JP2005269766A - 直流電動機 - Google Patents

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Abstract

【課題】 電機子に加わる力のバランスの崩れを抑制して、振動および異音の発生を低減する直流電動機を提供する。
【解決手段】 突起状のティースが放射状に形成された電機子鉄心と、ティースに巻線される電機子巻線と、電機子巻線と電気的に接続され、セグメントで構成される整流子と、この整流子に摺接するブラシとを有する直流電動機であって、ティースの巻線が巻線された部分は少なくとも一つの段付き形状を有し、ティースの段付き形状を有する部分の幅は電機子コアの半径方向内側から外側へ向かうに従って徐々に細くなるように形成されることを特徴とする直流電動機として提供可能である。
【選択図】 図2

Description

本発明は、複数のブラシを有する直流電動機に関するものである。
従来、電動パワーステアリング装置などに使用される直流モータでは、高出力化に伴い、ブラシ1本当たりの負荷電流を軽減する等の目的で、例えば4本以上の多本ブラシを使用することがある。この場合、同極のブラシは、整流子を形成するセグメントに対して同じタイミングで接触するのが理想とされている。
ところが、同極のブラシがそれぞれ対応するセグメントに対し同時に接触するためには、極めて高い精度(各部品の製作誤差が小さく、かつ組付け精度が高いこと)が要求されるため、現実的には、同極のブラシがそれぞれ対応するセグメントに対し同時に接触することは困難である。これにより、セグメントを介して通電される個々の電機子コイルの励磁タイミングのバランスが崩れるため、結果として、モータの電機子に加わる力のバランスが崩れ、振動および異音が発生する原因となる。電動パワーステアリング装置においては、この振動および異音の発生がドライバーに不快感を与える等、性能および製品上の大きな問題となる。
図8は、従来からモータに用いられている電機子の構成を示す部分説明図である(特許文献1参照)。図8に示すように、従来の電機子510は、環状体からなる鉄心本体512に突起状のティース513が放射状に複数形成されてなる電機子鉄心511を有して構成されている。ティース513には、断面略四角形状からなる巻線巻回部513aが形成されており、この巻線巻回部513aには、巻線514が例えば3重に巻回されている。これにより、ティース513に、第1重目の巻線部514−1,第2重目の巻線部514−2,第3重目の巻線部514−3が形成されている。そして、上記構成からなる従来の電機子510では、巻線514を互いに密着させるために、巻線514にテンションを掛けた状態で、図示しない巻線巻回装置を第1重目の巻線部514−1および第3重目の巻線部514−3を電機子510の外周方向であるY方向、第2重目の巻線部514−2を電機子510の中心方向であるX方向に向かって順に移動させるようにして、巻線514を巻線巻回部513aに巻くようにしている。しかしながら、第3重目の巻線部514−3を形成するとき、テンションをかけながら巻線514を巻線部514−2の外側に巻くと、巻線部514−2はX方向へ押し退けられて整列状態が崩されてしまうという不具合があった。この結果、モータの電機子に加わる力のバランスが崩れ、振動および異音が発生する。
そこで電機子鉄心の180°相対する位置に巻線される2個の電機子コイルを一対のセグメントに対し直列に接続する構成が考案されている(特許文献2参照)。この構成によれば、一対のセグメントに接続される2個の電機子コイルには、必ず同時かつ同一量の電流が流れるので、2個の電機子コイルに発生する励磁力は、点対称位置で常に等しくなる。これにより、一対のセグメントに繋がる1つの巻線で励磁バランスが取れているため、同極のブラシが2本以上ある場合に、各ブラシのセグメントに対する接触タイミングがずれたり、各ブラシの抵抗差による電流差があっても、振動を抑えることができる。
特開2004−64982号公報 特開2002−58227号公報
特許文献2の例では、電機子巻線を電機子鉄心の180°相対する位置にコイル抵抗が略等しくなるように巻く構成となっているが、従来のコアティース部は窪みの付いていない形状になっており、コイルを巻いた状態では、電機子コア内のコイルは特許文献1の例と同様に整列状態が崩され不規則に並び易い。このため、電機子に加わる力のバランスが崩れ振動や異音が発生し易く、対応としては不十分である。
上記問題点を背景とし、本発明の課題は、複数のブラシを有する直流電動機において、電機子に加わる力のバランスの崩れを抑制して、振動および異音の発生を低減することにある。
課題を解決するための手段および発明の効果
本発明は、上記課題を解決するための直流電動機を提供するものである。即ち、請求項1によれば、突起状のティースが放射状に形成された電機子鉄心と、ティースに巻線される電機子巻線と、電機子巻線と電気的に接続され、セグメントで構成される整流子と、この整流子に摺接するブラシとを有する直流電動機であって、電機子巻線は、電機子鉄心の180°相対する位置に巻線される2個の電機子コイルが一対のセグメントに対し直列に接続されていることを特徴とする直流電動機として構成される。
本発明の直流電動機における電機子巻線は、電機子鉄心の180°相対する位置に巻線される2個の電機子コイルが一対のセグメントに対し直列に接続されている。この構成によれば、一対のセグメントに接続される2個の電機子コイルには、必ず同時かつ同一量の電流が流れるので、2個の電機子コイルに発生する励磁力は、点対称位置で常に等しくなる。これにより、一対のセグメントに繋がる1つの巻線で励磁バランスが取れているため、同極のブラシが2本以上ある場合に、各ブラシのセグメントに対する接触タイミングがずれることもなく、各ブラシの抵抗差による電流差があっても振動を抑えることができる。
また、請求項2によれば、本発明の直流電動機は、突起状のティースが放射状に形成された電機子鉄心と、ティースに巻線される電機子巻線と、電機子巻線と電気的に接続され、セグメントで構成される整流子と、この整流子に摺接するブラシとを有する直流電動機であって、電機子巻線は、電機子鉄心の180°相対する位置に巻線される2個の電機子コイルが一対のセグメントに対し並列に接続され、かつ両電機子コイルの抵抗が略等しくなるように巻線されていることを特徴とする直流電動機として構成される。
本発明の直流電動機における電機子巻線は、電機子鉄心の180°相対する位置に巻線される2個の電機子コイルが一対のセグメントに対し並列に接続され、かつ両電機子コイルの抵抗が略等しくなるように巻線されている。この構成によれば、一対のセグメントに接続される2個の電機子コイルには、同時かつ略同一量の電流が流れるので、2個の電機子コイルに発生する励磁力は、点対称位置で略等しくなる。これにより、一対のセグメントに繋がる1つの巻線で励磁バランスが取れているため、同極のブラシが2本以上ある場合に、各ブラシのセグメントに対する接触タイミングがずれることもなく、各ブラシの抵抗差による電流差があっても振動を抑えることができる。
請求項3によれば、本発明の直流電動機は、ティースの巻線が巻線された部分は少なくとも一つの段付き形状を有し、ティースの段付き形状を有する部分の幅は電機子鉄心の半径方向内側から外側へ向かうに従って徐々に細くなるように形成される構成をとる。本構成によって、電機子巻線の整列状態が崩されたとしても、ティースの段付き形状を有する部分で整列状態の崩れを食い止めて、電機子巻線に加わる力のバランスの崩れを局所的なものとすることができる。その結果、電機子巻線の抵抗が同じになるだけでなく、電機子全体の重心位置も理想位置により近くできることで、振動および異音の発生を低減することができる。
請求項4によれば、本発明の直流電動機は、段付き形状を形成する全ての辺の長さおよび隣接するティースの距離が巻線の線径の倍数となる構成をとる。ティースの各巻線が入る部分の寸法を巻き線径の倍数と同じになるよう設定すれば、巻線はその数しか入らない。よって、巻線は規則的に整列状態で並び、電機子に加わるバランスが保たれ振動や異音が発生しなくなる。仮に、電機子巻線の整列状態が崩されたとしても、ティースの段付き形状を有する部分で整列状態の崩れを食い止めて、電機子巻線に加わる力のバランスの崩れを局所的なものとすることができる。
請求項5によれば、本発明の直流電動機は、運転者のステアリング動作に基づいて、モータを駆動して、ステアリング機構に操舵補助トルクを与える車両における電動パワーステアリング制御装置におけるモータに適用されることを特徴とする。本構成によって、セグメントを介して通電される個々の電機子巻線の励磁タイミングのバランスが崩れないため、電機子に加わる力のバランスも崩れず、振動および異音は発生しない。よって、ドライバーに不快感を与えることもなく、性能および製品の品質も向上する。
複数のブラシを有する直流電動機において、電機子に加わる力のバランスの崩れを抑制して、振動および異音の発生を低減するという目的を、電機子鉄心において電機子巻線が巻かれた部分は少なくとも一つの段付き形状を有するティースを用いることで実現した。
以下、本発明の直流電動機を車両の電動パワーステアリング装置(以下、EPS:Electronic Power Steeringと称することもある)に応用した一実施例について、図面を用いて説明する。なお、本発明の直流電動機の適用範囲を車両の電動パワーステアリング装置に限定するものではない。
図1は電動パワーステアリング装置101の概略構成図である。操舵ハンドル110が操舵軸112aに接続されて、この操舵軸112aの下端は運転者の操舵ハンドル110の動きを検出するトルクセンサ111に接続されており、ピニオンシャフト112bの上端がトルクセンサ111に接続されている。また、ピニオンシャフト112bの下端には、ピニオン(図示せず)が設けられ、このピニオンがステアリングギヤボックス116内においてラックバー118に噛合されている。更に、ラックバー118の両端には、それぞれタイロッド120の一端が接続されると共に各タイロッド120の他端にはナックルアーム122を介して操舵輪124が接続されている。また、ピニオンシャフト112bには複数のブラシを有する直流電動機であるモータ115が歯車(図示せず)を介して取り付けられている。なお、モータ115はラックバー118に同軸的に取り付ける方法を採ってもよい。
操舵軸112aとピニオンシャフト112bとの間にはトルクセンサ111が設けられ、トルクセンサ111は図示しない周知のトーションバーおよびその軸線方向に離間して設置された一対のレゾルバを備えている。トーションバーにトルクが印加され、その両端の角度差をレゾルバが検知すると、レゾルバで計測された角度差とトーションバーのばね定数とからトーションバーに印加されたトルクが検出される。検出されたトルクの情報は操舵制御部130に送られる。
操舵制御部130は周知のCPU131,RAM132,ROM133,入出力インターフェースであるI/O134およびこれらの構成を接続するバスライン135が備えられている。CPU131は、ROM133およびRAM132に記憶されたプログラムおよびデータにより制御を行なう。ROM133は、プログラム格納領域133aとデータ記憶領域133bとを有している。プログラム格納領域133aにはEPS制御プログラム133pが格納される。データ記憶領域133bにはEPS制御プログラム133pの動作に必要なデータが格納されている。
操舵制御部130においてCPU131がROM133に格納されたEPS制御プログラムを実行することにより、トルクセンサ111で検出されたトルクに対応してモータ115で発生させるべき駆動トルクを算出し、モータドライバ114を介してモータ115に、算出した駆動トルクを発生させるための電圧を印加する。このとき、電流センサ108によりモータ115に流れる電流を検出することにより、駆動トルクに対応した回転を行なっているかを調べ、その結果に応じてモータ115に印加する電圧を求める。
図3はモータ115の断面図である。本実施例のモータ115は、内周面に4個の磁極2(永久磁石)を具備するヨーク3、整流子を有する電機子(後述する)、整流子に摺接する4個のブラシ4等から構成されている。電機子は、シャフト5、電機子鉄心6、電機子巻線7等より構成され、シャフト5に固定された電機子鉄心6に22個のスロット8が設けられ、このスロット8を介して電機子鉄心6に電機子巻線7が巻かれている。整流子は、互いに絶縁された22個のセグメント9(9a、9b)をシャフト5の周囲に円筒状に配置して設けられている。
図2は電機子鉄心6の断面の一部を示したものである。11はティースで、本実施例ではスロット8に面する部分に7個の段付部(8a,8b,8c,8d,8e,8f,8g)を有する。また、ティース11の段付き形状を有する部分の幅は電機子鉄心6の半径方向内側から外側へ向かうに従って徐々に細くなるように即ち、スロット8の形状が電機子鉄心6の半径方向外側から内側へ向かうに従って徐々に細くなるように形成される。
そして、段付部8cと段付部8dとの間ではスロット8の幅はDで、電機子巻線7の外径の5倍となっていて、電機子巻線7が図面の左右方向に5列巻かれている。つまり、スロット8の中心線C−C’上に電機子巻線7の中心が位置している。また、半径方向の高さはEで、電機子巻線7の外径の4倍となっていて、電機子巻線7が図面の上下方向に4段巻かれている。よって、電機子巻線7を規則的に整列状態で並ぶように巻くことができる。本実施例では、段付部の間の部分(例えば、段付部8cと段付部8d)の形状は、長さDの長辺と長さEの短辺による略長方形となっているが、電機子巻線7を規則的に整列状態で並ぶように巻くことが可能であれば、略長方形である必要はない。
また、段付部8bと段付部8cとの間では電機子巻線7が図面の左右方向に6列巻かれ、段付部8dと段付部8eとの間では電機子巻線7が図面の左右方向に4列巻かれていて、スロット8の中心線C−C’上に電機子巻線7の中心が位置しないようになっている。このように、スロット8の中心線C−C’上に電機子巻線7の中心が位置する巻き方とスロット8の中心線C−C’上に電機子巻線7の中心が位置しない巻き方とを交互に配置することによって、段付部を挟んで隣接する巻線が互いに受ける力を分散させ、整列状態が乱れないようにしている。
なお、ティース11は、本発明の段付き形状を形成可能で電機子巻線7を整列状態で並ぶように巻くことが可能であれば、段付き形状を有する部分の幅は同一に形成してもよいし、電機子コアの半径方向外側から内側へ向かうに従って徐々に細くなるように形成してもよい。また、段付部の数および位置に制約を設けるものではない。
図2の電機子鉄心6を用いた巻線構成について以下に例を挙げて具体的に説明する。なお、本発明における電機子巻線7の巻線構成を以下の構成のみに限定するものではない。
(例1)
図4は、一対のセグメントに接続される2個の電機子コイルの巻線構成を示す斜視図である。電機子巻線7は、22個の電機子コイル10(10a、10b)から成り、電機子鉄心6の径方向に180°相対する位置に巻線される2個の電機子コイル10a、10bが、それぞれ隣接する一対のセグメント9a、9bに対し直列に接続されている。なお、図4では、巻線の詳細を分かり易くするために、一対のセグメント9a、9bに接続された2個の電機子コイル10a、10bのみを示しているが、実際は各セグメント9に対し同様の巻線が施されている。従って、電機子巻線7は、電機子コイル10が電機子鉄心6の各スロット8内に2層状態で重ね巻きされている。
2個の電機子コイル10a、10bを形成する巻線は、一端が一方のセグメント9aに接続され、そのセグメント9aから直ぐ近くにある2個のスロット間Aに巻かれて一方の電機子コイル10aを形成した後、電機子鉄心6の反対側へ移動して、前記2個のスロット8と180°相対する位置にある2個のスロット間Bに巻かれて他方の電機子コイル10bを形成し、再び電機子鉄心6の反対側へ移動して、他方のセグメント9bに他端が接続される。これにより、電機子鉄心6の180°相対する位置に巻線される2個の電機子コイル10a、10bは、1本の巻線で直列に構成される。
上記のモータ115は、電機子の回転中心に対し点対称の構造を有している。このモータ1において、一対のセグメント9に繋がる巻線で、回転中心に対し対称位置、即ち180°相対する2個の電機子コイル10を直列に形成することで、その2個の電機子コイル10には、必ず同時かつ同一量の電流が流れることになる。これにより、それぞれ一対のセグメント9に繋がる2個の電機子コイル10で発生する励磁力が点対称位置で常に等しくなるため、同極のブラシ4が2本以上ある場合(本実施例では正極2本、負極2本)に、各ブラシ4のセグメント9に対する接触タイミングがずれたり、各ブラシ4の抵抗差による電流差があっても、電機子の振動を抑えることができる。特に、電動パワーステアリング装置101では、モータ115の振動や異音の発生がドライバーに不快感および不安感を与えるため、図2における電機子鉄心6の断面形状を用いることと合わせて、電機子に加わる力のバランスの崩れを抑制して振動や異音の発生を低減できることで、ドライバーの不快感および不安感を解消することができ、電動パワーステアリング装置の品質および性能向上に寄与できる。
(例2)
図5は一対のセグメント9に接続される2個の電機子コイル10の巻線構成を示す斜視図である。本実施例の電機子巻線7は、図5に示すように、電機子鉄心6の径方向に180°相対する位置に巻線される2個の電機子コイル10a、10bが、隣接する一対のセグメント9a、9bに対し並列に接続され、かつ両電機子コイル10a、10bの抵抗が略等しくなるように巻線されている。なお、図5では、一対のセグメント9a、9bに接続された2個の電機子コイル10a、10bのみを示しているが、第1実施例の場合と同じく、実際は各セグメント9に対し同様の巻線が施されている。
この巻線構成について具体的に説明する。一対のセグメント9a、9bに接続される巻線は、一方の電機子コイル10aを形成する第1の巻線と他方の電機子コイル10bを形成する第2の巻線からなる。一方の巻線は、一端が一方のセグメント9aに接続され、そのセグメント9aから直ぐ近くにある2個のスロット間Aに巻かれて一方の電機子コイル10aを形成し、他端が他方のセグメント9bに接続される。他方の巻線は、一端が一方のセグメント9aに接続され、そのセグメント9aから電機子鉄心6の反対側へ移動して、一方の電機子コイル10aが巻線される前記2個のスロット間Aと180°相対する位置にある2個のスロット間Bに巻かれて他方の電機子コイル10bを形成し、再び電機子鉄心6の反対側へ移動して、他方のセグメント9bに他端が接続される。
この2個の電機子コイル10a、10bの抵抗が略同一となるように巻線することで、一対のセグメント9a、9bに対し並列に接続された2個の電機子コイル10a、10bには、同時かつ略同一量の電流が流れる。これにより、それぞれ一対のセグメント9に繋がる2個の電機子コイル10で発生する励磁力が点対称位置で略等しくなるため、上記例1の場合と同様に、電機子の振動や異音の発生を低減できる。
ここで、一対のセグメント9a、9bに対し並列に接続された2個の電機子コイル10a、10bの抵抗が略同一となるように巻線する方法について説明する。
a)2個の電機子コイル10a、10bを同時に巻線する。この場合、図6に示すように、同一のスロット8内に挿入される他の電機子コイル10(180°反対側のセグメント9に接続された電機子コイル10)に対し、共に内側(または外側)に巻線される。つまり、一方の電機子コイル10aと他方の電機子コイル10bを常に同時に巻線することにより、巻線の重なりも等しくなり、同一の抵抗を確保できる。
b)一方、2個の電機子コイル10a、10bを別々に巻線すると、図7に示すように、同一のスロット8内に挿入される他の電機子コイル10に対し、一方の電機子コイル10aが内側に巻線され、他方の電機子コイル10bが外側に巻線される。この場合、2個の電機子コイル10a、10b同士で巻線の重なり具合が異なるため、抵抗を調整する必要がある。そこで、図7に示すように、先に巻線する一方の電機子コイル10a(他の電機子コイル10の内側に巻線される)を一対のセグメント9a、9bと反対側に設け、一対のセグメント9a、9bに対しシャフト5に巻き付けるように配線して巻線長さを長くすることにより抵抗を調整する。この時、巻線途中での巻線の弛み、線径の変更、巻線の引っ張り具合等で抵抗調整を行ってもよい。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、これらはあくまで例示にすぎず、本発明はこれらに限定されるものではなく、特許請求の範囲の趣旨を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づく種々の変更が可能である。
車両の電動パワーステアリング装置の全体構成図。 本発明による電機子鉄心の断面図。 モータの断面図。 一対のセグメントに接続される2個の電機子コイルの巻線構成を示す斜視図(例1)。 一対のセグメントに接続される2個の電機子コイルの巻線構成を示す斜視図(例2)。 一対のセグメントに対し並列に接続された2個の電機子コイルを同時に巻線した時の巻線状態を示す平面図(例2)。 一対のセグメントに対し並列に接続された2個の電機子コイルを別々に巻線した時の巻線状態を示す平面図(例2)。 従来技術による電機子鉄心の断面図。
符号の説明
2 磁極
4 ブラシ
6 電機子鉄心
7 電機子巻線
8 スロット
9 セグメント
10 電機子コイル
10a 一方の電機子コイル
10b 他方の電機子コイル
11 ティース
101 車両の電動パワーステアリング装置
115 モータ(直流電動機)

Claims (5)

  1. 突起状のティースが放射状に形成された電機子鉄心と、前記ティースに巻線される電機子巻線と、前記電機子巻線と電気的に接続され、セグメントで構成される整流子と、この整流子に摺接するブラシとを有する直流電動機であって、前記電機子巻線は、前記電機子鉄心の180°相対する位置に巻線される2個の電機子コイルが一対の前記セグメントに対し直列に接続されていることを特徴とする直流電動機。
  2. 突起状のティースが放射状に形成された電機子鉄心と、前記ティースに巻線される電機子巻線と、前記電機子巻線と電気的に接続され、セグメントで構成される整流子と、この整流子に摺接するブラシとを有する直流電動機であって、前記電機子巻線は、前記電機子鉄心の180°相対する位置に巻線される2個の電機子コイルが一対の前記セグメントに対し並列に接続され、かつ両電機子コイルの抵抗が略等しくなるように巻線されていることを特徴とする直流電動機。
  3. 前記ティースの前記巻線が巻線された部分は少なくとも一つの段付き形状を有し、前記ティースの前記段付き形状を有する部分の幅は前記電機子鉄心の半径方向内側から外側へ向かうに従って徐々に細くなるように形成されるものである請求項1または2に記載の直流電動機。
  4. 前記段付き形状を形成する全ての辺の長さおよび隣接する前記ティースの距離が前記巻線の線径の倍数となるものである請求項1ないし3のいずれか1項に記載の直流電動機。
  5. 運転者のステアリング動作に基づいて、モータを駆動して、ステアリング機構に操舵補助トルクを与える車両における電動パワーステアリング制御装置における前記モータに適用されることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の直流電動機。
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