JP2005268443A - 半導体レーザ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】半導体レーザ装置の小型化を図ると共に、信頼性の高い半導体レーザ装置を提供する。
【解決手段】半導体レーザ装置11は、半導体レーザ素子22、受光素子基板23、受光素子25、回路基板26、及び光学部品30を備える。受光素子基板23は、フリップチップ工法により回路基板26に実装される。回路基板26の内部には多層配線が形成され、回路基板26の下面の端部には外部接続電極27が配置される。受光素子基板23の上面では、回路基板26の開口部24に臨む受光領域に受光素子25が、受光領域の内側に半導体レーザ素子22が配置される。回路基板26を挟んで受光素子基板23の上面と対向する側では、ホログラム領域29を有する光学部品30が接着剤31によって回路基板26上に固定される。このように、半導体レーザ装置11では、受光素子基板23が封止用樹脂32、光学部品30、及び接着剤31によって外部の環境から保護される。
【選択図】図2

Description

本発明は、光情報処理、光計測、及び光通信等に使用される半導体レーザ装置及び光ピックアップ装置に関する。
半導体レーザ装置に関し、近年では、半導体レーザ素子に加え、電流電圧変換回路や演算回路を含む受光素子基板を収納するものが開発されている。この半導体レーザ装置では、より多種の高い誤差の検出に対応するために信号配線が増加しつつある一方、装置の小型化が要望されている。半導体レーザ装置において、半導体レーザ素子はより高速での記録に対応するために高出力化が要望され、受光素子基板は高速応答が要望されている。そして、これらの要望が具現化されるにつれ、半導体レーザ素子や受光素子基板の消費電力は次第に大きくなってきている。
従来の半導体レーザ装置としては、例えば特許文献1に開示されているように、樹脂モールド型の半導体レーザ装置100が知られている。図10に示すように、この半導体レーザ装置100では、樹脂製の枠体101内に受光素子を有する受光素子基板102が設けられている。受光素子基板102の上面には、半導体レーザ素子103が実装されている。受光素子基板102は、水平方向に延びるリード104の基台搭載部105上に搭載されており、ワイヤ106によってリード104と接続されている。枠体101の上面には、受光素子基板102を覆うようにホログラム領域108を有する光学部品107が搭載されている。この光学部品107は、接着剤109によって枠体101の上面に固定されている。
受光素子基板102上の半導体レーザ素子103から光記録媒体に向けて上方へ出射された出射光110は、光学部品107を透過して半導体レーザ装置100の外部へ出射される。光記録媒体上で反射された反射光111は、半導体レーザ装置100へ入射し、光学部品107のホログラム領域108を透過する際に回折される。回折された反射光111は、受光素子基板102の受光素子へ入射して光電変換され、ワイヤ106を介してリード104から信号出力として外部へ取り出される。
また、従来より、発光装置と受光装置とを組み合わせて構成される半導体レーザ装置も知られている。このうち受光装置としては、例えば特許文献2に開示されているものが知られている。図11に示すように、受光装置120において、窓穴を有するテープ121の下面には、窓穴の両側に設けられるリード122を介して窓穴を覆うように受光素子123が接着されている。テープ121の上面には、窓穴の周域に紫外線硬化樹脂接着剤124が塗布され、窓穴を覆うように透光板125が接着されている。受光素子123と透光板125の間の部分には、透明樹脂126が充填されている。受光装置120への入射光は、透光板125を透過して受光素子123へ入射し、光電変換された後にリード122から信号出力として外部へ取り出される。
特開平6−203403号公報 特開平4−139768号公報
しかしながら、上記特許文献1の半導体レーザ装置100では、受光素子基板102とリード104との配線をワイヤボンディングにより行っている。このため、枠体101内においてワイヤ106の占める空間が大きくなり、枠体101が大型化するという問題がある。そして、電極端子の数が増加するにつれ、枠体101が更に大型化するという問題がある。
また、リード104により作製される電極端子の端子ピッチは、リード104の厚みに依存する。小型の半導体レーザ装置100を実現するには、端子ピッチを狭める必要があり、リード104の厚さを薄くしなければならない。ところが、厚さの薄いリード104は強度が弱く樹脂モールド時の樹脂の流れにより変形して互いに接触するおそれがあり、変形を防ぐためにその厚さをある程度以上に確保する必要がある。従って、上記半導体レーザ装置100では、端子ピッチを一定長さ以下に狭めることができず、その小型化に限界がある。また、成型された樹脂パッケージでの狭い端子ピッチは、既存の実装技術では実装困難となるため、実装技術の開発も必要となる。
更に、上記半導体レーザ装置100は、光ピックアップ装置の光学基台等にその基台搭載部105を搭載した状態で使用される。ここで、一般に、受光素子基板102と基台搭載部105との間には銀ペーストが塗布される。半導体レーザ装置100の動作時に半導体レーザ素子103で生じる熱は、半導体レーザ素子103が周りを光学部品107と枠体101とに囲まれているために、受光素子基板102から基板搭載部105を通じて光学基台等へ放熱される。ところが、受光素子基板102と基台搭載部105との間に塗布される銀ペーストは非常に放熱性が悪く、上記半導体レーザ装置100の構成では半導体レーザ素子103で生じる熱を充分に放熱できないという問題がある。
一方、上記特許文献2の受光装置120の構造を半導体レーザ装置に適用した場合には、受光素子123の上面に半導体レーザ素子が実装される。ここで、受光素子123の上面は、透明樹脂126で覆われている。つまり、受光素子123の上面に半導体レーザ素子を実装した場合には、半導体レーザ素子の上面が透明樹脂126で覆われることとなる。この透明樹脂126は溶融した状態で充填されるため、溶融した高温の透明樹脂126が有する残存応力によって半導体レーザ素子が劣化するおそれがある。
また、半導体レーザ素子の上面が透明樹脂126で覆われるために、直径約10μm以内の範囲に数mW以上の光出力が閉じ込められることとなり、高い熱や高い光密度により半導体レーザ素子が劣化して黄変や熱変形を起こし、光学特性が著しく損なわれるという問題がある。更には、半導体レーザ素子の上面が透明樹脂126で覆われるために、半導体レーザ素子で生じる熱の放熱性が悪いという問題もある。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、半導体レーザ装置の小型化を図ると共に、信頼性の高い半導体レーザ装置を提供することにある。
第1の発明は、開口部を有する回路基板と、上記開口部に受光領域が臨むようにフリップチップ工法により上記回路基板に実装され、封止用樹脂によって回路基板に封止された受光素子基板と、上記開口部に臨むように上記受光素子基板上に実装された半導体レーザ素子と、上記回路基板を挟んで上記受光素子基板と対向する側の回路基板上に上記開口部を覆うように固定された透光性部材とを備え、上記回路基板には多層配線が形成され、且つその端部に上記受光素子基板からの信号の入出力を行う電極端子が配置されており、上記開口部は、上記封止用樹脂と上記透光性部材とによって外部から仕切られた空間となっているものである。
これにより、従来のワイヤボンディングによる配線を用い、受光素子基板を枠体及び光学部品により外部の環境から保護していた構造に対し、無駄な空間を削減することができる。また、枠体内に受光素子基板を収納する形態を取らないために、回路基板及び光学部品を受光素子基板の大きさと概ね等しい大きさに形成することが可能となる。また、リードを等間隔ごとに配置する必要がなく、電極端子を受光素子基板の端部に千鳥状に配置することが可能となる。従って、半導体レーザ装置を小型化することができ、量産性に優れた半導体レーザ装置を提供することができる。
また、回路基板の開口部を外部から仕切られた空間とすることで、半導体レーザ素子で生じる熱や高い光密度による光学特性の劣化を防ぐことができ、信頼性の高い半導体レーザ装置を提供することができる。更には、半導体レーザ装置を光ピックアップ装置の光学基台等に搭載する場合に、半導体レーザ素子で生じる熱を受光素子基板を通じて光学基台等へ確実に放熱することができる。従って、半導体レーザ素子で生じる熱を効率良く放熱し得る半導体レーザ装置を提供することができる。
第2の発明は、第1の発明において、上記透光性部材には、透過光を回折させるホログラム領域が設けられ、上記ホログラム領域で回折した透過光が上記回路基板の開口部を通って上記受光素子基板の受光領域へ入射するように構成されるものである。これにより、受光素子基板への入射光をホログラム領域にて回折させて受光領域で検出し、信号出力として回路基板の電極端子から取り出すこと等が可能となる。従って、光ピックアップ装置等に用いられて優れた性能を発揮する半導体レーザ装置を提供することができる。
第3の発明は、第1又は第2の発明において、上記回路基板には、上記透光性部材を囲む凸部が透光性部材と間隙を持って形成され、上記凸部と上記透光性部材との間隙に透光性部材を上記回路基板上に固定する接着剤が充填されるものである。これにより、接着剤が接着する部分が複雑で入り組んだ形状となり、受光素子基板を外部の環境から確実に保護することができる。従って、より信頼性の高い半導体レーザ装置を提供することができる。
第4の発明は、第1、第2、又は第3の発明において、上記回路基板には、上記受光素子基板を囲む凸部が受光素子基板と間隙を持って形成され、上記凸部の内側に上記封止用樹脂が充填されるものである。これにより、封止用樹脂が接する部分が複雑で入り組んだ形状となり、受光素子基板を外部の環境からより一層確実に保護することができる。従って、より一層信頼性の高い半導体レーザ装置を提供することができる。
第5の発明は、第4の発明において、上記封止用樹脂は、シリコン熱伝導性ゲルであるものである。ここで、従来には、受光素子基板と基台搭載部との間に銀ペーストが塗布されていたため、半導体レーザ素子で生じる熱を充分に放熱できないという問題があった。それに対し、この発明では、半導体レーザ素子で生じた熱をシリコン熱伝導性ゲルを通じて確実に放熱することができ、光学特性の劣化を確実に防いでより一層信頼性の高い半導体レーザ装置を提供することができる。
第6の発明は、第4又は第5の発明において、上記凸部の先端面に上記電極端子が配置されるものである。これにより、回路基板を実装する基板上に回路基板を容易に実装することができ、半導体レーザ装置を容易に組み立てることができる。
第7の発明は、第1乃至第6の何れか1つの発明において、上記回路基板上にチップ部品が搭載されるものである。これにより、回路基板の周辺にチップ部品が配置され、このために実装面積が拡大して受光素子とチップ部品とを結ぶ配線の長さが長くなっていた従来の半導体レーザ装置に対し、受光素子基板とチップ部品とを結ぶ配線の長さを短くする事ができ、小型で且つ電気的特性に優れた半導体レーザ装置を提供することができる。
本発明の半導体レーザ装置によれば、受光素子基板をフリップチップ工法により上記回路基板に実装し、電極端子を回路基板の端部に配置することで、半導体レーザ装置を小型化することができ、量産性に優れた半導体レーザ装置を提供することができる。また、回路基板の開口部を外部から仕切られた空間とすることで、光学特性の劣化を防いで信頼性の高い半導体レーザ装置を提供することができる。更には、半導体レーザ装置を光ピックアップ装置の光学基台等に搭載する場合に、半導体レーザ素子で生じる熱を受光素子基板を通じて光学基台等へ確実に放熱することができる。従って、半導体レーザ素子で生じる熱を効率良く放熱し得る半導体レーザ装置を提供することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
(第1の実施形態)
第1の実施形態は、本発明に係る半導体レーザ装置である半導体レーザ装置11を光ピックアップ装置10に適用したものである。図1に示すように、本実施形態の光ピックアップ装置10は、半導体レーザ装置11と、コリメータレンズ14と、レーザミラー15と、対物レンズ16とを備えている。
−半導体レーザ装置の構成−
上記半導体レーザ装置11の構成について、図2及び図3を参照しながら説明する。
図2に示すように、本実施形態の半導体レーザ装置11は、面発光型の半導体レーザ素子22と、受光素子基板23と、受光素子25と、回路基板26と、透光性部材である光学部品30とを備えている。
上記回路基板26は、多層プリント配線基板からなり、中央部に開口部24を有している。上記受光素子基板23は、フリップチップ工法により開口部24を覆うように回路基板26に実装されている。
具体的に、図3に示すように、上記回路基板26の下面には、その受光素子基板23の上面と対向する部分に内部接続電極51が配置されている。一方、受光素子基板23の上面には、その回路基板26の下面と対向する部分にパッド電極50が配置されている。そして、回路基板26の内部接続電極51は、金バンプ52を介して受光素子基板23のパッド電極50と電気的に接続されている。また、図2に示すように、回路基板26の下面と受光素子基板23の上面との間にはアンダーフィル用樹脂41が設けられており、このアンダーフィル用樹脂41によって回路基板26と受光素子基板23とが機械的に接続されている。更に、受光素子基板23は、その下面及び側面が半導体用液状封止樹脂(住友ベークライト社製、スミレジンエクセルCRPシリーズ(CRP−3150,CRP−3900,CRP−3300NH等))等からなる封止用樹脂32に覆われており、この封止用樹脂32によって回路基板26の下面側に封止されている。
上記回路基板26の内部には多層配線が形成されており、上記回路基板26の下面の端部にはフレキシブルプリント基板28に接続される電極端子としての外部接続電極27が配置されている。この多層配線は、回路基板26の内部接続電極51と外部接続電極27とに接続している。そして、受光素子基板23からの信号の入出力は、回路基板26の多層配線を通じて外部接続電極27からフレキシブルプリント基板28を介して行われる。
上記受光素子基板23では、その上面中央部に半導体レーザ素子22が実装されている。上記受光素子基板23の上面には受光素子25が配置されており、受光素子25が配置される領域が受光領域を構成している。この受光領域は、回路基板26の開口部24に臨む姿勢となっている。また、半導体レーザ素子22は、受光領域の内側に設けられている。すなわち、この半導体レーザ素子22及び受光素子23は、回路基板26の開口部24の外周よりも内側に位置している。
上記回路基板26を挟んで受光素子基板23の上面と対向する側には、ホログラム領域29を有する光学部品30が設けられている。この光学部品30は、回路基板26の開口部24を覆うように回路基板26上に搭載されており、エポキシ樹脂等の紫外線硬化型の接着剤31によって回路基板26上に固定されている。尚、光学部品30を回路基板26上に固定するための接着剤31は、エポキシ樹脂等の紫外線硬化型の接着剤に限らず、エポキシ樹脂及びオキセタン樹脂等のカチオン型の接着剤や、アクリル樹脂及びエンチオール樹脂等のラジカル硬化型の接着剤であってもよい。
このように、上記半導体レーザ装置11では、受光素子基板23が封止用樹脂32、光学部品30、及び紫外線硬化型の接着剤31によって外部の環境から保護されている。
−半導体レーザ装置の製造方法−
上記半導体レーザ装置11の製造方法について、図3、図4、及び図5を参照しながら説明する。
図4に示すように、上記半導体レーザ装置11を製造するために、フレキシブルプリント基板28と、半導体レーザ素子22と、受光素子基板23と、回路基板26と、光学部品30とを用意する。
上記フレキシブルプリント基板28は薄板状であり、その一部が切り欠かれている。上記受光素子基板23は矩形板状であり、フレキシブルプリント基板28の切り欠かれた部分に挿通可能となっている。上記回路基板26は矩形板状であり、受光素子基板23が搭載可能な大きさである。また、上記回路基板26は、中央部に光を通過させるための矩形状の開口部24を有している。上記光学部品30は、透明な材質によって構成されており、円柱状に窪んだ上面中央の部分がホログラム領域29となっている。
図5に示すように、複数の半導体レーザ素子22と複数の受光素子基板23とを用意し、半導体レーザ素子22を各受光素子基板23の上面に1つずつ実装してから各受光素子基板23をフリップチップ工法により多層配線基板40に実装する。すなわち、図3に示すように、回路基板26に分離される領域を多数有する多層配線基板40の下面に配置された内部接続電極51と、各受光素子基板23の上面に配置されたパッド電極50とを金バンプ52を介して電気的に接続する。
多層配線基板40の各回路基板26に分離される領域の下面と各受光素子基板23の上面との間には、アンダーフィル用樹脂41が充填されている。各受光素子基板23を多層配線基板40に実装した後、封止用樹脂32を用いて各受光素子基板23を封止する。
続いて、多層配線基板40をダイシング等により個々の回路基板26に分離し、図4に示すように、回路基板26上に回路基板26の開口部24を覆うように光学部品30を搭載する。そして、光学部品30のホログラム領域29からの回折光を受光素子25に受光させてこの受光素子25の信号出力を監視し、光学部品30の位置を回路基板26上で2次元調整して最適となる光学部品30の位置決めを行う。光学部品30の位置が決まると、光学部品30の側面と回路基板26の上面とに紫外線硬化型の接着剤31を塗布し、光学部品30を回路基板26上に固定する。そして、フレキシブルプリント基板28の切り欠かれた部分を覆うように、回路基板26をフレキシブルプリント基板28上に実装する。
−半導体レーザ装置の動作−
上記半導体レーザ装置11の動作について、図1及び図2を参照しながら説明する。
図2に示すように、受光素子基板23上の半導体レーザ素子22から上方へ出射された出射光13は、回路基板26の開口部24を通り抜け、光学部品30のホログラム領域29を透過して半導体レーザ装置11の外部へ出射される。図1に示すように、半導体レーザ装置11からの出射光13は、コリメータレンズ14へ入射し、平行光となる。コリメータレンズ14からの出射光13は、レーザミラー15上で反射して略45°に方向を変換された後、対物レンズ16へ入射する。対物レンズ16からの出射光13は、光記録媒体17の記録面上へ集光される。
光記録媒体17上で反射された反射光18は、対物レンズ16、レーザミラー15、及びコリメータレンズ14をこの順に通過して半導体レーザ装置11へ入射する。図2に示すように、半導体レーザ装置11へ入射した反射光18は、光学部品30のホログラム領域29を透過する際に回折される。回折された反射光18は、回路基板26の開口部24を通り抜け、受光素子基板23の受光素子25へ入射する。受光素子25において、反射光18は光電変換され、電流電圧変換や演算が行われた後に受光素子基板23の上面に配置されたパッド電極50へと出力される。
上述のように、受光素子基板23上のパッド電極50は、金バンプ52を介して回路基板26上の内部接続電極51と接続されている。受光素子基板23上のパッド電極50へ出力された電気信号は、回路基板26上の内部接続電極51から回路基板26内の多層配線へと流れ、回路基板26上の外部接続電極27から信号出力として外部へ取り出されて誤差信号や情報記録信号として利用される。
−第1の実施形態の効果−
本実施形態によれば、従来のワイヤボンディングによる配線を用い、受光素子基板を枠体及び光学部品により外部の環境から保護していた構造に対し、無駄な空間を削減することができる。また、枠体内に受光素子基板を収納する形態を取らないために、回路基板26及び光学部品30を受光素子基板23の大きさと概ね等しい大きさに形成することが可能となる。また、リードを等間隔ごとに配置する必要がなく、外部接続電極27を受光素子基板23の端部に千鳥状に配置することが可能となる。従って、半導体レーザ装置11を小型化することができ、量産性に優れた半導体レーザ装置11を提供することができる。また、回路基板26の開口部24を外部から仕切られた空間とすることで、半導体レーザ素子22で生じる熱や高い光密度による光学特性の劣化を防ぐことができ、信頼性の高い半導体レーザ装置11を提供することができる。
(第2の実施形態)
第2の実施形態は、上記第1の実施形態の半導体レーザ装置11の構成を一部変更したものである。ここでは、本実施形態について、上記第1の実施形態と異なる点を説明する。
図6に示すように、本実施形態の半導体レーザ装置11では、回路基板26の端部の上面側に、間隙を持って光学部品30の下部を囲む凸部42が形成されている。尚、この凸部42は、回路基板26の一部を構成している。光学部品30の外側と凸部42の内側との間隙には、紫外線硬化型の接着剤31が充填されている。
ここで、第1の実施形態と同様に、光学部品30は、紫外線硬化型の接着剤31によって回路基板26上に固定されている。紫外線硬化型の接着剤31を光学部品30の外側と凸部42の内側との間隙に流し込む際において、紫外線硬化型の接着剤31は、凸部42によって外部へ流出することを規制される。
また、本実施形態において、紫外線硬化型の接着剤31は、光学部品30の側面及び回路基板26の上面だけでなく、回路基板26の凸部42の内壁面にも接着している。このため、上記実施形態1よりも紫外線硬化型の接着剤31が接着する部分が複雑で入り組んだ形状となり、受光素子基板23を外部の環境から確実に保護することができる。従って、より信頼性の高い半導体レーザ装置11を提供することができる。
尚、光ピックアップ装置10を組み立てる際には、回路基板26の凸部42を光ピックアップ装置10の光学基台、或いは中継用の部品等に勘合させて半導体レーザ装置11の位置決めを行えばよい。回路基板26に凸部42を設けることにより、光ピックアップ装置10を容易に組み立てることができる。
また、回路基板26の凸部42を回路基板26と同じ材料で一体に作製してもよいし、異なる材料で別途作製してもよい。例えば、樹脂材料を用いて凸部42の作製を別途行えば、一体に作製するよりも外形精度の高い回路基板26を作製することができる。また、凸部42の形状は、嵌合させる部品の形状に合わせて適切なものを選択すればよい。例えば、円形の円周部を凸部42として残した形状とすることにより、回路基板26を回転調整が可能な構成としてもよい。
(第3の実施形態)
第3の実施形態は、上記第2の実施形態の半導体レーザ装置11の構成を一部変更したものである。ここでは、本実施形態について、上記第2の実施形態と異なる点を説明する。
図7に示すように、本実施形態の半導体レーザ装置11では、回路基板26の端部の上面側に第1の凸部42が形成され、回路基板26の端部の下面側に間隙を持って受光素子基板23を囲む第2の凸部43が形成されている。尚、第1の凸部42は上記実施形態2の凸部を構成しており、第2の凸部43は回路基板26の一部を構成している。第2の凸部43の先端面には、外部接続電極27が配置されている。
第2の凸部43の内側には、封止用樹脂32が充填されている。受光素子基板23は、その下面及び側面が封止用樹脂32に覆われており、この封止用樹脂32によって回路基板26の下面側に封止されている。封止用樹脂32を第2の凸部43の内側に流し込む際において、封止用樹脂32は、第2の凸部43によって外部へ流出することを規制される。
本実施形態において、封止用樹脂32は、受光素子基板23及び回路基板26の下面だけでなく、回路基板26の第2の凸部43の内壁面にも接している。このため、上記実施形態2よりも封止用樹脂32が接する部分が複雑で入り組んだ形状となり、受光素子基板23を外部の環境からより一層確実に保護することができる。従って、より一層信頼性の高い半導体レーザ装置11を提供することができる。また、本実施形態では、第2の凸部43の先端面に外部接続電極27が配置されている。このため、回路基板26をフレキシブルプリント基板28上に容易に実装することができ、半導体レーザ装置11を容易に組み立てることができる。
尚、回路基板26の第2の凸部43を回路基板26と同じ材料で一体に作製してもよいし、異なる材料で別途作製してもよい。例えば、樹脂材料を用いて第2の凸部43の作製を別途行えば、一体に作製するよりも外形精度の高い回路基板26を作製することができる。
(第4の実施形態)
本発明の実施形態4は、上記実施形態3の半導体レーザ装置11の構成を変更したものである。ここでは、本実施形態について、上記実施形態3と異なる点を説明する。
図7に示すように、本実施形態の半導体レーザ装置11では、第2の凸部43の内側にペースト状のシリコン熱伝導性ゲル45(ジェルテック社製、熱伝導性ゲルDP−100等)が充填されている。つまり、本実施形態では、受光素子基板23の下面及び側面がシリコン熱伝導性ゲル45によって覆われている。第2の凸部43の下面には、受光素子基板23を覆うように放熱板46が取り付けられている。このように、受光素子基板23は、周りを回路基板26と放熱板46とに囲まれており、受光素子基板23と回路基板26と放熱板46とによって形成される空間にシリコン熱伝導性ゲル45が充填されている。
半導体レーザ装置11の動作時には、半導体レーザ素子22が発熱する。一方、本実施形態では、第2の凸部43の内側にシリコン熱伝導性ゲル45が充填されている。半導体レーザ素子22で生じた熱は、シリコン熱伝導性ゲル45を通じて放熱板46へ伝達し、光ピックアップ装置10の光学基台等を通じて該光ピックアップ装置10の外部へと放熱される。また、シリコン熱伝導性ゲル45は、電気を絶縁する性質を有すると共に密着性に優れており、電気絶縁性が確保されるだけでなく受光素子基板23への空気の流入も阻止される。
本実施形態では、受光素子基板23の下面及び側面がシリコン熱伝導性ゲル45で覆われている。ここで、従来には、受光素子基板と基台搭載部との間に銀ペーストが塗布されていたため、半導体レーザ素子で生じる熱を充分に放熱できないという問題があった。それに対し、本実施形態では、半導体レーザ素子22で生じた熱をシリコン熱伝導性ゲル45を通じて確実に放熱することができ、光学特性の劣化を確実に防いでより一層信頼性の高い半導体レーザ装置11を提供することができる。
−第4の実施形態の変形例−
上記第4の実施形態の半導体レーザ装置11の構成を一部変更してもよい。図8に示すように、本変形例の半導体レーザ装置11では、放熱板46の下面に放熱フィン47が取り付けられている。この放熱フィン47には、空気と接触する部分の面積を拡大させるために、多数の凸凹が設けられている。半導体レーザ素子22で生じた熱は、シリコン熱伝導性ゲル45を通じて放熱板46へ伝達し、放熱フィン47から空気中へ放熱される。
(その他の実施形態)
−第1変形例−
上記実施形態1〜4では、面発光型の半導体レーザ素子22が受光素子基板23上に実装されている。これに限らず、レーザ光が受光素子基板23から上方へ出射される構成であれば、半導体レーザ素子22と受光素子基板23とを一体に形成してもよい。また、受光素子基板23上にエッチング等により反射ミラーを形成して、或いは受光素子基板23上にミラーやプリズム等を配置して半導体レーザ素子22からの出射光13を上方に出射する構成であってもよい。
−第2変形例−
上記本実施形態1〜4において、回路基板26上にコンデンサ、インダクタ、及び抵抗等のチップ部品(図示せず)を搭載してもよい。
ここで、従来の半導体レーザ装置では、回路基板の周辺にチップ部品が配置されており、このために実装面積が拡大して受光素子基板とチップ部品とを結ぶ配線の長さが長くなっていた。
これに対し、回路基板26上にチップ部品を搭載すれば、受光素子基板23とチップ部品とを結ぶ配線の長さを短くする事ができ、小型で且つ電気的特性に優れた半導体レーザ装置11を提供することができる。また、回路基板26上に搭載可能であれば、コンデンサ、インダクタ、及び抵抗等以外にも、例えば高周波重畳回路やレーザ駆動回路等を回路基板26上に搭載してもよい。
−第3変形例−
上記実施形態1〜4では、受光素子基板23を回路基板26に実装した後、この回路基板26をフレキシブルプリント基板28上に実装するようにしたが、フレキシブルプリント基板28を回路基板26と一体に作製してもよい。このような構成とすれば、回路基板26とフレキシブルプリント基板28とを接続する工程が不要となり、より一層信頼性の高い半導体レーザ装置11を提供することができる。
−第4変形例−
上記実施形態1〜4では、半導体レーザ装置11にホログラム領域29を有する光学部品30を用いたが、受光素子基板23からの出射光13を透過するものであれば、これに限らず、ホログラム領域29を有しないカバーガラスやレンズを透光性部材として用いてもよい。半導体レーザ装置11にレンズを用いる場合には、受光素子基板23からの出射光13の発散状態を制御することができる。尚、光ピックアップ装置10において、ホログラム素子を対物レンズ16側に設けることも可能である。そして、ホログラム素子を対物レンズ16側に設けた場合には、半導体レーザ装置11にはカバーガラスが用いられる。
尚、半導体レーザ装置11にホログラム領域29を有する光学部品30を用いれば、受光素子基板23からの出射光13を複数の方向に分散させることができ、或いは光記録媒体17からの反射光18をホログラム領域29により回折させて受光素子基板23上の受光素子25で検出し、電流電圧変換や演算を行った後に信号出力として回路基板26の外部接続電極27から取り出すこと等が可能である。これにより、光ピックアップ装置10に用いられて優れた性能を発揮する半導体レーザ装置11を提供することができる。
以上説明したように、本発明は、光情報処理、光計測、及び光通信等に使用される半導体レーザ装置及び光ピックアップ装置について有用である。
第1の実施形態に係る半導体レーザ装置を搭載する光ピックアップ装置の概略図である。 第1の実施形態に係る半導体レーザ装置の構造を示す概略断面図である。 第1の実施形態に係る半導体レーザ装置の要部拡大図である。 第1の実施形態に係る半導体レーザ装置の分解斜視図である。 第1の実施形態に係る半導体レーザ装置の製造方法を説明する図である。 第2の実施形態に係る半導体レーザ装置の構造を示す概略断面図である。 第3の実施形態に係る半導体レーザ装置の構造を示す概略断面図である。 第4の実施形態に係る半導体レーザ装置の構造を示す概略断面図である。 第4の実施形態の変形例に係る半導体レーザ装置の構造を示す概略断面図である。 従来の半導体レーザ装置の構造を示す概略断面図である。 従来の受光装置の構造を示す概略断面図である。
符号の説明
10 光ピックアップ装置
11 半導体レーザ装置
13 出射光
14 コリメータレンズ
15 レーザミラー
16 対物レンズ
17 光記録媒体
18 反射光
22 半導体レーザ素子
23 受光素子基板
24 開口部
25 受光素子
26 回路基板
27 外部接続電極
28 フレキシブルプリント基板
29 ホログラム領域
30 光学部品
31 紫外線硬化型の接着剤
32 封止用樹脂
40 多層配線基板
41 アンダーフィル用樹脂
42 第1の凸部
43 第2の凸部
45 シリコン熱伝導性ゲル
46 放熱板
47 放熱フィン
50 パッド電極
51 内部接続電極
52 金バンプ

Claims (7)

  1. 開口部を有する回路基板と、
    上記開口部に受光領域が臨むようにフリップチップ工法により上記回路基板に実装され、封止用樹脂によって上記回路基板に封止された受光素子基板と、
    上記開口部に臨むように上記受光素子基板上に実装された半導体レーザ素子と、
    上記回路基板を挟んで上記受光素子基板と対向する側の回路基板上に上記開口部を覆うように固定された透光性部材とを備え、
    上記回路基板には多層配線が形成され、且つその端部に上記受光素子基板からの信号の入出力を行う電極端子が配置されており、
    上記開口部は、上記封止用樹脂と上記透光性部材とによって外部から仕切られた空間となっている半導体レーザ装置。
  2. 請求項1に記載の半導体レーザ装置において、
    上記透光性部材には、透過光を回折させるホログラム領域が設けられ、
    上記ホログラム領域で回折した透過光が上記回路基板の開口部を通って上記受光素子基板の受光領域へ入射するように構成されている半導体レーザ装置。
  3. 請求項1又は2に記載の半導体レーザ装置において、
    上記回路基板には、上記透光性部材を囲む凸部が透光性部材と間隙を持って形成され、
    上記凸部と上記透光性部材との間隙に透光性部材を上記回路基板上に固定する接着剤が充填されている半導体レーザ装置。
  4. 請求項1,2,又は3に記載の半導体レーザ装置において、
    上記回路基板には、上記受光素子基板を囲む凸部が受光素子基板と間隙を持って形成され、
    上記凸部の内側に上記封止用樹脂が充填されている半導体レーザ装置。
  5. 請求項4に記載の半導体レーザ装置において、
    上記封止用樹脂は、シリコン熱伝導性ゲルである半導体レーザ装置。
  6. 請求項4又は5に記載の半導体レーザ装置において、
    上記凸部の先端面に上記電極端子が配置されている半導体レーザ装置。
  7. 請求項1乃至6の何れか1つに記載の半導体レーザ装置において、
    上記回路基板上にチップ部品が搭載されている半導体レーザ装置。
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