℃以上になったときは直ちにフェイル制御する放電制御手段を備えたことを特徴とする。
(2)電源装置の二次電池にしたニッケル水素電池を、温度による保護機構を有して充放電制御する充放電制御装置であって、
前記保護機構は、
充電タイマによる電池の充電中に、一定の温度上昇率dT/dtの検出が設定時間だけ継続したときに充電制御を終了する手段と、
電池の充電中に電池温度がアラーム温度を越えたときは充電を中断し、電池温度が低下したときに充電を再開し、アラーム温度を越えた60℃以上で前記電源装置との切り離しを行うフェイル制御をする手段と、
前記充電を中断したとき、電池の周囲温度が常温に比べて高温状態にある場合は前記設定時間を一定時間だけ短縮させ、周囲温度が低温状態にある場合は前記設定時間を一定時間だけ延長させる手段とを備えたことを特徴とする。
前記保護機構は、
充電タイマによる電池の充電中に、一定の温度上昇率dT/dtの検出が設定時間だけ継続したときに充電制御を終了する手段と、
電池の充電中に電池温度がアラーム温度を越えたときは充電を中断し、電池温度が低下したときに充電を再開し、アラーム温度を越えた60℃以上で前記電源装置との切り離しを行うフェイル制御をする手段と、
前記充電を中断したとき、電池の周囲温度が常温に比べて高温状態にある場合は前記設定時間を一定時間だけ短縮させ、周囲温度が低温状態にある場合は前記設定時間を一定時間だけ延長させる手段とを備えたことを特徴とする。
以上のとおり、本発明によれば、ニッケル水素電池の放電時には、電池温度がアラーム温度を越え、60℃以上で90℃以下では放電中で一定時間継続したときにフェイル制御し、放電中で90℃以上になったときは直ちにフェイル制御するため、高温条件で使用している電池の急速放電時に不用意なフェイルが発生してバックアップ動作を中断してしまうことを防止できる。
また、90℃を越える場合は、即座に電源装置から電池を切り離し、放電を停止させ、温度上昇を抑え、電池寿命を延ばすことができる。
また、電池温度が60℃を越え、90℃を越えない状態にも電池を確実に保護することができる。
また、本発明によれば、ニッケル水素電池の充電時には、dT/dt検出での継続時間による電池の充電完了判定を周囲温度が高温の場合には継続時間を短縮し、低温の場合には継続時間を延長するため、バッテリ周囲温度の変化によって生じるバッテリの特性変化に応じた最適な充電制御が可能となる。
また、周囲温度が高温時のdT/dt未検出による過充電を防ぎ、また、バッテリ温度高温による寿命短縮も防ぐことができる。
また、周囲温度が低温の場合、早期のdT/dt判定による充電容量不足が解消され、安定した放電時間の確保が可能となる。
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態を示し、ニッケル水素電池の放電制御における温度監視による保護回路を示す。同図は、図3におけるマイコン4に搭載するソフトウェア構成の温度監視制御をハードウェア構成で示すものである。
図1は、本発明の実施形態を示し、ニッケル水素電池の放電制御における温度監視による保護回路を示す。同図は、図3におけるマイコン4に搭載するソフトウェア構成の温度監視制御をハードウェア構成で示すものである。
マイコン4は、図3のサーミスタ3Aのアナログ検出信号から、バッテリ3の温度が55℃以上、60℃以上、90℃以上になったことを検出する。
このうち、温度が55℃以上にまで上昇したとき、アラームとして報知し、バッテリ3の充電制御は停止させる。このアラーム報知状態でさらに温度上昇し、60℃以上さらには90℃以上になったとき、電源装置1に放電中か否かと、60℃以上になったときから計時するタイマ信号とによってフェイル信号の発生条件を変える。
詳細には、温度検出のフェイルの出力は、放電中と放電中でない場合によって、温度フェイルが発生する条件を変える。放電中でない場合で60℃以上の温度異常が発生したら、論理G1により即座にフェイル信号を発生し、電源装置1からバッテリ3を切り離し、バッテリ3を保護する。この保護は、55℃以上を検出した時点で、アラームが発生し、この時点で充電動作は停止している為、60℃以上の温度異常が発生するのは、周囲温度異常か、充電回路異常で致命的な問題になるため、バッテリ3の切り離しでその確実な保護を行う。
次に、バッテリが放電中で、バッテリ温度が90℃以上になる場合は、論理G2によって即座にフェイル信号を発生し、電源装置からバッテリを切り離し、バッテリを保護する。この条件の場合、バッテリー内のサーマルプロテクタの切断も同じタイミングで発生するので、どちらかで切断される。
次に、放電中の場合で60℃以上かつ90℃未満の場合、タイマーTを起動させ、タイマーがタイムアップした時点を論理G3で検出し、電源装置からバッテリを切り離し、バッテリを保護する。タイマーTはUPSでシステムが保持したい時間を設定する。
したがって、本実施形態では、従来のバッテリ温度監視による保護方式と異なる部分は、バッテリ温度異常(60℃以上)の監視を放電中、放電中でない場合で、フェイル信号の出力条件を変える。これにより、高温条件で使用しているバッテリの急速放電時、少しの放電でバッテリ温度が上昇してしまい、本来出力してはいけない不用意なフェイルが発生し、バックアップ動作を中断してしまうことを防止できる。
また、バッテリの高温はバッテリ寿命の観点から問題があるので、瞬間的にも90℃を越える状態が発生する場合は、即座に電源装置からバッテリを切り離し、放電を停止させ、温度上昇を抑え、バッテリ寿命を延ばすことができる。
また、常温環境で使用していても、大電流の放電が長時間継続すれば、バッテリ温度は60℃を越え、90℃を越えない状態が長時間継続する。この場合もバッテリ寿命は低下する。この場合は、タイマーで一定時間以上バッテリ温度が60℃〜90℃継続した場合は、フェイルを発生し、バッテリを確実に保護することができる。
(実施形態2)
図2は、本実施形態になる、バッテリ充電時での周囲温度を考慮したdT/dt制御のフローチャートであり、以下では、本実施形態が図5の(a),(b)と異なる部分を中心にして説明する。
図2は、本実施形態になる、バッテリ充電時での周囲温度を考慮したdT/dt制御のフローチャートであり、以下では、本実施形態が図5の(a),(b)と異なる部分を中心にして説明する。
前記の図3では、マイコン4は、一定時間毎にバッテリパック内のサーミスタ3Aの検出信号によりバッテリ温度をサンプリングし、バッテリの温度変化率dT/dtを計算している。
図2の(a)に示す充電制御では、充電タイマ起動(S1)で、現在のdT/dt継続時間しきい値を読み込み、このしきい値による計時を開始する(S5)。このしきい値は、バッテリの周囲温度が常温(25℃)では例えば20分とし、後述のように、周囲温度によって±10分に切り替えられる。
このしきい値による計時開始の後、バッテリ温度上昇率dT/dtが1℃/分になったことで充電末期を検出し、このdT/dt検出がしきい値(20分±10分)継続したか否かをチェックし、継続したときに満充電と判定して充電を終える(S3)。また、dT/dt検出がしきい値に達するまでは充電タイマの時間だけ充電を続け、タイマの終了で充電を終える(S4)。
したがって、従来の充電制御ではdT/dt検出での継続時間が20分に固定されていたのに対して、本実施形態ではdT/dt検出での継続時間を20分±10分に切り替えた充電を行う。
この継続時間の切り替えは、図2の(b)に示すように、バッテリに温度異常(バッテリ温度55℃以上)が発生した場合の保護制御で実行される。温度異常の発生で現在の状態が充電中であることを確認し(S16)、この条件下で温度異常が発生したときに充電動作を一時中断する(S11)と共に、dT/dt継続時間のしきい値を周囲温度に応じて±10分のデクリメント/インクリメントを行う(S17)。これによ、周囲温度にあわせた最適な充電を可能とする。
この後は、図5の(b)と同様に、バッテリ温度を検出し(S12)、このバッテリ温度が50℃以下になったか否かをチェックし(S13)、バッテリ温度が50℃以下になったことで充電を再開する(S14)。充電を停止したにも関わらず、バッテリ温度が60℃を越えた場合、Failとし、システムを停止する(S15)。
上記のしきい値の切り替えについて説明する。まず、バッテリ周囲温度が高温(例えば35℃以上)の場合、バッテリの温度上昇が緩やかであるため、dT/dt検出での温度上昇の継続時間を短縮する。この理由は、マイコンの温度監視でバッテリ温度異常により充電を一時停止し(S11)、バッテリの温度が一定温度まで下がり(S13)、充電を再開(S14)する際に、dT/dt検出まで温度上昇の継売時間を常温時の20分間から10分間に短縮する。
逆に、周囲温度が低温(例えば10℃)の場合、バッテリの温度上昇が急であるため、dT/dt検出での温度上昇の継売時間を延長する。充電開始から一定時間バッテリ温度の低温状態が続いた場合、dT/dt検出まで温度上昇の継売時間を常温時の20分間から30分間に延長する。
このように、本実施形態では、dT/dt判定条件を切り替えることで、バッテリ周囲温度の変化によって生じるバッテリの特性変化に応じた最適な充電制御が可能となる。
また、周囲温度が高温時のdT/dt未検出による過充電を防ぎ、また、バッテリ温度高温による寿命短縮も防ぐことができる。
また、周囲温度が低温の場合、早期のdT/dt判定による充電容量不足が解消され、安定した放電時間の確保が可能となる。
なお、充電開始時のバッテリ温度によりdT/dt継続時間をフレキシブルに変化させる手法も考えられるが、周囲温度が常温(25℃)であったとしても、放電直後のバッテリ温度は高温状態であり、放電直後に充電を開始し、そのときのバッテリ温度でdT/dt継続時間のしきい値を小さく変更すると、軽い充電で満充電と検出してしまう。よって、本実施形態では、温度異常が発生した際にしきい値を切り替えるものである。
1…電源装置
2…バッテリ装置
3…バッテリ
4…マイコン
2…バッテリ装置
3…バッテリ
4…マイコン
Claims (2)
- 電源装置の二次電池にしたニッケル水素電池を、温度による保護機構を有して充放電制御する充放電制御装置であって、
前記保護機構は、電池温度がアラーム温度を越えたときは前記電源装置の保全措置をとり、アラーム温度を越えた60℃以上で90℃以下では電池が放電中で一定時間継続したときに前記電源装置との切り離しを行うフェイル制御し、電池が放電中で90℃以上になったときは直ちにフェイル制御する放電制御手段を備えたことを特徴とするニッケル水素電池の充放電制御装置。 - 電源装置の二次電池にしたニッケル水素電池を、温度による保護機構を有して充放電制御する充放電制御装置であって、
前記保護機構は、
充電タイマによる電池の充電中に、一定の温度上昇率dT/dtの検出が設定時間だけ継続したときに充電制御を終了する手段と、
電池の充電中に電池温度がアラーム温度を越えたときは充電を中断し、電池温度が低下したときに充電を再開し、アラーム温度を越えた60℃以上で前記電源装置との切り離しを行うフェイル制御をする手段と、
前記充電を中断したとき、電池の周囲温度が常温に比べて高温状態にある場合は前記設定時間を一定時間だけ短縮させ、周囲温度が低温状態にある場合は前記設定時間を一定時間だけ延長させる手段とを備えたことを特徴とするニッケル水素電池の充放電制御装置。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012139089A (ja) * | 2010-12-10 | 2012-07-19 | Nichicon Corp | 充電制御装置 |
JP2015008080A (ja) * | 2013-06-25 | 2015-01-15 | 株式会社マキタ | バッテリパック |
JP2021528938A (ja) * | 2019-05-31 | 2021-10-21 | 北京小米移動軟件有限公司Beijing Xiaomi Mobile Software Co.,Ltd. | 無線充電通信方法、装置、デバイス、プログラムおよび記憶媒体 |
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2004
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