JP2005268588A - 電子機器の防水方法および装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】少ない部品を使用して確実に内部への水の浸入を防止することが可能な屋外使用の通信機器等の電子機器紡錘方法および装置を提供する。
【解決手段】機器筐体11の開口部11aに位置して、この開口部11aを閉塞するカバー13と機器筐体11との間に、両者の接合個所を互いに密封するための防水パッキング13が装着されている。この防水パッキン13は、幅の広い基部13aおよびこの基部13aから突出する幅の狭い突出部13bを有する略凸字状の断面を有する。防水パッキン13の基部13aおよび突出部13bは、それぞれカバー12の溝条12aおよび機器筐体11の溝条11bに嵌め込まれるように構成される。
【選択図】図1

Description

本発明は電子機器に関し、特に携帯電話基地局等の如く屋外に設置される通信機器等に好適な電子機器の防水方法および装置に関する。
電子機器の中には、それらの使用目的から常時屋外に設置されて使用されるものもある。例えば、携帯電話システムでは、ユーザが携帯する携帯電話端末と直接無線により通信可能にする、比較的サービスエリアの狭い多数の無線基地局を、それらのサービスエリアが部分的にオーバーラップするように設けられている。そして、ユーザが携帯する携帯電話端末を少なくとも1つの最寄の基地局が交信し、ユーザの移動を追跡することにより、斯かる基地局を介して他の携帯電話端末又は固定電話端末と常時交信を可能にする。
そこで、携帯電話端末との通信を中継する多数の基地局が、網の目のように配置されることとなる。斯かる基地局の一部は屋内に設置されるが、大部分は電柱等の屋外に設置されることとなる。屋外で使用される斯かる電子機器は、真夏の直射日光に曝されて高温になると共に、寒冷地では零下十数度以下の低温に曝される。また、台風その他の風雨にも曝されるので、優れた耐候性を有する、即ち防水構造とする必要がある。
斯かる屋外使用を可能にする通信機器等の電子機器の従来技術は、種々の文献に開示されている。通信機器を収容する略矩形状のケースの外周に沿ってカバーとの接合面に溝を設け、その溝にリング状のパッキンを配置してケースをカバーで密閉する通信機器筐体の防水構造が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
また、筐体を構成する第1ケースおよび第2ケース間に断面が略L字状のパッキンを介在させて水の侵入を2重に防止する業務用携帯無線機等の筐体の防水構造が開示されている(例えば、特許文献2参照。)。更に、断面が略U又はコ字状のケース本体の上端内側を外側外周より低くして、パッキンを介在させて上蓋を締め付ける防水機能を有する電子機器が開示されている(例えば、特許文献3参照。)。
実開昭58−184880号公報(第3頁、図1、図2) 特開2001−85868号公報(第4−5頁、第1図−第4図) 特開昭58−31598号公報(第2頁、第2図、第3図)
図3および図4を参照して、第1従来例の電子機器用筐体の防水構造を説明する。図3(A)は第1従来例の電子機器の主要部の部分断面図であり、図3(B)は(A)の円Cで示す部分の詳細を示す拡大図である。図4は、図3に示す第1従来例の電子機器の課題を説明する図であり、図4(A)は図3(A)に対応する主要部の部分断面図、図4(B)は(A)の円Dで示す部分の詳細を示す拡大図である。
図3および図4において、電子機器20は、内部に各種電子回路等(図示せず)を収容する機器筐体21、その開口部21aを覆うカバー(又は蓋部材)22およびカバー22を機器筐体21に締め付け固定するシリンダ錠24により構成される。カバー22には、機器筐体21との当接部に溝条22aが形成されている。この溝条22aには、弾性を有する防水パッキン(又はOリング)23が挿入配置されている。この防水パッキン23は、通常(又は正常)状態では、溝条22aから部分的に外部に突出して機器筐体21の当接面に加圧接触する接触部23aを有するので、機器筐体21の開口部21aは、防水パッキン23により閉鎖され内部に雨水等が侵入するのを阻止して、内部の電子回路等を効果的に保護する。
しかし、図4(A)および(B)に示す如く、カバー22に反り等の変形が生じると、機器筐体21とカバー22間に間隙5が生じ、機器筐体21の開口部21aが完全に閉鎖されず、外部から機器筐体21の内部に雨水等が侵入し、内部の電子回路等に動作異常又は特性変化を生じる虞がある。
一方、図5に示す第2従来例の電子機器50の主要部の断面図である。この電子機器50は、略同様構成の筐体51およびカバー52により構成される。これら筐体51およびカバー52の外方へ延出する当接部に形成された2個の溝条53、56にそれぞれ防水パッキン54および吸水体55が配置されている。これら筐体51およびカバー52は、ネジ57により相互に締め付け固定され、電子回路等(図示せず)を収容する内部への雨水等の侵入を阻止している。
しかしながら、上述の如き従来の電子機器では、防水パッキンを十分な圧力で圧縮することが防水性を発揮又は維持するための条件である。このため、例えばシリンダ錠等による締め付け力が弱い場合、機器筐体やカバーの製造段階で発生する寸法のばらつき(製造公差)等が予測(設計値)以上に大きい場合、機器内の温度と外気の温度が短時間で急激に変化する際に発生する圧力変化に伴ってカバーが変形する場合又は電子機器の気密性を確認するために行う加圧(正圧)試験で発生する機器の変形(特に、シリンダ錠の締め付け作用が働きにくいカバーの両端部分の変位が大きい)場合には、防水パッキン自体が、意図した圧縮代を確保できず、所要の接触圧を保持できず、十分な防水性が得られない虞がある。この場合には、図4(B)に示す如く、機器筐体およびカバー間に間隙が生じて筐体内部への浸水を許し、その結果、内部に実装された電子部品および電子回路等を破壊する事故を引き起こす虞があった。
他方、図5に示す第2従来例の場合には、機器筐体の外側に配置した防水パッキンの装着個所より機器筐体の内側に位置させ、防水パッキンより弾性収縮代を大きく設定してある吸水体をカバーおよび機器筐体間に挟装させて、2つの部材で防水するには、構成部品が多くなり且つ全体的な寸法(容積)も大きくなり、小型軽量化が困難であるという課題を有する。また、筐体とカバーの接合面の外周を複数のネジ等で締め付けるので、作業性および保守サービス性に欠けるという課題があった。
本発明は従来技術の上述した事情に鑑みなされたもので、その目的とするところは、不測の事態として、防水パッキン部分を抜けて、浸入する僅かな水も、電子部品や電子回路等に影響を与えない小型且つ軽量の通信機器等の電子機器の防水方法および装置を提供することを主要目的とする。
前述の課題を解決するため本発明による電子機器の防水方法および装置は次のような特徴的な構成を採用している。
(1)内部に電子回路等を収容すると共に開口部を有する機器筐体の前記開口部を、略リング状の防水パッキンを介してカバー部材で閉塞して前記機器筐体の内部への水の侵入を防止する電子機器の防水方法において、
前記機器筐体の前記開口部の外側に溝条を形成することと、該溝条に略対応する前記カバー部材の位置に別の溝条を形成することと、前記機器筐体および前記カバー部材の溝条の両方に嵌め込まれるように前記防水パッキンを配置することとよりなる電子機器の防水方法。
(2)前記防水パッキンは、予め前記カバー部材の溝条に圧入固定される上記(1)の電子機器の防水方法。
(3)前記防水パッキンは、予め前記機器筐体の溝条に圧入固定される上記(1)の電子機器の防水方法。
(4)内部に電子回路等が収容されると共に開口部を有する機器筐体と、該機器筐体の前記開口部に配置されて該開口部を閉塞するカバー部材と、該カバー部材および前記機器筐体間の当接部を互いに密封するための略リング状の防水パッキンとを有する電子機器の防水装置において、
前記防水パッキンは、比較的幅の広い基部および該基部から突出すると共に前記基部より幅の狭い突出部を有し、前記機器筐体および前記カバー部材の対応位置に形成された溝条に圧入固定される電子機器の防水装置。
(5)前記防水パッキンの前記基部は、前記機器筐体の溝条に圧入固定される上記(4)の電子機器の防水装置。
(6)前記防水パッキンは、前記機器筐体の前記溝条に圧入固定される上記(4)の電子機器の防水装置。
(7)前記カバーは、一端に設けられたヒンジにより前記機器筐体と一体に形成され、前記カバー部材を前記機器筐体に対して開閉可能に形成する上記(4)、(5)又は(6)の電子機器の防水装置。
本発明の電子機器の防水方法および装置によると、次の如き実用上の顕著な効果が得られる。即ち、防水パッキンは、機器筐体およびカバー部材の両方の対応位置に形成された溝条に嵌め込まれるので、カバー部材や機器筐体に多少の反り、変形又は寸法誤差があっても、防水性を維持することが可能である。また、防水パッキンは、予めカバー部材又は機器筐体の溝条に圧入固定しているので、取り扱い作業性が優れ、必要に応じて容易に交換が可能である。更に、少ない部品を使用して、小型軽量に構成可能であるので、屋外配置の携帯電話の基地局等の通信機器に好適である。
次に、本発明による電子機器の防水方法および装置の好適実施例の構成および動作を、添付図面を参照して詳細に説明する。
先ず、図1は、本発明による電子機器の防水装置の第1実施例の説明図である。図1(A)は電子機器の防水装置10の主要部の部分断面図、(B)は(A)の円Aで示す部分の詳細を示す拡大図、(C)は防水パッキンおよびそれに関連する部分の説明図である。
図1に示す第1実施例は、機器筐体11、その開口部11aの周縁を包囲するカバー部材(以下、単にカバーという)12およびこのカバー12を機器筐体11に押圧するシリンダ錠14により構成される。カバー12の内面には、その周縁に沿って溝条12aが形成され、この溝条12aには十分な弾性を有する、例えばゴム等で形成された略リング状の防水パッキン13が嵌め込まれている。図1(B)および(C)に最もよく示す如く、防水パッキン13は、略凸字状の断面を有する。
一方、機器筐体11の開口部11aの外側であってカバー12との当接面には、カバー12の溝条12aとの対応位置にカバー12の溝条12aと比較して幅の狭い溝条11bが形成されている。更に、カバー12は、シリンダ錠14を備え、シリンダ錠固定板14aで機器筐体11のシリンダ錠固定受け部11cを挟み込んで接触押圧するように構成されている。
次に、図1(B)を参照して機器筐体11の開口部11aにカバー12を取り付け、機器筐体11の開口部11aをカバー13で閉塞して防水構造とする状態を説明する。防水パッキン13は、上述した如く比較的大きい基部13aおよびこの基部13aから突出する比較的小さい突出部13bが略凸字状にゴム等の弾性部材により一体形成されている。防水パッキン13の基部13aはカバー12の溝条12aに圧入固定されている。従って、カバー12をシリンダ錠14により機器筐体11の開口部11aに配置固定すると、カバー12の内面は機器筐体11の開口部11aの外側を覆う。この状態で、防水パッキン13の突出部13bは、機器筐体11の開口部11aの外周部に形成された溝条11bに嵌め込まれるので、機器筐体11の開口部11aの周縁を2段階で密閉して外部からの浸水を防止する。
図1(C)を参照して、防水パッキン13に関連する部分の詳細構成を説明する。図1(C)は、防水パッキン13、機器筐体11の溝条11bおよびカバー12の溝条12aの詳細関係を示している。防水パッキン13は、その基部13aをカバー12の溝条12aが圧入固定される。防水パッキン13は、必要に応じてカバー12の溝条12a内に適当な接着剤で被着固定してもよい。更に、防水パッキン13の突出部13bは、機器筐体11の溝条11b内に圧縮挿入される。
ここで、カバー12の溝条12aの高さをA、防水パッキン13が無負荷状態の時の基部13aおよび突出部13bの寸法(厚さ)をそれぞれBおよびC、更に、機器筐体11の溝条11bの高さをDと仮定する。この場合に、A=D、A=1.2B、D=1.3Cとなるような寸法関係に設定する。この場合には、防水パッキン13の第1接触部である基部13aが第2接触部である突出部13bよりも防水パッキン13の潰し代を多くとっていることになる。防水パッキン13の潰し量(圧縮代)は製造公差の積み上げにより決められる(設計する)が、ここでは、防水パッキン13の圧縮率(量)を20%確保する場合で説明する。
防水パッキン13の基部13aは、通常の製造状態では十分な圧縮率(量)が確保されるが、製造公差が防水パッキン13の圧縮率(量)と同じ20%を超えた場合や不測の事態では、圧縮量は“0”又は“−”(すき間があく)となってしまい防水ができなくなり、外部からの水の侵入を生じる。しかし、こうした場合でも、突出部13bの防水パッキン13の潰し量(圧縮代)を更に大きく(例えば、30%)とることで、突出部13bが確実に接合するので水の侵入を防止できる。
次に、図2を参照して、機器筐体11とカバー12間に反り又は変形が生じた場合を説明する。図2(A)は斯かる場合の機器筐体11およびカバー12の部分断面図を示し、(B)は図2(A)中の円Bに示す防水パッキン13を含む部分の詳細構成を示す拡大図である。
本発明の電子機器の防水装置10によると、基部13aが接触されなくても突出部13bが接触して防水を確保する状態を示す。即ち、図2(B)に示す如く、機器筐体11とカバー12間に間隙15が生じても、防水パッキン13の基部13aは、通常状態で機器筐体11の当接面から受ける圧縮力がないので、カバー12の内面から一部分が外方へ突出する。更に、防水パッキン13の突出部13bも伸びるので、その先端部分は機器筐体11の溝条11b内に留まる。この防水パッキン13は、略リング状であるので、機器筐体11の開口部11aの全周は、カバー12および防水パッキン13により包囲され、機器筐体11内部の防水性は維持される。
次に、他の実施例又は変形例について説明する。上述した好適実施例にあっては、防水パッキンをカバーの溝条に圧入固定しているが、用途に応じて又は作業性その他の条件を考慮して機器筐体側の溝条に圧入固定してもよい。また、カバーは、機器筐体と別体に構成する必然性はなく、必要に応じてカバーはヒンジ等により機器筐体と開閉可能な一体構成としてもよい。
以上、本発明による電子機器の防水方法および装置の好適実施例の構成および動作を詳述した。しかし、斯かる実施例は、本発明の単なる例示に過ぎず、何ら本発明を限定するものではないことに留意されたい。本発明の要旨を逸脱することなく、特定用途に応じて種々の変形変更が可能であること、当業者には容易に理解できよう。
本発明による電子機器の防水装置の好適実施例を示し、(A)は機器筐体およびカバーの主要部の部分断面図、(B)は(A)中の円Aで示す部分の詳細構成を示す拡大図、(C)は防水パッキン、カバーおよび機器筐体の関係を示す部分説明図である。 図1に示す本発明による電子機器の防水装置の防水パッキンの作用を説明する図であり、(A)はカバーに反り等の変形が生じた場合の機器筐体とカバーの部分断面図、(B)は(A)の円Bで示す部分の拡大図である。 電子機器の防水装置の第1従来例を示し、(A)は正常状態の機器筐体、カバーおよび防水パッキンの関係を示す部分断面図、(B)は(A)の円Cで示す部分の拡大図である。 図3に示す従来の電子機器の防水装置のカバーに反り等が生じた場合の部分断面図、(B)は(A)の円Dで示す部分の拡大図である。 電子機器の防水装置の第2従来例の部分断面図である。
符号の説明
10 電子機器の防水装置
11 機器筐体
11a 開口部
11b 溝条
11c シリンダ錠固定板受け部
12 カバー部材
12a 溝条
13 防水パッキン
13a 基部
13b 突起部
14 シリンダ錠

Claims (7)

  1. 内部に電子回路等を収容すると共に開口部を有する機器筐体の前記開口部を、略リング状の防水パッキンを介してカバー部材で閉塞して前記機器筐体の内部への水の侵入を防止する電子機器の防水方法において、
    前記機器筐体の前記開口部の外側に溝条を形成することと、該溝条に略対応する前記カバー部材の位置に別の溝条を形成することと、前記機器筐体および前記カバー部材の溝条の両方に嵌め込まれるように前記防水パッキンを配置することとよりなることを特徴とする電子機器の防水方法。
  2. 前記防水パッキンは、予め前記カバー部材の溝条に圧入固定されることを特徴とする請求項1に記載の電子機器の防水方法。
  3. 前記防水パッキンは、予め前記機器筐体の溝条に圧入固定されることを特徴とする請求項1に記載の電子機器の防水方法。
  4. 内部に電子回路等が収容されると共に開口部を有する機器筐体と、該機器筐体の前記開口部に配置されて該開口部を閉塞するカバー部材と、該カバー部材および前記機器筐体間の当接部を互いに密封するための略リング状の防水パッキンとを有する電子機器の防水装置において、
    前記防水パッキンは、比較的幅の広い基部および該基部から突出すると共に前記基部より幅の狭い突出部を有し、前記機器筐体および前記カバー部材の対応位置に形成された溝条に圧入固定されることを特徴とする電子機器の防水装置。
  5. 前記防水パッキンの前記基部は、前記機器筐体の溝条に圧入固定されることを特徴とする請求項4に記載の電子機器の防水装置。
  6. 前記防水パッキンは、前記機器筐体の前記溝条に圧入固定されることを特徴とする請求項4に記載の電子機器の防水装置。
  7. 前記カバーは、一端に設けられたヒンジにより前記機器筐体と一体に形成され、前記カバー部材を前記機器筐体に対して開閉可能に形成することを特徴とする請求項4、5又は6に記載の電子機器の防水装置。
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